JP3773453B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、遊技中に電源が遮断した場合に、バックアップ電源により遊技状態を記憶保持する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として図9および図10に示すパチンコ機が知られている。図9は、従来のパチンコ機の主要構成を示す説明図であり、図10は、図9に示すパチンコ機に設けられた電源基板の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図9に示すパチンコ機500に設けられた操作ハンドル501を操作して発射された遊技球が第1種始動口502、あるいは、両翼を開放した普通電動役物503に入賞すると、特別図柄表示器504の画面上の横方向3個所において複数の図柄(たとえば、0〜9)が上下方向にスクロール表示される。そして、所定時間経過後に3個所に確定表示された3つの特別図柄が大当り図柄(たとえば、図9に示すような「777」)に揃うと大当りが発生し、扉式の開閉部材505が開作動し、大入賞口506が開口する。
そして、大入賞口506に遊技球が入賞すると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上受け皿507に払出される。また、大入賞口506に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達するか、あるいは、大入賞口506が開口してから所定時間(たとえば、30秒)経過するか、いずれかの条件が満たされると、開閉部材505が閉作動し、大入賞口506が閉口する。さらに、大入賞口506に入賞した遊技球が大入賞口506の内部に設けられた特定領域508を通過すると、大入賞口506が連続して開口する権利が発生する。このように、大入賞口506が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域508を通過することを条件として、複数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の遊技を行うことができる。
【0003】
ところで、遊技中に電源が遮断すると、遊技中に発生していたデータが消滅してしまうため、電源復帰後に遊技を再現できなくなるという問題があった。
そこで、本発明者らは、電源遮断時の遊技状態を記憶しておき、電源復帰時にその記憶に基いて遊技を再現する構成を開発した。
図10に示すように、パチンコ機500に設けられた電源基板80には、主電源70からAC24Vの電源が供給されており、そのAC24Vは、DC24V変換部80bによりDC24Vに変換され、そのDC24Vは、演出基板90に供給されている。ここで、演出基板90とは、特別図柄制御装置、音声制御装置およびランプ制御装置の各装置を構成する基板のことである。供給されたDC24Vにより、特別図柄制御装置は特別図柄表示器を駆動し、音声制御装置は音声を出力し、ランプ制御装置はLEDの点灯・点滅を行う。
また、AC24Vは、DC32V変換部80aによりDC32Vに変換され、そのDC32Vは、発射モータ駆動基板15c、払出制御基板200および主基板100に供給される。供給されたDC32Vにより、発射モータ駆動基板は発射モータを駆動し、払出制御基板200は賞球払出モータを駆動し、主基板100は主基板100に接続された大入賞口駆動ソレノイドなどを駆動する。
さらに、DC32Vは、DC12V変換部80cによりDC12Vに変換され、演出基板90および主基板100に供給される。また、DC32Vは、DC12V変換部80dによりDC12Vに変換され、払出制御基板200および主基板100に供給される。払出制御基板200に供給されたDC12Vは、賞球払出モータにより払出された賞球を検出する賞球払出センサの動作に使用され、主基板100に供給されたDC12Vは、第1種始動口スイッチや入賞検出スイッチなどの動作に使用される。
また、DC32Vは、DC5V変換部80eによりDC5Vに変換され、そのDC5Vは、演出基板90、発射モータ駆動基板15c、払出制御基板200および主基板100に供給される。各基板に供給されたDC5Vは、各基板に搭載されたCPUの駆動電源として使用される。
【0004】
図10において、電源基板80に供給されているAC24Vが遮断されると、停電検知回路84がDC32Vの低下を検知する。続いて、停電検知回路84から電源断信号PDが主基板100および払出制御基板200へ出力され、主基板100および払出制御基板200にそれぞれ搭載されたCPUは、NMI処理を実行し、電源遮断時のバックアップデータが記憶されているRAMへのアクセスを禁止する。また、主基板100および払出制御基板200にそれぞれ搭載されたRAMに格納されているデータは、バックアップ用コンデンサBC4からの電源供給により記憶保持される。そして、上記NMI処理を実行するための時間が経過すると、停電検知回路84からリセット信号SRが各基板へ出力され、各基板がリセット状態になる。このとき、DC32V変換部80aから出力されているDC32Vは、動作補償用コンデンサBC1により補償されており、賞球払出モータが賞球の払出し途中で停止したり、大入賞口が開閉途中で停止したりすることがないようになっている。さらに、DC12V変換部80dに供給されているDC32Vは、動作補償用コンデンサBC2により補償されており、賞球払出センサ、第1種始動口スイッチおよび入賞検出スイッチなどが、電源遮断時にセンサやスイッチを通過した遊技球を確実に検出できるようになっている。さらに、DC5V変換部80eに供給されているDC32Vは、動作補償用コンデンサBC3により補償されており、各基板に搭載されたCPUの処理が中途半端な状態で終了しないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
停電検知回路84は、主基板100および払出制御基板200においてNMI処理を実行する期間を確保するために、電源断信号PDを主基板100および払出制御基板200へ出力するタイミングと、リセット信号SRを各基板へ出力するタイミングとの間にNMI処理を実行するための期間を設けている。
しかし、リセット信号SRを入力するタイミングは各基板同じであるため、NMI処理を行わない演出基板90および発射モータ駆動基板15cについても、リセット信号SRを入力するまでの間、動作補償用コンデンサBC1〜BC3からの電源供給を受けており、消費電力が無駄になっているという問題がある。
