JP3773681B2 - 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置 - Google Patents

光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3773681B2
JP3773681B2 JP00344199A JP344199A JP3773681B2 JP 3773681 B2 JP3773681 B2 JP 3773681B2 JP 00344199 A JP00344199 A JP 00344199A JP 344199 A JP344199 A JP 344199A JP 3773681 B2 JP3773681 B2 JP 3773681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
incident
light beam
storage medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00344199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000207765A (ja
Inventor
渉 小田島
信也 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP00344199A priority Critical patent/JP3773681B2/ja
Priority to US09/362,362 priority patent/US6611488B1/en
Priority to EP99306167A priority patent/EP1018728A1/en
Publication of JP2000207765A publication Critical patent/JP2000207765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3773681B2 publication Critical patent/JP3773681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B7/1374Objective lenses
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1384Fibre optics
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1387Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector using the near-field effect
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B2007/13727Compound lenses, i.e. two or more lenses co-operating to perform a function, e.g. compound objective lens including a solid immersion lens, positive and negative lenses either bonded together or with adjustable spacing

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の駆動機構によって駆動されて所定の記憶媒体に近接して移動しその記憶媒体の表面に光を照射する光学ヘッド、そのような光学ヘッドに用いられるレンズ、およびそのような光学ヘッドを用いて記憶媒体に対し情報を読み書きする光記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、上述したような光学ヘッドを用いて記録媒体上にレーザ光を集光することによって記録媒体上に集光スポットを形成し、その集光スポットを用いて記録媒体を熱することにより記録媒体に情報を書き込み、あるいは、記録媒体に書き込まれた情報をその集光スポットを用いて読みとる光記憶装置が知られている。このような光記憶装置による情報の記録密度は、集光スポットの径が小さいほど高い。
【0003】
従来の光記憶装置では、集光レンズ等といった集光系で集光スポットを形成する光学ヘッドが用いられることが一般的であるが、集光系によって形成される集光スポットの径は、後述する回折限界と呼ばれるサイズ以下に小さくすることができない。
【0004】
これに対し、回折限界そのものが小さい特殊な集光系を用いて情報を高密度に記録する技術や、光ファイバなどを加工して極小の出射口を形成し、サイズの小さな集光スポットを物理的に形成する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光記憶装置による情報の記録密度は、飛躍的な向上が望まれており、レーザ光の波長よりも小さなスポット径を実現する技術が望まれているが、上述した特殊な集光系を用いる技術では、スポット径はせいぜいレーザ光の波長程度までしか小さくすることができないし、極小の出射口を用いる技術では、レーザ光の波長よりも小さな出射口を形成すること自体が困難であるといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、スポット径が光の波長よりも小さい集光スポットを形成することができるとともに製造が容易な光学ヘッド、そのような光学ヘッドに適したレンズ、および記録媒体に対する情報の読み書きを高密度に行うことができる光記憶装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の光学ヘッドは、所定の駆動機構によって駆動されて所定の記憶媒体に近接して移動しその記憶媒体の表面に光を照射する光学ヘッドにおいて、
光ビームを発光する発光部と、
光ビームが入射される入射面と、入射面から入射された光ビームを出射する出射面を有する光学部品と、
前記光学部品の出射面から出る光ビームのうち所定強度以上の光ビームを透過させる光透過部と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0008】
本発明の光学ヘッドは、上記光透過部が、入射光エネルギーの一部を熱エネルギーに変換し、入射光を高温ほど高い透過率で透過させる物質からなるものであってもよく、あるいは、
上記光透過部が、入射光強度の増大に応じて吸収率が低下する過飽和吸収体からなるものであってもよい。
【0009】
