JP3774267B2 - ろう付け方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機用トルクコンバータの主要構成部材であるポンプインペラー機構部の椀状のケーシング内に複数の羽根を組付けて高周波誘導加熱によりろう付け(高周波雰囲気ろう付け或いは高周波真空ろう付け)する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波誘導加熱コイルにてろう材を加熱溶融させて部材間の継手部分のろう付けを行なうようにした従来の高周波ろう付け方法にあっては、線材,板材,或いは粉末材等から成るろう材を被ろう付け部材の継手部分の形状に合わせて予め成型しておき、ろう付け継手部に嵌め込むか或いはこの上に載置した状態で加熱溶融させる、いわゆる置きろう方式を採用することが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如き従来の置きろう方式では、次のような問題点がある。すなわち、特に被ろう付け部材が複雑形状の部材である場合には被ろう付け部材の継手部分にろう材を嵌め込むことが困難であったり、或いはその作業が極めて面倒である等の問題点がある。
【0004】
また、ろう材を単に被ろう付け部材上に載せて被ろう付け部材を高周波誘導加熱する場合には、ろう材が高周波誘導加熱による電磁力の作用により所定位置(所定の載置位置)から移動されて位置ずれを生じ、継手部分に対するろう材の相対位置が変化してしまう不具合がある。このような事態を生じると、高周波誘導加熱コイルとろう材の各部との間隔が一定(均一)ではなくなり、高周波誘導加熱コイルに近接したろう材部分とこれから離れたろう材部分とが生じる。そのため、高周波誘導加熱時には高周波誘導加熱コイルに近接しているろう材部分が所定のろう付け温度に達する前に加熱溶融状態となる。この際、ろう付けすべき部材間の継手部分の温度が低い状態なので、加熱溶融されたろう材の一部分は球形状を呈することとなり、前記継手部分の温度が所定のろう付け温度に達した時には球形状を呈していたろう材がオーバヒートにより細かく飛散し、その結果、前記継手部分の空隙に溶融状態のろう材が流れ込まずにろう付け欠陥となるおそれがある。
【0005】
一方、上述した高周波誘導加熱コイルから離れたろう材部分は、継手部分が所定のろう付け温度に到達しても温度不足により溶融状態とならない。このため、このろう材部分に対応する継手部分の空隙にろう材が流れ込まず、この部分にもろう付け欠陥を生じるおそれがある。
【0006】
このような現象は、ろう付け温度が高くかつ流動性の悪い銅ろう付けにおいて顕著に発生しやすい。その一方で、銅ろう付けはろう材のコストが低くしかもろう付け強度が強いので、銅ろう付けを多用したいところである。しかし、複雑な形状を有しかつろう付け箇所の多い部材、例えば自動車用自動変速機の構成部品であるトルクコンバータの羽根を銅ろう付けする場合等においては、30枚余の羽根全数を完全に欠陥なくろう付けすることは難しく、部分的にろう付け欠陥を生じる箇所もあるのが実状である。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な作業にて被ろう付け部材の継手部を高周波誘導加熱により欠陥なくろう付けすることができ、特に、複雑形状部材を銅ろう付けするのに用いて有益な高周波誘導加熱によるろう付け方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速機用トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置し、ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させることにより、前記ケーシングとこのケーシング内の円周領域において等角度間隔をもって配置された複数の羽根との間の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの羽根の上部を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の第2の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方法において、前記ケーシングと複数の羽根との間に薄板状或いは箔状の第1のろう材を挟み込むと共に、前記複数の羽根と連結リングとの間に薄板状或いは箔状の第2のろう材を位置決めした状態で挟み込み、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材,ケーシング,羽根及び連結リングを一緒に高周波誘導加熱することにより、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材を溶融させて前記第1及び第2の継手部の空隙部分にそれぞれ充満させることによりろう付けを行なうようにし、前記複数の羽根の一端面にそれぞれ設けられた第1の突起を前記ケーシングの内面に形成された凹部に係合させて前記複数の羽根を前記ケーシングに組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第1のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記ケーシングの凹部内に挿入配置することにより、前記ケーシング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにしている
【0010】
また、本発明では、不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速機用トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置し、ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させることにより、前記ケーシングとこのケーシング内の円周領域において等角度間隔をもって配置された複数の羽根との間の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの羽根の上部を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の第2の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方法において、前記ケーシングと複数の羽根との間に薄板状或いは箔状の第1のろう材を挟み込むと共に、前記複数の羽根と連結リングとの間に薄板状或いは箔状の第2のろう材を位置決めした状態で挟み込み、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材,ケーシング,羽根及び連結リングを一緒に高周波誘導加熱することにより、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材を溶融させて前記第1及び第2の継手部の空隙部分にそれぞれ充満させることによりろう付けを行なうようにし、前記複数の羽根の他端面にそれぞれ設けられた第2の突起に前記連結リングの孔部が係合されるように前記連結リングを前記複数の羽根に組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第2のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記連結リングの孔部に挿通配置することにより、前記連結リング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにしている。
【0011】
また、本発明では、前記第1の継手部に挟み込む第1のろう材として、1枚の薄板状或いは箔状部材をプレス成形にて前記ケーシングの内面形状に一致する形状に成形し、かつ、前記第1のろう材に前記複数の羽根の第1の突起に対応する開口部を打ち抜き加工して成る部材を用いるようにしている。
【0012】
また、本発明では、前記第2の継手部に挟み込む第2のろう材として、1枚の薄板状或いは箔状部材をプレス成形にてリング形状に成形し、かつ、前記第2のろう材に前記複数の羽根の第2の突起に対応する開口部を打ち抜き加工して成る部材を用いるようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0014】
本実施例においては、本発明に係るろう付け方法を使用することにより、自動車用自動変速機用のトルクコンバータ1の主要構成部材であるポンプインペラー機構部2の製造(銅ろう付け)を行なうようにしている。
【0015】
図1〜図3はポンプインペラー機構部(羽根車)2の組立完成品を示すものであって、このポンプインペラー機構部2は、一端側に開放口3を有しかつ他端側の中心部に開孔4を有するカップ形状のケーシング5と、このケーシング5の内部の円周領域において等角度間隔をもって配設された軟鋼製の複数枚(例えば,32枚)の羽根6と、これらの羽根6の上部を互いに連結する位置決め兼補強用の連結リング7とから構成されるものである。上述の羽根6には図2に示すように3つの突起8,9及び10が一体成形されており、これらのうちの片側の一対の突起8,9がケーシング5の径方向の2箇所に形成された係合凹部11,12にそれぞれ係合された状態で、各羽根6の一端面6aがケーシング5に当接配置されている。そして、羽根6の他端面6bの中間箇所に一体成形された突起10が、前記連結リング7の孔部13にそれぞれ挿入配置された状態となされている。これにより、複数枚の羽根6は、ケーシング5の所定位置に位置決めされてこのケーシング5と連結リング7との間に一体に組付けられると共に(図2及び図3参照)、ケーシング5の径方向に対して所定の角度に傾斜された状態で配設されてろう付けされるようになっている(図1参照)。
【0016】
なお、図2及び図3において、Aは羽根6とケーシング5とが互いに銅ろう付けにて結合される継手部であり、Bは羽根6と連結リング7とが互いに銅ろう付けにて結合されるの継手部である。また、図示を省略したが、前記ケーシング5に中央箇所には開孔4を閉塞した状態で駆動軸が一体に結合されるようになっている。
【0017】
