JPH1164111A - 赤外線検出素子 - Google Patents

赤外線検出素子

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JPH1164111A
JPH1164111A JP22993697A JP22993697A JPH1164111A JP H1164111 A JPH1164111 A JP H1164111A JP 22993697 A JP22993697 A JP 22993697A JP 22993697 A JP22993697 A JP 22993697A JP H1164111 A JPH1164111 A JP H1164111A
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infrared
thickness
dielectric layer
heat
dielectric
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JP22993697A
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Yoshifumi Watabe
祥文 渡部
Koichi Aizawa
浩一 相澤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで周囲温度の変化による検出精度の低
下を抑制できる赤外線検出素子を提供する。 【解決手段】赤外線検出部40を誘電体薄膜20よりな
る薄膜部20aの前面に形成し、温度補償部を誘電体薄
膜20よりなる薄膜部20bの前面に形成している。薄
膜部20bの面積よりも薄膜部20aの面積を大きく
し、感熱部30aと感熱部30bとは同じ面積に形成し
てある。誘電体薄膜20は赤外線を吸収する材料により
形成され、薄膜部20a,20bそれぞれが赤外線吸収
量調整部25a,25bを兼ねている。感熱部30aの
温度変化と感熱部30bの温度変化とに基づいて赤外線
を検出する。薄膜部20a,20bが誘電体層を構成し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線の吸収によ
る温度変化に応じて赤外線を検出する熱型の赤外線検出
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線検出素子は、動作原理により量子
型と熱型とに大別することができる。量子型の赤外線検
出素子は、内部光電効果や外部光電効果を利用したもの
で応答性が良く高感度であるが、高感度特性を実現する
ために低温に冷却して使用する必要があり、取扱いが難
しいとともに、製造コストが高い、冷却器を含めたシス
テム全体のサイズが大きい、などの不具合がある。
【0003】一方、熱型の赤外線検出素子は、赤外線を
熱エネルギとして吸収し、その結果生じる素子の熱起電
力や電荷量の変化(焦電効果)を検出するものであっ
て、感度の点で量子型に及ばないものの、室温で動作さ
せるので冷却の必要がなく、構造が簡単なので製造コス
トも安く小型化が容易であるなどの利点から、各種の実
用的な用途に広く使用されている。
【0004】この種の熱型の赤外線検出素子には、焦電
素子、熱電対、サーモパイル、抵抗体(サーミスタ)、
SAW素子(表面音波素子)を用いるものがあり、いず
れも赤外線の照射による赤外線検出部の熱的挙動すわな
ち温度変化を電気量に変換して赤外線を検出する。ここ
に、サーミスタやSAW素子を用いた赤外線検出素子で
は、入射される赤外線による温度変化を正確に捉えるた
めに、赤外線検出部の温度変化分から周囲温度の変化分
を取り除くための温度補償部が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記温度補
償部は、赤外線入射による影響を受けないことが求めら
れる。このため、従来の赤外線検出素子では、赤外線検
出部40を図18に示すようなダイヤフラム構造の薄膜
部20aあるいは図示しないマイクロブリッジ構造の薄
膜部の上(前面)に形成することにより入射される赤外
線による微小な入力エネルギに対する温度変化を大き
し、温度補償部50をシリコン基板などの支持基板10
よりなるヒートシンク上に形成することにより赤外線が
入射しても温度変化が少なくなるようにしてある。
【0006】しかしながら、このような構成では周囲温
度が変化すると赤外線検出部40と温度補償部50との
熱時定数の差による温度差が発生し、安定した出力が得
られないという問題があった。また、その対策として赤
外線検出素子自体の温度を略一定温度に制御するために
ペルチェ素子60を別途に設けたものもあるが、コスト
が高いという問題があった。
【0007】また、図19に示すように、温度補償部5
0をダイヤフラム構造の薄膜部20bの前面に形成する
とともに、赤外線検出素子の前方に設置された赤外線透
過フィルタ71の前面の一部に、温度補償部50への赤
外線の入射を防止する赤外線遮蔽板70を設置したもの
もある。しかしながら、温度補償部50と遮蔽板70と
の間に空間が存在するので、温度補償部50に入射する
赤外線を完全に遮蔽するには、検出素子の視野角を設定
し、その範囲内の赤外線のみが入射する構成とし、かつ
その範囲内における赤外線を完全に遮蔽するように温度
補償部の面積よりも十分大きな赤外線遮蔽板70を設置
する必要があり、赤外線検出部40への赤外線の入射を
阻害することにもなり、赤外線の入射方向によって感度
が著しく変化するという問題があった。
【0008】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、低コストで周囲温度の変化による検
出精度の低下を抑制できる赤外線検出素子を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、互いに熱的に絶縁された一対の
誘電体層と、両誘電体層を支持する支持基板と、一方の
誘電体層の所定部位に形成されて赤外線を検出する赤外
線検出部と、他方の誘電体層の所定部位に形成される温
度補償用の温度補償部とを備え、赤外線検出部及び温度
補償部それぞれは、温度変化を電気信号に変換する感熱
部と、赤外線の吸収量を調整する赤外線吸収量調整部と
で構成され、温度補償部の赤外線吸収量調整部の方が赤
外線検出部の赤外線吸収量調整部よりも赤外線の吸収量
が少なくなるように形成されて成ることを特徴とするも
のであり、従来のようにヒートシンク上に温度補償部を
形成することなく赤外線検出部と温度補償部とを略同一
の構造にすることにより赤外線検出部と温度補償部との
熱時定数の差を小さくすることができ、しかも温度補償
部では赤外線が入射されることによる温度変化が、赤外
線検出部に赤外線が入射されることによる温度変化に比
べて十分に小さくなり、赤外線検出部と温度補償部との
間には赤外線検出素子への赤外線の入射量に略比例した
温度差が生じるから、周囲温度が変化しても両感熱部の
出力に基づいて赤外線検出素子への入射赤外線量を精度
良く検出することが可能となり、従来のようにペルチェ
素子や赤外線遮蔽板などを別途に設ける必要がなくなる
から、低コストで周囲温度の変化による検出精度の低下
を抑制できる。また、従来のような赤外線遮蔽板を設置
したことによる視野角の低下を防止することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、各感熱部が、サーミスタにより構成されているの
で、出力が連続的に変化するから、時間ずれによる異常
出力は生じにくい。請求項3の発明は、請求項1又は請
求項2の発明において、赤外線検出部と温度補償部とが
同一のチップに形成されているので、赤外線検出部と温
度補償部とが接近して形成されていることにより、製造
時の膜組成のばらつきや膜厚分布などによる感熱部の特
性ばらつきを小さくすることができ、検出精度を高める
ことができるとともに安定した検出精度を得ることがで
きる。
【0011】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、両感熱部が直列に接続されているので、感熱部同士
の接続点の電位に基づいて入射された赤外線を検出する
ことができる。請求項5の発明は、請求項2の発明にお
いて、赤外線検出部と温度補償部とを2個ずつ備えると
ともに、赤外線検出部の感熱部と温度補償部の感熱部と
