JPH11148868A - 熱検知素子およびその製造方法 - Google Patents

熱検知素子およびその製造方法

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JPH11148868A
JPH11148868A JP9315269A JP31526997A JPH11148868A JP H11148868 A JPH11148868 A JP H11148868A JP 9315269 A JP9315269 A JP 9315269A JP 31526997 A JP31526997 A JP 31526997A JP H11148868 A JPH11148868 A JP H11148868A
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heat detecting
membrane
heat
diaphragm
detecting element
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JP9315269A
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English (en)
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Masanori Okuyama
雅則 奥山
Ryuichi Kubo
久保  竜一
Tomonori Mukougawa
友徳 向川
Kazuhiko Hashimoto
和彦 橋本
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Hochiki Corp
Murata Manufacturing Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Hochiki Corp
Murata Manufacturing Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無駄なスペースが少なく、小型で高集積化が
可能な熱検知素子および熱検知素子の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 Si(110)面ウエハの基板11の裏
面から異方性ウエットエッチングにより垂直にエッチン
グすることによって空隙18が形成されている。基板1
1の表面にはSi酸化膜17が形成されており、このS
i酸化膜17が空隙18を覆っている部分がメンブレン
19を構成している。このメンブレン19上に熱検知部
13が形成されている。基板11の表面の空隙18が形
成されていない部分(メンブレン19でない部分)に
は、信号処理回路15、シフトレジスタ等が形成されて
いる。また、基板11の裏面の空隙18が形成されてい
ない部分には、空隙18を形成するために異方性エッチ
ングのマスクとして用いた酸化膜20が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱検知素子、特に
赤外線イメージセンサにおいて、熱絶縁性の高い熱検知
素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線センサとしては、赤外線を光子と
してとらえる量子型センサと、赤外光の吸収によって素
子の温度が上昇した結果生じる素子の物性変化を利用す
る熱型センサの2種類が知られているが、前者について
は通常液体窒素等による冷却が必要なため、一般的には
熱型センサが用いられている。熱型センサの中でも、焦
電型赤外線センサは他に比べて感度が高いため、赤外線
発生源検知には適しているが、焦電型赤外線センサは基
本的には赤外線の変化を検出するものであるため、静止
した赤外線発生源を検知しようとした場合、何等かの方
法で赤外線が断続的にセンサ受光部に入射するように工
夫する必要があり、通常はスリット付き円板や平板等の
チョッパーを回転あるいは振動させることにより赤外線
の断続入射(チョッピング)を実現している。
【0003】また、他の熱型赤外線センサとして金属の
熱起電力を検知するサーモパイル型がある。このサーモ
パイル型は温接点と冷接点との温度差から生じる熱起電
力を利用するため、素子構造としては大きなものとな
る。また、金属の抵抗変化を検知するボロメータ型があ
る。さらに、他の熱型赤外線センサとして誘電ボロメー
タ型がある。これは誘電率の温度変化を検知するもので
あるが、まだ実用化には至っていない。これらはチョッ
パーが必要ない反面、電圧印可を必要としている。
【0004】以上述べた従来の赤外線センサとして用い
られている熱検知素子においては、受光部の熱容量を小
さくし、受光部の温度変化を大きくすることが重要であ
り、さらに、個々の検知素子複数個を2次元的に配列し
て2次元の温度変化分布を検知するために用いられる場
合が多く、その場合は、近接する検知素子間でのいわゆ
る熱クロストークを抑制するために、さまざまの形で熱
分離構造が提案されている。
【0005】以下に、赤外線センサとして用いられてい
る熱検知素子の従来例について、その熱分離構造を中心
に説明する。
【0006】従来の熱検知素子に用いられている基板
は、Si(100)面ウエハの基板である場合が一般的
である。この熱分離構造としては、図17に示すよう
に、Si(100)面ウエハ201を裏面から異方性エ
ッチングして形成された空隙202上に配置されたメン
ブレン203上に熱検知部を形成するものがある。
【0007】上記の熱検知素子の熱分離性能をさらに向
上さす目的で、図20に示すように、メンブレン203
は熱検知部が形成されるダイアフラム204と支持部2
05を有しており、メンブレン203とSi(100)
面ウエハ201との接続部である支持部205をできる
だけ細くすることによって、メンブレン203とSi
(100)ウエハ201との熱伝導を極力小さくしてい
る。
【0008】また、Si(100)面ウエハ以外の基板
としては、MgO単結晶基板を異方性エッチングして得
られたメンブレン上に熱検知部が形成されているものも
ある。この場合、熱検知部を形成した基板とは別に信号
処理用の基板などを形成し、信号読み出しやアレイ素子
のスイッチングを行っており、この熱検知部を回路が形
成されたSi基板上に接合している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】MgO基板を用いた場
合は、検知素子より得られる信号を処理したり、スイッ
チングを行う際に回路部分は別のSi基板に形成する必
要がある。この時、熱検知部が形成された基板と信号処
理回路が形成された基板との電気的結合には、長い配線
が必要となるためノイズを拾いやすくなり、S/N比が
悪化するという課題がある。さらに、熱検知部が形成さ
れた基板と信号処理回路が形成された基板の2つの基板
が必要となるため、小型化、低コスト化の点で大きな問
題が発生する。したがって、これらを解決するために
は、Si基板を用いて、1枚の基板上に熱検知部と信号
処理回路を形成することが必要となってくる。
【0010】Si(100)面ウエハの基板を用いる場
合、裏面から異方性エッチングを行うと、図17に示す
ように、表面に形成されるメンブレン部の一辺の長さd
1 に対して、裏面の開口部の一辺の長さd2 は非常に長
くなってしまう。この長さd 2 はウエハの厚さをtとす
ると、数1で表される。
【0011】
【数1】
【0012】すなわち、図18に示すように厚さ300
μmのウエハに100μm×100μmの熱検知部を形
成しようとすると、開口部一辺の長さは数1に各数値を
代入した数2により、524.2μmとなり、1素子当
たりの熱検知部が形成される面積に対して約27.5倍
の面積が必要となる。これによって、熱検知部を多数配
置する場合には、集積密度の低下を招くという大きな課
題がある。
【0013】
【数2】
【0014】また、図20のような構成のダイアフラム
と支持部を有するメンブレンにおいては、熱応答性およ
び感度の向上とクロストークの抑制という観点からは、
支持部の形状をできるだけ細長くする必要があるが、こ
うすると強度、歪み、形成プロセスの困難さ等の問題が