【0006】
そこでこの発明は、電源遮断時における動作補償用の消費電力を削減することができる遊技機を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源と、前記発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の入賞口を通過したことを検出するスイッチと、前記スイッチによる検出結果に基づいて賞球を払出す賞球払出モータと、この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、前記駆動源および前記賞球払出モータの動作を補償するための動作補償用コンデンサと、前記電源が前記所定の電圧に低下したことを示す停電検知信号を出力する停電検知回路と、前記停電検知信号を入力したときに電源断信号を出力する電源断信号作成回路と、前記電源断信号を入力したときに、その入力した前記電源断信号を直ちに前記駆動源へ出力することにより、前記駆動源に対する電源供給を停止させ、さらに、前記賞球払出モータに対しては、前記電源断信号を入力してから、電圧低下時における前記賞球払出モータの動作を補償する動作補償期間が経過したときに出力することにより、前記賞球払出モータに対する電源供給を停止させる電源断信号出力禁止回路とを備えたという技術的手段を用いる。
【0008】
この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源に対する電源供給を直ちに停止するとともに、賞球払出モータに対しては、電圧低下時における賞球払出モータの動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止する。
つまり、上記動作補償期間が経過したときに駆動源および賞球払出モータに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、賞球払出モータに対する電源供給の停止よりも先に駆動源に対する電源供給を直ちに停止する分、電圧低下時の動作補償用コンデンサの消費電力を削減することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源と、前記発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の所定の領域を通過した際に、大当りか否かを抽選する抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果が大当りであった場合に大入賞口を開口する入賞装置と、前記入賞装置を駆動する大入賞口ソレノイドと、この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、前記駆動源および前記大入賞口ソレノイドの動作を補償するための動作補償用コンデンサと、前記電源が前記所定の電圧に低下したことを示す停電検知信号を出力する停電検知回路と、前記停電検知信号を入力したときに電源断信号を出力する電源断信号作成回路と、前記電源断信号を入力したときに、その入力した前記電源断信号を直ちに前記駆動源へ出力することにより、前記駆動源に対する電源供給を停止させ、さらに、前記大入賞口ソレノイドに対しては、前記電源断信号を入力してから、電圧低下時における前記大入賞口ソレノイドの動作を補償する動作補償期間が経過したときに出力することにより、前記大入賞口ソレノイドに対する電源供給を停止させる電源断信号出力禁止回路とを備えたという技術的手段を用いる。
【0014】
この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源に対する電源供給を直ちに停止するとともに、抽選手段による抽選結果が大当りであった場合に大入賞口を開口する入賞装置を駆動する大入賞口ソレノイドに対しては、電圧低下時における大入賞口ソレノイドの動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止する。
つまり、上記動作補償期間が経過したときに駆動源および大入賞口ソレノイドに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、大入賞口ソレノイドに対する電源供給の停止よりも先に駆動源に対する電源供給を直ちに停止する分、電圧低下時の動作補償用コンデンサの消費電力を削減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る遊技機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、この発明に係る遊技機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2が開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4開閉用の鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内部には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置(図示省略)を操作するための発射ハンドル15が回動可能に取付けられている。
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。また、遊技盤5の上方には、枠ランプ9が設けられており、下受け皿7の左側には、灰皿7bが設けられている。
【0022】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図2を参照して説明する。図2は遊技盤5の主要構成を示す正面説明図でる。
遊技盤5の略中央には、センターケース30が備えられている。センターケース30には、天入賞口31と、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の始動可能な回数を4個のLEDにより表示する普通図柄記憶表示LED35と、複数の特別図柄、背景画像、各種の演出画像などを液晶で表示する特別図柄制御装置32とが備えられている。また、特別図柄制御装置32は、複数の特別図柄からなる図柄列を画面の横方向の3個所においてそれぞれ上下方向に変動表示した後に、前記2個所において所定の特別図柄の確定表示を行う。なお、特別図柄の始動可能な回数として始動を保留している数(保留数)は、特別図柄制御装置32の画面に表示される。
