JP3776548B2 - 接着剤塗布装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を電子回路基板へ装着する場合に用いる接着剤の塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回路基板上に電子部品をはんだ付けする手段として、回路基板の接合電極間に接着剤を塗布し、電子部品を装着した後、加熱硬化して電子部品の仮固定を行い、最終的に溶融はんだを噴流して電子部品を回路基板に接合するフローはんだ付け工法が用いられている。
【0003】
この工法において、接着剤の塗布工程に使用される接着剤塗布装置を図面を参照して説明する。
図4は、従来の接着剤塗布装置の概略斜視図である。図において、37はプリント基板38を位置決めするテーブル部、39は接着剤を塗布するノズル部、40はプリント基板38を搬送するローダー部、41はプリント基板38を搬送するアンローダ部である。
【0004】
図5は、従来の接着剤塗布装置の塗布ノズル部の断面図である。接着剤を貯蔵するタンク32には接着剤33が充填され、フロート35が挿入されている。図示しない吐出圧発生部より一定時間圧縮空気が配管36を通り、タンク32内に送り込まれると、フロート35を押し塗布ノズル34から接着剤33が押し出され基板38に塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のような接着剤塗布装置では、以下図6で説明するような課題がある。図6は接着剤の塗布工程を示し、図6(a)はノズル34の先端に接着剤33を供給した状態、図6(b)はノズル34を下降させ、プリント基板38に塗布した状態、図6(c)はノズル34を上昇させ、ノズル34の先端部の接着剤33をプリント基板38に転写し塗布した状態を示している。図6(c)において、ノズル34の上昇速度が大きくなると、接着剤33の糸引きが長くなり、糸引き部が分断して、微細な接着剤の塊が飛び散ったり、糸引き部が横方向に倒れ、基板上に接着剤が散乱し、はんだ付け不良を発生する原因となっている。このような糸引き現象が発生するためノズルの高速化が行われず、塗布工程の時間短縮は困難となっている。
【0006】
本発明は上記問題点を解消し、ノズルによる接着剤の高速塗布においても安定した接着剤の塗布が可能な接着剤塗布装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明の接着剤塗布装置は、圧電素子により駆動されるピストンと、このピストンを接着剤を介して内包するシリンダと、このシリンダの下面にあり前記ピストンの衝突面に設けられた微小体積を有する圧力室と、この圧力室と連通するノズルとからなり、圧電素子に印加する電圧を制御することにより、圧力室内の最高圧力を調整して、前記ノズルより接着剤を噴射するように構成したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、圧電素子により駆動されるピストンにより、圧力室内の最高圧力を調整して、最適状態で接着剤を噴射して接着剤の塗布を実現できるので、従来装置のように、ノズル引上げ動作がないため、はんだ付け不良が発生せず、また高速塗布においても接着剤の安定した塗布が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、圧電素子により駆動されるピストンと、このピストンを接着剤を介して内包するシリンダと、このシリンダの下面にあり前記ピストンの衝突面に設けられた微小体積を有する圧力室と、この圧力室と連通するノズルとからなり、圧電素子に印加する電圧を制御することにより、圧力室内の最高圧力を調整して、前記ノズル先端より接着剤を噴射するように構成したことを特徴とするものであり、圧電素子により駆動されるピストンにより、圧力室内の最高圧力を調整して、最適状態で接着剤を噴射して接着剤の塗布を実現できるので、従来装置のように、ノズル引上げ動作がないため、はんだ付け不良が発生せず、また高速塗布においても接着剤の安定した塗布が可能である。
【0010】
以下本発明の実施の形態について図面を参照にしながら説明する。
図1は、本発明の一実施例の接着剤塗布装置である。図において、1は圧電素子であり、2はピストンである。圧電素子は駆動部ホルダ3に格納され、ピストン2は接着剤4を介してシリンダ5に内包されている。シリンダ5の下部には圧力室6が設けられており、7は圧力室6と連通し、シリンダ5に着脱可能に設けられたノズルである。8は接着剤供給容器であり、9は接着剤4の粘度コントロールのために設けたヒータ部、10はノズル高さ調整のためのZ軸高さ調整手段、11はノズル6の先端に付着した接着剤を除去するノズルクリーナである。
【0011】
図2は、上記接着剤塗布装置のシリンダ部とノズル部の詳細な断面図であり、ピストン2とノズル7に挟まれた微小空間が圧力室6である。
以上のように構成された接着剤塗布装置について、以下その動作を図1〜図2を用いて説明する。
図1において、図示されていない制御装置により圧電素子1に電圧を印加すると圧電素子1は伸びを生じ、ピストン2が下降する。図2の詳細図を参照すると、ピストン2の下降により圧力室6に充満している接着剤の圧力が上昇し、ノズル管との摩擦に打勝つ圧力まで圧力が上昇すると、ノズル7より接着剤が噴射する。
【0012】
図3(a)は、ピストン2が下降する場合の圧力室6の圧力上昇曲線を示しており、ピストン2の最大速度は1m/s程度である。ピストン2と圧力室6の壁面との間隔が0.1mm以下になると急激に圧力が上昇し、数10気圧にまで達する。
図3(b)は、発生圧力を近似的に求める力学モデルであり、2平板が速度Vで接近する時の圧力値pは次式となる。
【0013】
【数1】
Figure 0003776548
【0014】
ここで、μ:粘性係数、r2 :円板の半径
h:2平板の距離
上記の式から求められる圧力により接着剤がノズルから噴射されるが、噴射された接着剤の液滴は圧力室6に作用する最高圧力や圧力作用時間により、糸引きを発生する場合もあり、圧電素子1に印加する電圧を制御することにより、圧力室内の最高圧力や圧力作用時間を調整して糸引きの発生を防止する。また、ノズル先端に接着剤が付着したり、目詰まりを発生した時には、ノズルクリーナによりノズル先端の付着物を除去する。
【0015】
以上説明した本発明の一実施例においては、ピストンの駆動源として圧電素子を使用したが、ソレノイド及びバネを駆動源として使用することもできる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、圧電素子により高速駆動されるピストンにより、微小体積を有する圧力室に充填された接着剤を衝撃圧縮し、接着剤をノズル先端から高速噴射するため、短時間で塗布作業ができ生産性の大幅な向上を図ることができる。さらに、圧電素子により駆動されるピストンにより、圧力室内の最高圧力を調整して、最適な状態で接着剤の塗布を実現できるので、高速塗布においても接着剤を安定して塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す接着剤塗布装置の断面図である。
【図2】シリンダおよびノズル部の拡大断面図である。
【図3】(a)(b)は本発明の接着剤噴射の原理を示す説明図である。
【図4】従来の接着剤塗布装置の概略斜視図である。
【図5】ノズルの詳細な断面図である。
【図6】(a)(b)(c)は従来の接着剤塗布工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧電素子
2 ピストン
3 駆動部ホルダー
4 接着剤
5 シリンダ
6 圧力室
7 ノズル
8 接着剤供給容器
9 ヒータ
10 Z軸高さ調整手段
11 ノズルクリーナ

Claims (1)

  1. 圧電素子により起動されるピストンと、このピストンを接着剤を介して内包するシリンダと、このシリンダの下面にあり前記ピストンの衝突面に設けられた微小体積を有する圧力室と、この圧力室と連通するノズルからなり、圧電素子に印加する電圧を制御することにより、圧力室内の最高圧力を調整して、前記ノズル先端より接着剤を噴射するように構成したことを特徴とする接着剤塗布装置。
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