本発明の光学ヘッドによれば、上述したような光透過部で出射面が覆われているので、出射面に当てられた光のうちの光強度が高い部分の光だけが光透過部を透過する。このため、光学系によって、光の波長程度まで絞られた光を出射面に当てると、後で詳細に説明するように、光透過部によって、波長よりもスポット径が小さい集光スポットが形成される。また、上述したような光透過部は、例えば光透過膜として出射面をコーティングするように形成することで容易に形成することができる。さらに、光透過部は、出射面とすき間を空けて設けられたシート状のものであってもよく、あるいは、光学部品自体が加工されることによって層状に形成されたものであってもよい。
【0010】
また、本発明の光学ヘッドは、上記光学部品が、光の焦点を上記出射面に結ばせるものであってもよく、あるいは、
上記光学部品が光ファイバであってもよい。
【0011】
光ファイバを用いた光学ヘッドの場合には、光ファイバが、光ファイバの一端に出射面を有しその一端に向かって先細りの形状を有するものであることが望ましい。
【0012】
このような先細りの形状を有する光ファイバによって出射面に光が集められて光強度が高い集光スポットが形成されることとなる。
【0013】
また、光ファイバを用いた光学ヘッドの場合には、光ファイバが、光ファイバの一端に、凸の出射面を有するものであることが望ましい。
【0014】
このような凸の出射面を有することにより、光強度が強い集光スポットが生じることとなる。
【0015】
上記目的を達成する本発明の第1の光学部品は、光ビームが入射される入射面と、
入射面から入射された光ビームを出射する出射面と、
出射面から出る光ビームを光強度が高いほど高い透過率で透過させる光透過部とを有することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する本発明の第2の光学部品は、光ビームが入射される入射面と、入射面から入射された光ビームを出射する出射面とを有し、光ビームを該出射面に集光するように形成されてなる光学部品において、
所定強度以上の光ビームを透過させる光透過層が前記出射面に設けられてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の光学部品は、レンズであってもよく光ファイバであってもよい。
【0018】
また、上記目的を達成する本発明の第1の光記憶装置は、 光ビームを発光する発光部、
光ビームが入射される入射面と、入射面から入射された光ビームを出射する出射面と、出射面から出る光ビームのうち所定強度以上の光ビームを透過させる光透過部とを有する光学部品、
光ビームが照射される記憶媒体を所定の位置に保持する記憶媒体保持機構、および
前記光学部品を、前記記憶媒体保持機構で保持された記憶媒体と前記光透過部とを光ビームの波長以下の距離だけ離した状態で駆動する光学部品駆動機構を備えたことを特徴とする。
【0019】
このような第1の光記憶装置によれば、光の波長よりも小さいスポット径を有する集光スポットによって情報の読み書きが高密度に行われる。
【0020】
さらに、上記目的を達成する本発明の第2の光記憶装置は、光ビームを発光する発光部、
光ビームが入射される入射面と、前記入射面から入射された光ビームを出射する出射面とを有し、光ビームを該出射面に集光するように形成されてなり、0.75以下の開口数を有する光学部品、
光ビームが照射される記憶媒体を所定の位置に保持する記憶媒体保持機構、および
前記光学部品を、前記記憶媒体保持機構で保持された記憶媒体と前記光透過部とを光ビームの波長の10分の1以下の距離だけ離した状態で駆動する光学部品駆動機構を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の光記憶装置によれば、後述するように、出射面と記憶媒体表面との間の距離がふらついても記憶媒体への照射光の光量が安定している。このため記憶媒体に対する情報の読み書きが安定して高密度な読み書きを行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明するにあたり、先ず、比較例について説明し、その後、本発明の原理と、本発明の具体的な実施形態について説明する。
【0023】
図1は、回折限界そのものが小さい特殊な集光系が用いられた比較例を示す概念図である。
【0024】
この図1に示されている集光系は、回折限界そのものが小さくなるように工夫された集光系である。回折限界reは、
e =0.41λ/(N.A.) ・・・(1)
と表される。但し、λはレーザ光の波長、N.A.は開口数(Numerical Aperture)であり、開口数N.A.は、集光系の入射瞳をa、焦点距離をf、屈折率をnとすると
(N.A.)=na/2f ・・・(2)
と表される。
【0025】
この集光系は、対物レンズ1と、SIL(Solid Immersion Lens)2とで構成されている。対物レンズ1は、一般的な光学ヘッドで用いられる集光レンズと同等のレンズであり、SIL2は、球面2aが対物レンズを向き、対物レンズ1と平面2bとの距離が対物レンズ1の焦点距離と同じになるように配置された半球レンズである。対物レンズ1に対して図の上方から入射されたレーザ光3は、SIL2の平面2bに、球面2aおよびSIL2内部を経由して集光され、平面2bに集光スポットが形成される。レーザ光3は球面2aによって屈折されず、このため、この図1に示す集光系の開口数は、対物レンズ1が単独に存在する場合の開口数と等しい。一方、レーザ光3がSIL2内部を経由して集光されるので、SIL2の屈折率をnとすると、レーザ光3の波長は対物レンズ1単独で集光される場合のn分の1倍の波長となる。この結果、式(1)で表される回折限界は、対物レンズ1単独でレーザ光が集光される場合の回折限界に比べてn分の1倍となる。
【0026】
ところで、このような集光系によれば、径が小さい集光スポットを形成することができるが、集光されたレーザ光3のうちの多くの部分は、平面2bによる全反射の角度範囲に入ってしまいSIL2外部へと伝搬することができない。しかし、レーザ光3は電場や磁場としての性質も有しており、集光スポットに集光されたレーザ光3の電場や磁場は、平面2bからSIL2外部にはみ出すように存在している。このように平面2bからいわばしみ出した電場や磁場は近接場光と呼ばれている。
【0027】
そこで、図1に示す集光系を用いた光学ヘッドでは、平面2bが記憶媒体4表面に約100nm程度まで近づけられることにより、近接場光が記憶媒体4に照射される。
【0028】
図2は、回折限界そのものが小さい他の集光系が用いられた比較例を示す概念図である。
【0029】
この図2に示す集光系は、図1に示す集光系のSIL2に替えて、超半球面体のSIL5が用いられた集光系であり、この図2に示す集光系では、レーザ光3がSIL5の球面5aによって屈折される。この結果、この図2に示す集光系の開口数は、図1に示す集光系の開口数のn分の1倍となる。従って、式(1)で表される回折限界は、対物レンズ1単独でレーザ光が集光される場合の回折限界に比べてnの2乗分の1倍となる。