を交互に接続したブリッジ回路が形成されているので、
請求項4の発明に比べて出力の増幅が容易になるととも
に雑音の除去が容易になる。
【0012】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、上記各誘電体層が赤外線を吸収する材料を用いて
形成され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部
側の誘電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層
がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成しているの
で、両誘電体層の前面の面積差を大きくすることによ
り、大きな出力が得られる。
【0013】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の
誘電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層が赤
外線を吸収する材料を用いて形成され、赤外線検出部側
の誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線
を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層
は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成
され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を
構成しているので、赤外線検出部において金属層表面と
誘電体層の表面の一部で多重反射が起こるから、赤外線
検出部の赤外線吸収量調整部での赤外線吸収率を大きく
することができる。
【0014】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の
誘電体層よりも大きな面積に形成され、赤外線検出部側
の誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線
を吸収する厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記
赤外線吸収量調整部を構成しているので、例えば製造プ
ロセス上の制約や断熱性を高める目的で誘電体層が赤外
線を吸収できない厚みにしか成膜できない場合であって
も金属層により赤外線を吸収できるから、赤外線検出部
での赤外線の吸収量を増大させることができる。
【0015】請求項9の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互
いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収
する材料を用いて形成され、赤外線検出部側の誘電体層
の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を反射する
厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の
前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、各誘
電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成してい
るので、請求項7又は請求項8の発明に比べて赤外線検
出部と温度補償部との構成の一致度が増し、赤外線検出
部と温度補償部との熱容量の差が小さくなって熱時定数
の差が小さくなるから、赤外線検出部と温度補償部との
温度変化に関する時間的なずれが小さくなり、安定した
出力を得ることができる。
【0016】請求項10の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、赤外線検出部側の誘電体
層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を吸収す
る厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸
収量調整部を構成しているので、請求項7又は請求項8
の発明に比べて赤外線検出部と温度補償部との構成の一
致度が増し、赤外線検出部と温度補償部との熱容量の差
が小さくなって熱時定数の差が小さくなるから、赤外線
検出部と温度補償部との温度変化に関する時間的なずれ
が小さくなり、安定した出力を得ることができる。
【0017】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸
収する材料を用いて形成され、両誘電体層の内部にそれ
ぞれ金属層が形成され、両金属層が赤外線を反射する厚
みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の前
面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、温度補
償部側の誘電体層は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸
収しない厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤
外線吸収量調整部を構成しているので、請求項7又は請
求項8の発明に比べて赤外線検出部と温度補償部との構
成の一致度が増し、赤外線検出部と温度補償部との熱容
量の差が小さくなって熱時定数の差が小さくなるから、
赤外線検出部と温度補償部との温度変化に関する時間的
なずれが小さくなり、安定した出力を得ることができ
る。
【0018】請求項12の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸
収しない厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層の
前面に赤外線の吸収する厚みの金属層が形成され、各誘
電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成してい
るので、例えば製造プロセス上の制約や断熱性を高める
目的で誘電体層が赤外線を吸収できない厚みにしか成膜
できない場合であっても金属層により赤外線を吸収でき
るから、赤外線検出部での赤外線の吸収量を増大させる
ことができる。
【0019】請求項13の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層は赤外線検出部側の誘電体層の方が
温度補償部側の誘電体層よりも大きな形状もしくは感熱
部よりも大きく且つ両誘電体層が同一の形状に形成さ
れ、赤外線検出部側の誘電体層の前面に赤外線を吸収す
る厚みの金属層が形成され、温度補償部側の誘電体層の
前面に赤外線を反射する厚みの金属層が形成され、各金
属層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成している
ので、赤外線検出部及び温度補償部それぞれの前面に金
属層が形成されていることにより、金属層のパッシベー
ションが不要になる利点がある。
【0020】請求項14の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が同一の形状に形成され、各誘電体
層が赤外線を吸収する材料を用いて形成され、両誘電体
層の内部にそれぞれ金属層が形成され、両金属層が赤外
線を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体
層は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形
成され、温度補償部側の誘電体層は金属層の前面側の厚
みが赤外線を吸収しない厚みに形成され、各誘電体層が
それぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成しているので、
請求項7又は請求項8の発明に比べて赤外線検出部と温
度補償部との構成の一致度が増し、赤外線検出部と温度
補償部との熱容量の差が小さくなって熱時定数の差が小
さくなるから、赤外線検出部と温度補償部との温度変化
に関する時間的なずれが小さくなり、安定した出力を得
