JP3776962B2 - 3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物及び3−置換−3−オキソ−2−(5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル)プロピオン酸アミド化合物の製造方法 - Google Patents

3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物及び3−置換−3−オキソ−2−(5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル)プロピオン酸アミド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラー及びその合成中間体の新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、1分子の色素を形成させるために4原子の銀を必要とした従来の4当量カプラーの代わりに、現像主薬の酸化物と反応するカプラーのカップリング位置(活性点)に適当な置換基を導入することによって色素1分子を形成させるための銀を2原子で足りるようにした2当量カプラーが多く用いられる傾向にある。
なかでも、カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラーとしては、主にピバロイルアセトアニリド類、ベンゾイルアセトアニリド類、マロンジアミド類であって、現像主薬の酸化体とのカップリング反応時に5員複素環基などが離脱する2当量カプラーが広く用いられている。
近年、特に安価に入手可能な5,5−ジメチルヒダントインを離脱基とするイエローカプラーが、現像主薬の酸化体との反応性が高いことなどにより注目されている(特開平6−11808号、同6−19084号、同5−307242号、米国特許第5,399,474号)。その合成法は以下に示すように、一般式(VI) で表わされる4当量カプラー(3−置換−3−オキソプロピオン酸アミド化合物)をハロゲン化(例えば塩化スルフリルによるクロル化)を行ない、3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物(一般式(IV)の化合物)としたのち、5,5−ジメチルヒダントインとの置換反応を行ない、2当量カプラー(一般式(V)の化合物)を得るものである。
【0003】
【化4】
Figure 0003776962
【0004】
(式中、R10はアルキル基、アリール基などを示し、R11は置換基を示し、X10はハロゲン原子を示し、mは0〜5の整数を示す。)
【0005】
この合成法は他の5員複素環を離脱する2当量カプラーの合成にも適用できる一般的な合成法であるが、ハロゲン化剤として、塩素、塩化スルフリル、臭素などを用いる場合にハロゲン化が活性メチレン部位のみならず、分子内の他の部分{例えばアニリドのベンゼン環、環上の置換基R11(例えば炭素炭素二重結合、芳香環などを有する場合)}にも起ってしまうことが少なくない。さらに、これらのハロゲン化剤を用いる場合にはハロゲン化水素(例えば塩化水素、臭化水素)が生成するため、例えば、分子内にシクロプロパン環が存在する場合に開環してしまう場合がある上に、反応の後処理時に分液、水洗により中和を行なう必要があり、処理が煩雑である。また、これらのハロゲン化剤は反応性が高く、一般にハロゲン系溶媒が用いられるが、昨今の環境問題の解決のために、ハロゲン系溶媒の使用は厳しく制限される方向であり、ハロゲン系溶媒を用いる必要のない製造方法の開発が強く望まれている。
【0006】
ハロゲン化水素を発生させないハロゲン化剤として、例えばN−クロロスクシンイミド(NCS)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)を用いることができるが、これらのハロゲン化剤は高価な上、スクシンイミドが生成するため、次工程の置換反応の前に、水洗等によりスクシンイミドを除去する操作が必要である(除去しないと、次工程で、スクシンイミドが置換反応に関与することになる)。
【0007】
このように、従来知られている一般的な方法は、いずれも後処理が煩雑でしかも原料が高コストであるためコストアップとなる。また副反応を引き起こし、目的物の純度を低下させてしまうなど、改良が望まれている。昨今、カプラーの低コスト化の要求は、従来以上に強くなっており、技術開発が強く望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラー及びその合成中間体を簡便、低コストでかつ高純度で收率よく製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記の方法によって達成された。すなわち、本発明は、
(1)1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いる、一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物の製造方法。
【0010】
【化5】
Figure 0003776962
【0011】
(式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基またはインドリン−1−イル基を表わし、R2は置換基を表わし、X1 はハロゲン原子を表わし、nは0ないし5の整数を表わす。nが2以上の時、R2 で表わされる置換基は同じであっても異なっていてもよい。)
(2)3−置換−3−オキソプロピオン酸アミド化合物を1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインによりハロゲン化して、前記の一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物とすることを特徴とする(1)項記載の製造方法。