【0030】
このように、特殊な集光系を用いることにより、式(1)で表される回折限界そのものを小さくすることはある程度可能であるが、スポット径はせいぜいレーザ光の波長程度までしか小さくすることができない。
【0031】
上述した極小の出射光を用いる技術として、特殊な加工が施された光ファイバによってレーザ光の波長よりも小さなスポット径を実現する技術が提案されている。
【0032】
図3は、光ファイバが用いられた比較例を示す概念図である。
【0033】
光ファイバ6は、端部6aが円錐状に加工されており、その円錐状の端部6aの周面にはアルミニウムの反射膜6bがコーティングされている。レーザ光3は光ファイバ6内を図の上方から伝搬されてきて反射膜6bによって集光される。また、円錐状の端部6aのさらに先端には、レーザ光3の波長λよりも小さな直径の出射面6cが形成されており、レーザ光3の波長よりも小さいスポット径が物理的に実現される。
【0034】
但し、出射面6cの直径がレーザ光3の波長よりも小さいために、レーザ光3は、出射面6cから光ファイバの外に伝搬することができない。そこで、図1の説明同様に出射面6cは記録媒体4表面に近づけられて近接場光が記録媒体4に照射される。
【0035】
記録媒体4によって反射されたレーザ光3は、光ファイバ6内を図の上方へと伝搬されていく。
【0036】
このように、原理的には、直径がレーザ光の波長よりも小さい出射面6cが形成されることによって、スポット径がレーザ光の波長よりも小さい集光スポットが実現されるが、光ファイバ6の先端にそのような出射面6cを実際に形成すること自体が非常に困難であり、光ファイバの加工技術の飛躍的な進歩が必要とされる。
【0037】
以下、本発明の原理について説明する。
【0038】
図4は、本発明の原理の説明図である。
【0039】
この図には、入射光の強度が高いほど高い透過率で入射光を透過する光透過膜10で覆われた出射面20aを有する光学部品20の一部分が示されている。光透過膜10の膜厚は入射光の波長以下である。光透過膜10の材料としては、例えば、入射光の一部を吸収して発熱し所定温度を超えると急激に透過率が高くなる性質を持つアンチモンや、入射光強度が低いと入射光を高い吸収率で吸収し入射高強度がある程度高いと吸収が飽和して吸収率が急激に低くなる過飽和吸収体の一例であるフタロシアニン等が考えられる。光透過膜10の成膜には、光学薄膜の成膜方法として一般的な蒸着、スパッタが適応できる。従って波長以下の厚みで成膜する事も容易である。また、光学部品20の材料としてはガラスなどが考えられる。
【0040】
また、この図には、出射面20aにレーザ光30が集光されている様子も示されており、集光されたレーザ光30は、直径がレーザ光30の波長程度である集光スポットを形成している。この図に示されている点線30aは、集光されたレーザ光30の強度分布を表しており、集光スポットの中央付近に光強度のピークが存在する。出射面20a近傍に存在する近接場光は、点線30aが示す強度分布に応じた強度分布となり、近接場光は、集光スポットの中央付近では光透過膜10を透過し、集光スポットの周辺では光透過膜10に遮られる。つまり、光透過膜10は、集光スポットの径を縮小するように作用する。この結果、光透過膜10を透過する近接場光は、図に点線30bで示すように、レーザ光30の波長よりも小さいスポット径の集光スポットを形成する。
【0041】
光学部品20は、記憶媒体40の表面と出射面20aが約100nm程度まで近接させられ、点線30bで示される集光スポットを形成している近接場光が記憶媒体40に照射される。この結果、レーザ光30の波長よりも小さいスポット径の集光スポットによる読み書きが行われることとなる。
【0042】
次に、上述した原理を応用した光学ヘッドの具体的な実施形態について説明する。但し、以下説明する図5,図7,図8では光学ヘッドのうち光学部品の出射面付近だけが示されており、本発明にいう発光部や入射面は、ここでは図示を省略した。
【0043】
図5は、上述した原理を図1に示す集光系に応用した光学ヘッドの概念図である。
【0044】
この図5には、光透過膜10が備えられている点を除いて図1に示す集光系と同様な集光系が示されている。対物レンズ50およびSIL21からなる組み合わせレンズ、もしくはSIL21は本発明にいう光学部品の一例である。
【0045】
この図5に示す集光系において、部品の製造誤差、および装置稼働時の制御誤差を考慮すると、レーザ光31が出射面21aに集光されて形成された集光スポットの、点線31aで示される光強度分布には、集光スポットの中心にピークPが生じるとともに、ピークPの周囲にサイドローブSRが生じる。このサイドローブSRの光強度は、ピークPの光強度に対して高々30%程度であるが、このサイドローブSRは、情報を読みとる際にはノイズやクロストーク(混信)の原因となり、情報を書き込む際にはクロスライト(重ね書き)の原因となる。このようなサイドローブSRを含めた集光スポットの実質的な径は大きい。
【0046】
以下説明するように、光透過膜10によって、サイドローブSRに相当する近接場光が遮られ、点線31bで示される、ピークPに相当する近接場光だけが光透過膜10を透過して記憶媒体40に照射される。
【0047】
図6は、図5に示す光学ヘッドによって形成される集光スポットのシミュレート結果を表すグラフである。
【0048】
このグラフには、図5に示す出射面21aにレーザ光31が集光されて形成された集光スポットの光強度分布がシミュレートされた結果が示されており、レーザ光31の波長が633nm、対物レンズの開口数が0.8、SIL21の屈折率が1.8であるという条件の下でシミュレートされている。グラフの横軸は、集光スポットの中心からの距離を示しており、グラフの縦軸は、集光スポットの中心における光強度を「1.0」とする相対的な光強度を示している。集光スポットの中心付近には、半値幅が0.165μmであるピークPが存在し、そのピーク周辺には、ピークPの約20%程度の光強度を有するサイドローブSRが存在する。
【0049】
図5に示す光透過膜10を、上述したアンチモンやフタロシアニン等で代表されるような、入射光強度が所定の閾値を越えると急激に透過光強度が増大する物質で作成し、その閾値THがピークPの光強度の半分程度となるように膜厚等を調整すると、サイドローブSRに相当する近接場光は光透過膜10に遮られ、ピークPに相当する近接場光のみが光透過膜10を透過する。その結果、光透過膜10を透過する近接場光のスポット径Rは、レーザ波長の約4分の1程度という極めて小さな径になる。
【0050】
