JP3778744B2 - 固形製剤充填装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は病院などにおいて、処方箋により指定された固形製剤(以下、固形製剤とは錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤などの固形化された全ての製剤を言うものとする。)を容器内に充填するための固形製剤充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より病院などにおいては、例えば特公平3−59号公報(A61J3/00)に示される如き錠剤包装機を用い、医師により処方された複数種の錠剤を、一回の服用分毎に分包して患者に提供している。しかしながら、係る分包方式では一回の服用分毎に錠剤を排出し、ホッパーやコンベアなどにより集めて包装するものであるため、錠剤を収集する待ち時間などを含め、包装終了までに長時間を要する。また、係るホッパーやコンベアなどにより、専ら重力に頼って錠剤の収集を行っているため、装置も全体として大きなものとなっていた。
【0003】
一方、処方された錠剤を一種類毎に瓶(若しくは袋)などの容器に充填し、患者に提供する錠剤充填装置もある。係る錠剤充填装置の場合、従来では種類毎に錠剤をそれぞれ収納した複数のタブレットケースを前方に低く傾斜した状態でロッカー状に配列すると共に、各タブレットケースには当該タブレットケース内の錠剤を排出する排出機構を設け、処方箋に基づき指定されたタブレットケース内の錠剤を各排出機構によりそれぞれ排出する構成とされていた。
【0004】
このような錠剤充填装置では錠剤を一回の服用分毎に分包しないので、上記の如き錠剤包装機に比べれば短い時間で錠剤の充填を行えるものであるが、作業者が容器を持って当該タブレットケースの前まで行き、排出機構から錠剤を容器内に充填する作業が必要となるため、特に錠剤の種類が多い場合には各種類の容器への充填作業が極めて煩雑となり、時間もかかるものとなっていた。
【0005】
また、複数のタブレットケースがロッカー状に壁面に配列されるかたちとなるため、従来の錠剤包装機で求められていた装置全体の小型化を達成できるものでもなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は例えば特開平10−192367号公報に示される如く、複数並設したタブレットケースの下側に回転板を配設し、この回転板には複数の収納区画を形成すると共に、タブレットケースから排出された錠剤を回転板の回転にて当該タブレットケース下方に対応された所定の収納区画に受け止め、貯留しつつその排出口から容器に充填する構造を開発した。
【0007】
係る構成によれば、一カ所にて錠剤の充填を行うことが可能となると共に、従来のコンベア式或いはロッカー状の装置に比して装置全体の上下方向の寸法を縮小させることが可能となるものであるが、回転板が回転する関係上、周囲に構成されるクリアランス(隙間)から錠剤が他の収納区画に飛び込んでしまい、異なる種類の薬剤の混入が発生し易くなる。
【0008】
また、これを防止するために回転板とその周囲の部材とのクリアランスを厳密に規定して設計・製造しなければならず、生産性が悪化すると共に、コストも高騰する問題があった。
【0009】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、所定の容器に錠剤などの固形製剤を充填する固形製剤充填装置において、小型化を維持しつつ、組立作業性を改善させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の固形製剤充填装置は、固形製剤を種類毎にそれぞれ収納する複数のタブレットケースと、各タブレットケースの下側に対応して並設され、それらから排出された固形製剤を受け止めるための複数のホッパーと、各ホッパーの最下部にそれぞれ形成された排出口と、これらホッパーの下側に配置され、当該ホッパーの排出口が存在する円周上を回転移動される複数のホールディングセルと、このホールディングセルの下端出口を開閉するシャッタと、ホールディングセルから排出される固形製剤を所定の容器に案内し、充填するための充填手段とを備え、タブレットケースから固形製剤を排出する際、ホールディングセルを回転移動させてその位置を調整することにより、排出された固形製剤を受ける止めるホッパーの排出口にホールディングセルの上端入口を対応させてタブレットケースから落下する固形製剤を所定のホールディングセル内に収容すると共に、容器への充填時、当該ホールディングセルを回転移動させてその出口を充填手段に合致させ、シャッタを開くものであって、ホールディングセルとシャッタとからホールディングユニットを構成し、ホッパーの下側で回転する回転板上にホールディングユニットを、スナップ式の固定具により複数取り付けたことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、固形製剤を種類毎に収納するタブレットケースから固形製剤が排出されると共に、当該タブレットケースから排出された固形製剤は、その下側に並設された複数のホッパーにて受け止めるようにしたので、固形製剤が落下できるホッパーの傾斜角度を維持しつつ、装置の上下寸法の縮小を図ることが可能となる。
【0012】
更に、ホールディングセルを回転移動させてその位置を調整することにより、排出された固形製剤を受け止めるホッパーの排出口にホールディングセルの上端入口を対応させるので、タブレットケースから落下した固形製剤は所定のホールディングセル内に一旦収容される。そして、容器へ充填する際には当該ホールディングセルを回転移動させてその出口を充填手段に合致させ、シャッタを開くので、ホールディングセル内の固形製剤は下端出口から充填手段により容器に案内されて充填されるようになる。
【0013】
従って、複数種類のなかから指定された固形製剤を一カ所の充填手段にてそれぞれ容器に充填することができるようになり、作業性が著しく向上する。また、ホールディングセルの回転移動によってその上端入口をホッパーの排出口に対応させ、且つ、当該ホールディングセルの下端出口を充填手段に合致させる動作を実現しているので、充填に要する時間を著しく短縮させることが可能となり、患者に提供されるまでの待ち時間を一層短縮させてサービスの向上を図ることができるようになる。
【0014】
更に、例えば複数種の固形製剤を連続して充填する場合などに、複数のホールディングセル内にそれぞれ固形製剤を収納して置けるので、並列処理が円滑に行えるようになる。特に、ホッパーとホールディングセルの位置合わせが確実に行われれば製剤の混入も確実に生じなくなるので、従来に比して駆動部品とその周辺部材との間のクリアランスなどを厳格に管理する必要が無くなり、構造の簡素化と生産コストの低減を実現することができるようになる。
【0015】
