JP3774867B2 - 間仕切り装置上端と天井の連結構造及び連結金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は部屋の天井にキズを付けることなく、該天井と間仕切り装置の上端に設けている天井レールの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は大きな部屋空間を仕切る間仕切り装置の縦断面を示しているが、その下端は床面に接し、上端は天井に達している。床面(イ)に固定した床レール(ロ)にはアジャスター(ハ)が配置され、このアジャスター(ハ)にて適当な高さに支持された巾木(ニ)にはパネル(ホ)、(ホ)が所定の間隔をおいて起立している。そしてパネル(ホ)、(ホ)の上端は天井パネル(ヘ)まで達し、天井パネル(ヘ)にネジ止めされた天井レール(ト)と該天井レール(ト)に取付けられたパネルガイド(チ)によって上端が支えられる。
【0003】
両パネル(ホ)、(ホ)にて床から天井までの空間が仕切られるが、上記天井レール(ト)は天井パネル(ヘ)を取付けている下地材(リ)にネジ止めされている。従って、該間仕切りを解体して取外すならば、天井パネル(ヘ)にはネジ穴が残り、天井パネル(ヘ)も交換しなくてはならなくなる。
【0004】
又、天井には照明器具が存在し、空調の吹き出し口、及びスプリンクラー等が設けられている。このような空間を仕切る為に上記間仕切り装置を据え付ける場合、これら照明器具、空調の吹き出し口等に該間仕切り装置が当る場合が発生するが、従来の天井構造ではこれらの設備を簡単に移動することは困難である。しかし、近年ではシステム天井が開発されて、上記設備の配置交換が比較的自由に出来る構造と成っている。
【0005】
図15はこのシステム天井に間仕切り装置の天井レール(ト)を取付けている場合を示している。天井には天井桟(ヌ)が所定の間隔をおいて四方に延びていて、この天井桟(ヌ)に天井パネル(ヘ)の縁が載って支持されている。そして、間仕切り装置の天井レール(ト)は上記天井桟(ヌ)にネジ止めにて固定されている。しかし、この場合にも天井レール(ト)をネジ止めすることで天井桟(ヌ)にネジ穴が加工され、間仕切り装置を解体して取外すならば該天井桟(ヌ)にはネジ穴が残ってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の天井には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、照明器具、空調の吹き出し口、スプリンクラー等の取付け・変更が簡単に出来るシステム天井を対象とし、間仕切り装置の天井レールを取付ける際に該天井にキズを残さない間仕切り装置上端の連結構造、及び天井レールを固定する連結金具を提供する。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明は大きな部屋空間を仕切る為に間仕切り装置を据え付ける場合、上端の天井レールを天井にネジ止め固定する際にキズが付かないようにした天井との連結構造である。本発明が対象とする天井構造はシステム天井を対象とし、一定間隔にて天井桟が四方に延びて設けられ、この天井桟に天井パネルの縁が載って支持されている。
【0008】
そして、天井レールは天井パネルの縁が載って支持される天井桟に直接ネジ止めされることなく天井桟に連結金具を取着し、該連結金具に天井レールがネジ止めされる。ここで、連結金具とは必ずしも金属製に限定しないことにする。従って、天井桟にはネジ穴が加工されることはなく、間仕切り装置を解体して取外しても跡は残らない。
【0009】
ところで、上記連結金具は既存の天井に取着出来る形態でなくてはならず、すなわち天井の据付け工事と同時に行なう必要がないように構成している。そこで連結金具はワンタッチで取着出来るように、概略長方形下板の対角線方向に対を成す係合ツメを設け、天井桟に嵌めると共に回転することで両係合ツメは天井桟の載置部を抱くように係合する。
【0010】
そして係合ツメの先端を垂直に屈曲して止着片を延ばしている。該止着片は両係合ツメに設ける場合と片方の係合ツメに設ける場合があるが、止着片は天井桟に係止して連結金具が動かないように定位置に取着される。止着片は必要に応じて天井桟にネジ止めされ、又天井桟に形成した係合凸部に係合して位置ズレ防止が図られる。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
図1は間仕切り装置と天井との連結構造の縦断面を示している実施例である。同図の1は天井パネル、2は間仕切りパネル、3は天井レール、4は天井桟をそれぞれ示している。天上桟4は図2に示すようにコ型断面の載置部5と連結部6及び吊設部7から成る長尺材であり、この天井桟4,4…が天井に一定間隔をおいて四方に延びている。そして該天井桟4,4…の所々はハンガーによって吊下げられている。