膜の透過率が変化する入射光強度のしきい値THは光透過膜10の膜厚を変えることで制御する事が可能である。アンチモンのような温度によって透過率が変化する材料を用いた膜の場合、膜厚を厚くすると膜の熱容量が大きくなり、入射光による膜の温度上昇率が低下する。透過率が変化する温度は膜厚では変化しないため、結果的に入射光強度に対するしきい値を高くできる。逆に膜厚を薄くすると膜の温度上昇率は高くなり、入射光強度のしきい値を低くすることができる。また、フタロシアニンのような透過飽和吸収材料を用いた膜の場合では、飽和する光強度は単純に膜厚に比例する。従って、膜厚を厚くすれば入射光強度に対する透過率が変化するしきい値を高くすることができる。膜厚を薄くすれば逆にしきい値を下げられる。光透過膜10の成膜には、光学薄膜の製法で一般的な蒸着、スパッタが適応できるため、膜厚の制御は容易である。
【0051】
図7は、本発明の原理を光ファイバに応用した光学ヘッドの概念図である。
【0052】
この図7には、光透過膜10で覆われた出射面22aを一端に有し、その一端に向かって先細りの形状を有する光ファイバ22が示されており、レーザ光32は、光ファイバ22内部を図の上方から伝搬されてきて、先細りの形状によって出射面22aに集光される。出射面22aの直径はレーザ光32の波長λよりも大きく、このような光ファイバ22は作成が容易である。
【0053】
また、この図7には、光ファイバ22中を伝播するレーザ光32の光強度分布が点線32aで示されており、出射面22aの中心付近に光強度のピークが存在する。
【0054】
出射面22aの中心付近に存在する強い近接場光は、光透過膜10によって透過されて記憶媒体40に照射され、出射面22aの周辺部分に存在する弱い近接場光は、光透過膜10によって遮られる。この結果、点線32bで示すような、レーザ光32の波長λよりも小さなスポット径が実現される。
【0055】
記憶媒体40によって反射されたレーザ光32は、光ファイバ22内部を図の上方へと伝搬されていく。
【0056】
図8は、本発明の原理を光ファイバに応用した他の光学ヘッドの概念図である。
【0057】
この図8に示す光ファイバ23は、凸の出射面23aを有する点を除いて、図7に示す光ファイバ22と同様であり重複説明は省略する。
【0058】
このような凸の出射面近傍には、強い近接場光が存在していることが知られており、この図8に示す光ファイバ23が用いられることにより、記憶媒体40に強い近接場光が照射される。
【0059】
以下、本発明の光記憶装置の具体的な実施形態について説明する。
【0060】
図9は、本発明の光記憶装置の一実施形態を表面側から見た外観斜視図であり、図10は、裏面側から見た外観斜視図である。
【0061】
この光記憶装置100には、光記憶装置100の土台となるアルミニウム合金製のドライブベース110が備えられており、ドライブベース110は、4個の防振ゴム120を介してフレーム130に取り付けられている。また、ドライブベース110には、トップカバー140およびボトムカバー150がそれぞれねじ止めされている。
【0062】
フレーム130には、フロントパネル160が取り付けられており、このフロントパネル160には、本発明にいう記憶媒体の一例である円盤状の光ディスクを内蔵した光ディスクカートリッジが光記憶装置100に挿入されるための挿入口161が設けられている。
【0063】
光記憶装置100の、フロントパネル160が取り付けられた前端に対する後端には、光記憶装置100をコンピュータ等といった機器と電気的に接続するためのコネクタ170が搭載されている。
【0064】
図11は、図9および図10に示す光記憶装置の分解斜視図である。
【0065】
ドライブベース110には、光ディスクを保持して回転させるスピンドルモータ180が搭載されており、このスピンドルモータ180は本発明にいう記憶媒体保持機構の一例である。
【0066】
また、このドライブベース110には、光ディスクの半径方向に移動自在な移動光学アセンブリ190と、ドライブベース110に固定される固定光学アセンブリ200とからなる光学ヘッドが搭載され、固定光学アセンブリ200は、ドライブベース110の裏面側に固定される。また、固定光学アセンブリ200には、後述するプリント配線板210と電気的に接続するためのコネクタ201が備えられている。
【0067】
この図11には、永久磁石をスライドさせることによって、光ディスクに印加されるバイアス磁界をオンオフするバイアス磁石アセンブリ221と、光ディスクカートリッジのシャッタを開閉する開閉アーム222が備えられた光ディスクカートリッジローディングアセンブリ220が示されており、この光ディスクカートリッジローディングアセンブリ220は、ドライブベース110の表面側にねじ止め固定される。光ディスクカートリッジローディングアセンブリ220の表面側には絶縁シート230が搭載され、絶縁シート230の外周部には、密封性を高めることによって光ディスクに粉塵が付着することを防止するシール部材231が装着されている。
【0068】
また、この図11には、固定光学アセンブリ200のコネクタ201と接続するためのコネクタ211と、外部機器と電気的に接続するためのコネクタ170が搭載され、光学ヘッドの駆動を制御する駆動制御回路等が含まれるプリント配線板210の裏面側が示されており、このプリント配線板210は、プリント配線板210のコネクタ211と固定光学アセンブリ200のコネクタ201が互いに接続されるように絶縁シート230の上からドライブベース110に搭載されドライブベース110にねじ止め固定される。
【0069】
さらに、ドライブベース110には、トップカバー140がプリント配線板210の上からねじ止め固定され、ドライブベース110の背面側にはボトムカバー150がねじ止め固定される。最後に、ドライブベースは、防振ゴム120を介してフレーム130に取り付けられる。
【0070】
図12は、固定光学アセンブリと移動光学アセンブリとの配置関係を示す斜視図であり、ドライブベースは図示を省略されている。
【0071】
固定光学アセンブリ200には、情報の読み書きに用いられるレーザ光を発生する本発明にいう発光部の一例であるレーザダイオード202と、光ディスク240が反射した光に含まれている、光ディスク240に記憶されている情報に応じた信号を検出する光検出器203と、情報を記憶する場所として光ディスク上に設けられている同心円状のトラックに対する集光スポットのずれを後述するように検出するための光検出器204と、集光スポットのフォーカスのずれを後述するように検出するための光検出器205が取り付けられている。
【0072】