センターケース30の両側上方には、LEDにより装飾された装飾風車46がそれぞれ設けられている。右側の装飾風車46の右斜め下方には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動右ゲート25が設けられており、左側の装飾風車46の左斜め下方には、同じく普通図柄作動左ゲート26が設けられている。センターケース30の両側下方には、風車24がそれぞれ設けられており、右側の風車24の下方には、右入賞口12が設けられており、左側の風車24の下方には、左入賞口13が設けられている。右入賞口12の右方には、右袖入賞口22が設けられており、左入賞口13の左方には、左袖入賞口23が設けられている。
【0023】
センターケース30の下方には、特別図柄制御装置32を作動させる機能を有する第1種始動口27が設けられており、この第1種始動口27の下部には普通図柄表示装置34の停止図柄が当たり図柄となった場合に両翼を開放する普通電動役物28が設けられている。両翼を開放した普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に特別図柄制御装置32を作動開始させる機能を備えている。
センターケース30の下方には、特別図柄制御装置32の3個所の表示領域における確定図柄が大当り図柄となった場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。この変動入賞装置40には、大当りの発生時に開放動作して大入賞口41を開口する板状の開閉部材43が扉式に開閉可能に取り付けられている。変動入賞装置40の右側には、右下入賞口14が設けられており、変動入賞装置40の左側には、左下入賞口44が設けられている。
また、変動入賞装置40の内部には、開閉部材43を連続して開放動作させる機能を有する特定領域(図示せず)と、この特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図3に符号42aで示す)が設けられている。
また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するレール16が取付けられており、遊技盤5の上部には、上部左右の両コーナーをLEDなどにより装飾するコーナー飾り11が設けられており、遊技盤5の左右には、LEDなどにより装飾するサイド飾り20がそれぞれ設けられている。さらに、遊技盤5には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45が設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘(図示省略)が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘の間を乱舞しながら落下し、各入賞口や第1種始動口27に入賞したり、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、あるいはアウト口45から回収されたりする。
【0024】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。
パチンコ機1には、主基板100が設けられており、この主基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110には、大当りか否かの判定、大入賞口41への入賞数のカウント、大当りの遊技におけるラウンドの制御などの遊技の主な制御の他に、遊技状態のバックアップを実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されたROM114と、遊技球が第1種始動口27を通過したことの検出結果や入賞などの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納したりバックアップして記憶するRAM116とが搭載されている。
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27を通過したことを検出する第1種始動口スイッチ27a、特別図柄制御装置32、LEDやランプ類を制御するランプ制御装置300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、遊技中の効果音などを制御する音声制御装置79、入賞、リーチパターン、大当りの発生、大当り図柄などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたコンピュータ(図示省略)へ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0025】
払出制御基板200には、主基板100から送出される制御コマンドを入力して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球払出し制御、球貸し制御、入賞数や払出数に関するデータのバックアップなどを行うサブCPU212と、このサブCPU212が各種の制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納したりバックアップして記憶するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0026】
遊技枠中継基板53には、満杯検出スイッチ72、賞球切れスイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物28を駆動する普通電動役物ソレノイド28a、普通図柄表示装置34、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口22に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ22a、左袖入賞口23に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ23a、右入賞口12に入賞した遊技球を検出する右入賞口スイッチ12a、左入賞口13に入賞した遊技球を検出する左入賞口スイッチ13a、右下入賞口14に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ14a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44a、天入賞口31に入賞した遊技球を検出する天入賞口スイッチ31aおよび大入賞口中継基板50である。
