JP3773423B2 - Organic EL device - Google Patents

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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
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    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、正孔と電子の再結合により光を発する有機材料を用いた有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、占有面積の減少への観点からフラットパネルディスプレイへの要求が高まっており、軽量でバックライトを必要としないエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と略す)を用いたデバイスが注目されている。EL素子には有機EL素子と無機EL素子がある。このうちの有機EL素子は無機EL素子と異なり、20V程度の低電圧で駆動することができるという利点を有している。
【0003】
有機EL素子の構造としては正孔注入電極と電子注入電極の間に、正孔注入輸送層と有機発光層兼電子注入輸送層とを有する2層構造や、あるいは、有機発光層兼正孔注入輸送層と電子注入輸送層とを有する2層靖造のもの等がある。
【0004】
また、2層以上の構造としては正孔注入輸送層、有機発光層、電子注入輸送層を有するものがある。あるいは発光層と正孔注入輸送層と電子注入輸送層とを1つの層にまとめて有する単層構造も知られている。
【0005】
これら有機EL素子において、実用的な電力において実用的な輝度を得るために、上記した構造のように、正孔、電子を効率よく有機発光層に注入輸送するための注入層が必要になる。
【0006】
これまでの素子で電子を効率良く注入する為には、特開昭63−295695号公報で述べられているように、アルカリ金属に代表される、仕事関数が低い金属を用いることが必要であった。しかし、低仕事関数金属は酸化されやすく、扱いにくい物質であるために、電子デバイスに適用することの難しさも同広報で同時に指摘されている。
【0007】
これを改善するために、特開平5−121172号公報では、比較的安定で安価な金属であるアルミニウムに、低仕事関数金属であるリチウムを添加して安定化した合金を電子注入層とする事で、効率が良い電子注入層を作製している。
【0008】
しかし、特開平5−121172号公報で述べられている方法では、アルミニウム中のアルカリ金属濃度を0.1%以下に制御する必要があるが、アルミニウムとアルカリ金属の共蒸着は制御が困難である。このため、再現性が悪く、また装置の維持の困難さの問題からその生産性は極めて低いのが現状であった。
【0009】
一方、電子注入効率に優れるアルカリ金属を安定に使用する為に、特開平9−17574号公報では、アルカリ金属酸化物等の化合物を陰極と有機層との界面に挿入する手法が開示されている。しかし、アルカリ金属化合物は吸湿性が高く、材料として扱いづらく、また蒸着の際は脱ガスが起こりやすく成膜レートが不安定である為、制御性に問題が生じる。さらに、アルカリ金属化合物の反応性が高いために、蒸著ボートと反応してボートの腐食が起こってしまい、連続成膜が困難である。このような観点から量産に適用することは極めて難しいのが現状である。
【0010】
また、特開2000−215983号公報では、高抵抗の無機電子注入層にアルカリ金属等の低仕事関数金属を含有させるものが公開されている。この公報における発明の実施の形態において、無機電子注入層の作製方法としてスパッタ法が好ましいと述べられている。しかし、実際にこの公報で開示されている材料系は、融点や取り扱いが困難である事などから、製造方法としてスパッタ法を用いる必要があるが、スパッタ法は有機膜にダメージを与える事が知られている。(sputter deposition of cathodes inorganic light emittimg diodes,L.S.Hung,Jourmal of Applied Pbysics,Vol.86 No.8,pp4607-4612,1999)このため、高効率である有機EL素子を作製する方法としては不適格である。
【0011】
特開2000−235893号公報ではSi、Ge、Sn、Pb、Ga、In、Zn、Cd、Mgのカルコゲナイドまたはこれらの窒化物と、周期律表5A−8族の化合物を含有した無機薄膜層を正孔注入層、電子注入層に用いて効率が良い有機EL素子を作製する方法を開示している。しかし、ここで述べられている方法では、やはり特開2000−215983号公報と同様に、スパッタ法に伴う素子へのダメージが避けられない。またさらに、この公報で述べられている無機薄膜層は有機発光層の材料全てに対して良好であるわけではなく、電子注入性が不足している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子注入性に優れる高抵抗無機電子注入層によって、発光効率が高く、動作電圧が低く、寿命が長い有機EL素子を容易な製造方法で実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち上記目的は、以下の本発明の構成により達成される。
(1) 正孔注入電極と、電子注入電極と、これらの電極間に1種以上の有機層とを有し、少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有し、
この発光機能を有する有機層と電子注入電極の間には、無機酸化物電子注入層を有し、
この無機酸化物電子注入層は、第1成分として酸化モリブデンを含有し、第2成分としてCsおよびLiから選択された金属又はこの金属酸化物を1種類以上含有し、アモルファス状態となっている有機EL素子。
(2) 前記無機酸化物電子注入層に含有される第2成分の含有量は1〜70体積%である上記(1)の有機EL素子。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子は、基板上に正孔注入電極と電子注入電極とを有し、これらの電極間に1層以上の有機層を有し、少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有しており、前記電子注入電極と前記有機層との間に金属酸化物層を有し、この金属酸化物層には第1成分として導電性金属酸化物、好ましくは酸化モリブデンを含有し、第2成分として仕事関数3.0eV以下の金属または金属酸化物を1種類以上含有しているものである。
【0015】
このように、第1成分が酸化モリブデン等の導電性金属酸化物層に、第2成分として低仕事関数の金属を含有させることで、電子注入効率が良くなり、発光効率が向上し、駆動電圧が低下する。
【0016】
第1成分として金属酸化物、第2成分として低仕事関数の金属を含有させる理由は、無機電子注入層を高抵抗化し、ホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを形成するためである。このように、電子の導通パスを有し、ホールをブロックできる無機電子注入層を有機層と電子注入電極の間に配置することで、発光層へ電子を効率良く注入する事ができ、発光効率が向上するとともに駆動電圧が低下する。
【0017】
金属酸化物に低仕事関数金属を混合することは、反応性が高い低仕事関数金属を安定化させる目的がある。さらに、電子注入電極となる金属(アルミニウム等)と有機層は密着性が悪く、有機EL素子駆動に伴う発熱等で容易に膜剥離を引き起こすため、信頼性が悪いという問題があった。ここに、金属酸化物を無機電子注入層として用いることで、上記剥離の問題も解決される。
【0018】
無機酸化物電子注入層に用いる金属酸化物は絶縁性、導電性を問わず上記問題を解決する。しかし、絶縁性の場合、駆動電圧の上昇が起こりうるため、好ましくは導電性金属酸化物を用いる方が電子注入効率を高める効果が大きい。
【0019】
本発明における導電性金属酸化物とは、好ましくは比抵抗が108 Ω・cm以下であることを特徴とし、また、上記、高抵抗無機電子注入層の観点から、好ましくは10-2 Ω・cm以上の比抵抗を有するものである。
【0020】
導電性金属酸化物としては酸化モリブデン(MoO3 )、酸化バナジウム(V25 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化第二銅(CuO)、および第一酸化チタン(TiO)から選択されるいずれかの酸化物が好ましい。さらにその中でも、抵抗加熱蒸著が容易であり、また取り扱いが簡易な材料として、酸化モリブデン(MoO3 )が特に好ましい。
【0021】
また、酸化モリブデン(MoO3 )は、正八面体構造が連なった平面構造を有しており、アルカリ金属等低仕事関数金属が挟み込まれ、安定化する働きが有ると考えられる。
【0022】
なお、上記の酸化物は必ずしも化学量論組成である必要は無く、多少偏倚していても良い。また、上記の酸化物を組み合わせても良い。組み合わせる場合のそれぞれの量比は必要に応じて調整すれば良い。
【0023】
第2成分である仕事関数3eV以下の金属としては、K、Cs、Rb、Na、Sr、Li、Ba、Eu、Yb、Ce、Pr、Sm、I、およびCaが挙げられるが、効果の観点からはLi,Na,K,Rb,およびCsのアルカリ金属が好ましい。第2成分の仕事関数は3eV以下、特に2.5eV以下である。その下限としては小さいほど好ましく、特に限定されるものではないが、通常2.0eV程度である。
【0024】
この無機酸化物電子注入層における第2成分は、全成分に対して1〜70体積%、特に30〜60体積%含有されていることが好ましい。含有量が1体積%以下では第2成分による駆動電圧低下の効果が少なくなり、70体積%以上では金属酸化膜による密着健向上の効果が少なくなり、信頼性が悪くなる。また、第2成分として金属酸化物を用いた場合、駆動電圧が増大してしまう。
【0025】
また、第2成分の含有量は、第1成分と第2成分の金属成分の総計に対しは、好ましくは0.1〜16質量%、特に4〜12質量%である。
【0026】
第2成分は膜中に均一に存在している必要はなく、膜厚方向に対して傾斜組成となっていてもよい。この場合、有機層側に第2成分が多く存在するようにするとよい。なお、全体の組成は上記範囲内であるようにする必要がある。
【0027】
さらに、無機酸化物電子注入層には、第三成分として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等、比抵抗10-2Ω・cm以下の金属を含有していてもよい。この場合、無機酸化物電子注入層全体の抵抗率が108 Ω・cm〜10-2 Ω・cmの範囲となるように含有量を調整すればよい。
【0028】
第三成分を含有させることにより抵抗率を制御できることから、無機酸化物電子注入層の注入性の制御が行え、有機EL素子の駆動電圧を低下することができる。
【0029】
無機酸化物電子注入層の膜厚としては、好ましくは、0.3〜30nm、より好ましくは1〜10nmである。膜厚がこれより薄いと、無機酸化物電子注入層の効果が十分ではなくなり、これより厚いと駆動電圧の上昇が顕著になる。
【0030】
上記無機酸化物電子注入層の作製方法はスパッタ法、EB蒸着法、イオンプレーテイング法、抵抗加熱蒸着法等が考えられるが、有機EL素子に与えるダメージを考慮して、抵抗加熱蒸着法を用いた多元蒸着源による共蒸着が好ましい。共蒸着の際は、金属酸化物の形成のために、酸素をチャンバーに導入した反応性蒸着を行なってもよい。
【0031】
本発明の有機EL素子は、例えば、図1に示すように基板1/正孔注入電極2/無機高抵抗正孔注入層3/正孔注入輸送層4、第1の発光層5a/第2の発光層5b、電子注入輸送層6/無機酸化物電子注入層7/電子注入電極8/保護膜9とが順次積層された構成である。また、基板1側に電子注入電極8が形成されている逆積層としてもよい。積層構成は、要求される性能や仕様などにより最適な積層構成とすればよい。有機層は、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等が積層された複数層構成としてもよいし、発光層に電子注入輸送機能、正孔輸送機能などを持たせた単層構成としてもよい。
【0032】
正孔注入電極材料は、正孔注入層等へ正孔を効率よく注入することのできるものが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In23 )、酸化スズ(SnO2 )および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好ましい。これらの酸化物はその化学量論組成から多少偏倚していてもよい。In2 3 に対するSnO2 の混合比は、1〜20質量%、さらには5〜12質量%が好ましい。また、IZOでのIn2 3 に対するZnOの混合比は、通常、12〜32質量%程度である。
【0033】
光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、通常400〜700nmの波長の光に対する光透過率が50%以上、さらには80%以上、特に90%以上であることが好ましい。透過率が低くなりすぎると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度を得難くなってくる。
【0034】
電極の厚さは、50〜500nm、特に50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。
【0035】
電子注入電極は、無機電子注入輸送層との組み合わせでは、低仕事関数で電子注入性を有している必要がないため、特に限定される必要はなく、通常の金属を用いることができる。なかでも、導電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNi、特にAl,Agから選択される1種または2種等の金属元素が好ましい。
【0036】
これら電子注入電極の厚さは、電子を無機電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の厚さとすれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は50〜500nm程度とすればよい。
【0037】
さらに、有機EL素子を大気中の水分などから保護するため、保護層を設けると、素子中に発生する暗点(ダークスポットと呼ぶ)の発生に伴う劣化を抑制することができる。保護膜は、SiN、SiON、SiO2 、Al23 等水分阻止能が高い膜が好ましい。
【0038】
保護膜の形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法等が考えられるが、低温で形成可能で、段差被覆性が良好であるプラズマCVD法が好ましい。
【0039】
また、有機EL素子を作製した後、素子を大気中に曝すことなく保護膜を形成することが好ましい。保護膜の厚さとしては特に制限されるものではないが、100〜5000nmとするとよい。保護膜の厚さがこれより薄いと水分阻止能が低下し、これより厚いと保護膜の応力による膜剥離や有機EL素子の特性に影響を与えるようになってくる。
【0040】
電子注入電極と保護膜とを併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm程度とすればよい。
【0041】
次に、有機EL素子の有機物層について詳述する。
【0042】
本発明にかかる有機EL素子は、少なくとも一方が透明な2つの電極の間に、少なくとも一層の有機発光層を備え、有機発光層は、少なくとも発光機能に関与する1種または2種の化合物を含んでいる。
【0043】
本発明にかかる有機EL素子において、少なくとも一層の有機発光層から発せられる光の波長はとくに限定されるものではないが、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層が、少なくとも380ないし780nmの連続した発光スペクトルを有する白色発光を発するように構成されている。
【0044】
本発明において、少なくとも一層の有機発光層が、430nmないし650nm以下の連続した発光スペクトルを有する白色発光を発するように構成されていると、とくに好ましい。
【0045】
本発明において、有機発光層は、正孔輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質を含み、正孔および電子の注入機能、正孔および電子の輸送機能ならびに正孔および電子の再結合により、励起子を生成させる機能を有しており、電子的に比較的ニュートラルな化合物を含んでいることが好ましい。
【0046】
有機発光層のホスト物質として用いられる正孔輸送性化合物としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ビラゾリン誘導体、ビラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられ、さらに、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく使用できる。
