JP3775823B2 - 新規なイミド誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は向精神性物質として有用な新規イミド誘導体およびその酸付加塩に関する。詳しくいえば、本発明の向精神性物質{抗精神性作用および(または)不安解消作用を持つ物質}は、精神分裂病、老年性精神疾患、そううつ病、神経症等の治療薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】
向精神性作用を持つイミド誘導体は例えば表1、表2に示されるものが知られている。
【0003】
【表1】
【表2】
【0004】
しかし、これらの誘導体はイミド部分とピペラジンまたはピペリジンとの間が直鎖のアルキレン鎖であることが特徴となっている。ここに炭化水素環を含むアルキレン鎖を持つ化合物は唯一、特開平5−17440号公報に報告された化合物以外には知られていない。しかしながら、前記公報中にはイミド部分が水酸基によって置換された化合物は記載されていない。
【0005】
従来の不安解消作用および(または)抗精神病性作用を有する向精神性物質には、中枢性副作用、血圧降下等の末梢性副作用が付随しており、臨床上大きな問題点〔ザ・ファーマコロジカル・ベイシス・オブ・セラピューティクス The Pharmacological basis of therapeutics,A.Goodman Gilman,L.S.Goodman et al,New York (1985) P387, 現代医療, 22,P22,(1990) 〕となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は副作用の少ない優れた向精神性物質を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、イミド部分が水酸基によって置換され、炭化水素環を含むアルキレン鎖を持つことを特徴とする新規イミド誘導体が目的とした薬理的諸作用を有することを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、一般式〔I〕
【化8】
{式中、Z−は式
【化9】
(式中、Bはカルボニルまたはスルホニルを表す。R1 、R2 およびR3 は、R1 とR2 が一緒になって、少なくとも1つの水酸基で置換された炭化水素環を表し、R3 が水素原子もしくは水酸基を表すか、またはR1 とR3 が一緒になって、少なくとも1つの水酸基で置換された炭化水素環を表し、R2 が水素原子もしくは水酸基を表す。当該炭化水素環は少なくとも1つの水酸基で置換されていてもよい低級アルキレンまたは酸素原子で架橋されていてもよい。当該炭化水素環および低級アルキレンは少なくとも1つのアルキルで置換されていてもよい。R4 は水素原子または低級アルキルを表す。nは0または1を表す。)を表す。
Aは炭化水素環を表し、当該炭化水素環は低級アルキレンまたは酸素原子で架橋されていてもよい。また、当該低級アルキレンおよび炭化水素環は少なくとも1つのアルキルで置換されていてもよい。
l、mは各々0、1または2を表す。
GはN、CHもしくはCOHを、Arは芳香族複素環基、芳香族炭化水素基、ベンゾイル、フェノキシもしくはフェニルチオを表すか、またはGは炭素原子を、Arはビフェニルメチリデンを表す。当該芳香族複素環基、芳香族炭化水素基、ベンゾイル、フェノキシ、フェニルチオおよびビフェニルメチリデンは少なくとも1つの低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよい。}で表されるイミド誘導体またはその酸付加塩に関する。
【0009】
以下に本発明で使われている基について詳しく説明する。
【0010】
ZおよびAに於ける低級アルキレンとしては、例えば炭素数3個以下の基が挙げられ、具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン等が挙げられる。
【0011】
ZおよびAに於ける炭化水素環としては、例えば炭素数7個以下のシクロアルカン、シクロアルケンが挙げられる。炭素数7個以下のシクロアルカンとしては例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。炭素数7個以下のシクロアルケンとしては例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン等が挙げられる。
【0012】
ZおよびAに於ける低級アルキレンまたは酸素原子で架橋された炭化水素環としては、例えば炭素数10個以下の環が挙げられ、具体的にはビシクロ〔1.1.1〕ペンタン、ビシクロ〔2.1.1〕ヘキサン、ビシクロ〔2.1.1〕ヘキサ−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−2−エン、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン、ビシクロ〔2.2.2〕オクタ−2−エン、ビシクロ〔4.1.1〕オクタン、ビシクロ〔4.1.1〕オクタ−2−エン、ビシクロ〔4.1.1〕オクタ−3−エン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタ−2−エン