大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ42a、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド42bおよび開閉部材43を駆動する大入賞口ソレノイド41bが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読取る装置などを備える遊技機外装置部分71と電気的に接続されている。また、電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板、装置および発射スイッチ15dなどへ必要電源を供給する。
【0027】
[電源基板80の主要構成および回路動作]
次に、電源基板80の主要構成および回路動作について図4ないし図6を参照して説明する。
図4は、電源基板80の電気的構成をブロックで示す説明図である。図5は、電源基板80の回路図である。図6は、電源基板80の回路動作を示す説明図である。なお、以下の説明では、特別図柄制御装置32、音声制御装置79およびランプ制御装置300をまとめて演出基板90として説明する。また、図10に示した従来の構成と同一部分については同一の符号を使用する。
【0028】
(電源供給経路)
図4に示すDC32V変換部80aから出力されるDC32Vは、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15e(図3)に供給される。また、DC32Vは、払出制御基板200から払出中継基板55を介して賞球払出モータ62cに供給され、貸球ユニット63(図3)に供給される。さらに、DC32Vは、主基板100から盤面中継基板51を介して普通電動役物ソレノイド28aに供給され、さらに大入賞口中継基板50を介して特定領域ソレノイド42bおよび大入賞口ソレノイド41bに供給される。DC32Vは、電源遮断時に動作補償用コンデンサBC5により補償される。
DC24V変換部80bから出力されるDC24Vは、特別図柄制御装置32、音声制御装置79およびランプ制御装置300に供給される。DC12V変換部80cから出力されるDC12Vは、演出基板90および主基板100に供給され、さらに主基板100から盤面中継基板51を介してゲートスイッチ25a,26aおよび各入賞口スイッチに供給される。DC12V変換部80cに入力するDC32Vは、電源遮断時に動作補償用コンデンサBC5により補償される。
DC12V変換部80dから出力されるDC12Vは、払出制御基板200および主基板100に供給され、さらに払出制御基板200から払出中継基板55を介して賞球払出センサ62a,62bおよび貸球ユニット63内の貸球センサに供給される。DC12V変換部80dに入力するDC32Vは、電源遮断時に動作補償用コンデンサBC6により補償される。
さらに、DC5V変換部80eから出力されるDC5Vは、各基板に供給され、各基板に搭載されたCPUの動作電源になる。DC5V変換部80eに入力するDC32Vは、電源遮断時に動作補償用コンデンサBC7により補償される。また、電源遮断時には、バックアップ用コンデンサBC8から主基板100のRAM116および払出制御基板200のRAM216に電源が供給され、各RAMのバックアップ領域にバックアップされたデータの記憶が保持される。
【0029】
(基本的な回路動作)
図6に示すように、電源基板80には、停電検知回路84と、電源断信号作成回路85と、電源断信号出力禁止回路86と、IC8とが実装されており、IC8は、演出基板90、発射モータ駆動基板15c、払出制御基板200および主基板100と接続されている。
停電検知回路84は、DC32VおよびDC12Vの電圧降下を検出し、所定の電圧(以下、停電検知電圧と称する)まで降下すると停電を示す信号(以下、停電検知信号TKと称する)を電源断信号作成回路85へ出力する。
電源断信号作成回路85は、停電検知回路84から出力された停電検知信号TK(負論理)を入力し、その停電検知信号TKが入力されている間、電源断信号PDをIC8および電源断信号出力禁止回路86へ出力する。
電源断信号出力禁止回路86は、電源断信号を出力する役割と、電源断信号の出力を禁止する役割とを担う。停電時には、電源断信号作成回路85から出力された電源断信号PDを入力し、電源断信号PDをIC8へ出力するとともに、システムリセット信号SRをIC8へ出力する。また、電源復旧時には、電源断信号PDの出力を禁止するとともに、システムリセット信号SRを解除する。
なお、動作補償用コンデンサBC5は、図10に示した動作補償用コンデンサBC1よりも容量が小さく、動作補償用コンデンサBC7は、動作補償用コンデンサBC3よりも容量が小さい。
【0030】
IC8は、電源断信号作成回路85から出力された電源断信号PDのレベルを反転して演出基板90および発射モータ駆動基板15cの各システムリセット信号入力端子SRへ出力する。演出基板90および発射モータ駆動基板15cに搭載された各サブCPUは、システムリセット信号入力端子SRにシステムリセット信号SR(Lレベル)を入力すると、システムリセット処理を実行する。
また、IC8は、電源断信号出力禁止回路86から出力された電源断信号PDのレベルを反転して主基板100および払出制御基板200の各電源断信号入力端子PDへ出力する。また、IC8は、電源断信号出力禁止回路86から出力されたシステムリセット信号SRのレベルを反転して主基板100および払出制御基板200の各システムリセット信号入力端子SRへ出力する。
主基板100に搭載されたメインCPU112(図3)は、電源断信号入力端子PDに電源断信号PD(Hレベル)を入力すると、NMI処理を実行し、電源遮断時の遊技状態を記憶しているRAM116のバックアップ領域に対するアクセスを禁止する。また、払出制御基板200に搭載されたサブCPU212(図3)は、電源断信号入力端子PDに電源断信号PD(Hレベル)を入力すると、NMI処理を実行し、電源遮断時の賞球払出しに関するデータを記憶しているRAM216のバックアップ領域に対するアクセスを禁止する。また、メインCPU112およびサブCPU212は、システムリセット信号入力端子SRにシステムリセット信号SR(Lレベル)を入力すると、システムリセット処理を実行する。
【0031】