本例においては、図4及び図5に示す第1のろう材15と、図6及び図7に示す第2のろう材16がろう付け材料として用いられる。第1のろう材15は、ケーシング5と複数の羽根6との間に挟み込まれて第1の継手部Aにおいて挟持される薄板状或いは箔状の銅材から成るプレス成形品であって、図4及び図5に示す如く、ケーシング5の凹部11,12及び羽根6の突起8,9にそれぞれ対応する複数の開口部17(本例では円形孔)が打ち抜き加工されている。なお、この第1のろう材15の形状は、ケーシング5の底面5aに沿うように成形されており(図8参照)、その直径は前記底面5aの直径にほぼ一致するように設定されている。一方、第2のろう材16は、複数の羽根6と連結リング7との間に挟み込まれて第2の継手部Bにおいて挟持される薄板状或いは箔状の銅材から成るプレス成形品であって、図6及び図7に示す如く、羽根6の突起10及び連結リング7の孔部13にそれぞれ対応する複数の開口部18(本例では円形孔)が打ち抜き加工されている。なお、この第2のろう材16の形状は、連結リング7に沿うように円環形状に成形されている。
【0018】
図8は、ポンプインペラー機構部2の組立のためのろう付け作業を行なうろう付け装置20を示すものであって、この装置20は上部加熱コイル21と下部加熱コイル22と、これらの加熱コイル21,22に高周波電力を供給する高周波電源23とから構成されている。また、上述の各加熱コイル21,22は前記複数の羽根6に対応する本体部21a,22aがそれぞれ渦巻状に巻回されており、これらのリード部21b,22bを介して前記高周波電源23に互いに並列に接続されている。そして、各加熱コイル21,22は、前記複数の羽根6に対して僅かな間隔を隔てて配置されるようになっている。
【0019】
次に、ポンプインペラー機構部2の組立作業及びその際のろう付け作業の手順について説明する。
【0020】
(1) まず、トルクコンバータ1のポンプインペラー機構部2の組立作業を行なう。この組立作業に際しては、ケーシング5の底面5a上に第1のろう材15を載置してこのろう材15の複数の開口部17をケーシング5の複数の凹部11,12にそれぞれ対応させた配置にし、次いで羽根6の突起8,9を第1のろう材15の開口部17を通してケーシング5の凹部11,12内にそれぞれ係合させる。そして、第1のろう材15をケーシング5と複数の羽根6との間に挟持して位置決めした状態の下で第1の継手部Aに介在せしめる。しかる後に、これらの羽根6の突起10に開口部18が嵌合するように第2のろう材16を複数の羽根6の上に載置し、前記開口部18から前記突起10が上方に突出した状態とし、これらの突出した突起10の孔部13が嵌合するように連結リング7を前記第2のろう材16の上に載置する。そして、第2のろう材16を複数の羽根6と連結リング7との間に挟持して位置決めした状態の下で第2の継手部Bに介在せしめる。このようにしてケーシング5,複数の羽根6,連結リング7,第1及び第2のろう材15,16を組付けて成る組立体S(図2参照)を得る。
【0021】
(2) 次に、この組立体(ワーク)Sを図外の気密容器25内(例えば、10-3Torr以上の還元性ガス雰囲気中)に収容して図8に示すようにワーク受け治具26上に載置し、上部加熱コイル21を連結リング7の上部に僅かな間隔を隔てて配置すると共に、下部加熱コイル22をケーシング5の下部に僅かな間隔を隔てて配置し、これにより両加熱コイル21,22間に第1及び第2のろう材15,16を既述の所定箇所に位置決めした状態で羽根6,連結リング7及びケーシング5と共に配置する。
【0022】
(3) 次いで、気密容器25の蓋体を閉じ、真空ポンプにより気密容器25内を所定圧力に真空引きした後、窒素及び水素の混合ガスにより気密容器25内を置換し、所要圧力とする。
【0023】
(4) この後、高周波電源23より前記加熱コイル21,22に所要周波数の高周波電流を流し、これに応じてケーシング5、羽根6及び連結リング7を第1及び第2のろう材15,16と一緒に所定のろう付け温度まで同時に誘導加熱する。これにより、銅材から成る第1及び第2のろう材15,16をそれぞれ加熱溶融せしめる。これに伴い、加熱溶融された第1及び第2のろう材15,16(銅材)が継手部A,Bの空隙部分の毛管作用により、継手部A,Bの両部に集まる。かくして、羽根6とケーシング5との第1の継手部Aの空隙に溶融状態の銅材がろう材として充満されると共に、羽根6とケーシング5とによって形成された角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上がり部27が形成される。これと同時に、羽根6と連結リング7との第2の継手部Bの空隙に溶融状態の銅材がろう材として充満されると共に、羽根6と連結リング7とによって形成された角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上がり部28が形成される。そして、これらの盛り上がり部27,28が余盛(補強部)としての機能を果たすこととなる。
【0024】
(5) 所定のろう付け温度状態を所要時間にわたって保持した後、前記加熱コイル21,22への通電を停止し、誘導加熱を終了する。
【0025】