ることができる。また、両誘電体層の内部にそれぞれ金
属層が形成され、両金属層が赤外線を反射する厚みに形
成されていることにより、金属層に起因する赤外線検出
部と温度補償部との熱抵抗の差が減少するので、赤外線
検出部と温度補償部との熱容量の差をより小さくするこ
とができる。
【0021】請求項15の発明は、請求項7乃至請求項
14の発明において、感熱部には電気信号を取り出すた
めの電極が形成され、金属層は、電極と同じ材料で略同
じ厚みに形成されているので、電極の面積を大きくする
ことにより電極によって金属層を兼ねるようにできる。
請求項16の発明は、請求項1乃至請求項5の発明にお
いて、感熱部がサーミスタ本体を厚み方向の両面に形成
される一対の電極で挟んだサンドイッチ構造を有し、両
誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互いに同一
の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収する材料
を用いて形成され、赤外線検出部では上記一対の電極の
うち後方に位置する電極が赤外線検出部側の誘電体層と
同じ面積に形成されるとともに赤外線を反射する厚みに
形成され、赤外線検出部側の誘電体層は上記後方に位置
する電極の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成
され、温度補償部では上記一対の電極のうち前方に位置
する電極が温度補償部側の誘電体層と同じ面積に形成さ
れるとともに赤外線を反射する厚みに形成され、温度補
償部側の誘電体層は上記前方に位置する電極の前面側の
厚みが赤外線を吸収しない厚みに形成され、各誘電体層
がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成しているの
で、請求項7又は請求項8の発明に比べて赤外線検出部
と温度補償部との構成の一致度が増し、赤外線検出部と
温度補償部との熱容量の差が小さくなって熱時定数の差
が小さくなるから、赤外線検出部と温度補償部との温度
変化に関する時間的なずれが小さくなり、安定した出力
を得ることができる。
【0022】請求項17の発明は、請求項7乃至請求項
15の発明において、金属層に該金属層による応力を緩
和するためのスリットを形成したので、金属層による応
力を緩和でき、赤外線検出部や温度補償部の変形や破損
を抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】まず、後述の実施形態1乃至実施
形態9に共通の基本構造について図11及び図12に基
づいて説明する。赤外線検出素子は、図11または図1
2に示すように例えばシリコン基板よりなる支持基板1
0上に誘電体薄膜20が形成されるとともに、支持基板
10に一対の凹所10a,10bを設けることにより上
記誘電体薄膜20よりなる一対の薄膜部20a,20b
が形成されており、一方の薄膜部20aの上面(図11
及び図12の上側)に赤外線検知部40が形成され、他
方の薄膜部20bの上面に温度補償部50が形成されて
いる。すなわち、赤外線検出部40と温度補償部50と
は熱的に絶縁されている。ここに、赤外線検出部40
は、感熱部30aと赤外線吸収量調整部25aとで、温
度補償部50は、感熱部30bと赤外線吸収量調整部2
5bとで、それぞれ構成される。なお、支持基板10と
してはシリコン基板に限定するものではなく、例えばア
ルミナ基板などを用いてもよい。
【0024】誘電体薄膜20は、例えばSiO、Si
N、SiONなどにより構成され、感熱部30a,30
bは、サーミスタ、熱電対、サーモパイル、焦電体、S
AW素子(表面音波素子)などに信号取り出し用の電極
が形成された素子により構成される。ところで、図11
に示す構造の赤外線検出素子は、シリコン基板よりなる
支持基板10上に誘電体薄膜20を形成し、続いて赤外
線検出部40及び温度補償部50を形成した後に、支持
基板10の裏面に赤外線検出部40及び温度補償部50
に対応する部位が開口されたSiNよりなるマスクを形
成し、所定のエッチャントにより支持基板10を裏面側
からエッチングすることによって凹所10a,10bを
形成する。
【0025】一方、図12に示す構造の赤外線検出素子
は、シリコン基板よりなる支持基板10上に誘電体薄膜
20を形成し、続いて赤外線検知部40及び温度補償部
50とを形成した後に、所定のマスクを形成して反応性
イオンエッチング(RIE)装置などによって誘電体薄
膜20をエッチングすることにより、図13に示すよう
な複数のスリット21及び誘電体薄膜20よりなる複数
の支持梁部22を形成する。その後、誘電体薄膜20に
形成したスリット21を通して支持基板10を主表面側
から裏面側に貫通するようにエッチングする。したがっ
て、図12に示した赤外線検出素子では、赤外線検出部
40及び温度補償部50はそれぞれ支持梁部22により
支持され互いに熱的に絶縁される。
【0026】上記エッチャントとしては、例えば、KO
H、EDP(エチレンジアミンピロカテコール)、ヒド
ラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)
など種々のエッチャントを適宜使用すればよい。ここ
に、エッチャントの選択にあたっては、エッチャントと
感熱部30a,30bとの接触の有無、感熱部30a,
30bの材料、支持基板10と誘電体薄膜20とに対す
るエッチング選択性、支持基板10を主表面側からエッ
チングするか裏面側からエッチングするか、などに応じ
て適宜選択すればよい。
【0027】なお、図14に示すように、赤外線検知部
40と温度補償部50とは、別々のチップに形成しても
よいが、感熱部30a,30bの特性ばらつきの低減
や、赤外線検出素子のチップサイズの小型化による低コ
スト化を図るには、図11および図12に示すように1
つのチップに赤外線検出部40と温度補償部50とを形
成することが望ましい。また、図15に示すように、図
12や図11に示した場合に比べて赤外線検知部40と
温度補償部50とを近接して配置すれば、さらにチップ
の小型化が可能になるとともに、製造時の膜組成のばら
つきや膜厚分布などによる感熱部30a,30bの特性
ばらつきをより小さくすることができ、安定した赤外線
検出素子を得ることができる。
【0028】ところで、以下の各実施形態においては感
熱部30a,30bにアモルファスシリコンカーバイト
(a−SiC)よりなるサーミスタを用い、Crよりな
る一対の電極によりa−SiCを挟んだサンドイッチ構
造にしてある。したがって、図16に示すように、赤外
線検出部40のサーミスタTh40 と補償部50のサーミ
スタTh50 とを直列に接続し、直列回路に直流電圧V+
を印加し、両サーミスタTh40 ,Th50 同士の接続点の
電位Vout の変化を測定することによって、温度変化を
計測可能となる。なお、この場合には、同一チップ状に
電位Vout の変化を測定する回路を設けてもよいし、信
号を取り出すための電極パッドを設けて別途に信号処理
を行う回路を設けてもよい。
【0029】なお、1つのチップに赤外線検知部40及
び温度補償部50それぞれを各一対ずつ形成し、図17
に示すように赤外線検出部40のサーミスタTh40 と補
償部50のサーミスタTh50 とを交互に接続したブリッ
ジ回路を構成して、サーミスタTh40 とサーミスタTh
50 との接続点と、ブリッジ回路において対向するサー
ミスタTh50 とサーミスタTh40 との接続点との電位差
を差動増幅器などの増幅器80により増幅して取り出す
ような構成にすれば、外乱ノイズを低減することができ
るとともに出力の増幅が容易になり、図16の場合に比
べて略2倍の大きさの出力電圧Vout を得ることができ
る。
【0030】(実施形態1)以下、本発明の一実施形態
を図1を参照しながら説明する。本実施形態の赤外線検
出素子の構造は図12に示した基本構造と略同じであっ
て、誘電体薄膜20により形成される薄膜部20aと薄
膜部20bとの面積を異ならせ、感熱部30aと感熱部
30bとは同じ面積に形成してある。なお、本実施形態
では、薄膜部20aのサイズを500μm×500μm
とし、薄膜部20bのサイズを200μm×200μm
とし、感熱部30a,30bのサイズを200μm×2
00μmとしてある。
【0031】本実施形態では、誘電体薄膜20として赤
外線を吸収する材料であるSiONにより形成してあ
