JPH09314321A - ろう付け方法 - Google Patents

ろう付け方法

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JPH09314321A
JPH09314321A JP12971496A JP12971496A JPH09314321A JP H09314321 A JPH09314321 A JP H09314321A JP 12971496 A JP12971496 A JP 12971496A JP 12971496 A JP12971496 A JP 12971496A JP H09314321 A JPH09314321 A JP H09314321A
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JP
Japan
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brazing
brazed
filler metal
high frequency
induction heating
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JP12971496A
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English (en)
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Isao Matsumoto
勲 松本
Hiroshi Sone
寛 曽根
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DKK Co Ltd
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Denki Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被ろう付け部材の継手部を高周波誘導加熱に
より欠陥なくろう付けすることができ、特に、複数の複
雑形状部材を銅ろう付けするのに用いて有益な高周波誘
導加熱によるろう付け方法を提供する。 【解決手段】 ろう付けすべき被ろう付け部材を気密容
器内に収納配置し、前記気密容器内を不活性ガス雰囲気
或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持し、前記被ろ
う付け部材の継手部を高周波誘導加熱によりろう付けす
る方法において、被ろう付け部材(例えば、羽根6)の
表面上にめっき法或いは溶射法にて複数種類の金属被膜
α,βを積層状態で形成し、被ろう付け部材6及び金属
被膜α,βを高周波誘導加熱することにより複数種類の
金属被膜α,βを溶融させてこれらを合金化させ、この
合金化されたろう材を被ろう付け部材6の継手部分の空
隙に流れ込ませて被ろう付け部材6の継手部A,Bのろ
う付けを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種部材を高周波
誘導加熱によりろう付けする方法に関し、特に、複雑形
状部材を高周波雰囲気中或いは高周波真空中でろう付け
する方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】高周波誘導加熱コイルにてろう材を加熱
溶融させて部材間の継手部分のろう付けを行なうように
した従来の高周波ろう付け方法にあっては、線材,板
材,或いは粉末材等から成るろう材を被ろう付け部材の
継手部分の形状に合わせて予め成型しておき、ろう付け
継手部に嵌め込むか或いはこの上に載置した状態で加熱
溶融させる、いわゆる置きろう方式を採用することが多
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の置きろう方式では、次のような問題点があ
る。すなわち、特に被ろう付け部材が複雑形状の部材で
ある場合には被ろう付け部材の継手部分にろう材を嵌め
込むことが困難であったり、或いはその作業が極めて面
倒である等の問題点がある。
【0004】また、ろう材を単に被ろう付け部材上に載
せて被ろう付け部材を高周波誘導加熱する場合には、ろ
う材が高周波誘導加熱による電磁力の作用により所定位
置(所定の載置位置)から移動されて位置ずれを生じ、
継手部分に対するろう材の相対位置が変化してしまう不
具合がある。このような事態を生じると、高周波誘導加
熱コイルとろう材の各部との間隔が一定(均一)ではな
くなり、高周波誘導加熱コイルに近接したろう材部分と
これから離れたろう材部分とが生じる。そのため、高周
波誘導加熱時には高周波誘導加熱コイルに近接している
