JP3774665B2 - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低分子量ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビニル系モノマーを重合したビニル系重合体のうち、特に分子量が小さいものは、塗料、粘着剤、コーティング剤など多くの分野において使用されている。このようなビニル系重合体には、その使用時に平滑性があること、すなわち粘度が低いことが要求される。
粘度を低くするための簡便な方法の一つとして、溶剤で希釈する方法が挙げられる。しかしながら、溶剤で希釈すると、ビニル系重合体に含まれる残存揮発分濃度が大きくなり、その結果、ビニル系重合体を含む塗料、粘着剤、コーティング剤など塗布した後、大気中への揮発分の拡散量が増加する。近年、環境上問題を有さない製品が市場から求められているために、溶剤は少ないほうが好ましい。したがって、粘度を低くする方法としては、ビニル系重合体の分子量を小さくするのが一般的な方法である。このように分子量を小さくして粘度を低くしたビニル系重合体が塗料、粘着剤、コーティング材などに好適に使用されている。
【0003】
ところで、このような低分子量ビニル系重合体中には未反応モノマーが残存していることがある。この未反応モノマーは、ビニル系重合体使用時の塗膜表面のハジキ、発泡などの原因となるため少ない方が好ましい。
特開昭59−6207号公報には、未反応モノマーの少ない低分子量のビニル系重合体を製造する方法について記載されている。この方法では、連続重合槽を用いてビニル系モノマーを高温状態で重合させた後に、未反応モノマーを揮発させて除去する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭59−6207号公報記載の方法は、未反応モノマーを揮発させるために多量の熱量を必要とし、コストが高くなるという問題を有していた。また、他の方法によって未反応モノマーを除去するとしても、除去工程で除去装置が必要となる上に、除去するための時間を要するので、生産性が低下する。そのため、未反応モノマー除去工程を必要としないプロセスの開発が望まれていた。
【0005】
また、未反応モノマー量を少なくする他の方法としては、未反応モノマーが殆ど消失するまで、すなわち重合率が100%近くになるまで重合することもあるが、連続槽型反応器を用いて、重合率を100%にするのは困難であった。
ビニル系モノマーを重合する方法としては、例えば、連続槽型反応器を用い、必要に応じて重合開始剤および溶剤の存在下、ビニル系モノマーを塊状重合する方法が挙げられる。この方法において、重合開始剤量、溶剤量、滞在時間、重合温度などを適宜操作することにより、分子量、重合率、副生成物量を制御して、目的のビニル系重合体を製造することができる。
【0006】
ここで、重合率を高めるためには、高温化して重合速度を増加させたり、滞在時間を増加して重合時間を増加させたりすることなどが効果的である。
また、分子量を小さくするためには、重合開始剤を増量して重合開始剤ラジカルを増加させたり、溶剤を増量して連鎖移動ラジカルを増加させたり、連鎖移動定数の大きなモノマーを増量して連鎖移動ラジカルを増加させたり、高温化して熱開始ラジカルを増加させたりして発生するラジカル量を増やすのが効果的である。また、モノマーの滞在時間を長くする方法などが効果的である。
すなわち、重合率が高く、かつ低分子量のビニル系重合体を製造するためには、重合温度を高温化し、滞在時間を長くすることが有効であると考えられる。
ところが、その反面、重合反応が平衡反応である場合には、温度を高くしすぎると、いわゆる天井温度を超えてしまい、逆反応である解重合が支配的となる。そのため、高温化が高重合率化に関して逆効果となる場合がある。
また、副生成物量を少なくするには、低温化、滞在時間の短縮などが効果的である。
このように、連続槽型反応器を用いた場合、単に反応温度を高温化したり、重合時間を増加させたりするだけでは、重合率が高く、かつ低分子量のビニル系重合体を効率的に製造することは従来困難であった。
【0007】
本発明は、前記事情を鑑みて行われたものであり、低分子量で、かつ未反応モノマー量が少ないビニル系重合体を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ビニル系モノマーを高温で連続重合した後、さらに重合して、低分子量、かつ未反応ビニル系モノマー量が少ないビニル系重合体を、低コストで製造する方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のビニル系重合体の製造方法は、ビニル系モノマーを含む原料混合物を連続式槽型の第1反応器(A)に連続的に供給し、重合温度160〜300℃、滞在時間2〜60分の条件下、重合率が50〜99%になるように前記ビニル系モノマーを連続的に重合し、反応中間混合物を製造する第一工程と、
前記ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部の重合開始剤と前記反応中間混合物とを第2反応器(B)に供給し、重合温度100〜200℃、滞在時間10〜240分の条件下、重合率が80%以上になるようにビニル系モノマーをさらに重合し、ビニル系重合体を製造する第二工程とを有し、
該ビニル系重合体の重量平均分子量が1500〜10000であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のビニル系重合体の製造方法では、重合温度160〜300℃、滞在時間2〜60分でビニル系モノマーを連続的に重合する第一工程を行った後に、重合温度100〜200℃、滞在時間10〜240分で重合する第二工程を行う。
まず、第一工程では、ビニル系モノマーを含む原料混合物を連続式槽型の第1反応器(A)に連続的に供給し、ビニル系モノマーを重合して、反応中間混合物を製造する。
ここで、反応中間混合物とは、第一工程でビニル系モノマーを重合して得られた重合体と、未反応ビニル系モノマーとを含むものである。
【0010】
