JP3777029B2 - 熱型赤外線検出素子、熱型赤外線検出素子の製造方法、赤外線撮像システムおよび赤外線撮像装置 - Google Patents

熱型赤外線検出素子、熱型赤外線検出素子の製造方法、赤外線撮像システムおよび赤外線撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱型赤外線検出素子、赤外線検出素子の製造方法、赤外線撮像システムおよび赤外線撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、室内にいる人間の有無や活動量を検知することによって、セキュリティや空調制御を行おうという要求が高まりつつある。すなわち、人体から放出された赤外線を検知することにより人体を検知し、その信号を空気調和機・照明器具等の環境制御機器や防犯システム等の制御に用いる目的で、赤外線センサを用いて赤外線発生源を検出する装置が使用されるようになってきた。さらに、熱源等の被写体の温度分布をリアルタイムで撮像し、異常検知を行いたいという要求が高まる中で、2次元の赤外線検知素子の需要が高まっている。それに伴い、安価で高性能な2次元赤外線検知素子の開発が望まれている。
【0003】
赤外線センサとしては、赤外線を光子としてとらえる量子型センサと、赤外光の吸収によって素子の温度が上昇した結果生じる素子の物性変化を利用する熱型センサの2種類が知られている。量子型センサについては通常液体窒素等による冷却が必要なため、一般的には熱型センサが用いられている。熱型センサの中でも、焦電型赤外線センサは他の熱型センサに比べて感度が高いため、赤外線発生源検知には適しているが、焦電型赤外線センサは基本的には赤外線の変化を検出するものであるため、静止した赤外線発生源を検知しようとした場合、何等かの方法で赤外線が断続的にセンサ受光部に入射するように工夫する必要があり、通常はスリット付き円板や平板等のチョッパーを回転あるいは振動させることにより赤外線の断続入射(チョッピング)を実現している。
【0004】
また、他の熱型赤外線センサとして金属の熱起電力を検知するサーモパイル型がある。このサーモパイル型は温接点と冷接点との温度差から生じる熱起電力を利用するため、素子構造としては大きなものとなる。また、抵抗率変化も検知するボロメータ型があるが、抵抗の変化率が十分大きいとはいえない。さらに、他の熱型赤外線センサとして誘電ボロメータ型がある。これは誘電率の温度変化を検知するものであるが、まだ実用化には至っていない。これらはチョッパーが必要ない反面、電圧印可を必要としている。
【0005】
図17は、従来の焦電型赤外線センサにおける焦電素子の断面構造を示す概略図である。上記焦電型赤外線センサにおいて、基板を兼ねる誘電体膜161表面上には赤外線を受光するための受光電極162と、その受光電極162の1つ1つに対応して補償電極163とが形成されており、さらにこの表面に対して誘電体膜161裏面上には、それら受光電極162および補償電極163のそれぞれに対応して第1の対向電極164および第2の対向電極165が形成されている。受光電極162および補償電極163には、それぞれの出力用の配線166、167が接続されている。一対の受光電極162と補償電極163にそれぞれ対応する第1の対向電極164および第2の対向電極165は、図示はされていないが、電気的に接続されている。誘電体膜161表面の受光電極162のみに赤外線が照射されることによって電位差が生じ、その電圧を検知することによって赤外線発生源を探知することができる。このようにした場合、補償電極に対する電位差であるので、素子間ばらつきは緩和されるが、完全ではなく、約10%の感度ばらつきが生じる。
【0006】
また、上記のような補償電極を有しないものは、誘電体膜の特性がそのまま出力に反映されるため、大きな感度ばらつきが生じることがある。これらはソフト的に補正を行っている場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして赤外線を検知する熱型赤外線センサは、測定空間の温度分布を調べ発熱源を検知することができるものである。上記従来のものでは、たとえば8つの赤外線受光電極162によって8つの独立した検知エリアを形成させた状態において、赤外線発生源である人体からの赤外線が1つの受光電極162のみに入射した場合、本来ならば1つの受光電極162からの出力信号のみが出力されなければならない。ところが、実際には1つの赤外線受光電極162で赤外線受光がなされた時の入射熱が、誘電体膜161を伝導し、他の赤外線受光電極162にも伝導されて温度上昇を伴い、これらの受光電極が赤外線受光を行った時と同様の分極を生じ、電位差が発生し出力信号として出力される、すなわち熱クロストークを生じてしまうという問題点がある。
【0008】
この熱的なクロストーク、すなわち、赤外線は入射されていないにもかかわらず、熱の伝搬によって出力がでてしまうことによって、見かけの出力が上昇し、赤外線像がぼけたり、また発熱源の大きさを大きく判断することによって、正確な熱源の位置が検知できなかったりするという問題点がある。なお、上記の説明は、受光電極同士の熱クロストークについて行ったが、受光電極から補償電極への熱クロストークも同様にして起こり、本来、赤外線の影響を受けること無しに、受光電極の出力を補償していた補償電極の信頼性が低下するという問題点もある。
【0009】
このクロストークを抑えるために、また、補償電極に赤外光が入射しないようにするために、補償電極と受光電極を十分離して配置するという対策が考えられるが、これにより素子の小型化が阻害されるという問題がある。さらに、補償電極を対応する受光電極の横に並べることによって、素子がさらに大きくなり、マイクロ化、2次元化には適さないという問題点がある。
【0010】
すなわち、焦電素子の受光電極間や受光電極・補償電極間の熱の伝搬による熱クロストークによって、ある1つの受光電極に赤外線が入射すると、その近傍の受光電極からも出力が生じてしまい、空間センシングの出力にばらつきや誤差が生じ、正確な発熱物体検知を行うことができないという問題がある。さらに、クロストークを十分に抑制するためには、素子の大きさが大きくなり、高解像度化、マイクロ化を行うことができないという問題がある。
【0011】
さらに、補償電極を形成することによって、センサ出力は受光電極と補償電極との電位差として検知することができるので、誘電体膜自身の特性ばらつきをある程度相殺し、素子間の感度ばらつきを若干抑制することができるが、十分ではなく、10%以上の感度ばらつきが生じるという問題点がある。
【0012】
また、補償電極の無いものは、誘電体膜の特性がそのまま出力に反映されるため、素子間の大きな感度ばらつきが生じるという問題点がある。これらの感度ばらつきに対しては、1画素ずつ感度補正をソフト的に行っている場合があるが、非常に煩雑な作業であるという問題点がある。
【0013】
すなわち、赤外線検知素子の素子数が多くなるにつれて、誘電体膜の特性の違いが顕著に現れ、素子間の感度バラツキが非常に大きくなり、空間センシングの出力にばらつきや誤差が生じ、正確な発熱物体検知を行うことができないという問題がある。さらに、そのバラツキを抑制するためにはソフト的に複雑な作業が必要になり、高分解能化、低コスト化することができないという問題がある。
【0014】
本発明は、従来の熱型赤外線検出素子のこの様な課題を考慮し、素子の小型化を図ることによって、マイクロ化、2次元化、高解像度化を可能とする、低コストの熱型赤外線検出素子および熱型赤外線検出素子の製造方法を提供することを目的とするものである。また、上記に加え、受光電極および補償電極を、熱的なクロストークを抑制するように形成することによって、赤外線像のぼけをなくして、マイクロ化、2次元化、高解像度化を可能とする、低コストの熱型赤外線検出素子および熱型赤外線検出素子の製造方法を提供することを目的とするものである。さらに、受光電極間の感度のばらつきを抑制することができ、正確で誤差の少ない測定空間のセンシングを可能とし、高分解能を有する赤外線撮像システムを提供することを目的とするものである。また、上記の熱型赤外線検出素子または赤外線撮像システムを備えた赤外線撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
発明は、赤外線を受光することによって分極が生じる第一および第二の誘電体と、前記第一の誘電体を挟んで配置された受光電極および第一の対向電極を1組有し、前記赤外線を遮蔽することなしに前記第一の誘電体に受光させ、前記分極に伴う表面電荷の変化を出力する受光電極対と、前記第二の誘電体を挟んで配置された補償電極および第二の対向電極を1組有し、前記受光電極対からの出力を補償するために、前記第二の誘電体の表面電荷を出力する補償電極対とを有する、複数個の検出素子要素と
複数個の前記検出素子要素が形成された基板とを備え、
前記第二の誘電体膜は前記赤外線から遮蔽されており、前記第一の誘電体を挟んだ前記受光電極対は、前記各検出素子要素毎に前記第二の誘電体を挟んだ前記補償電極対の上に、犠牲層のエッチング除去により生じた対向電極間空隙を介して積層され、前記第一の対向電極と前記第二の対向電極とは、前記各検出素子要素毎に電気的に接続されており、
