JP3775191B2 - 歩行者存在報知装置及び車載用歩行者検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行者存在報知装置及び車載用歩行者検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路上の歩行者の存在を知らせる歩行者存在報知装置として、特開平10−215903号公報に記載されたものが知られている。この従来の歩行者存在報知装置は、図16に示すように、車両101のヘッドランプ102の照射光103を感知するヘッドライト感知装置を歩行者104の履き物105に組み込み、このヘッドライト感知装置によってヘッドランプ102からの照射光103を感知すれば履き物105に組み込んだLED光源を発光させることにより、車両101の運転者に歩行者104の存在を知らせようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両の前部に取り付けられたレーダ装置から光や電波を前方にスキャンさせながら照射し、この光や電波の反射波から前方に存在する車両等の障害物を検出して警報や警告表示を行う先行障害物検出装置が考えられている。
【0004】
そこで、前述の発光機能付き履き物においてヘッドランプの照射光を感知する代わりに、このような光や電波の信号に感知してLED光源を発光させることによって運転者に前方に歩行者が存在することを報知させることが考えられる。
【0005】
ところが、先行障害物検出装置の場合、自車両が走行する車線上の障害物を確実に検出することを目的としているので、障害物検出の幅を広くする目的で、スキャニングの間隔を変えずにレーダ装置から送出する光や電波の信号の照射角度を広げると、その分データ量が多くなって高性能な処理装置が必要となり高価になってしまう。他方、これを回避するために、照射角度を広げると共にスキャニングの間隔も広くすれば本来の先行障害物検出の精度が低くなってしまう。このため、レーダ装置から送出する光や電波の信号の照射角度をあまり広くすることは実用的ではない。
【0006】
したがって、前方の歩行者が着用している発光機能付履き物に感知させるために先行障害物検出装置のレーダ装置から送出する光や電波の信号に感知してLED光源を発光させるようにしたとしても、前述したようにレーダ装置の照射角度が広くないために、歩行者がそのような履き物を着用していたとしても車両の直前側方を歩行しているような状況ではレーダ装置からの信号によって履き物のLED光源が発光することがなく、早期の歩行者検出支援のための手段としては不十分であった。
【0007】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたもので、従来の先行障害物検出装置の送出する光や電波の信号を利用して、車両近傍に障害物が存在した場合でもその存在を確実に車両運転者に知らせることができる歩行者存在報知装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、上記の歩行者存在報知装置を着用した歩行者を確実に検出して運転者に報知することができる車載用歩行者検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の歩行者存在報知装置は、所定の探査信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した前記探査信号の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが所定レベル以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、前記報知信号出力手段が、前記所定レベルとして、第1のレベルと、該第1のレベルよりも小さい第2のレベルと、該第2のレベルよりも小さい第3のレベルを用い、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが少なくとも前記第2のレベル以上である場合に報知信号を発信し、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第1のレベル以上の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第2のレベル以上で且つ前記第1のレベル未満の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止するようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明の歩行者存在報知装置は、探査信号送出手段から送出方位を変えながら送出される所定の探査信号を受信する受信手段と、所定時間当たりに前記受信手段の受信した前記探査信号の受信数をカウントする信号受信数カウント手段と、前記信号受信数カウント手段のカウントする前記信号受信数が所定値以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、前記報知信号出力手段が、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記所定値以上から前記所定値未満へと変化したときには、前記所定値未満となったときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続して行うようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段が、前記所定値として、第1の所定値と、該第1の所定値よりも小さい第2の所定値と、該第2の所定値よりも小さい第3の所定値を用い、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が少なくとも前記第2の所定値以上である場合に報知信号を発信し、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第1の所定値以上の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第2の所定値以上で且つ前記第1の所定値未満の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止するようにしたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3の歩行者存在報知装置において、前記所定の探査信号に赤外光または電波を用い、前記報知信号に赤外光または電波を用いることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段の発信する信号は、所定コードに則ってオン/オフする信号または信号強度が変化するものとし、当該報知信号の受信手段で受信してデコードして歩行者存在を認識させるものである。
【0016】
請求項6の発明の車載用歩行者検出装置は、請求項1〜5のいずれかの歩行者存在報知装置の出力する報知信号を受信し、歩行者報知を行うものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明の歩行者存在報知装置では、車両から発信される所定の探査信号を受信手段で受信し、受信レベル検出手段によってその受信レベルを検出する。そして報知信号出力手段が、探査信号の受信レベルが所定レベル以上である場合に所定の方向に報知信号を発信して歩行者の存在を車両に報知する。このとき、報知信号出力手段は、前記所定レベルとして、第1のレベルと、該第1のレベルよりも小さい第2のレベルと、該第2のレベルよりも小さい第3のレベルを用い、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが少なくとも第2のレベル以上である場合に報知信号を発信し、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが第1のレベル以上の状態から第3のレベル未満へと変化した場合には、第3のレベル未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、報知信号の発信を継続し、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが第2のレベル以上で且つ第1のレベル未満の状態から第3のレベル未満へと変化した場合には、第3のレベル未満へと変化したときに直ちに報知信号の発信を停止する。
【0018】
これにより、前方を歩行する歩行者に車両が接近する場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置が発信する所定の探査信号により歩行者の着用している歩行者存在報知装置が反応して報知信号をいったん発信し始めると、その後に車両が歩行者に近づき、先行障害物検出装置の探査信号の照射角度が広くないために歩行者存在報知装置に受信されなくなっても、歩行者存在報知装置が報知信号を発信することになり、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者をその人が着用している歩行者存在報知装置から発信される報知信号により確実に視認することができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0019】
歩行者が車両の前方遠距離点を歩行している場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置の受信手段が受信する探査信号の受信レベルは比較的低く、一方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行している場合には、同じ探査信号に対する受信レベルは比較的高い。したがって、前方遠距離点を歩行している歩行者の歩行者存在報知装置がその後に探査信号を受信しなくなった場合には、その歩行者は道路から脇道に逸れたので注意する必要がないものと判断でき、他方、中近距離を歩行している歩行者の歩行者存在報知装置がその後に探査信号を受信しなくなった場合には、通常の照射角度の先行障害物検出装置からの探査信号が受信できない直前方まで近づいている可能性が高い。
【0020】
そこで請求項1の発明の歩行者存在報知装置では、歩行者が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置によるその探査信号に対する受信レベルが比較的低い場合、つまり第1のレベルとそれよりも小さい第2のレベルの間であれば、その後に探査信号の受信レベルが第2のレベルよりも小さい第3のレベル未満になったときに報知信号の発信を直ちに停止させ、前方遠距離点を歩行している歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して報知信号を発信し続けることがないようにする。
【0021】
他方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置によるその探査信号に対する受信レベルが比較的高い場合、つまり第1のレベル以上であれば、その後に探査信号の受信レベルが第3のレベル未満になっても所定時間の間は報知信号の発信を継続させることにより、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者からの報知信号により確実にその歩行者の存在を知らせることができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0022】
請求項2の発明の歩行者存在報知装置では、車両等に設置された探査信号送出手段から送出方位を変えながら送出される所定の探査信号を受信手段で受信し、信号受信数カウント手段によってその信号受信数をカウントする。そして報知信号出力手段が、探査信号の信号受信数が所定値以上である場合に所定の方向に報知信号を発信して歩行者の存在を車両に報知すると共に、探査信号の信号受信数が所定値以上から所定値未満へと変化したときには、所定値未満となったときから所定時間の間、報知信号の発信を継続して行う。
【0023】
これにより、前方を歩行する歩行者に車両が接近する場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置が送出方位を変えながら送出する所定の探査信号により歩行者の着用している歩行者存在報知装置が反応して報知信号をいったん発信し始めると、その後に車両が歩行者に近づき、先行障害物検出装置の探査信号の照射角度が広くないために歩行者存在報知装置に受信されなくなっても、歩行者存在報知装置が報知信号を発信することになり、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者をその人が着用している歩行者存在報知装置から発信される報知信号により確実に歩行者の存在を知らせることができ、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0024】