る。ここに、誘電体薄膜20の膜厚は、対象とする赤外
線波長に応じてその中心波長の赤外線を吸収しやすい厚
みに形成すればよい。つまり、対象とする赤外線の中心
波長をλ、誘電体薄膜20の屈折率をn1 とすると、誘
電体薄膜20が赤外線を吸収しやすい膜厚L1 は、 L1 =λ/4n1 であり、誘電体薄膜20の厚みは、L1 の整数(M)倍
(M=1,2,3,・・・)とすればよい。
【0032】赤外線の波長は一般的には8μm〜14μ
mなので、本実施形態では、SiONの屈折率を考慮し
てSiONよりなる誘電体薄膜20の膜厚を1.4μm
〜2.0μm(M=1)とし、誘電体薄膜20よりなる
薄膜部20a,20bそれぞれが上記赤外線吸収量調整
部25a,25bを兼ねている。したがって、赤外線検
知部40の薄膜部20aの面積と、温度補償部50の薄
膜部20bの面積との面積差が赤外線吸収量の差となる
から、面積差を大きくすればより大きな出力Vout を得
ることができる。本実施形態では、薄膜部20a,20
bがそれぞれ赤外線吸収量調整部を形成している。
【0033】しかして、本実施形態では、温度補償部5
0に赤外線が入射されることによる温度変化が、赤外線
検出部40に赤外線が入射されることによる温度変化に
比べて十分に小さくなるので、赤外線検出部40と温度
補償部50との間には赤外線検出素子への赤外線の入射
量に略比例した温度差が生じるから、周囲温度が変化し
ても両感熱部30a,30bの出力に基づいて赤外線検
出素子への入射赤外線量を精度良く検出することが可能
となり、従来のようにペルチェ素子や赤外線遮蔽板など
を別途に設ける必要がなくなるから、低コストで周囲温
度の変化による検出精度の低下を抑制できる。また、従
来のような赤外線遮蔽板を設置したことによる視野角の
低下を防止することができる。
【0034】なお、本実施形態では、薄膜部20a,2
0bがそれぞれ誘電体層を構成している。 (実施形態2)以下、本発明の一実施形態を図2を参照
しながら説明する。本実施形態の赤外線検出素子の構造
は実施形態1と略同じであって、誘電体薄膜20により
形成される薄膜部20aと薄膜部20bとの面積を異な
らせ、感熱部30aと感熱部30bとは同じ面積に形成
してある。なお、本実施形態にいおいても実施形態1と
同様に、薄膜部20aのサイズを500μm×500μ
mとし、薄膜部20bのサイズを200μm×200μ
mとし、感熱部30a,30bのサイズを200μm×
200μmとしてある。
【0035】本実施形態では、薄膜部20a上に感熱部
30aを囲むような金属層26aを形成し、さらに、両
感熱部30a,30b及び金属層26a上にSiO、S
iN、SiONなどよりなる誘電体薄膜23aを形成し
てある。なお、金属層26aはサーミスタの電極と共用
してもよいし、分離して形成してもよい。本実施形態で
は、金属層26aはサーミスタの電極と同じ材料のCr
よりなり電極と同じ厚さ(150nm)に形成してあ
り、金属層26aは赤外線を反射する厚みとなっている
ので、金属層26aでは赤外線が反射し、薄膜部20a
には赤外線は到達しない。本実施形態では、金属層26
aの前面側の誘電体薄膜23aの厚みを赤外線を吸収す
る厚みL1 =1.4〜2.0μmとし、赤外線検出部4
0においては誘電体薄膜23aにより赤外線吸収量調整
部25aを形成し、温度補償部50においては誘電体薄
膜23bにより赤外線吸収量調整部25bを形成してい
る。
【0036】ところで、対象とする赤外線の中心波長を
λ、金属層26aの屈折率をn2 とすると、金属層26
aが赤外線を反射する厚みL3 は、 L3 >L2 =λ/4n2 である。なお、金属層26aに、Crよりなる電極と異
なる金属を用いる場合には、金属層26aとして例えば
NiCrを用い、NiCrの厚さをL2 =50nmとし
て金属層26aにより赤外線吸収量調整部25aを構成
するようにしてもよく、この場合には、誘電体薄膜23
a,23bの厚さには上記制約がなくなる。
【0037】本実施形態では、赤外線検出部40におい
て金属層26aの前面と誘電体薄膜23aの前面との間
で多重反射が起こるから、赤外線検出部40での赤外線
吸収率を大きくすることができる。なお、本実施形態で
は、誘電体薄膜23aと薄膜部20aとで赤外線検出部
側の誘電体層を構成し、誘電体薄膜23bと薄膜部20
bとで温度補償部側の誘電体層を構成している。
【0038】(実施形態3)以下、本発明の一実施形態
を図3を参照しながら説明する。本実施形態の赤外線検
出素子の構造は図12に示した基本構造と略同じであっ
て、誘電体薄膜20により形成される薄膜部20aと薄
膜部20bとの面積を同じに形成してある。なお、本実
施形態では、両薄膜部20a,20bのサイズを500
μm×500μmとし、両感熱部30a,30bのサイ
ズを200μm×200μmとしてある。
【0039】本実施形態では、両薄膜部20a,20b
の面積を同じにしてあるから、赤外線検出部40と温度
補償部50との熱容量が均衡し、赤外線検出部40と温
度補償部50との熱時定数の差を小さくすることがで
き、赤外線が入射した場合の出力の立ち上がりが比較的
安定する。また、本実施形態の赤外線検出部40の構造
は実施形態2と同じであって、金属層26aを、赤外線
を反射する厚みL3 とし、誘電体薄膜23aの厚みを赤
外線を吸収する厚みL1 とし、誘電体薄膜23aにより
赤外線吸収量調整部を形成している。
【0040】また、金属層26aを赤外線を吸収する厚
みL2 として、金属層26aにより赤外線吸収量調整部
25aを構成するようにしてもよい。なお、本実施形態
では、誘電体薄膜23aと薄膜部20aとで赤外線検出
部側の誘電体層を形成し、誘電体薄膜23bと薄膜部2
0bとで温度補償部側の誘電体層を構成している。
【0041】本実施形態では、赤外線検出部40と温度
補償部50との面積を同じにしてあるから、赤外線検出
部40と温度補償部50との構成の一致度が増し、赤外
線検出部40と温度補償部50との熱容量の差が小さく
なって熱時定数の差が小さくなるから、赤外線検出部4
0と温度補償部50との温度変化に関する時間的なずれ
が小さくなり、安定した出力を得ることができる。
【0042】(実施形態4)以下、本発明の一実施形態
を図4を参照しながら説明する。本実施形態の基本構造
は実施形態3と略同じであって、温度補償部50にも赤
外線検知部40と同様に金属層26bを形成してある。
ここに、各金属層26a,26bは、赤外線を反射する
厚みL3 に形成してあり、誘電体薄膜23a,23bの
厚みを異ならせてある。すなわち、誘電体薄膜23aの
厚みを赤外線を吸収する厚みL1 に形成し、誘電体薄膜
23bの厚みを赤外線を吸収しない厚みL 4 (<L1
に形成し、誘電体薄膜23a,誘電体薄膜23bにより
赤外線吸収量調整部25a,25bを構成している。
【0043】なお、本実施形態では、誘電体薄膜23a
と薄膜部20aとで赤外線検出部側の誘電体層を形成
し、誘電体薄膜23bと薄膜部20bとで温度補償部側
の誘電体層を構成している。また、本実施形態では、金
属層26a,26bを設けたことにより、赤外線検出部
40と温度補償部50との構成の一致度が増し、赤外線
検出部40と温度補償部50との熱容量の差が小さくな
って熱時定数の差が小さくなるから、赤外線検出部40
と温度補償部50との温度変化に関する時間的なずれが
小さくなり、安定した出力を得ることができる。
【0044】(実施形態5)以下、本発明の一実施形態
を図5を参照しながら説明する。本実施形態の赤外線検
出素子の構造は図12に示した基本構造と略同じであっ
て、誘電体薄膜20により形成される薄膜部20aと薄
膜部20bとの面積を同じに形成してある。なお、本実
施形態では、両薄膜部20a,20bのサイズを500
μm×500μmとし、両感熱部30a,30bのサイ
ズを200μm×200μmとしてある。
【0045】本実施形態における赤外線検出部40は、
薄膜部20a上に形成された感熱部30aを覆い薄膜部
20aの露出部位を覆うように誘電体薄膜23aが形成
され、誘電体薄膜23a上に金属層26aが形成されて
いる。一方、温度補償部50は、薄膜部20b上に形成
された感熱部30bを覆い薄膜部20bの露出部位を覆
うように誘電体薄膜23bが形成されており、誘電体薄
膜23b上に金属層が形成されていない点が赤外線検出
部40と異なる。
【0046】本実施形態では、誘電体薄膜が、赤外線を