ビニル系モノマーは、最終的に得られるビニル系重合体の用途に応じて選ばれる。例えば、酸基を有するモノマー類、水酸基を有するモノマー類、炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン系モノマー類、エチレン性不飽和ニトリル類、ビニルエステル類、エポキシ基含有ビニルモノマー類、エチレン性不飽和塩基性ビニルモノマー類、N−アルコキシアルキル置換アミド基を有するα,β−不飽和ビニルモノマー類などが挙げられる。これらの中でも、スチレン系モノマー、及び/または、上述したモノマー類の中のアクリル系モノマーが好適に用いられる。これは、塗料、粘着剤、コーティング剤などに使用されるビニル系重合体としては、スチレン系モノマー及び/またはアクリル系モノマーを重合した重合体が好ましいためである。
【0011】
酸基を有するモノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩基酸または二塩基酸ビニルモノマー類、無水マレイン酸等の二塩基酸無水物ビニルモノマー類、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドサクシネート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドマレエート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドフタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドヘキサヒドロフタレート、β−(メタ)アクリロキシエチルアシッドメチルヘキサヒドロフタレート、Y−(メタ)アクリロキシプロピルアシッドサクシネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトンまたはY−ブチロラクトンの開環付加物(例えば、ダイセル化学(株)製プラクセルF単量体、UCC社製トーンM単量体)の末端水酸基を無水コハク酸、無水フタル酸、あるいは無水ヘキサヒドロフタル酸でエステル化して末端にカルボキシル基を導入したコハク酸モノエステル、フタル酸モノエステル、あるいは無水ヘキサヒドロフタル酸モノエステル等のカプロラクトン変性水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルと二塩基酸無水物のモノエステル反応生成物等の長鎖カルボキシル基含有ビニルモノマー類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、フマール酸モノメチル、フマール酸モノエチル、フマール酸モノブチル、フマール酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等の二塩基酸または二塩基酸無水物ビニルモノマーのモノエステル化物類等が挙げられる。
【0012】
また、水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのβ−ブチロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトン開環付加物、(メタ)アクリル酸へのエチレンオキシドの開環付加物、(メタ)アクリル酸へのプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、p−ヒドロキシスチレン等の他の水酸基含有ビニルモノマー類等が挙げられる。
【0013】
炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジクロシルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体類などが挙げられる。
これらの中でも、特に好ましいスチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニルスチレン、3,4−ジクロシルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0015】
エチレン性不飽和ニトリル類としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル等が挙げられる。
エポキシ基含有ビニルモノマー類としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、特に好ましいエポキシ基含有ビニルモノマー類としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和塩基性ビニルモノマー類としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−アルコキシアルキル置換アミド基を有するα,β−不飽和ビニルモノマー類等としては、例えば、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−プロポキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0016】
また、上述したビニル系モノマーの中の特に好ましいアクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の炭化水素置換基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
【0017】
第一工程では、重合開始剤を原料混合物に含有させて第1反応器(A)に供給することが好ましい。重合開始剤を原料混合物に含有させて重合すると、ビニル系重合体を容易に低分子量化できる上に、重合率を高くできる。
重合開始剤としては、重合温度で分解してラジカルを発生できれば特に制限されず、例えば、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
【0018】
このような重合開始剤は、ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜12質量部の割合で原料混合物に含まれることが好ましい。さらに好ましくは、ビニル系モノマー100質量部に対して0.1〜10質量部の割合で原料混合物に含まれる。重合開始剤の使用量が0.01質量部以上であると、重合開始剤を使用する効果が発揮され、ビニル系重合体の分子量をさらに低くする上に、重合率をさらに高くできる。また、重合開始剤の使用量が0.1質量部以上であると、その効果はさらに顕著に発揮される。