特に、本発明ではホールディングセルとシャッタとからホールディングユニットを構成し、ホッパーの下側で回転する回転板上にホールディングユニットを、スナップ式の固定具により複数取り付けるようにしたので、ホールディングセルやシャッタの組み付けに要する時間及び手間を削減し、組立作業性の著しい改善を図ることが可能となるものである。
【0016】
請求項2の発明の固形製剤充填装置は上記において、シャッタを開閉するシャッタ駆動手段は、回転板の回転によるホールディングユニットの回転移動に干渉すること無く、ホールディングセルが充填手段に合致したホールディングユニットのシャッタに係脱自在に係合するよう配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明によれば、上記に加えてシャッタを開閉するシャッタ駆動手段は、回転板の回転によるホールディングユニットの回転移動に干渉すること無く、ホールディングセルが充填手段に合致したホールディングユニットのシャッタに係脱自在に係合するよう配置されているので、複数のホールディングユニットのシャッタを開閉させるシャッタ駆動手段が単体で済み、各ホールディングユニットに対してそれぞれ駆動手段を設けるよりも部品点数の著しい削減が図れるものである。
【0018】
請求項3の発明の固形製剤充填装置は上記において、シャッタの開閉を検出するシャッタ開閉検出手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明によれば、上記に加えてシャッタの開閉を検出するシャッタ開閉検出手段を設けたので、シャッタ駆動手段や他の部材の故障によってシャッタの開閉に異常が生じた場合、これを検知して、例えば装置の動作を禁止し、或いは、警告を発することが可能となるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の固形製剤充填装置1の正面図、図2は固形製剤充填装置1の側面図、図3は固形製剤充填装置1の斜視図、図4は固形製剤充填装置1のもう一つの斜視図、図5は固形製剤充填装置1の縦断側面図、図6は固形製剤充填装置1の平断面図、図6は固形製剤充填装置1の内部構成を説明する図をそれぞれ示している。
【0021】
本発明の固形製剤充填装置1は、病院や調剤薬局などに設置されるものであり、矩形状の本体2内に形成された固形製剤収納部3と、その下方に設けられた固形製剤充填機構10などから構成されている。固形製剤収納部3は本体2内の上部に構成されており、この固形製剤収納部3の前面は前下に回動自在とされた上扉4により開閉自在に閉塞されている。また、前記固形製剤充填機構10の前面はレール59によって引き出し自在(ドロワー式)とされた下扉5により開閉自在に閉塞され、固形製剤充填機構10はこの下扉5と共に本体2内より引き出し自在とされている。
【0022】
上記下扉5の前面中央部には少許内側に後退した充填部5Aが構成されており、この充填部5A内には充填手段を構成するシュート6の出口6Aが開口している。また、この充填部5A内には、出口6Aの近傍に位置して後述するバーコードリーダ42が設けられ、更に、充填部5Aの上方に対応する上扉4の前面にはテンキーから成るキースイッチ43と、処方データの内容やアラームなどの調剤状況を表示する表示装置47が配設されている。
【0023】
一方、前記固形製剤収納部3内には複数のタブレットケース7・・・が収納されている。各タブレットケース7・・には固形製剤が種類毎に所定量収納されており、各タブレットケース7・・の下部には図36に示す如く排出カウント装置8がそれぞれ設けられている。
【0024】
この排出カウント装置8は上側のタブレットケース7にそれぞれ連通しており、内部にはモータ駆動式の排出ドラム9が内蔵されている。この排出ドラム9の側面には上下に複数の溝11が形成されており、各溝11内に前記錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤などの固形化された製剤である固形製剤が上下一列で入り込む(実施例では二個)構成とされている。
【0025】
そして、排出ドラム9の回転に伴い、各溝11内の固形製剤が出口12から一個ずつ落下する構造とされている(図36に黒墨矢印で示す)。更に、この排出カウント装置8には前記出口12から落下する固形製剤を検出するためのフォトセンサ13が取り付けられている。
【0026】
上記の如きタブレットケース7は矩形状の受け部材50に所定数載置されており、この受け部材50が複数並設されるかたちとされている。また、各受け部材50・・・は図示しないレールによって前後方向に引出自在に保持されている(図4参照)。
【0027】
そして、タブレットケース7・・に固形製剤を補充する場合などには、上扉4を開き、受け部材50を引き出してタブレットケース7を上扉4上に移動させる。タブレットケース7・・に固形製剤を補充した後は、再び受け部材50を押し込んでタブレットケース7を固形製剤収納部3内に戻すものである。
【0028】
このように前後方向にタブレットケース7・・が引き出されることにより、固形製剤充填装置1の上方に空間を確保しなくともタブレットケース7への固形製剤の補充やタブレットケース7自体の交換を行うことができるようになり、省スペース化を図れる。
【0029】
一方、前記固形製剤充填機構10は、実施例では四個並設されたホッパー51、52、53、54と、複数(実施例では10個)のホールディングユニット61・・・(充填手段を構成する)が上面に取り付けられた円盤状の回転板16と、前述のシュート6などから構成されており、各ホッパー51〜54は前記タブレットケース7・・の下側に隙間無く配設され、回転板16はこれらホッパー51〜54の下側において回転自在に設けられている。
【0030】
この場合、各タブレットケース7・・は図6に示す如く平面略正方形状に配置されており、回転板16の回転中心16Aはこの正方形の中心に対応している。また、各ホッパー51〜54は何れも矩形状の上端開口から下端の排出口51A〜54Aに向けて所定の角度で傾斜しながら先細りとなる形状を呈しており、この傾斜は固形製剤が十分落下できる値とされている。
【0031】
更に、ホッパー51と52は前側左右に並設され、ホッパー53と54はそれらの後側左右に並設された状態で各ホッパー51〜54の上端開口は隙間無く密接される。また、左前のホッパー51上方には前述の如く全体として正方形状に配置されたタブレットケース7・・・のうち、左前部に位置する合計16個のタブレットケース7・・・が対応すると共に、右前のホッパー52上方には右前部に位置する合計16個のタブレットケース7・・・が対応する。
【0032】
そして、左後のホッパー53上方には左後部に位置する合計16個のタブレットケース7・・・が対応すると共に、右後のホッパー54上方には右後部に位置する合計16個のタブレットケース7・・・が対応している(図6参照)。
【0033】