透過する膜厚L4 に形成され、金属層26aが赤外線を
吸収する厚みL2 に形成され、金属層26aが赤外線吸
収量調整部25aを構成している。なお、本実施形態で
は、誘電体薄膜23aと薄膜部20aとで赤外線検出部
側の誘電体層を形成し、誘電体薄膜23bと薄膜部20
bとで温度補償部側の誘電体層を構成している。
【0047】(実施形態6)以下、本発明の一実施形態
を図6を参照しながら説明する。本実施形態の赤外線検
出素子の構造は実施形態5と略同じであって、誘電体薄
膜20により形成される薄膜部20aと薄膜部20bと
の面積を同じに形成してある。なお、本実施形態では、
両薄膜部20a,20bのサイズを500μm×500
μmとし、両感熱部30a,30bのサイズを200μ
m×200μmとしてある。
【0048】本実施形態における赤外線検出部40は、
薄膜部20a上に形成された感熱部30aを覆い薄膜部
20aの露出部位を覆うように誘電体薄膜23aが形成
され、誘電体薄膜23a上に金属層26aが形成されて
いる。一方、温度補償部50は、薄膜部20b上に形成
された感熱部30bを覆い薄膜部20bの露出部位を覆
うように誘電体薄膜23bが形成されており、誘電体薄
膜23b上に金属層26bが形成されている。
【0049】本実施形態では、赤外線検知部40の金属
層26aが赤外線を吸収する厚みL 2 に形成され、温度
補償部50の金属層26bが赤外線を反射する厚みL3
に形成されており、金属層26a,26bにより赤外線
吸収量調整部25a,25bを構成している。本実施形
態では、赤外線検出部40及び温度補償部50それぞれ
の前面に金属層26a,26bが形成されていることに
より、金属層のパッシベーションが不要になる利点があ
る。
【0050】なお、本実施形態では、誘電体薄膜23a
と薄膜部20aとで赤外線検出部側の誘電体層を形成
し、誘電体薄膜23bと薄膜部20bとで温度補償部側
の誘電体層を構成している。 (実施形態7)以下、本発明の一実施形態を図7を参照
しながら説明する。本実施形態の赤外線検出素子の構造
は実施形態4と略同じであって、誘電体薄膜20により
形成される薄膜部20aと薄膜部20bとの面積を同じ
に形成してある。なお、本実施形態では、両薄膜部20
a,20bのサイズを500μm×500μmとし、両
感熱部30a,30bのサイズを200μm×200μ
mとしてある。
【0051】本実施形態では、金属層26bが薄膜部2
0b上に誘電体薄膜23b’を介して形成されている点
で実施形態4と相違するが、金属層26b上における誘
電体薄膜23bの厚みは実施形態4と同様に、赤外線を
吸収しない厚みL4 に形成してある(ただし、誘電体薄
膜23bは感熱部30b上ではL4 よりも厚くなってい
る)。なお、各金属層26a,26bは、赤外線を反射
する厚みL3 に形成してあり、誘電体薄膜23aの厚み
を赤外線を吸収する厚みL1 に形成し、誘電体薄膜23
a,23bにより赤外線吸収量調整部25a,25bを
構成している。
【0052】すなわち、本実施形態では、金属層26
a,26b上における誘電体薄膜23a,23bの厚み
を赤外線検知部40と温度補償部50とで異ならせて金
属層26a,26bで反射させた赤外線の吸収の有無を
調整している。なお、本実施形態では、誘電体薄膜23
aと薄膜部20aとで赤外線検出部側の誘電体層を形成
し、誘電体薄膜23bと誘電体薄膜23b’と薄膜部2
0bとで温度補償部側の誘電体層を構成している。
【0053】本実施形態では、両誘電体層の内部に同じ
厚みの金属層26a,26bを形成していることによ
り、赤外線検出部40のみに金属層を設けた場合に比べ
て赤外線検出部40と温度補償部50との熱抵抗の差が
減少するので、赤外線検出部40と温度補償部50との
熱容量の差をより小さくすることができる。 (実施形態8)以下、本発明の一実施形態を図8を参照
しながら説明する。
【0054】本実施形態の赤外線検出素子の構造は図1
2に示した基本構造と略同じであって、感熱部30a,
30bとで、サーミスタの上部電極31a,31bと下
部電極32a,32bとの面積を異ならせてある。すな
わち、赤外線検出部40では、上部電極31aよりも下
部電極32aを大きく形成してあり(本実施形態では下
部電極32aの面積を薄膜部20aの面積と略同じにし
てある)、温度補償部50では、下部電極32bよりも
上部電極31bを大きく形成してある(本実施形態では
上部電極31bの面積を薄膜部20bの面積と略同じに
してある)。
【0055】本実施形態では、赤外線検出部40におけ
る下部電極32aにより上記金属層26aを構成し、温
度補償部50における上部電極31bにより上記金属層
26bを構成しており、下部電極32a上における誘電
体薄膜23aの厚みと上部電極31b上の誘電体薄膜2
3bとの厚みとが異なることを利用して誘電体薄膜23
a,23bでの赤外線の吸収の有無を調整している。
【0056】なお、本実施形態では、誘電体薄膜23a
と薄膜部20aとで赤外線検出部側の誘電体層を形成
し、誘電体薄膜23bと誘電体薄膜23b’と薄膜部2
0bとで温度補償部側の誘電体層を構成している。 (実施形態9)以下、本発明の一実施形態を図9及び図
10を参照しながら説明する。
【0057】本実施形態の基本構造は実施形態5で説明
した図5と略同じ構造であって、赤外線検出部40の金
属層26aに例えば図9に示すような十字状のスリット
27aを形成したり、図10に示すように矩形リング状
のスリット28a,29aを形成した点が相違する。本
実施形態では、金属層26aにスリット27aもしくは
28a,29aを形成したことにより、金属層26aに
働く応力を緩和することができ、赤外線検出部40や温
度補償部50の変形や破損を防止することができる。
【0058】なお、スリットの形状は上記形状に限定す
るものではない。また、本実施形態では、実施形態5の
構造の赤外線検出素子において金属層26aにスリット
を形成したが、上記実施形態2乃至実施形態8において
金属層26a,26bにスリットを形成してもよい。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明は、互いに熱的に絶縁さ
れた一対の誘電体層と、両誘電体層を支持する支持基板
と、一方の誘電体層の所定部位に形成されて赤外線を検
出する赤外線検出部と、他方の誘電体層の所定部位に形
成される温度補償用の温度補償部とを備え、赤外線検出
部及び温度補償部それぞれは、温度変化を電気信号に変
換する感熱部と、赤外線の吸収量を調整する赤外線吸収
量調整部とで構成され、温度補償部の赤外線吸収量調整
部の方が赤外線検出部の赤外線吸収量調整部よりも赤外
線の吸収量が少なくなるように形成されているので、従
来のようにヒートシンク上に温度補償部を形成すること
なく赤外線検出部と温度補償部とを略同一の構造にする
ことにより赤外線検出部と温度補償部との熱時定数の差
を小さくすることができ、しかも温度補償部では赤外線
が入射されることによる温度変化が、赤外線検出部に赤
外線が入射されることによる温度変化に比べて十分に小
さくなり、赤外線検出部と温度補償部との間には赤外線
検出素子への赤外線の入射量に略比例した温度差が生じ
るから、周囲温度が変化しても両感熱部の出力に基づい
て赤外線検出素子への入射赤外線量を精度良く検出する
ことが可能となり、従来のようにペルチェ素子や赤外線
遮蔽板などを別途に設ける必要がなくなるから、低コス
トで周囲温度の変化による検出精度の低下を抑制できる
という効果がある。また、従来のような赤外線遮蔽板を
設置したことによる視野角の低下を防止することができ
るという効果がある。
【0060】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、各感熱部が、サーミスタにより構成されているの
で、出力が連続的に変化するから、時間ずれによる異常
出力は生じにくいという効果がある。請求項3の発明
は、請求項1又は請求項2の発明において、赤外線検出
部と温度補償部とが同一のチップに形成されているの
で、赤外線検出部と温度補償部とが接近して形成されて
いることにより、製造時の膜組成のばらつきや膜厚分布
などによる感熱部の特性ばらつきを小さくすることがで
き、検出精度を高めることができるとともに安定した検
出精度を得ることができるという効果がある。
