JP3896399B2 - 3−オキソプロピオン酸アミド化合物の製造方法 - Google Patents

3−オキソプロピオン酸アミド化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラー及びその合成中間体の新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラーとしては、主にピバロイルアセトアニリド類、ベンゾイルアセトアニリド類が用いられ、その合成法は以下に示すように、β−ケトエステル化合物をキー中間体とし、アニリン類との反応によりβ−ケトアニリド化合物を得、さらにハロゲン化(化合物を得る)、置換反応(化合物を得る)を行うものが一般的である(特公昭58−10739号、特公昭56−45135号、特公昭56−44420号)。
【0003】
【化6】
Figure 0003896399
【0004】
(式中、R9 はアルキル基、アリール基または含窒素複素環基を表わし、R10はアリール基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、Zは含窒素複素環基、フェノキシ基などのカップリング離脱基を表わす。)
しかし、β−ケトエステル化合物と、アニリン類との反応が、高温で行われ、しかも長時間を要するため、アニリン類の置換基として熱的に不安定なものは導入できない等、問題点が残されており、改良が望まれている(米国特許第4,230,851号など参照)。
一方、β−ケトエステル化合物を合成中間体としないβ−ケトアニリド化合物の合成法としては、メチルケトンをエナミンとし、活性化したのち、アニリン類とホスゲンから調製したアリールイソシアナートと加熱する方法(▲1▼)、メチルケトンをLDA(リチウムジイソプロピルアミド)という強塩基を用いて、リチウムエノラートとしたのち、アニリン類とホスゲンから調製したアリールイソシアナートと反応させる方法(▲2▼)などが知られている。
【0005】
【化7】
Figure 0003896399
【0006】
特に後者(▲2▼)の方法は低温で反応が進行する点で魅力的であるが、LDAという強塩基は実験室的には多用されるものの、工業的規模で大量に用いるのは困難である。また、アリールイソシアナートは有毒のホスゲンを用いて調製する必要があり、やはり製造設備が限定される等問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるイエローカプラー及びその合成中間体をホスゲンのような毒性の高い化合物を用いることなく、簡便かつ温和な条件にて製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記の方法によって達成された。
すなわち本発明は、
(1)一般式(I)
【0009】
【化8】
Figure 0003896399
【0010】
(式中、R1 はアリール基を表わし、R2 はアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表わす。)で表わされる化合物と、一般式(II)
【0011】
【化9】
Figure 0003896399
【0012】
(式中、R3 は2級または3級炭素で結合するアルキル基、シクロアルキル基、環状エーテル基、アリール基、一般式(III) で表わされる基、アルコキシ基またはN,N−ジ−置換アミノ基を表わす。ただし、N,N−ジ−置換アミノ基において、置換基どうしが結合し、窒素原子とともに含窒素複素環を形成していてもよい。Yは水素原子または電子吸引基を表わす。)で表わされる化合物を塩基存在下、反応させることを特徴とする、一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法、
【0013】
【化10】
Figure 0003896399
【0014】
(式中、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ、水素原子、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表わす。)
【0015】
【化11】
Figure 0003896399
【0016】
(式中、R 、R およびYはそれぞれ、一般式(I)、一般式(II)におけるものと同義である。)
(2)一般式(I)で表わされる化合物におけるR がフェニル基であって、R がハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはアシルスルファモイル基で置換されてもよいフェニル基であることを特徴とする(1)項記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法、
(3)一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、水素原子、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜18の置換カルバモイル基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または複素環基であることを特徴とする(1)又は(2)項記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法、
(4)一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、水素原子、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、一般式(V)〜(VII) で表わされる窒素で結合するイミド型5員複素環または一般式(VIII) で表わされる窒素で結合する5員複素環基から選ばれることを特徴とする(1)又は(2)項記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法、
【0017】
【化12】
Figure 0003896399
【0018】
(式(V)〜(VIII)中、Z 、Z はそれぞれ酸素原子、−N(R11)−で表わされる基、又は−(R12)C(R13)−で表わされる基を表わす。ここで、R11、R12は、水素原子、アルキル基、ベンジル基またはアリール基を表わし、R13は水素原子、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表わす。Z は、5〜7員環を形成するのに必要な、炭素原子、窒素原子、酸素原子、およびイオウ原子から選択される非金属原子群を表わす。R14、R15は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わす。Z 、Z 、Z 、Z は窒素原子、または置換または無置換のメチン基を表わ。ただし、一般式(VIII)において、Z 、Z 、Z 、Z が全て、窒素原子であることはない。)
