JP3776282B2 - 安全帽 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭部を保護するために使用される安全帽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から安全帽は工場や作業場等において、労働安全基準法や社内規定等によってその着用が義務付けられている。この種の安全帽は、図4に示す特開平10−121316号公報に記載されているように、頭部を覆う帽体1の内部には、環紐2、ハンモック3及びヘッドバンド4から成る着装体5が配置され、ヘッドバンド4が帽体1の複数個のブラケット1aにおいて固定されることにより、着装体5が帽体1に取り付けられている。ヘッドバンド4の左右側にはそれぞれ耳掛け紐6が取り付けられ、図5に示すように耳掛け紐6には取付部6aとして平テープ7の両端を縫い糸8により縫い付け、耳掛け紐6と平テープ7の間の挿通部9に顎紐10を挿通してボタン11で止めるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の固定式の安全帽においては、次のような問題点がある。
【0004】
(1) 約1割弱の人にとっては、予め決められた耳掛け紐6の挿通部9の位置が不適当である。
【0005】
(2) 挿通部9の付近においては耳掛け紐6が捻れたり、丸まって顔の側面に刺激的に当接し不快感が生ずる。
【0006】
(3) デザイン、形状により、耳掛け紐の挿通部9の位置を変えた耳掛け紐6が必要となり、部品管理が煩雑となる。
【0007】
本発明の目的は、上述した問題点を解消し、脱げ防止機能を向上させ、耳掛け紐の所定位置で顎紐に繋ぎ、感触が良い安全帽を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る安全帽は、頭部を覆う帽体と、該帽体内にあって該帽体を頭部に保持する着装体とを備え、前記帽体又は前記着装体に固定した耳掛け紐の所定位置を合成樹脂製の四角枠状の係止部材の一端にV字状に取り付け、前記係止部材の他端に顎紐を取り付けた安全帽において、前記係止部材は前記耳掛け紐を挿通するための第1のスリットと、前記顎紐を挿通するための第2のスリットと、前記第1のスリット内に設けた移動可能なバーとを有し、前記耳掛け紐は前記係止部材の片面側から前記第1のスリット内に挿入し前記バーを巻くようにして折り返し前記係止部材の同面側から前記耳掛け紐同士が重なり合うように引き出すことにより前記係止部材に固定し、前記顎紐は前記係止部材の第2のスリット内に挿入して折り返したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図3に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は安全帽を着用した状態の断面図を示し、頭部を覆う帽体31の内部には、環紐32、ハンモック33及びヘッドバンド34から成る着装体35が配置され、ヘッドバンド34が帽体31の複数個のブラケット31aにおいて固定されることにより、着装体35が帽体31に取り付けられている。ヘッドバンド34の左右側には、それぞれ耳掛け紐36が略V字状にホック37を介して取り付けられており、更にこれらの耳掛け紐36には係止部材38がそれぞれ挿通されている。2つの係止部材38間には顎紐39が取り付けられ、顎紐39にはその長さを調整するための長さ調整部材としてスライドバックル40が設けられている。
【0010】
図2は係止部材38の正面図、図3は断面図を示しており、この係止部材38は合成樹脂材から成り、耳掛け紐36を挿通するためのスリット38a、38bが設けられ、これらのスリット38a、38bの間には移動可能なバー38cが設けられ、更にスリット38aの縁部には鋸歯部38dが設けられている。耳掛け紐36はスリット38aを通し、バー38cを巻くようにしてスリット38bに潜り抜けて折り返されている。係止部材38の他側には、顎紐39を取り付けるためのスリット38eが設けられており、スリット38eには顎紐39が挿通され、顎紐39はボタン41を用いて固定されている。
【0011】
このような構成において、安全帽を着装し、耳掛け紐36を耳部に掛け、顎紐39を顎に掛け、スライドバックル40を用いて顎紐39の長さを調節し締め付けることにより、帽体31を頭部に保持することができる。
【0012】
顎紐39を引くと、係止部材38においてバー38cが移動して耳掛け紐36は鋸歯部38dに押圧され喰い込み、係止部材38の耳掛け紐36に対する移動が防止される。また、耳掛け紐36を係止部材38に対して緩めることにより、係止部材38の位置を耳掛け紐36に沿って任意に移動させることができる。
【0013】
従って、係止部材38に対して耳掛け紐36に挿通した係止部材38を帽体31又はヘッドバンド14の水平面のおよそ中心を左右に横切る鉛直面内に位置するようにすれば、顎紐39は耳掛け紐36を介してヘッドバンド34の前後を均等な力で引き付けることができ、帽体31の前後方向への回転抑止力を向上させることが可能となる。また、係止部材38の位置が中心では不適当な人は係止部材38の耳掛け紐36に対する位置を調整することができる。
【0014】
なお、顎紐39は係止部材38に縫い付けにより固定もできるが、係止部材38に対し実施例のようにボタン41等を用いて取り外しできるようにした方が、汚れ易い顎紐39を容易に交換することができる。
【0015】
なお、上述した実施例ではスライドバック40を用いて、顎紐39の長さを調節したが、必ずしもスライドバック40を用いることなく、係止部材38に取り付けた顎紐39の折り返し長さを調整することにより行ってもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る安全帽は、耳掛け紐に対する顎紐の取付部に係止部材を用い、使用時に係止部材が移動することなく、必要に応じて使用者が自ら係止部材の位置を調整することができる。また、係止部材の位置を調整することができるため、多種の安全帽において同一の耳掛け紐を使用することができる利点がある。更には、係止部材を用いたことにより耳掛け紐の顎紐との取付部における捻れや、丸まりを防止でき、装着時の不快感を解消することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 安全帽の断面図である。
【図2】 係止部材の正面図である。
【図3】 係止部材の断面図である。
【図4】 従来例の帽体を断面とした側面図である。
【図5】 耳掛け紐の部分斜視図である。
【符号の説明】
31 帽体
35 着装体
36 耳掛け紐
37 ホック
38 係止部材
39 顎紐
40 スライドバックル
41 ボタン
Claims (3)
- 頭部を覆う帽体と、該帽体内にあって該帽体を頭部に保持する着装体とを備え、前記帽体又は前記着装体に固定した耳掛け紐の所定位置を合成樹脂製の四角枠状の係止部材の一端にV字状に取り付け、前記係止部材の他端に顎紐を取り付けた安全帽において、前記係止部材は前記耳掛け紐を挿通するための第1のスリットと、前記顎紐を挿通するための第2のスリットと、前記第1のスリット内に設けた移動可能なバーとを有し、前記耳掛け紐は前記係止部材の片面側から前記第1のスリット内に挿入し前記バーを巻くようにして折り返し前記係止部材の同面側から前記耳掛け紐同士が重なり合うように引き出すことにより前記係止部材に固定し、前記顎紐は前記係止部材の第2のスリット内に挿入して折り返したことを特徴とする安全帽。
- 前記顎紐はその長さを調整する長さ調整部材を取り付けた請求項1に記載の安全帽。
- 前記係止部材は前記耳掛け紐における位置を調整可能に固定した請求項1に記載の安全帽。
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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JP2018061807A (ja) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 昭和第一産業株式会社 | 枕や布団・座席等に装着可能な磁気カバー |
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- 2000-03-17 JP JP2000076136A patent/JP3776282B2/ja not_active Expired - Fee Related
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