請求項3の発明の歩行者存在報知装置では、信号受信数カウント手段によってカウントした信号受信数が、第1の所定値以上から第3の所定値未満へと変化したときには、第3の所定値未満へと変化したときから所定時間の間、報知信号出力手段による報知信号の発信を継続し、第1の所定値と第2の所定値との間の値から第3の所定値未満へと変化したときには、第3の所定値未満へと変化したときに直ちに、報知信号出力手段による報知信号の発信を停止させる。
【0025】
これにより、歩行者が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置による信号受信数が比較的小さい場合、つまり第1の所定値とそれよりも小さい第2の所定値との間であれば、その後に探査信号に対する信号受信数が第3の所定値未満になったときに報知信号の発信を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して報知信号を発信し続けることがないようにする。
【0026】
他方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置による信号受信数が比較的大きい場合、つまり第1の所定値以上であれば、その後に探査信号に対する信号受信数が第3の所定値未満になっても所定時間の間は報知信号の発信を継続させることにより、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者からの報知信号により確実にその歩行者の存在を知らせることができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0028】
請求項5の発明は、請求項1〜4の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段の発信する信号は、所定コードに則ってオン/オフする信号または信号強度が変化するものとし、当該報知信号の受信手段で受信してデコードして歩行者存在を判定させるものであり、当該報知信号の受信手段を車載させることにより、歩行者の存在を確実に検出させることができ、車両の運転者に対して歩行者の確実な発見を支援することができる。
【0029】
請求項6の発明の車載用歩行者検出装置は、請求項1〜5のいずれかの歩行者存在報知装置の出力する報知信号を受信し、歩行者報知を行うものであり、当該歩行者存在報知装置を着用している歩行者を車両側で自動的に検知して運転者に報知することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1とレーダ装置2の使用例を示し、図2にそれらの機能構成を示している。
【0031】
歩行者存在報知装置1は歩行者3に携行させるものである。レーダ装置2は車両4の前部に搭載し、車両の前方を走行する他車両その他の障害物を自動的に検出し、運転者に知らせるためのものである。
【0032】
歩行者存在報知装置1は、車載レーダ装置2から送出される光または電波の探査信号5を受信する受信部6、この受信部6で受信した探査信号5に対する受信信号レベルを検出する受信信号レベル検出回路7、この受信信号レベル検出回路7からの出力より接近車両の有無を判定し、必要な場合に発光指令を出力する処理ロジック部8、この処理ロジック部8の発光指令に応答してLEDのような発光素子9を発光させる発光部10、そして各回路に対して電源を供給する電池11を備えている。
【0033】
図示するレーダ装置2は、従来から知られている赤外レーザを用いるレーザレーダ装置または電磁波を用いる電波レーダ装置である。第1の実施の形態は歩行者存在報知装置1を特徴とするものであり、レーダ装置2のレーダ方式について特に問うものではない。従来から採用されている一般的なレーダ装置の距離検出方式としては、所定の短時間のパルス信号を送信し、そのパルス信号の反射時間を観測して距離検出するパルス方式や、三角波で周波数変調した連続波を送出し、反射信号の周波数を観測して距離検出するFW−CW方式がある。また一般的なレーダ装置による反射物標の方位を検出する方式としては、送出信号の送出方位を水平方向に変えながら送出し、反射信号が得られるビーム番号から方位を検出するビームスキャン方式や、初めから方位を異ならせた複数の固定ビームを送出し、各方向からの反射信号の受信強度差に基づいて物標方位を検出するモノパルス方式がある。以下では、説明を簡明にするために車両4には、ビームスキャン方式レーザレーダ装置2が搭載されているものとして説明する。
【0034】
このようなビームスキャン方式のレーダ装置2は、探査信号5としてレーザビームLBを出射するレーザ発光体12と、このレーザ発光体12の出射するレーザビームLBを、前方に送出方向を変えながら送出する送出方向操作部13とを有するレーザ発光部14、物標からの反射信号15を受光し、反射信号レベルに応じた受光信号を出力する受光部16、そしてレーザ発光部14に対してレーザ発光制御、送出方向制御を行い、また受光部16の受光信号に基づき、物標有無の判定、物標の方位、距離の検出処理を行う処理ロジック部17から構成されている。
【0035】
そしてこのレーダ装置2は、赤外レーザのパルス光LBを探査信号5として前方に出射し、前方の物標からの反射光15を受光するまでの時間差Δtより物標までの距離Dを算出する。距離Dの算出式は、次のようなものである。
【0036】
【数1】
D=c・Δt/2 (ただし、cは光速)
またレーダ装置2は、上記のパルス光LBの照射角度を横方向にずらしながら距離計測を行う。例えば、パルス幅20nsec の赤外光を100μsec の間隔で照射角度を0.02度ずつ横方向にずらしながら前方に照射する。そして横方向にビームスキャンする全角度は約12度とする。
【0037】
このような仕様は、次の理由による。図3に示したように、レーザレーダ装置2では、先行障害物として、高速道を走行中の先行車20を検出する必要がある範囲として同一車線上の前方約100mを想定している。また反射物標としては、光を入射してきた方向に反射する先行車両の後尾に設置されているリフレックスリフレクタ21を想定している。
【0038】
このため、一般的なレーザレーダ装置2では、先行車20のリフレックスリフレクタ21以外の物標の表面にレーザ光LBが照射される場合には、その表面での吸収や散乱が大きくて反射光の強度が弱く、距離計測ができるのは30m程度となる。したがって公知のレーダ装置2は、前方の歩行者に直接にレーザ光LBを照射してその反射光によって歩行者の存在を検出する装置として用いるには適さず、本来の先行車両追従、追突警戒のための用途以外には利用されていない。
【0039】
しかしながら、本発明の第1の実施の形態の場合、歩行者3に上述の構成の歩行者存在報知装置1を着用させることにより、上述した公知のレーザレーダ装置2から送出されるレーザ光に対して、歩行者存在報知装置1を感応させて歩行者存在報知信号を発信させ、夜間に運転者が前方の歩行者を視認できるようにし、歩行者保護を図るのである。
【0040】
この歩行者存在報知装置1の動作を、図1及び図2を参照して説明する。車両4のレーダ装置2から送出される一定間隔の探査信号5を受信部6で検出し、受信信号強度に応じた信号を受信信号レベル検出回路7に出力する。受信信号レベル検出回路7では、受信信号に対して信号レベルLxを検出して処理ロジック部8に出力する。
【0041】
処理ロジック部8は、受信信号レベルLxがあらかじめ設定されている所定の信号レベルLth以上であるか否か判定し、所定レベルLth以上であれば発光部10に発光指令を与え、発光部10は発光素子9を発光させて歩行者存在を車両4の運転者に報知する。
【0042】
しかしながら、上述したように、通常のレーダ装置2の探査信号5としてのレーザ光LBの横方向の照射角度は12度程度であるため、車両4が歩行者3に近づくにしたがってレーダ装置2の探査信号5の照射幅長が短くなり、歩行者存在報知装置1が探査信号5を検出できる領域も狭くなる。理論上は、車両4の前方17m以下では通常の車線幅よりも小さくなり、歩行者存在報知装置1を携行している歩行者3が車線内を歩行している状態でも死角領域に入り、レーダ装置2からの探査信号5を検出しない状況になる場合がある。
【0043】
これを避けるために、本実施の形態の歩行者存在報知装置1では、探査信号5の受信レベルがいったん所定レベルを超えて発光部10を発光させた後は、探査信号5の受信レベルLxが所定レベルLth未満になっても、処理ロジック部8は発光部10に対してあらかじめ設定した所定時間の間、発光動作を継続させるようにしている。
【0044】
これにより、第1の実施の形態の歩行者報知装置1では、車両4のレーダ装置2の探査信号5に感応して歩行者存在を報知し始めれば、その後、車両4が歩行者3に接近し、レーダ装置2から死角領域に入っても歩行者存在を継続して報知し続けることになり、前述の死角領域に入ったために報知信号が途切れてしまうということがなく、充分前方から極近距離まで継続して報知信号を発信し続けて車両4の運転者に歩行者3の存在を知らせ続けることができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態の歩行者存在報知装置について、図4及び図5を参照して説明する。第2の実施の形態の特徴は、図1及び図2に示した第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1において、処理ロジック部8に図4及び図5に示す処理機能を追加したものである。なお、その他の構成は第1の実施の形態と共通であるので、以下、同一の符号を用いて説明する。
【0046】
処理ロジック部8は、受信信号レベル検出回路7の検出した探査信号5に対する受信信号レベルLxを、あらかじめ設定されている第1の所定レベルL1、第2の所定レベルL2、そして第3の所定レベルL3(L1>L2>L3)と比較し、次のように判定する。
【0047】
車両4のレーダ装置2から送出された探査信号5の受信レベルLxが第2の所定レベルL2以上であれば発光部10に発光指令を出力する(ステップS05〜S20、またステップS05,S10,S40)。
【0048】
そしてその後も探査信号5の受信レベルLxを第1の所定レベルL1、それよりも小さい第2の所定レベルL2と比較し続け、探査信号5の受信レベルLxが第1の所定レベルL1以上の状態から第3の所定レベルL3未満になったときには発光部10に対する発光指令を所定時間継続する(ステップS45〜S60)。
【0049】
しかしながら、受信レベルLxが第2の所定レベルL2以上で第1の所定レベルL1未満のレベルから第3の所定レベルL3未満になったときには発光部10に対する発光指令を直ちに停止する(ステップS25〜S35)。
【0050】
これは、次の理由による。すなわち、歩行者3が車両4の前方遠距離点を歩行している場合、車両4に搭載されているレーダ装置2から送出される探査信号5に対する歩行者存在報知装置1の受信部6が受信する探査信号5の受信レベルLxは比較的低く、一方、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行している場合には、同じ探査信号に対する受信レベルLxは比較的高い。したがって、前方遠距離点を歩行している歩行者3の歩行者存在報知装置1がその後に探査信号5を受信しなくなった場合には、その歩行者3は道路から脇道に逸れたので注意する必要がないが、他方、中近距離を歩行している歩行者3の歩行者存在報知装置1がその後に探査信号5を受信しなくなった場合には、通常の照射角度のレーダ装置2からの探査信号5の死角領域に入る極近距離まで近づいていると想定するのが実状に即している。
【0051】
そこで第2の実施の形態の歩行者存在報知装置1では、図5(a)に示すように、歩行者3が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2から発信される探査信号5に対する歩行者存在報知装置1の信号受信レベルLxが比較的低く、第1の所定レベルL1と第2の所定レベルL2との間であれば発光部10により発光させるが、その後に探査信号の受信レベルLxが第3の所定レベルL3未満になれば発光部10による発光を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して歩行者存在を報知するために発光し続けることがないようにする。
【0052】
他方、図5(b)に示すように、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置1の信号受信レベルLxが比較的高く、第1の所定レベルL1以上であれば、その後に探査信号の受信レベルLxが第3の所定レベルL3未満になっても発光を継続させることにより、車両の運転者に対して自車の直前側方に近づいた歩行者3の存在を当該装置1からの発光信号により確実に知らせることができるようにする。