(5)一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基または炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基であり、R がインドリン−1−イル基であることを特徴とする(1)又は(2)記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法、及び
(6)塩基が水素化ナトリウムであることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)または(5)項記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法
を提供するものである。
【0019】
以下に本発明の製造方法について詳しく説明する。
まず、化合物を詳細に説明する。
1 はアリール基(好ましくは炭素原子数(以下、C数という)C数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)を表わし、種々の置換基によって置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基(好ましくはC数1〜18。例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチル)、アリール基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜18。例えばメタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜26。例えばベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜18。例えばメトキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜18。例えばメトキシ、エトキシ、オクタデシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26。例えばフェノキシ)などを挙げることができる。
より好ましくは、R1 は無置換フェニル基または置換基として炭素数1〜18のアルキル基、塩素原子、臭素原子、ニトロ基を有していてもよいフェニル基を表わす。さらに好ましくは、R1 はフェニル基、p−メチルフェニル(トリル)、m−メチルフェニル(トリル)、o−メチルフェニル(トリル)、p−クロロフェニル、m−クロロフェニル、o−クロロフェニル、p−ニトロフェニル、m−ニトロフェニル基、o−ニトロフェニル基を表わす。置換基がメチル、クロル、ニトロの場合、o、m、p異性体の混合物であってもよい。
【0020】
1 は、特に好ましくはフェニル基である。
2 は好ましくは直鎖または分岐鎖のアルキル基(好ましくはC数1〜18。例えばメチル、エチル、プロピル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜18。例えばシクロヘキシル、シクロプロピル)、アリール基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)を表わす。
2 がアルキル基を表わす時、該アルキルは炭素数1〜18のアルコキシ基(例えばメトキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシ)、炭素数6〜26のアリールオキシ基(例えば2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、2,4−ジ−tert−オクチルフェノキシ)で置換されていてもよい。R2 がアリール基を表わす時、種々の置換基で置換されていてもよく、置換基としては、R1 の置換基として挙げた、アルキル基(好ましくはC数1〜18。例えばメチル、エチル、イソプロピル、(t)−ブチル、(t)−オクチル)、アリール基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜18。例えばメタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜26。例えばベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜18。例えばメトキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜18。例えばメトキシ、エトキシ、オクタデシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26。例えばフェノキシ)の他、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜18。例えばアセチルアミノ、パルミトイルアミノ、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブタノイルアミノ)、アルキルスルホンアミド基(好ましくはC数1〜18。例えばメタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド)、アリールスルホンアミド基(好ましくはC数6〜26。例えば2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホンアミド)、ウレイド基(好ましくはC数1〜18。例えば3−(4−シアノフェニル)ウレイド)、アルキルスルファモイル基(好ましくはC数1〜18。例えばN,N−ジメチルスルファモイル、N−メチルスルファモイル)、アリールスルファモイル基(好ましくはC数6〜26。例えば2−クロロフェニルスルファモイル、2−クロロ−5−ヘキサデシルスルファモイルフェニルスルファモイル)、アシルスルファモイル基(好ましくはC数2〜18。例えば、アセチルスルファモイル、エタノイルスルファモイル)、アルキルカルバモイル基(好ましくはC数1〜18。例えばN−ブチルカルバモイル、N,N−ジオクチルカルバモイル)、アリールカルバモイル基(好ましくはC数6〜26。例えば2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニルカルバモイル)などを挙げることができる。
2 は、好ましくは、上記の置換基を有していてもよいフェニル基を表わす。フェニル基上の置換基の位置は特に制限はないが、2、4及び5位から選ばれた少なくとも1つにあるのが好ましい。