その一方で、重合開始剤の使用量が12質量部を超えると、さらなる低分子量化、高重合率化が期待できるものの、コストが高くなり、工業的でない。また、重合開始剤の使用量が10質量部以下であると、ビニル系重合体の分子量を低くし、重合率を高める効果が十分に発現するとともに、重合開始剤のコストを低く抑えることもできる。
【0019】
また、原料混合物には、溶剤が含まれることが好ましい。原料混合物に溶剤が含まれると、重合時の粘度を小さくできる上に、溶剤への連鎖移動によってビニル系重合体の分子量を小さくできるので、最終的に得られるビニル系重合体を用いた製品の粘度をさらに小さくできる。
溶剤としては、重合温度で不活性であれば特に制限されず、例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ150(エクソン化学(株)製)、ソルベッソ100(エクソン化学(株)製)のような芳香族系炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、酢酸n−ブチルのようなエステル類、イソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール類等の一般的なもの等が挙げられる。
【0020】
溶剤の使用量は、最終的に得られるビニル系重合体が使用される製品の用途に応じて決めることが好ましい。例えば、ビニル系重合体が使用される製品が溶剤を含んでもよい場合などでは、ビニル系モノマー100質量部に対して200質量部以下の割合で原料混合物に含まれることが好ましく、ビニル系モノマー100質量部に対して25〜100質量部の割合で原料混合物に含まれることがさらに好ましい。溶剤の量が200質量部以下であると、原料混合物の顕熱が小さくなり、単位原料混合物あたりの重合発熱が大きくなる。その結果、重合温度を160〜300℃に容易に保つことができる。また、ビニル系重合体を使用する製品が溶剤を含まないことが好ましい場合には、ビニル系重合体の重合において溶剤を一切使用しないことが好ましい。
【0021】
また、最終的に得られるビニル系重合体を使用する製品が溶剤を含む場合には、ビニル系重合体を得た後に、ビニル系重合体から溶剤を分離、除去しなくてもよい。特に、塗料用途など、塗膜の平滑化のために溶剤が不可欠な場合は、その溶剤を重合時から積極的に使用することが好ましい。このようにすることより、多大な手間、多量のエネルギーを必要とする溶剤の除去が不要となり、ビニル系重合体の製造に要するコストがさらに低下する。
また、使用する溶剤の種類は、ビニル系重合体が使用される製品に含まれる溶剤から選択されることが好ましい。
また、溶剤は、成分調整のために、後述する第二工程の前、第二工程の最中、ビニル系重合体出荷前の調合など第二工程の後に添加してもよい。
重合時に溶剤を使用すると、ビニル系モノマーの重合を容易にする上に、最終的に得られるビニル系重合体を使用する製品の生産をも効率化できるので、ビニル系重合体の製造に要するコストだけでなく、ビニル系重合体を使用する製品のコストも低下させることができる。
【0022】
第一工程における第1反応器(A)での重合温度は160〜300℃であり、好ましくは、200〜280℃である。重合温度が160℃未満であると、熱開始ラジカル量が増加しないため、転化率を高めることができない。転化率を高めることができないと、ビニル系重合体の生産性が低下するので、重合開始剤を多量に使用するなどして、重合率を高めなければならない。また、重合温度が160℃未満であると、分子量が高くなり、第1反応器(A)内の粘度が高くなるので、流量を上げられなくなり、分子量を小さくしなければならない。
このように、重合温度が160℃未満で、重合率を高め、分子量を小さくしようとすると、重合開始剤を多量に添加しなければならないので、重合開始剤のコストが高くなる。
また、重合温度が300℃を超えると、副生成物の生成が多くなる上に、一旦生成した重合体の解重合速度が速くなり、生産性が低下する。また、供給する熱エネルギー量が増加し、好ましくない。
【0023】
また、ビニル系モノマーを含む原料混合物を第1反応器(A)に供給する前にこれを予熱することができる。原料混合物を第1反応器(A)に供給する前に予熱すると、第1反応器(A)での滞在時間が短くて、ジャケット加熱、内部コイル加熱等反応器外部からの熱量供給が間に合わない場合でも、モノマーの重合発熱による顕熱と予熱分の熱量とによって第1反応器(A)内部の温度を所望の重合温度に容易に制御できる。一方、原料混合物の供給温度が低すぎる場合、予熱しないと熱量が不足し、重合温度の制御が困難になることがある。
原料混合物の予熱温度は120℃以下であることが好ましい。120℃以下であると、予熱時のビニル系モノマーの重合が抑制できる。また、重合開始剤が原料混合物に含まれている場合には、重合開始剤の分解を抑制できる。
【0024】
第1反応器(A)での滞在時間は2〜60分である。滞在時間が2分以上であると、工業化できる程度にまで重合率を高くできる上に、第二工程での重合の負担を軽減できる。一方、滞在時間が60分以下であると、第一工程に要する時間が短くなり、効率的である上に、不要な副生成物量を減少させることができる。
【0025】
第一工程では、重合率が50〜99%になるように重合する。好ましくは、80〜98%になるように重合する。重合率が50%未満であると、第二工程で重合するビニル系モノマー量が多くなる。後述するように、第二工程では、第一工程よりも低い重合温度である100〜200℃で重合を行うので、第一工程で得られる重合体より大きな分子量の重合体が生成する。一般的に重合体の粘度は、低分子量の重合体が増加しても殆ど変化しないが、高分子量の重合体が増加すると高くなる。したがって、第二工程で重合する量が多くなると、最終的に得られるビニル系重合体の粘度が高くなり、安定に重合できなくなることがある。また、ビニル系重合体が塗料、粘着剤、コーティング剤用として適さなくなる。
また、重合率が99%を超えるように重合すると、第1反応器での滞在時間を増大させなければならない。しかも、第1反応器で滞在時間を増大させると重合率は上昇するものの、重合速度が減少するので、重合率は効率的に上昇しない。すなわち、重合率が99%を超えるまで重合するには、生産性が低下する。