ろう材部分が所定のろう付け温度に達する前に加熱溶融
状態となる。この際、ろう付けすべき部材間の継手部分
の温度が低い状態なので、加熱溶融されたろう材の一部
分は球形状を呈することとなり、前記継手部分の温度が
所定のろう付け温度に達した時には球形状を呈していた
ろう材がオーバヒートにより細かく飛散し、その結果、
前記継手部分の空隙に溶融状態のろう材が流れ込まずに
ろう付け欠陥となるおそれがある。
【0005】一方、上述した高周波誘導加熱コイルから
離れたろう材部分は、継手部分が所定のろう付け温度に
到達しても温度不足により溶融状態とならない。このた
め、このろう材部分に対応する継手部分の空隙にろう材
が流れ込まず、この部分にもろう付け欠陥を生じるおそ
れがある。
【0006】このような現象は、ろう付け温度が高くか
つ流動性の悪い銅ろう付けにおいて発生しやすい。その
一方で、銅ろう付けはろう材のコストが低くしかもろう
付け強度が強いので、銅ろう付けを多用したいところで
ある。しかし、複雑な形状を有しかつろう付け箇所の多
い部材、例えば自動車用自動変速機の構成部品であるト
ルクコンバータの羽根を銅ろう付けする場合等において
は、30枚余の羽根全数を完全に欠陥なくろう付けする
ことは難しく、部分的にろう付け欠陥を生じる箇所もあ
るのが実状である。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、被ろう付け部材の継手部
を高周波誘導加熱により欠陥なくろう付けすることがで
き、特に、複数の複雑形状部材を銅ろう付けするのに用
いて有益な高周波誘導加熱によるろう付け方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、ろう付けすべき被ろう付け部材を気
密容器内に収納配置し、前記気密容器内を不活性ガス雰
囲気或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持し、前記
被ろう付け部材の継手部を高周波誘導加熱によりろう付
けする方法において、前記被ろう付け部材の表面上にめ
っき法或いは溶射法にて複数種類のろう材金属被膜を積
層状態で形成し、前記被ろう付け部材及び複数種類のろ
う材金属被膜を高周波誘導加熱することにより前記複数
種類のろう材金属被膜を溶融させてこれらを合金化さ
せ、この合金化されたろう材を前記被ろう付け部材の継
手部分の空隙に流れ込ませて前記被ろう付け部材の継手
部分のろう付けを行なうようにしている。
【0009】また、本発明では、前記被ろう付け部材の
全表面上に前記複数種類のろう材金属被膜を積層状態で
形成するようにしている。
【0010】また、本発明では、前記被ろう付け部材の
片方の表面上にのみ前記複数種類のろう材金属被膜を積
層状態で形成するようにしている。
【0011】また、本発明では、大気中における溶射法
により前記複数種類のろう材金属被膜を前記複数種類の
被ろう付け部材の表面上に積層状態で形成し、前記複数
種類のろう材金属被膜が表面上に形成された前記被ろう
付け部材を10-3Torr以上の還元性ガス雰囲気中に
保持し、高周波誘導加熱にて前記複数種類のろう材金属
被膜を溶融させて合金化して成るろう材により前記被ろ
う付け部材の継手部のろう付けを行なうようにしてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。なお、本実施例においては、
本発明に係るろう付け方法を使用することにより、自動
車用自動変速機用のトルクコンバータ1の主要構成部材
であるポンプインペラー機構部2の製造(銅ろう付け)
を行なうようにしている。
【0013】図1〜図3はポンプインペラー機構部(羽
根車)2の組立完成品を示すものであって、このポンプ
インペラー機構部2は、一端側に開放口3を有しかつ他
端側の中心部に開孔4を有するカップ形状のケーシング
5と、このケーシング5の内部の円周領域において等角
度間隔をもって配設された軟鋼製の複数枚(例えば,3
2枚)の羽根6と、これらの羽根6の上部を互いに連結
する位置決め兼補強用の連結リング7とから構成される
ものである。上述の羽根6には図2に示すように3つの
突起8,9及び10が一体成形されており、これらのう
ちの片側の一対の突起8,9がケーシング5の径方向の
2箇所に形成された係合凹部11,12にそれぞれ係合
された状態で、各羽根6の一端面6aがケーシング5に
当接配置されている。そして、羽根6の他端面の中間箇
所に一体成形された突起10が、前記連結リング7の孔
部13にそれぞれ挿入配置された状態となされている。
これにより、複数枚の羽根6は、ケーシング5の所定位
置に位置決めされてこのケーシング5と連結リング7と