本発明において、一般式(I)で表わされる化合物としては、R1 がフェニル基であって、R2 がハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはアシルスルファモイル基で置換されてもよいフェニル基である化合物が好ましく、中でもR2 がハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホンアミド基もしくはアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基である化合物がより好ましい。
【0021】
3 は、2級または3級炭素で結合するアルキル基(好ましくはC数1〜18。例えば、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜18。例えばシクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、1−エチルシクロプロピル、1−ベンジルシクロプロピル、シクロヘキシル、アダマンチル)、環状エーテル基(好ましくはC数2〜18。例えば2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)、アリール基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)、一般式(III) で表わされる4−ブタノリド基、アルコキシ基(好ましくはC数1〜18。例えばメトキシ、エトキシ、ヘキサデシルオキシ)、N,N−ジ置換アミノ基(好ましくはC数2〜26。例えばN,N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ)を表わす。ジ置換アミノ基における置換基としては置換基どうしが結合していない場合好ましくはC数1〜18のアルキル基、C数6〜26のアリール基を表わす。
3 がアリール基の場合、R2 がアリールの場合に示した種々の置換基を有していてもよい。
3 がN,N−ジ置換アミノ基である場合、置換基どうしが結合し、窒素原子とともに含窒素複素環を形成してもよい。含窒素複素環としては、5〜6員環の複素環が好ましく、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、テトラヒドロキノリンなどが挙げられる。
3 はさらに好ましくは、tert−ブチル基、炭素数1〜8のアルキル基で1位が置換されたシクロプロピル基、1−ベンジルシクロプロピル基、2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−イル基、p位に炭素数1〜20のアルコキシ基を有するフェニル基、一般式(III) で表わされる基、炭素数1〜20のアルコキシ基、インドリン−1−イル基を表わす。
3 は特に好ましくは、tert−ブチル基、p位に炭素数1〜20のアルコキシ基を有するフェニル基、一般式(III)で表わされる基、インドリン−1−イル基を表わす。
【0022】
3 が一般式(III) で表わされる4−ブタノリド基の場合、その置換基であるR4 、R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ水素原子、アルキル基(好ましくはC数1〜18。例えばメチル、エチル、プロピル)、ベンジル基、アリール基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニル、ナフチル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜18。例えばメトキシ、エトキシ、2−エチルヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26。例えばフェノキシ、ナフチルオキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜18。例えばメチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜26。例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)を表わす。
4 、R5 、R6 、R7 、R8 は、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ベンジル基、炭素数6〜15のアリール基を表わす。R4 、R56 、R7 は特に好ましくは水素原子である。R8 は特に好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基、ベンジル基である。
【0023】
Yは、水素原子または電子吸引性基を表わす。ここでいう電子吸引性基とは、Hammettによって定義された置換基定数σm が正の値を有する置換基を指す。代表的な置換基のσm 値は、化学の領域、増刊122号「薬物の構造活性相関」南江堂(1979)に示してある。もちろん、本発明の電子吸引性基が、上記の成書に示してある置換基に限定されるわけではない。(例えばC. Harsch ら、J. Med. Chem., 16, 1207 (1973); 20, 304 (1977) Chem. Rev. 91, 165 (1991)なども参照。)
Yは好ましくは、水素原子または、シアノ基(σm =0.56)、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基(例えばアセチル(σm =0.38)、プロパノイル、ブタノイル、ピバロイル(σm =0.27)、ペンタデカノイル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル(σm =0.34))、ニトロ基(σm =0.71)、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル(σm =0.37)、エトキシカルボニル(σm =0.37)、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基、炭素数2〜18の置換カルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル(σm =0.35)、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジオクチルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピロリジノカルボニル、インドリノカルボニル)、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル(σm =0.60)、ブタンスルホニル)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル(σm =0.62)、p−トルエンスルホニル)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えばフェノキシ(σm =0.25)、ナフチルオキシ、4−メトキシカルボニルフェノキシ、4−(4−ベンジルオキシフェニルスルホニル)フェノキシ)、複素環基を表わす。