前記基板は、前記基板の前記受光電極対に対向する部分に設けられた空間である基板空隙を有していることを特徴とする熱型赤外線検出素子である。
【0018】
また、本発明は、基板上に補償電極を形成する工程と
記補償電極上に第二の誘電体を形成する工程と
記第二の誘電体上に第二の対向電極を形成する工程と
記第二の対向電極上に第一の対向電極を形成する工程と
記第一の対向電極上に第一の誘電体を形成する工程と
記第一の誘電体上に受光電極を形成する工程と
記基板の、少なくとも前記第一の誘電体と前記受光電極および前記第一の対向電極とが重なる部分の直下にあたる位置に設けられる空間である基板空隙を形成する工程と
記第二の対向電極と前記第一の対向電極との間に対向電極間空隙を形成する工程と、を含み、
前記対向電極間空隙を形成する工程は、前記第一の対向電極を形成する工程の前に、前記第二の対向電極上に犠牲層を形成する工程と、前記第一の対向電極を形成する工程の後、前記犠牲層を除去する工程とを有することを特徴とする熱型赤外線検出素子の製造方法である。
【0021】
また、本発明は、本発明の熱型赤外線検出素子と、前記各受光電極の出力をそれぞれに対応する前記補償電極の出力により補償を行う補償手段とを備えることを特徴とする赤外線撮像システムである
【0022】
また、本発明は、本発明の熱型赤外線検出素子、または、本発明の赤外線撮像システムを備えることを特徴とする赤外線撮像装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図である。
【0025】
シリコン半導体基板13上に赤外線受光によって分極が生じる1枚の誘電体膜(図示せず)が形成されており、その誘電体膜の表裏面それぞれに、誘電体膜を挟み込むように、赤外線を受光する複数の受光電極11と、それぞれの受光電極に対向する複数の第一の対向電極(図示せず)とが形成されている。さらに、それらの受光電極11に対して1つの補償電極12およびそれに対向する第二の対向電極(図示せず)が、受光電極11と同一の半導体基板13上の外縁付近に、前記誘電体膜を挟んで形成されている。なお、各第一の対向電極と第二の対向電極とは電気的に接続されている。
【0026】
上記の構成によって、各受光電極11へ赤外線が入射した時、補償電極12からの出力によって、各受光電極11からの出力を補償するようにしている。
【0027】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、複数の受光電極に対して1つの補償電極を設置することによって、受光電極1つに対して補償電極1つを形成していた従来の1次元焦電体アレイ型の熱型赤外線検出素子が有していた、素子構造が大きくなるという課題を解決し、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、受光電極と補償電極とを同一誘電体膜に設けることによって、誘電体膜自身の特性ばらつきによる受光電極間の感度のばらつきを抑制することができ、正確で高解像度の赤外線像を得ることができ、正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0028】
なお、本発明の誘電体は、本実施の形態においては、1枚の基板状に1枚の誘電体が形成されているとして説明したが、各受光電極、補償電極毎に分割された複数の誘電体である場合は、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行えるという上記の効果に加え、誘電体を介しての熱クロストークを抑制できるという効果がある。
【0029】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0030】
図2は、本発明の第2の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図である。
【0031】
シリコン半導体基板23上に赤外線受光によって分極が生じる1枚の誘電体膜(図示せず)が形成されており、その誘電体膜の表裏面それぞれに、誘電体膜を挟み込むように、赤外線を受光する複数の受光電極21と、それぞれの受光電極に対向する複数の第一の対向電極(図示せず)とが形成されている。さらに、別のシリコン半導体基板24に、前記誘電体膜と材質、厚さが同じ別の誘電体膜(図示せず)が形成されており、その誘電体膜の表裏面それぞれに、1つの補償電極22およびそれに対向する第二の対向電極(図示せず)が、前記誘電体膜を挟んで形成されている。なお、各第一の対向電極と第二の対向電極とは電気的に接続されている。
【0032】
上記の構成によって、各受光電極21へ赤外線が入射した時、補償電極22からの出力によって、各受光電極21からの出力を補償するようにしている。
【0033】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、複数の受光電極に対して1つの補償電極を設置することによって、受光電極1つに対して補償電極1つを形成していた従来の1次元焦電体アレイ型の熱型赤外線検出素子が有していた、素子構造が大きくなるという課題を解決し、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、受光電極と補償電極とを異なる基板上に設けることによって、受光電極から補償電極への熱の逃げをなくし、クロストークのない正確で高解像度の赤外線像を得ることができるので、正確な2次元温度分布を得ることができ、正確な熱源検知を行うことができる。
【0034】
なお、本実施の形態において、補償電極22が形成された半導体基板24と半導体基板23とを、受光電極21への赤外線の入射を妨げることなく、重ねて配置することによって、平面的にさらに小型化が図れる。
【0035】
なお、本発明の誘電体は、本実施の形態においては、複数の受光電極に対して1枚の誘電体が形成されているとして説明したが、各受光電極毎に分割された複数の誘電体である場合は、上述した効果に加え、受光電極同士の誘電体を介しての熱クロストークを抑制できるという効果がある。
【0036】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0037】
図3は、本発明の第3の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図である。
【0038】
シリコン半導体基板33上に赤外線受光によって分極が生じる1枚の誘電体膜(図示せず)が形成されており、その誘電体膜の表裏面それぞれに、誘電体膜を挟み込むように、、赤外線を受光する複数の受光電極31と、それぞれの受光電極に対向する複数の第一の対向電極(図示せず)とが形成されている。さらに、別のシリコン半導体基板34に、前記誘電体膜と材質、厚さが同じ別の1枚の誘電体膜(図示せず)が形成されており、その誘電体膜の表裏面それぞれに、受光電極31に一対一で対応する複数の補償電極32およびそれに対向する第二の対向電極(図示せず)が、前記誘電体膜を挟んで形成されている。なお、各第一の対向電極と第二の対向電極とは電気的に接続されている。
【0039】
上記の構成によって、各受光電極31へ赤外線が入射した時、補償電極32からの出力によって、各受光電極31からの出力を補償するようにしている。
【0040】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、受光電極と補償電極とを異なる基板上に設けることによって、受光電極から補償電極への熱の逃げをなくし、正確で高解像度のクロストークのない赤外線像を得ることができるので、正確な2次元温度分布を得ることができ、正確な熱源検知を行うことができる。
【0041】
なお、本実施の形態において、補償電極32が形成された半導体基板34と半導体基板33とを、受光電極31への赤外線の入射を妨げることなく、重ねて配置することによって、平面的に小型化が図れる。
【0042】
なお、本発明の誘電体は、本実施の形態においては、複数の受光電極に対して1枚の誘電体が形成されているとして説明したが、各受光電極毎に分割された複数の誘電体である場合は、上述した効果に加え、受光電極同士の誘電体を介しての熱クロストークを抑制できるという効果がある。
【0043】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0044】
図4は、本発明の第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。
【0045】