【0053】
これにより、当該歩行者存在報知装置が特に夜間の歩行者保護装置として有効に利用できるようになる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6に基づいて説明する。第3の実施の形態で用いる歩行者存在報知装置1Aは、レーダ方式がパルス方式で、方位検出手段がビームスキャニング式のレーダ装置2Aに感応して光信号を報知信号として送出することを特徴とする。
【0055】
まず、レーダ装置2Aは、処理ロジック部17Aにより所定の短時間ずつパルス信号を探査信号5Aとして横方向に送信方位を変えながら発信するレーザ発光部14A、物標からの反射光15Aを受光する受光部16Aを備えている。処理ロジック部17Aは上述の探査信号5Aの送出タイミングと送出方位の制御と共に、反射光15Aを受光した時にレーザ探査信号5Aの送信方位番号から物標の方位を決定し、また探査信号5Aと反射信号15Aとの送受タイミングのずれから物標までの距離を決定して障害物情報を出力する働きをする。
【0056】
このようなレーダ装置2Aに感応する歩行者存在報知装置1Aは、探査パルス信号5Aを受信してパルス信号を出力する受信部6A、所定時間、例えば100msecの間にこの受信部6Aが受信した探査信号5Aのパルス数をカウントする受信パルス数カウント回路7A、この受信パルス数カウント回路7Aの出力するパルス数カウント値Cxを所定のしきい値Cthと比較し、カウント値Cxがしきい値Cth以上である場合に発光指令を出力する処理ロジック部8A、この処理ロジック部8Aの発光指令を受けて報知信号として光信号を発信する発光部10A、そして電源としての電池11Aを備えている。
【0057】
この第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aも、基本的には、レーダ装置2Aの探査信号5Aに感応して歩行者存在報知信号として光信号を発信し、車両4の運転者に知らせる働きをする。
【0058】
すなわち、図1に示したシチュエーションにおいて、車両4のレーダ装置2Aから送出される一定間隔の探査信号5Aの所定時間間隔のパルス信号を受信部6Aで検出する。この実施の形態の場合、歩行者存在報知装置1A内でレーダ装置2Aとの距離を判断する目安となるものに、第1の実施の形態のような受信信号レベルの他に受信信号ビーム数がある。レーダ装置2Aと歩行者存在報知装置1Aとの距離間隔が近くなると、歩行者存在報知装置1Aの受信部6Aの面積が無視できなくなり、レーダ装置2Aから入射する探査信号5Aのパルス数が多くなる。このことより、レーダ装置2Aの1スキャンに相当する時間内の受信部6Aの受信パルス数を観測することにより受信信号レベルと同様に後方の車両4が歩行者3の近傍まで接近しているか否かの判定が可能である。
【0059】
そこで、受信パルス数カウント回路7Aが、受信部6Aが受信して出力するパルス信号に対して所定時間ごとに、所定時間ずつパルス数Cxをカウントして処理ロジック部8Aに出力する。
【0060】
処理ロジック部8Aでは、受信パルス数Cxがあらかじめ設定されている所定値Cth以上であるか否か判定し、所定値Cth以上であれば発光部10Aに発光指令を与え、発光部10Aは歩行者存在を車両4の運転者に光信号により歩行者存在を報知する。
【0061】
そして第3の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態と同様に、車両4が歩行者3に近づくにしたがってレーダ装置2Aの探査信号5Aの照射幅長が短くなり、歩行者存在報知装置1Aが探査信号5Aを検出できる領域も狭くなるので、探査信号5Aの受信パルス数Cxがいったん所定値Cthを超えて発光部10Aを発光させた後は、探査信号5Aの受信パルス数Cxが所定値Cth未満になっても、処理ロジック部8Aは発光部10Aに対してあらかじめ設定した所定時間の間、発光動作を継続させる。
【0062】
こうして、第1の実施の形態の歩行者報知装置と同様に、第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aでは、車両4のレーダ装置2Aの探査信号5Aに感応して歩行者存在を報知し始めれば、その後、車両4が歩行者3に接近し、レーダ装置2Aから死角領域に入っても歩行者存在を継続して報知し続けるようにしたことにより、充分前方から極近距離まで継続して報知信号を発信し続けて車両4の運転者に歩行者3の存在を知らせ続けることができる。
【0063】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図7及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の歩行者存在報知装置は、図6に示した第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aにおいて、処理ロジック部8Aに図7及び図8に示す処理機能を追加したものである。なお、その他の構成は第3の実施の形態と共通であるので、以下、同一の符号を用いて説明する。
【0064】
処理ロジック部8Aは、受信パルス数カウント回路7Aのパルス数カウント値Cxを、あらかじめ設定されている第1の所定値C1、第2の所定値C2、そして第3の所定値C3(C1>C2>C3)と比較し、次のように判定する。
【0065】
車両4のレーダ装置2Aから送出された探査パルス信号5Aの受信パルス数カウント値Cxが第2の所定値C2以上であれば発光部10Aに発光指令を出力する(ステップS05A〜S20A、またはステップS05A,S10A,S40A)。
【0066】
そしてその後も探査信号5Aの受信パルス数カウント値Cxを第1の所定値C1、それよりも小さい第2の所定値C2と比較し続け、探査信号5Aの受信パルス数カウント値Cxが第1の所定値C1以上の状態から第3の所定値C3未満になったときには発光部10Aに対する発光指令を所定時間継続する(ステップS45A〜S60A)。
【0067】
しかしながら、受信パルス数カウント値Cxが第2の所定値C2以上で第1の所定値C1未満のレベルから第3の所定値C3未満になったときには発光部10Aに対する発光指令を直ちに停止する(ステップS25A〜S35A)。この理由は、第2の実施の形態で述べたのと同様である。
【0068】
これにより、第4の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aでは、図8(a)に示すように、歩行者3が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2Aから発信される探査信号5Aに対する歩行者存在報知装置1Aの受信パルス数カウント値Cxが比較的低く、第1の所定値C1と第2の所定値C2との間であれば、その後に探査信号の受信パルス数カウント値Cxが第3の所定値C3未満になれば発光部10Aによる発光を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して歩行者存在を報知するために発光し続けさせない。
【0069】
他方、図8(b)に示すように、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2Aから発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置1Aの受信パルス数カウント値Cxが比較的高く、第1の所定値C1以上であれば、その後に探査信号の受信パルス数カウント値Cxが第3の所定値C3未満になっても発光を継続させることにより、車両の運転者に対して自車の直前側方に近づいた歩行者3の存在を当該装置1Aからの発光信号により確実に知らせるようにする。
【0070】
これにより、当該歩行者存在報知装置が特に夜間の歩行者保護装置として有効に利用できるようになる。
【0071】
次に、本発明の第5の実施の形態について、図9及び図10に基づいて説明する。第5の実施の形態における歩行者存在報知装置1Bは、特に発光部10Bを図10の構成にしたことを特徴とし、また車両4は、第1の実施の形態で採用したレーダ装置2とは別に歩行者検出装置25を搭載し、この歩行者検出装置25から歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力し、車両制御装置側で、例えば警報ランプを点灯させると共に警報音を出力し、あるいはディスプレイに歩行者注意の表示をさせると共にアナウンスする等を行わせるために利用させるようにしたことを特徴としている。
【0072】
まず、図9によって歩行者検出装置25の構成を説明する。歩行者検出装置25は、一つまたは複数の撮像素子(例えば、CCD)を備えた撮像装置26と、この撮像装置26で得られる前方画像の中から歩行者存在報知装置1Bの発光動作を検出し、歩行者検出信号を車両制御装置側へ出力する認識ロジック部27を備えている。
【0073】
一方、歩行者存在報知装置1Bの発光部10Bは、図10に示すように、車両4の歩行者検出装置25の撮像装置26が比較的遠方からこの発光部10Bを自動的に認識できる大きさとなるように発光素子9Bを配置した構成である。なお、この歩行者存在報知装置1Bのその他の構成要素については、図1及び図2に示した第1の実施の形態のものと共通とする。
【0074】
上述した発光部10Bの発光素子9Bの個数及び配置は、所定距離以遠に存在する撮像装置26で物標認識可能な必要画素数を満足するように、一例として、車載の撮像装置26に10万画素程度のCCDを複数使用し、検知範囲を50m以内と設定した場合、歩行者存在報知装置1Bの発光部10Bにおける発光素子9Bの大きさ、配置は、図10に示したように150mm×50mm程度にするのが望ましい。
【0075】
これにより、第5の実施の形態によれば、車載の歩行者検出装置25に撮像装置26で認識できる所定範囲内に歩行者存在報知装置1Bを携行する歩行者3が存在する場合で、かつ歩行者存在報知装置1Bにおいてレーダ装置2を搭載した車両が接近していると判断して歩行者存在を報知するために発光部10Bの発光素子9B群が発光動作している状況では、車両4の運転者が発光部10Bの発光に気づかない場合でも、車載の歩行者検出装置25が歩行者存在報知装置1Bの発光信号28を検出して歩行者検出の信号を出力することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0076】
次に、本発明の第6の実施の形態について、図11に基づいて説明する。第6の実施の形態の特徴は、図1及び図2に示した第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、発光部10の発光素子を所定のコードに基づいて発光させ、この発光信号28Cを車載の歩行者検出装置25Aによって受信させ、デコードさせることにより歩行者存在報知装置1Cからの歩行者報知信号であることを検出させる点にある。
【0077】
この第6の実施の形態で採用する歩行者存在報知装置1Cは、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、処理ロジック部8の発光指令信号を受けてコード信号を生成するコード生成部31を追加的に備え、このコード生成部31の出力するコード信号により発光部10が所定のコードパターンで発光し、歩行者報知信号28Cとして出力する構成である。
【0078】
また車載の歩行者検出装置25Aは、歩行者報知信号28Cを受信する受信部32、コード化された受信信号28Cをデコードするデコード回路33、そしてこのデコード回路33がデコードした信号が歩行者報知信号であるか否かを判断し、歩行者報知信号であると判断した時に歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力する処理部34を備えている。なお、車載のレーダ装置2は図1及び図2に示した第1の実施の形態で採用したものと同じである。
【0079】
上述の歩行者存在報知装置1Cは、レーダ装置2からの探査信号5を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理によって処理ロジック部8から発光指令を出力する。この発光指令はコード生成部31に入力され、ここで発光部10の発光出力を歩行者検出コードに従ってオン/オフ変調し、あるいは信号強度変調し、これによって発光部10の光信号をコード化し、報知信号28Cとして送出させる。
【0080】
車載の歩行者検出装置25Aでは、歩行者報知信号28Cを受信部32で受信し、その受信信号をデコード回路33においてデコードして処理部34に出力する。処理部34はデコードされた受信信号が、歩行者存在を報知する信号であるか否か判断し、歩行者存在を報知する信号であると判断すれば、歩行者検出信号として車両制御装置(図示せず)に出力する。
【0081】
