JP3775849B2 - 荷処理装置の往復台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パレット等に段積みされた荷物を所望段数だけ取出して別のパレット等に段積みする荷処理装置に関し、特にその往復台の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パレット上に、各段に複数個ずつ段積みされた荷物を、段数の単位で別のパレットに載せ替えることがある。例えば、缶入り飲料の生産工場では、缶入り飲料を収容した段ボール箱を、飲料の種類別にパレットに段積みし、これらのパレットから所望段数ずつ取り出して、出荷先別のパレットに各種取り揃える。このような段ごとに取出す荷処理装置として、本出願人は、段降し部と段積み部の上方間で往復台を走行させ、段降し部に段積みされている荷物の層間に往復台を進入させて荷物を掬い上げるものを提案した(例えば実公平7−14266号公報)。前記往復台は、台車側枠間に複数本のキャリッジローラを設け、先頭の一本または2本のキャリッジローラを掬い上げ方向に回転駆動させるものとする。また、往復台の後端にはシュートを設けている。
段降し部では、段降し部で掬い取られる最上段および2段目の荷物は、往復台の進入退出時に荷崩れしないように、対向するストッパ間でクランプする。また、上下の荷物の層間は、パレットで搬送する間に荷崩れしないように、何箇所かをホットメルト型接着剤で仮止めしておく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように荷物の層間を接着剤で仮止めしておくと、往復台が層間に進入するときに、仮止め用の接着剤が往復台のキャリッジローラやシュートの表面に付着することがある。接着剤が付着すると、接着剤が付着した部分と付着していない部分との間に段差が形成されるばかりか、キャリッジローラやシュート上において摩擦力が不均一となり、荷物の直進性が損なわれ、往復台による円滑な荷処理が妨げられる。そのため、キャリッジローラやシュートを掃除し、あるいは交換することが頻繁に必要となり、保守に手間がかかる。
【0004】
この発明は、上記の課題を解消するものであり、荷物の層間の仮止め用の接着剤が往復台に付着し難く、保守の手間を省くことができる荷処理装置の往復台を提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、荷物を円滑に滑り降ろすことができ、かつそのシュートにも接着剤が付着し難く、またキャリッジローラの接着剤付着防止の処理を簡単に施せるものとすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の往復台を応用する荷処理装置は、荷物を段積み状態に載せる昇降台装置を有する段降し部と、この段降し部に並設されて荷積台を有する段積み部と、前記段降し部の昇降台装置と段積み部の荷積台の上方間を往復走行可能に設けられ、かつ前記段降し部側への走行に伴って前記段降し部に段積みされている荷物の層間に進入して荷物を掬い上げ可能な往復台とを備えたものとする。
前記往復台は、一対の台車側枠と、これら台車側枠間に設けた複数本のキャリッジローラと、前記段降し部側の先頭から一または複数本のキャリッジローラを荷物掬い上げ方向に回転駆動するキャリッジローラ駆動装置とで構成する。回転駆動されるキャリッジローラを除く各キャリッジローラは、金属製としてその表に、ホットメルト型接着剤の付着防止用の樹脂被覆を施す。樹脂被覆の材質は特に問わない。一般に樹脂材料は、金属材料に比べてホットメルト型接着剤の付着性が低い。前記回転駆動されるキャリッジローラは、表面に滑り止め用の被覆が設けられたものとする。この回転駆動されるキャリッジローラは、端部から突出したローラ軸に軸受が取付けられ、この軸受は前記台車側枠に設けられた軸受箱に収容される。この軸受箱は、水平な分割面で上下の分割軸受箱に2分割されて支軸回りに上下に開閉可能であり、かつその分割面において両分割軸受箱に軸受の嵌合凹部を有しこれら上下の嵌合凹部に渡り前記軸受を嵌め込むものとする。
【0006】
この構成の荷処理装置によると、段降し部の昇降台装置に段積みされた荷物は、最上段の層の荷物が往復台により掬い上げが可能な高さまで持ち上げられる。往復台は、段降し部に走行し、走行動作と駆動キャリッジローラの回転とで最上段の荷物をキャリッジローラ上に掬い上げる。荷物を掬い上げた往復台は、逆方向に走行し、段積み部で荷物を降ろす。往復台が段積み部に位置する間に、段降し部では昇降台装置により荷物を1段分持ち上げて待機する。