【0047】
トリフェニルジアミン誘導体の例としては、テトラアリールペンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)がとくに好ましい。
【0048】
テトラアリールべンジシン化合物(TDP)の好ましい具体例は、以下のとお
りである。
【0049】
【化1】

Figure 0003773423
【0050】
【化2】
Figure 0003773423
【0051】
【化3】
Figure 0003773423
【0052】
有機発光層のホスト物質として用いられる電子輸送性化合物としては、キノリン誘導体が好ましく使用することができ、さらには、8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、とくに、下式の構造を有するトリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq3)が好ましく使用される。また、フェニルアントラセン誘導体やテトラアリールエテン誘導体も、電子輸送性化合物として使用することができる。
【0053】
【化4】
Figure 0003773423
【0054】
本発明において、有機発光層は、正孔輸送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホスト物質に、蛍光物質であるドーバントがドープされた構造を有していることが好ましい。
【0055】
また、本発明にかかる有機EL素子は、好ましくは、互いに積層された2層の有機発光層を備えている。2層の有機発光層を形成する場合には、それぞれに、異なった発光波長を有する蛍光物質をドーピングすることによって、広い発光波長帯域を確保し、また、発光色の色彩の自由度を向上させることができる。
【0056】
本発明において、ドーバントとして含有させる蛍光物質としては、たとえば、特開昭63−264692号公報に開示された化合物、具体的には、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルビラン系化合物などの化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用できる。
【0057】
本発明に好ましく使用できる蛍光物質の例を挙げると、以下のとおりである。
【0058】
【化5】
Figure 0003773423
【0059】
【化6】
Figure 0003773423
【0060】
【化7】
Figure 0003773423
【0061】
【化8】
Figure 0003773423
【0062】
さらに、本発明においては、特開2000−26334号公報および特開2000−26337号公報に記載されているナフタセン系化合物も、ドーバントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することができ、ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合物、ジシアノメチルピラン系化合物などと併用することによって、有機EL素子の寿命を飛澤的に向上させることができる。
【0063】
本発明において、ドーバントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することのできるナフタセン系化合物は、式(I)で示される基本骨格を有している。
【0064】
【化9】
Figure 0003773423
【0065】
式(I)において、R1 〜R4 はそれぞれ非置換、または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基のいずれかを表す。また、好ましくはアリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基のいずれかである。
【0066】
1 〜R4 で表されるアリール基としては、単環もしくは多環のものであってよく、縮合環や環集合も含まれる。総炭素数は、6〜30のものが好ましく、置換基を有していても良い。
【0067】
1 〜R4 で表されるアリール基としては、好ましくはフェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、(1−、および2−)ナフチル基、アントリル基、(o−,m−,p−)ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基等である。
【0068】
1 〜R4 で表されるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基等いずれでも良い。これらは、総炭素数1〜6の脂肪族、および/または1〜4環の芳香族炭素環を有することが好ましい。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスジフェニリルアミノ基、ビスナフチルアミノ基等が挙げられる。
【0069】
1 〜R4 で表される複素環基としては、ヘテロ原子としてO,N,Sを含有する5員または6員環の芳香族複素環基、および炭素数2〜20の縮合多環芳香複素環基等が挙げられる。
【0070】
1 〜R4 で表されるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有する(1−、および2−)フェニルアルケニル基、(1,2−、および2,2−)ジフェニルアルケニル基、(1,2,2−)トリフェニルアルケニル基等が好ましいが、非置換のものであってもよい。
【0071】
芳香族複素環基および縮合多環芳香複素環基としては、例えばチエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基等が挙げられる。
【0072】
1 〜R4 が置換基を有する場合、これらの置換基のうちの少なくとも2つがアリール基、アミノ基、複素環基、アルケニル基およびアリーロキシ基のいずれかであることが好ましい。アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル基については上記R1 〜R4 と同様である。
【0073】
1 〜R4 の置換基となるアリーロキシ基としては、総炭素数6〜18のアリール基を有するものが好ましく、具体的には(o−,m−,p−)フェノキシ基等である。
【0074】
これら置換基の2種以上が縮合環を形成していてもよい。また、さらに置換されていても良く、その場合の好ましい置換基としては上記と同様である。
【0075】
1 〜R4 が置換基を有する場合、少なくともその2種以上が上記置換基を有することが好ましい。その置換位置としては特に限定されるものではなく、メタ、パラ、オルト位のいずれでも良い。また、R1 とR4 、R2 とR3 はそれぞれ同じものであることが好ましいが異なっていてもよい。
【0076】
また、R1 〜R8 のうちの少なくとも5種以上、より好ましくは6種以上が非置換または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミノ基、アルケニル基または複素環基である。
【0077】
5 ,R6 ,R7 およびR8 は、それぞれ水素または置換基を有していても良いアルキル基、アリール基、アミノ基およびアルケニル基のいずれかを表す。
【0078】
5 ,R6 ,R7 およびR8 で表されるアルキル基としては、炭素数が1〜6のものが好ましく、直鎖状であっても分岐を有していても良い。アルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、(n,i)プロピル基、(n,i,sec,tert)−ブチル基、(n,i,neo,tert)−ペンチル基等が挙げられる。
【0079】
5 ,R6 ,R7 およびR8 で表されるアリール基、アミノ基、アルケニル基としては、上記R1 〜R4 の場合と同様である。また、R5 とR6 、R7 とR8 は、それぞれ同じものであることが好ましいが、異なっていても良い。
【0080】
本発明において、ドーバントとして含有させる蛍光物質として、好ましく使用することのできる化合物には、たとえば、次のものが挙げられる。
【0081】
【化10】
Figure 0003773423
【0082】
【化11】
Figure 0003773423
【0083】
二層の有機発光層を設ける場合、各有機発光層が、2種以上のこれらの蛍光物質を含み、2種以上の蛍光物質が、異なった発光波長を有していることが好ましい。
【0084】
本発明において、有機発光層におけるドーバントの含有量は、0.01〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜15重量%である。
【0085】
本発明において、有機発光層の厚さはとくに限定されるものではなく、その好ましい厚さは、形成方法によっても異なるが、通常、5〜500nm、さらに好ましくは、10〜300nmである。
【0086】
本発明において、二層以上の有機発光層を形成する場合、各有機発光層の厚さは、分子層一層分に相当する厚さから、有機発光層全体の厚さ未満の範囲にあり、具体的には、1〜85nm、好ましくは5〜60nm、さらに好ましくは5〜50nmである。
【0087】
本発明において、好ましくは、有機発光層は蒸着によって形成される。
【0088】
本発明において、有機発光層を、蒸着によって形成する条件は、とくに限定されるものではないが、1×10-4パスカル以下で、蒸音速度を0.01〜1nm/秒程度とすることが好ましい。
【0089】
本発明において、好ましくは、有機発光層は、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる。
【0090】
有機発光層が、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合には,キャリアのホッピング伝導パスが形成されるため、各キャリアは極性的に優勢な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入が起こり難くなり、したがって、有機発光層に含まれた化合物がダメージを受けることが防止されるので、素子の寿命を向上させることができるという利点がある。
【0091】
さらに、蛍光物質からなるドーバントを、正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含んだ有機発光層に含有させることによって、有機発光層自体が有する発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長側に移行させるとともに、発光強度を向上させ、さらには、有機EL素子の安定性を向上させることが可能になる。
【0092】
有機発光層が、正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度にしたがって決定されるが、一般的には、質量比で、1/99〜99/1、好ましくは、10/90〜90/10、さらに好ましくは、20/80〜80/20、最も好ましくは、40/60〜60/40が選ばれる。
【0093】
正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合には、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物を、異なる蒸着源に入れて、蒸発させ、共蒸著することが好ましいが、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の蒸気圧が同程度あるいは非常に近い場合には、あらかじめ同じ蒸着源内で混合させておき、蒸著することもできる。
【0094】
正孔輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合、有機発光層内で、正孔輸送性化合物と電子注入輸送性化合物とが均一に混合していることが好ましいが、均一に混合していることは必ずしも必要でない。
【0095】
本発明において、有機物層は、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層に加えて、正孔を安定的に輸送する機能を有する正孔輸送層、ならびに、電子を安定的に輸送する機能を有する電子輸送層を備えている。これらの層を備えることによって、有機発光層に注入される正孔や電子を増大させるとともに、有機発光層内に閉じ込めさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を向上させることが可能になる。
【0096】
本発明において、正孔輸送層に、好ましく使用することができる化合物としては、例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体」イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェンなどを挙げることができる。これらのうち、テトラアリールべンジシン化合扮(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、WO/98/30071号に記載されているトリアリールアミン多量体(ATP)が、とくに好ましく使用することができる。
【0097】
トリアリールアミン多量体(ATP)の好ましい具体例は、以下のとおりである。
【0098】
【化12】
Figure 0003773423
【0099】
【化13】
Figure 0003773423
【0100】
【化14】
Figure 0003773423
【0101】
本発明において、さらには、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号一公報、特開平3−792号一公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号一公報、特開平8−100172号公報、EPO650955Alなどに記載されている各種有機化合物も、正孔注入輸送層、正孔注入層および正孔輸送層に使用することができる。
【0102】
本発明において、2種以上のこれらの化合物を併用してもよく、2種以上のこれらの化合物を併用する場合には、一層中に混合しても、また、2以上の層として、積層してもよい。
【0103】
本発明において、正孔輸送層は、前記化合物を蒸着することによって形成することができる。蒸着によって、素子化する場合には、均一で、ピンホールのない1〜10nm程度の薄膜を形成することができるため、正孔注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視波長の光を吸収する化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による発光効率の低下を防止することができる。
【0104】
本発明において、電子輸送層に、好ましく使用することができる化合物としては、たとえば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などの8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導俸、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体などを挙げることができる。
【0105】
本発明において、電子輸送層は、前記化合物を蒸着することによって形成することができる。
【0106】
本発明において、有機発光層、正孔注入輸送層あるいは正孔注入層および正孔輸送層、ならびに、電子注入輸送層あるいは電子注入層および電子輸送層の各層を、蒸着によって形成する条件はとくに限定されるものではないが、1×10-4パスカル以下で、蒸着速度を0.01〜1nm/秒程度とすることが好ましい。各層は、1×10-4パスカル以下の減圧下で、連続して、形成されることが好ましい。1×10-4パスカル以下の減圧下で、連続して、各層を形成することによって、各層の界面に不純物が吸着されることを防止することができるから、高特性の有機EL素子を得ることが可能になるとともに、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、ダークスポットが発生し、成長することを抑制することができる。
【0107】
本発明において、有機発光層、正孔輸送層、電子輸送層に、2種以上の化合物を含有させる場合には、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して、共蒸着によって、有機発光層、正孔輸送層、電子注入輸送層、電子注入層あるいは電子輸送層を形成することが好ましい。
【0108】
さらに、本発明の有機EL素子は、上記発光層と、他方の電極であるホール注入電極との間に、高抵抗の無機ホール注入輸送層を有することが好ましい。