なお、車両制御装置はこの歩行者検出信号を受信すれば、第5の実施の形態の場合と同様に、運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0082】
これにより、第6の実施の形態の歩行者存在報知装置1C及び車載の歩行者検出装置25Aでは、発光部10が発光動作している状況で、車両4の運転者がその発光に気づかない場合でも、車載の歩行者検出装置25Aが歩行者存在報知装置1Cの発光信号28Cを検出して歩行者検出の信号を出力することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0083】
次に、本発明の第7の実施の形態について、図12基づいて説明する。第7の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、発光部10に代えて歩行者報知信号として電波信号を出力するようにし、また電波の場合には車両4の運転者には視認することができないので、車両4側にはレーダ装置2とは別に、電波信号を受信して歩行者存在を検出する車載用歩行者検出装置25Bを設置した点にある。
【0084】
この第7の実施の形態で採用する歩行者存在報知装置1Dは、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1における発光部10に代えて、処理ロジック部8の出力指令を受けて所定波形の電波信号を発信する電波発信回路41と、この電波信号43を空中に歩行者報知信号43として出力するアンテナ42を備えている。
【0085】
一方、車載の歩行者検出装置25Bは、歩行者報知電波信号43を受信する電波受信アンテナ44、このアンテナ44の受信信号を増幅する受信部45、そして受信信号から歩行者報知信号であるか否か判定を行い、歩行者報知信号であると判断した時に歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力する歩行者判定部46を備えている。なおこの実施の形態においても、車載のレーダ装置2は図1及び図2に示した第1の実施の形態で採用したものと同じである。
【0086】
上述の歩行者存在報知装置1Dは、レーダ装置2からの探査信号5を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理によって処理ロジック部8から報知信号出力指令を電波発信回路41に出力する。電波発信回路41は報知信号出力を受けて所定波形の電波信号を生成して出力し、電波アンテナ42によって空中に歩行者報知信号43として出力する。
【0087】
車載の歩行者検出装置25Bでは、歩行者報知電波信号43をアンテナ44で受信し、受信部45で増幅し、歩行者判定部46において歩行者報知信号であるか否か判定し、歩行者存在を報知する信号であると判断すれば、歩行者検出信号として車両制御装置(図示せず)に出力する。
【0088】
なお、車両制御装置はこの歩行者検出信号を受信すれば、第5、第6の実施の形態の場合と同様に、運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0089】
これにより、第7の実施の形態の歩行者存在報知装置1D及び車載の歩行者検出装置25Bでは、車載の歩行者検出装置25Bが歩行者存在報知装置1Dの電波信号43を検出することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0090】
なお、上記の第6及び第7の実施の形態では、歩行者報知信号28Cまたは43に歩行者を識別するIDコード情報を組み込めるようにし、また歩行者検出装置25A,25Bによってデコードするようにすれば、歩行者存在の検出のみならず、歩行者の区別まで可能となる。
【0091】
さらに、歩行者存在報知装置1Dから電波信号を歩行者報知信号43として出力する場合、車載の歩行者検出装置25Bによって直接受信させようとすれば電界強度の強い電波信号を出力しなければならず、電池寿命が短くなるきらいがある。そこで、図13に示したように、インフラとして道路沿いに歩行者存在報知装置1Dと車載の歩行者検出装置25Bとの間の信号を中継する中継器51を適宜距離間隔で設置しておくことができ、これによってより複雑な情報の送受が可能となる。なお、52は中継アンテナである。
【0092】
次に、本発明の第8の実施の形態を図14に基づいて説明する。第8の実施の形態で用いる歩行者存在報知装置1Eは、電波式パルスレーダ装置2Bから送出される探査信号5Bとしての電波パルス信号を電波アンテナ760で受信し、第1の実施の形態と同様にその電波パルス信号5Bの受信レベルに応じて感応し、歩行者存在報知のための発光する機能を備えたことを特徴とする。なお、電波信号5Bの受信レベルがしきい値未満になっても継続して歩行者報知のために発光を継続する点も第1の実施の形態と同様である。
【0093】
そしてこのような歩行者存在報知装置1Eに感応させる車載のレーダ装置2Bには、第1の実施の形態のレーザレーダ装置2に代えて、電波パルス信号5Bを送出する電波式のパルスレーダ装置2Bを用いる。
【0094】
図14に示す電波式パルスレーダ装置2Bにおいて、61は送信信号を発生する電圧制御発振器(VCO)で、62はVCO61を保護するアイソレータ、63,63′は送信電波信号5B、LO信号、反射信号15Bを分波するサーキュレータ、64は送信動作のオン/オフを制御するスイッチ、65は受信信号15BをLO信号で周波数変換するミキサ、66は電波の送受信を行う送受信アンテナである。さらに、67は送信直後のノイズを除去するゲート回路、68はVCO61を変調させる駆動回路、69はパルス信号の送信動作にトリガをかけるトリガ回路、70はパルス信号を送信するレーダヘッド部71の送信方位を所定角度ずつ横方向に変化させるモータ及び駆動部である。さらに、72は信号処理部である。
【0095】
この電波式パルスレーダ装置2Bの先行障害物検出装置としての動作は、第1の実施の形態の場合とほぼ同様であり、レーダ装置2Bから極短パルスの電波5Bを一定時間間隔で前方に送出し、物標から戻ってくる反射電波15Bを受信すれば、送受信タイミングの時間差によって反射物標までの距離を算出する。またレーダヘッド部71をモータ及び駆動部70によって左右に回転させてビームスキャンを行い、物標の方位を検出する。なお、物標の方位検出方式には、複数の一次放射器を設けたマルチビーム方式であってもよい。
【0096】
そこで、かかるレーダ装置2Bを搭載している車両4の前方を歩行している歩行者3が上記の歩行者存在報知装置1Eを携行していれば、電波信号5Bに感応して発光し、その後、車両4が歩行者3に接近したために電波信号5Bが届かない死角領域に歩行者3が入ってしまった場合でも、所定時間継続して報知信号として発光し続け、運転者に歩行者の存在を知らせることができることになる。
【0097】
次に、本発明の第9の実施の形態を図15に基づいて説明する。第9の実施の形態は、第8の実施の形態と同様に、歩行者存在報知装置1Eに対して有効なレーダ装置2Cに特徴がある。
【0098】
このレーダ装置2Cは、FW−CWレーダ装置であり、送信信号5CとLO信号を分波する方向性結合器81、三角波発生器82であり、その他の構成要素は図14に示した第8の実施の形態と共通である。このレーダ装置2Cは、物標からの反射信号15Cの周波数シフト量を測定し、それに基づいて物標までの距離を算出することを特徴とする。
【0099】
このようなレーダ装置2Cに対しても、図14に示した第8の実施の形態で使用した歩行者存在報知装置1Eは感応することができ、送信信号5Cを受信すれば、その後に受信レベルがしきい値未満になっても所定時間継続して発光することにより、車両の近くに歩行者が存在していることを運転者に確実に知らせることができるようになる。
【0100】
なお、上記の各実施の形態において、歩行者存在報知装置がレーダ装置の送信信号に対する受信レベル若しくは受信パルス数カウント値を単純に一つのしきい値と比較して発光部あるいは電波発信回路により歩行者報知信号を出力させる構成のものについては、等しく、第2の実施の形態及び第4の実施の形態のように、受信レベル若しくは受信パルス数カウント値を第1の比較値及び第2の比較値と比較させ、それらの間での大小関係によって、その後に受信レベルまたは受信パルス数カウント値が第3の比較値未満なった場合に報知信号の出力を所定時間継続し、あるいは直ちに中止する制御を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の歩行者存在報知装置とレーダ装置との関係を示す説明図。
【図2】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図3】上記の実施の形態におけるレーダ装置の物標検出機能と歩行者存在報知機能とを示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態による歩行者存在報知処理のフローチャート。
【図5】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置による歩行者存在報知動作と受信信号レベルと対応関係を示すグラフ。
【図6】本発明の第3の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態による歩行者存在報知処理のフローチャート。
【図8】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置による歩行者存在報知動作と受信信号パルス数との対応関係を示すグラフ。
【図9】本発明の第5の実施の形態における歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成と機能を示すブロック図。
【図10】上記の実施の形態の歩行者存在報知装置の発光部の正面図。
【図11】本発明の第6の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第7の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成を示すブロック図。
【図13】上記の第7の実施の形態の変形例の歩行者存在報知装置、これに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置及び中継装置の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第8の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の第9の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図16】従来例の説明図。
【符号の説明】
1,1A〜1E 歩行者存在報知装置
2,2A〜2C レーダ装置
3 歩行者
4 車両
5,5A〜5C 探査信号
6,6A〜6C 受信部
7 受信信号レベル検出回路
7A 受信パルス数カウント回路
8,8A 処理ロジック部
9 発光素子
10,10A 発光部
11 電池
12,12A 発光部
15,15A 反射信号
16,16A 受信部
17,17A 処理ロジック部
25,25A,25B 歩行者検出装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行者存在報知装置及び車載用歩行者検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路上の歩行者の存在を知らせる歩行者存在報知装置として、特開平10−215903号公報に記載されたものが知られている。この従来の歩行者存在報知装置は、図16に示すように、車両101のヘッドランプ102の照射光103を感知するヘッドライト感知装置を歩行者104の履き物105に組み込み、このヘッドライト感知装置によってヘッドランプ102からの照射光103を感知すれば履き物105に組み込んだLED光源を発光させることにより、車両101の運転者に歩行者104の存在を知らせようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、車両の前部に取り付けられたレーダ装置から光や電波を前方にスキャンさせながら照射し、この光や電波の反射波から前方に存在する車両等の障害物を検出して警報や警告表示を行う先行障害物検出装置が考えられている。
【0004】
そこで、前述の発光機能付き履き物においてヘッドランプの照射光を感知する代わりに、このような光や電波の信号に感知してLED光源を発光させることによって運転者に前方に歩行者が存在することを報知させることが考えられる。
【0005】
ところが、先行障害物検出装置の場合、自車両が走行する車線上の障害物を確実に検出することを目的としているので、障害物検出の幅を広くする目的で、スキャニングの間隔を変えずにレーダ装置から送出する光や電波の信号の照射角度を広げると、その分データ量が多くなって高性能な処理装置が必要となり高価になってしまう。他方、これを回避するために、照射角度を広げると共にスキャニングの間隔も広くすれば本来の先行障害物検出の精度が低くなってしまう。このため、レーダ装置から送出する光や電波の信号の照射角度をあまり広くすることは実用的ではない。