(3)1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする(1)項又は(2)項記載の製造方法。
(4)反応溶媒にトルエンを使用することを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の製造方法。
(5)塩基存在下に反応を行なうことを特徴とする(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の製造方法。
)3−置換−3−オキソプロピオン酸アミド化合物を1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインによりハロゲン化して、対応の(1)項又は(2)項記載の一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物としたのち、反応で生じた5,5−ジメチルヒダントインを除去することなく、塩基存在下、5,5−ジメチルヒダントインと反応させることを特徴とする一般式(II)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−(5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル)プロピオン酸アミド化合物の製造方法。
【0012】
【化6】
Figure 0003776962
【0013】
(式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基またはインドリン−1−イル基を表わし、R2 は置換基を表わし、X1 はハロゲン原子を表わし、nは0ないし5の整数を表わす。nが2以上の時、R2 で表わされる置換基は同じであっても異なっていてもよい。)
【0014】
【化7】
Figure 0003776962
【0015】
(式中、R1 、R2、nは一般式(I)におけるものと同義である。)
)1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする()項記載の製造方法。
(8)前記ハロゲン化の反応溶媒にトルエンを使用することを特徴とする(6)項又は(7)項記載の製造方法、及び
(9)前記ハロゲン化を塩基存在下に行なうことを特徴とする(6)項〜(8)項のいずれか1項に記載の製造方法、
を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の製造方法について詳細に説明する。反応スキームとしては以下のように示される。
【0017】
【化8】
Figure 0003776962
【0018】
一般式(III)で表わされる化合物は3−置換−3−オキソプロピオン酸エステルとアニリン類との縮合反応により容易に合成できる。
まず化合物を詳細に説明する。
本明細書の、各一般式の定義において、R1 のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基とは、特に断わらない限り、置換及び無置換の両者を包含する意味である。
1 は好ましくは炭素数1〜18の置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、tert−ブチル、tert−オクチル)、好ましくは炭素数3〜18の置換または無置換のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル、1−エチルシクロプロピル、1−ベンジルシクロプロピル、アダマンチル)、好ましくは炭素数6〜26の置換または無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、好ましくは炭素数0〜26の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、N,N−ジメチルアミノ、アニリノ)またはインドリン−1−イル基を表わす。
【0019】
置換基としては写真用イエローカプラーの置換基として公知の置換基ならばいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜18の置換または無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、オクタデコキシ)、好ましくは炭素数1〜18の置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、オクチル)、好ましくは炭素数6〜26の置換または無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、2−クロロ−5−(1−ドデシルオキシカルボニルエトキシカルボニル)フェニル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、シアノ基、ニトロ基、好ましくは炭素数1〜18の置換または無置換のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル、ブタンスルホニル、ヘキサデカンスルホニル)、好ましくは炭素数2〜18の置換または無置換のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル)などを挙げることができる。
【0020】
1 は、より好ましくは、炭素数4〜18の、さらに好ましくは炭素数4〜8の3級アルキル基(例えばtert−ブチル、tert−オクチル)、好ましくは炭素数4〜18の、さらに好ましくは炭素数4〜10の3級炭素で結合するシクロアルキル基(例えば1−メチルシクロプロピル、1−エチルシクロプロピル、1−ベンジルシクロプロピル、アダマンチル)、炭素数1〜18のアルコキシ基をp位に有するフェニル基、炭素数6〜26の置換アニリノ基(例えば2−クロロ−5−(1−ドデシルオキシカルボニルエトキシカルボニル)フェニルアミン)、インドリン−1−イル基を表わす。R1 は特に好ましくはtert−ブチル基、1−エチルシクロプロピル基、p−メトキシフェニル基、インドリン−1−イル基を表わす。