【0109】
このように、ホールの導通パスを有し、電子をブロックできる高抵抗の無機ホール注入輸送層を有機層とホール注入電極の間に配置することで、発光層へホールを効率よく注入することができ、さらに発光効率が向上するとともに駆動電圧も低下する。このような高抵抗の無機ホール注入輸送層を用いることで、有機EL素子全体の膜厚を薄くすることができ、カラーフィルター層の薄膜化と相俟って、極めて膜厚の薄い薄膜素子を得ることができる。
【0110】
また、好ましくは高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分としてシリコンや、ゲルマニウム等の金属または半金属の酸化物を用い、これに仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属や、半金属および/またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて導電パスを形成することにより、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホールを注入することができる。しかも、有機層からホール注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。また、無機材料の有するメリットと、有機材料の有するメリットとを併せもった有機EL素子とすることができる。本発明の有機EL素子は、従来の有機ホール注入層を有する素子と同等かそれ以上の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばかりではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0111】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、その抵抗率が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103〜1×108Ω・cmである。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したままホール注入効率を飛躍的に向上させることができる。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。この場合、シート抵抗は4端子法等により測定することができる。
【0112】
主成分の材料は、シリコン、ゲルマニウムの酸化物であり、好ましくは
(Si1-xGex)Oyにおいて
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2、好ましくは1.7≦y≦1.99
である。高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分は、酸化ケイ素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜でもよい。yがこれより大きくても小さくてもホール注入機能は低下してくる傾向がある。組成は、例えばラザフォード後方散乱、化学分析等で調べればよい。
【0113】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、さらに主成分に加え、仕事関数4.5eV以上の金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物を含有することが好ましい。仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属は、好ましくはAu,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種また2種以上である。これらは一般に金属としてあるいは酸化物の形で存在する。また、これらの炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物であってもよい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。これらの含有量は好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないとホール注入機能が低下し、含有量がこれを超えると電子ブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0114】
上記金属または金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物は、通常、高抵抗の無機ホール注入輸送層中に分散している。分散粒子の粒径としては、通常、1〜5nm程度である。この導体である分散粒子同士との間で高抵抗の主成分を介してホールを搬送するためのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
【0115】
高抵抗の無機ホール注入輸送層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0116】
なお、高抵抗の無機ホール注入輸送層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0117】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
【0118】
高抵抗の無機ホール注入輸送層の膜厚としては、好ましくは0.3〜100nm、より好ましくは1〜100nm、特に5〜30nm程度が好ましい。高抵抗の無機ホール注入輸送層がこれより薄くても厚くても、ホール注入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0119】
上記の高抵抗の無機ホール注入輸送層の製造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好ましい。なかでも、上記主成分と金属または金属酸化物等のターゲットを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタとする場合には、主成分のターゲット上に上記金属または金属酸化物等の小片を配置し、両者の面積比を適当に調整することにより、組成を調整してもよい。
【0120】
高抵抗の無機ホール注入輸送層をスパッタ法で形成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力は、0.1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使用される不活性ガス、例えばAr,Ne,Xe,Kr等が使用できる。また、必要によりN2を用いてもよい。スパッタ時の雰囲気としては、上記スパッタガスに加えO2を1〜99%程度混合して反応性スパッタを行ってもよい。
【0121】
スパッタ法としてはRF電源を用いた高周波スパッタ法や、DCスパッタ法等が使用できる。スパッタ装置の電力としては、好ましくはRFスパッタで0.1〜10W/cm2の範囲が好ましく、成膜レートは0.5〜10nm/min 、特に1〜5nm/min の範囲が好ましい。
【0122】
成膜時の基板温度としては、室温(25℃)〜150℃程度である。
【0123】
本発明の有機EL素子は、高抵抗の無機ホール注入輸送層を有することにより、耐熱性、耐候性が向上し、素子の長寿命化を図れる。また、比較的高価な有機物質ではなく、安価で入手しやすい無機材料を用いているので、製造が容易となり、製造コストを低減することができる。さらには、従来問題のあった無機材料である電極との接続性も良好になる。このため、リーク電流の発生やダークスポットの発生を抑えることができる。
【0124】
本発明において、有機EL構造体を形成する基板としては、非晶質基板たとえばガラス、石英など、結晶基板たとえば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなどがあげられ、またこれらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いることができる。さらに、プラスチック等の樹脂材料、可撓性を有する材料を用いることもできる。基板材料は、好ましくはガラス基板、樹脂材料である。基板は、光取り出し側となる場合、上記電極と同様な光透過性を有することが好ましい。
【0125】
ガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ましいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用できる。
【0126】
さらに、素子の有機層や電極の酸化を防ぐために、素子上を封止板等により封止することが好ましい。封止板は、湿気の侵入を防ぐために、接着性樹脂層を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、Ar、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ましくは10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1ppm 程度である。
【0127】
封止板の材料としては、上記基板と異なる材料を用いることも可能であるが、好ましくは基板材料と同様のもの、あるいは同等の熱膨張係数、機械強度を有するものである。
【0128】
封止板は、スペーサーを用いて高さを調整し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料としては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好ましい。なお、封止板に凹部を形成した場合には、スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。
【0129】
スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0130】
接着剤としては、安定した接着強度が保て、気密性が良好なものであれば特に限定されるものではないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0131】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0132】
色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すればよい。
【0133】
また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向上する。
【0134】
また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0135】
蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行うものであるが、組成としては、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成される。
【0136】
蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いことが望ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・クマリン系化合物等を用いればよい。
【0137】
バインダーは、基本的に蛍光を消光しないような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷等で微細なパターニングが出来るようなものが好ましい。また、基板上に正孔注入電極と接する状態で形成される場合、正孔注入電極(ITO、IZO等)の成膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0138】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料を選べば良い。
【0139】
有機EL素子は、直流駆動やパルス駆動され、また交流駆動も可能である。印加電圧は、通常、2〜30V 程度である。
【0140】
【実施例】
[実施例1]
(TPD/Alq/MoO3 :Li/Al構造)
図2に示すように、ガラス基板1上に、正孔注入電極2であるITO透明導電膜100nmを形成した。この基板1に超音波洗浄を10分実施した後、純水でリンスした。その後、オープンにて110℃で8時間以上ベークを行った。このITO付基板にUV/O3 洗浄を行った後、真空装置に導入し槽内を1×10-4 Pa以下まで減圧した。
【0141】
正孔注入有機層4としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニルー4,4’−ジアミン(TPD)を20nm、発光層5としてトリス(8−キノリラト)アルミニウム100nmを順次抵抗加熱蒸着法にて形成した。
【0142】
次に、無機酸化物電子注入層7として、MoO3 とLiを抵抗加熱法による共蒸着にて5nm形成した。このとき、MoO3 とLiの成膜レートを共に0.1nm/secとして、体積比1:1の比率で蒸著した。Liの蒸着源には、Al−20atm%Li合金を用いて、Liのみが蒸発するようにパワーのコントロールを行なった。
【0143】
その後、アルミニウムの電子注入電極8を抵抗加熱法にて150nm形成し、最後にSiNの保護膜9を200nm形成して有機EL素子を得た。
【0144】
また、成膜の安定性を見るために、電子注入層形成において、素子作製時の成膜回数に換算して100回に相当する膜厚分の成膜を実施したが、蒸着の材料ボートの変質は見られず、また成膜時の脱ガスも起こらず安定した成膜が行なえた。
【0145】
製膜された電子注入層のX線回折結果を図3に示す。図から明らかなように、膜内に結晶はみられず、アモルファス状態になっていることがわかる。
【0146】
このようにして作製した有機EL素子において、電気特性を測定したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が5.7V、輝度が320cd/m2 であった。
【0147】
〔実施例2〕
無機電子注入層として酸化モリプデン:リチウムの最適な組成を求めた。
酸化モリブデン:リチウム組成を体積比で10:0、10:1、5:1、1:1、1:3、1:6、1:25と変化させ、ほかは実施例1と同様に有機EL素子を作製した。
【0148】
このようにして得られたサンプルの駆動電圧特性を測定した。結果を図4に示す。
【0149】
図4から、リチウムが含まれないところでは駆動電圧が大きく悪化していることがわかる。また、リチウム濃度が多すぎ、70体積%を超えると、素子のリークが観察され歩留まりが極めて悪くなった。
【0150】
以上の結果より、酸化モリブデン中にリチウムが極少量でも入ることで、駆動電圧を低下させる効果が見られ、酸化モリプデン:リチウムの最適濃度範囲は1体積%から体積70%であることがわかる。また、第2成分の含有量は、第1成分と第2成分の金属成分の総計に対しては、0.1〜16質量%が好ましいことがわかる。
【0151】
〔実施例3〕
無機電子注入層として酸化モリプデン:酸化リチウムの最適な組成を求めた。酸化モリブデン:酸化リチウムは、蒸着時に酸素を流し、真空度を1×10-2 Paに調整し、リチウムを成膜中に酸化することで、形成した。酸化モリブデン:酸化リチウム組成を体積比で10:0、10:1、5:1、1:1、1:3、1:6、1:25と変化させたほかは、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0152】
このようにして得られたサンプルの駆動電圧特性を測定した。結果を図5に示す。
【0153】
図5から明らかなように、実施例3と同様に、酸化リチウムが含まれないところでは駆動電圧が大きく悪化している。また、酸化リチウム濃度が多すぎると、無機電子注入層が絶縁化する為に、駆動電圧が上昇した。従って駆動電圧の上昇を抑制するためにはリチウム濃度70体積%以下が好ましい。
【0154】
また、電子注入層の形成に際し、MoO3 とLiの共蒸着を行わず、Li2MoO4 の複合酸化物を用い単独の蒸着ボートにて形成したほかは、上記と同様にして有機EL素子を作製した。得られたサンプルについて上記と同様に評価したところ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0155】
〔実施例4〕
(ITO/TPD/Alq/MoO3:Na/Al構造)
無機電子注入層として、MoO3 とNaを共蒸着で5nm形成したほかは実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0156】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が5.9V、輝度300cd/m2 となった.