このように、第一工程で重合率を50〜99%となるように、重合温度160〜300℃かつ滞在時間2〜60分の範囲内で重合温度と滞在時間とを選択する。例えば、重合温度が下限である160℃の場合には、滞在時間を上限である60分にすることで、重合率を50%以上にすることができる。さらに、重合開始剤、溶剤を添加して重合することにより、重合率を上記範囲内とすることもできる。
【0026】
第1反応器(A)における槽の数は特に制限されないが、1槽であると簡易なプロセスとなり、設備投資費を低くできる。また、槽の数を2槽、3槽と直列に並べると生産性を増大させることができる。
【0027】
なお、第一工程における重合のスタートアップの方法は、原料混合物を第1反応器(A)に一括で仕込んで昇温する方法、あらかじめ加熱した第1反応器(A)に原料混合物を連続的に供給する方法などが挙げられる。
前者の方法はいわゆるバッチ反応である。この方法でスタートアップを行う際には、スタートアップ時の重合開始剤量を定常運転時の120〜1000%に増やすことが好ましい。重合開始剤量を増量することにより、昇温初期の低温で生成する重合体の低分子量化を図り、高分子量の重合体の生成を抑制できる。その結果、粘度の増加を抑制できる。この方法では、ある程度の重合率に達した後に、原料混合物の供給と、第1反応器からの抜き出しとを開始して定常の連続重合を行う。このような方法によると、定常の連続重合を容易に安定させることができるが、スタートアップ時には定常状態とは異なったビニル系重合体が生成するので、原料混合物を無駄に消費することがある。
後者の方法では、原料混合物をあらかじめ加熱した第1反応器(A)に連続的に供給後、速やかに重合が開始する。そして、反応器内容物の容積が定常運転時の容積を越えたら、抜き出しを開始し、連続運転を行う。このような方法によると、スタートアップ時から定常状態と同質のビニル系重合体を得ることができる。その一方、原料混合物供給開始直後に重合が進行しないと、重合温度の制御が困難になり、連続重合が不安定になることがある。その結果、ビニル系重合体の品質が安定せず、スペックから外れたビニル系重合体は製品として使用できなくなることがある。
いずれの方法で重合をスタートアップさせるかは目的に応じて選択することが好ましい。
【0028】
このような第一工程に続いて第二工程を行う。第二工程では、反応中間混合物と重合開始剤とを第2反応器(B)に供給し、この第2反応器(B)にて反応中間混合物に含まれる未反応ビニル系モノマーを重合する。
【0029】
第2反応器(B)に供給する重合開始剤としては、第一工程で使用できる重合開始剤と同様のものであり、重合開始剤の量は、ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部の割合である。重合開始剤量が0.01質量部未満であると、未反応ビニル系モノマーの量を十分に減少させることができない。また、重合開始剤が5質量部を超えると、原料コストが高くなる。そのため、重合時間を長くしたり、重合温度を高くするなどして、重合開始剤が5質量部を超えない範囲で、未反応ビニル系モノマー量を減らすように対処することが好ましい。
【0030】
第二工程における第2反応器(B)での重合温度は、100〜200℃である。重合温度が100℃未満であると、重合速度が低下する上に、第2反応器(B)内の粘度が増加するので、流量が低下する。その結果、生産性が低下する。一方、200℃を超えると、副生成物が生成するので、生産性が低下する。
【0031】
第2反応器(B)での滞在時間は10〜240分である。滞在時間が10分未満であると、重合率が向上せず、未反応ビニル系モノマーを十分に低減させることができない。また、滞在時間が240分を超えると、第二工程に要する時間が長くなり、生産効率が低下する上に、不要な副生成物量が増加するなどのデメリットを生じる。その結果、生産性が低下する。
【0032】
第二工程では、重合率が80%以上になるように重合する。好ましくは重合率が90%以上になるように重合する。重合率が80%以上であると、低分子量ビニル系重合体の生産性が高くなるだけでなく、未反応モノマー量が少なくなり、例えば、最終的に得られるビニル系重合体を塗料用樹脂として用いる場合には、色の塗膜表面のハジキ、発泡などが抑制される。また、他の用途においても不快な臭気の発生などが抑制される。
なお、重合率を100%にすることは、重合率の上昇と共に重合速度が遅くなる上に、重合と解重合とが平衡反応であるために、非常に困難である。したがって、重合率を100%にするためには、重合開始剤量を極端に増加したり、滞在時間を極端に長くしたりする必要があり、コストの増大や生産性の低下を招くので、重合率は100%未満とすることがさらに好ましい。
このように、第二工程で重合率を80%以上とするために、重合温度100〜200℃かつ滞在時間10〜240分かつ重合開始剤量がビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲内で、重合温度と滞在時間と重合開始剤量を選択する。例えば、重合温度が下限である100℃の場合には、滞在時間を上限である240分、重合開始剤量に上限である5質量部として重合率を80%にすることができる。さらに、溶剤を添加して重合することにより、重合率を上記範囲内とすることもできる。
【0033】
第二工程で使用される第2反応器には特に制限はなく、例えば、バッチ式槽型反応器、半連続式槽型反応器、連続式管型反応器などが使用できる。
第2反応器(B)としてバッチ式槽型反応器を用いる場合には、槽型反応器に反応中間混合物と重合開始剤とを一括して仕込み、未反応ビニル系モノマーを重合する。このような重合方法では、重合が簡便である一方、重合が進行するとともに、重合開始剤量が減少するので、重合速度が遅い場合には未反応ビニル系モノマー量を十分少なくできないことがある。したがって、重合速度を速くするために、重合温度、重合開始剤量を上述した範囲内で調整することが好ましい。
また、第2反応器(B)として半連続式槽型反応器を用いる場合には、槽型反応器に反応中間混合物を一括で仕込み、重合開始剤を槽型反応器に供給しながら重合する。このような重合方法によると、比較的重合速度が遅い場合でも、重合開始剤は逐次添加しているので枯渇することがなく、未反応ビニル系モノマーの量を十分少なくできる。その結果、生産性が向上し、コストが低下する。反応中間混合物と重合開始剤を槽型反応器に供給しながら重合する一般的な半連続式槽型反応も、同様な理由から有効である。