(停電時の回路動作)
次に、停電時の回路動作について図7を参照して説明する。
図7は、停電時における図4ないし図6に示す各検出点の信号レベルの変化を示すタイミングチャートである。
停電などにより、主電源70が遮断されると、DC32V、DC12V、DC5Vの順に電圧降下する。このとき、DC32V変換部80aから発射モータ駆動基板15c、払出制御基板200および主基板100へ供給されているDC32Vは、動作補償用コンデンサBC5により補償され、DC32Vを維持する。また、DC12V変換部80dから払出制御基板200および主基板100へ供給されているDC12Vは、動作補償用コンデンサBC6により補償され、DC12Vを維持する。さらに、DC5V変換部80eから各基板へ供給されているDC5Vは、動作補償用コンデンサBC7により補償され、DC5Vを維持する。
図5に示すように、DC32Vは、抵抗RN2,RN3により分圧され、コンパレータIC3:Bの+端子に印加されており、そのレベルはHレベルからLレベルに変化する。一方、DC12Vは、コンパレータIC3:Bの−端子に印加されており、そのレベルは、コンデンサCE14の放電特性に対応してHレベルからLレベルに変化する。そして、コンパレータIC3:Bは、印加されている両電圧の差分と、基準電圧とを比較し、その比較結果に対応する信号を出力するが、DC32Vが停電検知電圧まで降下すると(図7の時間T1)、上記両電圧と基準電圧との差が、しきい値を超え、停電検知信号TKを出力する。ここでは、停電検知信号TKはLレベルであるとする(検出点(6))。
【0032】
コンパレータIC3:Bの出力は、IC5のVSA入力と接続されており、VSA入力の電圧は、HレベルからLレベルに変化する。また、DC12Vを抵抗RN8,RN9により分圧した電圧が印加されているVSB入力の電圧は、HレベルからLレベルに変化する。これにより、IC5は、VSA入力およびVSB入力が共にHレベルからLレベルに変化したことを検出し、RESET出力の電圧をHレベルからLレベルに変化させる。これにより、負論理のNANDゲートであるIC6:Bの5番端子の入力電圧はLレベルになる。また、IC6:Bの4番端子には、DC5Vが印加されているため、IC6:Bの4番端子は、HレベルからLレベルに変化する。
したがって、IC6:Bから電源断信号PD(Hレベル)が出力される(検出点(3))。
【0033】
IC6:Bから出力された電源断信号PDは、3つに分岐し、1つは正論理のNANDゲートであるIC6:Aの1番端子に入力され、1つはリセット信号遅延回路86aに入力され、残る1つはIC8の入力端子A3,A4に入力される。入力端子A3,A4に入力された電源断信号PD(Hレベル)は、IC8において反転され、Lレベルのシステムリセット信号として出力端子Y3,Y4から出力される(検出点(G))。出力端子Y3から出力されたシステムリセット信号は、発射モータ駆動基板15cのシステムリセット信号入力端子SRに入力される(図4)。これにより、発射モータ駆動基板15cに搭載されたサブCPUは、システムリセット信号入力端子SRのレベルがHレベルからLレベルに変化したと判定し、システムリセット処理を開始する(図7の時間T1)。また、演出基板90に搭載されたサブCPUは、システムリセット信号入力端子SRのレベルがHレベルからLレベルに変化したと判定し、システムリセット処理を開始する(図7の時間T1)。
つまり、動作補償用コンデンサBC5から発射モータ駆動基板15cへの電源供給と、動作補償用コンデンサBC7から演出基板90および発射モータ駆動基板15cへの電源供給とを直ちに停止する。
したがって、演出基板90および発射モータ駆動基板15cは、後述する主基板100のメインCPU112および払出制御基板200のサブCPU212がそれぞれNMI処理を実行した後にリセット状態になるタイミングと同じタイミングでリセット状態になる必要がなく、電源断信号PDが発生したタイミングでリセット状態になることができるため、早くリセット状態になる分、動作補償用コンデンサから供給される電源の消費電力を小さくすることができる。このため、動作補償用コンデンサBC5,BC7の容量を従来の動作補償用コンデンサBC1,BC3の容量よりも小さくすることができる。
【0034】
リセット信号遅延回路86aから出力された電源断信号PDは、2つに分岐し、一方は、電源断信号延長用遅延回路86bを経てIC6:Aの2番端子に入力され、他方は、IC6:Dの13番端子に入力される。コンデンサCE15,C12が充電されている間は、IC6:Aの2番端子の入力電圧はHレベルに保持されている。したがって、IC6:Aの両入力は共にHレベルであるため、IC6:Aは、Lレベルの電源断信号PD(検出点(2))をIC8の入力端子A7,A8へ出力する。これにより、IC8は、Lレベルの電源断信号PDを反転したHレベルの電源断信号PDを出力端子Y7,Y8から主基板100および払出制御基板200の電源断信号入力端子PDへ出力する(検出点(1))。
したがって、主基板100のメインCPU112および払出制御基板200のサブCPU212は、電源断信号入力端子PDのレベルがLレベルからHレベルに変化したと判定し、データのバックアップおよびNMIを開始する。なお、各CPUがデータのバックアップおよびNMIを実行するために必要な時間(NMI処理時間)は、この実施形態では、それぞれ約100msである。また、電源断検出時における賞球払出モータ62c、大入賞口ソレノイド41b、賞球払出センサ62a,62b、ゲートスイッチ25a,26aおよび各入賞口スイッチ(図3)の動作補償期間として、NMI処理時間と同じ約100msが設定されている。これにより、電源断時において、賞球払出モータ62cおよび大入賞口ソレノイド41bが中途半端な状態で動作を停止しないようにすることができる。また、電源断時にゲートスイッチ25a,26aおよび各入賞口スイッチを通過しかかっていた遊技球を確実に検出することができるため、各スイッチの検出結果を示すデータをRAM116にバックアップすることができる。
【0035】
そして、リセット信号遅延回路86aのコンデンサCE15の放電が終了すると、コンパレータIC3:AからIC6:Dに出力されている電源断信号PDがHレベルからLレベルに変化し、IC6:Dから出力されているシステムリセット信号SRがLレベルからHレベルに変化する(検出点(D))。これにより、IC8の入力端子A5,A6には、Hレベルのシステムリセット信号SRが入力されるため、IC8は、それを反転してLレベルのシステムリセット信号SRを出力端子Y5,Y6から主基板100および払出制御基板200のシステムリセット信号入力端子SRへ出力する(検出点(E))。