生じてしまうという課題がある。さらに、ダイアフラム
204の実質的に対角線上に支持部205が配置されて
いるため、ダイアフラム203の四角形の支持部205
から遠い隅部においては、隅部がまくれ上がって歪みが
発生するという問題もある。
【0015】本発明は、従来の熱検知素子のこの様な課
題を考慮し、無駄なスペースが少なく、小型で高集積化
が可能な熱検知素子および熱検知素子の製造方法を提供
することを目的とするものである。さらに、熱絶縁性が
高く、しかも強度が高く、歪みを抑制できるメンブレン
を備える熱検知素子を提供することを目的とするもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1の本発明は、Si(110)面ウエハの
基板と、前記基板に形成された空隙上に配置されたメン
ブレンと、前記メンブレン上に形成された熱検知部とを
備え、前記空隙は、前記基板を異方性エッチングするこ
とにより形成されていることを特徴とする熱検知素子で
ある。
【0017】すなわち、請求項1の本発明は、Si基板
が無い位置、もしくはSiが薄い位置に配置されたメン
ブレン上に熱検知部を形成することで、Si基板のエッ
チングされていない部分がヒートシンクとなり、隣り合
う熱検知部間のクロストークを低減することができる。
また、図19に示すように、Si(110)面ウエハ2
11の異方性エッチングでは面と垂直にエッチングが行
われることにより、熱検知部形成領域であるメンブレン
213の幅と同じ幅の空隙212が形成されるため、素
子の集積効率が向上する。さらに、Si基板を用いるこ
とで、Siプロセスにより同一基板内に信号処理回路や
信号増幅回路の形成が容易にできる。また、空隙が形成
されていない基板上、すなわち熱検知部のごく近傍に回
路を形成することができるため、微小信号の検出が容易
に行える。
【0018】請求項2の本発明は、前記メンブレンは、
ダイアフラムと、前記ダイアフラムと前記基板とを接続
する少なくとも1つの支持部とを有し、前記熱検知部
は、前記ダイアフラム上に配置されていることを特徴と
する請求項1に記載の熱検知素子である。
【0019】請求項3の本発明は、前記支持部は、少な
くとも2本あり、前記メンブレンは、前記空隙を跨ぐよ
うに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の
熱検知素子である。
【0020】請求項4の本発明は、前記支持部のうちの
少なくとも一本は、前記ダイアフラムとの接続部分か
ら、前記基板との接続部分までの間に形成されたスリッ
トを有することを特徴とする請求項2または3に記載の
熱検知素子である。
【0021】請求項5の本発明は、前記支持部のうちの
少なくとも一本は、前記基板の前記空隙によって形成さ
れた相対する内壁の一方と接続し、前記相対する内壁間
の中心線上もしくは前記相対する内壁のもう一方寄りの
位置で前記ダイアフラムと接続していることを特徴とす
る請求項2〜4のいずれかに記載の熱検知素子である。
【0022】請求項6の本発明は、前記支持部のうちの
別の少なくとも一本は、前記ダイアフラムと前記基板と
を最短距離で接続し、前記少なくとも一本の支持部より
細いことを特徴とする請求項5に記載の熱検知素子であ
る。
【0023】請求項7の本発明は、前記ダイアフラム
は、実質的に円または楕円形状であることを特徴とする
請求項2〜6のいずれかに記載の熱検知素子である。
【0024】請求項8の本発明は、前記ダイアフラム
は、四角形であり、前記支持部は、四本で、それぞれが
前記ダイアフラムの別の角部付近に接続していることを
特徴とする請求項2に記載の熱検知素子である。
【0025】請求項9の本発明は、前記Si(110)
面ウエハの基板の替わりに、Si(110)面以外のS
iウエハの基板を備えることを特徴とする請求項4〜8
のいずれかに記載の熱検知素子である。
【0026】すなわち、請求項4〜9の本発明は、従来
のメンブレンの形状を改良するものであって、ダイアフ
ラムの支持部を減らしたり、長くしたり、分割したりす
ることによって、熱検知部の熱の逃げを減らし、熱絶縁
性を向上させることができるため、熱応答性、温度上昇
幅を大きくすることができる。さらに、本来の支持部に
対して、細い支持部を追加することによって、メンブレ
ンの強度を向上させ、歪みを抑制することができ、正確
な熱検知素子を構成することができる。
【0027】請求項10の本発明は、前記メンブレン
は、同一の前記基板上に複数個がアレイ状形成されてお
り、前記空隙の全部または一部は、2つ以上の前記メン
ブレン下にわたって形成された溝であることを特徴とす
る請求項2〜9のいずれかに記載の熱検知素子である。
【0028】請求項11の本発明は、Si(110)面
ウエハの裏面にウエットエッチングのマスク用のパター
ンを形成する裏面パターン形成工程と、前記裏面から異
方性ウエットエッチングにより、前記(110)面に垂
直な空隙を形成させることによって、前記Si(11
0)面ウエハの表面にメンブレンを形成するメンブレン
形成工程と、前記メンブレン上に熱検知部を形成する熱
検知部形成工程とを含むことを特徴とする熱検知素子の
製造方法である。
【0029】請求項12の本発明は、前記裏面パターン
形成工程の前に、前記Si(110)面ウエハの表面に
メンブレンを形成するためのパターンを形成する表面パ
ターン工程を含み、前記裏面パターン形成工程において
は、前記表面パターン工程で形成された前記パターンと
のアライメントを行って、前記マスク用のパターンの配
置を決定することを特徴とする請求項11に記載の熱検
知素子の製造方法である。
【0030】請求項13の本発明は、Siウエハの表面
にメンブレンを形成するためのパターンを形成する表面
パターン工程と、前記表面側から前記パターンのみを残
して、少なくとも前記パターンの下方に異方性ウエット
エッチングにより空隙を形成することによって、前記表
面にメンブレンを形成するメンブレン形成工程と、前記
メンブレン上に熱検知部を形成する熱検知部形成工程と
を含むことを特徴とする熱検知素子の製造方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0032】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0033】図1は本発明の第1の実施の形態における
熱検知素子の斜視図であり、図2は図1の熱検知素子一
単位の平面図、図3はその断面図である。
【0034】図1〜図3において、Si(110)面ウ
エハの基板11の裏面から異方性ウエットエッチングに
より垂直にエッチングすることによって空隙18が形成
されている。基板11の表面にはSi酸化膜17が形成
されており、このSi酸化膜17が空隙18を覆ってい
る部分がメンブレン19を構成している。このメンブレ
ン19上に熱検知部13が形成されている。熱検知部1
3は、例えば焦電膜を熱検知材料として構成されたもの
である。基板11の表面の空隙18が形成されていない
部分(メンブレン19でない部分)には、例えばFET
であるところの信号処理回路15、シフトレジスタ16
等が形成されている。また、基板11の裏面の空隙18
が形成されていない部分には、空隙18を形成するため
に異方性エッチングのマスクとして用いた酸化膜20が
形成されている。なお、1列に配置された複数の熱検知
素子一単位の各空隙18が連結して、図1に示す溝12
を形成している。
【0035】本実施の形態における熱検知素子を用いる
ことによって、ヒートシンクであるSiウエハが無い位
置、すなわち空隙18の直上に熱検知部13を形成する
ことで隣り合う検知素子間のクロストークを低減するこ
とができる。また、Si(110)面ウエハの異方性エ
ッチングにおいては、面と垂直にエッチングが行われる
ことにより、メンブレン19の幅と同じ幅の空隙18が
形成されているため、素子の集積効率が良くなる。
【0036】さらに、Siウエハの基板を用いること
で、Siプロセスにより同一基板内に信号処理回路や信
号増幅回路の形成が容易にできる。また、メンブレン1
9に隣接した部分、すなわち熱検知部13の近傍に回路
を形成することができるため、微小信号の検出が容易に
行うことができ、正確で高解像度の熱検知を行うことが