1 が置換アニリノ基を表わす時、一般式(I)は好ましくは、一般式(V)で表わされる。
【0021】
【化9】
Figure 0003776962
【0022】
(式中、R2 、X1 、nは一般式(I)におけるものと同義である。)
2 は、ベンゼン環に置換可能な置換基を表わし、写真用イエローカプラーの置換基として公知の置換基ならばいずれでもよく、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、メトキシエトキシ、オクタデコキシ)、好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、ドデコキシカルボニル、1−ドデシルオキシカルボニルエトキシカルボニル)、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアシルアミノ基{例えば、アセチルアミノ、パルミトイルアミノ、ステアロイルアミノ、オレオイルアミノ、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタノイルアミノフタルイミド}、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド)、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基{例えば、N−フェニルスルファモイル、N−(2−クロロフェニル)スルファモイル}、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル、ブタンスルホニル)、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアシル基(例えばホルミル、アセチル、ブタノイル、パルミトイル)、好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のオキシカルボニルアミノ(例えばtert−ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ)、好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のイミノ基(例えばベンジリデンアミノ)が挙げられる。
【0023】
2 は、より好ましくは、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、好ましくは炭素数1〜18のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、好ましくは炭素数1〜30のアシルアミノ基、好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基を表わす。
nは0〜5の整数を表わし、好ましくは1〜3の整数を表わし、特に好ましくは2を表わす。
1 はハロゲン原子を表わし、好ましくは塩素原子または臭素原子を表わす。(R2 n の置換位置、置換基の組合せが下記の場合、特に好ましい。アニリド部のベンゼン環を示す。
【0024】
【化10】
Figure 0003776962
【0025】
(式中、R3 はハロゲン原子または炭素数1〜18の置換または無置換のアルコキシ基を表わし、R4 はニトロ基、アミノ基、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜30の置換または無置換のアシルアミノ基、または炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基を表わし、R5 は水素原子またはハロゲン原子を表わす。)
1 がtert−ブチル基を表わす時、R3 がハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子、または炭素数1〜18のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基を表わし、R4 がニトロ基、または好ましくは炭素数1〜30のアシルアミノ基を表わし、R5 が水素原子を表わす組合せが特に好ましい。
1 が1−エチルシクロプロピル基を表わす時、R3 がハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子を表わし、R4 が好ましくは炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を表わし、R5 がハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子を表わす組合せが特に好ましい。
1 がp−メトキシフェニル基を表わす時、R3 がハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子を表わし、R4 が好ましくは炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を表わし、R5 が水素原子を表わす組合せが特に好ましい。
【0026】
1 がインドリン−1−イル基を表わす時、R3 が炭素数1〜18のアルコキシ基、特に好ましくはドデコキシ基を表わし、R4 が炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、特に好ましくはN−(o−クロロフェニル)スルファモイル基を表わし、R5 が水素原子を表わす組合せが特に好ましい。
1 が置換アニリノ基を表わす時、一般式(V)において、R3 がハロゲン原子、特に好ましくはクロル原子を表わし、R4 が炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基を表わし、R5 が水素原子を表わす組合せが特に好ましい。