【0006】
したがって、前方の歩行者が着用している発光機能付履き物に感知させるために先行障害物検出装置のレーダ装置から送出する光や電波の信号に感知してLED光源を発光させるようにしたとしても、前述したようにレーダ装置の照射角度が広くないために、歩行者がそのような履き物を着用していたとしても車両の直前側方を歩行しているような状況ではレーダ装置からの信号によって履き物のLED光源が発光することがなく、早期の歩行者検出支援のための手段としては不十分であった。
【0007】
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたもので、従来の先行障害物検出装置の送出する光や電波の信号を利用して、車両近傍に障害物が存在した場合でもその存在を確実に車両運転者に知らせることができる歩行者存在報知装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、上記の歩行者存在報知装置を着用した歩行者を確実に検出して運転者に報知することができる車載用歩行者検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の歩行者存在報知装置は、所定の探査信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した前記探査信号の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが所定レベル以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、前記報知信号出力手段が、前記所定レベルとして、第1のレベルと、該第1のレベルよりも小さい第2のレベルと、該第2のレベルよりも小さい第3のレベルを用い、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが少なくとも前記第2のレベル以上である場合に報知信号を発信し、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第1のレベル以上の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第2のレベル以上で且つ前記第1のレベル未満の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止するようにしたものである。
【0011】
請求項2の発明の歩行者存在報知装置は、探査信号送出手段から送出方位を変えながら送出される所定の探査信号を受信する受信手段と、所定時間当たりに前記受信手段の受信した前記探査信号の受信数をカウントする信号受信数カウント手段と、前記信号受信数カウント手段のカウントする前記信号受信数が所定値以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、前記報知信号出力手段が、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記所定値以上から前記所定値未満へと変化したときには、前記所定値未満となったときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続して行うようにしたものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段が、前記所定値として、第1の所定値と、該第1の所定値よりも小さい第2の所定値と、該第2の所定値よりも小さい第3の所定値を用い、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が少なくとも前記第2の所定値以上である場合に報知信号を発信し、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第1の所定値以上の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第2の所定値以上で且つ前記第1の所定値未満の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止するようにしたものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜3の歩行者存在報知装置において、前記所定の探査信号に赤外光または電波を用い、前記報知信号に赤外光または電波を用いることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段の発信する信号は、所定コードに則ってオン/オフする信号または信号強度が変化するものとし、当該報知信号の受信手段で受信してデコードして歩行者存在を認識させるものである。
【0016】
請求項6の発明の車載用歩行者検出装置は、請求項1〜5のいずれかの歩行者存在報知装置の出力する報知信号を受信し、歩行者報知を行うものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明の歩行者存在報知装置では、車両から発信される所定の探査信号を受信手段で受信し、受信レベル検出手段によってその受信レベルを検出する。そして報知信号出力手段が、探査信号の受信レベルが所定レベル以上である場合に所定の方向に報知信号を発信して歩行者の存在を車両に報知する。このとき、報知信号出力手段は、前記所定レベルとして、第1のレベルと、該第1のレベルよりも小さい第2のレベルと、該第2のレベルよりも小さい第3のレベルを用い、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが少なくとも第2のレベル以上である場合に報知信号を発信し、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが第1のレベル以上の状態から第3のレベル未満へと変化した場合には、第3のレベル未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、報知信号の発信を継続し、受信レベル検出手段の検出した受信レベルが第2のレベル以上で且つ第1のレベル未満の状態から第3のレベル未満へと変化した場合には、第3のレベル未満へと変化したときに直ちに報知信号の発信を停止する。
【0018】
これにより、前方を歩行する歩行者に車両が接近する場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置が発信する所定の探査信号により歩行者の着用している歩行者存在報知装置が反応して報知信号をいったん発信し始めると、その後に車両が歩行者に近づき、先行障害物検出装置の探査信号の照射角度が広くないために歩行者存在報知装置に受信されなくなっても、歩行者存在報知装置が報知信号を発信することになり、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者をその人が着用している歩行者存在報知装置から発信される報知信号により確実に視認することができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0019】
歩行者が車両の前方遠距離点を歩行している場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置の受信手段が受信する探査信号の受信レベルは比較的低く、一方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行している場合には、同じ探査信号に対する受信レベルは比較的高い。したがって、前方遠距離点を歩行している歩行者の歩行者存在報知装置がその後に探査信号を受信しなくなった場合には、その歩行者は道路から脇道に逸れたので注意する必要がないものと判断でき、他方、中近距離を歩行している歩行者の歩行者存在報知装置がその後に探査信号を受信しなくなった場合には、通常の照射角度の先行障害物検出装置からの探査信号が受信できない直前方まで近づいている可能性が高い。
【0020】
そこで請求項1の発明の歩行者存在報知装置では、歩行者が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置によるその探査信号に対する受信レベルが比較的低い場合、つまり第1のレベルとそれよりも小さい第2のレベルの間であれば、その後に探査信号の受信レベルが第2のレベルよりも小さい第3のレベル未満になったときに報知信号の発信を直ちに停止させ、前方遠距離点を歩行している歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して報知信号を発信し続けることがないようにする。
【0021】
他方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置によるその探査信号に対する受信レベルが比較的高い場合、つまり第1のレベル以上であれば、その後に探査信号の受信レベルが第3のレベル未満になっても所定時間の間は報知信号の発信を継続させることにより、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者からの報知信号により確実にその歩行者の存在を知らせることができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0022】
請求項2の発明の歩行者存在報知装置では、車両等に設置された探査信号送出手段から送出方位を変えながら送出される所定の探査信号を受信手段で受信し、信号受信数カウント手段によってその信号受信数をカウントする。そして報知信号出力手段が、探査信号の信号受信数が所定値以上である場合に所定の方向に報知信号を発信して歩行者の存在を車両に報知すると共に、探査信号の信号受信数が所定値以上から所定値未満へと変化したときには、所定値未満となったときから所定時間の間、報知信号の発信を継続して行う。
【0023】
これにより、前方を歩行する歩行者に車両が接近する場合、車両に搭載されている先行障害物検出装置が送出方位を変えながら送出する所定の探査信号により歩行者の着用している歩行者存在報知装置が反応して報知信号をいったん発信し始めると、その後に車両が歩行者に近づき、先行障害物検出装置の探査信号の照射角度が広くないために歩行者存在報知装置に受信されなくなっても、歩行者存在報知装置が報知信号を発信することになり、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者をその人が着用している歩行者存在報知装置から発信される報知信号により確実に歩行者の存在を知らせることができ、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0024】
請求項3の発明の歩行者存在報知装置では、信号受信数カウント手段によってカウントした信号受信数が、第1の所定値以上から第3の所定値未満へと変化したときには、第3の所定値未満へと変化したときから所定時間の間、報知信号出力手段による報知信号の発信を継続し、第1の所定値と第2の所定値との間の値から第3の所定値未満へと変化したときには、第3の所定値未満へと変化したときに直ちに、報知信号出力手段による報知信号の発信を停止させる。
【0025】
これにより、歩行者が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置による信号受信数が比較的小さい場合、つまり第1の所定値とそれよりも小さい第2の所定値との間であれば、その後に探査信号に対する信号受信数が第3の所定値未満になったときに報知信号の発信を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して報知信号を発信し続けることがないようにする。
【0026】
他方、歩行者が車両の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両の先行障害物検出装置から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置による信号受信数が比較的大きい場合、つまり第1の所定値以上であれば、その後に探査信号に対する信号受信数が第3の所定値未満になっても所定時間の間は報知信号の発信を継続させることにより、車両の運転者は自車の直前側方に近づいた歩行者からの報知信号により確実にその歩行者の存在を知らせることができるようになり、当該歩行者存在報知装置を特に夜間の歩行者保護装置として利用できる。
【0028】