このような動作の繰り返し過程で、荷物の層間がホットメルト型接着剤で仮止めされている場合、往復台は掬い上げに伴って接着剤を剥がし、荷物の下面に残った接着剤にキャリッジローラが擦られることになる。しかし、各キャリッジローラは樹脂被覆が設けられているため、その樹脂の持つ性質により、ホットメルト型接着剤が付着し難く、繰り返し使用しても接着剤の付着量が少ない。そのため、キャリッジローラの清掃や交換の手間が省ける。なお、上記構成の荷処理装置において、前記のように樹脂被覆を施すことで接着剤の付着が防止されることは、実験により確認された。
【0007】
上記構成の往復台において、前記一対の台車側枠間に、キャリッジローラの配列の後端側に並べてシュートを設け、このシュートの表面にフッ素樹脂のコーティング層を設けても良い。また、前記キャリッジローラの樹脂被覆を伸縮性の樹脂チューブとしても良い。
前記シュートは、荷物の滑り降ろしを行い易くするものであるが、フッ素樹脂のコーティング層を設けることにより、滑り易くなり、荷物の滑り降ろしが一層行い易くなる。しかも、フッ素樹脂のコーティング層により、荷物の下面に残った接着剤が付着し難くなる。キャリッジローラの樹脂被覆を伸縮性の樹脂チューブとする場合、樹脂チューブを被せて収縮させるという簡単な処理でローラ表面に樹脂被覆を形成することができ、製造コストが安価となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を図1ないし図8に基づいて説明する。全体の概略を図1と共に説明する。この荷処理装置は、段降し部1と段積み部2とを並設し、その上方間に渡って本体フレーム3のレール4上を往復走行する往復台5を設けたものである。段降し部1は、荷物Wが段積みされたパレットP1を搬入する搬入コンベヤ6と、搬入されたパレットP1を持ち上げて各段の荷物Wを往復台5のレベルまで順次上昇させる昇降台装置7とを備えている。段積み部2は、荷積台である昇降台装置9と搬出コンベヤ8とを備えたものであり、空のパレットP2が昇降台装置9に載せられ、段降し部2から往復台5で運ばれた荷物が積まれる。往復台5は、ローラコンベヤを構成する多数のキャリッジローラ10を有し、段降し部1で荷物Wを1段ずつ掬い上げて段積み部2に降ろすものである。
【0009】
段降し部1の上部には、往復台5による掬い上げ時に最上段の荷物Wを挟みこむ掬い時整列装置11と、上から2段目の荷物Wを挟むクランプ装置12とが設けられている。掬い時整列装置11は、段降し部1の往復台進入側と反対側位置に設けられた上部ストッパ13と、往復台進入側に設けられたシャッタ14とで構成される。クランプ装置12は、上部ストッパ13の下方に設けられた下部ストッパ15と、シャッタ14の下方に位置するストッパ16とで構成される。このストッパ16はプッシャとなるものである。段積み部2の上方には、ストッパ17およびシャッタ18からなる払落し整列装置19が設けてある。
【0010】
つぎに、各部の詳細を説明する。段降し部1および段積み部2の昇降台装置7,9は、ガイド柱20,20に沿って昇降する昇降アーム22,23を各々2本平行に設け、これら昇降アーム22,23を吊り索またはボールねじ等を介してモータにより昇降させる昇降駆動装置21,21を設けたものである。段降し部1の搬入コンベヤ6、および段積み部2の搬出コンベヤ8は、各々チェーンコンベヤからなり、各々昇降台装置7,9の昇降アーム22,23が沈み込み可能なように、チェーン経路を下方へU字状に沈み込ませた凹み経路部(図示せず)が設けられている。
【0011】
往復台5は、図2および図3に示すように、一対の台車側枠5a,5a間に多数本のキャリッジローラ10を取付けたものであり、各台車側枠5aは、本体フレーム3の2本の上枠材3aに設けたレール4に、直動軸受または車輪等の走行ガイド24を介して進退自在に設置されている。本体フレーム3には、各レール4に沿ってラック25が設けてあり、ラック25に噛み合う一対のピニオン26(図2)および減速機付きのモータ27からなる自走式の走行装置28が、台車側枠5aに搭載されている。両側のピニオン26,26は、回転軸26aで互いに連結してある。
【0012】