できる。
【0037】このように、Si(110)面ウエハを裏
面から異方性ウエットエッチングすることによって、垂
直に空隙を形成することができ、高集積化が可能であ
り、また、隣り合う検知素子間のクロストークを低減す
ることができ、正確なセンサ測定出力を得ることができ
る。さらに、同一基板内に信号処理回路や信号増幅回路
を形成しているので、微小信号の検出が容易に行うこと
ができ、信頼性も高く、高精度に熱検知を行うことが可
能である。
【0038】次に、本実施の形態における熱検知素子の
製造方法を図面を参照して説明する。
【0039】図4および図5は本発明の第1の実施の形
態における熱検知素子のプロセスフローを示す熱検知素
子一単位の断面図である。
【0040】まず、あらかじめ信号処理回路15等が備
えられ、それ以外の表面にSi酸化膜17が形成された
Si(110)面ウエハの基板11を用意し、その裏面
に異方性エッチングのマスク用の酸化膜20をパターン
エッチングする(図4)。
【0041】次に、Siに対して異方性のエッチング特
性を持つ強アルカリのエッチング溶液(たとえばTMA
H、EDP、KOH)を用いて裏面から異方性エッチン
グを行う。その際にエッチングは、Si酸化膜17まで
ウエハ表面に垂直に進行する。エッチングが止まること
でエッチングが行われた部分のSi酸化膜17はメンブ
レン19となる。垂直にエッチングが進行することによ
り、熱検知部が形成される領域の幅と実質的に同じ幅を
持つメンブレン19が形成でき、それ以外の領域ではS
iがそのまま残る(図5)。その残ったSi部分はヒー
トシンクとなり、メンブレン19は熱的に絶縁された状
態となる。
【0042】最後に、メンブレン19上に熱検知部13
を形成し、熱検知部13と信号処理回路15等とを接続
する配線をSi酸化膜17上に形成することによって、
図3の熱検知素子が得られる。
【0043】なお、Si酸化膜17は、窒化シリコン膜
もしくはボロン等を高濃度にドープしたシリコン膜等の
エッチング溶液に対して耐性を持つ膜であればよい。
【0044】また、熱検知部13の形成は、異方性ウエ
ットエッチングを行う前に行っても良い。
【0045】以上のように、本実施の形態によれば、S
i(110)面ウエハを裏面から異方性ウエットエッチ
ングすることにより形成された空隙の直上に熱検知部が
形成され、その周辺に信号処理回路が形成されているの
で、容易に、高精度、高信頼性で正確な、熱クロストー
クに依存しない、ばらつきや誤差のないセンサ出力を出
すことができる熱検知素子を得ることができる。
【0046】なお、本発明の熱検知素子におけるメンブ
レンは、本実施の形態においては、基板の表面に形成さ
れたSi酸化膜が空隙を覆っている部分によって構成さ
れているとして説明したが、これに限らず、例えば、S
i(110)面ウエハが空隙の上方に薄く残るように形
成されたものでもよい。要するに、Si(110)面ウ
エハの基板に形成された空隙上に配置されたものであり
さえすればよい。
【0047】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0048】図6は本発明の第2の実施の形態における
熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子は、メンブレンの
構成に関する点以外は、上述した第1の実施の形態にお
ける熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形
態において、特に説明のないものについては、第1の実
施の形態と同じとし、第1の実施の形態と同じ呼称の構
成部材については、特に説明のない限り、第1の実施の
形態と同様の機能を持つものとする。
【0049】Siウエハ31を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙34上に配置されたメンブレン3
5上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン35は熱検知部が形成される円状のダイアフラム3
2と、ダイアフラム32とSiウエハ31とを接続する
1本の支持部33を有している。支持部33は、ダイア
フラム32を支持できる範囲でできるだけ細くなってお
り、メンブレン35とSiウエハ31との熱伝導を極力
小さくしている。
【0050】本実施の形態における熱検知素子を用いる
ことによって、ダイアフラムの支持部が1点のみである
ので、熱検知部のSiウエハへの熱の逃げを減らし、熱
絶縁性を向上させることができるため、熱応答性を向上
させることができる。さらに、ダイアフラムの形状を円
形にすることによって、エッチングを容易にし、ダイア
フラムの形成を容易にすることができ、また、異常な応
力集中による変形を発生することがなく、正確なダイア
フラムを形成することができ、信頼性のある熱検知素子
を構成することができる。
【0051】次に、本実施の形態における熱検知素子の
製造方法を図面を参照して説明する。図16は、本発明
の第2の実施の形態における熱検知素子の製造方法をプ
ロセスフローにしたがって示す熱検知素子一単位の断面
図である。
【0052】まず、あらかじめ信号処理回路等(図示せ
ず)が備えられたSi(110)面ウエハの基板131
を用意し、その表面にSi酸化膜132を、 その裏面に
酸化膜134をそれぞれ形成し、このSi酸化膜132
に対してメンブレンを形成するためのパターニングを行
う。すなわち、空隙34が形成される位置の上方のSi
酸化膜132は、メンブレン35を構成するダイアフラ
ムとなるパターン133および支持部となるパターン
(図示せず)のみを残して除去されて、そこにはSi
(110)面ウエハの基板131の表面が露出すること
になる(図16(a))。
【0053】その後、Si(110)面ウエハの基板1
31の裏面に、表面のパターンとのアライメントを行っ
て、異方性エッチングのマスク用の酸化膜134をパタ
ーンエッチングする(図16(b))。
【0054】次に、Siに対して異方性のエッチング特
性を持つ強アルカリのエッチング溶液(たとえばTMA
H、EDP、KOH)を用いて裏面から異方性エッチン
グを行う。その際にエッチングは、Si酸化膜132ま
でウエハ表面に垂直に進行する。エッチングが止まるこ
とでエッチングが行われた部分のSi酸化膜132のパ
ターン(ダイアフラムとなるパターン133および支持
部となるパターン(図示せず))はメンブレン35(ダ
イアフラム32および支持部33)となる。垂直にエッ
チングが進行することにより、熱検知部が形成されるメ
ンブレン35の幅と実質的に同じ幅を持つ空隙34が形
成でき、それ以外の領域ではSiがそのまま残る(図1
6(c))。その残ったSi部分はヒートシンクとな
り、メンブレン35は熱的に絶縁された状態となる。
【0055】最後に、メンブレン35のダイアフラム3
2上に熱検知部(図示せず)を形成し、熱検知部と信号
処理回路等(図示せず)とを接続する配線(図示せず)
をSi酸化膜132上に形成することによって、図6の
熱検知素子が得られる。なお、図6においては、図16
のSi(110)面ウエハの基板131とその表面のS
i酸化膜132をまとめて、Siウエハ31として表現
している。
【0056】なお、第1の実施の形態と同様に、Si酸
化膜132は、窒化シリコン膜もしくはボロン等を高濃
度にドープしたシリコン膜等のエッチング溶液に対して
耐性を持つ膜であればよい。また、熱検知部の形成は、
異方性ウエットエッチングを行う前に行っても良い。
【0057】以上のように、本実施の形態によれば、メ
ンブレンが1点支持の円形のダイアフラムと1つの支持
部で構成されているので、第1の実施の形態による効果
に加え、熱絶縁性が高く、しかも強度が高く、歪みを抑
制できるメンブレンを備える熱検知素子を得ることがで
きる。
【0058】なお、本発明の熱検知素子における基板
は、本実施の形態においては、Si(110)面ウエハ
の基板であるとして説明したが、これに限らず、例え
ば、Si(100)面ウエハの基板であっても、熱絶縁
性が高く、しかも強度が高く、歪みを抑制できるメンブ
レンを備える熱検知素子を得られるという効果はある。
ただし、その際の製造方法においては、上記のものによ