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタ−3−エン、ビシクロ〔3.2.1〕オクタ−6−エン、ビシクロ〔3.2.2〕ノナン、ビシクロ〔3.2.2〕ノナ−2−エン、ビシクロ〔3.2.2〕ノナ−3−エン、ビシクロ〔3.2.2〕ノナ−6−エン、7−オキサビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、7−オキサビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−2−エン、7−オキサビシクロ〔4.1.1〕オクタン、7−オキサビシクロ〔4.1.1〕オクタ−2−エン、7−オキサビシクロ〔4.1.1〕オクタ−3−エン、8−オキサビシクロ〔3.2.1〕オクタン、8−オキサビシクロ〔3.2.1〕オクタ−2−エン、8−オキサビシクロ〔3.2.1〕オクタ−3−エン、8−オキサビシクロ〔3.2.1〕オクタ−6−エン等が挙げられる。
【0013】
Aに於ける炭化水素環の結合位置としては例えば−1,1−、−1,2−、−1,3−、−1,4−等が挙げられる。
【0014】
Arに於ける芳香族炭化水素基としては例えば炭素数10個以下の基が挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル等が挙げられる。
Arに於ける芳香族複素環基としては例えば単環の芳香族複素環基、二環性の芳香族複素環基が挙げられる。
【0015】
単環の芳香族複素環基としては例えば炭素数6個以下の、ヘテロ原子として窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を1〜4個、同一または相異って含む基が挙げられ、具体的にはピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フリル、イミダゾリル等が挙げられる。
【0016】
二環性の芳香族複素環基としては例えば炭素数10個以下のヘテロ原子として窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を1〜5個同一または相異って含む基が挙げられ、具体的にはベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズフリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル等のベンゼン環と縮合した芳香族複素環基、ナフチリジニル、プテリジニル、チエノフラニル、イミダゾチオフェン−イル、イミダゾフラニル等が挙げられる。
【0017】
アルキルとしては例えば炭素数6個以下の基が挙げられ、好ましくは炭素数4個以下の低級アルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル等が挙げられる。
低級アルキルとしては例えば炭素数4個以下の基が挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル等が挙げられる。
【0018】
低級アルコキシとしては例えば炭素数4個以下の基が挙げられ、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
【0019】
ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0020】
酸付加塩としては薬学上許される無機酸、有機酸との付加塩が挙げられる。無機酸としては例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等が挙げられる。有機酸としては例えば酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。
【0021】
本発明化合物〔I〕には立体異性体および(または)光学異性体が存在する。本発明においては、これらの異性体の混合物および単離された異性体を含む。
【0022】
Arで表される好ましい基としては、二環性の芳香族複素環基であるか、ナフチル、ベンゾイル、フェノキシもしくはフェニルチオ(この際、GはN、CHもしくはCOHを表す。)またはビフェニルメチリデン(この際Gは炭素原子を表す。)(当該、二環性の芳香族複素環基、ナフチル、ベンゾイル、フェノキシ、フェニルチオおよびビフェニルメチリデンは少なくとも1つの低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよい。)が挙げられる。
【0023】
Arで表される更に好ましい基としてはベンゼン環と縮合した芳香族複素環基、ナフチル、ベンゾイル、フェノキシまたはフェニルチオ(当該ベンゼン環と縮合した芳香族複素環基、ナフチル、ベンゾイル、フェノキシおよびフェニルチオは少なくとも1つの低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよい。)が挙げられる。この際GはN、CHまたはCOHを表す。
【0024】