の間に一体に組付けられると共に(図2及び図3参
照)、ケーシング5の径方向に対して所定の角度に傾斜
された状態で配設されてろう付けされるようになってい
る(図1参照)。
【0014】なお、図2及び図3において、Aは羽根6
とケーシング5とが互いに銅ろう付けにて結合される継
手部であり、Bは羽根6と連結リング7とが互いに銅ろ
う付けにて結合されるの継手部である。また、図示を省
略したが、前記ケーシング5に中央箇所には開孔4を閉
塞した状態で駆動軸が一体に結合されるようになってい
る。
【0015】本例においては、ろう付け作業の前に、被
ろう付け部材である羽根6の全表面がめっき法又は溶射
法により二種類の金属被膜α,βから成るろう材金属被
膜14にて予め被覆されるようになっており、所要膜厚
のろう材金属被膜14が図4に示すように羽根6の全表
面上に形成されている。本例では、上述のろう材金属被
膜14は、亜鉛から成る金属被膜αと銅から成る金属被
膜βとを積層した二重金属被膜にて構成すると共に、融
点温度が相対的に低くかつ低圧下での溶融時に蒸発しや
すい性質を有する亜鉛被膜αが羽根6の表面上に下地層
として形成され、融点温度が相対的に高くかつ低圧下で
の溶融時に蒸発しにくい性質を有する銅被膜βを前記亜
鉛被膜αの表面上に形成するようにしている。なお、こ
のろう材金属被膜14の形成方法は、通常の電気めっき
法、溶融めっき法、機械めっき法等の各種のめっき法で
あってもよく、また還元材と共に銅材を溶射するような
一般的な溶射法であってもよい。
【0016】図5は、ポンプインペラー機構部2の組立
のためのろう付け作業を行なう加熱装置15を示すもの
であって、この加熱装置15は上部加熱用の高周波誘導
加熱コイル16と下部加熱用の高周波誘導加熱コイル1
7と、これらのコイル16,17に高周波電力を供給す
る高周波電源18とから構成されている。また、上述の
各コイル16,17は前記複数の羽根6に対応する本体
部16a,17aがそれぞれ渦巻状に巻回されており、
これらのリード部16b,17bを介して前記高周波電
源18に互いに並列に接続されている。そして、これら
のコイル16,17は、前記複数の羽根6に対して僅か
な間隔を隔てて配置されるようになっている。
【0017】次に、ポンプインペラー機構部2の組立作
業及びその際のろう付け作業の手順について説明する。
【0018】(1) まず、トルクコンバータ1のポン
プインペラー機構部2の構成部材であるケーシング5上
に、所要膜厚の亜鉛被膜α及び銅被膜βの二重金属被膜
から成るろう材金属被膜14が予め形成された複数の羽
根6を所定位置に載置してケーシング5の係合凹部1
1,12内に各羽根6の突起8,9をそれぞれ係合させ
た状態で組付ける。しかる後に、連結リング7の孔部1
3に各羽根6の突起10を嵌着させた状態でこの連結リ
ング7を複数の羽根6の上部箇所に配置する。これによ
り、複数の羽根6をケーシング5と連結リング7との間
に位置決めされた状態で組付けて組立体20(図2参
照)を得る。
【0019】(2) 次に、この組立体(ワーク)20
を図外の密閉容器内(例えば、10 -3Torr以上の還
元性ガス雰囲気中)に収容して図5に示すようにワーク
受け治具21上に載置し、上部加熱用の高周波誘導加熱
コイル16を連結リング7の上部に僅かな間隔を隔てて
配置すると共に、下部加熱用の高周波誘導加熱コイル1
7をケーシング5の下部に僅かな間隔を隔てて配置し、
これによりこれら両コイル16,17間に被ろう付け部
材である羽根6、連結リング7及びケーシング5を所定
間隔をもって配置する。
【0020】(3) 次いで、密閉容器の蓋体を閉じ、
真空ポンプにより密閉容器内を所定圧力に真空引きした
後、窒素及び水素の混合ガスにより密閉容器内を置換
し、所要圧力とする。
【0021】(4) この後、高周波電源18より前記
両コイル16,17に所要周波数の高周波電流を流し、
これに応じてケーシング5、連結リング7及び羽根6を
所定のろう付け温度まで同時に誘導加熱する。これによ
り、羽根6の表面に予め形成されている二重積層状態の
ろう材金属被膜14を羽根6と共に加熱溶融せしめる。
すなわち、この際には、二重金属被膜から成るろう材金
属被膜14が被ろう付け部材である羽根6と共に同じ昇
温速度で加熱され、二重金属被膜のうちの相対的に融点
の低い亜鉛被膜αが先に溶融し始め、次いで、二重金属
被膜のうちの相対的に融点の高い銅被膜βが溶融する。
これに伴って、溶融状態の亜鉛及び銅が合金化して黄銅
となり、所定のろう付け温度に達した時点では、この合
金化された黄銅が溶融されて羽根6の表面上を上下両方
向に向けて流れ(下方へは重力及び継手部Aの空隙部分
の毛管作用により、また上方へは継手部Bの空隙部分の
毛管作用により流れる)、黄銅(合金)から成るろう材