請求項5の発明は、請求項1〜4の歩行者存在報知装置において、前記報知信号出力手段の発信する信号は、所定コードに則ってオン/オフする信号または信号強度が変化するものとし、当該報知信号の受信手段で受信してデコードして歩行者存在を判定させるものであり、当該報知信号の受信手段を車載させることにより、歩行者の存在を確実に検出させることができ、車両の運転者に対して歩行者の確実な発見を支援することができる。
【0029】
請求項6の発明の車載用歩行者検出装置は、請求項1〜5のいずれかの歩行者存在報知装置の出力する報知信号を受信し、歩行者報知を行うものであり、当該歩行者存在報知装置を着用している歩行者を車両側で自動的に検知して運転者に報知することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1とレーダ装置2の使用例を示し、図2にそれらの機能構成を示している。
【0031】
歩行者存在報知装置1は歩行者3に携行させるものである。レーダ装置2は車両4の前部に搭載し、車両の前方を走行する他車両その他の障害物を自動的に検出し、運転者に知らせるためのものである。
【0032】
歩行者存在報知装置1は、車載レーダ装置2から送出される光または電波の探査信号5を受信する受信部6、この受信部6で受信した探査信号5に対する受信信号レベルを検出する受信信号レベル検出回路7、この受信信号レベル検出回路7からの出力より接近車両の有無を判定し、必要な場合に発光指令を出力する処理ロジック部8、この処理ロジック部8の発光指令に応答してLEDのような発光素子9を発光させる発光部10、そして各回路に対して電源を供給する電池11を備えている。
【0033】
図示するレーダ装置2は、従来から知られている赤外レーザを用いるレーザレーダ装置または電磁波を用いる電波レーダ装置である。第1の実施の形態は歩行者存在報知装置1を特徴とするものであり、レーダ装置2のレーダ方式について特に問うものではない。従来から採用されている一般的なレーダ装置の距離検出方式としては、所定の短時間のパルス信号を送信し、そのパルス信号の反射時間を観測して距離検出するパルス方式や、三角波で周波数変調した連続波を送出し、反射信号の周波数を観測して距離検出するFW−CW方式がある。また一般的なレーダ装置による反射物標の方位を検出する方式としては、送出信号の送出方位を水平方向に変えながら送出し、反射信号が得られるビーム番号から方位を検出するビームスキャン方式や、初めから方位を異ならせた複数の固定ビームを送出し、各方向からの反射信号の受信強度差に基づいて物標方位を検出するモノパルス方式がある。以下では、説明を簡明にするために車両4には、ビームスキャン方式レーザレーダ装置2が搭載されているものとして説明する。
【0034】
このようなビームスキャン方式のレーダ装置2は、探査信号5としてレーザビームLBを出射するレーザ発光体12と、このレーザ発光体12の出射するレーザビームLBを、前方に送出方向を変えながら送出する送出方向操作部13とを有するレーザ発光部14、物標からの反射信号15を受光し、反射信号レベルに応じた受光信号を出力する受光部16、そしてレーザ発光部14に対してレーザ発光制御、送出方向制御を行い、また受光部16の受光信号に基づき、物標有無の判定、物標の方位、距離の検出処理を行う処理ロジック部17から構成されている。
【0035】
そしてこのレーダ装置2は、赤外レーザのパルス光LBを探査信号5として前方に出射し、前方の物標からの反射光15を受光するまでの時間差Δtより物標までの距離Dを算出する。距離Dの算出式は、次のようなものである。
【0036】
【数1】
D=c・Δt/2 (ただし、cは光速)
またレーダ装置2は、上記のパルス光LBの照射角度を横方向にずらしながら距離計測を行う。例えば、パルス幅20nsec の赤外光を100μsec の間隔で照射角度を0.02度ずつ横方向にずらしながら前方に照射する。そして横方向にビームスキャンする全角度は約12度とする。
【0037】
このような仕様は、次の理由による。図3に示したように、レーザレーダ装置2では、先行障害物として、高速道を走行中の先行車20を検出する必要がある範囲として同一車線上の前方約100mを想定している。また反射物標としては、光を入射してきた方向に反射する先行車両の後尾に設置されているリフレックスリフレクタ21を想定している。
【0038】
このため、一般的なレーザレーダ装置2では、先行車20のリフレックスリフレクタ21以外の物標の表面にレーザ光LBが照射される場合には、その表面での吸収や散乱が大きくて反射光の強度が弱く、距離計測ができるのは30m程度となる。したがって公知のレーダ装置2は、前方の歩行者に直接にレーザ光LBを照射してその反射光によって歩行者の存在を検出する装置として用いるには適さず、本来の先行車両追従、追突警戒のための用途以外には利用されていない。
【0039】
しかしながら、本発明の第1の実施の形態の場合、歩行者3に上述の構成の歩行者存在報知装置1を着用させることにより、上述した公知のレーザレーダ装置2から送出されるレーザ光に対して、歩行者存在報知装置1を感応させて歩行者存在報知信号を発信させ、夜間に運転者が前方の歩行者を視認できるようにし、歩行者保護を図るのである。
【0040】
この歩行者存在報知装置1の動作を、図1及び図2を参照して説明する。車両4のレーダ装置2から送出される一定間隔の探査信号5を受信部6で検出し、受信信号強度に応じた信号を受信信号レベル検出回路7に出力する。受信信号レベル検出回路7では、受信信号に対して信号レベルLxを検出して処理ロジック部8に出力する。
【0041】
処理ロジック部8は、受信信号レベルLxがあらかじめ設定されている所定の信号レベルLth以上であるか否か判定し、所定レベルLth以上であれば発光部10に発光指令を与え、発光部10は発光素子9を発光させて歩行者存在を車両4の運転者に報知する。
【0042】
しかしながら、上述したように、通常のレーダ装置2の探査信号5としてのレーザ光LBの横方向の照射角度は12度程度であるため、車両4が歩行者3に近づくにしたがってレーダ装置2の探査信号5の照射幅長が短くなり、歩行者存在報知装置1が探査信号5を検出できる領域も狭くなる。理論上は、車両4の前方17m以下では通常の車線幅よりも小さくなり、歩行者存在報知装置1を携行している歩行者3が車線内を歩行している状態でも死角領域に入り、レーダ装置2からの探査信号5を検出しない状況になる場合がある。
【0043】
これを避けるために、本実施の形態の歩行者存在報知装置1では、探査信号5の受信レベルがいったん所定レベルを超えて発光部10を発光させた後は、探査信号5の受信レベルLxが所定レベルLth未満になっても、処理ロジック部8は発光部10に対してあらかじめ設定した所定時間の間、発光動作を継続させるようにしている。
【0044】
これにより、第1の実施の形態の歩行者報知装置1では、車両4のレーダ装置2の探査信号5に感応して歩行者存在を報知し始めれば、その後、車両4が歩行者3に接近し、レーダ装置2から死角領域に入っても歩行者存在を継続して報知し続けることになり、前述の死角領域に入ったために報知信号が途切れてしまうということがなく、充分前方から極近距離まで継続して報知信号を発信し続けて車両4の運転者に歩行者3の存在を知らせ続けることができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態の歩行者存在報知装置について、図4及び図5を参照して説明する。第2の実施の形態の特徴は、図1及び図2に示した第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1において、処理ロジック部8に図4及び図5に示す処理機能を追加したものである。なお、その他の構成は第1の実施の形態と共通であるので、以下、同一の符号を用いて説明する。
【0046】
処理ロジック部8は、受信信号レベル検出回路7の検出した探査信号5に対する受信信号レベルLxを、あらかじめ設定されている第1の所定レベルL1、第2の所定レベルL2、そして第3の所定レベルL3(L1>L2>L3)と比較し、次のように判定する。
【0047】
車両4のレーダ装置2から送出された探査信号5の受信レベルLxが第2の所定レベルL2以上であれば発光部10に発光指令を出力する(ステップS05〜S20、またステップS05,S10,S40)。
【0048】
そしてその後も探査信号5の受信レベルLxを第1の所定レベルL1、それよりも小さい第2の所定レベルL2と比較し続け、探査信号5の受信レベルLxが第1の所定レベルL1以上の状態から第3の所定レベルL3未満になったときには発光部10に対する発光指令を所定時間継続する(ステップS45〜S60)。
【0049】
しかしながら、受信レベルLxが第2の所定レベルL2以上で第1の所定レベルL1未満のレベルから第3の所定レベルL3未満になったときには発光部10に対する発光指令を直ちに停止する(ステップS25〜S35)。
【0050】
これは、次の理由による。すなわち、歩行者3が車両4の前方遠距離点を歩行している場合、車両4に搭載されているレーダ装置2から送出される探査信号5に対する歩行者存在報知装置1の受信部6が受信する探査信号5の受信レベルLxは比較的低く、一方、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行している場合には、同じ探査信号に対する受信レベルLxは比較的高い。したがって、前方遠距離点を歩行している歩行者3の歩行者存在報知装置1がその後に探査信号5を受信しなくなった場合には、その歩行者3は道路から脇道に逸れたので注意する必要がないが、他方、中近距離を歩行している歩行者3の歩行者存在報知装置1がその後に探査信号5を受信しなくなった場合には、通常の照射角度のレーダ装置2からの探査信号5の死角領域に入る極近距離まで近づいていると想定するのが実状に即している。
【0051】
そこで第2の実施の形態の歩行者存在報知装置1では、図5(a)に示すように、歩行者3が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2から発信される探査信号5に対する歩行者存在報知装置1の信号受信レベルLxが比較的低く、第1の所定レベルL1と第2の所定レベルL2との間であれば発光部10により発光させるが、その後に探査信号の受信レベルLxが第3の所定レベルL3未満になれば発光部10による発光を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して歩行者存在を報知するために発光し続けることがないようにする。
【0052】
他方、図5(b)に示すように、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2から発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置1の信号受信レベルLxが比較的高く、第1の所定レベルL1以上であれば、その後に探査信号の受信レベルLxが第3の所定レベルL3未満になっても発光を継続させることにより、車両の運転者に対して自車の直前側方に近づいた歩行者3の存在を当該装置1からの発光信号により確実に知らせることができるようにする。
【0053】
これにより、当該歩行者存在報知装置が特に夜間の歩行者保護装置として有効に利用できるようになる。
【0054】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6に基づいて説明する。第3の実施の形態で用いる歩行者存在報知装置1Aは、レーダ方式がパルス方式で、方位検出手段がビームスキャニング式のレーダ装置2Aに感応して光信号を報知信号として送出することを特徴とする。
【0055】
まず、レーダ装置2Aは、処理ロジック部17Aにより所定の短時間ずつパルス信号を探査信号5Aとして横方向に送信方位を変えながら発信するレーザ発光部14A、物標からの反射光15Aを受光する受光部16Aを備えている。処理ロジック部17Aは上述の探査信号5Aの送出タイミングと送出方位の制御と共に、反射光15Aを受光した時にレーザ探査信号5Aの送信方位番号から物標の方位を決定し、また探査信号5Aと反射信号15Aとの送受タイミングのずれから物標までの距離を決定して障害物情報を出力する働きをする。
【0056】
このようなレーダ装置2Aに感応する歩行者存在報知装置1Aは、探査パルス信号5Aを受信してパルス信号を出力する受信部6A、所定時間、例えば100msecの間にこの受信部6Aが受信した探査信号5Aのパルス数をカウントする受信パルス数カウント回路7A、この受信パルス数カウント回路7Aの出力するパルス数カウント値Cxを所定のしきい値Cthと比較し、カウント値Cxがしきい値Cth以上である場合に発光指令を出力する処理ロジック部8A、この処理ロジック部8Aの発光指令を受けて報知信号として光信号を発信する発光部10A、そして電源としての電池11Aを備えている。
【0057】