Arで表される更に好ましい基としては、具体的にはベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソキノリル、ベンズフラニル、インダゾリルまたはインドリル(当該ベンズイソチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソキノリル、ベンズフラニル、インダゾリルおよびインドリルは少なくとも1つの低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよい。)が挙げられる。この際GはN、CHまたはCOHを表す。
Arで表される最も好ましい基としては、3−ベンズイソチアゾリル、3−ベンズイソオキサゾリル、3−インダゾリルまたは3−インドリル(当該3−ベンズイソチアゾリル、3−ベンズイソオキサゾリル、3−インダゾリルおよび3−インドリルは少なくとも1つの低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲン原子で置換されていてもよい。)が挙げられる。この際GはN、CHまたはCOHを表す。
【0025】
Z−で表される好ましい基としては式
【化10】
(式中、Lは単結合または二重結合を表す。Eは水酸基もしくは低級アルキルで置換されていてもよい低級アルキレンまたは酸素原子を表す。R5 は水酸基を表し、R6 は水素原子または低級アルキルを表す。Bは前記の意味を表す。)、
式
【化11】
(式中、L、E、R5 、R6 およびBは前記の意味を表す。)、
式
【化12】
(式中、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12は各々水素原子、水酸基または低級アルキルを表すか、またはR7 、R8 、R9 、R10、R11、R12で隣接するふたつが結合して二重結合を表す。但し、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12のうち少なくとも1つは水酸基を表す。Bは前記の意味を表す。)または式
【化13】
(式中、R13、R14は各々独立して水素原子もしくは少なくとも1つの水酸基で置換されていてもよい低級アルキルを表すか、またはR13とR14は一緒になって少なくとも1つの水酸基で置換されていてもよい飽和炭化水素環を表す。R5 、R6 およびBは前記の意味を表す。)で表される基等が挙げられる。
【0026】
ここでR13とR14が一緒になって形成する飽和炭化水素環としては、例えば炭素数7個以下のシクロアルカンが挙げられ、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
【0027】
Z−で表される更に好ましい基としては、式
【化14】
(式中、B、E、R5 およびR6 は前記の意味を表す。)、
式
【化15】
(式中、E、R5 、R6 およびBは前記の意味を表す。)、
式
【化16】
(式中、R7'、R8'、R9'、R10' 、R11' 、R12' は各々水素原子、水酸基または低級アルキルを表すが、R7'、R8'、R9'、R10' 、R11' 、R12' のうち少なくとも1つは水酸基を表す。Bは前記の意味を表す。)または式
式
【化17】
(式中、B、R5 、R6 、R13およびR14は前記の意味を表す。)で表される基が挙げられる。
【0028】
本発明化合物〔I〕は、例えば、以下の反応式で表される方法により製造することができる。
【0029】
製造法 a)
【化18】
【0030】
製造法 b)
【化19】
【0031】
製造法 c)
【化20】
【0032】
製造法 d)
【化21】
【0033】
〔反応式中、R15、R16はヒドロキシ、アルコキシまたは一緒になって酸素原子を表す。R17はヒドロキシの保護基を表す。p、qは各々0または1を表す。Xは脱離基を表す。脱離基としては例えばハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシが挙げられる。アルキルスルホニルオキシとしては、例えば、メタンスルホニルオキシ等が挙げられる。アリールスルホニルオキシとしては例えば、p−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等が挙げられる。ヒドロキシの保護基としては例えば、ベンジル、置換ベンジル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、テトラヒドロフラニル等が挙げられる。置換ベンジルの置換基としては、ハロゲン原子、メトキシ、ニトロ等が挙げられる。R5'はR5 に対して立体配置の反転した水酸基を表し、Z、A、l、m、G、Ar、B、E、R5 およびR6 は前記の意味を表す。〕
【0034】
製造法a〜cにおいて使用される原料化合物〔II〕、〔III 〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VIII〕、〔IX〕、〔XI〕、〔XII 〕、〔XIII〕、〔XIV 〕、〔XV〕および〔XVI 〕は公知化合物であるか、特開平5−17440号公報に記載の方法で合成することができる。また、原料化合物〔VII 〕は対応するジカルボン酸またはカルボキシスルホン酸を尿素と反応させることにより得られる。ジカルボン酸またはカルボキシスルホン酸は、例えば文献(アナーレン・デル・ヘミー Annalen der Chemie, 514, 91 (1935)、ケミッシェ・ベリヒテ Chemische Berichte, 67, 1811 (1934) 等)記載の方法に従って得ることができる。
【0035】
製造法 a)