(6) 誘導加熱の終了後、被ろう付け部材である羽根6を所要温度まで冷却し、所要圧力の窒素ガスを気密容器内に注入して所要温度(大気に晒しても変色を殆ど生じない温度、例えば200℃以下)まで冷却する。
【0026】
(7) この後、真空ポンプを停止し、組立の完了したポンプインペラー機構部2を気密容器25内から取出す。
【0027】
以上の如きろう付け方法を使用した場合には、第1及び第2のろう材15,16を所定部材の間に挟持して継手部A,Bにそれぞれ位置ずれを生じないような規制状態(位置決め状態)で配置するようにしているので、高周波誘導加熱時に電磁力の作用にてこれらのろう材15,16が不測に動いてしまうようなことがない。従って、第1及び第2のろう材15,16は各部において均一に加熱溶融されて羽根6の継手部A,Bすなわち継手間の空隙にそれぞれ確実に流れ込み、しかも継手部A,Bの付近にろう材の盛り上がり部27,28を形成することとなるため、良好なろう付けを行なうことができる。
【0028】
以下に、上記実施例の具体的な加工条件を述べる。
Figure 0003774267
【0029】
以上、本発明の一実施例につき述べたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、第1及び第2のろう材15,16には、前記開口部17,18に加えて、互いに隣合う羽根6の間に配置される部分に放射方向に延びる長孔を打ち抜き加工してろう材の量の調整を行なうことが可能である。また、第1及び第2のろう材15,16に形成する開口部17,18の形状は、円形孔である必要は必ずしもなく、図4及び図6において一点鎖線で示すような矩形孔等の適宜形状に変更可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、ケーシングと複数の羽根との間に薄板状或いは箔状の第1のろう材を挟み込むと共に、複数の羽根と連結リングとの間に薄板状或いは箔状の第2のろう材を位置決めした状態で挟み込み、前記薄板状或いは箔状のろう材,ケーシング,羽根及び連結リングを一緒に高周波誘導加熱することにより、前記薄板状或いは箔状のろう材を溶融させて前記第1及び第2の継手部の空隙部分に充満させることによりろう付けを行なうようにし、前記複数の羽根の一端面にそれぞれ設けられた第1の突起を前記ケーシングの内面に形成された凹部に係合させて前記複数の羽根を前記ケーシングに組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第1のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記ケーシングの凹部内に挿入配置することにより、前記ケーシング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにし、或いは、前記複数の羽根の一端面にそれぞれ設けられた第1の突起を前記ケーシングの内面に形成された凹部に係合させて前記複数の羽根を前記ケーシングに組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第1のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記ケーシングの凹部内に挿入配置することにより、前記ケーシング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにしたものであるから、良好なろう付け作業を確実に行なうことが可能となる。すなわち、複雑形状部材の一種であるポンプインペラー機構部の複数の羽根をケーシング及び連結リングにそれぞれろう付けする際に、薄板状或いは箔状の第1及び第2のろう材の挟み込み作業をしながらポンプインペラー機構部を組立てるため、これらのろう材は所定の継手部に位置決めされた状態(高周波誘導作用によりろう材が移動してしまわない保持状態)に維持される。従って、高周波誘導加熱によるろう付けを極めて簡単な作業にて、しかも、被ろう付け部材である複数の羽根の継手部を高周波誘導加熱により欠陥なくろう付けすることができる。また、特に本発明によれば、複雑形状部材を銅ろう付け(従来では面倒なろう付けとされている)するのに用いて有益な高周波誘導加熱によるろう付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るろう付け方法にてろう付けが施されるトルクコンバータのポンプインペラー機構部を示す平面図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線拡大断面図である。
【図4】第1のろう材の平面図である。
【図5】第1のろう材の断面図である。
【図6】第2のろう材の平面図である。
【図7】第2のろう材の断面図である。
【図8】ポンプインペラー機構部の羽根を高周波誘導加熱によりろう付けするろう付け装置の断面図である。
【図9】羽根をろう付けした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
2 ポンプインペラー機構部
5 ケーシング
6 被ろう付け部材としての羽根
6a 一端面
6b 他端面
7 連結リング
8,9,10 突起