【0061】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、両感熱部が直列に接続されているので、感熱部同士
の接続点の電位に基づいて入射された赤外線を検出する
ことができるという効果がある。請求項5の発明は、請
求項2の発明において、赤外線検出部と温度補償部とを
2個ずつ備えるとともに、赤外線検出部の感熱部と温度
補償部の感熱部とを交互に接続したブリッジ回路が形成
されているので、請求項4の発明に比べて出力の増幅が
容易になるとともに雑音の除去が容易になるという効果
がある。
【0062】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、上記各誘電体層が赤外線を吸収する材料を用いて
形成され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部
側の誘電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層
がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成しているの
で、両誘電体層の前面の面積差を大きくすることによ
り、大きな出力が得られるという効果がある。
【0063】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の
誘電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層が赤
外線を吸収する材料を用いて形成され、赤外線検出部側
の誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線
を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層
は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成
され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を
構成しているので、赤外線検出部において金属層表面と
誘電体層の表面の一部で多重反射が起こるから、赤外線
検出部の赤外線吸収量調整部での赤外線吸収率を大きく
することができるという効果がある。
【0064】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の
誘電体層よりも大きな面積に形成され、赤外線検出部側
の誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線
を吸収する厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記
赤外線吸収量調整部を構成しているので、例えば製造プ
ロセス上の制約や断熱性を高める目的で誘電体層が赤外
線を吸収できない厚みにしか成膜できない場合であって
も金属層により赤外線を吸収できるから、赤外線検出部
での赤外線の吸収量を増大させることができるという効
果がある。
【0065】請求項9の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形成
され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互
いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収
する材料を用いて形成され、赤外線検出部側の誘電体層
の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を反射する
厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の
前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、各誘
電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成してい
るので、請求項7又は請求項8の発明に比べて赤外線検
出部と温度補償部との構成の一致度が増し、赤外線検出
部と温度補償部との熱容量の差が小さくなって熱時定数
の差が小さくなるから、赤外線検出部と温度補償部との
温度変化に関する時間的なずれが小さくなり、安定した
出力を得ることができるという効果がある。
【0066】請求項10の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、赤外線検出部側の誘電体
層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を吸収す
る厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸
収量調整部を構成しているので、請求項7又は請求項8
の発明に比べて赤外線検出部と温度補償部との構成の一
致度が増し、赤外線検出部と温度補償部との熱容量の差
が小さくなって熱時定数の差が小さくなるから、赤外線
検出部と温度補償部との温度変化に関する時間的なずれ
が小さくなり、安定した出力を得ることができるという
効果がある。
【0067】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸
収する材料を用いて形成され、両誘電体層の内部にそれ
ぞれ金属層が形成され、両金属層が赤外線を反射する厚
みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の前
面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、温度補
償部側の誘電体層は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸
収しない厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤
外線吸収量調整部を構成しているので、請求項7又は請
求項8の発明に比べて赤外線検出部と温度補償部との構
成の一致度が増し、赤外線検出部と温度補償部との熱容
量の差が小さくなって熱時定数の差が小さくなるから、
赤外線検出部と温度補償部との温度変化に関する時間的
なずれが小さくなり、安定した出力を得ることができる
という効果がある。
【0068】請求項12の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸
収しない厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層の
前面に赤外線の吸収する厚みの金属層が形成され、各誘
電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成してい
るので、例えば製造プロセス上の制約や断熱性を高める
目的で誘電体層が赤外線を吸収できない厚みにしか成膜
できない場合であっても金属層により赤外線を吸収でき
るから、赤外線検出部での赤外線の吸収量を増大させる
ことができるという効果がある。
【0069】請求項13の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層は赤外線検出部側の誘電体層の方が
温度補償部側の誘電体層よりも大きな形状もしくは感熱
部よりも大きく且つ両誘電体層が同一の形状に形成さ
れ、赤外線検出部側の誘電体層の前面に赤外線を吸収す
る厚みの金属層が形成され、温度補償部側の誘電体層の
前面に赤外線を反射する厚みの金属層が形成され、各金
属層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成している
ので、赤外線検出部及び温度補償部それぞれの前面に金
属層が形成されていることにより、金属層のパッシベー
ションが不要になるという効果がある。
【0070】請求項14の発明は、請求項1乃至請求項
5の発明において、両感熱部が同一の構造及び形状に形
成され、両誘電体層が同一の形状に形成され、各誘電体
層が赤外線を吸収する材料を用いて形成され、両誘電体
層の内部にそれぞれ金属層が形成され、両金属層が赤外
線を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体