このような構成としたことにより、例えば同一のホッパー51、52、53或いは54の上方に対応する二個或いはそれ以上数のタブレットケース7に、多量に消費する同一の固形製剤を収納して置けば、これらのタブレットケース7・・から同時に固形製剤を落下させて後述する如く瓶に充填を行うことが可能となり、充填時間の短縮が図れるようになる。
【0034】
また、同一種類の固形製剤が収納されたタブレットケース7・・を同一のホッパー51、52、53或いは54の上方に配置することにより、一つのホッパーを同一種類の固形製剤専用に使用できるようになり、ホッパーに全く異なる固形製剤の粉が付着することによる不都合の発生を解消できる。
【0035】
ここで、各ホッパー51〜54の左右の内面(傾斜面)には図8(この図ではホッパー51について示すが、他のホッパー52〜54も同様である)に示す如く内面に沿った縦壁62が立設されており、前後の内面に渡っては排出口51A(52A、53A、54A)を跨ぐかたちで縦壁63が立設されている。尚、これら縦壁62、63は図6に示す如く各タブレットケース7・・・の出口12・・の直下に対応しない位置とされている。タブレットケース7からホッパー51〜54内に落下した固形製剤は、その内面に当たって跳ね返り、それを繰り返そうとするが、ホッパー51〜54の内面には縦壁62、63が形成されているため、跳ね返った固形製剤はこの縦壁62、63に衝突する。そのため、固形製剤の反発運動は早期に終息し、排出口51A〜54Aに至るようになる。
【0036】
また、各ホッパー51〜54の上縁左右の外側には取付板64が取り付けられており、更に、この取付板64の下部には高さ調整機構を構成する略L字状の保持板66が図示しない螺子によって取り付けられている。この場合、保持板66の中央部にはスリット状の係合孔67が形成されており、その左右には縦長の長孔68、68が保持板66に形成されている。前記螺子はこの長孔68、68と取付板64の図示しない螺子孔に螺合されるものであるが、この螺子孔に対する保持板66の上下位置を長孔68、68の上下寸法範囲で調整することにより、保持板66の下端の高さが調整可能である。
【0037】
一方、下扉5のレール59上方には断面略L字状の保持部材(アングル)69が下扉5に固定されており、各ホッパー51〜54はこの保持部材69に取り付けられる。この場合、保持部材69の一側には内方に突出したフック71が固定されており、このフック71に対向する位置の保持部材69には同様に内方に突出する可動フック72が回動自在に取り付けられている。尚、この可動フック72はバネ73によって常時保持部材69の内方に突出する方向に回転付勢されている(図11〜図13)。また、各ホッパー51〜54の取付箇所に対応する位置の保持部材69には、ホッパー検出手段としてのマイクロスイッチ76が取り付けられている。
【0038】
そして、ホッパー51〜54を保持部材69に取り付ける際には、先ず一方の保持板66を保持部材69上に載置し、その際、当該保持板66の係合孔67内にフック71を挿入係合させる。また、可動フック72の下部をバネ73の付勢力に抗して内側に押し、保持部材69の外側に可動フック72を図12中時計回りに回動させる(図12、図13)。その状態で他方の保持板66を保持部材69上に載置し、可動フック72を離せば可動フック72はバネ73によって図12中反時計回りに回動され、他方の保持板66の係合孔67内に進入係合する。これによって、ホッパー51〜54は保持部材69上に固定されると共に、図9に示す如く保持板66がマイクロスイッチ76を押圧する。
【0039】
また、ホッパー51〜54を取り外す際には、上記とは逆に先ず可動フック72を回動させ、係合孔67から引き出した状態としてホッパー51〜54を斜め上方に引き上げれば、他方の保持板66の係合孔67もフック71から外れる。更に、ホッパー51〜54を取り外すことにより、マイクロスイッチ76は非押圧状態となる。このようにホッパー51〜54は保持部材69上に着脱自在に取り付けられるので、組み付け及び清掃などのメンテナンス作業が極めて容易に行えるようになる。
【0040】
更に、前述の如く保持板66の下端の高さは調整可能とされているので、この保持板66の螺子止め高さ位置を調整することにより、保持部材69上に取り付けられた状態のホッパー51〜54の排出口51A〜54Aの高さも長孔68の上下寸法範囲内で調整することができる。従って、その下側に位置するホールディングユニット61の後述するホールディングセル21と排出口51A〜54Aとの間のクリアランスの調整も容易に行えるようになる(図14)。
【0041】
更にまた、各ホッパー51〜54の下部外側には、こぼれ防止壁77が排出口51A〜54Aの全周に渡って外側に張り出すように取り付けられている。これにより、各ホッパー51〜54の排出口51A〜54Aから排出され、上記ホールディングセル21に入った固形製剤が跳ね返り、排出口51A〜54Aとホールディングセル21との間のクリアランス(図14)から外部に飛び出ようとしても、これをこぼれ防止壁77によりホールディングセル21方向に跳ね返すことが可能となる。
【0042】
一方、回転板16は図16、図17に示す如く下扉5に取り付けられたベース板24上に回転自在に取り付けられているが、その周辺部は合計6個のローラ78・・・によって支持されている。これによって、回転板16の回転は極めて安定化される。そして、回転板16の回転中心16Aにはベース板24の下側に配設されたパルスモータから成る回転板モータ16M(駆動手段)が連結され、回転板16はこの回転板モータ16Mによって回転駆動される。また、この回転板16の周縁部には中心から12度の間隔で切欠79が形成されており、更に、或る切欠79(図16に79Aで示す)から8度の間隔の位置には切欠81が追加形成されている。
【0043】
また、回転板16の周縁部の下側には上方に照射した光が透過して来るか否かによって検出動作を行う透過型の回転位置検出センサ41が配設されており、この回転位置検出センサ41の検出端子41A、41Bの間隔は、回転板16の回転角度にして4度とされている。従って、上記切欠81とその最も近い位置の切欠79(図16に79Bで示す)がそれらの直上に来たときには双方の検出端子41A、41Bに検出用の光路が形成されるように構成されている。
【0044】
そして、この回転板16の周辺部分には実施例では合計10個(回転板16のの回転中心16Aからの角度にして36度の間隔で形成される)の開口82・・・・が穿設されており、各開口82・・・をそれぞれ塞ぐように図18に示すホールディングユニット61・・・がスナップ式の固定具100により回転板16上に取り付けられる。また、回転板16の下側に位置してベース板24の前部中央には駆動手段を構成するソレノイドユニット27(図19に示す)が取り付けられている。
【0045】