【0012】
ところで、本発明は天井桟4と同じ位置に間仕切り装置が据付けられているが、間仕切りパネル2,2の上端を位置決めすると共に天井パネル1との間の隙間をカバーする為の天井レール3が上記天井桟4に取付けられいる。しかし、本発明では、天井桟4に天井レール3を直接取付けることなく、連結金具8を介して取り付けている。
【0013】
すなわち、天井桟4のコ型載置部5に連結金具8を係合し、この連結金具8に天井レール3をネジ止めした構造である。連結金具8は間仕切り装置を据え付ける際に必要な位置に取付けし、間仕切り装置を解体して取外す時には該連結金具8も載置部5から外すことが出来る。従って、天井レール3を取付けるに際して、載置部5にネジ穴を加工する必要はなく、間仕切り装置を解体して外してもキズ跡は残らない。
【0014】
ところで、上記連結金具8とは図3に示すような形状をしている。概略長方形の下板9の中央には細長いスリット穴11を有し、そして対角線方向には概略L型をした係合ツメ10a,10bを起立している。そこで、図4(a)に示すように両係合ツメ10a,10b間に載置部5を嵌めて下板9を該載置部5に押し当て、その状態で矢印方向に回転する。両係合ツメ10a,10bは(b)に示すごとく載置部5を抱くように係合し、下板9は載置部5と同一方向を向いて取付けられる。
【0015】
天井レール3は下板9の中央に設けているスリット穴11にネジが螺合して取付けられ、同じ右回転するネジを該スリット穴11に螺合して締付けても連結金具8の係合ツメ10a,10bが載置部5から外れることはない。
【0016】
図5〜図8は本発明に係る連結構造を示している他の実施例である。この連結構造は前記実施例と同じであり、天井桟の載置部には連結金具を係合して取付け、この連結金具に間仕切り装置の天井レールがネジ止めされている。連結金具は載置部に載っている天井パネルの縁を押上げて該載置部に取付され、間仕切り装置を解体して取外す時には、連結金具も載置部から外される。
【0017】
各実施例で使用される連結金具の形態はそれぞれ多少異なり、図5に示している実施例の場合には図9に示す連結金具が使用される。この天井桟12の載置部は細長い板材で構成され、この載置部を挟み込む為の挟持板13a,13bを別に設け、係合ツメ10a,10bと上記挟持板13a,13bとで載置部を挟んで取付けている。下板9は載置部に接しておらず、スリット穴11にはネジが螺合して天井レール3が取付けられている。
【0018】
又図10に示している連結金具は図8に示す実施例の天井桟の載置部に取付けられる。それぞれの形状は多少違っているが、基本的構成は同じであり、対を成す係合ツメ10a,10bを有し、両係合ツメ10a,10bが載地部に係合して取付けられる。
【0019】
図11は本発明に係る連結金具を示す別の実施例である。前記図3、図9、図10に示す係合ツメ10a,10bは載置部5の上面14,14に係合して取付けられる。この場合、載置部5を抱かかえた係合ツメ10a,10bは天井桟4の長手方向に沿って移動する場合がある。すなわち、係合ツメ10a,10bは載置部5を単に抱かかえただけの状態であり、例えば、地震で横揺れが発生した際、連結金具8を定位置に固定する取付け構造となっていない。
【0020】
そこで、上記係合ツメ10a,10bの先端を垂直方向へ延ばして止着片15a,15bを形成することが出来る。そして、止着片15a,15bの先端部にはネジが挿通する穴16a,16bを貫通して設けている。そこで、該連結金具を天井桟4に取付ける場合には、前記図4に示したように両係合ツメ10a,10b間に載置部5を嵌めて下板9を該載置部5に押し当て、その状態で回転する。両係合ツメ10a,10bは載置部5を抱くように係合し、下板9は載置部5と同一方向を向いて取付けられる。そして、止着片15a,15bは連結部6に当接して挟み込むことに成る。
【0021】
図12は天井桟4に連結金具8を介して天井レールが取付けられている場合を示している。全体構造は前記図1の取付け形態と同じであって、連結金具8の両係合ツメ10a,10bは天井桟4の載置部5を抱かかえて係合し、そして上方延びる止着片15a,15bは連結部6に面してネジ止めされている。そして、該連結金具8に天井レール3がネジ止めされると共に、間仕切り装置が該天井レール3に連結されているが、連結金具8が固定されることにより、間仕切り装置は位置ズレすることなく安定する。
【0022】
ここで、止着片15a,15bは少なくとも何れか片方をネジ止めすればよく、天井レール3を吊設する為に下方へ作用する荷重は係合ツメ10a,10bにて負担される。そして止着片15a,15bが連結部6にネジ止めされることで、連結金具8は天井桟4に沿って移動することが出来なくなる。図13は連結金具8を天井桟4に取付ける別形態を示している。
【0023】