次に製造方法について詳しく説明する。
本発明におけるハロゲン化剤として用いられる1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインは、5,5−ジメチルヒダントインをアルカリ条件下、ハロゲン化することにより容易に得ることができ、NBSなどに比べて安価に入手可能な化合物であり、ハロゲン化を行ったあとに得られる5,5−ジメチルヒダントインは写真用カプラーの離脱基として有用なものである。より具体的には1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインが好ましく用いられる。1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインが特に好ましく用いられる。これらの1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインにおける2個のハロゲン原子は、ときにハロゲン化に有効に用いることができ、3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物1モルを得るのに約0.5モルの使用で十分である場合が多い。好ましくは0.4〜1.2モル、特に好ましくは0.45〜0.6モル用いられる。
【0027】
反応溶媒としては酢酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、DMIなどのアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は好ましくは−80℃〜100℃、特に好ましくは0〜80℃である。
活性メチレンの反応性を向上させる目的で塩基を加えることもできる。特に、ベンゼン環に電子供与性基(例えばアミノ基)が存在する場合に、活性メチレンよりもベンゼン環の臭素化が優先することがあり、このような時に、特に有効である。塩基としては活性メチレンを解離しうるようなpKa値を有する(好ましくはpKaが7以上の)無機、有機塩基が用いられる。例えば水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、炭酸カリウム、DBU、トリエチルアミンなどが挙げられる。これらは、活性メチレン化合物に対して好ましくは0.5〜3当量、さらに好ましくは0.9〜2当量用いられる。塩基を用いる場合、反応温度は−80℃〜20℃、好ましくは−80℃〜0℃にて行なわれる。
さらに、ハロゲン化を行ない、3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物とした後、精製することなく(生成する5,5−ジメチルヒダントインを含有)、塩基存在下、5,5−ジメチルヒダントインを反応させ3−置換−3−オキソ−2−(5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル)プロピオン酸アミド化合物へと導くこともできる。
【0028】
ここで用いられる塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドの他、トリエチルアミン、DBU、DBNなどの有機の塩基が挙げられる。
反応溶媒としては、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、DMIなどのアミド系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリルなどが用いられる。好ましくはハロゲン系溶媒を除く、上記有機溶媒が用いられる。
反応温度は好ましくは、−20℃〜100℃、特に好ましくは0〜80℃である。
1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインは、3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物に対して好ましくは2〜5当量、用いられる。
以下に、一般式(I)で表わされる化合物、一般式(II)で表わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【表1】
Figure 0003776962
【0030】
【表2】
Figure 0003776962
【0031】
【表3】
Figure 0003776962
【0032】
【表4】
Figure 0003776962
【0033】
【表5】
Figure 0003776962
【0034】
【表6】
Figure 0003776962
【0035】
【表7】
Figure 0003776962
【0036】
【表8】
Figure 0003776962
【0037】
【表9】
Figure 0003776962
【0038】
【表10】
Figure 0003776962
【0039】
【表11】
Figure 0003776962
【0040】
【表12】
Figure 0003776962
【0041】
【表13】
Figure 0003776962
【0042】
【表14】
Figure 0003776962
【0043】
【実施例】
以下に実施例にて本発明の製造方法についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、実施例中、α−ピバロイル酢酸アミドと表記している化合物は、3−オキソ−4,4−ジメチル吉草酸アミドと同一である。
実施例1.化合物(I)−1の合成