絶縁膜43が形成されたシリコン半導体基板41に設けられた空隙42上に、絶縁膜43を介して、補償電極44、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜45、対向電極46、誘電体膜45と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜47、受光電極48の順で、各膜及び各電極が積層されている。また、シリコン半導体基板41の空隙42上以外の場所においては、受光電極48と、補償電極44または絶縁膜43との間に別の絶縁膜49が形成されている。絶縁膜49は、絶縁膜43と同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、絶縁膜43と一体形成したものであってもよい。以上によって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙42がシリコン半導体基板41上に二次元的に設けられ、各空隙42毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極48および補償電極44はそれぞれ、出力用の配線48a、44aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極46は、本発明の共通対向電極に対応するものであり、受光電極48と共に本発明の受光電極対を形成しており、補償電極44と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙42は本発明の基板空隙に、誘電体膜47は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜45は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0046】
また、誘電体膜47は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜45は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極48が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極46が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0047】
上記の構成によって、各受光電極48へ赤外線が入射した時、対応する補償電極44からの出力によって、各受光電極48からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙42から空気中に放熱され、半導体基板41を介しての他の受光電極対との熱クロストークは抑制される。
【0048】
次に、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明する。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、前述したように半導体基板41上に複数の素子要素が二次元的に配置されたものであり、製造も複数の素子要素が同工程で平行して製造されるが、本製造方法の説明においては、素子要素一個についての説明を中心に行う。
【0049】
図5は、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図である。
【0050】
まず、シリコン半導体基板41に空隙42を設け、その上に絶縁膜43を形成する(図5(a))。次に、絶縁膜43上に補償電極44およびそれに接続する配線44aを形成し、空隙42上以外の、配線44a上もしくは絶縁膜43上に絶縁膜49を形成する(図5(b))。次に、空隙42上の補償電極44上に赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜45を形成し、誘電体膜45の上に対向電極46を形成する(図5(c))。さらに、この対向電極46の上に誘電体膜45と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜47を形成した後、受光電極48を誘電体膜47の上に、受光電極48に接続する配線48aを絶縁膜49の一部の上に、それぞれ形成する(図5(d))。以上の工程を経て、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が得られる。シリコン半導体基板41上に二次元的に前記素子要素が形成されることによって、、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が得られる。
【0051】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、赤外線を受光する受光電極対に対して、それぞれ1つずつの補償電極対を受光電極対の基板裏面に形成することによって、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、1つの受光電極対の下部に1つの補償電極対を形成することによって、誘電体膜自身の特性ばらつきによる電極対間の感度バラツキを抑制し、電極面積を同じ大きさにすることができ、さらに、受光電極対同士の熱クロストークを抑制できマイクロ化、高密度化、高分解能化を達成することができ、正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0052】
なお、対向電極46は、本発明の共通対向電極に対応するものであるとして説明したが、受光電極48に対応する第一の対向電極と、補償電極44に対応する第二の対向電極とに分かれ、それぞれが電気的に接続されている構成でもよい。
【0053】
また、本実施の形態においては、絶縁膜43はシリコン半導体基板41上の全面に形成されているとして説明したが、これに限らず、例えば、空隙42上にはなくてもよい。要するに、各電極および各誘電体膜とシリコン半導体基板41との絶縁性を確保するように、絶縁膜43または絶縁膜49が形成されておりさえすればよい。
【0054】
さらに、本実施の形態における各電極および各膜は、図4にしめすように平坦であるとして説明したが、一部段差があってもよい。
【0055】
なお、本発明の基板空隙は、本実施の形態においては、基板を貫通しているとして説明したが、これに限らず、図6に示す変形例のように、貫通しない空間であってもよい。要するに、本発明の第一の誘電体の赤外線による入射熱を放熱させるような構成でありさえすれば、形状等は限定されるものではない。
【0056】
さらに、本発明の基板空隙は、本実施の形態においては、本発明の第一の誘電体および第二の誘電体が重なる部分の直下にのみ形成されているとして説明したが、これに限らず、前記重なる部分を含む広い範囲に形成されていてもよい。要するに、少なくとも第一の誘電体と受光電極対が重なる部分の直下に形成されておりさえすればよい。
【0057】
また、本発明の第一の誘電体および第二の誘電体は、本実施の形態においては、各素子要素毎に形成されているとして説明したが、複数の素子要素にまたがって連続する一枚の誘電体であってもよい。ただし、この場合は、本実施の形態に比べて、受光電極対間の熱クロストークを抑制する効果は小さくなる。
【0058】
さらに、本発明の基板空隙を形成する工程は、本実施の形態においては、本発明の補償電極を形成する工程の前に行われるとして説明したが、これに限らず、例えば、受光電極を形成する工程の後、行われるとしてもよい。
【0059】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0060】
図7は、本発明の第5の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、第一の誘電体とそれに対応する第二の誘電体とが平面的に異なる位置に配置されることに関する点以外は、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第4の実施の形態と同じとし、第4の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第4の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0061】
絶縁膜53が形成されたシリコン半導体基板51に設けられた空隙52の縁部に、絶縁膜53を介して、補償電極54、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜55が重ね合わされて積層され、空隙52の上には絶縁膜53を介して絶縁膜59が形成され、空隙52上の絶縁膜59上と、誘電体膜55上とにまたがって対向電極56が形成され、空隙52上の対向電極56上に誘電体膜55と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜57が形成され、少なくとも誘電体膜57上をカバーするように受光電極58が形成されている。また、シリコン半導体基板51の空隙52上以外の場所においては、受光電極58と、補償電極54または絶縁膜53との間にも絶縁膜59が形成されている。以上によって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙52がシリコン半導体基板51上に二次元的に設けられ、各空隙52毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極58および補償電極54はそれぞれ、出力用の配線58a、54aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。
【0062】
また、誘電体膜57は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜55は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極58が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極56が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0063】