層は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形
成され、温度補償部側の誘電体層は金属層の前面側の厚
みが赤外線を吸収しない厚みに形成され、各誘電体層が
それぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成しているので、
請求項7又は請求項8の発明に比べて赤外線検出部と温
度補償部との構成の一致度が増し、赤外線検出部と温度
補償部との熱容量の差が小さくなって熱時定数の差が小
さくなるから、赤外線検出部と温度補償部との温度変化
に関する時間的なずれが小さくなり、安定した出力を得
ることができる。また、両誘電体層の内部にそれぞれ金
属層が形成され、両金属層が赤外線を反射する厚みに形
成されていることにより、金属層に起因する赤外線検出
部と温度補償部との熱抵抗の差が減少するので、赤外線
検出部と温度補償部との熱容量の差をより小さくするこ
とができるという効果がある。
【0071】請求項15の発明は、請求項7乃至請求項
14の発明において、感熱部には電気信号を取り出すた
めの電極が形成され、金属層は、電極と同じ材料で略同
じ厚みに形成されているので、電極の面積を大きくする
ことにより電極によって金属層を兼ねるようにできると
いう効果がある。請求項16の発明は、請求項1乃至請
求項5の発明において、感熱部がサーミスタ本体を厚み
方向の両面に形成される一対の電極で挟んだサンドイッ
チ構造を有し、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積
で且つ互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外
線を吸収する材料を用いて形成され、赤外線検出部では
上記一対の電極のうち後方に位置する電極が赤外線検出
部側の誘電体層と同じ面積に形成されるとともに赤外線
を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層
は上記後方に位置する電極の前面側の厚みが赤外線を吸
収する厚みに形成され、温度補償部では上記一対の電極
のうち前方に位置する電極が温度補償部側の誘電体層と
同じ面積に形成されるとともに赤外線を反射する厚みに
形成され、温度補償部側の誘電体層は上記前方に位置す
る電極の前面側の厚みが赤外線を吸収しない厚みに形成
され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を
構成しているので、請求項7又は請求項8の発明に比べ
て赤外線検出部と温度補償部との構成の一致度が増し、
赤外線検出部と温度補償部との熱容量の差が小さくなっ
て熱時定数の差が小さくなるから、赤外線検出部と温度
補償部との温度変化に関する時間的なずれが小さくな
り、安定した出力を得ることができるという効果があ
る。
【0072】請求項17の発明は、請求項7乃至請求項
15の発明において、金属層に該金属層による応力を緩
和するためのスリットを形成したので、金属層による応
力を緩和でき、赤外線検出部や温度補償部の変形や破損
を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図2】実施形態2を示す断面図である。
【図3】実施形態3を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図4】実施形態4を示す断面図である。
【図5】実施形態5を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図6】実施形態6を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図7】実施形態7を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図8】実施形態8を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のX−X’断面図である。
【図9】実施形態9を示す平面図である。
【図10】実施形態9を示す他の平面図である。
【図11】本発明の概略基本構造を示し、(a)は平面
図、(b)は(a)のX−X’断面図である。
【図12】本発明の他の概略基本構造を示す断面図であ
る。
【図13】同上の製造工程の説明図である。
【図14】同上の説明図である。
【図15】同上の他の説明図である。
【図16】同上を用いて赤外線量を算出する方法の説明
図である。
【図17】同上を用いて赤外線量を算出する他の方法の
説明図である。
【図18】従来例を示す断面図である。
【図19】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 支持基板 10a,10b 凹所 20 誘電体薄膜 20a,20b 薄膜部 25a,25b 赤外線吸収量調整部 30a,30b 感熱部 40 赤外線検知部 50 温度補償部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに熱的に絶縁された一対の誘電体層
    と、両誘電体層を支持する支持基板と、一方の誘電体層
    の所定部位に形成されて赤外線を検出する赤外線検出部
    と、他方の誘電体層の所定部位に形成される温度補償用
    の温度補償部とを備え、赤外線検出部及び温度補償部そ
    れぞれは、温度変化を電気信号に変換する感熱部と、赤
    外線の吸収量を調整する赤外線吸収量調整部とで構成さ
    れ、温度補償部の赤外線吸収量調整部の方が赤外線検出
    部の赤外線吸収量調整部よりも赤外線の吸収量が少なく
    なるように形成されて成ることを特徴とする赤外線検出
    素子。
  2. 【請求項2】 各感熱部は、サーミスタにより構成され
    て成ることを特徴とする請求項1記載の赤外線検出素
    子。
  3. 【請求項3】 赤外線検出部と温度補償部とが同一のチ
    ップに形成されて成ることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の赤外線検出素子。
  4. 【請求項4】 両感熱部が直列に接続されて成ることを
    特徴とする請求項2記載の赤外線検出素子。
  5. 【請求項5】 赤外線検出部と温度補償部とを2個ずつ
    備えるとともに、赤外線検出部の感熱部と温度補償部の
    感熱部とを交互に接続したブリッジ回路が形成されて成
    ることを特徴とする請求項2記載の赤外線検出素子。
  6. 【請求項6】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成さ
    れ、上記各誘電体層が赤外線を吸収する材料を用いて形
    成され、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側
    の誘電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層が
    それぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成して成ることを
    特徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤外線検出素
    子。
  7. 【請求項7】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成さ
    れ、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の誘
    電体層よりも大きな面積に形成され、各誘電体層が赤外
    線を吸収する材料を用いて形成され、赤外線検出部側の
    誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を
    反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は
    金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成さ
    れ、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構