らず、後述する第11の実施の形態の図15で示す製造
方法のように、Si(100)面ウエハの基板の表面か
らの異方性エッチングを行う必要がある。
【0059】また、本発明のダイアフラムは、本実施の
形態においては、円形状であるとして説明したが、これ
に限らず、楕円形状であっても、円形状の場合と比較し
て、強度および歪みに若干の差がある他は、同様の効果
が得られる。
【0060】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0061】図7は本発明の第3の実施の形態における
熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子は、メンブレンの
構成に関する点以外は、上述した第2の実施の形態にお
ける熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形
態において、特に説明のないものについては、第2の実
施の形態と同じとし、第2の実施の形態と同じ呼称の構
成部材については、特に説明のない限り、第2の実施の
形態と同様の機能を持つものとする。
【0062】Siウエハ41を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙44上に配置されたメンブレン4
5上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン45は熱検知部が形成される円状のダイアフラム4
2と、ダイアフラム42とSiウエハ41とを接続する
2本の支持部43を有しており、2本の支持部43はダ
イアフラム42を挟んで、空隙44を跨ぐように配置さ
れている。支持部43は、ダイアフラム42を支持でき
る範囲でできるだけ細くなっており、メンブレン45と
Siウエハ41との熱伝導を極力小さくしている。すな
わち、支持部43は、2本でダイアフラム42を支持し
ているので、第2の実施の形態における熱検知素子の支
持部に比べて、幅を狭くすることができ、熱伝導がより
小さくなっている。
【0063】このように、本実施の形態では、第2の実
施の形態における熱検知素子と同様に、ダイアフラムを
円形にすることによって、メンブレンの強度を向上さ
せ、歪みを抑制することができ、正確な熱検知素子を構
成することができる。さらに、ダイアフラムの両端を支
持することによって、第2の実施の形態における熱検知
素子に比べ、さらに、熱検知部の熱の逃げを減らし、熱
絶縁性を向上させるとともに、ダイアフラムの形成を容
易にし、メンブレンの強度を向上させ、歪みを抑制する
ことができる。
【0064】以上のように、本実施の形態によれば、第
2の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性および強度が高く、歪みを抑制できるメンブレン
を備える熱検知素子を得ることができる。
【0065】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0066】図8は本発明の第4の実施の形態における
熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子も、メンブレンの
構成に関する点以外は、上述した第2の実施の形態にお
ける熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形
態において、特に説明のないものについては、第2の実
施の形態と同じとし、第2の実施の形態と同じ呼称の構
成部材については、特に説明のない限り、第2の実施の
形態と同様の機能を持つものとする。
【0067】Siウエハ51を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙54上に配置されたメンブレン5
6上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン56は熱検知部が形成される円状のダイアフラム5
2と、ダイアフラム52とSiウエハ51とを接続する
支持部53を有している。支持部53は、1本の太い支
持部が、支持部に沿って形成されたスリット55によっ
て、2本の細い支持部に分割されたものであり、それぞ
れの幅は、2本でダイアフラム52を支持できる範囲で
できるだけ細くなっており、メンブレン56とSiウエ
ハ51との熱伝導を極力小さくしている。また、支持部
53は、Siウエハ51の相対する内壁間の中心線付近
でダイアフラム52と接続しているので、第2の実施の
形態における熱検知素子と比べて、長さが長くなってお
り、さらに熱伝導が小さくなっている。
【0068】このように、本実施の形態では、第2の実
施の形態における熱検知素子と同様に、ダイアフラムを
円形にすることによって、メンブレンの強度を向上さ
せ、歪みを抑制することができ、正確な熱検知素子を構
成することができる。さらに、スリットによって2本の
細い部分に分割され、第2の実施の形態における熱検知
素子と比べて長さが長い支持部でダイアフラムを支持す
ることによって、第2の実施の形態における熱検知素子
に比べ、さらに、熱検知部の熱の逃げを減らし、熱絶縁
性を向上させることができる。
【0069】以上のように、本実施の形態によれば、第
2の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性および強度が高いメンブレンを備える熱検知素子
を得ることができる。
【0070】なお、本発明の支持部は、本実施の形態に
おいては、1本の太い支持部が支持部に沿って形成され
たスリットによって2本の細い支持部に分割され、か
つ、Siウエハの相対する内壁間の中心線付近でダイア
フラムと接続しているとして説明したが、どちらか一方
のみの構成であっても、第2の実施の形態における熱検
知素子に比べ、熱検知部の熱の逃げを減らし、熱絶縁性
を向上させることができる。
【0071】また、本発明の支持部の構成は、本実施の
形態の構成に限るものではなく、例えば、スリットによ
って3分割されたものであってもよいし、Siウエハの
相対する内壁間の中心線以外の部分でダイアフラムと接
続していてもよい。
【0072】さらに、本発明のスリットは、本実施の形
態においては、ダイアフラムとの接続部分から基板との
接続部分までの間に連続して形成されているとして説明
したが、これに限らず、ダイアフラムとの接続部分から
基板との接続部分までの間の一部に形成されてさえおれ
ば、熱絶縁性、歪みの抑制等の効果に差はあるものの、
第2の実施の形態における熱検知素子に比べ、熱絶縁性
が高いメンブレンを備える熱検知素子を得ることができ
る。
【0073】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0074】図9は本発明の第5の実施の形態における
熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子も、メンブレンの
構成に関する点以外は、上述した第2の実施の形態にお
ける熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形
態において、特に説明のないものについては、第2の実
施の形態と同じとし、第2の実施の形態と同じ呼称の構
成部材については、特に説明のない限り、第2の実施の
形態と同様の機能を持つものとする。ただし、ダイアフ
ラムそのものの形状に関する説明は、実質的に円または
楕円形状であるとした第2の実施の形態の説明には依ら
ないものとする。
【0075】Siウエハ61を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙64上に配置されたメンブレン6
5上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン65は熱検知部が形成される四角形状のダイアフラ
ム62と、ダイアフラム62とSiウエハ61とを接続
する1本の支持部63を有している。支持部63は、ダ
イアフラム62を支持できる範囲でできるだけ細くなっ
ており、メンブレン65とSiウエハ61との熱伝導を
極力小さくしている。また、支持部63は、Siウエハ
61の相対する内壁の一方と接続し、前記相対する内壁