11,12 凹部
15 第1のろう材
16 第2のろう材
17,18 開口部
20 ろう付け装置
21 上部加熱コイル
22 下部加熱コイル
23 高周波電源
25 気密容器
26 ワーク受け治具
27,28 盛り上がり部
A 第1の継手部(ろう付け部)
B 第2の継手部(ろう付け部)

Claims (4)

  1. 不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速機用トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置し、ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させることにより、前記ケーシングとこのケーシング内の円周領域において等角度間隔をもって配置された複数の羽根との間の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの羽根の上部を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の第2の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方法において、
    前記ケーシングと複数の羽根との間に薄板状或いは箔状の第1のろう材を挟み込むと共に、前記複数の羽根と連結リングとの間に薄板状或いは箔状の第2のろう材を位置決めした状態で挟み込み、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材,ケーシング,羽根及び連結リングを一緒に高周波誘導加熱することにより、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材を溶融させて前記第1及び第2の継手部の空隙部分にそれぞれ充満させることによりろう付けを行なうようにし
    前記複数の羽根の一端面にそれぞれ設けられた第1の突起を前記ケーシングの内面に形成された凹部に係合させて前記複数の羽根を前記ケーシングに組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第1のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記ケーシングの凹部内に挿入配置することにより、前記ケーシング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにしたこと、
    を特徴とするろう付け方法。
  2. 不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持された気密容器内に、自動変速機用トルクコンバータのポンプインペラー機構部を構成する椀状のケーシングを被ろう付け部材として収納配置し、ろう材を高周波誘導加熱により加熱溶融させることにより、前記ケーシングとこのケーシング内の円周領域において等角度間隔をもって配置された複数の羽根との間の第1の継手部、及び、前記複数の羽根とこれらの羽根の上部を互いに位置決めして連結する連結リングとの間の第2の継手部にそれぞれ流し込んでろう付けを行なう方法において、
    前記ケーシングと複数の羽根との間に薄板状或いは箔状の第1のろう材を挟み込むと共に、前記複数の羽根と連結リングとの間に薄板状或いは箔状の第2のろう材を位置決めした状態で挟み込み、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材,ケーシング,羽根及び連結リングを一緒に高周波誘導加熱することにより、前記第1及び第2の薄板状或いは箔状のろう材を溶融させて前記第1及び第2の継手部の空隙部分にそれぞれ充満させることによりろう付けを行なうようにし、
    前記複数の羽根の他端面にそれぞれ設けられた第2の突起に前記連結リングの孔部が係合されるように前記連結リングを前記複数の羽根に組付ける際に、前記薄板状或いは箔状の第2のろう材に形成された開口部に前記複数の羽根の突起をそれぞれ挿通して前記連結リングの孔部に挿通配置することにより、前記連結リング及び複数の羽根に対する前記ろう材の位置決めを行なうようにしたこと
    を特徴とするろう付け方法。
  3. 前記第1の継手部に挟み込む第1のろう材は、1枚の薄板状或いは箔状部材をプレス成形にて前記ケーシングの内面形状に一致する形状に成形し、かつ、前記第1のろう材に前記複数の羽根の第1の突起に対応する開口部を打ち抜き加工して成る部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のろう付け方法。
  4. 前記第2の継手部に挟み込む第2のろう材は、1枚の薄板状或いは箔状部材をプレス成形にてリング形状に成形し、かつ、前記第2のろう材に前記複数の羽根の第2の突起に対応する開口部を打ち抜き加工して成る部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のろう付け方法。
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