2−クロロ−5−{2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタノイルアミノ}アニリンとピバロイル酢酸エステルの縮合反応により容易に得られるN−[2−クロロ−5−{2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタノイルアミノ}フェニル]−α−ピバロイル酢酸アミド5.71g(0.01モル)を酢酸エチル25mlに分散し、氷冷下、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン1.57g(0.0055モル)を少量ずつ加えた。1時間攪拌した後、水を加え、分液を行い、溶媒を留去して油状物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1)にて精製を行い、化合物(I)−1を油状物として0.05g得た。収率93%。
【0044】
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.66(t,3H,J=7.3Hz)
0.74(t,3H,J=7.3Hz)
1.12(t,3H,J=6.7Hz)
1.23(s,6H)
1.28(s,9H)
1.48(s,3H)
1.50(s,3H)
1.60(m,2H)
1.85-2.20(m,4h)
4.65(t,1H,J=6.0Hz)
5.12(s,1H)
6.65(d,1H,J=8.0Hz)
7.04(dd,1H,J=8.0,2.7Hz)
7.23(d,1H,J=2.7Hz)
7.32(d,1H,J=8.7Hz)
7.60(dd,1H,J=8.7,2.7Hz)
7.97(s,1H)
8.23(d,1H,J=2.7Hz)
9.23(s,1H)
【0045】
実施例2.化合物(I)−8の合成
2−クロロ−5−ニトロアニリンとピバロイル酢酸エステルより容易に得られるN−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミド2.99g(0.01モル)を塩化メチレン10mlに溶解し、氷冷下、これに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン1.50g(0.00525モル)をゆっくり加え、そのまま1時間攪拌した。
実施例1と同様の後処理を行い、得られた油状物をn−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒にて晶析、再結晶を行い、(I)−8を無色結晶として3.59g得た。収率95%。
融点 138−140℃
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
1.34(s,9H)
5.20(s,1H)
7.60(d,1H,J=7.3Hz)
7.97(dd,1H,J=7.3,2.7Hz)
9.26(d,1H,J=2.7Hz)
9.48(s,1H)
【0046】
実施例3.実施例1の方法に準じて合成した(I)−1を単離することなく、そのまま(II)−1を合成する(II)−1の合成例
N−[2−クロロ−5−{2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタノイルアミノ}フェニル]−α−ピバロイル酢酸アミド5.71g(0.01モル)を塩化メチレン15mlに溶解し、氷冷下、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン1.50g(0.00525モル)を少量ずつ加えた。1時間攪拌後、この懸濁液を予め5,5−ジメチルヒダントイン3.20g(0.025モル)の塩化メチレン10mlにナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)4.10ml(0.02モル)を加え、5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩を調製したところへ氷冷下、滴下した。さらに1時間攪拌後、希塩酸にて中和を行い、分液、水洗、濃縮を行い、粗(II)−1を油状物として得た。エタノールから晶析を行い、(II)−1を6.14g得た。収率88%。
【0047】
融点95−98℃
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.67(t,3H,J=7.3Hz)
0.75(t,3H,J=7.3Hz)
1.11(t,3H,J=6.7Hz)
1.22(s,6H)
1.28(s,9H)
1.48(s,3H)
1.50(s,3H)
1.60(m,2H)
1.9-2.15(m,4H)
4.64(t,1H,J=6.3Hz)
5.62(s,1H)
6.00(s,1H)
6.66(d,1H,J=8.0Hz)
7.05(dd,1H,J=8.0,2.7Hz)
7.22(d,1H,J=2.7Hz)
7.30(d,1H,J=8.3Hz)
7.60(dd,1H,J=8.3,2.7Hz)
7.98(s,1H)
8.18(d,1H,J=2.7Hz)
9.45(s,1H)
【0048】
実施例4.実施例2の方法に準じて合成した(I)−8を単離することなく、そのまま(II)−8を合成する(II)−8の合成
実施例2とほぼ同じ操作にて、(I)−8の酢酸エチル溶液を調製し、この溶液を、予め5,5−ジメチルヒダントイン3.20g(0.025モル)の酢酸エチル溶液にナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)4.10ml(0.02モル)を加え、5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩を調製したところへ氷冷下滴下した。さらに1時間攪拌後、希塩酸にて中和、分液、水洗、濃縮を行い、さらに、n−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒にて晶析を行い、(II)−8を3.61g無色結晶として得た。収率85%。
融点205−208℃
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
1.30(s,9H)
1.54(s,3H)