のもう一方寄りの位置でダイアフラム62と接続してい
るので、第2の実施の形態における熱検知素子と比べ
て、長さが長くなっており、さらに熱伝導が小さくなっ
ている。
【0076】このように、本実施の形態では、ダイアフ
ラムの形状を四角形にすることによって、エッチングを
容易にし、ダイアフラムの形成を容易にすることがで
き、正確な熱検知素子を構成することができる。さら
に、第2の実施の形態における熱検知素子と比べて長さ
が長い支持部でダイアフラムを支持することによって、
第2の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、
熱検知部の熱の逃げを減らし、熱絶縁性を向上させるこ
とができる。
【0077】以上のように、本実施の形態によれば、第
2の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性が高いメンブレンを備える熱検知素子を得ること
ができる。
【0078】なお、本発明の支持部の構成は、本実施の
形態の構成に限るものではなく、例えば、Siウエハの
相対する内壁間の中心線寄りの位置でダイアフラムと接
続していてもよい。
【0079】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0080】図10は本発明の第6の実施の形態におけ
る熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子は、支持部の構成
に関する点以外は、上述した第5の実施の形態における
熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、特に説明のないものについては、第5の実施の
形態と同じとし、第5の実施の形態と同じ呼称の構成部
材については、特に説明のない限り、第5の実施の形態
と同様の機能を持つものとする。
【0081】Siウエハ71を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙74上に配置されたメンブレン7
6上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン76は熱検知部が形成される四角形状のダイアフラ
ム72と、ダイアフラム72とSiウエハ71とを接続
する支持部73とを有している。支持部73は、Siウ
エハ71の相対する内壁の一方と接続し、前記相対する
内壁のもう一方寄りの位置でダイアフラム72と接続し
ているので、メンブレン76とSiウエハ71との熱伝
導を極力小さくしている。また、支持部73は、1本の
太い支持部が、支持部に沿って形成されたスリット75
によって、2本の細い支持部に分割されたものであり、
それぞれの幅は、ダイアフラム72を支持できる範囲で
できるだけ細くなっているので、第5の実施の形態にお
ける熱検知素子と比べて、さらに熱伝導が小さくなって
いる。
【0082】このように、本実施の形態では、第5の実
施の形態における熱検知素子と同様に、ダイアフラムの
形状を四角形にすることによって、エッチングを容易に
し、ダイアフラムの形成を容易にすることができ、正確
な熱検知素子を構成することができる。さらに、スリッ
トによって2本の細い部分に分割された支持部でダイア
フラムを支持することによって、第5の実施の形態にお
ける熱検知素子に比べ、さらに、熱検知部の熱の逃げを
減らし、熱絶縁性を向上させることができる。
【0083】以上のように、本実施の形態によれば、第
5の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性および強度が高いメンブレンを備える熱検知素子
を得ることができる。
【0084】なお、本発明のスリットは、本実施の形態
においては、ダイアフラムとの接続部分から基板との接
続部分までの間に連続して形成されているとして説明し
たが、これに限らず、ダイアフラムとの接続部分から基
板との接続部分までの間の一部に形成されてさえおれ
ば、熱絶縁性、歪みの抑制等の効果に差はあるものの、
第5の実施の形態における熱検知素子に比べ、熱絶縁性
が高いメンブレンを備える熱検知素子を得ることができ
る。
【0085】(第7の実施の形態)次に、本発明の第7
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0086】図11は本発明の第7の実施の形態におけ
る熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子も、支持部の構成
に関する点以外は、上述した第5の実施の形態における
熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、特に説明のないものについては、第5の実施の
形態と同じとし、第5の実施の形態と同じ呼称の構成部
材については、特に説明のない限り、第5の実施の形態
と同様の機能を持つものとする。
【0087】Siウエハ81を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙84上に配置されたメンブレン8
6上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン86は熱検知部が形成される四角形状のダイアフラ
ム82と、ダイアフラム82とSiウエハ81とを接続
する支持部83および細支持部85を有している。支持
部83は、Siウエハ81の相対する内壁の一方と接続
し、前記相対する内壁のもう一方寄りの位置でダイアフ
ラム82と接続している。細支持部85は、支持部83
より細く、前記相対する内壁のもう一方とダイアフラム
82とを最短距離で接続しており、かつ、できるだけ支
持部83とダイアフラム82との接続点より遠い位置で
ダイアフラム82と接続しているので、第5の実施の形
態における熱検知素子の支持部63と比べて、支持部8
3の強度的な負担が緩和される。したがって、第5の実
施の形態における熱検知素子の支持部63と比べて、支
持部83の幅を細くできるため、さらに熱伝導が小さく
なっている。また、支持部83および細支持部85の2
点でダイアフラム82を支持するため、第5の実施の形
態における熱検知素子と比べて、歪みを抑制することが
できる。
【0088】このように、本実施の形態では、ダイアフ
ラムの形状を四角形にすることによって、エッチングを
容易にし、ダイアフラムの形成を容易にすることがで
き、正確な熱検知素子を構成することができる。さら
に、ダイアフラムと基板とを最短距離で接続し、支持部
より細い別の細支持部を備えることによって、第5の実
施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱検知部
の熱の逃げを減らし、熱絶縁性を向上させるとともに、
歪みを抑制することができる。
【0089】以上のように、本実施の形態によれば、第
5の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性が高く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱
検知素子を得ることができる。
【0090】なお、本実施の形態においては、細支持部
85を備えることによって、支持部83の幅を第5の実
施の形態における熱検知素子の支持部63と比べて細く
できるとして説明したが、支持部83の幅を支持部63
の幅と同じとすると、第5の実施の形態における熱検知
素子に比べ、メンブレンの強度を向上させ、歪みを抑制
することができる。
【0091】また、本実施の形態においては、細支持部
85は、支持部83が接続している内壁と相対するもう
一方の内壁側に接続しているとして説明したが、これに
限らず、支持部83が接続している内壁側に接続してい
るとしても、歪みの抑制の効果に差はあるものの、第5
の実施の形態における熱検知素子に比べ、熱絶縁性が高
く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱検知素子を
得ることができる。 (第8の実施の形態)次に、本発明の第8の実施の形態
を図面を参照して説明する。
【0092】図12は本発明の第8の実施の形態におけ
る熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子も、支持部の構成
に関する点以外は、上述した第5の実施の形態における
熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、特に説明のないものについては、第5の実施の
形態と同じとし、第5の実施の形態と同じ呼称の構成部
材については、特に説明のない限り、第5の実施の形態
と同様の機能を持つものとする。
【0093】Siウエハ91を異方性ウエットエッチン
グして形成された空隙94上に配置されたメンブレン9
7上に熱検知部(図示せず)が形成されている。メンブ
レン97は熱検知部が形成される四角形状のダイアフラ
ム92と、ダイアフラム92とSiウエハ91とを接続
する支持部93および細支持部96とを有している。支
持部93は、Siウエハ91の相対する内壁の一方と接
続し、前記相対する内壁のもう一方寄りの位置でダイア
フラム92と接続する1本の太い支持部が、支持部に沿
って形成されたスリット95によって、2本の細い支持
部に分割されたものであり、それぞれの幅は、ダイアフ
ラム92を細支持部96とともに支持できる範囲ででき
るだけ細くなっている。細支持部96は、支持部93の
スリット95によって形成された2本の細い支持部それ
ぞれより細く、前記相対する内壁の支持部93が接続し
ている側の内壁とダイアフラム92とを最短距離で接続
しており、かつ、できるだけ支持部93とダイアフラム
92との接続点より遠い位置でダイアフラム92と接続
しているので、第5の実施の形態における熱検知素子の
支持部63と比べて、支持部93の強度的な負担が緩和
される。したがって、第5の実施の形態における熱検知
素子の支持部63と比べて、支持部93の幅を細くでき
るため、さらに熱伝導が小さくなっている。また、支持
部93および細支持部96の2点でダイアフラム92を
支持するため、第5の実施の形態における熱検知素子と
比べて、歪みを抑制することができる。
【0094】このように、本実施の形態では、第5の実
施の形態における熱検知素子と同様に、ダイアフラムの
形状を四角形にすることによって、エッチングを容易に
し、ダイアフラムの形成を容易にすることができ、正確
な熱検知素子を構成することができる。さらに、ダイア
フラムとの接続部分から、基板との接続部分までの間に
形成されたスリットを有する支持部と、ダイアフラムと
基板とを最短距離で接続し、支持部より細い別の細支持
部とを備えることによって、第5の実施の形態における
熱検知素子に比べ、さらに、熱検知部の熱の逃げを減ら
し、熱絶縁性を向上させるとともに、歪みを抑制するこ
とができる。
【0095】以上のように、本実施の形態によれば、第
5の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性が高く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱
検知素子を得ることができる。
【0096】なお、本実施の形態においては、細支持部
96を備えることによって、支持部93の合計幅を第5
の実施の形態における熱検知素子の支持部63と比べて
細くできるとして説明したが、支持部93の合計幅を支
持部63の幅と同じとすると、第5の実施の形態におけ
る熱検知素子に比べ、メンブレンの強度を向上させ、歪
みを抑制することができる。
【0097】また、本実施の形態においては、細支持部
96は、支持部93が接続している内壁側に接続してい
るとして説明したが、これに限らず、支持部93が接続
している内壁と相対するもう一方の内壁側に接続してい
るとしても、歪みの抑制の効果に差はあるものの、第5
の実施の形態における熱検知素子に比べ、熱絶縁性が高
く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱検知素子を
得ることができる。
【0098】さらに、本発明のスリットは、本実施の形
態においては、ダイアフラムとの接続部分から基板との
接続部分までの間に連続して形成されているとして説明
したが、これに限らず、ダイアフラムとの接続部分から
基板との接続部分までの間の一部に形成されてさえおれ
ば、熱絶縁性、歪みの抑制等の効果に差はあるものの、
第5の実施の形態における熱検知素子に比べ、熱絶縁性
が高いメンブレンを備える熱検知素子を得ることができ
る。
【0099】(第9の実施の形態)次に、本発明の第9
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0100】図13は本発明の第9の実施の形態におけ
る熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図であ
る。本実施の形態における熱検知素子は、支持部の構成
に関する点以外は、上述した第7の実施の形態における
熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形態に
おいて、特に説明のないものについては、第7の実施の
形態と同じとし、第7の実施の形態と同じ呼称の構成部
材については、特に説明のない限り、第7の実施の形態
と同様の機能を持つものとする。
【0101】Siウエハ101を異方性ウエットエッチ
ングして形成された空隙104上に配置されたメンブレ
ン106上に熱検知部(図示せず)が形成されている。
メンブレン106は熱検知部が形成される四角形状のダ
イアフラム102と、ダイアフラム102とSiウエハ
101とを接続する2本の支持部103および2本の細
支持部105とを有している。支持部103は、それぞ
れがSiウエハ101の相対する内壁のどちらか一方と
接続し、前記相対する内壁のもう一方寄りの位置でダイ
アフラム102と接続しており、それぞれの幅は、ダイ
アフラム102を細支持部105とともに支持できる範
囲でできるだけ細くなっている。各細支持部105は、
各支持部103より細く、どちらか一方の支持部103
が前記相対する内壁の一方に接続している位置の近傍
で、同じ側の内壁とダイアフラム102とを最短距離で
接続しているので、第7の実施の形態における熱検知素
子の支持部83と比べて、支持部103の強度的な負担
が緩和される。したがって、第7の実施の形態における
熱検知素子の支持部83と比べて、支持部103の幅を
細くできるため、さらに熱伝導が小さくなっている。ま
た、各支持部103および各細支持部105の4点でダ
イアフラム102を支持するため、第7の実施の形態に
おける熱検知素子と比べて、歪みを抑制することができ
る。
【0102】このように、本実施の形態では、第7の実
施の形態における熱検知素子と同様に、ダイアフラムの
形状を四角形にすることによって、エッチングを容易に
し、ダイアフラムの形成を容易にすることができ、正確
な熱検知素子を構成することができる。さらに、支持部
と細支持部をそれぞれ2本備え、各支持部および各細支
持部を実質的に対角線上に配置したことによって、第7
の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱検
知部の熱の逃げを減らし、熱絶縁性を向上させるととも
に、歪みを抑制することができる。
【0103】以上のように、本実施の形態によれば、第
7の実施の形態における熱検知素子に比べ、さらに、熱
絶縁性が高く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱
検知素子を得ることができる。
【0104】なお、本発明の支持部の構成は、本実施の
形態の構成に限るものではなく、例えば、支持部および
/または細支持部の本数が1本または3本以上であって
もよい。
【0105】(第10の実施の形態)次に、本発明の第
10の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0106】図14は本発明の第10の実施の形態にお
ける熱検知素子のメンブレンの構成を示す平面模式図で
ある。本実施の形態における熱検知素子は、支持部の構
成に関する点以外は、上述した第5の実施の形態におけ
る熱検知素子と同様である。したがって、本実施の形態