【0157】
〔実施例5〕
(ITO/TPD/Alq/MoO3 :Cs/Al構造〕
無機電子注入層として、MoO3 とCsを共蒸着で5nm形成したほかは実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0158】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が6.0V、輝度290cd/m2 となった。
【0159】
また、実施例1、4、5の有機EL素子は、連続駆動による輝度半減寿命がいずれも3000時間(at100cd/m2 換算)以上であり、充分な寿命を有していた。
【0160】
〔実施例6〕
(ITO/GeO2:In23/ジスチリルアリーレン誘導体+3%ジスチリルアリーレンアミン誘導体/MoO3:Li/Al構造)
正孔注入電極ITO上に、無機正孔注入層としてGeO2 :In23 (スパッタターゲット組成85:15mol%)1nmを形成した。
【0161】
次に、有機発光層に、ホスト物質として下記の化15で示されるジスチリルアリーレン誘導体に、同じくドーパント物質として下記の化16で示されるジスチリルアリーレンアミン誘導体が3体積%添加され、膜厚が100nmの有機発光層を抵抗加熱共蒸着にて形成した。
【0162】
【化15】
Figure 0003773423
【0163】
【化16】
Figure 0003773423
【0164】
次に、無機電子注入層を、実施例1と同様に、MoO3 とLiの共蒸着で5nm形成し、アルミ陰極を150nm形成し、有機EL素子を作製した。
【0165】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が12.4V、輝度350cd/m2 であった。
【0166】
〔実施例7〕
実施例1において、Liに代えて、K,Rbをそれぞれ用いたところほぼ同様な結果が得られた。
【0167】
〔実施例8〕
実施例1において、ITO電極形成後、抵抗加熱蒸着法により、下記構造のATPを100nm成膜し、正孔注入層とした。
【0168】
【化17】
Figure 0003773423
【0169】
次いで、同様にして下記構造のTPDを10nm成膜し、正孔輸送層とした。
【0170】
【化18】
Figure 0003773423
【0171】
次に、第1の発光層として、下記構造のアントラセン誘導体:TPD:ルブレンを、体積比7.5:2.5:0.3となるように、膜厚20nmの厚さに共蒸着した。
【0172】
【化19】
Figure 0003773423
【0173】
次に、第2の発光層として、ホスト物質に上記アントラセン誘導体とTPDを、ドーパント物質として実施例6の化16で示されるジスチリルアリーレンアミン誘導体を、それぞれ体積比で7.5:2.5:0.2となるように、膜厚が40nmに成膜した。
【0174】
さらに、第3の発光層として、上記アントラセン誘導体を膜厚20nmに成膜した。
【0175】
次に、電子注入輸送層として、Alq3 を膜厚10nm成膜し、無機電子注入層を、実施例1と同様に、MoO3 とLiの共蒸着で5nm形成し、アルミ陰極を150nm形成して、有機EL素子を作製した。
【0176】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が6.7V、輝度840cd/m2 であった。
【0177】
この素子を、85℃にて100時間保存した後、同様にして発光輝度を測定したところ輝度低下率は5%以下であり、目立った劣化は観測されなかった。
【0178】
〔実施例9〕
実施例1において、ITO電極形成後、スパッタ法により、GeO2 :In23 (スパッタターゲット組成85:15mol%)を1nm成膜し、正孔注入輸送層とした。
【0179】
次に、第1の発光層として、アントラセン誘導体:TPD:ルブレンを、体積比7.5:2.5:0.3となるように、膜厚20nmの厚さに共蒸着した。
【0180】
次に、第2の発光層として、ホスト物質にアントラセン誘導体とTPDを、ドーパント物質として実施例6の化16で示されるジスチリルアリーレンアミン誘導体を、それぞれ体積比で7.5:2.5:0.2となるように、膜厚が40nmに成膜した。
【0181】
さらに、第3の発光層として、上記アントラセン誘導体を膜厚20nmに成膜した。
【0182】
次に、電子注入輸送層として、Alq3 を膜厚10nm成膜し、無機電子注入層を、実施例1と同様に、MoO3 とLiの共蒸着で5nm形成し、アルミ陰極を150nm形成して、有機EL素子を作製した。
【0183】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が4.3V、輝度900cd/m2 であった。
【0184】
この素子を、85℃にて100時間保存した後、同様にして発光輝度を測定したところ輝度変化率は10%以下であり、目立った劣化は観測されなかった。
【0185】
〔比較例1〕
(ITO/TPD/Alq/Al構造)
無機電子注入層を形成しない以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0186】
得られた素子を実施例12と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が8.7v 、輝度210cd/m2 であった。これは、無機電子注入層を形成しないため、駆動電圧が上昇し、輝度が低下したものと考えられる。
【0187】
〔比較例2〕
(ITO/TPD/Alq/Mg/Al構造)
無機電子注入層として、Mgを5nm形成した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0188】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が7.6V、輝度300cd/m2 となり、駆動電圧が高くなった。また、連続駆動における輝度半減寿命も高々150時間(at100cd/m2 )程度であった。
【0189】
これは、金属と有機層との密着性が悪いため、無機電子注入層が駆動時の熱により剥離し、寿命が悪化していると考えられる。従って、金属酸化物中に低仕事関数金属を含有することは、膜の密着性を高める意味で極めて効果が高いことがわかる。
【0190】
〔比較例3〕
(ITO/GeO2 :In23 /IDE120+3%IDE102/MoO3 :Mg(1:1)/Al)
電子注入層として、MoO3とMg(仕事関数3.7eV)を抵抗加熱法により共蒸着(体積比1:1)し、5nmの膜厚に形成したほかは実施例6と同様にして有機EL素子を作製した。
【0191】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が13.7V、輝度11cd/m2 となった。
【0192】
実施例5と比較して、輝度が低く、また駆動電圧も高いことから、MoO3 に添加する低仕事関数金属は、3eV以下が好ましいことがわかる。
【0193】
〔比較例4〕
スパッタ無機電子注入層
(ITO/GeO2 :In23 /IDE120+3%IDE102/Li2O:RuO2 /Al構造)
【0194】
電子注入層として、Li2O:RuO2 (30:70mol%)ターゲットにより下記条件のスパッタ法にて1nmを形成したほかは実施例6と同様にして有機EL素子を作製した。
スパッタ条件:
圧力:0.15Pa
投入電力:0.76W/cm2
スパッタガス:Kr 8cc/min
基板間距離:90mm
【0195】
得られた素子を実施例1と同様に評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧15.7V、輝度10cd/m2 であった。
【0196】
実施例6と比較して、スパッタダメージにより、輝度が低くなり、また駆動電圧も高くなった。
【0197】
〔比較例5〕
(実施例9電子注入層対照構造)
無機電子注入層として、Mo3 Liの代わりに、下記構造のパソフェナントロリン(BPhen)をLiと共蒸着により20nm形成した以外は実施例9と同様にして有機EL素子を作製した。
【0198】
【化20】
Figure 0003773423
【0199】
得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、電流密度10mA/cm2 における電圧が4.3V、輝度1000cd/m2 となった。
【0200】
この素子を、85℃にて100時間保存した後、同様にして発光輝度を測定したところ輝度低下率は50%以上であった。これは、有機物質であるBPhenがアルカリ金属と配位結合し、結晶化したためであると考えられる。従って、アルカリ金属との共蒸着は、熱的安定性が高い無機物質が好ましいことがわかった。
【0201】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電子注入電極と有機層の密着性が向上し、その結果素子寿命が向上する。また密着性の向上と同時に駆動電圧の低下と発光効率を向上させることができる。しかも、簡易な方法で取り扱いが容易な材料系にて製造することができ、工程が簡単で、製造コストも低くすることができる。本発明により高効率の有機ELが簡易に製造できるので、各種表示デバイスヘの応用も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の基本構成を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の有機EL素子の基本構成を示す概略断面図である。
【図3】実施例1で成膜した電子注入電極のX線回折結果をしました図である。
【図4】実施例2のLi濃度/駆動電圧特性の測定結果を示したグラフである。
【図5】実施例3のLi濃度/駆動電圧特性の測定結果を示したグラフである。
【符号の説明】
1 基板
2 正孔注入電極
3 高抵抗の無機正孔注入層
4 正孔注入層
5 発光層
5a 第1の発光層
5b 第2の発光層
6 電子注入層
7 無機酸化物電子注入層
8 電子注入電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an organic electroluminescence element (organic EL element) using an organic material that emits light by recombination of holes and electrons.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a demand for a flat panel display has been increased from the viewpoint of reducing an occupied area, and a device using an electroluminescence element (hereinafter abbreviated as an EL element) that is lightweight and does not require a backlight has been attracting attention. The EL element includes an organic EL element and an inorganic EL element. Among these, unlike the inorganic EL element, the organic EL element has an advantage that it can be driven at a low voltage of about 20V.
[0003]
The structure of the organic EL element is a two-layer structure having a hole injection transport layer and an organic light emitting layer / electron injection transport layer between the hole injection electrode and the electron injection electrode, or an organic light emitting layer / hole injection transport. For example, a two-layer structure having a layer and an electron injecting and transporting layer is available.
[0004]
Moreover, as a structure of two or more layers, there is one having a hole injection transport layer, an organic light emitting layer, and an electron injection transport layer. Or the single layer structure which has a light emitting layer, a positive hole injection transport layer, and an electron injection transport layer in one layer is also known.
[0005]
In these organic EL elements, in order to obtain practical luminance with practical electric power, an injection layer for efficiently injecting and transporting holes and electrons to the organic light emitting layer is required as in the structure described above.
[0006]
In order to inject electrons efficiently with the conventional devices, it is necessary to use a metal having a low work function, such as an alkali metal, as described in JP-A-63-295695. It was. However, since the low work function metal is easily oxidized and is difficult to handle, it is also pointed out at the same time that it is difficult to apply it to electronic devices.
[0007]
In order to improve this, Japanese Patent Laid-Open No. 5-121172 discloses that an electron injection layer is an alloy which is stabilized by adding lithium, which is a low work function metal, to aluminum, which is a relatively stable and inexpensive metal. Thus, an efficient electron injection layer is produced.
[0008]
However, in the method described in JP-A-5-121172, it is necessary to control the alkali metal concentration in aluminum to 0.1% or less, but it is difficult to control co-evaporation of aluminum and alkali metal. . For this reason, the reproducibility is poor and the productivity is extremely low due to the difficulty of maintaining the apparatus.
[0009]
On the other hand, in order to stably use an alkali metal having excellent electron injection efficiency, Japanese Patent Laid-Open No. 9-17574 discloses a method of inserting a compound such as an alkali metal oxide at the interface between the cathode and the organic layer. . However, alkali metal compounds have high hygroscopicity, are difficult to handle as materials, and are easily degassed during vapor deposition, and the film formation rate is unstable. Furthermore, since the reactivity of the alkali metal compound is high, the boat reacts with the steaming boat and the boat is corroded, so that continuous film formation is difficult. From this point of view, it is extremely difficult to apply to mass production.
[0010]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-215983 discloses that a high-resistance inorganic electron injection layer contains a low work function metal such as an alkali metal. In the embodiment of the invention in this publication, it is stated that a sputtering method is preferable as a method for producing the inorganic electron injection layer. However, the material system actually disclosed in this publication requires the use of a sputtering method as a manufacturing method because the melting point and handling are difficult. However, it is known that the sputtering method damages an organic film. It has been. (Sputter deposition of cathodes inorganic light emittimg diodes, LSHung, Journal of Applied Pbysics, Vol.86 No.8, pp4607-4612, 1999) For this reason, it is unsuitable as a method for producing a highly efficient organic EL device. is there.
[0011]
In JP-A-2000-235893, an inorganic thin film layer containing Si, Ge, Sn, Pb, Ga, In, Zn, Cd, Mg chalcogenides or their nitrides and a compound of Group 5A-8 of the periodic table is used. A method for producing an organic EL element with high efficiency by being used for a hole injection layer and an electron injection layer is disclosed. However, in the method described here, similarly to Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-215983, damage to the element due to the sputtering method is unavoidable. Furthermore, the inorganic thin film layer described in this publication is not good for all materials of the organic light emitting layer, and lacks electron injection properties.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to realize an organic EL device having a high light emission efficiency, a low operating voltage, and a long lifetime by an easy manufacturing method by using a high resistance inorganic electron injection layer having excellent electron injection properties.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
  That is, the above object is achieved by the following configuration of the present invention.
  (1) It has a hole injection electrode, an electron injection electrode, and one or more organic layers between these electrodes, and at least one of the organic layers has a light emitting function,
  Between the organic layer having the light emitting function and the electron injection electrode, there is an inorganic oxide electron injection layer,
  This inorganic oxide electron injection layer is used as the first component.Molybdenum oxideAs a second componentSelected from Cs and LiMetal orthisContains one or more metal oxidesAnd it is in an amorphous stateOrganic EL element.
(2)  The content of the second component contained in the inorganic oxide electron injection layer is 1 to 70% by volume.(1) Organic EL element.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The organic EL device of the present invention has a hole injection electrode and an electron injection electrode on a substrate, and has one or more organic layers between these electrodes, and at least one of the organic layers has a light emitting function. And having a metal oxide layer between the electron injection electrode and the organic layer, the metal oxide layer containing a conductive metal oxide as a first component, preferably molybdenum oxide, The second component contains one or more metals or metal oxides having a work function of 3.0 eV or less.
[0015]
As described above, by adding a low work function metal as the second component to the conductive metal oxide layer such as molybdenum oxide as the first component, the electron injection efficiency is improved, the light emission efficiency is improved, and the driving voltage is improved. Decreases.