往復台5のキャリッジローラ10のうち、段降し部1側の先頭の2本のキャリッジローラ10Aは、往復台5に搭載されたキャリッジローラ駆動装置29で回転駆動される駆動キャリッジローラとしてある。また、キャリッジローラ10の並びの後端側には、上面が下降傾斜した板状のシュート30が、両台車側枠5a,5a間に渡って取付けてある。非駆動の各キャリッジローラ10は、図3(B)のように、鉄製等の金属製のローラ本体10aの表面に樹脂被覆10bを施したものとしてある。樹脂被覆10bには、塩化ビニルからなる樹脂チューブを用い、ローラ本体10aに被せた後に加熱等で収縮させ、ローラ本体10aに付着させる。なお、ローラ本体10aを被覆する樹脂としては、塩化ビニルの他、熱硬化性樹脂では、ケイ素樹脂(シリコンゴム等)、ポリイミド等が使用でき、また熱可塑性樹脂では、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド(ナイロン等)、ポリカーボネート、飽和ポリエステル等が使用できる。塩化ビニル等の熱可塑性樹脂を用いた場合には、上述したように、チューブ状のものをローラ本体10aに被せた後に熱収縮により、容易にローラ本体10aの表面に樹脂被覆を形成することができる。また、フッ素樹脂を用いた場合には、特に耐摩耗性に優れた耐久性の高い樹脂被覆を形成することができる。シュート30には、上面のみまたは全面に、樹脂被覆として、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂のコーティング層が形成してある。なお、往復台5は、駆動キャリッジローラ10Aを除き、荷物Wの底面と触れる可能性のある全ての箇所、例えば台車側枠5aの上面や内側面も、樹脂被覆で覆うことが望ましい。駆動キャリッジローラ10Aは、鉄等の金属製とし、その表面にシリコンゴム等の滑り止め用の被覆を設ける。この被覆も、伸縮性のチューブとして加熱収縮等により付着させる。図示の例では、駆動キャリッジローラ10Aの被覆は、長手方向に複数個に分けてある。
【0013】
キャリッジローラ駆動装置29は、図5に示すように軸受部29Aと駆動部29Bとで構成される。軸受部29Aは、各駆動キャリッジローラ10Aの端部から突出したローラ軸10cに軸受31を取付け、これら軸受31を、両ローラ軸10cが貫通する共通の軸受箱32に収容したものである。軸受箱32は、台車側枠5aに設けられた取付台33上に設置したものであり、水平な分割面で上下に2分割し、その分割面に軸受31の嵌合凹部34が設けてある。軸受箱32は、支軸35回りで上下に開閉可能としてあり、下側の分割軸受箱の先端に起倒回動自在に設けた止め具36を、上側の分割軸受箱の先端の凹部に係合させてこの止め具36のねじ部で締め付けることにより、閉じ状態に保持される。なお、同図の符号5cは、両側の台車側枠5a間を連結する連結材を示す。
キャリッジローラ駆動装置29の駆動部29Bは、各ローラ軸10cの軸受箱32より突出した先端部にギヤ37を設け、これらギヤ37を共通の駆動伝達用ギヤ38に上方から噛み合わせたものである。駆動伝達用ギヤ38は、取付台33に回転自在に支持されたものであり、駆動源39の出力ギヤ40に斜め下方で噛み合っている。駆動源39は、減速機42を付設したモータ41からなり、減速機42はモータ軸と直交方向の出力軸を有するものを用いている。
【0014】
図4は段降し部1における掬い時整列装置11およびクランプ装置12を示す。掬い時整列装置11の上部ストッパ13、およびクランプ装置12の下部ストッパ15は、背面に突出させた複数本のガイドロッド44,45を介して、スライドベアリング等のガイド部材46,47に進退自在に支持され、各々シリンダ等の進退駆動装置48,49で進退駆動される。ガイド部材46,47および進退駆動装置48,49は、本体フレーム3の設置台43上に適宜の架台を介して設置されている。
【0015】
シャッタ14は、進退部材50にスライドベアリング等のガイド部材51を介して昇降自在に支持した垂直シャフト52の下端に取付けてあり、シャッタ開閉装置53により昇降させられる。進退部材50は、本体フレーム3上に設置されたシャッタ支持枠60に、ガイドロッド54およびスライドベアリング等のガイド部材55を介して進退自在に設置され、シリンダ等のシャッタ進退装置56で進退駆動される。
【0016】