【0034】
また、第2反応器(B)として連続式管型反応器を用いる場合には、管型反応器に反応中間混合物と重合開始剤とを連続的に供給して連続的に重合する。このような方法は、重合速度が速い場合に適している。また、この重合方法では、管型反応器の途中から重合開始剤をさらに添加し、重合率を向上させて未反応ビニル系モノマー量をさらに低減させることが好ましい。重合開始剤を添加して未反応ビニル系モノマー量をさらに低減させると、さらに生産性が向上し、コストがさらに低下する。
このように、第2反応器で使用される反応器はそれぞれに特徴を有しているため、目的に応じて反応器を選択することが好ましい。
【0035】
第二工程が終了して、得られるビニル系重合体の重量平均分子量は1500〜10000である。ビニル系重合体の重量平均分子量がこのような範囲であると、溶剤を使用しなくても粘度を下げることができ、塗料、粘着剤、コーティング剤などに好適に使用できる。一方、ビニル系重合体の重量平均分子量が1500未満であると、用途が少ない上に、重合装置が簡便でなくなる場合がある。また、10000を超えると、塗料、粘着剤、コーティング剤などの用途に適さなくなる。
【0036】
上述した本発明のビニル系モノマーの重合方法にあっては、ビニル系モノマーを含む原料混合物を連続式槽型の第1反応器(A)に連続的に供給し、重合温度160〜300℃、滞在時間2〜60分の条件下、重合率が50〜99%になるように前記ビニル系モノマーを重合し、反応中間混合物を製造する第一工程と、前記ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部の重合開始剤と前記反応中間混合物とを第2反応器(B)に供給し、重合温度100〜200℃、滞在時間10〜240分の条件下、重合率が80%以上になるように前記ビニル系モノマーをさらに重合し、ビニル系重合体を製造する第二工程とを有し、このビニル系重合体の重量平均分子量が1500〜10000である。そのため、低分子量で、かつ重合率が高く、未反応モノマー量が少ないビニル系重合体を効率的に製造することができる。すなわち、塗膜表面のハジキ、発泡などが少なく、塗料、粘着剤、コーティング剤等の用途に適した低分子量ビニル系重合体を、特別な未反応モノマー除去装置などを使用することなく、低コストかつ高生産性で製造することができる。
【0037】
その際、前記原料混合物には、重合開始剤がビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜12質量部の割合、さらに好ましくは0.1〜10質量部の割合で含まれると、ビニル系重合体の分子量を低くし、重合率を高める効果が十分に発現するとともに、重合開始剤のコストを低く抑えることもできる。
また、前記原料混合物には、溶剤がビニル系モノマー100質量部に対して200質量部以下の割合、さらに好ましくは25〜100質量部の割合で含まれると、重合時の粘度を小さくでき、溶剤への連鎖移動効果でビニル系重合体の分子量をさらに小さくできるので、安定してビニル系重合体を製造できる。その結果、低分子量ビニル系重合体の製造がさらに効率的となり、製造コストがさらに低下する。
【0038】
また、前記第一工程での重合温度が200〜280℃であると、熱開始ラジカル量がさらに増加して重合開始剤量を低減できる。また、副生成物の生成を抑制できる上に、解重合が抑制されて重合率をさらに高くでき、未反応ビニル系モノマーをさらに低減できる。
また、前記第一工程での重合率が80〜98%になるようにビニル系モノマーを重合すると、高い生産性を維持したまま、第二工程での重合において生成する高分子量のビニル系重合体量を少なくできる。
また、前記第2反応器(B)には、バッチ式槽型反応器を用い、特に重合開始剤を逐次添加しながら重合すると、比較的重合速度が遅い場合でも、未反応ビニル系モノマーを効率的に低減させることができる。一方、前記第2反応器(B)には、連続式管型反応器を用いると、連続的に安定して重合できるので、第二工程の生産性をさらに向上させることができる。
また、前記原料混合物を予熱して第1反応器(A)に連続的に供給すると、第一工程の重合温度を安定に制御できる。
また、前記ビニル系モノマーは、スチレン系モノマー及び/またはアクリル系モノマーであると、最終的に得られるビニル系重合体を塗料、粘着剤、コーティング剤などに好適に使用できる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
本実施例においては、分子量、未反応モノマー量について以下の方法によって測定した。
(1)分子量測定
分子量は、下記のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。なお、ポリスチレン標準試料としては、下記のような分子量が6200000〜500のもの(合計12種類;いずれも東ソー社製)を用いており、分子量はポリスチレン換算して求めた。
<GPC>
GPC装置:東ソー社製、商品名:HCL−8020
カラム:東ソー社製、TSKGel GMHXL(内径7.8mm×長さ30cm)2本、TSKguardculmn HXL−H(内径6.0mm×長さ4.0cm)1本
移動相:テトラヒドロフラン
サンプル注入量:0.1ml
サンプル濃度:1mg/ml
流速:1.0ml/min
検出器は示差屈折率計(RI)を使用した。
【0040】
(2)未反応モノマー量の測定
アセトン約10gに、溶剤および未反応モノマーを含むビニル系重合体約0.5gを溶解し、内標として酢酸ブチルを加えて測定サンプルとした。この測定サンプルについて、2種類のカラムを備えたガスクロマトグラフィ装置(島津製作所社製、GC−14A)を用いて下記条件にて未反応モノマー量を測定した。
カラム:SUPELCO製SPB−5
注入量:1μL
インジェクション温度:150℃
検出器温度:190℃
カラム温度:50℃で1分間保持した後、毎分10℃で180℃まで昇温した後、10分間保持。
カラム:SUPELCO製WAX−10
注入量:1μL
インジェクション温度:150℃
検出器温度:190℃
力ラム温度:50℃で1分間保持した後、毎分10℃で180℃まで昇温した後、10分間保持。