上記の構成によって、各受光電極58へ赤外線が入射した時、対応する補償電極54からの出力によって、各受光電極58からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙52から空気中に放熱され、半導体基板51を介しての他の受光電極対との熱クロストークは抑制される。
【0064】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子に比し、素子要素一個当たりの面積が大きくなることによって、コンパクト化の効果は減少するものの、第4の実施の形態が有する他の効果に加えて、誘電体膜57の赤外線による入射熱を、誘電体膜55を介さずに空気中に放熱させることができるので、受光電極対から補償電極対への熱クロストークも抑制できるという効果も有する。
【0065】
なお、本実施の形態においては、絶縁膜53および絶縁膜59は空隙52上にも形成されているとして説明したが、空隙52上になく、対向電極56が空隙52に直接露出していてもよい。
【0066】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0067】
図8は、本発明の第6の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、基板空隙がない替わりに絶縁膜空隙を有することに関する点以外は、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第4の実施の形態と同じとし、第4の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第4の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0068】
図8に示すように、シリコン半導体基板61上に絶縁膜63が形成され、絶縁膜63上に空隙62を有する絶縁膜60が形成され、空隙62にふたをするように、補償電極65が絶縁膜60上の一部に形成されている。補償電極65上の空隙62の直上にあたる部分には、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜66、対向電極67、誘電体膜66と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜68、受光電極69の順で、各膜および各電極が積層されている。また、絶縁膜60の空隙62上以外の場所においては、絶縁膜60上に直接、もしくは、補償電極65を介して、別の絶縁膜64が形成されている。絶縁膜60、絶縁膜63、絶縁膜64は、それぞれが同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、同じ材質のもの同士を一体形成したものであってもよい。以上によって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙62がシリコン半導体基板61上の絶縁膜60に二次元的に設けられ、各空隙62毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極69および補償電極65はそれぞれ、出力用の配線69a、65aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極67は、本発明の共通対向電極に対応するものであり、受光電極69と共に本発明の受光電極対を形成しており、補償電極65と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙62は本発明の絶縁膜空隙に、誘電体膜68は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜66は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0069】
また、誘電体膜68は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜66は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極69が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極67が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0070】
上記の構成によって、各受光電極69へ赤外線が入射した時、対応する補償電極65からの出力によって、各受光電極69からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙62から空気中に放熱され、半導体基板41あるいは絶縁膜60を介しての他の受光電極対との熱クロストークは抑制される。
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、赤外線を受光する受光電極対に対して、それぞれ1つずつの補償電極対を受光電極対の基板裏面に形成することによって、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、1つの受光電極対の下部に1つの補償電極対を形成することによって、誘電体膜自身の特性ばらつきによる電極対間の感度バラツキを抑制し、電極面積を同じ大きさにすることができ、さらに、受光電極対同士の熱クロストークを抑制できマイクロ化、高密度化、高分解能化を達成することができ、正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0071】
なお、本実施の形態においては、絶縁膜63はシリコン半導体基板61上の全面に形成されているとして説明したが、これに限らず、例えば、絶縁膜63を省略して、絶縁膜60が直接シリコン半導体基板61上に形成されているとしてもよい。要するに、各電極および各誘電体膜とシリコン半導体基板61との絶縁性を確保するように、絶縁膜60、絶縁膜63または絶縁膜64が形成されておりさえすればよい。
【0072】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0073】
図9は、本発明の第7の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、対向電極間空隙を有することに関する点以外は、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第4の実施の形態と同じとし、第4の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第4の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0074】
絶縁膜73が形成されたシリコン半導体基板71に設けられた空隙72上に、補償電極74、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜75、対向電極176、対向電極76、誘電体膜75と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜77、受光電極78の順で、各膜及び各電極が積層されている。対向電極176と対向電極76との間には、空隙80が形成されており、対向電極176と対向電極76とは電気的に接続されている。また、シリコン半導体基板71の空隙72上以外の場所においては、受光電極78と、補償電極74または絶縁膜73との間に別の絶縁膜70が形成されている。絶縁膜70は、絶縁膜73と同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、絶縁膜73と一体形成したものであってもよい。以上によって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙72がシリコン半導体基板71上に二次元的に設けられ、各空隙72毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極78および補償電極74はそれぞれ、出力用の配線78a、74aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極76は、本発明の第一の対向電極に対応するものであり、受光電極78と共に本発明の受光電極対を形成しており、対向電極176は、本発明の第二の対向電極に対応するものであり、補償電極74と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙72は本発明の基板空隙に、空隙80は本発明の対向電極間空隙に、誘電体膜77は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜75は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0075】