式〔III 〕の化合物は、不活性溶媒中、式〔II〕の化合物と還元剤を反応させることにより得られる。反応温度は0℃〜溶媒の沸点の範囲である。還元剤の量は、式〔II〕の化合物に対し、1〜10倍モルの範囲である。ここで不活性溶媒としては、エーテル系の溶媒例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。還元剤としては、例えば、 LiAlH4 、NaBH4 、 Ca(BH4 )2 、 LiAlH2 (OCH 2 CH2 OCH 3 )2 等が挙げられる。
【0036】
式〔IV〕の化合物は、式〔III 〕の化合物に脱離基を導入することにより得られる。
・脱離基がハロゲン原子の場合(例えば塩素原子の場合)
式〔IV〕の化合物は、式〔III 〕の化合物と塩化チオニルを必要に応じて塩基存在下反応させることにより得られる。
反応溶媒としては例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等が挙げられる。塩基としては例えば、ピリジン等が挙げられる。反応温度としては0℃〜30℃の範囲が挙げられる。塩化チオニルの量としては式〔III 〕の化合物に対して2〜4倍モルの範囲が挙げられる。
【0037】
・脱離基が、スルホニルオキシの場合
式〔IV〕の化合物は式〔III 〕の化合物とスルホニルクロライドを必要に応じて塩基存在下反応させることにより得られる。
反応溶媒としては、例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン等が挙げられる。反応温度としては0℃〜30℃の範囲が挙げられる。スルホニルクロライドとしては例えば、塩化メタンスルホニル等のアルキルスルホニルクロライド、トシルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド等のアリールスルホニルクロライドが挙げられる。スルホニルクロライドの量としては式〔III 〕の化合物に対して2〜4倍モルの範囲が挙げられる。
【0038】
式〔VI〕の化合物は、式〔IV〕の化合物と式〔V〕の化合物を塩基存在下反応させることにより得られる。反応溶媒としては例えば、アルコール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基の量としては式〔IV〕の化合物に対して0.5〜2倍モルの範囲が挙げられる。式〔V〕の化合物の量としては式〔IV〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。
アルコールとしては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
【0039】
式〔I−a〕の化合物は、式〔VI〕の化合物と式〔VII 〕の化合物を塩基および必要に応じて触媒存在下、反応させることにより得られる。反応溶媒としては例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族溶媒が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基の量としては式〔VII 〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。触媒としては例えばジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル等のクラウンエーテルが挙げられる。触媒の量としては、式〔VI〕の化合物に対して0.1〜10重量%の範囲が挙げられる。式〔VII 〕の化合物の量としては式〔VI〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。
【0040】
製造法 b)
式〔IX〕の化合物は、式〔III 〕の化合物から式〔IV〕の化合物を得る方法と同様にして、式〔VIII〕の化合物に脱離基を導入することにより得られる。
式〔X 〕の化合物は式〔IX〕の化合物と式〔VII 〕の化合物を塩基および必要に応じて反応助剤存在下反応させることにより得られる。反応溶媒としては例えばアルコール、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。反応助剤としては例えばヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化アルカリ金属塩が挙げられる。塩基の量としては、式〔IX〕の化合物に対して1〜2倍モルの範囲が挙げられる。反応助剤の量としては式〔IX〕の化合物に対して0.1〜1倍モルの範囲が挙げられる。式〔VII 〕の化合物の量は式〔IX〕の化合物に対して0.1〜1倍モルの範囲が挙げられる。
【0041】
式〔I〕の化合物は式〔X 〕の化合物と式〔V〕の化合物を塩基および必要に応じて反応助剤存在下反応させることにより得られる。反応溶媒としては例えばアルコール、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。反応助剤としては例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化アルカリ金属塩が挙げられる。塩基の量としては、式〔X 〕の化合物に対して1〜2倍モルの範囲が挙げられる。反応助剤の量としては式〔X 〕の化合物に対して0.1〜1倍モルの範囲が挙げられる。式〔V〕の化合物の量は式〔X 〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。