したがって、主基板100のメインCPU112および払出制御基板200のサブCPU212は、システムリセット信号入力端子SRのレベルがHレベルからLレベルに変化したと判定し、システムリセット処理を開始する(図7の時間T2)。これにより、バックアップ用コンデンサBC5,BC6およびBC7から主基板100および払出制御基板200への電源供給を停止することができる。
【0036】
ここで、図7に示すように、主基板100および払出制御基板200へ電源断信号PD(検出点(1))が出力されてから、システムリセット信号SR(検出点(D))が出力されるまでに要する時間、つまりメインCPU112およびサブCPU212がデータのバックアップおよびNMIを開始してからシステムリセット処理を開始するまでに要する時間を遅延時間Tnmiとすると、この実施形態では、コンデンサCE15や抵抗RN4〜RN7などの特性のばらつきを考慮して、Tnmi=116.4ms〜149.4msである。
つまり、遅延時間Tnmiは、各CPUがデータのバックアップおよびNMIを実行するために必要な時間(NMI処理時間)100msよりも十分大きな時間となっているため、各CPUは、停電時に余裕を持ってデータのバックアップおよびNMIを実行することができる。
したがって、データのバックアップおよびNMIを実行する途中でシステムリセット状態となり、データのバックアップおよびNMIを実行できなかったために、RAMにバックアップされるべき遊技データがバックアップの途中で途切れて不完全なデータになってしまうおそれがない。
つまり、電源が復旧してから再開した遊技を、電源遮断時の遊技状態からの継続した遊技にすることができる。
なお、この段階では、電源断信号延長用遅延回路86bのコンデンサC12は放電中であり、IC6:Aから出力されている電源断信号PDは、Lレベルを維持しているため、IC8から主基板100および払出制御基板200へ電源断信号PD(Hレベル)が継続して出力されている。
【0037】
そして、電源断信号延長用遅延回路86bのコンデンサC12の放電が終了すると、IC6:Aの2番端子の入力レベルがHレベルからLレベルに変化し、IC6:Aから出力されている電源断信号PDがLレベルからHレベルに変化する。これにより、IC8から主基板100および払出制御基板200へ出力している電源断信号PD(検出点(1))は、HレベルからLレベルに変化する。
ここで、図7に示すように、IC8から主基板100および払出制御基板200へ出力するシステムリセット信号出力SR(検出点(E))が有効になってから、電源断信号出力PD(検出点(1))が無効になるまでに要する時間を電源断信号延長用遅延時間Tdwnとすると、この実施形態では、コンデンサC12および抵抗R10の特性のばらつきを考慮して、Tdwn=0.9319ms〜5.806msである。この範囲は、主基板100および払出制御基板200の入力回路時定数などのバラツキによる遅延時間偏差(たとえば、100μs)を十分にカバーできる範囲であるため、各基板は、データのバックアップおよびNMIからシステムリセット動作への移行をスムーズに行うことができる。
【0038】
ところで、割込み信号のレベルに基いて割込みを認識するコンピュータでは、割込み信号が所定のレベル以上でアクティブ状態が所定期間連続したときに割込みと認識し、割込みルーチンのアドレスに分岐する。また、その時点で他の割込みは禁止され、割込みルーチンを実行する。このため、割込み信号のレベルがアクティブ状態でなくなると、割込みルーチンからメインルーチンに戻るが、割込み信号のレベルが所定期間アクティブ状態である間は、割込みルーチンからメインルーチンに戻らない。
したがって、電源断信号PDが有効になっている期間(データのバックアップおよびNMIの実行が有効な期間)が終了した後(時間T3より後)にシステムリセット信号SRを有効にすると、コンピュータプログラムがNMI処理の終了後にメインルーチンに戻り、遊技が進行してしまうおそれがある。このため、電源が復旧したときに、バックアップされていたデータに基いて再開したときの遊技状態と、停電時の遊技状態(進行してしまった遊技状態)とにズレが生じてしまう。
しかし、このパチンコ機1では、図7に示すように、電源断信号PDがアクティブ状態になっている期間(データのバックアップおよびNMIの実行が有効な期間)内にシステムリセット信号SRを有効にすることにより、コンピュータプログラムがデータのバックアップおよびNMIの終了後にメインルーチンに戻り、遊技が進行してしまうことがない。
したがって、停電時の遊技状態と電源復旧時に再開した遊技状態とにズレが生じることがない。
なお、電源断信号が有効な時間(電源断信号保持時間)は、コンデンサCE19の容量により、ほぼ決定され、この実施形態では、コンデンサCE19の特性のバラツキなどを考慮して211.5ms〜775.5msである。
【0039】
(電源が復旧したときの回路動作)
次に、主電源70が復旧したときの回路動作について図8を参照して説明する。図8は、主電源70が復旧したときの図4ないし図6に示す各検出点における電圧と時間との関係を示すタイミングチャートである。
主電源70が立上がった直後は、IC5のRESET出力レベルはLレベルであるため(検出点(4))、IC6:Bから出力されている電源断信号PDはHレベルとなり、IC6:Aの1番端子に入力される(検出点(3))。また、IC5のOUTC出力からLレベルの電源断信号出力禁止信号(検出点(C))が電源断信号出力禁止回路86のコンパレータIC3:Aの出力側に出力される。これにより、IC6:Aの2番端子の入力レベルはLレベルとなるため、IC6:Aから出力される電源断信号PDは、Hレベルとなり、IC8から主基板100および払出制御基板200へ出力される電源断信号PDは、Lレベルとなる。
つまり、電源断信号PDの出力が禁止される。
【0040】