14が図6に示すように継手部A,Bの両部に集まる。
かくして、図6に示すように、羽根6とケーシング5と
の継手部Aの空隙に溶融状態の黄銅がろう材として流れ
込むと共に、羽根6とケーシング5とによって形成され
た角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上が
り部14aが形成される。一方、羽根6と連結リング7
との継手部Bの空隙に溶融状態の黄銅がろう材として流
れ込むと共に、羽根6と連結リング7とによって形成さ
れた角部の円環状領域にろう材が盛り付けられて盛り上
がり部14bが形成される。これらの盛り上がり部14
a,14bは余盛(補強)としての機能を果たすことと
なる。
【0022】(5) 所定のろう付け温度状態を所要時
間にわたって保持した後、前記両コイル16,17への
通電を停止し、誘導加熱を終了する。
【0023】(6) 誘導加熱の終了後、被ろう付け部
材である羽根6を所要温度まで冷却し、所要圧力の窒素
ガスを密閉容器内に注入して所要温度(例えば、200
℃以下)まで冷却する。
【0024】(7) この後、真空ポンプを停止し、組
立の完了したポンプインペラー機構部2を密閉容器内か
ら取出す。
【0025】このような本例のろう付け方法を使用した
場合には、被ろう付け部材である羽根6の表面上に二種
類の金属(銅及び亜鉛)から成る堅固に密着した二重層
のろう材金属被膜14を形成するようにしているので、
高周波誘導加熱時に電磁力の作用にて銅材金属被膜14
が動いてしまうようなことがなく、またろう材金属被膜
14が羽根6に先駆けて誘導加熱されてしまうことなく
羽根6と共に同じ昇温速度で加熱されることとなる。従
って、ろう材金属被膜14は各部において均一に加熱溶
融されて羽根6の継手部A,Bすなわち継手間の空隙に
それぞれ確実に流れ込み、かつ、継手部A,Bの付近に
ろう材の盛り上がり部14a,14bを形成することと
なるため、良好なろう付けを行なうことができる。
【0026】以下に、上記実施例の具体的な加工条件を
述べる。加工条件の具体例 (1) トルクコンバータの寸法 〈ア〉 構造部材の外径 : 260mm 構造部材の高さ : 65mm 〈イ〉 羽根数 : 32枚 (2) 羽根の被膜形成条件 〈ア〉 被膜形成方法(被覆方法): 銅めっき法+亜鉛めっき法 〈イ〉 被膜の厚さ(膜厚) : 亜鉛40μ+銅60μ=100μ (3) 高周波誘導加熱条件 〈ア〉 周波数 : 7KHz 〈イ〉 出力 : 160KW 〈ウ〉 加熱時間 : 25秒 〈エ〉 保持時間 : 15秒 〈オ〉 放冷時間 : 10秒 〈カ〉 加熱温度 : 950℃ (4) 気密容器内の雰囲気条件 〈ア〉 加熱時の置換ガス : 窒素+一酸化炭素(10%) 〈イ〉 加熱時の圧力 : 10Torr 〈ウ〉 冷却時の加圧ガス : 窒素 〈エ〉 冷却時の加圧ガス噴射圧力 : 6Kg/mm2
【0027】以上、本発明の一実施例につき述べたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能であ
る。例えば、既述の実施例では、トルクコンバータ1の
主要構成部材であるポンプインペラー機構部2の組立に
本発明に係るろう付け方法を適用するようにしたが、こ
れに限らず、トルクコンバータ1以外の各種の部品のろ
う付けにも本発明を適用し得ることは言う迄もない。ま
た、合金化されるろう材金属としては、黄銅に限らず、
各種の金属材を適宜に選定することにより他の合金材を
ろう材として使用することが可能である。さらに、三種
類以上の金属被膜から成るろう材金属被膜を羽根6の表
面上に形成した、これらの合金をろう材として使用する
ことも可能である。
【0028】また、既述の実施例では、被ろう付け部材
(羽根6)の表裏両面にろう材金属被膜14を形成する
ようにしたが、その片面(表裏両面のうちの何れか一方
の面)にのみろう材金属被膜14を形成するようにして
もよい。
【0029】さらに、密閉容器内を10-3Torr以上
の不活性ガス雰囲気或いは還元性ガス雰囲気としてもよ
く、また真空に保持してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、被ろう付け部材
の表面上にめっき法或いは溶射法にて複数種類のろう材
金属被膜を積層状態で形成し、前記被ろう付け部材及び
複数種類のろう材金属被膜を高周波誘導加熱することに
より前記複数種類のろう材金属被膜を溶融させてこれら
を合金化させ、この合金化されたろう材を前記被ろう付
け部材の継手部分の空隙に流れ込ませて前記被ろう付け
部材の継手部分のろう付けを行なうようにしたものであ
るから、ろう材は被ろう付け部材の表面上にめっき法又