【0042】
製造法 c)
式〔XI〕の化合物は、式〔VIII〕の化合物より通常の方法、例えば、「プロテクテブ・グループ・イン・オーガニック・シンセシス Protective group in Organic Synthesis,Theodora W.Greene, John Wiley & Sone, 10〜39頁」記載の保護基の導入方法により得られる。
【0043】
式〔XII 〕の化合物は式〔XI〕の化合物を酸化し、オキシム化し、さらに還元することにより得られる。
酸化剤として例えば、無水クロム酸、重クロム酸等のクロム酸塩が挙げられる。オキシム化剤としてはヒドロキシアミンが挙げられる。オキシム化の溶媒としては例えばアルコール等が挙げられる。オキシム化の温度としては0〜30℃の範囲が挙げられる。オキシム化剤の量としては式〔XI〕の化合物に対して1〜2倍の範囲が挙げられる。還元剤としては例えば LiAlH4 等が挙げられる。還元の温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。還元剤の量としては式〔XI〕の化合物に対して1〜2倍モルの範囲が挙げられる。
【0044】
式〔XIV 〕の化合物は式〔XII 〕の化合物と式〔XIII〕の化合物を塩基存在下反応して得られる。反応溶媒としては例えばアルコール、ジグライム、トルエン、クロロベンゼン等が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。塩基の量としては、式〔XII 〕の化合物に対して1〜2倍モルの範囲が挙げられる。式〔XIII〕の化合物の量は式〔XII 〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。
【0045】
式〔XV〕の化合物は、式〔XIV 〕の化合物より通常の方法例えば、「プロテクテブ・グループ・イン・オーガニック・シンセシス Protective group in Organic Synthesis,Theodora W.Greene, John Wiley & Sons, 10〜39頁」記載の脱保護の方法により得ることができる。
【0046】
式〔XVI 〕の化合物は式〔XV〕の化合物に脱離基を導入して得られる。
・脱離基がハロゲン原子の場合(例えば塩素原子の場合)
式〔XVI 〕の化合物は、式〔XV〕の化合物と塩化チオニルを必要に応じて塩基存在下反応して得られる。
反応溶媒としては例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等が挙げられる。塩基としては例えば、ピリジン等が挙げられる。反応温度としては0℃〜30℃の範囲が挙げられる。塩化チオニルの量としては式〔XV〕の化合物に対して2〜4倍モルの範囲が挙げられる。
【0047】
・脱離基がスルホニルオキシ基の場合
式〔XVI 〕の化合物は、式〔XV〕の化合物とスルホニルクロライドを必要に応じて塩基存在下反応して得られる。
反応溶媒としては例えばピリジン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。塩基としては例えばトリエチルアミン等が挙げられる。反応温度としては0℃〜30℃の範囲が挙げられる。スルホニルクロライドとしては例えば、塩化メタンスルホニル等のアルキルスルホニルクロライド、トシルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド等のアリールスルホニルクロラドが挙げられる。スルホニルクロライドの量として式〔XV〕の化合物に対して2〜4倍モルの範囲が挙げられる。
【0048】
式〔I〕の化合物は式〔XVI 〕の化合物と式〔VII 〕の化合物を塩基存在下反応して得られる。反応溶媒としては例えば、アルコール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度としては溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。塩基としては例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。塩基の量として式〔XVI 〕の化合物に対して0.5〜2倍モルの範囲が挙げられる。式〔VII 〕の化合物の量としては式〔XVI 〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。
【0049】
製造法 d)
式〔I−c〕の化合物は、式〔I−b〕の化合物より通常の方法、例えば、「ビュレタン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン Bull. Chem. Soc. Jap., 40, 2380 (1967)」記載の方法に準じて得られる。
【0050】
式〔I−c〕の化合物は、式〔I−b〕の化合物をトリフェニルフォスフィンおよびジエチル アゾジカルボキシレートの存在下、蟻酸と反応させて得られた蟻酸エステル誘導体を、塩基の存在下、加溶媒分解することにより得られる。