連結金具8の形状は図11に示すものであるが、止着片15a,15bはネジ止めされていない。その代わり、天井桟4の連結部6を絞り加工して凸部17を形成している。止着片15a,15bはこの凸部17に係止することで、天井桟4に沿って移動することは出来ない。ここで、止着片15a,15bは、連結金具8が天井桟4に取付けられた場合、連結部6にバネ力を付勢して密着した状態である事が必要である。
【0024】
この連結金具は前記図3に示した係合ツメ10a,10bを延ばして止着片15a,15bを形成している。同じく、前記図9、図10に示した連結金具の係合ツメ10a,10bの先端を延ばして止着片を形成することが出来る。
以上述べたように、本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造は、天井桟の載置部に連結金具を取付け、この連結金具に天井レールをネジ止めしたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0025】
【発明の効果】
本発明の間仕切り装置はその天井レールを天井桟の載置部に係合した連結金具にネジ止めすることが出来る。そして該連結金具は対を成す係合ツメを有し、両係合ツメを載置部に係合することで簡単に取付出来る。従って、間仕切り装置を据付しても、天井に直接ネジ止めする必要がなく、間仕切り装置を解体して取外した場合には、ネジ跡は残らない。
【0026】
そして上記連結金具に設けている係合ツメは、天井桟の載置部に係合するが、連結金具を金属製とするならばバネ力の作用でガタ付くことなく安定した取付が可能となり、間仕切り装置の上端となる天井レールは位置ズレなく取着され得る。そして、連結金具の係合ツメの先端を垂直方向へ延ばして止着片を形成し、連結金具を取付けることで止着片は天井桟の連結部に面してネジ止めなどで固定するならば、該天井桟に沿って連結金具が移動することはなく、ひいては間仕切り装置の位置ズレを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図2】天井桟の実施例。
【図3】天井桟の載置部に取付られる連結金具。
【図4】連結金具を載置部に取付ける行程。
【図5】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図6】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図7】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図8】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図9】天井桟の載置部に取付られる連結金具。
【図10】天井桟の載置部に取付られる連結金具。
【図11】止着片を設けた連結金具。
【図12】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図13】本発明に係る間仕切り装置と天井の連結構造。
【図14】従来の間仕切り装置と天井の連結構造。
【図15】従来の間仕切り装置と天井の連結構造。
【符号の説明】
1 天井パネル
2 間仕切りパネル
3 天井レール
4 天井桟
5 載置部
6 連結部
7 吊設部
8 連結金具
9 下板
10 係合ツメ
11 スリット穴
12 天井桟
13 挟持板
14 上面
15 止着片
16 穴
17 凸部
Claims (4)
- 天井には所定の間隔をおいて四方に延びる天井桟を吊設し、該天井桟の載置部に天井パネルの縁を載せて支持する該天井と間仕切り装置の上端を連結する構造において、上記載置部には係合ツメを係合して連結金具を取付けると共にこの連結金具に天井レールをネジ止めし、ここで該連結金具はネジが螺合する下板と載置部に係合する為の係合ツメを下板の対角線上に対を成して設け、そして上記係合ツメの先端を垂直方向へ延ばして止着片を形成し、該止着片を連結部に面してネジ止めしたことを特徴とする間仕切り装置上端と天井の連結構造。
- 上記連結金具の下板中央にはネジが螺合するスリット穴を設けた請求項1記載の間仕切り装置上端と天井の連結構造。
- 上記連結金具には、載置部を係合ツメとで挟み込む挟持板を備えた請求項1、又は請求項2記載の間仕切り装置上端と天井の連結構造。
- 天井には所定の間隔をおいて四方に延びる天井桟を吊設し、該天井桟の載置部に天井パネルの縁を載せて支持し、そして天井桟と間仕切り装置の上端を連結する為の連結金具において、該連結金具は概略長方形底板の対角線上には載置部に係合する係合ツメを設け、該係合ツメの先端を垂直方向へ延ばして天井桟の連結部に当接する止着片を形成したことを特徴とする間仕切り装置上端と天井桟を連結する連結金具。
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