JP3774408B2 - コンニャク製品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンニャク特有の異臭を消去したコンニャク製品又は灰汁抜きコンニャク製品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンニャク製品は、水とコンニャク精粉とを流量を調整し攪拌混合してゲル状態にし、前記コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水で溶かした凝固剤溶液を投入して練り合わせ、型枠内で加熱凝固させ、カットし、保存水とともに袋詰めするという工程を経て製造される。
【0003】
上記コンニャク製品は、上述の如く製造され、その97%までが水分で、2%ほどの糖質も難消化性のこんにゃくマンナンであり、栄養的にはほとんど無価値であるが、弾力のある歯ざわりの良い点が好まれている。おでん、白あえ、汁の実などにされるが、先ず、ゆがき、から炒りして水分を除いてから味付けするのが好ましいとされている。また、コンニャク加工品には「糸コンニャク」や「白滝」があり、なべ料理や煮物などに広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記コンニャク製品には、独特の異臭(例えば、石灰臭、トリメチルアミン臭)があるため、近年、消費者に嫌われる傾向がある。この異臭はコンニャクを固めるときに用いる凝固剤である水酸化カルシウム溶液(石灰水)が原因であり、容認する以外になかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み創出したのもので、その目的とするところは、コンニャク製品特有の石灰臭又はトリメチルアミン臭を減少ないし除去し、コンニャクが本来持っている弾力のある歯ざわりや味が活かせるようにした新規なコンニャク製品の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、水とコンニャク精粉とを分量を調整し攪拌混合してゲル状態にし、前記コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水で溶かした凝固剤を投入して練り合わせ、型枠内で加熱凝固させ、カットし、保存水とともに袋詰めするコンニャク製品の製造方法において、前記凝固剤溶液として、予め、活性炭を混入し一定時間放置後、濾過して用いることを特徴としている。
【0007】
上記構成により、コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水で溶かした凝固剤を投入して練り合わせるに際し、凝固剤に活性炭の脱臭効果が有効に発揮できるようにしている。
【0008】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本願コンニャク製品製造過程の略示的説明図、図2は本願コンニャク製品を袋詰めした状態を示す断面図である。
【0009】
図1において、1は本願コンニャク製品の製造過程を示すものである。即ち、水(又は温湯)Aとコンニャク精粉Bとを分配器2、3によって分量を調整しつつホッパー4を介して攪拌室5に導入する。この分配器2、3による分量の調整は、水Aに対してコンニャク精粉Bが2〜4%程度が適当である。勿論、この割合に限定されない。
【0010】
また、前記ホッパー4には海草粉類等からなる色付け粉Cを分配器3′を介して投入することもある。この色付け粉Cは、水Aに対して0.1〜0.3%程度でよい。コンニャク精粉Bと混合する水Aにはオゾン水(オゾン処理した水)を用いることもある。
【0011】
前記ホッパー4により調整された水Aとコンニャク精粉Bは、攪拌室5にポンプ又は自然流下により導入する。この攪拌室5は図の例では、室内に攪拌翼5′を用いた練機が示されているが、スクリュー式攪拌翼を用いた連続自動練機(図示せず)を利用することもある。
【0012】
前記攪拌室5に導入された水Aとコンニャク精粉Bは、前記室内において攪拌翼5′により強制的に攪拌され混合されてゲル状態になる。その後、攪拌室5内には、コンニャク精粉Bが水分を完全に吸収するのを待って、タンク6内において水(又は温湯)A′で溶かした凝固剤(水酸化カルシウム)Dを投入し練り合わせる。このタンク6内で調合された凝固剤溶液Fは水に対して0.5〜2%程度の凝固剤Dを混ぜたものが使用される。
【0013】
本願では前記凝固剤溶液Fとして、活性炭処理を施したものを用いる。この活性炭処理は次のように行われる。即ち、前記タンク6内において、水A′で溶かした凝固剤Dに、活性炭Eを混入し、一定時間放置後、濾過機6′により濾過して用いる。この活性炭Eの水A′に対する混合率は0.1〜2%程度が適当である。また、前記放置時間は活性炭Eの脱臭効果を有効に発揮させる時間であり、混合量により30分〜12時間を要する。また、凝固剤Dを溶かす水A′にはオゾン水(オゾン処理された水)を用いることもある。
【0014】
前記水Aとコンニャク精粉Bとが凝固剤溶液Fとともに攪拌室5内で練り合わされて出来たコンニャク糊Gは、攪拌室5より取り出され、型枠7内に流入され成形機8を通して成形される。この成形機8による成形は70°C〜90°Cで1〜2時間加熱凝固することにより行われる。
【0015】
前記成形機8による加熱凝固したコンニャク製品Hは、カット機9により小塊状、糸状その他にカットされ、そのカット品H′は保存水Iとともに袋Jに詰めされる。図2は本願コンニャク製品のカット品H′を袋詰めした状態を示しているもので、この状態で梱包され出荷されることとなる。この袋詰めに際して使用する保存水Iにオゾン水(オゾン処理された水)を用いることもある。
【0016】
前記凝固剤溶液Fに混入して用いる活性炭Eは、石炭、木炭などを原料として特殊処理を施した多孔性の炭素物質である。この活性炭の吸着作用を利用して、凝固剤溶液中の臭気を除去することを活性炭処理という。ここに使用する活性炭の形状には粉状と粒状とがあるが、粒状のものを用い、あとから濾過により取り除くことが必要である。