前記ホールディングユニット61は、図32に示す如き枠状の基板84上に取り付けられたホールディングセル21と、このホールディングセル21の下側に配置されたシャッタ17などから構成されている。各ホールディングセル21・・は上端に入口21Aと下端の出口21Bを備え、全体として入口21A側が広くなる容器状を呈しており、ホールディングユニット61・・・が回転板16に取り付けられることによって、回転板16の回転中心16Aを中心として一つの円周上に配置される(図15)。
【0046】
ここで、前記ホッパー51〜54の排出口51A〜54Aは一つの円周上に配置されており、この円周は前記ホールディングセル21・・・が設けられた円周上方に合致し、且つ、各ホールディングセル21・・の入口21Aは各排出口51A〜54Aの直下に位置する(両者のクリアランスは前述の如く調整可能である)。即ち、回転板16の回転により、ホールディングセル21の入口21Aはホッパー51〜54の排出口51A〜54Aが存在する円周上を回転移動されるように構成されている。
【0047】
この場合、ホールディングセル21は基板84に固定された略コ字状の固定セル88とこの固定セル88に回動自在に取り付けられた略L字状若しくはコ字状の可動セル89とから構成されている(図20)。この可動セル89は固定セル88と組み合わされて全体として前述の如き容器形状を構成する。また、可動セル89はその外側上端部が固定セル88に回動自在に枢支(枢支部を89Aで示す)されている関係上、外側に回動(移動)した状態では図21に示す如く下部の出口21Bが拡開される。
【0048】
尚、この可動セル89は図31に示すバネ91によって出口21Bを狭める方向に常時付勢されている。また、可動セル89の外面には図31に示す如く基板84(回転板16)から下方に垂下して突出する作用板92が取り付けられている。
【0049】
また、シャッタ17は基板84の下側においてリンク機構93によって回動自在に枢支されており、開口82内に位置している。このリンク機構93は作用板94の後方(回転板16の回転中心16A方向)への水平移動をシャッタ17の回転運転に変換するものである。また、シャッタ17には下方に垂下する略L字状の感知板111が取り付けられている。シャッタ17は常には図32に示すバネ96によってホールディングセル21の出口21Bを閉じる(水平状態)よう付勢されており、バネ96に抗して作用板94が後方に移動された場合にその先端が降下し、出口21Bを開放する(図34)。
【0050】
一方、前記ソレノイドユニット27は図22〜図25に示す如くフレーム97と、このフレーム97に取り付けられた駆動手段としてのセル用ソレノイド98、シャッタ用ソレノイド99、フォトカプラから成るセル開センサ(可動セル動作検出手段)101、シャッタ開センサ(シャッタ開閉検出手段)102、反射光式のシャッタ閉センサ(シャッタ開閉検出手段)103などを備えている。
【0051】
セル用ソレノイド98のプランジャ98Aの先端には上方に延在して先端にローラ104を備えた駆動板106が取り付けられ、更に、プランジャ98Aには側方に突出した感知板107が取り付けられている。また、シャッタ用ソレノイド99のプランジャ99Aの先端には上方に延在する駆動板108が取り付けられ、更に、プランジャ99Aには側方に突出した感知板109が取り付けられている。
【0052】
両ソレノイド98、99のプランジャ98A、99Aが突出した状態で、図31に示す如く駆動板106は作用板92の前側(回転板16の円周側)に係脱自在に間隔を存して位置し、駆動板108も作用板94の前側に係脱自在に間隔を存して位置する。そして、回転板16の回転に伴う作用板92、94、感知板111の移動にソレノイドユニット27(駆動板106、108など)は何ら干渉しない。
【0053】
そして、セル用ソレノイド98に通電され、プランジャ98Aが吸引されると、駆動板106のローラ104が、ベース板24の前部中央に移動されたホールディングユニット61の作用板92に当接して引き寄せるので可動セル89が回動され、ホールディングセル21の出口21Bを拡開する(図34)。同時に感知板107がセル開センサ101の光路を遮断する。
【0054】
また、シャッタ用ソレノイド99に通電され、プランジャ99Aが吸引されると、駆動板108が、同ホールディングユニット61の作用板94に当接して引き寄せるのでシャッタ17が回動され、ホールディングセル21の出口21Bを開放する(図34)。同時に感知板109がシャッタ開センサ102の光路を遮断する。また、シャッタ17が図31の如く閉じた状態(水平)では感知板111がシャッタ閉センサ103の上方に対向して光を反射させ、シャッタ17の閉成が検知される。
【0055】
一方、 前記シュート6は透明な硬質合成樹脂により成形され、図27、図28に示す如き断面多角形の筒状を呈しており、その上部から左右に張り出した取付フランジ113、113を蝶螺子114によってベース板24の前部中央に下方から着脱自在に取り付けて設けられている(図26)。これにより、シュート6の上端入口6Bはベース板24の前部中央にて上方に開口し、その後方に前記ソレノイドユニット27が位置することになる。また、このように蝶螺子114によってシュート6をベース板24に取り付けているので、シュート6内を清掃するなどのメンテナンスの際には工具無しでシュート6のみを簡単に取り外すことができるようになり、作業性が良好となる。
【0056】
そして、シュート6は斜め前下方に延在して前述の如く下扉5前面の充填部5Aに臨み、その下端出口6Aはこの充填部5A内に開口している。また、このシュート6の出口6A手前には着脱自在の蓋26が取り付けられており、この蓋26によって出口6Aは開閉自在とされている。図中6Dはこの蓋26を差し込むスリットである。更に、蓋26の上側となるシュート6の下面にはマグネットスイッチから成るシュートセンサ116が取り付けられている。このシュートセンサ116は蓋26の下端に設けられたマグネット(図示せず)により、この蓋26の開閉を検出している。
【0057】
尚、シュート6はその内容量を拡大するために太めに形成されているが、その先端下面には両側から先細りとなるよう傾斜面6Cが形成され、それによって後述する容器Vの口が小さい場合にも、こぼすことなく固形製剤を容器V内に充填できるように配慮されている。また、前述の如くベース板24の前部中央に移動されたホールディングユニット61のホールディングセル21の出口21B及びシャッタ17は係るシュート6の上端入口6Bの上側に合致することになる。
【0058】
また、図4において117、118は上扉4、下扉5の開閉をそれぞれ検出する上扉センサ、下扉センサ(何れもマイクロスイッチなどで構成される)である。更に、レール59若しくはベース板24の下面には左右に開放したラック板119が取り付けられており、このラック板119内には左右スライド自在に電装基板121が収納され、下扉5と共に引き出し自在とされている。従って、下扉5を引き出し、電装基板121を横方向に引き出せばメンテナンスを容易に行えるようになる。