1.58(s,3H)
5.67(s,1H)
6.05(s,1H)
7.56(d,1H,J=9.3Hz)
7.95(dd,1H,J=9.3,2.7Hz)
9.25(d,1H,J=2.7Hz)
10.00(s,1H)
【0049】
実施例5.化合物(I)−9の合成▲1▼
N−(2−クロロ−5−アミノフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミド2.69g(0.01モル)を塩化メチレン10mlに溶解し、ナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)2.05ml(0.01モル)を加え、氷−メタノール寒剤にて内温を−5℃に冷却し、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン1.50g(0.00525モル)を少量ずつ0℃以下にて加えた。そのまま2時間攪拌した後、塩酸にて中和を行い、酢酸エチルに抽出、水洗、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、油状物として、(I)−9を0.70g得た。収率20%。
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
以下に示すようにケト−エノール平衡がみられた。((A)異性体と(B)異性体)
(A.異性体)
δppm
1.30(s,9H)
3.58(bs,2H)
5.18(s,1H)
6.45(dd,1H,J=9.0,2.7Hz)
7.15(d,1H,J=9.0Hz)
7.77(d,1H,J=2.7Hz)
9.14(s,1H)
【0050】
(B.異性体)
δppm
1.30(s,9H)
3.58(bs,2H)
5.28(s,1H)
6.45(dd,1H,J=9.0,2.7Hz)
7.15(d,1H,J=9.0Hz)
7.77(d,1H,J=2.7Hz)
8.95(s,1H)
【0051】
この反応条件においては、下記合成▲2▼で得られるようなアニリン環が臭素で置換された生成物はほとんど得られずに目的とする活性メチレンのみ臭素化された。
【0052】
化合物(I)−9の合成▲2▼
N−(2−クロロ−5−アミノフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミド2.69g(0.01モル)を塩化メチレン10mlに溶解し、氷冷下、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン1.50g(0.00525モル)を少量ずつ加えた。そのまま2時間攪拌した後、合成▲1▼と同様の後処理を行い、(I)−9を油状物として、0.10g得た。収率3%。
他に、化合物 1.28g(収率30%)と化合物 2.16g(収率62%)が得られた。塩基を用いないと、活性メチレン基よりもアニリン環の臭素化が優先的に起こったものと考えられる。
【0053】
【化11】
Figure 0003776962
【0054】
実施例6.化合物(I)−22の合成
N−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミドの代りにN−(2,4−ジクロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)−α−(1−エチルシクロプロピルカルボニル)酢酸アミドを用いた以外は実施例2と全く同様にして反応させ処理して油状物として化合物(I)−22を得た。
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.90(t,3H,J=6.7Hz)
1.04(t,3H,J=7.3Hz)
1.10(m,2H)
1.30-1.50(m,20H)
1.78(m,2H)
1.97(m,2H)
4.32(t,2H,J=6.7Hz)
4.65(s,1H)
7.55(s,1H)
8.80(s,1H)
9.51(s,1H)
【0055】
実施例7.化合物(I)−29の合成
N−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミドの代わりにN−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)−α−(p−メトキシフェニルカルボニル)酢酸アミドを用いた以外は実施例2と全く同様にして反応させ処理して化合物(I)−29を得た。
融点96−98℃
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.88(t,3H,J=6.7Hz)
1.26-1.32(m,18H)
1.75-1.81(m,2H)
3.93(s,3H)
4.32(t,2H,J=6.7Hz)
5.69(s,1H)
7.01(d,2H,J=8.7Hz)
7.50(d,1H,J=8.3Hz)
7.79(dd,1H,J=8.3,2.0Hz)
8.07(d,2H,J=8.7Hz)
8.98(d,1H,J=2.0Hz)
9.68(s,1H)
【0056】
実施例8.化合物(II)−22の合成
実施例4の方法に準じて油状物として化合物(II)−22を合成した。
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.80(m,2H)
0.92(t,3H,J=6.7Hz)
1.03(t,3H,J=7.3Hz)
1.30(m,22H)
1.54(s,3H)
1.59(s,3H)
1.75(m,4H)
4.33(t,2H,J=6.7Hz)
5.51(s,1H)
5.92(s,1H)
7.52(s,1H)
8.80(s,1H)
10.02(s,1H)
【0057】
実施例9.化合物(II)−29の合成
実施例7と同様にして化合物(I)−29を合成しそれを単離することなく、実施例3と同様に、5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩と反応させ処理して化合物(II)−29を得た。