【0017】
また、上記説明によれば、製造過程において、コンニャク精粉Bと混合する水A、凝固剤Dを溶かす水A′及び保存水Iに、それぞれオゾン水(オゾン処理された水)を用いることがある旨記載したが、その総てにオゾン水を用いて良いことは勿論である一方、その何れか1つ(中でも保存水Iにオゾン水を用いることが良い)にオゾン水を用いても良い。
【0018】
前記オゾン水は強い酸化力を有することから、オゾン処理された水は殺菌され臭気が除去されることとなるし、オゾン水とともに袋詰めされたコンニャク製品は雑菌の繁殖が抑えられるために長期にわたって腐敗から保護される。また、保存水Iにオゾン水を用いたものは、消費者の手元に届くまでにコンニャク製品から灰汁が抜け、袋から出してゆがくことなく直ぐに調理できる「灰汁抜きコンニャク」を提供できることとなる。
【0019】
【実験例1】
今、水に対してコンニャク精粉を3%混入し、これに色付け粉0.2%を水にといて加え、攪拌室に導入してゲル状態にし、コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水酸化カルシウムの1%溶液を投入して練り合わせるが、このとき、活性炭処理を施した凝固剤溶液(活性炭1%を混入して6時間放置して濾過したもの)と、活性炭処理を施さない凝固剤溶液とを用い、それぞれ別個の型枠内に流入して加熱凝固し、それぞれ10cm×5cm×3cmの小塊にカットし、保存水とともに袋詰めした。この袋詰めに際し、活性炭処理コンニャクは赤色袋、非処理コンニャクは青色袋とし、両者とも20日間経過したところで、当社レストランに招待した近隣の主婦を30人に、赤色袋、青色袋を1袋づつ配付し、刺身コンニャクにして試食して貰った(赤色袋、青色袋の中身に関する説明は一切していない)。
【0020】
そして、次の4項目の質問を行った。
(1)開封時の異臭;赤と青のどちらに異臭が感じられるか、異臭の有無。
(2)試食時の異臭;赤と青のどちらに異臭が感じられるか、異臭の有無。
(3)味;赤と青のどちらがよいか。
(4)歯ごたえ;赤と青のどちらがよいか。
【0021】
上記の結果、次表のようになった。
【0022】
上表より、本願の活性炭処理コンニャク製品は、非処理コンニャク製品に対して異臭が感じられないことが確認された。また、味や歯ごたえは異臭がない分、良く感じられたものと推測できる。
【0023】
【実験例2】
水に対してコンニャク精粉を3%混入し、これに色付け粉0.2%を水にといて加え、攪拌室に導入してゲル状態にし、コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水酸化カルシウムの1%溶液を投入して練り合わせ、型枠内に流入して加熱凝固し、それぞれ10cm×5cm×3cmの小塊にカットし、保存水とともに袋詰めした。この袋詰めに際し、保存水にオゾン水を用いたものは赤色袋、保存水にアルカリ水を用いたものは青色袋とし、両者とも20日間経過したところで、当社レストランに招待した近隣の主婦を30人(実験例1と同日に行った)に赤色袋、青色袋1袋づつ配付し、刺身コンニャクにして試食して貰った(赤色袋、青色袋の中身に関する説明は一切していない)。
【0024】
そして、次の4項目の質問を行った。
(1)開封時の異臭;赤と青のどちらに異臭が感じられるか、異臭の有無。
(2)試食時の異臭;赤と青のどちらに異臭が感じられるか、異臭の有無。
(3)味;赤と青のどちらがよいか。
(4)歯ごたえ;赤と青のどちらがよいか。
【0025】
上記の結果、次表のようになった。
【0026】
上表より、本願のオゾン処理したコンニャク製品は、非処理コンニャク製品に対して異臭が感じられないことが判った。また、味や歯ごたえも異臭がない分、良く感じられたものと推測できる。
【0027】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、水とコンニャク精粉とを分量を調整し攪拌混合してゲル状態にし、前記コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水で溶かした凝固剤を投入して練り合わせ、型枠内で加熱凝固させ、カットし、保存水とともに袋詰めするコンニャク製品の製造方法において、前記凝固剤溶液として、予め、活性炭を混入し一定時間放置後、濾過して用いることを特徴としているから、活性炭処理された凝固剤溶液は石灰臭が確実に除去されているので、コンニャク製品が本来持っている味や歯ごたえも向上するという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願コンニャク製品の製造過程の略示的説明図である。
【図2】本願コンニャク製品の袋詰した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 本願コンニャク製品の製造過程図
2、3、3′ 分配器
4 ホッパー
5 攪拌室
5′ 攪拌翼
6 タンク
6′ 濾過機
7 型枠
8 成形機
9 カット機
A 水(又は温湯)
A′ 水(又は温湯)
B コンニャク精粉
C 色付け粉
D 凝固剤(水酸化カルシウム)
E 活性炭
F 凝固剤溶液(活性炭処理済も含む)
G コンニャク糊
H コンニャク製品
H′ カット品
I 保存水
J 袋
Claims (1)
- 水とコンニャク精粉とを分量を調整し攪拌混合してゲル状態にし、前記コンニャク精粉が水分を完全に吸収するのを待って、水で溶かした凝固剤を投入して練り合わせ、型枠内で加熱凝固させ、カットし、保存水とともに袋詰めするコンニャク製品の製造方法において、前記凝固剤溶液として、予め、活性炭を混入し一定時間放置後、濾過して用いることを特徴とするコンニャク製品の製造方法。
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JP2002008053A JP3774408B2 (ja) | 2002-01-16 | 2002-01-16 | コンニャク製品の製造方法 |
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