【0024】
アリールカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールオキシ基において、アリール基は好ましくは置換または無置換のフェニル基であり、置換基としては、R2 がアリール基の場合に挙げた置換基を挙げることができる。
複素環基は、好ましくは5〜7員環の窒素、酸素、イオウ原子を少なくとも1つ含有する化合物であり、ベンゼン環あるいは、5〜7員環の複素環が縮環していてもよい。複素環基は好ましくは、少なくとも1つの窒素原子を有する5〜7員環の化合物であり、置換基として結合する原子は窒素原子あるいは炭素原子である。炭素原子で結合する複素環基としては、例えばオキサゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基(σm =0.30)、2−ベンゾチアゾリル基(σm =0.27)、2−フリル基(σm =0.06)、2−チエニル基(σm =0.09)、2−イミダゾリル基、2−ベンズイミダゾリル基、3−ピラゾリル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、5−テトラゾリル基、2−ピリジル基(σm =0.33)などを代表的なものとして挙げることができる。
窒素原子で結合する複素環基としては、1−ピロリル基(σm =0.47)、1−インドリル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ベンズイミダゾリル基、テオフィリン−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基、ベンゾトリアゾール−2−イル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−4−イル基、テトラゾール−1−イル基などのアゾール系複素環基の他、一般式(V)または一般式(VI)、一般式(VII) で表わされるようなイミド型複素環基を代表的なものとして挙げることができる。
【0025】
【化13】
Figure 0003896399
【0026】
(式中、Z1 、Z2 はそれぞれ酸素原子、−N(R11)−で表わされる基、−(R12)C(R13)−で表わされる基を表わす。ここで、R11、R12は、水素原子、アルキル基、ベンジル基またはアリール基を表わし、R13は水素原子、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表わす。)
【0027】
【化14】
Figure 0003896399
【0028】
(式中Z3 は、5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。)
【0029】
【化15】
Figure 0003896399
【0030】
(式中R14、R15は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わす。)
一般式(V)において、Z1 が酸素原子の場合、Z2 は−(R12)C(R13)−で表わされる基であることが好ましい。
一般式(VI)において、Z3 によって形成される5〜7員環としては、ベンゼン、あるいは5〜7員環の窒素、酸素、イオウ原子を少なくとも1つ含有する不飽和の複素環(例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、オキセピン)などを挙げることができる。好ましくはベンゼン環である。
窒素で結合する複素環は、一般式(V)〜(VII) で表わされるイミド系複素環の他、一般式(VIII)で表わされる5員複素環を表わす。
【0031】
【化16】
Figure 0003896399
【0032】
(式中、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 は窒素原子、または置換または無置換のメチン基を表わし、Z4 とZ5 、Z5 とZ6 、Z6 とZ7 が結合して5〜7員環を形成していてもよい。)
一般式(VIII)において、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 が全て、窒素原子であることはなく、Z4 、Z5 、Z6 またはZ7 が置換メチン基である場合の置換基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアシルアミノ基、炭素数2〜18のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜18のアリールカルバモイル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。Z4 とZ5 、Z5 とZ6 、Z6 とZ7 が結合して5〜7員環を形成する場合、一般式(VI)におけるZ3 によって形成されるものと同様のものを挙げることができる。
Yは特に好ましくは、水素原子、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、一般式(V)〜(VII) で表わされるイミド型5員複素環基、一般式(VIII)で表わされる、窒素で結合する5員複素環基を表わす。
これらの複素環のσm 値は全ては知られているわけではないが1−ピロリン−2,5−ジオンが0.34であり、その他の複素環も同程度の値を有するものと推定される。
Yは、より好ましくはシアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、一般式(V)〜(VII)で表わされるイミド型5員複素環基、一般式(VIII)で表わされる窒素で結合する5員複素環基を表わす。
Yがシアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基を表わす時、R3 がインドリン−1−イル基であることが特に好ましい。
次に製造方法について詳しく説明する。
本発明の製造方法は、以下の反応スキームによって表わされる。
【0033】
【化17】
Figure 0003896399
【0034】
まず出発化合物の合成について説明する。