移動光学アセンブリ190は、一対の磁気回路250によって駆動され一対のガイドレール260に沿って光ディスク240の半径方向に移動する。移動光学アセンブリ190には、対物レンズおよびSIL300の位置を微調整することによって、集光スポットのフォーカスを調整するとともに集光スポットをトラック上に位置させるアクチュエータが内蔵されている。これら一対の磁気回路250やアクチュエータが、本発明にいう光学ヘッド駆動機構の一例である。また、移動光学アセンブリ190には、断面が四角形の筒口192が設けられており、固定光学アセンブリ200のレーザダイオード202によって発せられ後述するように平行光にされたレーザ光がこの筒口192から移動光学アセンブリ190内に入る。また、光ディスク240が反射した光がこの筒口192から固定光学アセンブリ200に戻る。さらに、移動光学アセンブリ190には、筒口192から入ったレーザ光を対物レンズおよびSIL300に入射させる立ち上げミラーも内蔵されている。
【0073】
図13は、図12に示す固定光学アセンブリと移動光学アセンブリからなる光学ヘッドの光学系を示す構成図である。
【0074】
図13の左上方には、固定光学アセンブリのレーザダイオード202が示されており、レーザダイオード202によって発せられたレーザ光は、コリメートレンズ270によって平行光となり偏光ビームスプリッタ280に入射する。レーザダイオード202によって発せられるレーザ光は偏光しており、その偏光方向が、偏光ビームスプリッタ280を通過する偏光方向になるようにレーザダイオード202が配置されている。そのため、偏光ビームスプリッタ280に入射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ280を通過して移動光学アセンブリの対物レンズ191に入射する。光学ヘッドは、偏光ビームスプリッタ280と対物レンズ191との間で、移動光学アセンブリと固定光学アセンブリとに分離される。対物レンズ191に入射した光は、図6に示すように、対物レンズ191によって集光され、SIL300を介して光ディスク240に照射される。
【0075】
情報が書き込まれる際には、永久磁石305によってバイアス磁界が印加され、書き込む情報に応じた出力変調がレーザダイオード202に施される。情報が読みとられる際には、バイアス磁界がオフにされ、レーザダイオード202の出力は一定に保たれる。
【0076】
光ディスク240によって反射されたレーザ光は、SIL300、対物レンズ191を介して偏光ビームスプリッタ280へと戻り、大部分は偏光ビームスプリッタ280を再度通過する。しかし、レーザ光のうち、光ディスク240による反射の際に生じるKarr効果により偏光方向が回転された分については、偏光ビームスプリッタ280によって反射されて図の下方へと向かいビームスプリッタ310に入射される。
【0077】
ビームスプリッタ310は、入射された光を所定の比率で図の左方と下方とに分け、図の左方へと分けられた光は、以下説明するように、光ディスク240によって反射された光に含まれている信号の検出に用いられる。
【0078】
ビームスプリッタ310によって図の左方へと分けられた光は、検光子320によって、さらに、Karr効果により偏光方向が所定のプラス方向に回転された成分p1と、そのプラス方向に対するマイナス方向に回転された成分p2とに分離され、集光レンズ330によって各成分p1,p2の光が光検出器203の受光面上の各位置に集光される。光検出器203の受光面は2分割されており、分割された各部分によって各成分p1,p2の光が検出されて各検出信号が得られる。これらの検出信号どうしの差が、光ディスク240によって反射された光に含まれている信号に相当する。
【0079】
ビームスプリッタ310によって図の下方へと分けられた光は、さらに、ビームスプリッタ340によって所定の比率で図の下方と右方とに分けられる。図の右方へと分けられた光は、後述するように、トラックに対する集光スポットのずれの検出に用いられ、図の下方へと分けられた光は、後述するように、集光スポットのフォーカス調整に用いられる。
【0080】
ビームスプリッタ340によって図の右方へと分けられた光は、集光レンズ350によって、光検出器205の受光面上に集光される。光検出器205の受光面は2分割されており、光検出器205の受光面上に集光された光が、受光面が分割された各部分によって検出されて各検出信号が得られる。これらの検出信号の差が、いわゆるプッシュプル法によってトラッキングエラー信号として用いられて、トラックに対する集光スポットのずれが検出される。
【0081】
ビームスプリッタ340によって図の下方へと分けられた光は、シリンドリカルレンズ360と球面レンズ370によって集光される。シリンドリカルレンズ360が存在するため、光を図の垂直方向から見た場合と、図の左右方向から見た場合とでは、光が集光される様子が異なっている。図に示す矢印f1,f2は、光を図の垂直方向から見た場合の様子を示しており、光は、シリンドリカルレンズ360と球面レンズ370それぞれによって屈折され、光検出器204の受光面よりも手前で一旦焦点を結び、その後拡散しながら受光面に当たる。これに対し、図に示す矢印f3,f4は、光を図の左右方向から見た場合の様子を示しており、光は、シリンドリカルレンズ360によって素通しされ、その後、球面レンズ370によって、光検出器204の受光面よりも奥で焦点を結ぶように屈折され、焦点を結ぶ前に受光面に当たる。その結果、受光面上に当たる光の形は一般に楕円形となる。
【0082】
図14は、光検出器の受光面に当たる光の様子を示す図である。
【0083】
図14の上下方向は図13の奥行き方向に相当し、図14の左右方向は図13の左右方向に相当する。光検出器204の受光面は、「×」印状に交差する2本の線m,nによって4分割された菱形をしている。図14(B)には、図13に示す対物レンズ191が、集光スポットのフォーカスが合う位置に存在する場合に受光面に当たる光の形k1が示されており、光の形k1が円形となるように受光面の位置が調整されている。
【0084】
図14(A)には、対物レンズ191が、集光スポットのフォーカスが合う位置から光ディスク240に近づいた場合に受光面に当たる光の形k2が示されており、光の形k2は図の上下方向に長い楕円となる。一方、図14(C)には、対物レンズ191が、集光スポットのフォーカスが合う位置から光ディスク240に対して遠ざかった場合に受光面に当たる光の形k3が示されており、光の形k3は図の左右方向に長い楕円となる。
【0085】
従って、受光面が4分割されてなる4つの部分204a,204b,204c,204dのうち、図の上方と下方に示されている2つの部分204a,204bによって受けた光の光量と、4つの部分204a,204b,204c,204dのうち、図の左方と右方に示されている2つの部分204c,204dによって受けた光の光量との差を検出することによってフォーカスのずれが検出される。