融点112−114℃
1H-NMR(200MHz:CDCl3)
δppm
0.88(t,3H,J=7.0Hz)
1.28(m,18H)
1.38(s,3H)
1.43(s,3H)
1.75(m,2H)
3.86(s,3H)
4.29(t,2H,J=7.0Hz)
5.98(s,1H)
6.30(s,1H)
6.93(d,2H,J=9.0Hz)
7.46(d,1H,J=9.0Hz)
7.74(dd,1H,J=9.0,2.0Hz)
7.85(d,2H,J=9.0Hz)
8.94(d,1H,J=2.0Hz)
10.14(s,1H)
【0058】
実施例10.化合物(I)−44の合成
特開平4−263249号記載の方法に準じて合成したN−{2−オクタデコキシ−5−(2−クロロフェニルスルファモイル)フェニル}−α−インドリニルカルボニル酢酸アミド7.40g(0.01モル)を塩化メチレン50mlに分散し、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン2.80g(0.01モル)を加え、室温にて15時間撹拌した。5%水酸化ナトリウム水溶液、ついで水にて洗浄を行い、溶媒を留去した。n−ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒にて晶析を行い、化合物(I)−44を7.53g、収率92%にて得た。融点124−128℃。
【0059】
実施例11.化合物(I)−45の合成
特開平4−263249号記載の方法に準じて合成したN−{2−オクタデコキシ−5−(2−クロロフェニルスルファモイル)フェニル}−α−インドリニルカルボニル酢酸アミド7.40g(0.01モル)を酢酸エチル50mlに分散し、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン2.0gを加え、室温にて15時間撹拌した。5%水酸化ナトリウム水溶液、ついで水にて洗浄を行い、溶媒を留去した。n−ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒にて晶析を行い、化合物(I)−45を7.18g、収率93%にて得た。融点78−80℃。
【0060】
実施例12.化合物(I)−52を経由する化合物(II)−40の合成
N−(2−クロロ−5−アミノフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミド268.8g(1モル)をアセトニトリル1リットルに分散し、ピリジン81.5ml(1.05モル)を加え、氷冷下、内温15℃以下にて、オレイルクロリド300.0g(1モル)を滴下した。滴下後さらに2時間撹拌し、析出した結晶をろ過した。さらにろ液に酢酸エチル2リットルを加え、水洗を2回行った後、濃縮し、得られた油状物にアセトニトリルを加え析出した結晶をろ過した。あわせて517.0gの結晶として、N−(2−クロロ−5−オレオイルアミノフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミドを得た。収率97%。
ついで、N−(2−クロロ−5−オレオイルアミノフェニル)−α−ピバロイル酢酸アミド533.2g(1モル)を塩化メチレン2リットルに分散し、これに氷冷下、内温15℃以下にて、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン150.1g(0.525モル)を加え、さらに1時間撹拌し、化合物(I)−52の塩化メチレン溶液を調製した。
これに、予め、メタノール500ml、5,5−ジメチルヒダントイン384.0g(3モル)、ナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)410ml(2モル)より調製した5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩のメタノール溶液を内温10〜15℃にて滴下した。滴下後さらに3時間撹拌したのち、5%水酸化ナトリウム水溶液にて洗浄し、過剰の5,5−ジメチルヒダントインを除去後、水洗を2回行い、溶媒を留去した。アセトニトリルを用いて晶析を行い、化合物(II)−40を結晶として、600.0g、収率91%にて得た。融点129.5−131.5℃。
【0061】
実施例13.実施例11の方法に準じて合成した化合物(I)−45を単離することなく、そのまま化合物(II)−36を合成する化合物(II)−36の合成
実施例11とほぼ同じ操作にて、化合物(I)−45の酢酸エチル溶液を調製し、この溶液を、予め5,5−ジメチルヒダントイン3.20g(0.025モル)の酢酸エチル溶液にナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)4.10ml(0.02モル)を加え、5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩を調製したところへ滴下し、さらに5時間加熱還流した。室温にもどし、希塩酸にて中和、分液、水洗、濃縮を行い、さらにn−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒にて晶析を行い、化合物(II)−36を7.18g、無色結晶として得た。収率83%。融点146−148℃。
【0062】
実施例14.化合物(I)−8の合成
溶媒として塩化メチレンのかわりに同量のアセトンを用いたほかは実施例2と同様の反応、後処理を行い、(I)−8を収率93%にて得た。
【0063】
実施例15.化合物(I)−1の合成
溶媒として酢酸エチルのかわりに同量のトルエンを用いたほかは実施例1と同様の反応、後処理を行い、(I)−1を収率88%にて得た。
実施例16.化合物(I)−44の合成