蟻酸エステル誘導体製造の際の反応溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が望ましい。反応温度としては氷冷から溶媒の沸点付近の範囲が挙げられる。トリフェニルフォスフィンの量としては式〔I−b〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。ジエチル
アゾジカルボキシレートの量としては式〔I−b〕の化合物に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。蟻酸の量としては式〔I−b〕の化合物に対して1〜10倍モルの範囲が挙げられる。
加溶媒分解の際の塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。塩基の量としては、蟻酸エステル誘導体に対して1〜1.5倍モルの範囲が挙げられる。反応溶媒としては例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒およびそれらと水との混合溶媒が挙げられる。
【0051】
製造法a)〜d)で得られる化合物〔I−a〕、〔I−c〕および〔I〕は、結晶化溶媒中(例えば、アルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ヘキサンまたはこれらの混合溶媒等)で再結晶、またはシリカゲルクロマトグラフィーにより精製できる。また化合物〔I−a〕、〔I−c〕および〔I〕は、酸付加塩とした後、結晶化溶媒中(例えば、アセトン、ジエチルエーテル、アルコール等)にて再結晶することによっても精製できる。
【0052】
保護基導入の通常の方法としては、例えば、保護基がベンジル、置換ベンジル、メトキシメチルの場合は、原料化合物に対して1〜2倍の相当する保護基のハロゲン化物を塩基(例えば、NaH、KH等のアルカリ金属ハイドライド、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の有機塩基)存在下、有機溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等)、−10℃〜30℃の温度範囲で反応させることにより保護基が導入される。
【0053】
脱保護の通常の方法としては、例えば、保護基がベンジル、置換ベンジルの場合、触媒(例えば、Pd−C,PtO,Pt−C等の貴金属触媒)存在下、水素添加反応(例えば、1〜3気圧の範囲)を行うことによって脱保護できる。また、保護基がベンジル、置換ベンジル、メトキシメチルの場合は、強酸(例えば、CF3 COOH,HBr ,HBr-CH3 COOH等)を作用させることによっても脱保護できる。
【0054】
一般式〔I〕で表される化合物を光学分割する場合には以下の様にできる。
式〔I〕の化合物を不活性溶媒(例えばアセトニトリル、アルコール等が挙げられる)に溶解し、光学活性な酸(例えばL−酒石酸、D−酒石酸、D−カンファー酸、L−マンデル酸、L−ピログルタミン酸、D−10−カンファースルホン酸、D−キナ酸、L−リンゴ酸、ジベンゾイル−L−酒石酸等が挙げられ、好ましくはL−酒石酸、D−酒石酸が挙げられる。)を加え塩を形成させる。
塩を形成させる際の温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲で行うことができるが、光学純度を向上させるために、一旦溶媒の沸点近くまで加熱することが望ましい。析出した塩をろ取する前に必要に応じ冷却し、収率を向上させることができる。光学活性な酸(分割剤)の使用量は、基質に対して0.5〜2.0当量、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ、得られた結晶を結晶化溶媒中(例えば、アルコール等が挙げられる。)で再結晶することにより、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。必要に応じ、得られた塩を通常の方法で塩基と処理することによって、一般式〔I〕で表される化合物の光学活性体をフリー体として得ることができる。
【0055】
一般式〔I〕で表される本発明化合物及びその酸付加塩は、抗精神病薬として用いる場合、経口的または非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態例えば、錠剤,カプセル剤,シロップ剤、懸濁液等の型で経口的に投与できる。あるいは、液剤の型にしたものを注射の型で非経口的に投与できる。また、坐剤の型で、直腸投与することもできる。
また、前記の適当な投与剤型は許容される通常の担体・賦型剤・結合剤・安定剤等に本発明化合物〔I〕またはその酸付加塩を配合することにより製造することができる。また、注射剤型として用いる場合には、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
【0056】
投与量、投与回数は、症状・年齢・体重・投与形態等によって異なるが、通常は成人に対し、1日あたり概ね、経口の場合には1〜500mg、好ましくは5〜100mgを、静注の場合には0.1〜100mg、好ましくは0.3〜50mgを1回または数回にわけて投与することができる。
【0057】
実験例1
<実験方法>
(1) 抗精神病作用(抗D2 作用)(in vitro)