[0016]
The reason for including a metal oxide as the first component and a low work function metal as the second component is to increase the resistance of the inorganic electron injection layer and form a conduction path for blocking holes and transporting electrons. is there. In this way, by arranging the inorganic electron injection layer that has an electron conduction path and can block holes between the organic layer and the electron injection electrode, electrons can be efficiently injected into the light emitting layer, and the light emission efficiency As a result, the drive voltage decreases.
[0017]
Mixing a metal oxide with a low work function metal has the purpose of stabilizing the low work function metal with high reactivity. Furthermore, the metal (aluminum or the like) serving as the electron injection electrode and the organic layer have poor adhesion, and the film is easily peeled off due to heat generated when the organic EL element is driven. Here, by using a metal oxide as the inorganic electron injection layer, the problem of peeling is also solved.
[0018]
The metal oxide used for the inorganic oxide electron injecting layer solves the above problems regardless of insulation or conductivity. However, in the case of insulation, since the drive voltage may increase, the use of a conductive metal oxide is more effective in increasing the electron injection efficiency.
[0019]
The conductive metal oxide in the present invention preferably has a specific resistance of 108 Ω · cm or less, and from the viewpoint of the high resistance inorganic electron injection layer, preferably 10Ω.-2 It has a specific resistance of Ω · cm or more.
[0020]
As the conductive metal oxide, molybdenum oxide (MoOThree ), Vanadium oxide (V2OFive ), Tin oxide (SnO)2 ), Cupric oxide (CuO), and any oxide selected from first titanium oxide (TiO). Furthermore, among them, as a material that can be easily heated by resistance heating and easy to handle, molybdenum oxide (MoOThree Is particularly preferred.
[0021]
Molybdenum oxide (MoOThree ) Has a planar structure in which regular octahedral structures are connected, and it is considered that a low work function metal such as an alkali metal is sandwiched and has a function of stabilizing.
[0022]
Note that the above oxide does not necessarily have a stoichiometric composition, and may be slightly deviated. Moreover, you may combine said oxide. What is necessary is just to adjust each quantity ratio in the case of combining as needed.
[0023]
Examples of the metal having a work function of 3 eV or less as the second component include K, Cs, Rb, Na, Sr, Li, Ba, Eu, Yb, Ce, Pr, Sm, I, and Ca. Is preferably an alkali metal of Li, Na, K, Rb, and Cs. The work function of the second component is 3 eV or less, particularly 2.5 eV or less. The lower limit is preferably as small as possible, and is not particularly limited, but is usually about 2.0 eV.
[0024]
It is preferable that the 2nd component in this inorganic oxide electron injection layer is contained 1 to 70 volume% with respect to all the components, especially 30 to 60 volume%. When the content is 1% by volume or less, the effect of lowering the driving voltage by the second component is reduced. When the content is 70% by volume or more, the effect of improving the adhesion by the metal oxide film is reduced, and the reliability is deteriorated. In addition, when a metal oxide is used as the second component, the driving voltage increases.
[0025]
The content of the second component is preferably 0.1 to 16% by mass, particularly 4 to 12% by mass, based on the total of the first component and the second component metal component.
[0026]
The second component does not need to be present uniformly in the film, and may have a gradient composition with respect to the film thickness direction. In this case, it is preferable that a large amount of the second component is present on the organic layer side. The overall composition must be within the above range.
[0027]
Further, the inorganic oxide electron injection layer has a specific resistance of 10 as a third component such as aluminum (Al), titanium (Ti), tungsten (W), molybdenum (Mo), etc.-2It may contain a metal of Ω · cm or less. In this case, the resistivity of the entire inorganic oxide electron injection layer is 108 Ω · cm to 10-2 The content may be adjusted so as to be in the range of Ω · cm.
[0028]
Since the resistivity can be controlled by containing the third component, the injection property of the inorganic oxide electron injection layer can be controlled, and the driving voltage of the organic EL element can be reduced.
[0029]
The film thickness of the inorganic oxide electron injection layer is preferably 0.3 to 30 nm, more preferably 1 to 10 nm. If the film thickness is thinner than this, the effect of the inorganic oxide electron injecting layer is not sufficient, and if it is thicker than this, the drive voltage rises remarkably.
[0030]
The inorganic oxide electron injection layer can be prepared by sputtering, EB vapor deposition, ion plating, resistance heating vapor deposition, etc., but resistance heating vapor deposition is used in consideration of damage to the organic EL element. Co-deposition using a multi-source deposition source is preferred. In the case of co-evaporation, reactive vapor deposition in which oxygen is introduced into the chamber may be performed in order to form a metal oxide.
[0031]
The organic EL device of the present invention includes, for example, as shown in FIG. 1, substrate 1 / hole injection electrode 2 / inorganic high resistance hole injection layer 3 / hole injection transport layer 4, first light emitting layer 5a / second. The light emitting layer 5b, the electron injection transport layer 6, the inorganic oxide electron injection layer 7, the electron injection electrode 8, and the protective film 9 are sequentially laminated. Moreover, it is good also as a reverse lamination in which the electron injection electrode 8 is formed in the board | substrate 1 side. The laminated structure may be an optimum laminated structure depending on required performance and specifications. The organic layer may have a multi-layer structure in which a hole injecting and transporting layer, a light emitting layer, an electron injecting and transporting layer, etc. are laminated, or a single layer structure in which the light emitting layer has an electron injecting and transporting function and a hole transporting function. It is good.
[0032]
The hole injection electrode material is preferably one that can efficiently inject holes into a hole injection layer or the like, and a substance having a work function of 4.5 eV to 5.5 eV is preferable. Specifically, tin-doped indium oxide (ITO), zinc-doped indium oxide (IZO), indium oxide (In2OThree), Tin oxide (SnO)2) And zinc oxide (ZnO) are preferred. These oxides may deviate somewhat from their stoichiometric composition. In2OThreeFor SnO2Is preferably 1 to 20% by mass, more preferably 5 to 12% by mass. Also, In at IZO2OThreeThe mixing ratio of ZnO to is usually about 12 to 32% by mass.
[0033]
The electrode on the light extraction side preferably has a light transmittance of 50% or more, more preferably 80% or more, and particularly preferably 90% or more with respect to light having a light emission wavelength band, usually 400 to 700 nm. If the transmittance is too low, light emission from the light emitting layer itself is attenuated, and it becomes difficult to obtain luminance necessary for the light emitting element.
[0034]
The thickness of the electrode is preferably 50 to 500 nm, particularly 50 to 300 nm. Further, the upper limit is not particularly limited, but if it is too thick, there is a concern about a decrease in transmittance or peeling. If the thickness is too thin, a sufficient effect cannot be obtained, and there is a problem in terms of film strength at the time of manufacture.
[0035]
The electron injecting electrode does not need to be particularly limited in combination with the inorganic electron injecting and transporting layer and need not have electron injecting properties with a low work function, and an ordinary metal can be used. Among them, in terms of conductivity and ease of handling, Al, Ag, In, Ti, Cu, Au, Mo, W, Pt, Pd and Ni, particularly one or two selected from Al and Ag, etc. Metal elements are preferred.
[0036]
The thickness of these electron injection electrodes may be a certain thickness or more that can give electrons to the inorganic electron injection and transport layer, and may be 50 nm or more, preferably 100 nm or more. The upper limit is not particularly limited, but the normal film thickness may be about 50 to 500 nm.
[0037]
Further, when a protective layer is provided in order to protect the organic EL element from moisture in the atmosphere, deterioration due to the generation of a dark spot (referred to as a dark spot) generated in the element can be suppressed. The protective film is made of SiN, SiON, SiO2 , Al2OThree A film having a high water blocking ability is preferred.
[0038]
As a method for forming the protective film, a vapor deposition method, a sputtering method, a CVD method, or the like can be considered, but a plasma CVD method that can be formed at a low temperature and has good step coverage is preferable.
[0039]
Moreover, it is preferable to form a protective film without exposing the element to the atmosphere after the organic EL element is manufactured. The thickness of the protective film is not particularly limited, but is preferably 100 to 5000 nm. If the thickness of the protective film is thinner than this, the water blocking ability is lowered, and if it is thicker than this, the film peeling due to the stress of the protective film and the characteristics of the organic EL element are affected.
[0040]
The total thickness of the electron injection electrode and the protective film is not particularly limited, but is usually about 50 to 500 nm.
[0041]
Next, the organic layer of the organic EL element will be described in detail.
[0042]
The organic EL device according to the present invention includes at least one organic light emitting layer between two electrodes, at least one of which is transparent, and the organic light emitting layer includes at least one or two kinds of compounds involved in the light emitting function. It is out.
[0043]
In the organic EL device according to the present invention, the wavelength of light emitted from at least one organic light emitting layer is not particularly limited, but preferably, at least one organic light emitting layer continuously emits light of at least 380 to 780 nm. It is configured to emit white light having a spectrum.
[0044]
In the present invention, it is particularly preferable that at least one organic light emitting layer is configured to emit white light having a continuous light emission spectrum of 430 nm to 650 nm or less.
[0045]
In the present invention, the organic light emitting layer includes a host material which is a hole transporting compound, an electron transporting compound, or a mixture thereof, and serves to inject holes and electrons, to transport holes and electrons, and to holes and electrons. It preferably has a function of generating excitons by recombination, and contains an electronically relatively neutral compound.
[0046]
The hole transporting compound used as a host material for the organic light emitting layer includes triazole derivatives, oxadiazole derivatives, imidazole derivatives, polyarylalkane derivatives, virazoline derivatives, virazolone derivatives, phenylenediamine derivatives, arylamine derivatives, amino-substituted chalcones. Derivatives, oxazole derivatives, styrylanthracene derivatives, fluorenone derivatives, hydrazone derivatives, and stilbene derivatives are exemplified, and triphenyldiamine derivatives can be preferably used.
[0047]
As an example of the triphenyldiamine derivative, a tetraarylpendicine compound (triaryldiamine or triphenyldiamine: TPD) is particularly preferable.
[0048]
Preferred specific examples of the tetraarylbendicine compound (TDP) are as follows.
It is.
[0049]
[Chemical 1]
Figure 0003773423
[0050]
[Chemical formula 2]
Figure 0003773423
[0051]
[Chemical Formula 3]
Figure 0003773423
[0052]
As the electron transporting compound used as the host material of the organic light emitting layer, a quinoline derivative can be preferably used, and further, a metal complex having 8-quinolinol or a derivative thereof as a ligand, particularly a structure of the following formula Tris (8-quinolinato) aluminum (Alq3) having the following is preferably used. In addition, phenylanthracene derivatives and tetraarylethene derivatives can also be used as the electron transporting compound.
[0053]
[Formula 4]
Figure 0003773423
[0054]
In the present invention, the organic light emitting layer preferably has a structure in which a host material that is a hole transporting compound, an electron transporting compound, or a mixture thereof is doped with a fluorescent dopant.
[0055]
In addition, the organic EL device according to the present invention preferably includes two organic light emitting layers stacked on each other. When two organic light-emitting layers are formed, a wide light emission wavelength band is secured by doping with fluorescent materials having different light emission wavelengths, and the degree of freedom of color of light emission color is improved. be able to.
[0056]
In the present invention, the fluorescent substance to be contained as a dovant is, for example, a compound disclosed in JP-A-63-264692, specifically, a rubrene compound, a coumarin compound, a quinacridone compound, a dicyanomethylbirane compound. One or more compounds selected from the group consisting of compounds such as compounds can be preferably used.
[0057]
Examples of fluorescent substances that can be preferably used in the present invention are as follows.
[0058]
[Chemical formula 5]
Figure 0003773423
[0059]
[Chemical 6]
Figure 0003773423
[0060]
[Chemical 7]
Figure 0003773423
[0061]
[Chemical 8]
Figure 0003773423
[0062]
Furthermore, in the present invention, the naphthacene compounds described in JP-A-2000-26334 and JP-A-2000-26337 can also be preferably used as fluorescent substances to be contained as dovants. In addition, when used in combination with a coumarin compound, a quinacridone compound, a dicyanomethylpyran compound, etc., the lifetime of the organic EL device can be improved drastically.