【0086】
図15は、固定光学アセンブリの内部構造を示す斜視図である。
【0087】
固定光学アセンブリ200には、図12に示す移動光学アセンブリ190の筒口192に対応する筒口206が設けられており、その筒口の奥に偏光ビームスプリッタ280が配置されている。
【0088】
レーザダイオード202から発せられるレーザ光は楕円形に広がる光であり、このため、レーザダイオード202は、偏光ビームスプリッタ280にレーザ光が入射する方向に対して斜めに配置され、レーザダイオード202によって発せられたレーザ光が、図13では図示を省略したプリズムによって屈折されることによってレーザ光が円形に変形され、その後、偏光ビームスプリッタ280に入射される。
【0089】
偏光ビームスプリッタ280を素通りしたレーザ光は筒口206を通って移動光学アセンブリ190へと渡り、移動光学アセンブリ190から戻ってきた光の一部は、図13で説明したように偏光ビームスプリッタ280によって図15の左上方へと反射される。
【0090】
固定光学アセンブリ200の中央部には、図13において説明したビームスプリッタ310,340や検光子320等が配置されており、偏光ビームスプリッタ280によって図の左上方へと反射された光は、図13において説明したようにこれらのビームスプリッタ310,340や検光子320等を通り、固定光学アセンブリ200の枠に穿たれた穴207,208,209を通って各光検出器に到達する。
【0091】
高密度な光記録装置では、光学ヘッドから記録媒体上に照射されるスポット径を小さくするとともに、照射強度を一定に制御することも重要である。データ書き込み時に照射強度が変化すると、媒体上の記録ピットにエッジ形状のばらつきを発生する。このばらつきは記録読み取り時に信号のジッターとして現れ、読み取りエラーを増加させる。エラーの少ない安定な記録の読み取り書き込みを実現するためには、記録媒体への光照射強度を制御することが不可欠である。
【0092】
図16は、SILを用いた光ヘッド装置による記録媒体上の光照射強度をシミュレートした結果である。この計算では本発明の光透過膜を仮定していないが、膜がある場合にもこの結果は同様に成り立つ。
【0093】
図16は、照射光強度のシミュレート結果を示すグラフである。
【0094】
この図16には、図5に示すSIL21と記憶媒体40との間の距離と、記憶媒体40への照射光の強度との関係がシミュレートされた結果が示されており、SIL21の屈折率が1.88であるという条件の下でシミュレートされている。また、対物レンズ50の開口数(N.A.)については、0.6、0.75、0.85であるという3種類の条件の下でシミュレートされており、各シミュレーション結果のグラフが、各開口数の値が付されて示されている。この図16の縦軸は、照射光強度を任意単位で示しており、横軸は、SIL21と記憶媒体40との間の距離をレーザ光31の波長を単位として示している。
【0095】
これらのシミュレーションでは、上述したような、レーザ光31が有する電場や磁場としての性質に起因する近接場光の他、レーザ光31が有する光子としての性質に起因する、SIL21から記憶媒体40への量子力学的な光トンネリングについても考慮されている。
【0096】
記憶媒体40への照射光の強度は、SIL21と記憶媒体40との間の距離が多少変化しても安定していることが望ましく、つまり、グラフの線が水平に近いことが望ましい。このような視点で図16のグラフを見ると、開口数が0.85である場合のグラフは、SIL21と記憶媒体40との間の距離がレーザ光31の波長の100分の1以下であるという非現実的な領域を除いて、右下がりに大きく傾いており、照射光強度が安定しないことが分かる。これに対して、開口数が0.75以下である場合のグラフは、SIL21と記憶媒体40との間の距離がレーザ光31の波長の10分の1以下である領域においてグラフの線が水平に近く、照射光強度が安定的であることが分かる。
【0097】
従って開口数が0.75以下である対物レンズを用いた光学ヘッドを、SIL21と記憶媒体40との間の距離をレーザ光31の波長の10分の1以下にした状態で駆動することにより、情報の読み書きが安定となり高密度な読み書きを行うことができる。
【0098】
前述した図16の技術は、図4のスポット径を小さくする技術と組合せることで、小さいスポットでも所望の強度を得ることができ、安定な読み取り又は書き込みが実現可能となり、高密度化を一層高めることができる。
【0099】
なお、上記説明では、SILを用いた光記憶装置について説明したが、本発明の光記憶装置は、光ファイバを用いるものであってもよく、光ファイバを用いる場合には、ファイバを浮上又は接触スライダに取りつけ、媒体に対して浮上又は接触させて近接記録再生を行うようにしてもよい。
【0100】
また、図12のような直線駆動型でファイバ又はレンズを媒体に近接させて保持してもよいし、回転駆動型(一般的なハードディスクドライブのようなスイングアーム方式)で保持して媒体上を駆動してもよい。
【0101】
また、上記説明では、蒸着等によって成膜された光透過膜について説明したが、本発明にいう光透過部や光透過層は、光学部品自体が加工されることによって層状に形成されたものであってもよい。また、近接場光を利用する場合には、光透過部や光透過層が光学部品の出射面と密接していることが望ましいが、強度が多少低下してもよい場合には、光透過部は、光学部品の出射面とすき間を空けて設けられたシート状のものであってもよい。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学ヘッドおよびレンズは、スポット径が光の波長よりも小さい集光スポットを形成することができるとともに製造が容易であり、本発明の光記憶装置によれば、記録媒体に対する情報の読み書きを高密度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回折限界そのものが小さい特殊な集光系が用いられた比較例を示す概念図である。
【図2】回折限界そのものが小さい他の集光系が用いられた比較例を示す概念図である。
【図3】光ファイバが用いられた比較例を示す概念図である。
【図4】本発明の原理の説明図である。
【図5】本発明の原理を図1に示す集光系に応用した光学ヘッドの概念図である。
【図6】図5に示す光学ヘッドによって形成される集光スポットのシミュレート結果を表すグラフである。
【図7】本発明の原理を光ファイバに応用した光学ヘッドの概念図である。
【図8】本発明の原理を光ファイバに応用した他の光学ヘッドの概念図である。
【図9】本発明の光記憶装置の一実施形態を表面側から見た外観斜視図である。
【図10】本発明の光記憶装置の一実施形態を裏面側から見た外観斜視図である。
【図11】光記憶装置の分解斜視図である。