ここで一般式(I)で表わされる化合物は、アミン(R2 NH2 )とクロロ炭酸エステル(ClCO21 )との反応により、容易に得ることができる。この反応において、よく用いられる溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、エーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル系溶媒を挙げることができる。
塩基としてピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジンなどのピリジン系化合物、トリエチルアミンなどの3級アミン化合物を用いることもできる。塩基を用いずに、加熱により、塩酸を除去しながら反応させることもできる。
一般式(II)で表わされる化合物は、必要により、対応するクロロアセチル化合物またはブロモアセチル化合物(ClCH2 COR3 またはBrCH2 COR3 )とY−Hで表わされる化合物を好ましくは、反応モル比1:5〜5:1で塩基存在下、反応させることにより得ることができる。塩基としては、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジンなどのピリジン系化合物、DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミンなどの3級アミン化合物などの有機塩基のほか、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、tert−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが用いられる。反応溶媒としては、一般式(I)の合成で示したものと同様のものを用いることができる。反応温度は、好ましくは0〜140℃である。
【0035】
次に製造方法について詳しく説明する。
一般式(II)で表わされる置換もしくは無置換のアセチル化合物は、一般式(I)で表わされるウレタン類1モルに対して、0.3〜5モル、好ましくは0.5〜2モル用いられる。
塩基としては、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)などが用いられる。塩基としては、特に水素化ナトリウムが好ましく用いられる。
塩基の使用量は一般式(I)の化合物1モルに対して、0.9〜5モル、好ましくは1〜3モル用いられる。
反応溶媒としては、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒のほか、スルホラン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、HMPA(ヘキサメチルリン酸トリアミド)などの非プロトン性極性溶媒が好ましく用いられる。
反応温度は−20℃〜130℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜60℃で行われる。
以下に一般式(I)で表わされる化合物、一般式(IV)で表わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【表1】
Figure 0003896399
【0037】
【表2】
Figure 0003896399
【0038】
【表3】
Figure 0003896399
【0039】
【表4】
Figure 0003896399
【0040】
【表5】
Figure 0003896399
【0041】
【表6】
Figure 0003896399
【0042】
【表7】
Figure 0003896399
【0043】
【表8】
Figure 0003896399
【0044】
【表9】
Figure 0003896399
【0045】
【表10】
Figure 0003896399
【0046】
【表11】
Figure 0003896399
【0047】
【表12】
Figure 0003896399
【0048】
【表13】
Figure 0003896399
【0049】
【表14】
Figure 0003896399
【0050】
【表15】
Figure 0003896399
【0051】
【表16】
Figure 0003896399
【0052】
【表17】
Figure 0003896399
【0053】
【表18】
Figure 0003896399
【0054】
【表19】
Figure 0003896399
【0055】
【表20】
Figure 0003896399
【0056】
【表21】
Figure 0003896399
【0057】
【表22】
Figure 0003896399
【0058】
【実施例】
以下に、実施例にて本発明の製造方法についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
参考例1((I)−11の合成)
2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリン170.0g(0.5モル)をN,N−ジメチルホルミアミド500mlに溶解し、ピリジン50.0ml(0.064モル)を加え、氷冷下、クロロ炭酸フェニル68.7ml(0.6モル)を内温12℃〜18℃にて加え、一晩放置した。水1リットル、酢酸エチル500mlを加え、分液後、2回水洗し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた黄色油状物は徐々に固化した。アセトニトリル2リットルを加え、加熱完溶したのち、水冷を行い、析出した結晶をろ過し、(I)−11 196.0g(0.425モル)を無色結晶として得た。収率85%。融点57−58℃。
その他の一般式(I)の化合物についても、対応するアニリンとクロロ炭酸アリールより、収率よく得ることができる。代表例の融点を以下に示す。
(I)−10 125−126℃
(I)−12 70− 71℃
(I)−16 83− 85℃
(I)−19 81− 83℃
(I)−24 92− 94℃
【0060】
実施例1((I)−11を用いる(IV)−5の合成)
水素化ナトリウム(60%)8.8g(0.22モル)をテトラヒドロフラン100mlに分散し、窒素雰囲気下加熱還流しているところに、ピナコロン12.0g(0.12モル)と(I)−11 46.0g(0.1モル)をテトラヒドロフラン250mlに溶解した溶液を20分かけて滴下を行い、滴下後さらに2時間加熱還流を行った。室温にもどし、水1リットルに反応液を滴下し、濃塩酸20mlを用いて、酸性化した。酢酸エチルにて抽出を行い、水洗後、溶媒を留去した。これにメタノール300mlを加え、氷冷を行い、析出した結晶をろ別後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製後、n−ヘキサンにて晶析を行い、(IV)−5を無色結晶として17.5g得た。収率38%。融点49−51℃。
【0061】
実施例2((I)−11を用いる(IV)−29の合成)
ピナコロン12.0gのかわりにp−メトキシアセトフェノン16.5g(0.11モル)を用いて、実施例2と同様の反応後処理を行い、(IV)−29を無色結晶として26.2g得た。収率50%。融点140−142℃。
【0062】
実施例3((I)−12を用いる(IV)−37の合成)
水素化ナトリウム(60%)5.2gをテトラヒドロフラン150mlに分散し、氷冷下、窒素雰囲気にて2−アセチル−γ−ブチロラクトンのエチル化にて容易に得られる2−アセチル−2−エチル−γ−ブチロラクトン11.7g(0.075モル)を加え、さらに、(I)−12 24.7g(0.05モル)のテトラヒドロフラン溶液100mlを内温15℃以下にて30分かけて滴下した。滴下後さらに4時間反応を行い、濃塩酸11.0mlを加えた氷水1.5リットルに注ぎ、酢酸エチルにて抽出後、水洗を行い、硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製を行い、(IV)−37を淡黄色油状物として22.5g得た。収率81%。
mass 559(M+ +4)
557(M+ +2)
555(M+
1H−NMR(CDCl3 :200MHz)
δppm 0.90(t,3H,J=7.0Hz)
1.05(t,3H,J=7.7Hz)
1.23(m,18H)
1.40(m,2H)
1.77(m,2H)
2.17(m,1H)
3.00(m,1H)
3.90(d,1H,J=16.7Hz)
4.00(d,1H,J=16.7Hz)
4.30(m,4H)
7.50(s,1H)
8.84(s,1H)
9.18(s,1H)
【0063】
実施例4((I)−16を用いる(IV)−64の合成)
まず、以下に示すようにシアノアセチルインドリンを合成した。
インドリン11.9g(0.1モル)とシアノ酢酸エチル13.4g(0.11モル)を混合し、油浴温度140〜150℃にて2時間攪拌し、アスピレーターにて軽く減圧にし、生成するエタノールを除去しながらさらに5時間攪拌した。
加熱をやめ、エタノール50mlを加え、室温にもどし、析出した結晶をろ過して、シアノアセチルインドリンを10.8g得た。収率58%。
N,N−ジメチルホルムアミド5mlに水素化ナトリウム(60%)0.40gを分散し、窒素雰囲気下、シアノアセチルインドリン0.56g(3ミリモル)を加え、さらに(I)−16 2.01g(3ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶かした溶液を氷冷下加え、さらに2時間反応を行った。酸性水に注ぎ、酢酸エチルにて抽出、水洗後、溶媒を留去し、n−ヘキサン/酢酸エチルにて晶析を行い、(IV)−64を2.28g得た。収率99%。融点149−151℃。
【0064】
実施例5((I)−16を用いる(IV)−68の合成)
まず以下に示す方法にてメトキシカルボニルアセチルインドリンを合成した。マロン酸ジメチル460g(3.5モル)を、内温130℃に加熱し、インドリン60.0g(0.5モル)を2時間かけて滴下した。滴下後さらに2時間攪拌したのち、過剰のマロン酸ジメチルを減圧にて留去し、これにアセトニトリル300mlを加え、氷冷にて攪拌した。析出した結晶をろ別後、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製を行い、メトキシカルボニルアセチルインドリンを80.0g得た。収率73%。
水素化ナトリウム(60%)0.40gをテトラヒドロフラン5mlに分散し、窒素雰囲気にて氷冷下、内温5〜10℃にてメトキシカルボニルアセチルインドリン0.66g(3ミリモル)と(I)−16 2.01g(3ミリモル)をテトラヒドロフラン10mlに溶かした溶液を20分かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。氷水に注ぎ、中和後、酢酸エチル抽出、水洗後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜1/1)にて精製し、アモルファスとして(IV)−68を2.22g得た。収率93%。
1H−NMR(CDCl3 :300MHz)
δppm 0.86(t,3H,J=7.5Hz)
1.17−1.44(m,30H)
1.50−1.62(m,2H)
1.84−1.97(m,2H)
3.26(t,2H,J=9.0Hz)
3.80(s,3H)
4.00−4.12(m,2H)
4.25−4.45(m,2H)
4.75(s,1H)
6.82(d,1H,J=9.0Hz)
6.97(t,1H,J=9.0Hz)
7.05(s,1H)
7.10(t,1H,J=9.0Hz)
7.15−7.27(m,4H)
7.50(d,1H,J=9.0Hz)
7.63(d,1H,J=9.0Hz)
8.21(d,1H,J=9.0Hz)
8.88(s,1H)
10.50(s,1H)
【0065】
実施例6((I)−13を用いる(IV)−79の合成)
1−ベンジル−5−エトキシ−イミダゾリジン−2,4−ジオン56.2g(0.24モル)、α−クロロピナコロン26.8g(0.2モル)をアセトニトリル150mlに溶解し、これにトリエチルアミン33.6ml(0.24モル)を加え、5時間加熱還流を行った。室温にもどし、酢酸エチル500ml、水800mlを加え、分液を行い、飽和食塩水にて洗浄した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製を行い、1−ベンジル−5−エトキシ−3−ピバロイルメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンを無色油状物として52.5g得た。収率79%。
次いで、テトラヒドロフラン5mlに水素化ナトリウム(60%)0.46g(11.5ミリモル)を加え、氷冷下、内温5〜10℃にて、先に得た1−ベンジル−5−エトキシ−3−ピバロイルメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン1.50g(4.5ミリモル)を加え、さらに(I)−13 1.70g(3ミリモル)をテトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を20分かけて滴下した。滴下後さらに3時間攪拌し、氷−塩酸水を加え、酢酸エチルにて抽出、水洗した。溶媒留去後、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製後、n−ヘキサンにて晶析を行い、(IV)−79を無色結晶として、0.96g得た。収率40%。融点98−104℃。
【0066】
実施例7((I)−11を用いる(IV)−80の合成)