[0063]
In the present invention, a naphthacene compound that can be preferably used as a fluorescent substance to be contained as a dovant has a basic skeleton represented by the formula (I).
[0064]
[Chemical 9]
Figure 0003773423
[0065]
In formula (I), R1 ~ RFour Each represents an unsubstituted or substituted alkyl group, aryl group, amino group, heterocyclic group or alkenyl group. Moreover, it is preferably any of an aryl group, an amino group, a heterocyclic group, and an alkenyl group.
[0066]
R1 ~ RFour The aryl group represented by may be monocyclic or polycyclic, and includes condensed rings and ring assemblies. The total carbon number is preferably 6 to 30, and may have a substituent.
[0067]
R1 ~ RFour As the aryl group represented by, preferably a phenyl group, (o-, m-, p-) tolyl group, pyrenyl group, perylenyl group, coronenyl group, (1- and 2-) naphthyl group, anthryl group, (O-, m-, p-) biphenylyl group, terphenyl group, phenanthryl group and the like.
[0068]
R1 ~ RFour The amino group represented by may be any of alkylamino group, arylamino group, aralkylamino group and the like. These preferably have an aliphatic group having 1 to 6 carbon atoms in total and / or an aromatic carbocyclic ring having 1 to 4 rings. Specific examples include a dimethylamino group, a diethylamino group, a dibutylamino group, a diphenylamino group, a ditolylamino group, a bisdiphenylylamino group, and a bisnaphthylamino group.
[0069]
R1 ~ RFour Examples of the heterocyclic group represented by the formula include a 5-membered or 6-membered aromatic heterocyclic group containing O, N, S as a hetero atom, and a condensed polycyclic aromatic heterocyclic group having 2 to 20 carbon atoms. Can be mentioned.
[0070]
R1 ~ RFour Are represented by (1- and 2-) phenylalkenyl groups, (1,2-, and 2,2-) diphenylalkenyl groups having a phenyl group as at least one substituent, (1 , 2,2-) triphenylalkenyl group and the like are preferable, but may be unsubstituted.
[0071]
Examples of the aromatic heterocyclic group and the condensed polycyclic aromatic heterocyclic group include a thienyl group, a furyl group, a pyrrolyl group, a pyridyl group, a quinolyl group, and a quinoxalyl group.
[0072]
R1 ~ RFour When has a substituent, at least two of these substituents are preferably any of an aryl group, an amino group, a heterocyclic group, an alkenyl group, and an aryloxy group. For the aryl group, amino group, heterocyclic group and alkenyl group, the above R1 ~ RFour It is the same.
[0073]
R1 ~ RFour As the aryloxy group serving as a substituent, a group having an aryl group having 6 to 18 carbon atoms is preferable, and specifically, an (o-, m-, p-) phenoxy group or the like.
[0074]
Two or more of these substituents may form a condensed ring. Further, it may be further substituted, and preferred substituents in that case are the same as described above.
[0075]
R1 ~ RFour When has a substituent, it is preferable that at least two or more of them have the substituent. The substitution position is not particularly limited, and may be any of meta, para, and ortho positions. R1 And RFour , R2 And RThree Are preferably the same, but they may be different.
[0076]
R1 ~ R8 At least 5 or more, more preferably 6 or more of them are unsubstituted, substituted, or substituted alkyl groups, aryl groups, amino groups, alkenyl groups, or heterocyclic groups.
[0077]
RFive , R6 , R7 And R8 Each represents hydrogen or an alkyl group, aryl group, amino group and alkenyl group which may have a substituent.
[0078]
RFive , R6 , R7 And R8 As the alkyl group represented by formula (1), those having 1 to 6 carbon atoms are preferable, and they may be linear or branched. Preferable specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, (n, i) propyl group, (n, i, sec, tert) -butyl group, (n, i, neo, tert) -pentyl group and the like. Can be mentioned.
[0079]
RFive , R6 , R7 And R8 As the aryl group, amino group and alkenyl group represented by1 ~ RFour It is the same as the case of. RFive And R6 , R7 And R8 Are preferably the same, but they may be different.
[0080]
In the present invention, examples of compounds that can be preferably used as the fluorescent substance to be contained as dovant include the following.
[0081]
Embedded image
Figure 0003773423
[0082]
Embedded image
Figure 0003773423
[0083]
When two organic light emitting layers are provided, it is preferable that each organic light emitting layer includes two or more kinds of these fluorescent substances, and the two or more kinds of fluorescent substances have different emission wavelengths.
[0084]
In the present invention, the content of the dopant in the organic light emitting layer is preferably 0.01 to 20% by weight, and more preferably 0.1 to 15% by weight.
[0085]
In the present invention, the thickness of the organic light emitting layer is not particularly limited, and the preferred thickness varies depending on the forming method, but is usually 5 to 500 nm, more preferably 10 to 300 nm.
[0086]
In the present invention, when forming two or more organic light emitting layers, the thickness of each organic light emitting layer is in a range from the thickness corresponding to one molecular layer to less than the total thickness of the organic light emitting layer. Specifically, it is 1 to 85 nm, preferably 5 to 60 nm, and more preferably 5 to 50 nm.
[0087]
In the present invention, the organic light emitting layer is preferably formed by vapor deposition.
[0088]
In the present invention, the conditions for forming the organic light emitting layer by vapor deposition are not particularly limited, but are 1 × 10 5.-FourIt is preferable that the steaming speed is about 0.01 to 1 nm / second below Pascal.
[0089]
In the present invention, preferably, the organic light emitting layer contains a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound.
[0090]
When the organic light emitting layer contains a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound, a carrier hopping conduction path is formed, so that each carrier moves in a polar dominant substance. Therefore, carrier injection with the opposite polarity is less likely to occur, and therefore, the compound contained in the organic light emitting layer is prevented from being damaged, so that there is an advantage that the lifetime of the device can be improved.
[0091]
Furthermore, by including a dopant made of a fluorescent material in an organic light emitting layer containing a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound, the emission wavelength characteristic of the organic light emitting layer itself can be changed, It is possible to shift the emission wavelength to the longer wavelength side, improve the emission intensity, and further improve the stability of the organic EL element.
[0092]
When the organic light emitting layer contains a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound, the mixing ratio of the hole transporting compound and the electron injecting and transporting compound depends on each carrier mobility and carrier concentration. Generally, the mass ratio is 1/99 to 99/1, preferably 10/90 to 90/10, more preferably 20/80 to 80/20, most preferably 40 / 60-60 / 40 is selected.
[0093]
In the case of forming an organic light emitting layer containing a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound, the hole transporting compound and the electron injecting and transporting compound are placed in different evaporation sources, evaporated, and co-evaporated. Although it is preferable to write, when the vapor pressures of the hole transporting compound and the electron injection / transporting compound are approximately the same or very close to each other, they can be mixed in advance in the same vapor deposition source and steamed.
[0094]
When forming an organic light emitting layer containing a mixture of a hole transporting compound and an electron injecting and transporting compound, the hole transporting compound and the electron injecting and transporting compound must be uniformly mixed in the organic light emitting layer. Although preferred, it is not always necessary to mix uniformly.
[0095]
In the present invention, the organic layer is preferably a hole transport layer having a function of stably transporting holes in addition to at least one organic light emitting layer, and an electron having a function of stably transporting electrons. It has a transport layer. By providing these layers, it is possible to increase the number of holes and electrons injected into the organic light emitting layer and confine them in the organic light emitting layer, optimize the recombination region, and improve the light emission efficiency. .
[0096]
In the present invention, compounds that can be preferably used in the hole transport layer include, for example, tetraarylbenzidine compounds (triaryldiamine or triphenyldiamine: TPD), aromatic tertiary amines, hydrazone derivatives, carbazole derivatives. , Triazole derivatives ”, imidazole derivatives, oxadiazole derivatives having amino groups, polythiophene, and the like. Of these, tetraarylbendicine compounds (triaryldiamine or triphenyldiamine: TPD) and triarylamine multimers (ATP) described in WO / 98/30071 can be used particularly preferably. .
[0097]
Preferred specific examples of the triarylamine multimer (ATP) are as follows.
[0098]
Embedded image
Figure 0003773423
[0099]
Embedded image
Figure 0003773423
[0100]
Embedded image
Figure 0003773423
[0101]
In the present invention, further, JP-A-63-295695, JP-A-2-191694, JP-A-3-792, JP-A-5-234681, JP-A-5-239455, Various organic compounds described in JP-A-5-299174, JP-A-7-126225, JP-A-7-126226, JP-A-8-100172, EPO650955Al, and the like are also used for hole injection transport layers. It can be used for a hole injection layer and a hole transport layer.
[0102]
In the present invention, two or more of these compounds may be used in combination, and when two or more of these compounds are used in combination, they may be mixed in one layer or laminated as two or more layers. May be.
[0103]
In the present invention, the hole transport layer can be formed by evaporating the compound. In the case of forming an element by vapor deposition, a uniform thin film of about 1 to 10 nm without pinholes can be formed. Therefore, a compound that has a small ionization potential and absorbs light of visible wavelength is used in the hole injection layer. Even if it is used, it is possible to prevent a decrease in light emission efficiency due to a change in color tone or reabsorption of the light emission color.
[0104]
In the present invention, examples of compounds that can be preferably used in the electron transport layer include, for example, organometallic complexes such as tris (8-quinolinolato) aluminum (Alq3) or derivatives thereof having a ligand of quinolinol or a derivative thereof. A diazole derivative, a perylene derivative, a pyridine derivative, a pyrimidine derivative, a quinoxaline derivative, and the like can be given.
[0105]
In the present invention, the electron transport layer can be formed by evaporating the compound.
[0106]
In the present invention, the conditions for forming the organic light-emitting layer, the hole injection transport layer or the hole injection layer and the hole transport layer, and the electron injection transport layer or the electron injection layer and the electron transport layer by vapor deposition are particularly limited. 1x10, though not-FourThe deposition rate is preferably about 0.01 to 1 nm / second below Pascal. Each layer is 1x10-FourIt is preferably formed continuously under reduced pressure below Pascal. 1 × 10-FourBy forming each layer continuously under reduced pressure below Pascal, it is possible to prevent impurities from being adsorbed on the interface of each layer, so that it becomes possible to obtain a high-performance organic EL element. The drive voltage of the organic EL element can be reduced, and the generation and growth of dark spots can be suppressed.
[0107]
In the present invention, when two or more kinds of compounds are contained in the organic light emitting layer, the hole transport layer, and the electron transport layer, the temperature of each boat containing the compounds is individually controlled, and organic light emission is performed by co-evaporation. It is preferable to form a layer, a hole transport layer, an electron injection transport layer, an electron injection layer, or an electron transport layer.
[0108]
Furthermore, the organic EL device of the present invention preferably has a high-resistance inorganic hole injection transport layer between the light emitting layer and the hole injection electrode which is the other electrode.
[0109]
Thus, by arranging a high-resistance inorganic hole injection transport layer that has a hole conduction path and can block electrons between the organic layer and the hole injection electrode, holes can be efficiently injected into the light emitting layer. Further, the luminous efficiency is improved and the driving voltage is also lowered. By using such a high resistance inorganic hole injecting and transporting layer, the thickness of the entire organic EL element can be reduced, and in combination with the thinning of the color filter layer, an extremely thin film element can be formed. Obtainable.
[0110]
Preferably, silicon, germanium or other metal or metalloid oxide is used as the main component of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer, and the work function is 4.5 eV or more, preferably 4.5 to 6 eV. Or an organic layer on the side of the light emitting layer from the hole injection electrode by forming a conductive path by containing at least one of metalloid and / or oxides, carbides, nitrides, silicides and borides thereof. Holes can be injected efficiently. In addition, movement of electrons from the organic layer to the hole injection electrode can be suppressed, and recombination of holes and electrons in the light emitting layer can be performed efficiently. Moreover, it can be set as the organic EL element which combined the merit which an inorganic material has, and the merit which an organic material has. The organic EL device of the present invention has a brightness equal to or higher than that of a conventional device having an organic hole injection layer, and has a higher heat resistance and weather resistance. There are few spots. Further, not only a relatively expensive organic substance but also an inorganic material that is inexpensive, easily available, and easy to manufacture can be used to reduce manufacturing costs.