クランプ装置12の往復台進入側のストッパ16は、往復台走行方向と直交する方向に並ぶ複数個の単位ストッパ16a〜16cに分割し、各単位ストッパ16a〜16cを個別に進退させる単位ストッパ進退装置57を設けてある。各単位ストッパ16a〜16cは、背面に複数本のガイドロッド58を突出させてあり、このガイドロッド58およびスライドベアリング等のガイド部材59を介して進退自在に支持されている。前記単位ストッパ進退装置57はシリンダからなり、両側のガイドロッド58の間に配置されている。これら単位ストッパ進退装置57およびガイド部材59は、本体フレーム3に設置されている。各単位ストッパ進退装置57は、並び方向に延びる棒状の部材であり、荷物当接面にクッション部材を貼付けてある。
【0017】
図1における段積み部2のシャッタ18は、図4の段降し部側のシャッタ14と同様に、シャッタ開閉装置61で昇降させられ、かつシャッタ進退装置62で進退させられる。また、段積み部2のストッパ17は、シリンダ等からなるストッパ進退装置63で進退させられる。
【0018】
上記構成の動作を説明する。図1の段降し部1側のパレットP1の荷物Wは、例えば缶入り飲料を収納したダンボール箱であり、コンベヤ6の手前に続くコンベヤ(図示せず)に、荷物Wを種類別に載せた複数のパレットP1が順次並べて待機させられる。段積みされた荷物Wの各層の間は、搬送時に荷崩れしないように、ホットメルト型接着剤(図示せず)で互いに接着してある。段積み部2側のパレットP2は、出荷先別に準備したパレットである。
【0019】
図6(A)に示すように、段積み状態のパレットP1が搬入コンベヤ6で段降し部1の所定位置まで搬送されると、搬入コンベヤ6が停止し、昇降台装置7が上昇して搬入コンベヤ6のパレットP1を持ち上げる。最上段の荷物Wが鎖線で示すように往復台5の高さに至ると、昇降台装置7の上昇が停止する。この停止の後、図6(B)のように、掬い時整列装置11の上部ストッパ13およびクランプ装置12の下部ストッパ15が荷物Wに当たる所定位置まで前進し、シャッタ14が閉じ位置に下降して前進すると共に、クランプ装置12のプッシャ側のストッパ16が前進する。これにより、最上段の荷物Wを上部ストッパ13とシャッタ14とで挟むと共に、上から2段目の荷物Wをクランプ装置12の下側ストッパ15とプッシャ側ストッパ16とで挟む。
【0020】
このようにクランプした状態で、段積み部2側に待機していた往復台5が先頭の駆動キャリッジローラ10Aを上向きに回転駆動しながら、段降し部1側に走行する。駆動キャリッジローラ10Aが最上段の荷物Wの側面に当たると、その回転による摩擦力で荷物Wが掬い上げられ、往復台5の走行に伴って往復台5上に載せられる(図6(C))。最上段の荷物Wは、掬い時整列装置11で挟まれているため、往復台5で押されて逃げたり、荷姿が崩れたりすることがない。
上記掬い上げ時に、荷物Wの層間を接着している接着剤は剥がれ状態となり、往復台5の各キャリッジローラ10や各部に擦られるが、キャリッジローラ10およびシュート30は樹脂被覆10bやフッ素樹脂のコーティング層で覆ってあるため、その樹脂の持つ性質により、接着剤がキャリッジローラ10等に付着することが防止される。そのため、キャリッジローラ10やシュート30等の掃除や交換の頻度が少なくて済む。
【0021】
また、往復台5による荷物Wの掬い上げ時に、その掬い上げ層の下層となる2段目の荷物Wはクランプ装置12で挟み込まれているため、荷崩れすることがない。また、2段目の荷物Wの位置や姿勢がばらけて往復台5の進入が妨げられることも防止され、円滑な掬い上げが行われる。
クランプ装置12のプッシャ側のストッパ16は、複数個に分割されているため、図8(A)に示すように一部の列の荷物Wの間に隙間dがある場合も、同図(B)に示すように、各分割ストッパ16a〜16cで各列毎に荷物Wがクランプされ、隙間なくクランプされる。そのため、確実なクランプが行え、往復台5による円滑な荷物Wの掬い上げが行える。また、荷物Wの間に隙間がある場合に限らず、荷物Wの各列の長さが異なっているような場合も、各分割ストッパ16a〜16cで各列毎に荷物Wを押すことにより、確実なクランプが行える。
【0022】
このように荷物Wが往復台5に掬い上げられた後、図7(A)のように掬い時整列装置11の上部ストッパ13が後退すると共に、シャッタ14が後退して上方位置へ開き、往復台5が段積み部2側へ逆走する。また、クランプ装置12の下部ストッパ15およびプッシャ側ストッパ16が後退してクランプ解除し、荷物Wの次の上昇に備える。
往復台5が段積み部2の所定位置まで走行すると、走行の停止後、払落し整列装置19のシャッタ18およびストッパ17で往復台5上の荷物Wを挟む(図7(B))。この状態で、往復台5がシャッタ18の下方をくぐって段降し部1側へ走行することにより、往復台5上の荷物Wはストッパ17で止められてパレットP2上に払い落とされる。