は溶射法にて予め堅固に密着形成されているので、高周
波誘導加熱に際してろう材が電磁力の作用にて位置ずれ
を生じることがなく、しかも、ろう材及び被ろう付け部
材は同時に同じ昇温速度で高周波誘導加熱されることと
なる。このため、本発明に係るろう付け方法によれば、
ろう材が被ろう付け部材に先駆けて加熱されてしまうよ
うなことがなく、所要のろう付け温度に達した時点では
ろう材が溶融されて継手部間の空隙に良好に入り込むと
共に継手部の周囲にろう材の盛り上がり部が形成される
こととなる。その結果、理想的なろう付けを行なうこと
ができる。
【0031】また、一般的には良好なろう付けを行いに
くいとされている銅ろう付けに本発明を適用した場合に
も理想的なろう付けを行なうことができる。この場合に
は、安価な銅材から成るろう材を利用でき、しかも複数
の複雑形状部材であっても一度のろう付け工程により理
想的な高強度のろう付けを行なうことが可能となる。従
って、本発明に係るろう付け方法は、利用価値が高く、
産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るろう付け方法にてろう付けが施さ
れるトルクコンバータのポンプインペラー機構部を示す
平面図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線拡大断面図である。
【図4】被ろう付け部材である羽根の断面図である。
【図5】ポンプインペラー機構部の羽根を高周波誘導加
熱によりろう付けする装置の断面図である。
【図6】羽根をろう付けした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 ポンプインペラー機構部 5 ケーシング 6 被ろう付け部材としての羽根 7 連結リング 8,9,10 突起 11,12 係合凹部 14 銅材金属被膜(ろう材金属被膜) 14a,14b 盛り上がり部 15 加熱装置 16 上部加熱用の高周波誘導加熱コイル 17 下部加熱用の高周波誘導加熱コイル 18 高周波電源 20 組立体 A,B 継手部 α 亜鉛被膜 β 銅被膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう付けすべき被ろう付け部材を気密容
    器内に収納配置し、前記気密容器内を不活性ガス雰囲気
    或いは還元性ガス雰囲気、又は真空に保持し、前記被ろ
    う付け部材の継手部を高周波誘導加熱によりろう付けす
    る方法において、前記被ろう付け部材の表面上にめっき
    法或いは溶射法にて複数種類のろう材金属被膜を積層状
    態で形成し、前記被ろう付け部材及び複数種類のろう材
    金属被膜を高周波誘導加熱することにより前記複数種類
    のろう材金属被膜を溶融させてこれらを合金化させ、こ
    の合金化されたろう材を前記被ろう付け部材の継手部分
    の空隙に流れ込ませて前記被ろう付け部材の継手部分の
    ろう付けを行なうようにしたことを特徴とするろう付け
    方法。
  2. 【請求項2】 前記被ろう付け部材の全表面上に前記複
    数種類のろう材金属被膜を積層状態で形成するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のろう付け方法。
  3. 【請求項3】 前記被ろう付け部材の片方の表面上にの
    み前記複数種類のろう材金属被膜を積層状態で形成する
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載のろう付け
    方法。
  4. 【請求項4】 大気中における溶射法により前記複数種
    類のろう材金属被膜を前記複数種類の被ろう付け部材の
    表面上に積層状態で形成し、前記複数種類のろう材金属
    被膜が表面上に形成された前記被ろう付け部材を10-3
    Torr以上の還元性ガス雰囲気中に保持し、高周波誘
    導加熱にて前記複数種類のろう材金属被膜を溶融させて
    合金化して成るろう材により前記被ろう付け部材の継手
    部のろう付けを行なうようにしたことを特徴とする請求
    項1乃至3の何れか1項に記載のろう付け方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008078432A1 (ja) * 2006-12-22 2008-07-03 Chubu Ueringu Co., Ltd. 熱処理装置
CN102909449A (zh) * 2012-09-28 2013-02-06 黄一淼 金属零部件的感应钎焊焊接方法

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