この第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aも、基本的には、レーダ装置2Aの探査信号5Aに感応して歩行者存在報知信号として光信号を発信し、車両4の運転者に知らせる働きをする。
【0058】
すなわち、図1に示したシチュエーションにおいて、車両4のレーダ装置2Aから送出される一定間隔の探査信号5Aの所定時間間隔のパルス信号を受信部6Aで検出する。この実施の形態の場合、歩行者存在報知装置1A内でレーダ装置2Aとの距離を判断する目安となるものに、第1の実施の形態のような受信信号レベルの他に受信信号ビーム数がある。レーダ装置2Aと歩行者存在報知装置1Aとの距離間隔が近くなると、歩行者存在報知装置1Aの受信部6Aの面積が無視できなくなり、レーダ装置2Aから入射する探査信号5Aのパルス数が多くなる。このことより、レーダ装置2Aの1スキャンに相当する時間内の受信部6Aの受信パルス数を観測することにより受信信号レベルと同様に後方の車両4が歩行者3の近傍まで接近しているか否かの判定が可能である。
【0059】
そこで、受信パルス数カウント回路7Aが、受信部6Aが受信して出力するパルス信号に対して所定時間ごとに、所定時間ずつパルス数Cxをカウントして処理ロジック部8Aに出力する。
【0060】
処理ロジック部8Aでは、受信パルス数Cxがあらかじめ設定されている所定値Cth以上であるか否か判定し、所定値Cth以上であれば発光部10Aに発光指令を与え、発光部10Aは歩行者存在を車両4の運転者に光信号により歩行者存在を報知する。
【0061】
そして第3の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態と同様に、車両4が歩行者3に近づくにしたがってレーダ装置2Aの探査信号5Aの照射幅長が短くなり、歩行者存在報知装置1Aが探査信号5Aを検出できる領域も狭くなるので、探査信号5Aの受信パルス数Cxがいったん所定値Cthを超えて発光部10Aを発光させた後は、探査信号5Aの受信パルス数Cxが所定値Cth未満になっても、処理ロジック部8Aは発光部10Aに対してあらかじめ設定した所定時間の間、発光動作を継続させる。
【0062】
こうして、第1の実施の形態の歩行者報知装置と同様に、第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aでは、車両4のレーダ装置2Aの探査信号5Aに感応して歩行者存在を報知し始めれば、その後、車両4が歩行者3に接近し、レーダ装置2Aから死角領域に入っても歩行者存在を継続して報知し続けるようにしたことにより、充分前方から極近距離まで継続して報知信号を発信し続けて車両4の運転者に歩行者3の存在を知らせ続けることができる。
【0063】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図7及び図8に基づいて説明する。第4の実施の形態の歩行者存在報知装置は、図6に示した第3の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aにおいて、処理ロジック部8Aに図7及び図8に示す処理機能を追加したものである。なお、その他の構成は第3の実施の形態と共通であるので、以下、同一の符号を用いて説明する。
【0064】
処理ロジック部8Aは、受信パルス数カウント回路7Aのパルス数カウント値Cxを、あらかじめ設定されている第1の所定値C1、第2の所定値C2、そして第3の所定値C3(C1>C2>C3)と比較し、次のように判定する。
【0065】
車両4のレーダ装置2Aから送出された探査パルス信号5Aの受信パルス数カウント値Cxが第2の所定値C2以上であれば発光部10Aに発光指令を出力する(ステップS05A〜S20A、またはステップS05A,S10A,S40A)。
【0066】
そしてその後も探査信号5Aの受信パルス数カウント値Cxを第1の所定値C1、それよりも小さい第2の所定値C2と比較し続け、探査信号5Aの受信パルス数カウント値Cxが第1の所定値C1以上の状態から第3の所定値C3未満になったときには発光部10Aに対する発光指令を所定時間継続する(ステップS45A〜S60A)。
【0067】
しかしながら、受信パルス数カウント値Cxが第2の所定値C2以上で第1の所定値C1未満のレベルから第3の所定値C3未満になったときには発光部10Aに対する発光指令を直ちに停止する(ステップS25A〜S35A)。この理由は、第2の実施の形態で述べたのと同様である。
【0068】
これにより、第4の実施の形態の歩行者存在報知装置1Aでは、図8(a)に示すように、歩行者3が車両の前方遠距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2Aから発信される探査信号5Aに対する歩行者存在報知装置1Aの受信パルス数カウント値Cxが比較的低く、第1の所定値C1と第2の所定値C2との間であれば、その後に探査信号の受信パルス数カウント値Cxが第3の所定値C3未満になれば発光部10Aによる発光を直ちに停止させ、歩行者が脇道に逸れた場合にも継続して歩行者存在を報知するために発光し続けさせない。
【0069】
他方、図8(b)に示すように、歩行者3が車両4の前方中近距離点を歩行しており、そのために車両4のレーダ装置2Aから発信される探査信号に対する歩行者存在報知装置1Aの受信パルス数カウント値Cxが比較的高く、第1の所定値C1以上であれば、その後に探査信号の受信パルス数カウント値Cxが第3の所定値C3未満になっても発光を継続させることにより、車両の運転者に対して自車の直前側方に近づいた歩行者3の存在を当該装置1Aからの発光信号により確実に知らせるようにする。
【0070】
これにより、当該歩行者存在報知装置が特に夜間の歩行者保護装置として有効に利用できるようになる。
【0071】
次に、本発明の第5の実施の形態について、図9及び図10に基づいて説明する。第5の実施の形態における歩行者存在報知装置1Bは、特に発光部10Bを図10の構成にしたことを特徴とし、また車両4は、第1の実施の形態で採用したレーダ装置2とは別に歩行者検出装置25を搭載し、この歩行者検出装置25から歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力し、車両制御装置側で、例えば警報ランプを点灯させると共に警報音を出力し、あるいはディスプレイに歩行者注意の表示をさせると共にアナウンスする等を行わせるために利用させるようにしたことを特徴としている。
【0072】
まず、図9によって歩行者検出装置25の構成を説明する。歩行者検出装置25は、一つまたは複数の撮像素子(例えば、CCD)を備えた撮像装置26と、この撮像装置26で得られる前方画像の中から歩行者存在報知装置1Bの発光動作を検出し、歩行者検出信号を車両制御装置側へ出力する認識ロジック部27を備えている。
【0073】
一方、歩行者存在報知装置1Bの発光部10Bは、図10に示すように、車両4の歩行者検出装置25の撮像装置26が比較的遠方からこの発光部10Bを自動的に認識できる大きさとなるように発光素子9Bを配置した構成である。なお、この歩行者存在報知装置1Bのその他の構成要素については、図1及び図2に示した第1の実施の形態のものと共通とする。
【0074】
上述した発光部10Bの発光素子9Bの個数及び配置は、所定距離以遠に存在する撮像装置26で物標認識可能な必要画素数を満足するように、一例として、車載の撮像装置26に10万画素程度のCCDを複数使用し、検知範囲を50m以内と設定した場合、歩行者存在報知装置1Bの発光部10Bにおける発光素子9Bの大きさ、配置は、図10に示したように150mm×50mm程度にするのが望ましい。
【0075】
これにより、第5の実施の形態によれば、車載の歩行者検出装置25に撮像装置26で認識できる所定範囲内に歩行者存在報知装置1Bを携行する歩行者3が存在する場合で、かつ歩行者存在報知装置1Bにおいてレーダ装置2を搭載した車両が接近していると判断して歩行者存在を報知するために発光部10Bの発光素子9B群が発光動作している状況では、車両4の運転者が発光部10Bの発光に気づかない場合でも、車載の歩行者検出装置25が歩行者存在報知装置1Bの発光信号28を検出して歩行者検出の信号を出力することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0076】
次に、本発明の第6の実施の形態について、図11に基づいて説明する。第6の実施の形態の特徴は、図1及び図2に示した第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、発光部10の発光素子を所定のコードに基づいて発光させ、この発光信号28Cを車載の歩行者検出装置25Aによって受信させ、デコードさせることにより歩行者存在報知装置1Cからの歩行者報知信号であることを検出させる点にある。
【0077】
この第6の実施の形態で採用する歩行者存在報知装置1Cは、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、処理ロジック部8の発光指令信号を受けてコード信号を生成するコード生成部31を追加的に備え、このコード生成部31の出力するコード信号により発光部10が所定のコードパターンで発光し、歩行者報知信号28Cとして出力する構成である。
【0078】
また車載の歩行者検出装置25Aは、歩行者報知信号28Cを受信する受信部32、コード化された受信信号28Cをデコードするデコード回路33、そしてこのデコード回路33がデコードした信号が歩行者報知信号であるか否かを判断し、歩行者報知信号であると判断した時に歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力する処理部34を備えている。なお、車載のレーダ装置2は図1及び図2に示した第1の実施の形態で採用したものと同じである。
【0079】
上述の歩行者存在報知装置1Cは、レーダ装置2からの探査信号5を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理によって処理ロジック部8から発光指令を出力する。この発光指令はコード生成部31に入力され、ここで発光部10の発光出力を歩行者検出コードに従ってオン/オフ変調し、あるいは信号強度変調し、これによって発光部10の光信号をコード化し、報知信号28Cとして送出させる。
【0080】
車載の歩行者検出装置25Aでは、歩行者報知信号28Cを受信部32で受信し、その受信信号をデコード回路33においてデコードして処理部34に出力する。処理部34はデコードされた受信信号が、歩行者存在を報知する信号であるか否か判断し、歩行者存在を報知する信号であると判断すれば、歩行者検出信号として車両制御装置(図示せず)に出力する。
【0081】
なお、車両制御装置はこの歩行者検出信号を受信すれば、第5の実施の形態の場合と同様に、運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0082】
これにより、第6の実施の形態の歩行者存在報知装置1C及び車載の歩行者検出装置25Aでは、発光部10が発光動作している状況で、車両4の運転者がその発光に気づかない場合でも、車載の歩行者検出装置25Aが歩行者存在報知装置1Cの発光信号28Cを検出して歩行者検出の信号を出力することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0083】
次に、本発明の第7の実施の形態について、図12基づいて説明する。第7の実施の形態の特徴は、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1に対して、発光部10に代えて歩行者報知信号として電波信号を出力するようにし、また電波の場合には車両4の運転者には視認することができないので、車両4側にはレーダ装置2とは別に、電波信号を受信して歩行者存在を検出する車載用歩行者検出装置25Bを設置した点にある。
【0084】
この第7の実施の形態で採用する歩行者存在報知装置1Dは、第1の実施の形態の歩行者存在報知装置1における発光部10に代えて、処理ロジック部8の出力指令を受けて所定波形の電波信号を発信する電波発信回路41と、この電波信号43を空中に歩行者報知信号43として出力するアンテナ42を備えている。
【0085】
一方、車載の歩行者検出装置25Bは、歩行者報知電波信号43を受信する電波受信アンテナ44、このアンテナ44の受信信号を増幅する受信部45、そして受信信号から歩行者報知信号であるか否か判定を行い、歩行者報知信号であると判断した時に歩行者検出信号を車両制御装置(図示せず)に出力する歩行者判定部46を備えている。なおこの実施の形態においても、車載のレーダ装置2は図1及び図2に示した第1の実施の形態で採用したものと同じである。
【0086】
上述の歩行者存在報知装置1Dは、レーダ装置2からの探査信号5を受信すると、第1の実施の形態と同様の処理によって処理ロジック部8から報知信号出力指令を電波発信回路41に出力する。電波発信回路41は報知信号出力を受けて所定波形の電波信号を生成して出力し、電波アンテナ42によって空中に歩行者報知信号43として出力する。