一般に臨床における抗精神病作用とD2 受容体遮断作用との間に相関性が認められている。D2 受容体作用のインビトロ試験法であるドーパミンD2 受容体に対するバインディングアッセイ法を用いた。〔 3H〕スピロペリドール(spiroperidol)を用い、 Japan J. Pharmacol., 53, 321〜329 (1990)などの記載の方法により、ラット線条体膜標品への〔 3H〕スピロペリドール(spiroperidol)結合量を測定し、Ki値を求めた。その結果を表3に示した。
【表3】
【0058】
(2) 抗精神病作用(in vivo)
臨床における抗精神病作用の代表的なインビボ試験法である抗メタンフェタミン試験を行った。
雄性ラットに被験薬物を静脈内投与し、10分後にメタンフェタミン(1mg/kg) を腹腔内投与した。投与後、10分から90分間ラットの運動量をオートメックスを用いて計測し、50%抑制有効量・ED50値を求めた。その結果を表4に示した。
【表4】
【0059】
(3) 副作用
臨床における抗精神病薬の代表的な中枢性副作用であるカタレプシー惹起作用を評価した。
雄性ラットに被験薬物を静脈内投与し、1時間後に9cmの高さのところに水平に渡した直径2.5mmの鉄棒に強制的に3回懸けさせる。背伸びした不自然な状態を30秒以上、3回のうち1回でも保持した場合、カタレプシー陽性とした。その結果を表5に示した。
【表5】
【0060】
【発明の効果】
本発明化合物(I)およびその酸付加塩は優れた抗精神病活性を示し、更に抗精神病活性(抗アポモルフィン作用)と副作用の効力比から中枢性副作用の少ないことが明らかとなった。
【0061】
【実施例】
参考例1 (1RS,2RS,3SR,4RS,5SR)−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1.〕ヘプタンジカルボン酸(2)の合成
【化22】
(式中、太線の実線および破線は相対配置を表す。以下の構造式も同様。)
ビシクロ〔2.2.1.〕ヘプタ−5−エン−2,3−ジ−エキソ−カルボン酸無水物(1)(50.0g,0.303mol)を50%硫酸水溶液(500g)中に徐々に加え、80〜85℃で3.5時間攪拌した。反応液を冷却後、反応液を塩化バリウム・2水和物(622g,2.55mol)と水(1.5l)の混合物中に、攪拌下滴下した。終夜放置後、析出物を濾別し、濾液および水洗液を合わせて減圧濃縮したところ、結晶が析出した。その結晶を濾過、洗浄、乾燥することにより、(1RS,2RS,3SR,4RS,5SR)−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1.〕ヘプタンジカルボン酸(2)(22.8g)を得た。
融 点 196〜198℃
1H−NMR(DMSO-d6 )δ:4.65(1H,s),3.60(1H,d,J=5Hz),2.50(1H),2.43(1H),2.35(1H),2.20(1H),1.16〜1.80(4H).
【0062】
参考例2 (1RS,2RS,3SR,4RS,5SR)−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1.〕ヘプタンジカルボキシミド(3)の合成
【化23】
化合物(2)(2.00g,9.95mmol)および尿素(0.66g,10.9mmol)を混合した後、油浴温度170℃で1時間加熱したところ、目的の(1RS,2RS,3SR,4RS,5SR)−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1.〕ヘプタンジカルボキシミド(3)(1.93g)を得た。
1H−NMR(DMSO-d6 )δ:3.83(1H,d,J=6.9Hz),2.56(3H,s),2.46(1H,s),1.79(1H,ddd,J=13.5,6.9,2.3Hz),1.65(1H,d,J=11.2),1.41(1H,ddd,J=13.5,4.3,2.3Hz),1.18(1H,d,J=11.2).
同様にして、1−ヒドロキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸から1−ヒドロキシ−1,2−シクロヘキサンジカルボキシイミドが得られる。
【0063】
参考例3 化合物(6)
【化24】
(式中、くさび形の実線および破線は絶対配置を表す。以下の構造式も同様。)
文献(ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ:J. Chem. Soc., 1953, 389)に従って合成した(−)−(1R,2R)−1,2−ビス(メタンスルホニルオキシメチル)シクロヘキサン(4)(32.52 g, 108 mmol) と3−(1−ピペラジニル)−1,2−ベンズイソチアゾール(5)(18.24 g, 83.3 mmol)と炭酸ナトリウム(17.25 g, 125 mmol) とトルエン(300 ml)の混合物を21時間還流加熱した。トルエンを濃縮後、イソプロピルアルコールを加えて還流加熱した後、熱時濾過を行い、濾液をエバポレートした。残渣にアセトンを加えて熱時溶解後、冷却することにより、目的の化合物(6)(23.0 g)を得た。
IR(nujol):3490,3450,1655,1590,1560,1495,1425,1210,1040cm-1.