において、特に説明のないものについては、第5の実施
の形態と同じとし、第5の実施の形態と同じ呼称の構成
部材については、特に説明のない限り、第5の実施の形
態と同様の機能を持つものとする。
【0107】Siウエハ111を異方性ウエットエッチ
ングして形成された空隙114上に配置されたメンブレ
ン115上に熱検知部(図示せず)が形成されている。
メンブレン115は熱検知部が形成される四角形状のダ
イアフラム112と、ダイアフラム112の各隅部とS
iウエハ111とを接続する4本の支持部113を有し
ている。各支持部113は、ダイアフラム112を支持
できる範囲でできるだけ細くなっており、メンブレン1
15とSiウエハ111との熱伝導を極力小さくしてい
る。なお、各支持部113の幅は、4本の全部または一
部が同じであっても、それぞれが異なっていてもよい。
【0108】本実施の形態における熱検知素子を用いる
ことによって、ダイアフラムの支持部が4本で、それぞ
れの幅を1本または2本の場合に比べて細くできるの
で、熱検知部のSiウエハへの熱の逃げを減らし、熱絶
縁性を向上させることができるため、熱応答性を向上さ
せることができる。さらに、ダイアフラムの形状を四角
形にすることによって、エッチングを容易にし、ダイア
フラムの形成を容易にすることができ、また、異常な応
力集中による変形を発生することがなく、正確なダイア
フラムを形成することができ、信頼性のある熱検知素子
を構成することができる。
【0109】以上のように、本実施の形態によれば、メ
ンブレンが4点支持の四角形のダイアフラムと4本の支
持部で構成されているので、第1の実施の形態による効
果に加え、熱絶縁性が高く、しかも強度が高く、歪みを
抑制できるメンブレンを備える熱検知素子を得ることが
できる。
【0110】(第11の実施の形態)次に、本発明の第
11の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0111】図15は、本発明の第11の実施の形態に
おける熱検知素子の製造方法をプロセスフローにしたが
って示す熱検知素子一単位の断面図である。本実施の形
態における熱検知素子の製造方法は、ダイアフラムと少
なくとも1つの支持部とから構成されるメンブレンを備
える熱検知素子、例えば、上述した第2〜第10の実施
の形態における熱検知素子のうちいずれかのメンブレン
の形状と同様の形状のメンブレンを備える熱検知素子、
についての製造方法である。したがって、本実施の形態
において、第2の実施の形態と同じ呼称の構成部材につ
いては、特に説明のない限り、第2の実施の形態と同様
の機能を持つものとする。
【0112】まず、あらかじめ信号処理回路等(図示せ
ず)が備えられたSi(100)面ウエハの基板121
を用意し、その表面および裏面にSi酸化膜122を形
成し、この表面のSi酸化膜122に対してメンブレン
を形成するためのパターニングを行うことによって、メ
ンブレンを構成するダイアフラムとなるパターン123
および支持部となるパターン(図示せず)が形成され
る。すなわち、空隙が形成される位置の上方のSi酸化
膜122は、メンブレンとなる部分のみを残して除去さ
れて、そこにはSi(100)面ウエハの基板121の
表面が露出することになる(図15(a))。
【0113】次に、Siに対して異方性のエッチング特
性を持つ強アルカリのエッチング溶液(たとえばTMA
H、EDP、KOH)を用いて表面から異方性エッチン
グを行う。これによって、各断面において、基板121
の表面が露出している部分を底辺として頂角をθ(=
35.26゜×2)とする三角形の断面を有する一次空
隙124が形成される(図15(b))。
【0114】さらに時間をかけて異方性エッチングを継
続すると、ダイアフラムとなるパターン123および支
持部となるパターン(図示せず)が、他の表面のSi酸
化膜122部分に比べて、幅が著しく狭いために、それ
らの下部にある基板121の部分のみが除去されて、二
次空隙125(図15(c)のパターン123の下部と
点線および実線で囲まれた五角形)が形成される。一次
空隙124と二次空隙125が合わさって、各断面にお
いて、ダイアフラムとなるパターン123および支持部
となるパターン(図示せず)を挟んだ表面のSi酸化膜
122の端部同士を結んだ線分を底辺として頂角をθ
(=35.26゜×2)とする三角形の断面を有する空
隙が形成され、ダイアフラムとなるパターン123およ
び支持部となるパターン(図示せず)はメンブレンとな
る(図15(c))。ここで、残ったSi部分はヒート
シンクとなり、メンブレンは熱的に絶縁された状態とな
る。
【0115】最後に、メンブレンのダイアフラム上に熱
検知部を形成し、熱検知部と信号処理回路等とを接続す
る配線をSi酸化膜上に形成することによって、本実施
の形態における熱検知素子の製造方法を用いた熱検知素
子が得られる(図示せず)。
【0116】なお、第2の実施の形態と同様に、Si酸
化膜は、窒化シリコン膜もしくはボロン等を高濃度にド
ープしたシリコン膜等のエッチング溶液に対して耐性を
持つ膜であればよい。また、熱検知部の形成は、異方性
ウエットエッチングを行う前に行っても良い。
【0117】本実施の形態における熱検知素子を用いる
ことによって、ヒートシンクであるSiウエハが無い位
置、すなわち空隙の直上に熱検知部を形成することで隣
り合う検知素子間のクロストークを低減することができ
る。また、Si(100)面ウエハの表面から異方性エ
ッチングを行うことによって、メンブレンの幅と同じ幅
の空隙が形成されているため、素子の集積効率が良くな
る。
【0118】このように、Si(100)面ウエハを表
面から異方性ウエットエッチングすることによって、高
集積化が可能であり、また、隣り合う検知素子間のクロ
ストークを低減することができ、正確なセンサ測定出力
を得ることができる。さらに、同一基板内に信号処理回
路や信号増幅回路を形成しているので、微小信号の検出
が容易に行うことができ、信頼性も高く、高精度に熱検
知を行うことが可能である。
【0119】以上のように、本実施の形態によれば、S
i(100)面ウエハを表面から異方性ウエットエッチ
ングすることにより形成された空隙の直上に熱検知部が
形成され、その周辺に信号処理回路が形成されているの
で、容易に、高精度、高信頼性で正確な、熱クロストー
クに依存しない、ばらつきや誤差のないセンサ出力を出
すことができる熱検知素子を得ることができる。
【0120】なお、本発明の熱検知部は、上述した第1
〜第12の実施の形態においては、焦電膜を熱検知材料
として構成されたものであるとして説明したが、これに
限らず、例えば、誘電ボロメータ型の熱検知部であって
もよい、要するに、温度変化を検知する熱検知部であっ
て、熱応答性および感度の向上とクロストークの抑制を
考慮する必要がある熱検知部でありさえすれば、各実施
の形態において説明したのと同様の効果が得られる。。
【0121】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、従来の熱検知素子のこの様な課題を考慮
し、無駄なスペースが少なく、小型で高集積化が可能な
熱検知素子および熱検知素子の製造方法を提供すること
ができる。さらに、熱絶縁性が高く、しかも強度が高
く、歪みを抑制できるメンブレンを備える熱検知素子を
提供することができる。
【0122】すなわち、本発明の熱検知素子を用いるこ
とによって、各々の検知素子の熱絶縁性を保持したまま
1次元及び2次元高集積化が行えるだけでなく、微小信
号の検出に適した信号処理回路及び信号増幅回路とのモ
ノリシック化が行えることから、高性能の熱イメージセ
ンサを容易に作製する事ができるという効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における熱検知素子
の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における熱検知素子
の熱検知素子一単位の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における熱検知素子
の熱検知素子一単位の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における熱検知素子