【0041】
(3)重合率、固形分率算出
重合率は、上述した未反応モノマー量の測定で未反応モノマー量を求め、下記式(1)または式(2)によって算出した。なお、式(1)は溶剤を含まない場合であり、式(2)は溶剤を含む場合である。
また、固形分率は、上述した未反応モノマー量の測定で未反応モノマー量を求め、下記式(3)によって算出した。
【0042】
【数1】
【0043】
[実施例1]
第一工程では、攪拌翼、原料供給ライン、重合物抜出ライン、窒素加圧ライン、温調装置を備えた連続式槽型反応器を用いた。スチレン20質量部、メチルメタクリレート35質量部、n―ブチルメタクリレート5質量部、グリシジルメタクリレート40質量部に、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(商品名:パーブチルD、日本油脂(株)製)2質量部を添加した原料混合物を、200℃、1.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が15分となるように連続的に供給し、重合した。それと同時に、第1反応器内から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた反応中間混合物に含まれるビニル系重合体(以下、中間ビニル系重合体という)の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は3100であり、ガスクロマトグラフィで測定した重合率は95.7%であった。
上記の中間ビニル系重合体100質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた第2反応器である槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド1質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。
このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、重合率は99.2%であった。また、分子量をGPCで測定したところ重量平均分子量は3300であった。
【0044】
[実施例2]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン20質量部、メチルメタクリレート35質量部、n―ブチルメタクリレート5質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、トルエン20質量部に、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド2質量部を添加した原料混合物を、200℃、1.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が10分となるように連続的に供給し、重合した。それと同時に、第1反応器内から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は2600であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は79.2%であり、重合率は95.0%であった。
上記の中間ビニル系重合体120質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド1質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、固形分率は82.6%、重合率は99.1%、GPCで測定した重量平均分子量は2700であった。
【0045】
[実施例3]
実施例2と同様の方法により第1反応器で得られた中間ビニル系重合体120質量部を含む反応中間混合物に、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド1質量部を加え、滞在時間が30分となるように第2反応器である管型反応器に連続的に供給し、連続的に重合して第二工程を行った。管型反応器のジャケット温度は180℃とした。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、固形分率は82.1%、重合率は98.5%、GPCで測定した重量平均分子量は2700であった。
【0046】
[実施例4]
実施例2と同様の方法により第1反応器で得られた中間ビニル系重合体120質量部を含む反応中間混合物に、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド0.5質量部を加え、滞在時間が30分となるように管型反応器に連続的に供給した。さらに、ジターシャリーブチルパーオキサイド0.5質量部とトルエン0.5質量部との混合物を、上述の重合成分120質量部に対して1質量部の割合で管型反応器の中間点から連続的に供給して重合した。管型反応器のジャケット温度は180℃とした。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、固形分率は82.4%、重合率は98.9%、GPCで測定した重量平均分子量は2600であった。
【0047】
[実施例5]
第一工程では実施例1と同様の装置を用いた。スチレン20質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート10質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート20質量部、グリシジルメタクリレート30質量部、溶剤としてソルベッソ150(エクソン化学製)20質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)5質量部を添加した原料混合物を60℃に予熱して、240℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が5分となるように供給して重合した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は2100であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は76.7%であり、重合率は92.0%であった。