また、誘電体膜77は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜75は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極78が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極76または対向電極176が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0076】
上記の構成によって、各受光電極78へ赤外線が入射した時、対応する補償電極74からの出力によって、各受光電極78からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙80から空気中に放熱され、対応する補償電極対への熱クロストークは抑制される。また、他の要因によって対応する補償電極対に熱が生じた場合でも他の補償電極対への熱クロストークは、空隙72により抑制される。
【0077】
次に、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明する。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、前述したように半導体基板71上に複数の素子要素が二次元的に配置されたものであり、製造も複数の素子要素が同工程で平行して製造されるが、本製造方法の説明においては、素子要素一個についての説明を中心に行う。
【0078】
図10は、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図である。
【0079】
まず、シリコン半導体基板71上に絶縁膜73を形成する。この絶縁膜73の上の一部に補償電極74およびそれに接続する配線74aを形成し、さらに、補償電極74が露出するようにして、絶縁膜73もしくは配線74a上に絶縁膜70を形成する(図10(a))。次に、補償電極74上に赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜75を形成する。さらに、この上に対向電極176、犠牲層79を形成する(図10(b))。次に、その上に、この対向電極76、誘電体膜75と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜77を形成する(図10(c))。受光電極78を誘電体膜77の上に、受光電極78に接続する配線78aを絶縁膜70上の一部に、それぞれ形成し、犠牲層79をエッチング除去して空隙80を形成し、半導体基板71の誘電体膜75の直下部に空隙72を形成する(図10(d))。以上の工程を経て、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が得られる。シリコン半導体基板71上に二次元的に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が得られる。
【0080】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、赤外線を受光する受光電極対に対して、それぞれ1つずつの補償電極対を受光電極対の基板裏面に形成することによって、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、1つの受光電極対の下部に1つの補償電極対を形成することによって、誘電体膜自身の特性ばらつきによる電極対間の感度バラツキを抑制し、電極面積を同じ大きさにすることができ、さらに、受光電極対同士の熱クロストークに加え、受光電極対から補償電極対への熱クロストークも抑制できマイクロ化、高密度化、高分解能化を達成することができ、正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、絶縁膜73は空隙72の位置には形成されていないとして説明したが、これに限らず、例えば、シリコン半導体基板71上の全面に形成されているとしてもよい。要するに、各電極および各誘電体膜とシリコン半導体基板71との絶縁性を確保するように、絶縁膜70または絶縁膜73が形成されておりさえすればよい。
【0082】
また、本実施の形態においては、本発明の対向電極間空隙に加えて本発明の基板空隙を備えているとして説明したが、これに限らず、対向電極間空隙のみを備えているとしても、受光電極対から補償電極対への熱クロストークを抑制できるという効果は得られる。
【0083】
さらに、本発明の基板空隙を形成する工程は、本実施の形態においては、受光電極を形成する工程の後、行われるとして説明したが、これに限らず、例えば、本発明の補償電極を形成する工程の前に行うとしてもよい。
【0084】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0085】
図11は、本発明の第8の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、受光電極対と補償電極対とが、異なる基板を重ね合わせて接合して形成された一枚の基板の表裏面にそれぞれ配置されていることに関する点以外は、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第4の実施の形態と同じとし、第4の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第4の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0086】
下面に絶縁膜82が形成されたシリコン半導体基板81に設けられた空隙87aの下に、絶縁膜82を介して、対向電極85が形成され、対向電極85の空隙87aの直下部下に赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜84が形成され、その下に補償電極83が形成されている。また、上面に絶縁膜182が形成されたシリコン半導体基板86に設けられた空隙87b上に、絶縁膜182を介して、対向電極85と電気的に接続されている対向電極185が形成され、対向電極185の空隙87bの直上部上に誘電体膜84と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜88が形成され、その上に受光電極89が形成されている。また、シリコン半導体基板81の空隙87a下以外の場所においては、補償電極83と絶縁膜82との間または対向電極85の下に別の絶縁膜181が形成されている。同様に、シリコン半導体基板86の空隙87b上以外の場所においては、受光電極89と絶縁膜182との間または対向電極185の上に別の絶縁膜183が形成されている。絶縁膜82と絶縁膜181とは、および/または、絶縁膜182と絶縁膜183とは、同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、両者を一体形成したものであってもよい。各膜および各電極が形成されている面が表裏面となるように、かつ、空隙87aと87bが合わさって空隙87を形成するように、2枚のシリコン半導体基板81、86が重ね合わされて接合されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙87がシリコン半導体基板81、86に二次元的に設けられ、各空隙87毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極89および補償電極83はそれぞれ、出力用の配線89a、83aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極185は、本発明の第一の対向電極に対応するものであり、受光電極89と共に本発明の受光電極対を形成しており、対向電極85は、本発明の第二の対向電極に対応するものであり、補償電極83と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙87は本発明の基板空隙に、誘電体膜88は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜84は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0087】
また、誘電体膜88は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜84は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極89が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極85が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0088】
上記の構成によって、各受光電極89へ赤外線が入射した時、対応する補償電極83からの出力によって、各受光電極89からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙87から空気中に放熱され、半導体基板81、86を介しての他の受光電極対との熱クロストークおよび対応する補償電極対への熱クロストークは抑制される。