1H−NMR(DMSO-d6 )δ:7.96(1H,d,J=7.9Hz),7.82(1H,d,J=8.3Hz),7.50(1H,t,J=8.3Hz),7.40(1H,t,J=7.9Hz),4.08(2H,dd,J=11.5,6.5Hz),3.39(2H,t,J=11.5Hz),2.1−1.8(8H,complex-m),1.4−1.25(4H,complex-m).
【0064】
実施例1 化合物(7)の合成
【化25】
化合物(3)(0.642g,3.54mmol)および粉末の無水炭酸カリウム(0.489g,3.54mmol)を化合物(6)(1.00g,2.36mmol)のDMF(15ml)溶液中に加え、油浴温度120℃で10時間加熱攪拌した。冷却後、反応液を水中に注ぎ、2度エーテル抽出し、抽出液を水洗し、乾燥した。エバポレート後、得られた残渣をカラムクロマト法により精製することにより、目的の(1RS,2RS,3SR,4RS,5SR)−N−〔(1R,2R)−2−〔4−(1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニルメチル〕−1−シクロヘキシルメチル〕−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンジカルボキシミド(7)(1.08g)を得た。
1H−NMR(CDCl3 )δ:7.91(1H,d,J=7.9Hz),7.80(1H,d,J=7.9Hz),7.46(1H,t,J=7.9Hz),7.35(1H,t,J=7.9Hz),3.96(1H,d,J=8.9Hz),3.9 (1H,m),3.52(4H,t,J=5.3Hz),3.32(1H,dd,J=10.2,13.2Hz),2.55−2.75(7H,complex-m),2.51(2H,s),2.23(1H,dd,J=6.6,12.5Hz),1.8−1.95(2H,complex-m),1−1.7(13H,complex-m).
融点 155−160℃(塩酸塩)
【0065】
実施例2 化合物(9)の合成
【化26】
a)化合物(7)(1.02g,2.00mmol)のTHF(20ml)中に、トリフェニルホスフィン(0.787g,3.00mmol)、蟻酸(0.23g,5.00mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチルエステル(DEAD)(0.522g,3.00mmol)を加えた後、室温で1日攪拌した。エバポレート後、残渣にクロロホルムを加えて、そのクロロホルム溶液を飽和重曹水で洗浄し、乾燥した。クロロホルム溶液をエバポレートして得られた残渣をカラムクロマト法により分離することにより、ホルミルオキシ化合物(8)を含む分画(1.49g)を得た。
1H−NMR(CDCl3 )δ:7.91(d,J=7.9Hz),7.81(d,J=7.9Hz),5.2(m),3.98(dd),3.52(t),3.35(dd,J=10.2,13.2Hz),3.22(d,J=7.3Hz),2.93(d,J=4.3Hz),2.75(d,J=5.1Hz),2.55−2.7(complex-m),2.15−2.3(complex-m),0.9−1.9(complex-m).
b)化合物(8)を含む分画(1.49g)のメタノール(100ml)溶液中に粉末の無水炭酸カリウム(0.400g)を加え、室温で4時間攪拌した。エバポレート後、残渣に酢酸エチルを加え、水洗、乾燥後エバポレートした。その残渣をカラムクロマト法により分離することにより、目的の(1RS,2RS,3SR,4RS,5RS)−N−〔(1R,2R)−2−〔4−(1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニルメチル〕−1−シクロヘキシルメチル〕−5−ヒドロキシ−2,3−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンジカルボキシミド(9)(0.255g)を得た。
1H−NMR(CDCl3 )δ:7.91(1H,d,J=7.9Hz),7.81(1H,d,J=7.9Hz),7.46(1H,t,J=7.3Hz),7.35(1H,t,J=7.3Hz),4.39(1H,m),3.96(1H,dd,J=4.0,13.5Hz),3.52(4H,t,J=4.5Hz),3.3−3.4(2H,m),2.6−2.8(7H,complex-m),2.05−2.3(2H,complex-m),1.8−2.0(1H,m),0.95−1.7(14H,complex-m).
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