[0111]
The resistivity of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer is preferably 1 to 1 × 1011Ω · cm, especially 1 × 10Three~ 1x108Ω · cm. By setting the resistivity of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer within the above range, the hole injecting efficiency can be remarkably improved while maintaining a high electron blocking property. The resistivity of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer can also be determined from the sheet resistance and film thickness. In this case, the sheet resistance can be measured by a four-terminal method or the like.
[0112]
The main component material is silicon, germanium oxide, preferably
(Si1-xGex) OyIn
0 ≦ x ≦ 1,
1.7 ≦ y ≦ 2.2, preferably 1.7 ≦ y ≦ 1.99
It is. The main component of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer may be silicon oxide or germanium oxide, or a mixed thin film thereof. Even if y is larger or smaller than this, the hole injection function tends to be lowered. The composition may be examined by, for example, Rutherford backscattering, chemical analysis or the like.
[0113]
The high resistance inorganic hole injecting and transporting layer preferably further contains oxides, carbides, nitrides, silicides and borides of metals (including metalloids) having a work function of 4.5 eV or more in addition to the main component. . Metals having a work function of 4.5 eV or more, preferably 4.5 to 6 eV, are preferably Au, Cu, Fe, Ni, Ru, Sn, Cr, Ir, Nb, Pt, W, Mo, Ta, Pd and Co. Any one type or two or more types. These are generally present as metals or in the form of oxides. These carbides, nitrides, silicides, and borides may also be used. The mixing ratio in the case of mixing and using these is arbitrary. These contents are preferably 0.2 to 40 mol%, more preferably 1 to 20 mol%. When the content is less than this, the hole injection function is lowered, and when the content is more than this, the electronic block function is lowered. When using 2 or more types together, it is preferable to make total content into said range.
[0114]
The oxides, carbides, nitrides, silicides and borides of the above metals or metals (including metalloids) are usually dispersed in a high resistance inorganic hole injecting and transporting layer. The particle size of the dispersed particles is usually about 1 to 5 nm. It is considered that a hopping path for transporting holes through the high-resistance main component is formed between the dispersed particles as the conductors.
[0115]
In addition, the high-resistance inorganic hole injecting and transporting layer may contain, as impurities, H, Ne, Ar, Kr, Xe, etc. used for sputtering gas in total of 5 at% or less.
[0116]
In addition, if it is such a composition as an average value of the whole high resistance inorganic hole injection transport layer, it may not be uniform and it may be a structure having a concentration gradient in the film thickness direction.
[0117]
The high resistance inorganic hole injecting and transporting layer is usually in an amorphous state.
[0118]
The film thickness of the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer is preferably 0.3 to 100 nm, more preferably 1 to 100 nm, and particularly preferably about 5 to 30 nm. Even if the high-resistance inorganic hole injecting and transporting layer is thinner or thicker than this, the function as the hole injecting layer cannot be sufficiently exhibited.
[0119]
As a method for producing the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer, various physical or chemical thin film forming methods such as a sputtering method and a vapor deposition method can be considered, and a sputtering method is preferable. Of these, multi-source sputtering in which the main component and a target such as a metal or metal oxide are separately sputtered is preferable. By using multi-source sputtering, a sputtering method suitable for each target can be used. In the case of single sputtering, the composition may be adjusted by arranging small pieces of the metal or metal oxide on the main component target and appropriately adjusting the area ratio of the two.
[0120]
When the high resistance inorganic hole injecting and transporting layer is formed by sputtering, the sputtering gas pressure during sputtering is preferably in the range of 0.1 to 1 Pa. As the sputtering gas, an inert gas used in a normal sputtering apparatus, such as Ar, Ne, Xe, or Kr, can be used. If necessary, N2May be used. The atmosphere during sputtering is O in addition to the above sputtering gas.2Reactive sputtering may be performed by mixing about 1 to 99%.
[0121]
As the sputtering method, a high frequency sputtering method using an RF power source, a DC sputtering method, or the like can be used. The power of the sputtering apparatus is preferably 0.1 to 10 W / cm by RF sputtering.2The film forming rate is preferably 0.5 to 10 nm / min, particularly preferably 1 to 5 nm / min.
[0122]
The substrate temperature during film formation is about room temperature (25 ° C.) to about 150 ° C.
[0123]
The organic EL device of the present invention has a high-resistance inorganic hole injecting and transporting layer, thereby improving heat resistance and weather resistance and extending the lifetime of the device. Further, since an inorganic material that is inexpensive and easily available is used instead of a relatively expensive organic substance, manufacturing is facilitated, and manufacturing cost can be reduced. Furthermore, the connectivity with the electrode, which is an inorganic material that has been problematic in the past, is also improved. For this reason, generation | occurrence | production of leak current and generation | occurrence | production of a dark spot can be suppressed.
[0124]
In the present invention, examples of the substrate for forming the organic EL structure include amorphous substrates such as glass and quartz, crystal substrates such as Si, GaAs, ZnSe, ZnS, GaP, and InP, and these crystal substrates. A substrate on which a crystalline, amorphous or metal buffer layer is formed can also be used. As the metal substrate, Mo, Al, Pt, Ir, Au, Pd, or the like can be used. Further, a resin material such as plastic or a flexible material can be used. The substrate material is preferably a glass substrate or a resin material. When the substrate is on the light extraction side, the substrate preferably has the same light transmittance as that of the electrode.
[0125]
As the glass material, alkali glass is preferable from the viewpoint of cost, but glass materials such as soda lime glass, lead alkali glass, borosilicate glass, aluminosilicate glass, and silica glass are also preferable. In particular, a glass material that is soda glass and has no surface treatment can be used at low cost.
[0126]
Further, in order to prevent oxidation of the organic layer and the electrode of the element, it is preferable to seal the element with a sealing plate or the like. In order to prevent moisture from entering, the sealing plate uses an adhesive resin layer to adhere and seal the sealing plate. Sealing gas is Ar, He, N2An inert gas such as is preferable. The moisture content of the sealing gas is preferably 100 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, and particularly preferably 1 ppm or less. There is no particular lower limit to the moisture content, but it is usually about 0.1 ppm.
[0127]
As the material of the sealing plate, a material different from that of the substrate can be used, but preferably the same as the substrate material or the one having the same thermal expansion coefficient and mechanical strength.
[0128]
The sealing plate may be held at a desired height by adjusting the height using a spacer. Examples of the material for the spacer include resin beads, silica beads, glass beads, glass fibers, and the like, and glass beads are particularly preferable. In addition, when a recessed part is formed in the sealing plate, the spacer may or may not be used.
[0129]
The spacer may be mixed in the sealing adhesive in advance or may be mixed during bonding. The content of the spacer in the sealing adhesive is preferably 0.01 to 30% by mass, more preferably 0.1 to 5% by mass.
[0130]
The adhesive is not particularly limited as long as stable adhesive strength can be maintained and airtightness is good, but it is preferable to use a cationic curing type ultraviolet curing epoxy resin adhesive.
[0131]
The emission color may be controlled by using a color filter film, a color conversion film containing a fluorescent substance, or a dielectric reflection film on the substrate.
[0132]
For the color filter film, a color filter used in a liquid crystal display or the like may be used. However, by adjusting the characteristics of the color filter according to the light emitted from the organic EL element and optimizing the extraction efficiency and color purity, Good.
[0133]
In addition, if a color filter that can cut off short-wavelength external light that is absorbed by the EL element material or the fluorescence conversion layer is used, the light resistance and display contrast of the element can be improved.
[0134]
Further, an optical thin film such as a dielectric multilayer film may be used instead of the color filter.
[0135]
The fluorescence conversion filter film absorbs EL emission light and emits light from the phosphor in the fluorescence conversion film, thereby converting the color of the emitted light. The composition includes a binder, a fluorescent material, It is formed from three light absorbing materials.
[0136]
Basically, a fluorescent material having a high fluorescence quantum yield may be used, and it is desirable that the fluorescent material has strong absorption in the EL emission wavelength region. In practice, laser dyes are suitable. Rhodamine compounds, perylene compounds, cyanine compounds, phthalocyanine compounds (including subphthalocyanines, etc.) naphthalimide compounds, condensed ring hydrocarbon compounds, condensed heterocyclic compounds -A styryl compound, a coumarin compound, etc. may be used.
[0137]
As the binder, a material that basically does not quench fluorescence may be selected, and a binder that can be finely patterned by photolithography, printing, or the like is preferable. Moreover, when it forms in the state which contact | connects a hole injection electrode on a board | substrate, the material which does not receive a damage at the time of film-forming of a hole injection electrode (ITO, IZO, etc.) is preferable.
[0138]
The light absorbing material is used when light absorption of the fluorescent material is insufficient, but may not be used when unnecessary. As the light absorbing material, a material that does not quench the fluorescence of the fluorescent material may be selected.
[0139]
The organic EL element is DC-driven or pulse-driven, and can be AC-driven. The applied voltage is usually about 2 to 30V.
[0140]
【Example】
[Example 1]
(TPD / Alq / MoOThree : Li / Al structure)
As shown in FIG. 2, an ITO transparent conductive film 100 nm as the hole injection electrode 2 was formed on the glass substrate 1. The substrate 1 was subjected to ultrasonic cleaning for 10 minutes and then rinsed with pure water. Thereafter, baking was performed at 110 ° C. for 8 hours or more in an open state. UV / O on this ITO substrateThree After cleaning, it is introduced into a vacuum apparatus and the inside of the tank is 1 × 10-Four The pressure was reduced to Pa or lower.
[0141]
The hole injection organic layer 4 is N, N′-diphenyl-N, N′-bis (3-methylphenyl) -1,1′-diphenyl-4,4′-diamine (TPD) 20 nm, and the light-emitting layer 5 is tris. (8-Quinolinato) Aluminum 100 nm was sequentially formed by resistance heating vapor deposition.
[0142]
Next, as the inorganic oxide electron injection layer 7, MoOThree And Li were formed to 5 nm by co-evaporation by the resistance heating method. At this time, MoOThree And Li were deposited at a volume ratio of 1: 1 at a film formation rate of 0.1 nm / sec. An Al-20 atm% Li alloy was used as the Li deposition source, and the power was controlled so that only Li was evaporated.
[0143]
Thereafter, an electron injecting electrode 8 of aluminum was formed to 150 nm by a resistance heating method, and a protective film 9 of SiN was finally formed to 200 nm to obtain an organic EL element.
[0144]
In addition, in order to check the stability of the film formation, in the electron injection layer formation, film formation corresponding to 100 film thicknesses was performed in terms of the number of film formations during device fabrication. No alteration was observed, and degassing during film formation did not occur and stable film formation was possible.
[0145]
The X-ray diffraction result of the deposited electron injection layer is shown in FIG. As can be seen from the figure, no crystals are observed in the film, and the film is in an amorphous state.
[0146]
The electrical characteristics of the organic EL device fabricated in this way were measured, and the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 5.7V and brightness is 320cd / m2 Met.
[0147]
[Example 2]
As the inorganic electron injection layer, an optimal composition of molybdenum oxide: lithium was determined.
Organic EL as in Example 1 except that the composition of molybdenum oxide: lithium was changed to 10: 0, 10: 1, 5: 1, 1: 1, 1: 3, 1: 6, 1:25 by volume ratio. An element was produced.
[0148]
The driving voltage characteristics of the sample thus obtained were measured. The results are shown in FIG.
[0149]
From FIG. 4, it can be seen that the drive voltage greatly deteriorates where lithium is not included. On the other hand, when the lithium concentration was too high and exceeded 70% by volume, device leakage was observed and the yield was extremely deteriorated.