上記の中間ビニル系重合体120質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド1質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ固形分率は81.7%、重合率は98.0%、GPCで測定した重量平均分子量は2200であった。
【0048】
[実施例6]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン30質量部、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、4−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、溶剤としてソルベッソ150(エクソン化学製)40質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)1質量部添加した原料混合物を100℃に予熱して、240℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が5分となるように連続的に供給して重合した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体をGPCで測定したところ、重量平均分子量は2300であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は68.5%であり、重合率は95.9%であった。
上記の中間ビニル系重合体140質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド1質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、固形分率は70.1%、重合率は98.1%、GPCで測定した重量平均分子量は2500であった。
【0049】
[実施例7]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン20質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、イソボロニルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート34質量部、メタクリル酸1質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)2質量部を添加した原料混合物を240℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が17分となるように供給して重合した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は2000であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は92.5%であり、重合率は92.5%であった。
上記の中間ビニル系重合体100質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド0.5質量部、スーパーゾール1500(三菱商事ケミカル製)30質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ固形分率は75.0%、重合率は97.5%、GPCで測定した重量平均分子量は2200であった。
【0050】
[実施例8]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン30質量部、イソブチルアクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート20質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート14質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート20質量部、メタクリル酸1質量部、溶剤としてスーパーゾール1500(三菱商事ケミカル製)30質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)2質量部を添加した原料混合物を240℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が17分となるように供給して重合した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は1500であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は68.9%であり、重合率は89.5%であった。
上記の中間ビニル系重合体130質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド0.5質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ固形分率は75.4%、重合率は98.0%、GPCで測定した重量平均分子量は1800であった。
【0051】
[実施例9]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン30質量部、n−ブチルメタクリレート40質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート10質量部、溶剤としてスーパーゾール1500(三菱商事ケミカル製)20質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)3質量部を添加した原料混合物と、無水マレイン酸20部、エチル−3−エトキシプロピオネート10質量部からなる原料混合物とを50℃に予熱して溶解させ、250℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が10分となるように供給して重合した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は2300であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は67.2%であり、重合率は87.3%であった。