溶媒として塩化メチレンのかわりに同量のトルエンを用いたほかは実施例10と同様の反応、後処理を行い、(I)−44を収率82%にて得た。
【0064】
実施例17.化合物(I)−56の合成
マロン酸ジメチルと2−クロロ−5−(1−ドデシルオキシカルボニル)エトキシカルボニルアニリンとを縮合させることによって容易に得られるN,N’−{2−クロロ−5−(1−ドデシルオキシカルボニル)エトキシカルボニルフェニル}マロン酸ジアミド8.92g(0.01モル)を用い、実施例11の方法に準じて反応、後処理を行い、(I)−56をアモルファスとして8.43g(収率91%)得た。
【0065】
実施例18.化合物(I)−57の合成
1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインのかわりに等モルの1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを用い、実施例17の方法に準じて反応、後処理を行い、(I)−57をアモルファスとして7.48g(収率77%)得た。
【0066】
実施例19.実施例17の方法に準じて合成した化合物(I)−56を単離することなく、そのまま化合物(II)−42を合成する化合物(II)−42の合成
実施例17とほぼ同じ操作にて、化合物(I)−56の溶液を調製し、この溶液を、あらかじめ5,5−ジメチルヒダントイン3.20g(0.025モル)の酢酸エチル溶液にナトリウムメトキシドメタノール溶液(28%)4.10ml(0.02モル)を加え、5,5−ジメチルヒダントインのナトリウム塩を調製したところへ滴下し、さらに1時間還流した。室温にもどし、希塩酸にて中和、分液、水洗、濃縮を行い、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製を行い、化合物(II)−42をアモルファスとして8.67g(収率85%)得た。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲン化銀カラー写真感光材料のイエローカプラー及びその合成中間体を、簡便に効率よく合成することができる。分子内にハロゲン化剤、鉱酸に反応性の高い置換基を有する場合にも適用できる。温和な条件にて合成することができる。さらに、生産性が高く、経済的なイエローカプラーを提供することができる。

Claims (9)

  1. 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインを用いる、一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物の製造方法。
    Figure 0003776962
    (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基またはインドリン−1−イル基を表わし、R2は置換基を表わし、X1 はハロゲン原子を表わし、nは0ないし5の整数を表わす。nが2以上の時、R2 で表わされる置換基は同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 3−置換−3−オキソプロピオン酸アミド化合物を1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインによりハロゲン化して、前記の一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物とすることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 反応溶媒にトルエンを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 塩基存在下に反応を行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 3−置換−3−オキソプロピオン酸アミド化合物を1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインによりハロゲン化して、対応の請求項1又は2記載の一般式(I)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−ハロプロピオン酸アミド化合物としたのち、反応で生じた5,5−ジメチルヒダントインを除去することなく、塩基存在下、5,5−ジメチルヒダントインと反応させることを特徴とする一般式(II)で表わされる3−置換−3−オキソ−2−(5,5−ジメチルヒダントイン−3−イル)プロピオン酸アミド化合物の製造方法。
    Figure 0003776962
    (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基またはインドリン−1−イル基を表わし、R2は置換基を表わし、X1 はハロゲン原子を表わし、nは0ないし5の整数を表わす。nが2以上の時、R2 で表わされる置換基は同じであっても異なっていてもよい。)
    Figure 0003776962
    (式中、R1 、R2、nは一般式(I)におけるものと同義である。)
  7. 1,3−ジハロ−5,5−ジメチルヒダントインが1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインまたは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 前記ハロゲン化の反応溶媒にトルエンを使用することを特徴とする請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 前記ハロゲン化を塩基存在下に行なうことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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