1−ベンジル−5−エトキシ−イミダゾリジン−2,4−ジオン5.11g(21.8ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド15.0mlに溶解し、これにトリエチルアミン3.0mlを加え、さらに、4’−メトキシフェナシルブロミド5.00g(21.8ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド15.0mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下後、さらに7時間室温にて攪拌し、酢酸エチル、水を加え、分液、水洗を行い、溶媒を留去した。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)にて精製し、1−ベンジル−5−エトキシ−3−(4’−メトキシベンゾイルメチル)イミダゾリジン−2,4−ジオンを無色油状物として6.51g得た。収率79%。
次いで、テトラヒドロフラン5.0mlに水素化ナトリウム(60%)0.32g(8ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、氷冷下、内温5〜10℃にて、1−ベンジル−5−エトキシ−3−(4’−メトキシベンゾイルメチル)イミダゾリジン−2,4−ジオン1.72g(4.50ミリモル)をテトラヒドロフラン7.0mlに溶かした溶液を20分かけて加え、さらに、(I)−11 1.38g(3ミリモル)をテトラヒドロフラン7.0mlに溶かした溶液を30分かけて加えた。滴下後、3時間攪拌し、これに氷−塩酸水を加え、酢酸エチルにて抽出、水洗後、溶媒を留去して得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)にて精製後、n−ヘキサン−酢酸エチルにて晶析を行い、(IV)−80を無色結晶として1.37g得た。収率61%。融点87−90℃。
【0067】
実施例8((I)−24を用いる(IV)−87の合成)
4’−ヒドロキシアセトフェノン27.2g(0.2モル)、ヘキサデシルブロミド61.0g(0.2モル)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、これに炭酸カリウム27.8g(0.2モル)を加え、スチームバスにて4時間加熱攪拌した。室温にもどし、水冷下、水500mlを加え、析出した結晶をろ過し、4’−ヘキサデシルオキシアセトフェノンを70.0g得た。収率97%。次いで、臭化銅(II)27.5g(0.11モル)に酢酸エチル125mlを加え、加熱還流を行い、ここに、先に得た4’−ヘキサデシルオキシアセトフェノン18.0g(0.05モル)をクロロホルム60mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、さらに、1.5時間還流を行った。室温にもどし、析出している臭化銅(I)の結晶をろ別後、水洗を行い、硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去後、メタノールにて晶析を行い、4’−ヘキサデシルオキシフェナシルブロミドを無色結晶として20.0g得た。収率91%。
次いで、4’−ヘキサデシルオキシフェナシルブロミド4.39g(0.01モル)、テオフィリン1.80g(0.01モル)をアセトニトリル30mlに分散し、これにトリエチルアミン1.6mlを加え、室温にて20時間攪拌した。水を加え、析出した結晶をろ過し、4’−ヘキサデシルオキシベンゾイルメチルテオフィリンを淡黄色結晶として4.24g得た。収率79%。融点109−112℃。
水素化ナトリウム(60%)0.26g(6.6ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに分散し、窒素雰囲気下、(I)−24 0.82g(3ミリモル)、4’−ヘキサデシルオキシベンゾイルメチルテオフィリン1.62g(3ミリモル)を加え、室温にて3時間攪拌した。
水と酢酸エチルを加え、分液、水洗後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)にて精製を行い、さらにn−ヘキサンにて晶析を行い、(IV)−87を1.20g得た。収率56%。融点109−111℃。
【0068】
実施例9((I)−19を用いる(IV)−93の合成)
まずα−クロロピナコロン3.0g(0.022モル)と4−(4−ベンジルオキシフェニルスルホニル)フェノール6.8g(0.02モル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに分散し、これに炭酸カリウム3.1g(0.022モル)を加え、スチームバスにて2時間加熱攪拌した。室温にもどし、酢酸エチル200mlを加え、水洗を行い、溶媒を留去後、アセトニトリルで晶析を行い、4−(4−ベンジルオキシフェニルスルホニル)フェノキシピナコロンを無色結晶として8.7g得た。融点195−197℃。収率98%。
次いで、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに、水素化ナトリウム(60%)0.46g(11ミリモル)を加え、窒素雰囲気下、(I)−19 1.65g(3ミリモル)と先に得た4−(4−ベンジルオキシフェニルスルホニル)フェノキシピナコロン2.0g(4.5ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶かした溶液を15分かけて加えた。室温にて3時間攪拌後、氷水に注ぎ、塩酸にて中和を行い酢酸エチルで抽出を行った。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)、n−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒により、晶析を行い、(IV)−93を無色結晶として1.30g得た。収率48%。融点109−111℃。
【0069】
実施例10
同様の方法にて合成した。一般式(IV)で表わされる化合物の代表例の融点を以下に示す。
【0070】
【表23】
Figure 0003896399
【0071】
実施例11((I)−16を用いる(IV)−100の合成)
まず以下に示す方法にてアセトアセチルインドリンを合成した。インドリン52.4g(0.44モル)をN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、氷冷下、ジケテン34.0ml(0.44モル)を加え、室温にて3時間撹拌した。酢酸エチル200mlを加え、飽和食塩水にて2回洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥したのち、溶媒を留去し、n−ヘキサン/iso−プロパノール混合溶媒より晶析を行い、アセトアセチルインドリンを62.0g、収率70%にて得た。
次いで、水素化ナトリウム(60%)26.4g(0.66モル)をN,N−ジメチルホルムアミド80mlに分散し、窒素雰囲気にて、氷冷下、アセトアセチルインドリン44.5g(0.22モル)、(I)−16 134.3g(0.20モル)をN,N−ジメチルホルムアミド300mlに溶解した溶液を4時間かけて内温15℃以下にて滴下した。さらに2時間撹拌後、希塩酸水1リットル中に少量ずつ加え、析出した結晶を濾過し、(IV)−100を126.9g、収率83%にて得た。
【0072】
実施例12((I)−16を用い、(IV)−100を経由する(IV)−101の合成)
実施例11と同条件にて水素化ナトリウム26.4gとアセトアセチルインドリン44.5gと(I)−16 134.3gをN,N−ジメチルホルムアミド中反応を行った後、メタノールを400ml加え、さらに塩化アンモニウム35.4gを水100mlに溶解した水溶液を加え、室温にて3時間撹拌した。塩酸20mlを加え中和したのち、析出した結晶をろ過し、メタノール400ml/H2 O 100mlの混合溶媒で洗浄後、メタノール200mlにて洗浄し、さらにn−ヘキサン/iso−プロパノール混合溶媒にて洗浄し、(IV)−101を119.6g、収率81%にて得た。融点117−118℃。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲン化銀カラー写真感光材料のイエローカプラー及びその合成中間体として有用な化合物を、毒性の高い化合物を用いることなく、温和な条件下で簡便に合成することができる。

Claims (6)

  1. 一般式(I)
    Figure 0003896399
    (式中、R1 はアリール基を表わし、R2 はアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表わす。)で表わされる化合物と、一般式(II)
    Figure 0003896399
    (式中、R3 は2級または3級炭素で結合するアルキル基、シクロアルキル基、環状エーテル基、アリール基、一般式(III) で表わされる基、アルコキシ基またはN,N−ジ−置換アミノ基を表わす。ただし、N,N−ジ−置換アミノ基において、置換基どうしが結合し、窒素原子とともに含窒素複素環を形成していてもよい。Yは水素原子または電子吸引基を表わす。)で表わされる化合物を塩基存在下、反応させることを特徴とする、一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
    Figure 0003896399
    (式中、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ、水素原子、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基を表わす。)
    Figure 0003896399
    (式中、R2 、R3 およびYはそれぞれ、一般式(I)、一般式(II)におけるものと同義である。)
  2. 一般式(I)で表わされる化合物におけるR1 がフェニル基であって、R2 がハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホンアミド基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基もしくはアシルスルファモイル基で置換されてもよいフェニル基であることを特徴とする請求項1記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
  3. 一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、水素原子、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ニトロ基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素数2〜18の置換カルバモイル基、炭素数1〜18のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または複素環基であることを特徴とする請求項1又は2記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
  4. 一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、水素原子、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、一般式(V)〜(VII) で表わされる窒素で結合するイミド型5員複素環または一般式(VIII) で表わされる窒素で結合する5員複素環基から選ばれることを特徴とする請求項1又は2記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
    Figure 0003896399
    (式(V)〜(VIII)中、Z 、Z はそれぞれ酸素原子、−N(R11)−で表わされる基、又は−(R12)C(R13)−で表わされる基を表わす。ここで、R11、R12は、水素原子、アルキル基、ベンジル基またはアリール基を表わし、R13は水素原子、アルキル基、ベンジル基、アリール基またはアルコキシ基を表わす。Z は、5〜7員環を形成するのに必要な、炭素原子、窒素原子、酸素原子、およびイオウ原子から選択される非金属原子群を表わす。R14、R15は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わす。Z 、Z 、Z 、Z は窒素原子、または置換または無置換のメチン基を表わす。ただし、一般式(VIII)において、Z 、Z 、Z 、Z が全て、窒素原子であることはない。)
  5. 一般式(II)で表わされる化合物におけるYが、シアノ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基または炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基であり、R3 がインドリン−1−イル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
  6. 塩基が水素化ナトリウムであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の一般式(IV)で表わされる化合物の製造方法。
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