電源断信号出力禁止時間を経過すると、電源断信号出力禁止信号の出力が停止するが(時間T4)、このときには、リセット信号遅延回路86aの出力はLレベルになっているため、IC6:Aから出力されている電源断信号PDはHレベルを維持するので、IC8から主基板100および払出制御基板200へはHレベルの電源断信号PDが出力されない。その後、コンデンサCE15の放電が終了すると、コンパレータIC3:Aの出力は、再度、Hレベルに戻るが(時間T6)、そのときには、IC5のRESET出力がHレベルに変化し、IC6:Aの1番端子に入力されている電源断信号PDはLレベルに変化しているため、IC6:Aから出力されている電源断信号PDはHレベルを維持するので、IC8から主基板100および払出制御基板200へはHレベルの電源断信号PDが出力されない。以降、次の電源遮断時まで電源断信号PDが有効になることはない。また、IC5のRESET出力(検出点(4))がHレベルに変化し、電源断信号保持時間が経過すると(時間T5)、電源断信号PD(検出点(3))がLレベルに変化するため、IC8からHレベルのシステムリセット信号が演出基板90および発射モータ駆動基板15cへそれぞれ出力され、両基板のリセット状態が解除される。
【0041】
一方、主電源70が立上がったときにIC5のOUTCから出力される電源断信号出力禁止信号(Lレベル)がIC6:Dの13番端子に入力されるため、IC6:DからHレベルのシステムリセット信号SRが出力される。したがって、IC8からLレベルのシステムリセット信号SRが主基板100および払出制御基板200のシステムリセット信号入力端子SRに出力されるため、主基板100および払出制御基板200は、システムリセット処理を行う。
その後、IC5が電源断信号出力禁止信号の出力を停止するが(時間T4)、このときには、リセット信号遅延回路86aの出力はLレベルになっているため、IC6:Dから出力されているシステムリセット信号SRはHレベルを維持するので、IC8から主基板100および払出制御基板200へ出力されているシステムリセット信号SRはLレベルを維持する。
【0042】
そして、コンデンサCE15の放電が終了すると、コンパレータIC3:Aの出力は、Hレベルに戻るため、IC6:Dから出力しているシステムリセット信号SRは、Lレベルに変化する。したがって、IC8から主基板100および払出制御基板200へ出力しているシステムリセット信号SRは、Hレベルに変化するため、主基板100および払出制御基板200は、システムリセット状態を解除し、遊技に関する処理を実行可能となる。
なお、電源断信号出力禁止時間は、コンデンサCE18および抵抗R5を有する電源断信号出力禁止時間作成回路85aにより設定されており、電源断信号出力禁止時間は、この実施形態では、コンデンサCE18および抵抗R5の誤差などを考慮して174.76ms〜263.6msである。
ここで、電源断信号出力禁止時間の最小値174.76msは、遅延時間Tnmiの最大値149.4msよりも長いため、主電源70が立上がったときに、電源断信号に基いてNMI処理が実行されることがない。
ところで、電源が立上がったときは、RAMのチェックデータが正しいか否か、たとえばA55AHであるか否かを検査し、A55AHであればバックアップデータに基いて遊技を再開するため、バックアップ領域に記憶されている遊技データを所定のRAM領域に復帰させ、その後で遊技プログラムが継続実行される。しかし、A55AHであっても、NMI処理を実行してしまうと、新たにバックアップ処理を実行してしまい、たとえばRAMへのアクセスが禁止されると、NMI処理から復帰しても、RAMアクセス禁止状態なので、制御プログラムが使用する変数領域(RAM領域)のデータは不定となって正常作動しなくなってしまう。
そこで、電源が立上がったときにNMI処理が実行されないようにすることにより、不定なデータが上書きされてしまうことがないので、正確なバックアップデータに基いて遊技を再開することができる。
【0043】
[実施形態の効果]
(1)以上のように、上記実施形態のパチンコ機1を使用すれば、電源断が検出された際に、発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止するとともに、賞球払出モータ62cに対しては、電源断時における動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止することができる。
したがって、上記動作補償期間が経過したときに発射モータ15eおよび賞球払出モータ62cに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、賞球払出モータ62cに対する電源供給の停止よりも先に発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止する分、電源断時の動作補償用コンデンサBC5の消費電力を削減することができる。また、従来よりも容量の小さい動作補償用コンデンサBC5を設けることができる。
【0044】
(2)また、電源断が検出された際に、発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止するとともに、賞球払出センサ62a,62bに対しては、電源断時における動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止することができる。
したがって、上記動作補償期間が経過したときに発射モータ15eおよび賞球払出センサ62a,62bに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、賞球払出センサ62a,62bに対する電源供給の停止よりも先に発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止する分、電源断時の動作補償用コンデンサBC5の消費電力を削減することができる。また、従来よりも容量の小さい動作補償用コンデンサBC5を設けることができる。
【0045】
(3)さらに、電源断が検出された際に、発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止するとともに、ゲートスイッチ25a,26a、第1種始動口スイッチ27aおよび各入賞口スイッチに対しては、電源断時における動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止することができる。
したがって、上記動作補償期間が経過したときに発射モータ15e、ゲートスイッチ25a,26a、第1種始動口スイッチ27aおよび各入賞口スイッチに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、ゲートスイッチ25a,26a、第1種始動口スイッチ27aおよび各入賞口スイッチに対する電源供給の停止よりも先に発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止する分、電源断時の動作補償用コンデンサBC5の消費電力を削減することができる。また、従来よりも容量の小さい動作補償用コンデンサBC5を設けることができる。