往復台5が段積み部2に位置している間に、段降し部1では昇降台装置7が荷物Wの一段分だけ上昇し、前記と同様に掬い時整列装置11およびクランプ装置12で荷物Wを挟んだ状態で待機する。そのため、往復台5が荷物Wの払い落しのために段降し部1側に走行したときに、そのまま走行を続けることにより、段降し部1の次の1段分の荷物Wが往復台5に掬い上げられる(図7(C))。
【0023】
このように、往復台5を往復させて、段降し部1のパレットP1の所望段数の荷物Wを取り出し、段積み部2のパレットP2に段積みする。段降し部1の余った荷物Wは、パレットP1と共に昇降台装置7から搬入コンベヤ6上に降ろし、後続のコンベヤ(図示せず)から搬出する。
【0024】
なお、前記実施形態において、段積み部2は昇降台装置9を荷積み台として用い、パレットP2に段積みするようにしたが、荷積み台はコンベヤや台車等であっても良い。
【0025】
【発明の効果】
この発明の荷処理装置の往復台は、キャリッジローラに樹脂被覆を設けたため、荷物の層間の仮止め用のホットメルト型接着剤がローラ表面に付着することが防止され、キャリッジローラの清掃や交換の手間が省ける。
往復台のシュートにフッ素樹脂のコーティング層を設けた場合は、このコーティング層により荷物の滑り降ろしが円滑となり、接着剤の付着防止作用も得られる。また、キャリッジローラの樹脂被覆を伸縮性の樹脂チューブとした場合は、加工が簡単で、樹脂被覆の形成に伴うコスト増を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる往復台を備えた荷処理装置の全体の正面図である。
【図2】同荷処理装置の平面図である。
【図3】(A)は同荷処理装置の往復台および走行ガイド系を示す斜視図、(B)はそのキャリッジローラの部分拡大切欠斜視図である。
【図4】(A)は荷処理装置のクランプ装置および各ストッパを示す斜視図、(B)は同クランプ装置の分割ストッパおよびその周辺部を示す平面図である。
【図5】(A)は荷処理装置のキャリッジローラ駆動装置を示す平面図、(B)は同部分の側面図、(C)は同部分の破断側面図である。
【図6】荷処理装置の動作説明図である。
【図7】荷処理装置の図6に続く動作の説明図である。
【図8】同荷処理装置におけるクランプ装置の動作説明図である。
【符号の説明】
1…段降し部、2…段積み部、3…本体フレーム、4…レール、5…往復台、5a…台車側枠、7…昇降台装置、9…昇降台装置(荷積み台)、10…キャリッジローラ、10b…樹脂被覆、10A…駆動キャリッジローラ、28…走行装置、29…キャリッジローラ駆動装置、P1,P2…パレット、W…荷物
Claims (2)
- 荷物を段積み状態に載せる昇降台装置を有する段降し部と、この段降し部に並設されて荷積台を有する段積み部と、前記段降し部の昇降台装置と段積み部の荷積台の上方間を往復走行可能に設けられ、かつ前記段降し部側への走行に伴って前記段降し部に段積みされている荷物の層間に進入して荷物を掬い上げ可能な往復台とを備えた荷処理装置において、前記往復台を、一対の台車側枠と、これら台車側枠間に設けた複数本のキャリッジローラと、前記段降し部側の先頭から一または複数本のキャリッジローラを荷物掬い上げ方向に回転駆動するキャリッジローラ駆動装置とで構成し、前記の回転駆動されるキャリッジローラを除く各キャリッジローラを、金属製としてその表面にホットメルト型接着剤の付着防止用の樹脂被覆を施し、前記回転駆動されるキャリッジローラを、表面に滑り止め用の被覆が設けられたものとし、この回転駆動されるキャリッジローラは、端部から突出したローラ軸に軸受が取付けられ、この軸受は前記台車側枠に設けられた軸受箱に収容され、この軸受箱は水平な分割面で上下の分割軸受箱に2分割されて支軸回りに上下に開閉可能であり、かつその分割面において両分割軸受箱に軸受の嵌合凹部を有しこれら上下の嵌合凹部に渡り前記軸受を嵌め込むものであることを特徴とする荷処理装置の往復台。
- 前記一対の台車側枠間に、前記キャリッジローラの配列の後端側に並べてシュートを設け、このシュートの表面にフッ素樹脂のコーティング層を設け、前記キャリッジローラの樹脂被覆を伸縮性の樹脂チューブとした請求項1記載の荷処理装置の往復台。
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