【図12】固定光学アセンブリと移動光学アセンブリとの配置関係を示す斜視図である。
【図13】光学ヘッドの光学系を示す構成図である。
【図14】光検出器の受光面に当たる光の様子を示す図である。
【図15】固定光学アセンブリの内部構造を示す斜視図である。
【図16】照射光強度のシミュレート結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光透過膜
20 光学部品
20a,21a,22a,23a 出射面
21,300 SIL
22,23 光ファイバ
30,31,32 レーザ光
40 記憶媒体
50 対物レンズ
100 光記憶装置
180 スピンドルモータ
190 移動光学アセンブリ
191 対物レンズ
200 固定光学アセンブリ
240 光ディスク
250 磁気回路

Claims (9)

  1. 所定の駆動機構によって駆動されて所定の記憶媒体に近接して移動し該記憶媒体の表面に光を照射する光学ヘッドにおいて、
    光ビームを発光する発光部と、
    光ビームが入射される入射面と、入射面から入射された光ビームを出射する突状の出射面を有する光学部品と、
    前記光学部品の出射面から出る光ビームのうち所定強度以上の光ビームを透過させる光透過部と、
    を少なくとも有することを特徴とする光学ヘッド。
  2. 前記光透過部が、入射光エネルギーの一部を熱エネルギーに変換し、入射光を高温ほど高い透過率で透過させる物質からなるものであることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  3. 前記光透過部が、入射光強度の増大に応じて吸収率が低下する性質を有する過飽和吸収体からなるものであることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  4. 前記光学部品が、光の焦点を前記出射面に結ばせるものであることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 前記光学部品が光ファイバであることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  6. 前記光ファイバが、該光ファイバの一端に前記出射面を有し該一端に向かって先細りの形状を有するものであることを特徴とする請求項5記載の光学ヘッド。
  7. 光ビームが入射される入射面と、
    前記入射面から入射された光ビームを出射する突状の出射面と、
    前記出射面から出る光ビームを光強度が高いほど高い透過率で透過させる光透過部とを有することを特徴とする光学部品。
  8. 光ビームが入射される入射面と、入射面から入射された光ビームを出射する突状の出射面とを有し、光ビームを該出射面に集光するように形成されてなる光学部品において、
    所定強度以上の光ビームを透過させる光透過層が前記出射面に設けられてなることを特徴とする光学部品。
  9. 光ビームを発光する発光部、
    光ビームが入射される入射面と、前記入射面から入射された光ビームを出射する突状の出射面と、前記出射面から出る光ビームのうち所定強度以上の光ビームを透過させる光透過部とを有する光学部品、
    光ビームが照射される記憶媒体を所定の位置に保持する記憶媒体保持機構、および
    前記光学部品を、前記記憶媒体保持機構で保持された記憶媒体と前記光透過部とを光ビームの波長以下の距離だけ離した状態で駆動する光学部品駆動機構を備えたことを特徴とする光記憶装置。
JP00344199A 1999-01-08 1999-01-08 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置 Expired - Fee Related JP3773681B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00344199A JP3773681B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置
US09/362,362 US6611488B1 (en) 1999-01-08 1999-07-28 Optical head, optical part, and optical memory apparatus having controlled optical intensity
EP99306167A EP1018728A1 (en) 1999-01-08 1999-08-03 Optical head, optical part, and optical memory apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00344199A JP3773681B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000207765A JP2000207765A (ja) 2000-07-28
JP3773681B2 true JP3773681B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=11557450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00344199A Expired - Fee Related JP3773681B2 (ja) 1999-01-08 1999-01-08 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6611488B1 (ja)
EP (1) EP1018728A1 (ja)
JP (1) JP3773681B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100317283B1 (ko) * 1999-04-15 2001-12-22 구자홍 근접장 광 기록/재생 장치
US7102992B1 (en) * 2000-07-27 2006-09-05 Termstar Corporation Contact optical head for data storage
US9770297B2 (en) * 2008-06-04 2017-09-26 Covidien Lp Energy devices and methods for treating hollow anatomical structures

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4778237A (en) 1984-06-07 1988-10-18 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Single-mode fiber optic saturable absorber