【0046】
(4)また、電源断が検出された際に、発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止するとともに、大入賞口ソレノイド41bに対しては、電源断時における動作を補償する動作補償期間が経過したときに電源供給を停止することができる。
したがって、上記動作補償期間が経過したときに発射モータ15eおよび大入賞口ソレノイド41bに対する電源供給を同時に停止する場合と比較して、大入賞口ソレノイド41bに対する電源供給の停止よりも先に発射モータ15eに対する電源供給を直ちに停止する分、電源断時の動作補償用コンデンサBC5の消費電力を削減することができる。また、従来よりも容量の小さい動作補償用コンデンサBC5を設けることができる。
【0047】
(5)電源断が検出された際に、音声制御装置79、ランプ制御装置300および特別図柄制御装置32から構成される演出基板90に対する電源供給を直ちに停止するとともに、電源断時における動作補償期間が設定されている装置に対しては、その動作補償期間が経過したときに電源供給を停止することができる。
したがって、上記動作補償期間が設定されている装置と同時に演出基板90に対する電源供給を停止する場合と比較して、動作補償期間が設定されている装置に対する電源供給の停止よりも先に演出基板90に対する電源供給を直ちに停止する分、電源断時の動作補償用コンデンサBC5,BC7の消費電力を削減することができる。また、従来よりも容量の小さい動作補償用コンデンサBC5,BC7を設けることができる。
【0048】
<他の実施形態>
上記実施形態では、電源断が検知された際に発射モータ15eに対する電源供給を優先的に停止する場合を説明したが、遊技盤5を流下する遊技球の流下方向を変化させる装置、いわゆるクルーンなどのように、遊技者の利益には直結せず、動作補償期間が設定されていないような装置に対する電源供給も発射モータ15eと同時に停止することもできる。
【0049】
[各請求項と実施形態との対応関係]
発射モータ15eが、請求項1および請求項2に記載の駆動源に対応し、第1種始動口27が請求項2に記載の所定の領域に対応し、各入賞口スイッチがスイッチに対応する。また、停電検知電圧が所定の電圧に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態のパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図4】電源基板80の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図5】電源基板80の回路図である。
【図6】電源基板80の回路動作を示す説明図である。
【図7】停電時における図5に示す各検出点の信号レベルの変化を示すタイミングチャートである。
【図8】主電源70が復旧したときの図5に示す各検出点における電圧と時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図9】従来のパチンコ機の主要構成を示す説明図である。
【図10】図9に示すパチンコ機に設けられた電源基板の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
15e 発射モータ(駆動源)
32 特別図柄制御装置
41a 大入賞口スイッチ(スイッチ)
62a,62b 賞球払出センサ
62c 賞球払出モータ
70 主電源
80 電源基板
BC5〜BC7 動作補償用コンデンサ
BC8 バックアップ用コンデンサ
Claims (2)
- 遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の入賞口を通過したことを検出するスイッチと、
前記スイッチによる検出結果に基づいて賞球を払出す賞球払出モータと、
この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、前記駆動源および前記賞球払出モータの動作を補償するための動作補償用コンデンサと、
前記電源が前記所定の電圧に低下したことを示す停電検知信号を出力する停電検知回路と、
前記停電検知信号を入力したときに電源断信号を出力する電源断信号作成回路と、
前記電源断信号を入力したときに、その入力した前記電源断信号を直ちに前記駆動源へ出力することにより、前記駆動源に対する電源供給を停止させ、さらに、前記賞球払出モータに対しては、前記電源断信号を入力してから、電圧低下時における前記賞球払出モータの動作を補償する動作補償期間が経過したときに出力することにより、前記賞球払出モータに対する電源供給を停止させる電源断信号出力禁止回路とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 遊技球を遊技盤へ発射する発射装置を駆動する駆動源と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の所定の領域を通過した際に、大当りか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が大当りであった場合に大入賞口を開口する入賞装置と、
前記入賞装置を駆動する大入賞口ソレノイドと、
この遊技機に供給されている電源が所定の電圧に低下した際に、前記駆動源および前記大入賞口ソレノイドの動作を補償するための動作補償用コンデンサと、
前記電源が前記所定の電圧に低下したことを示す停電検知信号を出力する停電検知回路と、
前記停電検知信号を入力したときに電源断信号を出力する電源断信号作成回路と、
前記電源断信号を入力したときに、その入力した前記電源断信号を直ちに前記駆動源へ出力することにより、前記駆動源に対する電源供給を停止させ、さらに、前記大入賞口ソレノイドに対しては、前記電源断信号を入力してから、電圧低下時における前記大入賞口ソレノイドの動作を補償する動作補償期間が経過したときに出力することにより、前記大入賞口ソレノイドに対する電源供給を停止させる電源断信号出力禁止回路とを備えたことを特徴とする遊技機。
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