上記の中間ビニル系重合体130質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド1質量部を加え、160℃で1時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ固形分率は74.0%、重合率は96.2%、GPCで測定した重量平均分子量は2600であった。
【0052】
[比較例1]
第一工程では、実施例1と同様の装置を用いた。スチレン10質量部、n−ブチルアクリレート10質量部、イソブチルメタクリレート20質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部、グリシジルメタクリレート30質量部、溶剤としてソルベッソ150(エクソン化学製)100質量部に、重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(商品名:パーヘキシルD、日本油脂(株)製)1質量部を添加した原料混合物を、150℃、2.0MPaに保たれた第1反応器に滞在時間が5分となるように連続的に供給した。それと同時に、第1反応器から反応中間混合物をギアポンプで連続的に抜き出した。
得られた中間ビニル系重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量は8800であり、ガスクロマトグラフィで測定した固形分率は21.9%であり、重合率は43.8%であった。
上記の中間ビニル系重合体200質量部を含む反応中間混合物を、攪拌翼、温調装置を備えた槽型反応器に仕込み、重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド1質量部を加え、140℃で5時間保持して第二工程の重合を行った。このようにして得られたビニル系重合体についてガスクロマトグラフィで分析したところ、固形分率は43.7%、重合率は87.4%、GPCで測定した重量平均分子量は23000であった。
【0053】
実施例1〜9は、本願請求項1の範囲を満たしているため、未反応モノマー量が少なく、分子量の低いビニル系重合体を効率的に製造できた。
一方、比較例1は、第一工程での重合率が45%を下回っており、第二工程で得られたビニル系重合体の分子量が大きくなった。その結果、最終的なビニル系重合体の重量平均分子量は、10000を超えており、塗料、粘着剤、コーティング剤などには不適であった。また、第二工程における滞在時間が240分を超えていたため、未反応モノマー量は少なかったものの、ビニル系重合体の製造が効率的ではなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、未反応モノマーを除去する設備を別途設けることなく、重合のみで未反応モノマー量の少ない低分子量ビニル系重合体を効率的に製造できる。このようにして得られたビニル系重合体は、未反応モノマーに起因する塗膜表面のハジキ、発泡などが抑制されるため、塗料、インク、ワックス、接着剤、粘着剤、樹脂添加剤、トナー用バインダー樹脂、表面処理剤等への使用に最適である。
Claims (11)
- ビニル系モノマーを含む原料混合物を連続式槽型の第1反応器(A)に連続的に供給し、重合温度160〜300℃、滞在時間2〜60分の条件下、重合率が50〜99%になるように前記ビニル系モノマーを重合し、反応中間混合物を製造する第一工程と、
前記ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部の重合開始剤と前記反応中間混合物とを第2反応器(B)に供給し、重合温度100〜200℃、滞在時間10〜240分の条件下、重合率が80%以上になるように前記ビニル系モノマーをさらに重合し、ビニル系重合体を製造する第二工程とを有し、
該ビニル系重合体の重量平均分子量が1500〜10000であることを特徴とするビニル系重合体の製造方法。 - 前記原料混合物には、重合開始剤が前記ビニル系モノマー100質量部に対して0.01〜12質量部の割合で含まれることを特徴とする請求項1に記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記重合開始剤は、前記ビニル系モノマー100質量部に対して0.1〜10質量部であることを特徴とする請求項2に記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記原料混合物には、溶剤が前記ビニル系モノマー100質量部に対して200質量部以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記溶剤は、前記ビニル系モノマー100質量部に対して25〜100質量部の割合であることを特徴とする請求項4に記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記第一工程での前記重合温度が200〜280℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記第一工程での前記重合率が80〜98%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記第2反応器(B)は、バッチ式槽型反応器であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記第2反応器(B)は、連続式管型反応器であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記原料混合物を予熱して前記第1反応器(A)に連続的に供給することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
- 前記ビニル系モノマーは、スチレン系モノマー及び/またはアクリル系モノマーであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のビニル系重合体の製造方法。
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