[0150]
From the above results, it can be seen that the effect of lowering the driving voltage is observed when even a very small amount of lithium enters molybdenum oxide, and the optimal concentration range of molypden oxide: lithium is from 1% by volume to 70% by volume. Moreover, it turns out that 0.1-16 mass% of content of a 2nd component is preferable with respect to the sum total of the metal component of a 1st component and a 2nd component.
[0151]
Example 3
As the inorganic electron injection layer, an optimum composition of molypden oxide: lithium oxide was determined. Molybdenum oxide: Lithium oxide flows oxygen at the time of vapor deposition, and the degree of vacuum is 1 × 10.-2 It was formed by adjusting to Pa and oxidizing lithium during film formation. Except that the composition of molybdenum oxide: lithium oxide was changed to 10: 0, 10: 1, 5: 1, 1: 1, 1: 3, 1: 6, 1:25 by volume ratio, the same as in Example 1. Thus, an organic EL element was produced.
[0152]
The driving voltage characteristics of the sample thus obtained were measured. The results are shown in FIG.
[0153]
As is clear from FIG. 5, as in Example 3, the drive voltage is greatly deteriorated where lithium oxide is not included. Moreover, when there was too much lithium oxide density | concentration, since the inorganic electron injection layer insulated, the drive voltage rose. Accordingly, a lithium concentration of 70% by volume or less is preferable in order to suppress an increase in driving voltage.
[0154]
In forming the electron injection layer, MoOThree Li and Li are not co-evaporated, Li2MoOFour An organic EL device was produced in the same manner as described above except that the composite oxide was used and formed with a single vapor deposition boat. When the obtained samples were evaluated in the same manner as described above, almost the same results were obtained.
[0155]
Example 4
(ITO / TPD / Alq / MoOThree: Na / Al structure)
As an inorganic electron injection layer, MoOThree An organic EL device was produced in the same manner as in Example 1 except that 5 nm and Na were formed by co-evaporation.
[0156]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 5.9V, brightness is 300cd / m2 It became.
[0157]
Example 5
(ITO / TPD / Alq / MoOThree : Cs / Al structure]
As an inorganic electron injection layer, MoOThree An organic EL device was produced in the same manner as in Example 1 except that 5 nm of Cs and Cs were formed by co-evaporation.
[0158]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 6.0V, brightness is 290cd / m2 It became.
[0159]
In addition, the organic EL elements of Examples 1, 4, and 5 all have a luminance half-life of 3000 hours (at 100 cd / m 2) by continuous driving.2 Conversion) or more, and had a sufficient life.
[0160]
Example 6
(ITO / GeO2: In20Three/ Distyrylarylene derivative + 3% distyrylaryleneamine derivative / MoOThree: Li / Al structure)
GeO as an inorganic hole injection layer on the hole injection electrode ITO2 : In2OThree (Sputter target composition 85: 15 mol%) 1 nm was formed.
[0161]
Next, 3% by volume of a distyrylaryleneamine derivative represented by the following chemical formula 16 as a dopant material is added to the organic light-emitting layer as a host material and a distyrylarylene derivative represented by the chemical formula 15 below. A 100 nm organic light emitting layer was formed by resistance heating co-evaporation.
[0162]
Embedded image
Figure 0003773423
[0163]
Embedded image
Figure 0003773423
[0164]
Next, in the same manner as in Example 1, the inorganic electron injection layer was formed of MoO.Three An organic EL element was fabricated by forming 5 nm by co-evaporation of Li and Li and forming an aluminum cathode by 150 nm.
[0165]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 12.4V, brightness 350cd / m2 Met.
[0166]
Example 7
In Example 1, when K and Rb were used instead of Li, substantially the same results were obtained.
[0167]
Example 8
In Example 1, after forming the ITO electrode, an ATP having the following structure was formed to a thickness of 100 nm by a resistance heating vapor deposition method to form a hole injection layer.
[0168]
Embedded image
Figure 0003773423
[0169]
Next, similarly, a TPD having the following structure was formed to a thickness of 10 nm to form a hole transport layer.
[0170]
Embedded image
Figure 0003773423
[0171]
Next, as the first light-emitting layer, anthracene derivative: TPD: rubrene having the following structure was co-evaporated to a thickness of 20 nm so that the volume ratio was 7.5: 2.5: 0.3.
[0172]
Embedded image
Figure 0003773423
[0173]
Next, as the second light-emitting layer, the anthracene derivative and TPD as a host material, and the distyrylaryleneamine derivative represented by Chemical formula 16 of Example 6 as a dopant material, respectively in a volume ratio of 7.5: 2.5 : The film thickness was 40 nm so as to be 0.2.
[0174]
Further, the anthracene derivative was formed to a thickness of 20 nm as the third light-emitting layer.
[0175]
Next, as an electron injecting and transporting layer, an Alq3 film having a thickness of 10 nm was formed, and an inorganic electron injecting layer was formed in the same manner as in Example 1 with MoOThree An organic EL device was manufactured by forming 5 nm by co-evaporation of Li and Li and forming an aluminum cathode by 150 nm.
[0176]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage at 6.7V, brightness 840cd / m2 Met.
[0177]
The device was stored at 85 ° C. for 100 hours, and the emission luminance was measured in the same manner. As a result, the rate of decrease in luminance was 5% or less, and no noticeable deterioration was observed.
[0178]
Example 9
In Example 1, GeO was formed by sputtering after forming the ITO electrode.2 : In2OThree (Sputter target composition 85:15 mol%) was formed into a 1 nm film to form a hole injecting and transporting layer.
[0179]
Next, as the first light-emitting layer, anthracene derivative: TPD: rubrene was co-evaporated to a thickness of 20 nm so that the volume ratio was 7.5: 2.5: 0.3.
[0180]
Next, as the second light-emitting layer, an anthracene derivative and TPD are used as a host material, and a distyrylaryleneamine derivative represented by Chemical formula 16 of Example 6 is used as a dopant material in a volume ratio of 7.5: 2.5: The film thickness was 40 nm so as to be 0.2.
[0181]
Further, the anthracene derivative was formed to a thickness of 20 nm as the third light-emitting layer.
[0182]
Next, as an electron injecting and transporting layer, an Alq3 film having a thickness of 10 nm was formed, and an inorganic electron injecting layer was formed in the same manner as in Example 1 with MoOThree An organic EL device was manufactured by forming 5 nm by co-evaporation of Li and Li and forming an aluminum cathode by 150 nm.
[0183]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 4.3V, brightness is 900cd / m2 Met.
[0184]
The device was stored at 85 ° C. for 100 hours, and the emission luminance was measured in the same manner. As a result, the rate of change in luminance was 10% or less, and no noticeable deterioration was observed.
[0185]
[Comparative Example 1]
(ITO / TPD / Alq / Al structure)
An organic EL device was produced in the same manner as in Example 1 except that the inorganic electron injection layer was not formed.
[0186]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 12, the current density was 10 mA / cm.2 The voltage at 8.7v, the brightness 210cd / m2 Met. This is probably because the inorganic electron injection layer was not formed, so that the drive voltage increased and the luminance decreased.
[0187]
[Comparative Example 2]
(ITO / TPD / Alq / Mg / Al structure)
An organic EL device was produced in the same manner as in Example 1 except that 5 nm of Mg was formed as the inorganic electron injection layer.
[0188]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 7.6V, brightness is 300cd / m2 As a result, the drive voltage increased. Also, the luminance half life in continuous driving is at most 150 hours (at 100 cd / m 2).2 )
[0189]
This is probably because the adhesion between the metal and the organic layer is poor, so that the inorganic electron injecting layer is peeled off by heat during driving, and the life is deteriorated. Therefore, it can be seen that the inclusion of a low work function metal in the metal oxide is extremely effective in increasing the adhesion of the film.
[0190]
[Comparative Example 3]
(ITO / GeO2 : In2OThree / IDE120 + 3% IDE102 / MoOThree : Mg (1: 1) / Al)
An organic EL device was formed in the same manner as in Example 6 except that MoO3 and Mg (work function 3.7 eV) were co-deposited by a resistance heating method (volume ratio 1: 1) as an electron injection layer and formed to a thickness of 5 nm. Was made.
[0191]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 The voltage at 13.7V, luminance 11cd / m2 It became.
[0192]
Compared with Example 5, since the luminance is low and the drive voltage is high, MoOThree It can be seen that the low work function metal added to is preferably 3 eV or less.
[0193]
[Comparative Example 4]
Sputtered inorganic electron injection layer
(ITO / GeO2 : In20Three / IDE120 + 3% IDE102 / Li2O: RuO2 / Al structure)
[0194]
Li as an electron injection layer2O: RuO2 An organic EL device was produced in the same manner as in Example 6 except that 1 nm was formed by sputtering under the following conditions using a (30:70 mol%) target.
Sputtering conditions:
Pressure: 0.15Pa
Input power: 0.76 W / cm2
Sputtering gas: Kr 8cc / min
Distance between substrates: 90mm
[0195]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage at 15.7 V, luminance 10 cd / m2 Met.
[0196]
Compared with Example 6, the luminance was lowered and the driving voltage was also increased due to sputtering damage.
[0197]
[Comparative Example 5]
Example 9 Electron Injection Layer Contrast Structure
As an inorganic electron injection layer, MoThree An organic EL device was produced in the same manner as in Example 9 except that instead of Li, pasophenanthroline (BPhen) having the following structure was formed to 20 nm by co-evaporation with Li.
[0198]
Embedded image
Figure 0003773423
[0199]
When the obtained device was evaluated in the same manner as in Example 1, the current density was 10 mA / cm.2 Voltage is 4.3V, brightness is 1000cd / m2 It became.
[0200]
The device was stored at 85 ° C. for 100 hours, and then the luminance was measured in the same manner. As a result, the luminance reduction rate was 50% or more. This is probably because BPhen, which is an organic substance, coordinated with an alkali metal and crystallized. Therefore, it was found that an inorganic substance having high thermal stability is preferable for co-evaporation with an alkali metal.
[0201]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the adhesion between the electron injection electrode and the organic layer is improved, and as a result, the device lifetime is improved. In addition, the drive voltage can be lowered and the light emission efficiency can be improved simultaneously with the improvement of the adhesion. In addition, it can be manufactured by a simple method and a material system that is easy to handle, the process is simple, and the manufacturing cost can be reduced. Since highly efficient organic EL can be easily manufactured by this invention, the application to various display devices becomes easy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing a basic configuration of an organic EL element of the present invention.
2 is a schematic cross-sectional view showing the basic configuration of an organic EL element of Example 1. FIG.
3 is a graph showing the result of X-ray diffraction of the electron injection electrode formed in Example 1. FIG.
4 is a graph showing measurement results of Li concentration / driving voltage characteristics in Example 2. FIG.
5 is a graph showing measurement results of Li concentration / driving voltage characteristics of Example 3. FIG.
[Explanation of symbols]
1 Substrate
2 Hole injection electrode
3 High resistance inorganic hole injection layer
4 Hole injection layer
5 Light emitting layer
5a First light emitting layer
5b Second light emitting layer
6 Electron injection layer
7 Inorganic oxide electron injection layer
8 Electron injection electrode

Claims (2)

正孔注入電極と、電子注入電極と、これらの電極間に1種以上の有機層とを有し、少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有し、
この発光機能を有する有機層と電子注入電極の間には、無機酸化物電子注入層を有し、
この無機酸化物電子注入層は、第1成分として酸化モリブデンを含有し、第2成分としてCsおよびLiから選択された金属又はこの金属酸化物を1種類以上含有し、アモルファス状態となっている有機EL素子。
A hole injection electrode, an electron injection electrode, and one or more organic layers between these electrodes, and at least one of the organic layers has a light emitting function;
Between the organic layer having the light emitting function and the electron injection electrode, there is an inorganic oxide electron injection layer,
This inorganic oxide electron injecting layer contains molybdenum oxide as a first component, and contains a metal selected from Cs and Li as a second component or one or more of these metal oxides, and is in an amorphous state. EL element.
前記無機酸化物電子注入層に含有される第2成分の含有量は1〜70体積%である請求項1に記載の有機EL素子。2. The organic EL device according to claim 1 , wherein the content of the second component contained in the inorganic oxide electron injection layer is 1 to 70% by volume.
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