【0089】
次に、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明する。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、前述したように半導体基板81、86に複数の素子要素が二次元的に配置されたものであり、製造も複数の素子要素が同工程で平行して製造されるが、本製造方法の説明においては、素子要素一個についての説明を中心に行う。
【0090】
図12は、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図である。
【0091】
まず、シリコン半導体基板86上に絶縁膜182を形成する。この絶縁膜182の上の一部に対向電極185を形成する。この対向電極185の上の一部に赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜88を形成する。さらに、誘電体膜88の上面が露出するようにして、絶縁膜182もしくは対向電極185上に絶縁膜183を形成した後、受光電極89を誘電体膜88の上に、受光電極89に接続する配線89aを絶縁膜183上の一部に、それぞれ形成する(図12(a))。次に、別のシリコン半導体基板81上に絶縁膜82を形成する。この絶縁膜82の上の一部に対向電極85を形成する。この対向電極85の上の一部に誘電体膜88と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜84を形成する。さらに、誘電体膜84の上面が露出するようにして、絶縁膜82もしくは対向電極85上に絶縁膜181を形成した後、補償電極83を誘電体膜84の上に、補償電極83に接続する配線83aを絶縁膜181上の一部に、それぞれ形成する(図12(b))。次に、シリコン半導体基板81、86の誘電体膜84、88の下部をエッチングし、空隙87b、87aを形成する(図12(c))。最後に、2枚のシリコン半導体基板81、86を、各膜および各電極が形成されている面がそれぞれ表裏面となるように、かつ、空隙87aと87bが合わさって空隙87を形成するように、重ね合わせて接合する(図12(d))。なお、図12(a)で示した工程と、図12(b)で示した工程とは、図12(b)で示した工程のほうが先に行われてもよいし、両者が同時並行して行われてもよい。
【0092】
すなわち、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、赤外線を受光する受光電極対に対して、それぞれ1つずつの補償電極対を受光電極対の基板裏面に形成することによって、構造をコンパクト化でき、2次元化を容易に行うことができる。さらに、1つの受光電極対の下部に1つの補償電極対を形成することによって、誘電体膜自身の特性ばらつきによる電極対間の感度バラツキを抑制し、電極面積を同じ大きさにすることができ、さらに、受光電極対同士の熱クロストークに加え、受光電極対から補償電極対への熱クロストークも抑制できマイクロ化、高密度化、高分解能化を達成することができ、正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0093】
なお、本実施の形態においては、絶縁膜82、182はそれぞれ、シリコン半導体基板81、86上(または下)の全面に形成されているとして説明したが、これに限らず、例えば、空隙87上(または下)にはなくてもよい。要するに、各電極および各誘電体膜とシリコン半導体基板81、86との絶縁性を確保するように、絶縁膜82、182または絶縁膜181、183が形成されておりさえすればよい。
【0094】
また、本発明の基板空隙は、本実施の形態においては、各基板を貫通しているとして説明したが、これに限らず、空隙87bのみを有する構成であってもよい。要するに、本発明の第一の誘電体の赤外線による入射熱を、誘電体膜84に伝えることなく、空気中に放熱させるような構成でありさえすればよい。
【0095】
さらに、本実施の形態においては、対向電極85、185は、空隙87の直上(または直下)以外にも形成されているとして説明したが、これに限らず、少なくとも、空隙87の直上(または直下)のみに形成され、対応する対向電極同士が電気的に接続されておりさえすればよい。
【0096】
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0097】
図13は、本発明の第9の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、基板が基板空隙外縁部付近に段差を有することに関する点以外は、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第4の実施の形態と同じとし、第4の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第4の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0098】
空隙93が形成されたシリコン半導体基板91上に、空隙93の外周部よりわずかに広い貫通孔を有するシリコン半導体基板92を、前記貫通孔と空隙93とを重ね合わせるようにして接合された接合基板上全面に、絶縁膜94が空隙93にふたをするように形成されている。その空隙93上に、絶縁膜94を介して、補償電極95、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜96、対向電極97、誘電体膜96と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜98、受光電極99の順で、前記貫通孔による前記接合基板の段差になじむように、各膜及び各電極が積層されている。また、前記接合基板の空隙93上以外の場所においては、受光電極99と、補償電極95または絶縁膜94との間に別の絶縁膜90が形成されている。絶縁膜90は、絶縁膜94と同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、絶縁膜94と一体形成したものであってもよい。以上によって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙93が前記接合基板上に二次元的に設けられ、各空隙93毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極99および補償電極95はそれぞれ、出力用の配線99a、95aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極97は、本発明の共通対向電極に対応するものであり、受光電極99と共に本発明の受光電極対を形成しており、補償電極95と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙93は本発明の基板空隙に、誘電体膜98は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜96は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0099】
また、誘電体膜98は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜96は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極99が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極97が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0100】
上記の構成によって、各受光電極99へ赤外線が入射した時、対応する補償電極95からの出力によって、各受光電極99からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙93から空気中に放熱され、前記接合基板を介しての他の受光電極対との熱クロストークは抑制される。また、各膜及び各電極の空隙93上に形成されている部分は、前記段差により、他の素子表面よりも窪まった位置にある。すなわち、受光電極99を介して誘電体膜98に到達する赤外線には、基板面に垂直な方向に対しての指向性がある。
【0101】
したがって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子の有する効果に加え、基板面に垂直な方向に対しての指向性を持つという効果を有する。
【0102】
次に、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明する。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、前述したように前記接合基板上に複数の素子要素が二次元的に配置されたものであり、製造も複数の素子要素が同工程で平行して製造されるが、本製造方法の説明においては、素子要素一個についての説明を中心に行う。
【0103】
図14は、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図である。