【0087】
車載の歩行者検出装置25Bでは、歩行者報知電波信号43をアンテナ44で受信し、受信部45で増幅し、歩行者判定部46において歩行者報知信号であるか否か判定し、歩行者存在を報知する信号であると判断すれば、歩行者検出信号として車両制御装置(図示せず)に出力する。
【0088】
なお、車両制御装置はこの歩行者検出信号を受信すれば、第5、第6の実施の形態の場合と同様に、運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0089】
これにより、第7の実施の形態の歩行者存在報知装置1D及び車載の歩行者検出装置25Bでは、車載の歩行者検出装置25Bが歩行者存在報知装置1Dの電波信号43を検出することができ、車両制御装置側では、これを受けて運転者に歩行者存在を告知し、あるいは警報し、さらには自動制動などの車両制御を行わせるようにすることができる。
【0090】
なお、上記の第6及び第7の実施の形態では、歩行者報知信号28Cまたは43に歩行者を識別するIDコード情報を組み込めるようにし、また歩行者検出装置25A,25Bによってデコードするようにすれば、歩行者存在の検出のみならず、歩行者の区別まで可能となる。
【0091】
さらに、歩行者存在報知装置1Dから電波信号を歩行者報知信号43として出力する場合、車載の歩行者検出装置25Bによって直接受信させようとすれば電界強度の強い電波信号を出力しなければならず、電池寿命が短くなるきらいがある。そこで、図13に示したように、インフラとして道路沿いに歩行者存在報知装置1Dと車載の歩行者検出装置25Bとの間の信号を中継する中継器51を適宜距離間隔で設置しておくことができ、これによってより複雑な情報の送受が可能となる。なお、52は中継アンテナである。
【0092】
次に、本発明の第8の実施の形態を図14に基づいて説明する。第8の実施の形態で用いる歩行者存在報知装置1Eは、電波式パルスレーダ装置2Bから送出される探査信号5Bとしての電波パルス信号を電波アンテナ760で受信し、第1の実施の形態と同様にその電波パルス信号5Bの受信レベルに応じて感応し、歩行者存在報知のための発光する機能を備えたことを特徴とする。なお、電波信号5Bの受信レベルがしきい値未満になっても継続して歩行者報知のために発光を継続する点も第1の実施の形態と同様である。
【0093】
そしてこのような歩行者存在報知装置1Eに感応させる車載のレーダ装置2Bには、第1の実施の形態のレーザレーダ装置2に代えて、電波パルス信号5Bを送出する電波式のパルスレーダ装置2Bを用いる。
【0094】
図14に示す電波式パルスレーダ装置2Bにおいて、61は送信信号を発生する電圧制御発振器(VCO)で、62はVCO61を保護するアイソレータ、63,63′は送信電波信号5B、LO信号、反射信号15Bを分波するサーキュレータ、64は送信動作のオン/オフを制御するスイッチ、65は受信信号15BをLO信号で周波数変換するミキサ、66は電波の送受信を行う送受信アンテナである。さらに、67は送信直後のノイズを除去するゲート回路、68はVCO61を変調させる駆動回路、69はパルス信号の送信動作にトリガをかけるトリガ回路、70はパルス信号を送信するレーダヘッド部71の送信方位を所定角度ずつ横方向に変化させるモータ及び駆動部である。さらに、72は信号処理部である。
【0095】
この電波式パルスレーダ装置2Bの先行障害物検出装置としての動作は、第1の実施の形態の場合とほぼ同様であり、レーダ装置2Bから極短パルスの電波5Bを一定時間間隔で前方に送出し、物標から戻ってくる反射電波15Bを受信すれば、送受信タイミングの時間差によって反射物標までの距離を算出する。またレーダヘッド部71をモータ及び駆動部70によって左右に回転させてビームスキャンを行い、物標の方位を検出する。なお、物標の方位検出方式には、複数の一次放射器を設けたマルチビーム方式であってもよい。
【0096】
そこで、かかるレーダ装置2Bを搭載している車両4の前方を歩行している歩行者3が上記の歩行者存在報知装置1Eを携行していれば、電波信号5Bに感応して発光し、その後、車両4が歩行者3に接近したために電波信号5Bが届かない死角領域に歩行者3が入ってしまった場合でも、所定時間継続して報知信号として発光し続け、運転者に歩行者の存在を知らせることができることになる。
【0097】
次に、本発明の第9の実施の形態を図15に基づいて説明する。第9の実施の形態は、第8の実施の形態と同様に、歩行者存在報知装置1Eに対して有効なレーダ装置2Cに特徴がある。
【0098】
このレーダ装置2Cは、FW−CWレーダ装置であり、送信信号5CとLO信号を分波する方向性結合器81、三角波発生器82であり、その他の構成要素は図14に示した第8の実施の形態と共通である。このレーダ装置2Cは、物標からの反射信号15Cの周波数シフト量を測定し、それに基づいて物標までの距離を算出することを特徴とする。
【0099】
このようなレーダ装置2Cに対しても、図14に示した第8の実施の形態で使用した歩行者存在報知装置1Eは感応することができ、送信信号5Cを受信すれば、その後に受信レベルがしきい値未満になっても所定時間継続して発光することにより、車両の近くに歩行者が存在していることを運転者に確実に知らせることができるようになる。
【0100】
なお、上記の各実施の形態において、歩行者存在報知装置がレーダ装置の送信信号に対する受信レベル若しくは受信パルス数カウント値を単純に一つのしきい値と比較して発光部あるいは電波発信回路により歩行者報知信号を出力させる構成のものについては、等しく、第2の実施の形態及び第4の実施の形態のように、受信レベル若しくは受信パルス数カウント値を第1の比較値及び第2の比較値と比較させ、それらの間での大小関係によって、その後に受信レベルまたは受信パルス数カウント値が第3の比較値未満なった場合に報知信号の出力を所定時間継続し、あるいは直ちに中止する制御を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の歩行者存在報知装置とレーダ装置との関係を示す説明図。
【図2】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図3】上記の実施の形態におけるレーダ装置の物標検出機能と歩行者存在報知機能とを示す説明図。
【図4】本発明の第2の実施の形態による歩行者存在報知処理のフローチャート。
【図5】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置による歩行者存在報知動作と受信信号レベルと対応関係を示すグラフ。
【図6】本発明の第3の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施の形態による歩行者存在報知処理のフローチャート。
【図8】上記の実施の形態における歩行者存在報知装置による歩行者存在報知動作と受信信号パルス数との対応関係を示すグラフ。
【図9】本発明の第5の実施の形態における歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成と機能を示すブロック図。
【図10】上記の実施の形態の歩行者存在報知装置の発光部の正面図。
【図11】本発明の第6の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第7の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置の構成を示すブロック図。
【図13】上記の第7の実施の形態の変形例の歩行者存在報知装置、これに対応したレーダ装置と車載歩行者検出装置及び中継装置の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第8の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の第9の実施の形態の歩行者存在報知装置及びこれに対応したレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図16】従来例の説明図。
【符号の説明】
1,1A〜1E 歩行者存在報知装置
2,2A〜2C レーダ装置
3 歩行者
4 車両
5,5A〜5C 探査信号
6,6A〜6C 受信部
7 受信信号レベル検出回路
7A 受信パルス数カウント回路
8,8A 処理ロジック部
9 発光素子
10,10A 発光部
11 電池
12,12A 発光部
15,15A 反射信号
16,16A 受信部
17,17A 処理ロジック部
25,25A,25B 歩行者検出装置
Claims (6)
- 所定の探査信号を受信する受信手段と、
前記受信手段の受信した前記探査信号の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、
前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが所定レベル以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、
前記報知信号出力手段は、
前記所定レベルとして、第1のレベルと、該第1のレベルよりも小さい第2のレベルと、該第2のレベルよりも小さい第3のレベルを用い、
前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが少なくとも前記第2のレベル以上である場合に報知信号を発信し、
前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第1のレベル以上の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、
前記受信レベル検出手段の検出した前記受信レベルが前記第2のレベル以上で且つ前記第1のレベル未満の状態から前記第3のレベル未満へと変化した場合には、前記第3のレベル未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止することを特徴とする歩行者存在報知装置。 - 探査信号送出手段から送出方位を変えながら送出される所定の探査信号を受信する受信手段と、
所定時間当たりに前記受信手段の受信した前記探査信号の受信数をカウントする信号受信数カウント手段と、
前記信号受信数カウント手段のカウントする前記信号受信数が所定値以上である場合に報知信号を発信する報知信号出力手段とを備え、
前記報知信号出力手段は、前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記所定値以上から前記所定値未満へと変化したときには、前記所定値未満となったときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続して行うことを特徴とする歩行者存在報知装置。 - 前記報知信号出力手段は、
前記所定値として、第1の所定値と、該第1の所定値よりも小さい第2の所定値と、該第2の所定値よりも小さい第3の所定値を用い、
前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が少なくとも前記第2の所定値以上である場合に報知信号を発信し、
前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第1の所定値以上の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときから予め設定した所定時間の間、前記報知信号の発信を継続し、
前記信号受信数カウント手段のカウントした前記信号受信数が前記第2の所定値以上で且つ前記第1の所定値未満の状態から前記第3の所定値未満へと変化した場合には、前記第3の所定値未満へと変化したときに直ちに前記報知信号の発信を停止することを特徴とする請求項2に記載の歩行者存在報知装置。 - 前記所定の探査信号に赤外光または電波を用い、前記報知信号に赤外光または電波を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歩行者存在報知装置。
- 前記報知信号出力手段の発信する報知信号は、所定コードに則ってオン/オフする信号または信号強度が変化するものとし、当該報知信号の受信手段で受信してデコードして歩行者存在を認識させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歩行者存在報知装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の歩行者存在報知装置の出力する報知信号を受信し、歩行者報知を行う車載用歩行者検出装置。
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