のプロセスフローを示す熱検知素子一単位の断面図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施の形態における熱検知素子
のプロセスフローを示す熱検知素子一単位の断面図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施の形態における熱検知素子
のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における熱検知素子
のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における熱検知素子
のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態における熱検知素子
のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態における熱検知素
子のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態における熱検知素
子のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態における熱検知素
子のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態における熱検知素
子のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図14】本発明の第10の実施の形態における熱検知
素子のメンブレンの構成を示す平面模式図である。
【図15】本発明の第11の実施の形態における熱検知
素子の製造方法をプロセスフローにしたがって示す熱検
知素子一単位の断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態における熱検知素
子の製造方法をプロセスフローにしたがって示す熱検知
素子一単位の断面図である。
【図17】Si(100)面ウエハを裏面から異方性エ
ッチングして形成された空隙の形状を示す断面図であ
る。
【図18】Si(100)面ウエハを裏面から異方性エ
ッチングして形成された空隙の形状を示す平面図であ
る。
【図19】Si(110)面ウエハを裏面から異方性エ
ッチングして形成された空隙の形状を示す断面図であ
る。
【図20】従来の熱検知素子のメンブレンの構成を示す
平面模式図である。
【符号の説明】
11 Si(110)面ウエハの基板 12 溝 13 熱検知部 14 配線 15 信号処理回路 16 シフトレジスタ 17 Si酸化膜 18 空隙 19 メンブレン 20 酸化膜 31 Siウエハ 32 ダイアフラム 33 支持部 34 空隙 35 メンブレン 121 Si(100)面ウエハの基板 122 Si酸化膜 123 パターン 124 一次空隙 125 二次空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 雅則 大阪府豊中市上野坂1丁目16番13号 (72)発明者 久保 竜一 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 向川 友徳 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 橋本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si(110)面ウエハの基板と、前記
    基板に形成された空隙上に配置されたメンブレンと、前
    記メンブレン上に形成された熱検知部とを備え、前記空
    隙は、前記基板を異方性エッチングすることにより形成
    されていることを特徴とする熱検知素子。
  2. 【請求項2】 前記メンブレンは、ダイアフラムと、前
    記ダイアフラムと前記基板とを接続する少なくとも1つ
    の支持部とを有し、前記熱検知部は、前記ダイアフラム
    上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の
    熱検知素子。
  3. 【請求項3】 前記支持部は、少なくとも2本あり、前
    記メンブレンは、前記空隙を跨ぐように配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の熱検知素子。
  4. 【請求項4】 前記支持部のうちの少なくとも一本は、
    前記ダイアフラムとの接続部分から、前記基板との接続
    部分までの間に形成されたスリットを有することを特徴
    とする請求項2または3に記載の熱検知素子。
  5. 【請求項5】 前記支持部のうちの少なくとも一本は、
    前記基板の前記空隙によって形成された相対する内壁の
    一方と接続し、前記相対する内壁間の中心線上もしくは
    前記相対する内壁のもう一方寄りの位置で前記ダイアフ
    ラムと接続していることを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれかに記載の熱検知素子。
  6. 【請求項6】 前記支持部のうちの別の少なくとも一本
    は、前記ダイアフラムと前記基板とを最短距離で接続
    し、前記少なくとも一本の支持部より細いことを特徴と
    する請求項5に記載の熱検知素子。
  7. 【請求項7】 前記ダイアフラムは、実質的に円または
    楕円形状であることを特徴とする請求項2〜6のいずれ
    かに記載の熱検知素子。
  8. 【請求項8】 前記ダイアフラムは、四角形であり、前
    記支持部は、四本で、それぞれが前記ダイアフラムの別
    の角部付近に接続していることを特徴とする請求項2に
    記載の熱検知素子。
  9. 【請求項9】 前記Si(110)面ウエハの基板の替
    わりに、Si(110)面以外のSiウエハの基板を備
    えることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の
    熱検知素子。
  10. 【請求項10】 前記メンブレンは、同一の前記基板上
    に複数個がアレイ状形成されており、前記空隙の全部ま
    たは一部は、2つ以上の前記メンブレン下にわたって形
    成された溝であることを特徴とする請求項2〜9のいず
    れかに記載の熱検知素子。
  11. 【請求項11】 Si(110)面ウエハの裏面にウエ
    ットエッチングのマスク用のパターンを形成する裏面パ
    ターン形成工程と、前記裏面から異方性ウエットエッチ
    ングにより、前記(110)面に垂直な空隙を形成させ
    ることによって、前記Si(110)面ウエハの表面に
    メンブレンを形成するメンブレン形成工程と、前記メン
    ブレン上に熱検知部を形成する熱検知部形成工程とを含
    むことを特徴とする熱検知素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記裏面パターン形成工程の前に、前
    記Si(110)面ウエハの表面にメンブレンを形成す
    るためのパターンを形成する表面パターン工程を含み、
    前記裏面パターン形成工程においては、前記表面パター
    ン工程で形成された前記パターンとのアライメントを行
    って、前記マスク用のパターンの配置を決定することを
    特徴とする請求項11に記載の熱検知素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 Siウエハの表面にメンブレンを形成
    するためのパターンを形成する表面パターン工程と、前
    記表面側から前記パターンのみを残して、少なくとも前
    記パターンの下方に異方性ウエットエッチングにより空
    隙を形成することによって、前記表面にメンブレンを形
    成するメンブレン形成工程と、前記メンブレン上に熱検
    知部を形成する熱検知部形成工程とを含むことを特徴と
    する熱検知素子の製造方法。
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