【0104】
シリコン半導体基板91に空隙93を設ける(図14(a))。別の半導体基板92に凹部を形成し、前記凹部と空隙93とを重ね合わせるようにして半導体基板91に接合し、その上面を薄く研磨する。その上に、空隙93にふたをするように絶縁膜94を形成し、絶縁膜94上の一部に補償電極95およびそれに接続する配線95aを形成する。さらに、その上に、補償電極95の空隙93上の部分が露出するように、別の誘電体膜90を形成する(図14(b))。補償電極95の露出した部分の上に、赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜96を形成する。この上に対向電極97を形成し、さらに、この上に誘電体膜96と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜98を形成する(図14(c))。受光電極99を誘電体膜98の上に、受光電極99に接続する配線74aを絶縁膜90の一部の上に、それぞれ形成する(図14(d))。
【0105】
なお、本発明の段差は、本実施の形態においては、空隙93が形成されたシリコン半導体基板91上に、空隙93の外周部よりわずかに広い凹部を有するシリコン半導体基板92を、前記凹部と空隙93とを重ね合わせるようにして接合することによって形成されているとして説明したが、これに限らず、一枚の基板にあらかじめ段差を形成したものであってもよい。また、2枚の半導体基板を接合した後に、凹部を形成するとしてもよい。
【0106】
(第10の実施の形態)
次に、本発明の第10の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0107】
図15は、本発明の第10の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図である。本実施の形態における熱型赤外線検出素子は、上述した第8の実施の形態における熱型赤外線検出素子が異なる基板を重ね合わせて接合して形成された一枚の基板を用いているのに対し、異なる基板を重ね合わせるだけで接合しない状態で用いていることに関する点以外は、上述した第8の実施の形態における熱型赤外線検出素子と同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第8の実施の形態と同じとし、第8の実施の形態と同じ呼称の構成部材については、特に説明のない限り、第8の実施の形態と同様の機能を持つものとする。
【0108】
下面に絶縁膜105が形成されたシリコン半導体基板101に設けられた空隙106aの下に、絶縁膜105を介して、対向電極114が形成され、対向電極114の空隙106aの直下部下に赤外線受光によって分極が生じる誘電体膜103が形成され、その下に補償電極102が形成されている。また、上面に絶縁膜112が形成されたシリコン半導体基板109に設けられた空隙106b上に、絶縁膜112を介して、対向電極114とスルーホールを介して電気的に接続されている対向電極104が形成され、対向電極104の空隙106bの直上部上に誘電体膜103と同じ材質・膜厚・面積を有する誘電体膜107が形成され、その上に受光電極108が形成されている。また、シリコン半導体基板101の空隙106a下以外の場所においては、補償電極102と絶縁膜105との間または対向電極114の下に別の絶縁膜110が形成されている。同様に、シリコン半導体基板109の空隙106b上以外の場所においては、受光電極108と絶縁膜112との間または対向電極104の上に別の絶縁膜111が形成されている。絶縁膜105と絶縁膜110とは、および/または、絶縁膜112と絶縁膜111とは、同じ材質である必要はないが、同じ材質である場合は、両者を一体形成したものであってもよい。各膜および各電極が形成されている面が表裏面となるように、かつ、空隙106aと106bが合わさって空隙106を形成するように、2枚のシリコン半導体基板101、109が重ね合わされることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素が形成されている。複数の空隙106がシリコン半導体基板101、109に二次元的に設けられ、各空隙106毎に前記素子要素が形成されることによって、本実施の形態における熱型赤外線検出素子が構成されている(図示せず)。受光電極108および補償電極102はそれぞれ、出力用の配線108a、102aを介して各素子要素から導出されて外部電極(図示せず)へと接続されている。なお、対向電極104は、本発明の第一の対向電極に対応するものであり、受光電極108と共に本発明の受光電極対を形成しており、対向電極114は、本発明の第二の対向電極に対応するものであり、補償電極102と共に本発明の補償電極対を形成している。また、空隙106は本発明の基板空隙に、誘電体膜107は本発明の第一の誘電体に、誘電体膜103は本発明の第二の誘電体に、それぞれ対応するものである。
【0109】
また、誘電体膜107は上方からの赤外線が入射できるような構成になっており、反対に誘電体膜103は上方からの赤外線が入射できないような構成となっている。例えば、受光電極108が赤外線を透過させる材質のものであり、対向電極114が赤外線を遮蔽する材質のものであればよい。
【0110】
上記の構成によって、各受光電極108へ赤外線が入射した時、対応する補償電極102からの出力によって、各受光電極108からの出力を補償するようにしている。このとき、赤外線が入射されることによって生じる入射熱は、空隙106から空気中に放熱され、半導体基板101、109を介しての他の受光電極対との熱クロストークおよび対応する補償電極対への熱クロストークは抑制される。
【0111】
(第11の実施の形態)
次に、本発明の第11の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0112】
図16は、本発明の第11の実施の形態における赤外線撮像システムの概略構成図である。
【0113】
本実施の形態における赤外線撮像システムは、複数の受光電極201および単数または複数の補償電極202を有する本発明の熱型赤外線検出素子200と、各電極からの信号を読み込む読込部203と、各受光電極201へ赤外線が入射して、受光電極201から得られる信号と補償電極202からの信号とを処理する時、補償電極202からそれに対応する受光電極201までの距離を考慮し、長いところも短いところも同じ出力が得られるように距離補正を行う距離補正部204と、距離補正部204によって補正された補償電極202からの出力および受光電極201からの出力の差を検知して、各受光電極201からの出力を補償する差検知部205と、差検知部205の出力を増幅する増幅部206と、増幅部206の出力をアナログ−デジタル変換するA/D変換部207とから構成されている。
【0114】
このように、補償電極から受光電極までの距離を考慮し、かつ、補償電極からの出力と、受光電極からの出力の差を検知することによって、複数の受光電極からのセンサ出力を同じように補償することができ、ばらつきや誤差のない、正確なセンサ測定出力を得ることができ、正確な熱源検知、人体検知を行うことができる。さらに、補償電極から受光電極までの距離を補正し、補償・受光素子との差を検知するので、誘電体膜自身の特性ばらつきや配線長の違いによる素子間の感度バラツキを抑制することができるので、赤外線像のぼけを抑制することができ、信頼性も高く、高精度に人体検知、位置検知を行うことが可能である。
【0115】
なお、熱型赤外線検出素子200として、上述した第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子のように、受光電極と補償電極が重ね合わされて積層されているような熱型赤外線検出素子のみを用いる場合は、距離補正部204は省略できる。
【0116】
(第12の実施の形態)
次に、本発明の第12の実施の形態を説明する。
【0117】
本実施の形態における赤外線撮像システムは、各電極の出力を読み込む際に、1つの受光電極の出力を読み込む直前または読み込んだ直後に、それに対応する補償電極の出力を読み込むことに関する点以外は、上述した第11の実施の形態における赤外線撮像システムと同様である。したがって、本実施の形態において、特に説明のないものについては、第11の実施の形態と同じとする。
【0118】
本実施の形態における赤外線撮像システムの構成は、第11の実施の形態における赤外線撮像システムと同じであるので、説明は省略し、符号も同じものを使用する。
【0119】
本実施の形態における赤外線撮像システムは、読込部203が、各受光電極201へ赤外線が入射して、受光電極201から得られる信号と補償電極202からの信号とを処理する時、受光電極201からの出力とそれに対応する補償電極202からの出力を交互に読み込んでいくことによって、各受光電極からの出力を補償することを特徴とする。
【0120】