    成して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載
    の赤外線検出素子。
  8. 【請求項8】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成さ
    れ、赤外線検出部側の誘電体層の方が温度補償部側の誘
    電体層よりも大きな面積に形成され、赤外線検出部側の
    誘電体層の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を
    吸収する厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤
    外線吸収量調整部を構成して成ることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5記載の赤外線検出素子。
  9. 【請求項9】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成さ
    れ、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互い
    に同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収す
    る材料を用いて形成され、赤外線検出部側の誘電体層の
    内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を反射する厚
    みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の前
    面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、各誘電
    体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成して成る
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤外線検
    出素子。
  10. 【請求項10】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成
    され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互
    いに同一の形状に形成され、赤外線検出部側の誘電体層
    の内部に金属層が形成され、金属層が赤外線を吸収する
    厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収
    量調整部を構成して成ることを特徴とする請求項1乃至
    請求項5記載の赤外線検出素子。
  11. 【請求項11】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成
    され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互
    いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収
    する材料を用いて形成され、両誘電体層の内部にそれぞ
    れ金属層が形成され、両金属層が赤外線を反射する厚み
    に形成され、赤外線検出部側の誘電体層は金属層の前面
    側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成され、温度補償
    部側の誘電体層は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収
    しない厚みに形成され、各誘電体層がそれぞれ上記赤外
    線吸収量調整部を構成して成ることを特徴とする請求項
    1乃至請求項5記載の赤外線検出素子。
  12. 【請求項12】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成
    され、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ互
    いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸収
    しない厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層の前
    面に赤外線の吸収する厚みの金属層が形成され、各誘電
    体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成して成る
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤外線検
    出素子。
  13. 【請求項13】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成
    され、両誘電体層は赤外線検出部側の誘電体層の方が温
    度補償部側の誘電体層よりも大きな形状もしくは感熱部
    よりも大きく且つ両誘電体層が同一の形状に形成され、
    赤外線検出部側の誘電体層の前面に赤外線を吸収する厚
    みの金属層が形成され、温度補償部側の誘電体層の前面
    に赤外線を反射する厚みの金属層が形成され、各金属層
    がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成して成ること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤外線検出素
    子。
  14. 【請求項14】 両感熱部が同一の構造及び形状に形成
    され、両誘電体層が同一の形状に形成され、各誘電体層
    が赤外線を吸収する材料を用いて形成され、両誘電体層
    の内部にそれぞれ金属層が形成され、両金属層が赤外線
    を反射する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層
    は金属層の前面側の厚みが赤外線を吸収する厚みに形成
    され、温度補償部側の誘電体層は金属層の前面側の厚み
    が赤外線を吸収しない厚みに形成され、各誘電体層がそ
    れぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成して成ることを特
    徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤外線検出素子。
  15. 【請求項15】 感熱部には電気信号を取り出すための
    電極が形成され、金属層は、電極と同じ材料で略同じ厚
    みに形成されて成ることを特徴とする請求項7乃至請求
    項14記載の赤外線検出素子。
  16. 【請求項16】 感熱部がサーミスタ本体を厚み方向の
    両面に形成される一対の電極で挟んだサンドイッチ構造
    を有し、両誘電体層が両感熱部よりも大きな面積で且つ
    互いに同一の形状に形成され、各誘電体層が赤外線を吸
    収する材料を用いて形成され、赤外線検出部では上記一
    対の電極のうち後方に位置する電極が赤外線検出部側の
    誘電体層と同じ面積に形成されるとともに赤外線を反射
    する厚みに形成され、赤外線検出部側の誘電体層は上記
    後方に位置する電極の前面側の厚みが赤外線を吸収する
    厚みに形成され、温度補償部では上記一対の電極のうち
    前方に位置する電極が温度補償部側の誘電体層と同じ面
    積に形成されるとともに赤外線を反射する厚みに形成さ
    れ、温度補償部側の誘電体層は上記前方に位置する電極
    の前面側の厚みが赤外線を吸収しない厚みに形成され、
    各誘電体層がそれぞれ上記赤外線吸収量調整部を構成し
    て成ることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の赤
    外線検出素子。
  17. 【請求項17】 金属層に該金属層による応力を緩和す
    るためのスリットを形成したことを特徴とする請求項7
    乃至請求項15記載の赤外線検出素子。
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