【0059】
次に、図37は本発明の固形製剤充填装置1の制御装置44のブロック図を示している。制御装置44は汎用マイクロコンピュータ45から構成されており、このマイクロコンピュータ45には図示しない外部のパーソナルコンピュータなどとの間でデータの送受信を行う送受信手段46が接続されると共に、入力端子には前記排出カウント装置8のフォトセンサ13、回転板16の回転位置を検出するための前記回転位置検出センサ41、前記セル開センサ101、シャッタ開センサ102、シャッタ閉センサ103、シュートセンサ106、マイクロスイッチ76(実際には4個)、上扉センサ117、下扉センサ118、バーコードリーダ42及びキースイッチ43が接続されている。
【0060】
また、マイクロコンピュータ45の出力端子には、前記排出カウント装置8の排出ドラム9を回転する排出ドラムモータ9M、回転板モータ16M、ソレノイドユニット27のセル用ソレノイド98及びシャッタ用ソレノイド99、更に表示装置47が接続されている。
【0061】
以上の構成で、次に本発明の固形製剤充填装置1の動作を説明する。図38はマイクロコンピュータ45の固形製剤排出動作のプログラムのフローチャートを、また、図39は同じくマイクロコンピュータ45の固形製剤充填動作のプログラムのフローチャートを示している。
【0062】
尚、電源投入状態において各ホールディングユニット61のシャッタ17はホールディングセル21の出口21Bを閉じており、可動セル89も出口21Bを狭める状態となっている(図30、図31、図32)。また、各カウント値などはリセットされている。
【0063】
更に、マイクロコンピュータ45は回転板モータ16Mにより回転板16を例えば図中時計回りに回転させる。そして、切欠81、79Bが回転位置検出センサ41の検出端子41A、41Bの上に来たことを検出した場合(双方で光を検出できたことで検出)、そのまま回転させ、回転板16の回転角度にして8度回す。これによって、回転板16は図16の状態となり、切欠79Aが検出端子41Aの上に来たところで停止される。
【0064】
この状態が回転板16の初期位置となり、更に10箇所の開口82・・・の配置(回転板16の回転角度にして36度間隔で配置)から、全てのホールディングユニット61・・・・(例えばNo.1〜No.10までの10個)それぞれの位置をマイクロコンピュータ45は認識する。これによって、初期設定が終了する。
【0065】
更に、マイクロコンピュータ45は各タブレットケース7・・の出口12・・の位置と、それらの下方に対応する各ホッパー51〜54の排出口51A〜54Aの位置とを記憶しており、これらの情報に基づき、所定のタブレットケース7の下方に対応するホッパー51、52、53或いは54の排出口51A、52A、53A或いは54Aの下側に所定のホールディングユニット61のホールディングセル21を移動するための回転板16の回転角度(0度を含む)を算出するものとする。
【0066】
今、作業者が医師の処方箋に基づき、前記パーソナルコンピュータに処方データを打ち込むと、パーソナルコンピュータからは固形製剤充填装置1にデータ送信要求が成される。固形製剤充填装置1のマイクロコンピュータ45は送受信手段46により、ステップS1で上記パーソナルコンピュータからのデータ送信要求を受信すると、次に、ステップS2で回転板16の全ホールディングユニット61・・のホールディングセル21に固形製剤が保留されて満杯となっているか否か判断し、満杯となっていればステップS1に戻って待機する。
【0067】
ステップS2で全てのホールディングセル21・・が満杯でなければ、マイクロコンピュータ45はステップS3でパーソナルコンピュータにデータ待ち受け状態である旨返信し、それに応じてパーソナルコンピュータから送られてくる処方データを受信して読み込む。そして、上記処方データに基づき、当該処方データにより指定された種類の固形製剤を収納するタブレットケース7の位置を認識する。
【0068】
次ぎに、マイクロコンピュータ45はステップS4で空いているホールディングセル21(ホールディングユニット61)及びその位置を認識し、例えば前記No.1のホールディングユニット61のホールディングセル21が空いている場合には、前述の如く回転角度を算出し、回転板モータ16Mを駆動して、No.1のホールディングユニット61のホールディングセル21の上端入口21Aが前記認識されたタブレットケース7の出口12の下方に対応するホッパー51、52、53或いは54の排出口51A、52A、53A或いは54Aの下側に来るように回転板16を回転させ、ホールディングユニット61の位置調整を行うと共に、当該No.を記憶する。
【0069】
尚、前記ホッパー51〜54の排出口51A〜54Aの下側にたまたま空いているホールディングセル21(ホールディングユニット61)がある場合には、マイクロコンピュータ45は回転板16を回転させず、その代わりに当該ホールディングセル21のNo.を記憶する。
【0070】
次ぎに、マイクロコンピュータ45はステップS5で前記認識されたタブレットケース7の排出カウント装置8の排出ドラムモータ9Mを回転駆動させる。これにより排出ドラム9が回転し、前述の如く固形製剤が一個ずつ落下するが、この落下した固形製剤はその下方に対応しているホッパー51、52、53或いは54内に落下して受け止められ、更にその排出口51A、52A、53A或いは54Aから前記ホールディングユニット61のホールディングセル21内に落下して受けとめられる。
【0071】
この落下する固形製剤の数は前記フォトセンサ13によりマイクロコンピュータ45によってカウントされる。そして、ステップS6にて当該カウントが終了したか否か判断し、否であればステップS5に戻ってこれを繰り返す。そして、フォトセンサ13にて検出される固形製剤の落下数が前記処方データに基づく固形製剤の数に一致したら、マイクロコンピュータ45はカウントが終了したものと判断し、排出ドラムモータ9Mの回転を中止してステップS1に戻る。
【0072】
一方、ホールディングセル21(例えばNo.1)内に落下した固形製剤は当該ホールディングセル21下部に至るが、この状態で下端の開口21Bはシャッタ17にて閉塞されているので、固形製剤は当該ホールディングセル21内に一旦保留される。尚、マイクロコンピュータ45は処方データにて指定された全種類の固形製剤について上記ステップS4からステップS6の動作を繰り返し、それぞれ種類毎に別々のホールディングユニット61のホールディングセル21・・に収容する。
【0073】
これによって、最大10種類の固形製剤が各ホールディングユニット61・・のホールディングセル21内に保留できる。尚、上記実施例では固形製剤を一種類ずつ順次ホールディングセル21に収容したが、実施例では四個のホッパー51〜54を使用しているので、全てのホッパー51〜54の排出口51A〜54Aに空のホールディングセル21・・・を対応させることにより、四種類の固形製剤を同時に各ホッパー51〜54上方のタブレットケース7・・・から落下させ、同時に四種類の固形製剤を異なるホールディングセル21・・・に収容する並列作業も可能である。係る構成によれば、充填時間を更に短縮できるようになる。
【0074】
このように、全てのホッパー51〜54を同時に並列使用するには、ホールディングセル21との位置合わせが重要となる。従って、正確に位置合わせする場合には、四個のホッパー51〜54の排出口51A〜54Aが回転中心16Aに対して90度間隔で配置されているときは、ホールディングセル21も90度間隔で配置する必要があるので、4の倍数の個数のホールディングユニット61を均等間隔で配置する。
【0075】
他方、作業者は前記処方データにて指定された固形製剤のうちの一種類を示すバーコードが印刷されたバーコードラベルを所定の容器V(例えば瓶)の側面に貼り付ける。そして、固形製剤充填装置1の充填部5A内に挿入すると、前記バーコードラベルのバーコードはバーコードリーダ42によって読みとられる。
【0076】
マイクロコンピュータ45は図39のステップS7でこのバーコードリーダ42にて読みとられたバーコード(固形製剤の種類)を読み込んだか否か判断し、読み込んだらステップS8に進んで当該種類の固形製剤がホールディングセル21(このホールディングユニット61のNo.は前述の如く記憶されている)に収納済みか否か判断する。そして、未だ収納されていない場合にはステップS7に戻って待機する。
【0077】
そして、前記ステップS6で当該種類の固形製剤がホールディングユニット61のホールディングセル21内に収納されると、マイクロコンピュータ45はステップS8からステップS9に進んで記憶されたNo.より当該固形製剤が収納されたホールディングユニット61を選択し、回転板モータ16Mを駆動して回転板16を回転させ、且つ、モータの回転ステップと回転位置検出センサ41が切欠79を検出することに基づいてベース板24の前部中央のシュート6及びソレノイドユニット27の位置に当該ホールディングユニット61を位置せしめる。
【0078】
この状態で図26の如く当該ホールディングユニット61の作用板92、94の前側にソレノイドユニット27の駆動板106、108がそれぞれ位置する。次ぎに、マイクロコンピュータ45はステップS10でセル用ソレノイド98及びシャッタ用ソレノイド99に通電し、前述の如く可動セル89を移動させて出口21Bを拡開すると共に、シャッタ17を開く。
【0079】
この可動セル89の移動及びシャッタ17の開放は感知板107、109の後退によりセル開センサ101及びシャッタ開センサ102にて検出され、マイクロコンピュータ45に入力される。係るシャッタ17の開放によりホールディングセル21内の固形製剤は下端の出口21Bよりシュート6内に落下する。このときシュート6の出口6Aは蓋26により塞がれているので固形製剤はこのシュート6内に保留されることになる。
【0080】
マイクロコンピュータ45は通電から所定期間後にセル用ソレノイド98及びシャッタ用ソレノイド99を非通電するので、可動セル89はバネ91により出口21Bを狭める方向に移動されて復帰し、シャッタ17もバネ96により回動されて再び出口21Bを閉じる(水平状態)。
【0081】
ここで、ホッパー51〜54からホールディングセル21内に落下した固形製剤は、複数積層して詰まった状態となり、ホールディングセル21内で所謂ブリッジを構成し、シャッタ17を開いても下部にあるものしか落下しなくなる危険性があるが、可動セル89が移動されて出口21Bを拡開するので、係るブリッジは崩され、固形製剤を確実且つ早期にシュート6に落下させることができるようになる。
【0082】
このようにシュート6内に固形製剤は落下するが、このときシュート6は太めに形成されているので、固形製剤を貯留するのに十分な容量を有している。そして、シュート6は透明な筒であるので、薬剤師は固形製剤が準備されたことを知り、その状態で容器Vの口をシュート6の出口6A下方に宛い、手動で蓋26を開けば、当該種類の固形製剤がシュート6から瓶内に充填される。この蓋26の開閉動作はシュートセンサ116によって検出され、マイクロコンピュータ45に出力される(ステップS11)。
【0083】
また、前述の如くホールディングセル21とシャッタ17とを一体化したホールディングユニット61を構成し、これを回転板16上に取り付ける方式としており、更にスナップ式の固定具100にて固定しているので、組み付け作業性は極めて良好なものとなる。更に、可動セル89やシャッタ17を動作させるソレノイド99、98を備えるソレノイドユニット27は、回転板16の回転に伴うホールディングユニット61の移動に干渉すること無く設けられ、シュート6に合致されたものを動作させるので、ソレノイドユニット27は単体で済み、各ホールディングユニット61にソレノイドを取り付けるよりも部品点数の著しい削減が図れる。
【0084】
尚、マイクロコンピュータ45は上扉センサ117或いは下扉センサ118によって上扉4或いは下扉5が開放されたことを検知すると、上記調剤動作を中断する。そして、閉じられた時点から引き続き調剤動作を継続する。
【0085】
また、マイクロコンピュータ45は何れかのホッパー51〜54が取り付けられていないことをマイクロスイッチ76により検知すると、調剤動作を禁止し、表示装置47にその旨の警告表示を行う。
【0086】
更に、上記調剤動作においてセル開センサ101により可動セル89が移動したことを検知できない場合や、シャッタ開センサ102によりシャッタ17が開放されたことを検知できない場合、或いは、シャッタ閉センサ103によりシャッタ17が閉じられたことを検知できない場合(光が反射してこない)にも調剤動作を禁止し、表示装置47にその旨の警告表示を行う。
【0087】
更にまた、シュートセンサ116により蓋26が開閉されたことを検知していない場合には、少なくともシャッタ17の開放を禁止する。これにより、シュート6内に固形製剤が貯留されている状態で、他の固形製剤がシュート6に落下せられる不都合を回避する。
【0088】
このように本発明では、固形製剤を種類毎に収納するタブレットケース7から、マイクロコンピュータ45により固形製剤が排出されると共に、当該タブレットケース7から排出された固形製剤は、その下側に並設された複数のホッパー51〜54にて受け止めるようにしたので、固形製剤が落下できるホッパー51〜54の傾斜角度を維持しつつ、装置の上下寸法の縮小を図ることが可能となる。
【0089】
更にマイクロコンピュータ45は、ホールディングユニット61を回転移動させてその位置を調整することにより、排出された固形製剤を受け止めるホッパー51〜54の排出口51A〜54Aにホールディングセル21の上端の入口21Aを対応させるので、タブレットケース7から落下した固形製剤は所定のホールディングセル21内に一旦収容される。そして、容器Vへ充填する際には当該ホールディングユニット61を回転移動させてその出口21Bをシュート6に合致させ、可動セル89を移動させ、シャッタ17を開くので、ホールディングセル21内の固形製剤は円滑に下端の出口21Bからシュート6に入り、容器Vに案内されて充填されるようになる。
【0090】
従って、複数種類のなかから指定された固形製剤を一カ所のシュート6にてそれぞれ容器Vに充填することができるようになり、作業性が著しく向上する。また、ホールディングユニット61の回転移動によってホールディングセル21の上端入口21Aをホッパー51〜54の排出口51A〜54Aに対応させ、且つ、当該ホールディングセル21の下端出口21Bをシュート6に合致させる動作を実現しているので、充填に要する時間を著しく短縮させることが可能となり、患者などに提供されるまでの待ち時間を一層短縮させてサービスの向上を図ることができるようになる。
【0091】
更に、例えば複数種の固形製剤を連続して充填する場合などに、複数のホールディングセル21・・内にそれぞれ固形製剤を収納して置けるので、並列処理が円滑に行えるようになる。特に、ホッパー51〜54とホールディングセル21の位置合わせが確実に行われれば固形製剤の混入も確実に生じなくなるので、従来に比して駆動部品とその周辺部材との間のクリアランスなどを厳格に管理する必要が無くなり、構造の簡素化と生産コストの低減を実現することができるようになるものである。
【0092】
また、シュート6の出口6Aに開閉自在の蓋26を設けたので、シャッタ17を開いてホールディングセル21より固形製剤をシュート6に排出した後、作業者が上記蓋26を開けるまでシュート6内に固形製剤を保留して置くことができるようになる。従って、容器Vへの充填作業を一層確実且つ容易とすることができるようになる。
【0093】
尚、実施例ではホストコンピュータからの処方データによって動作する構成を説明したが、それに限らず、キースイッチ43によって処方データを入力するスタンドアロン的な使用方法を行っても本発明は有効である。
【0094】
更に、本実施例では一個のタブレットケース7から固形製剤を取り出したが、本願はこれに限定されるものではない。前述したように、同一のホッパー51〜54の上方に位置する二個以上のタブレットケース7・・に同じ固形製剤を収納して、これらのタブレットケース7・・から同時に固形製剤を落下させても良い。この場合、マイクロコンピュータ45は、この複数のタブレットケース7・・に対応する排出ドラムモータ9Mを回転させ、この複数のタブレットケース7・・に対応するフォトセンサ13からの信号で剤数をカウントする。尚、その場合は同時落下を防止するために、この複数のタブレットケース7・・に対応する排出ドラムモータ9Mの回転を制御して、この複数のタブレットケース7・・の固形製剤の落下タイミングをずらすものである。
【0095】
更に、実施例では容器Vとしては瓶に限らず樹脂や紙などから成る包装袋を容器として固形製剤を充填しても差し支えない。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、固形製剤を種類毎に収納するタブレットケースから固形製剤が排出されると共に、当該タブレットケースから排出された固形製剤は、その下側に並設された複数のホッパーにて受け止めるようにしたので、固形製剤が落下できるホッパーの傾斜角度を維持しつつ、装置の上下寸法の縮小を図ることが可能となる。
【0097】
更に、ホールディングセルを回転移動させてその位置を調整することにより、排出された固形製剤を受け止めるホッパーの排出口にホールディングセルの上端入口を対応させるので、タブレットケースから落下した固形製剤は所定のホールディングセル内に一旦収容される。そして、容器へ充填する際には当該ホールディングセルを回転移動させてその出口を充填手段に合致させ、シャッタを開くので、ホールディングセル内の固形製剤は下端出口から充填手段により容器に案内されて充填されるようになる。
【0098】
従って、複数種類のなかから指定された固形製剤を一カ所の充填手段にてそれぞれ容器に充填することができるようになり、作業性が著しく向上する。また、ホールディングセルの回転移動によってその上端入口をホッパーの排出口に対応させ、且つ、当該ホールディングセルの下端出口を充填手段に合致させる動作を実現しているので、充填に要する時間を著しく短縮させることが可能となり、患者に提供されるまでの待ち時間を一層短縮させてサービスの向上を図ることができるようになる。
【0099】
更に、例えば複数種の固形製剤を連続して充填する場合などに、複数のホールディングセル内にそれぞれ固形製剤を収納して置けるので、並列処理が円滑に行えるようになる。特に、ホッパーとホールディングセルの位置合わせが確実に行われれば製剤の混入も確実に生じなくなるので、従来に比して駆動部品とその周辺部材との間のクリアランスなどを厳格に管理する必要が無くなり、構造の簡素化と生産コストの低減を実現することができるようになる。
【0100】
特に、本発明ではホールディングセルとシャッタとからホールディングユニットを構成し、ホッパーの下側で回転する回転板上にホールディングユニットを、スナップ式の固定具により複数取り付けるようにしたので、ホールディングセルやシャッタの組み付けに要する時間及び手間を削減し、組立作業性の著しい改善を図ることが可能となるものである。
【0101】
請求項2の発明によれば、上記に加えてシャッタを開閉するシャッタ駆動手段は、回転板の回転によるホールディングユニットの回転移動に干渉すること無く、ホールディングセルが充填手段に合致したホールディングユニットのシャッタに係脱自在に係合するよう配置されているので、複数のホールディングユニットのシャッタを開閉させるシャッタ駆動手段が単体で済み、各ホールディングユニットに対してそれぞれ駆動手段を設けるよりも部品点数の著しい削減が図れるものである。
【0102】
請求項3の発明によれば、上記に加えてシャッタの開閉を検出するシャッタ開閉検出手段を設けたので、シャッタ駆動手段や他の部材の故障によってシャッタの開閉に異常が生じた場合、これを検知して、例えば装置の動作を禁止し、或いは、警告を発することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固形製剤充填装置の正面図である。
【図2】 本発明の固形製剤充填装置の側面図である。
【図3】 本発明の固形製剤充填装置の斜視図である。
【図4】 本発明の固形製剤充填装置の上下扉を開放した状態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の固形製剤充填装置の縦断側面図である。
【図6】 本発明の固形製剤充填装置の平断面図である。
【図7】 本発明の固形製剤充填装置の内部構成を示す図である。
【図8】 本発明の固形製剤充填装置のホッパーの斜視図である。
【図9】 本発明の固形製剤充填装置のホッパーの側面図である。
【図10】 本発明の固形製剤充填装置のホッパーと保持部材の正面図である。
【図11】 本発明の固形製剤充填装置の可動フックの拡大図である。
【図12】 本発明の固形製剤充填装置のホッパーの取付手順を説明するホッパーと保持部材の正面図である。
【図13】 本発明の固形製剤充填装置の可動フックの動作を説明する可動フックの拡大図である。
【図14】 本発明の固形製剤充填装置のホッパーとホールディングセルの正面図である。
【図15】 本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット、回転板、ソレノイドユニット、シュートの配置を示す斜視図である。
【図16】 本発明の固形製剤充填装置の回転板及びベース板の平面図である。
【図17】 本発明の固形製剤充填装置の回転板及びベース板の縦断正面図である。
【図18】 本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニットの斜視図である。
【図19】 本発明の固形製剤充填装置のソレノイドユニットの斜視図である。
【図20】 本発明の固形製剤充填装置のホールディングセルの斜視図である。
【図21】 可動セルが移動した状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングセルの斜視図である。
【図22】 本発明の固形製剤充填装置のソレノイドユニットの平面図である。
【図23】 本発明の固形製剤充填装置のソレノイドユニットの正面図である。
【図24】 本発明の固形製剤充填装置のソレノイドユニットのセル用ソレノイド部分の縦断側面図である。
【図25】 本発明の固形製剤充填装置のソレノイドユニットのシャッタ用ソレノイド部分の縦断側面図である。
【図26】 本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット、ソレノイドユニット及びシュートなどの側面図である。
【図27】 本発明の固形製剤充填装置のシュートの平面図である。
【図28】 本発明の固形製剤充填装置のシュートの下面図である。
【図29】 本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット、ソレノイドユニット及びシュートなどの分解側面図である。
【図30】 シャッタを閉じた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット及びソレノイドユニットの斜視図である。
【図31】 シャッタを閉じた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット及びソレノイドユニットの側面図である。
【図32】 シャッタを閉じた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングセルを除くホールディングユニット及びソレノイドユニットの斜視図である。
【図33】 シャッタを開いた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット及びソレノイドユニットの斜視図である。
【図34】 シャッタを開いた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングユニット及びソレノイドユニットの側面図である。
【図35】 シャッタを開いた状態の本発明の固形製剤充填装置のホールディングセルを除くホールディングユニット及びソレノイドユニットの斜視図である。
【図36】 本発明の固形製剤充填装置のタブレットケースと排出カウント装置の透視斜視図である。
【図37】 本発明の固形製剤充填装置の制御装置のブロック図である。
【図38】 本発明の固形製剤充填装置のマイクロコンピュータのプログラムを示すフローチャートである。
【図39】 同じく本発明の固形製剤充填装置のマイクロコンピュータのプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 固形製剤充填装置
6 シュート
7 タブレットケース
8 排出カウント装置
10 固形製剤充填機構
16 回転板
17 シャッタ
21 ホールディングセル
21A 入口
21B 出口
26 蓋
27 ソレノイドユニット
44 制御装置
45 マイクロコンピュータ
51〜54 ホッパー
51A〜54A 排出口
61 ホールディングユニット
62、63 縦壁
66 保持板
67 係合孔
68 長孔
69 保持部材
71 フック
72 可動フック
73 バネ
77 こぼれ防止壁
88 固定セル
89 可動セル
98 セル用ソレノイド
99 シャッタ用ソレノイド
101 セル開センサ
102 シャッタ開センサ
103 シャッタ閉センサ

Claims (3)

  1. 固形製剤を種類毎にそれぞれ収納する複数のタブレットケースと、
    各タブレットケースの下側に対応して並設され、それらから排出された固形製剤を受け止めるための複数のホッパーと、
    各ホッパーの最下部にそれぞれ形成された排出口と、
    これらホッパーの下側に配置され、当該ホッパーの前記排出口が存在する円周上を回転移動される複数のホールディングセルと、
    このホールディングセルの下端出口を開閉するシャッタと、
    前記ホールディングセルから排出される固形製剤を所定の容器に案内し、充填するための充填手段とを備え、
    前記タブレットケースから固形製剤を排出する際、前記ホールディングセルを回転移動させてその位置を調整することにより、排出された固形製剤を受ける止める前記ホッパーの排出口に前記ホールディングセルの上端入口を対応させて前記タブレットケースから落下する固形製剤を所定のホールディングセル内に収容すると共に、
    前記容器への充填時、当該ホールディングセルを回転移動させてその出口を前記充填手段に合致させ、前記シャッタを開く固形製剤充填装置において、
    前記ホールディングセルとシャッタとからホールディングユニットを構成し、前記ホッパーの下側で回転する回転板上に前記ホールディングユニットを、スナップ式の固定具により複数取り付けたことを特徴とする固形製剤充填装置。
  2. シャッタを開閉するシャッタ駆動手段は、回転板の回転によるホールディングユニットの回転移動に干渉すること無く、ホールディングセルが充填手段に合致した前記ホールディングユニットのシャッタに係脱自在に係合するよう配置されていることを特徴とする請求項1の固形製剤充填装置。
  3. シャッタの開閉を検出するシャッタ開閉検出手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2の固形製剤充填装置。
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