すなわち、1つの補償電極を1つの受光電極の下部に形成し、対向電極を共通にし、受光電極からの出力と補償電極からの出力を交互に読み込んでいくことによって、複数の受光電極からのセンサ出力を同じように補償することができ、ばらつきや誤差のない、正確なセンサ測定出力を得ることができ、正確な熱源検知、人体検知を行うことができる。さらに、受光素子、補償素子を同一の基板上に形成しているので、誘電体膜自身の特性ばらつきによる素子間の感度バラツキを抑制し、正確で高解像度の赤外線像を得ることができ、信頼性も高く、高精度に正確な2次元温度分布を得ることができる。
【0121】
なお、熱型赤外線検出素子200として、上述した第1の実施の形態における熱型赤外線検出素子のように、複数の受光電極に対して1つの補償電極のみが対応しているような熱型赤外線検出素子のみを用いる場合は、本実施の形態における読込部の機能は省略できる。
【0122】
なお、上述した第1〜第12の実施の形態においては、本発明の熱型赤外線検出素子、熱型赤外線検出素子の製造方法および赤外線撮像システムを中心に説明したが、本発明の赤外線撮像装置は、上述した各熱型赤外線検出素子または赤外線撮像システムを備えるものである。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、請求項1〜24の本発明は、素子の小型化を図ることによって、マイクロ化、2次元化、高解像度化を可能とする、低コストの熱型赤外線検出素子および熱型赤外線検出素子の製造方法を提供することができる。
【0124】
また、請求項6〜24の本発明は、上記に加え、受光電極および補償電極を、熱的なクロストークを抑制するように形成することによって、赤外線像のぼけをなくして、マイクロ化、2次元化、高解像度化を可能とする、低コストの熱型赤外線検出素子および熱型赤外線検出素子の製造方法を提供することができる。
【0125】
さらに、請求項25〜27の本発明は、受光電極間の感度のばらつきを抑制することができ、正確で誤差の少ない測定空間のセンシングを可能とし、高分解能を有する赤外線撮像システムを提供することができる。
【0126】
また、請求項28の本発明は、上記の熱型赤外線検出素子または赤外線撮像システムを備えた赤外線撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図。
【図2】本発明の第2の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図。
【図3】本発明の第3の実施の形態における熱型赤外線検出素子の表面模式図。
【図4】本発明の第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図5】本発明の第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図。
【図6】本発明の第4の実施の形態における熱型赤外線検出素子の変形例の一素子要素の断面模式図。
【図7】本発明の第5の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図8】本発明の第6の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図9】本発明の第7の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図10】本発明の第7の実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図。
【図11】本発明の第8の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図12】本発明の第8の実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図。
【図13】本発明の第9の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図14】本発明の第9の実施の形態における熱型赤外線検出素子の製造方法を説明するための一素子要素の断面模式図。
【図15】本発明の第10の実施の形態における熱型赤外線検出素子の一素子要素の断面模式図。
【図16】本発明の第11の実施の形態における赤外線撮像システムの概略構成図。
【図17】従来の焦電型赤外線センサの断面模式図。
【符号の説明】
11、21、31、48、201 受光電極
12、22、32、44、202 補償電極
13、23、24、33、34、41 半導体基板
42 空隙
43、49 絶縁膜
45、47 誘電体膜
46 対向電極
44a、48a 配線
203 読込部
204 距離補正部
205 差検知部
206 増幅部
207 A/D変換部

Claims (14)

  1. 赤外線を受光することによって分極が生じる第一および第二の誘電体と、前記第一の誘電体を挟んで配置された受光電極および第一の対向電極を1組有し、前記赤外線を遮蔽することなしに前記第一の誘電体に受光させ、前記分極に伴う表面電荷の変化を出力する受光電極対と、前記第二の誘電体を挟んで配置された補償電極および第二の対向電極を1組有し、前記受光電極対からの出力を補償するために、前記第二の誘電体の表面電荷を出力する補償電極対とを有する、複数個の検出素子要素と
    複数個の前記検出素子要素が形成された基板とを備え、
    前記第二の誘電体は前記赤外線から遮蔽されており、前記第一の誘電体を挟んだ前記受光電極対は、前記各検出素子要素毎に前記第二の誘電体を挟んだ前記補償電極対の上に、犠牲層のエッチング除去により生じた対向電極間空隙を介して積層され、前記第一の対向電極と前記第二の対向電極とは、前記各検出素子要素毎に電気的に接続されており、
    前記基板は、前記基板の前記受光電極対に対向する部分に設けられた空間である基板空隙を有していることを特徴とする熱型赤外線検出素子。
  2. 前記各検出素子要素は、同一の前記基板上に絶縁膜層を介して設置されていることを特徴とする請求項1記載の熱型赤外線検出素子。
  3. 前記各第一の対向電極は、同一の前記基板の一方の面上に絶縁膜層を介して設置され、前記各第二の対向電極は、前記同一の前記基板の反対側の面上に別の絶縁膜層を介して設置されていることを特徴とする請求項1記載の熱型赤外線検出素子。
  4. 前記基板空隙は、前記基板の、少なくとも前記第一の誘電体と前記受光電極対が重なる部分の直下に配置された空間であることを特徴とする請求項2または3に記載の熱型赤外線検出素子。
  5. 前記基板空隙は、前記基板を貫通していることを特徴とする請求項4に記載の熱型赤外線検出素子。
  6. 前記基板は、前記基板空隙外縁部付近に段差を有することを特徴とする請求項4または5に記載の熱型赤外線検出素子。
  7. 前記絶縁膜層および/または前記別の絶縁膜層は、前記第一の誘電体と前記受光電極対が重なる部分の直下に配置された空間であるところの絶縁膜空隙を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の熱型赤外線検出素子。
  8. 前記絶縁膜空隙は、前記絶縁膜層を貫通していることを特徴とする請求項7に記載の熱型赤外線検出素子。
  9. 複数の前記検出素子要素の前記第一の誘電体は、連続した一枚の誘電体である、および/または、複数の前記検出素子要素の前記第二の誘電体は、連続した一枚の誘電体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱型赤外線検出素子。
  10. 基板上に補償電極を形成する工程と
    記補償電極上に第二の誘電体を形成する工程と
    記第二の誘電体上に第二の対向電極を形成する工程と
    記第二の対向電極上に第一の対向電極を形成する工程と
    記第一の対向電極上に第一の誘電体を形成する工程と
    記第一の誘電体上に受光電極を形成する工程と
    記基板の、少なくとも前記第一の誘電体と前記受光電極および前記第一の対向電極とが重なる部分の直下にあたる位置に設けられる空間である基板空隙を形成する工程と
    記第二の対向電極と前記第一の対向電極との間に対向電極間空隙を形成する工程と、を含み、
    前記対向電極間空隙を形成する工程は、前記第一の対向電極を形成する工程の前に、前記第二の対向電極上に犠牲層を形成する工程と、前記第一の対向電極を形成する工程の後、前記犠牲層を除去する工程とを有することを特徴とする熱型赤外線検出素子の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱型赤外線検出素子と、前記各受光電極の出力をそれぞれに対応する前記補償電極の出力により補償を行う補償手段とを備えることを特徴とする赤外線撮像システム。
  12. 前記補償手段は、前記各受光電極からそれぞれに対応する前記補償電極までの距離を考慮して前記補償を行うことを特徴とする請求項11に記載の赤外線撮像システム。
  13. 前記補償手段は、前記各電極の出力を読み込む際に、1つの前記受光電極の出力を読み込む直前または読み込んだ直後に、それに対応する前記補償電極の出力を読み込むことを特徴とする請求項11または12に記載の赤外線撮像システム。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱型赤外線検出素子、または、請求項1113のいずれかに記載の赤外線撮像システムを備えることを特徴とする赤外線撮像装置。
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