JPH03225650A (ja) 1990-01-31 1991-10-04 Sony Corp 光ディスクシステム
US5286971A (en) 1990-11-19 1994-02-15 At&T Bell Laboratories Data recording using a near field optical probe
US5125750A (en) 1991-03-14 1992-06-30 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Optical recording system employing a solid immersion lens
US5420846A (en) 1991-08-08 1995-05-30 Hitachi, Ltd. Recording medium having a plurality of nonlinear transmission characteristics
US5315573A (en) 1991-08-08 1994-05-24 Hitachi, Ltd. Non-linear optical saturable absorber layer in an optical disk to discriminate wavelength above or below a threshold level of intensity
JPH06162564A (ja) 1992-11-17 1994-06-10 Victor Co Of Japan Ltd 光記録媒体
JP3213436B2 (ja) 1993-05-24 2001-10-02 シャープ株式会社 光プローブ素子、光プローブ素子を用いた記録再生装置、および光プローブ素子の製造方法
JP2827924B2 (ja) 1993-11-11 1998-11-25 日本ビクター株式会社 光記録媒体及びその製造方法
JP3157083B2 (ja) 1994-10-05 2001-04-16 セイコーインスツルメンツ株式会社 光記録装置
JPH09231608A (ja) 1995-12-19 1997-09-05 Mitsubishi Electric Corp 光学情報システムおよび近視野光学顕微鏡
JPH10162443A (ja) 1996-12-02 1998-06-19 Sanyo Electric Co Ltd 情報再生装置
KR100508418B1 (ko) 1997-11-06 2005-11-24 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 광헤드및광디스크장치
WO1999027532A1 (en) 1997-11-22 1999-06-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Catadioptric optical system, optical pickup and optical disk drive employing the same, and optical disk

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000207765A (ja) 2000-07-28
EP1018728A1 (en) 2000-07-12
US6611488B1 (en) 2003-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0414380B1 (en) Optical recording and reproducing apparatus and adaptor for use with said apparatus
KR20040028650A (ko) 광학픽업장치 및 기록재생장치
JP2000331302A (ja) 記録再生ヘッド、記録再生ディスク装置、および磁気センサの製造方法
US20070171778A1 (en) Optical recording/reproducing apparatus, optical pickup, and tracking error detecting method
KR19990081193A (ko) 고밀도 기록/재생 가능한 광픽업장치
JPH07192280A (ja) 近視野光走査記録再生装置
JP4220153B2 (ja) 記録ヘッド、記録ヘッド製作方法および情報記録装置
JP3773681B2 (ja) 光学ヘッド、光学部品、および光記憶装置
KR20090093834A (ko) 광학 픽업 장치 및 기록 재생 장치
US5488592A (en) Optical pickup device for magneto-optical disc reproducing system
JP4392149B2 (ja) 光情報記憶装置および光学ヘッド
WO2007094288A1 (ja) 光学ヘッド、光学ヘッドの制御方法及び光情報処理装置
US8068388B2 (en) Optical pick up and optical disc device having optical shield for suppressing the influence of stray light through hologram element
KR100782201B1 (ko) 근접장 광 저장장치 및 광 픽업 콘트롤 방법
JP3782916B2 (ja) 光情報記憶装置および光学素子
JP2003296963A (ja) 光学記録/再生装置
KR100595517B1 (ko) 광픽업 모듈
KR100595509B1 (ko) 광디스크 재생장치의 베이스 광학계
JPH11259897A (ja) 光ピックアップ
KR100378601B1 (ko) 다중 광 기록 장치
JP2000099979A (ja) 集光光学装置
JP2000182272A (ja) 光ピックアップ装置
KR19990061728A (ko) 광픽업 장치
KR19990081194A (ko) 고밀도 기록/재생 가능한 광픽업장치
JPH0242647A (ja) 光ピツクアツプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050408

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051012

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees