JP3773300B2 - 栽培用土 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の栽培用土(以下、培土と省略して記載する場合がある。)に関し、更に詳しくは、グリオクラディウム属に属する真菌(以下、グリオクラディウム属菌と省略して記載する場合がある。)の培養物と殺菌された栽培用土から形成される栽培用土に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、栽培植物の土壌病害防除のため、化学合成殺菌剤が広く使用されている。しかし、化学合成殺菌剤は、栽培植物への残留による食品安全性や土壌汚染、地下水汚染などの環境汚染につながる可能性が社会的関心となっている。こうしたなかで、化学合成殺菌剤に代わるものとして微生物の役割が注目されている。グリオクラディウム属に属する真菌は、土壌病害を引き起こす有害微生物と拮抗作用を有することから、土壌病害の防除に使用されている。
【0003】
しかしながら、グリオクラディウム属に属する真菌を土壌病害の防除に効果的に使用するためには、使用時まで菌体を安定的に保存する技術が必須である。このため、菌体をアルギン酸ゲルで固定化してペレットとする方法(米国特許第4724147号公報)や、更にはゲル中に小麦のフスマを加えて固定化してペレットとする方法(米国特許第4668512号公報)が開発されている。
【0004】
これらの方法は、菌体を乾燥ペレットとして保存するには有効な手段であるが、水分の高い状態では保存性が悪い。また、これらの方法を植物の栽培に使用する際には、栽培用土と混合する必要があるが、混合当初には菌体がペレット中に偏在するため、植物の根に定着する菌は徐々にしか増加せず、その間に当該植物が雑菌により害される恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、水分を含有する状態下においても、菌体の保存性が良好であり、かつ植物の根への菌体の定着率の高い栽培用土を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、殺菌した栽培用土原料に、グリオクラディウム属に属する真菌を接種することにより、該真菌の保存性が向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成させたものである。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)グリオクラディウム属に属する真菌の培養物と殺菌された栽培用土原料から形成され、かつ水分含量が50重量%以下であることを特徴とする栽培用土。
(2)グリオクラディウム属に属する真菌の培養物とその担体および殺菌された栽培用土原料とから形成され、かつ水分含量が50重量%以下であることを特徴とする栽培用土。
(3)栽培用土中のグリオクラディウム属に属する真菌の濃度が、栽培用土1g当たりコロニー形成単位として1×104 〜1×1010CFUである前記(1)または(2)記載の栽培用土。
(4)グリオクラディウム属に属する真菌が、グリオクラディウム ビレンス、グリオクラディウム ロゼウム、グリオクラディウム オウレウムの群から選ばれる1種または2種以上の真菌である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の栽培用土。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の栽培用土は、グリオクラディウム属に属する真菌の培養物と殺菌された栽培用土から形成されるが、本発明で用いられるグリオクラディウム属に属する真菌は特に限定されず、例えば、グリオクラディウム オウレウム(Gliocladium aureum) 、グリオクラディウム カテニュレータム(Gliocladium catenulatum)、グリオクラディウム デリクエッセンス(Gliocladium deliquescens)、グリオクラディウム ニグラム(Gliocladium nigrum)、グリオクラディウム ペニシロイデス(Gliocladium penicilloides)、グリオクラディウム ロゼウム(Gliocladium roseum)、グリオクラディウム サガリエンシス(Gliocladium sagariensis)、グリオクラディウム ベルモエセニ(Gliocladium vermoeseni)、グリオクラディウム ビレンス(Gliocladium virens)等を挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。また、これらグリオクラディウム属に属する真菌のうちでも本発明においては、グリオクラディウム ビレンス、グリオクラディウム ロゼウム、グリオクラディウム オウレウムが土壌病害防除の点から好ましい。
【0009】
上記グリオクラディウム属に属する真菌を本発明に用いるに際しては、菌体をグリオクラディウム属に属する真菌の菌体が増殖可能な培地で培養した培養物を用いればよく、更に、培養により胞子が十分に形成されたグリオクラディウム属に属する真菌を含有する培養物を用いることがより好ましい。
グリオクラディウム属に属する真菌の培養は、通常の微生物の培養方法と同様にして行うことが可能である。例えば、実験室的には、ポテトデキストロース寒天培地で10日間、25℃で培養する等の培養法が挙げられる。大量培養する場合には、通常の液体培養でも、また、フスマ等の植物由来の固体成分、糖や窒素源を含浸させた多孔質体等を用いた固体培養のいずれも可能である。得られたグリオクラディウム属に属する真菌の培養物は、そのまま、あるいは、必要に応じて、培養物を粉砕または細断してから、または培養物から遠心分離等によって菌体を分離してから、あるいは培養物や菌体を乾燥してから本発明に用いることも可能である。
【0010】
本発明の栽培用土は、上記グリオクラディウム属菌の培養物を殺菌された栽培用土原料に配合することによって得られるが、この栽培用土を植物の栽培に使用した場合には、植物の根に対するグリオクラディウム属に属する真菌の定着性が向上し、植物の土壌病害防除効果や生育促進効果が引き出されることになる。
本発明に用いられる栽培用土原料は、グリオクラディウム属菌の培養物の配合により栽培用土が形成されるものであれば特に制限はない。具体的には、例えば、鹿沼土、黒ボク土、赤玉土、焼成赤玉土、バーミキュライト、パーライト、ゼオライト等の無機質、または、腐葉土、ピートモス、木炭、パルプ、藁、バガス等の有機物あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0011】
本発明に用いる栽培用土原料は、グリオクラディウム属菌の培養物と接触させる前に、殺菌をする必要がある。殺菌法は特に制限はなく、例えば、蒸気殺菌、乾燥殺菌、放射線殺菌、化学薬品による殺菌等を用いることができる。
蒸気殺菌の場合、一般には、120℃以上、15分間で完全殺菌できるが、腐葉土や黒ボク土等、腐食酸を多く含む培土の場合、60℃から95℃による殺菌が好適である。更に高い温度で殺菌すると、腐食酸が不溶性あるいは植物に吸収されにくい形態になる可能性があり、それによってグリオクラディウム属に属する真菌の配合効果である植物の育成向上効果が阻害される恐れがあるため、好ましくない。
【0012】
乾燥殺菌の場合、培土を110℃以上で3時間以上乾燥させれば十分である。また、放射線殺菌の線源としては、コバルト60等によるガンマ線の照射が有効である。化学薬品による殺菌の場合、化学薬品として、メチルブロマイド、クロルピクリン、エチレンオキサイド等が使用できる。
本発明の栽培用土は、上記グリオクラディウム属菌の培養物と殺菌された栽培用土原料との配合により形成されるが、グリオクラディウム属菌の配合量は、配合による効果が発現する濃度以上であればよい。本発明においては、栽培用土1g当たりグリオクラディウム属に属する真菌のコロニー形成単位として1×104 〜1×1010CFUの範囲から選ばれることが好ましく、特に1×105 〜1×109 CFUの範囲から選ばれることが好ましい。それは、1×104 CFU未満では、植物の根に定着するグリオクラディウム属菌の濃度が低いために、植物の生長に対するグリオクラディウム属菌の効果が発現しない可能性があり、1×1010CFUを越える濃度を採用しても、それ以下の濃度の場合より優れた効果が発現されない可能性が高いからである。
【0013】
本発明の栽培用土は、グリオクラディウム属に属する真菌の培養物と殺菌された栽培用土原料との配合により形成されるが、その際に、グリオクラディウム属に属する真菌の培養物を担体に担持させた担持物(以下、グリオクラディウム属菌担持物という。)を殺菌された栽培用土原料に配合して、栽培用土を形成させることも可能である。
【0014】
上記担体としては、有機質及び無機質のいずれのものでも使用でき、有機質及び無機質の両方を含むものでもよい。具体的には、例えば、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ゼオライト、赤玉土、鹿沼土、黒ボク土、赤玉土、焼成赤玉土、バーミキュライト、パーライト、化石貝等の無機物、または、ピートモス、木炭、パルプ、藁、バガス、油かす、魚かす、骨粉、血粉、カニがら等の有機物あるいはそれらの混合物が挙げられる。これらの担体の内では、保水能、保肥能あるいは使用の利便性の観点より、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ピートモス、木炭等の多孔質担体またはこれらの多孔質担体を含んだ担体が好ましい。
【0015】
本発明の栽培用土は、水分含有量50重量%以下の場合に、グリオクラディウム属に属する真菌の長期保存ができる。例えば、12カ月間、0〜37℃で保存した場合、保存当初の菌濃度の60%以上の濃度が保持される。
本発明の栽培用土は、特に水分含有量20重量%以上の場合においても、上記の保存率が維持される点に特徴がある。ただし、水分含有量50重量%を越えると、グリオクラディウム属菌の長期保存性の低下するため、水分含有量を50重量%以下とする必要がある。
【0016】
本発明の栽培用土は、グリオクラディウム属に属する真菌の長期保存ができるため、植物の成長のいずれの段階においても円滑投入が可能である。また、栽培用土中にグリオクラディウム属に属する真菌が均一に存在するため、植物の根との接触が密になり、雑菌による害を受ける前に、グリオクラディウム菌が該植物の根に定着される。そして、雑菌に対する拮抗作用が急速に発揮され、植物の成長を阻害する雑菌の進入が阻止され、健やかな成長が確保される。
【0017】
また、本発明の栽培用土を使用することにより、主要な土壌病害である立枯病、萎凋病、白絹病、半身萎凋病、根くびれ病、疫病、菌核病、根腐病等を効果的に防除できる。
【0018】
本発明の栽培用土は、一般的な農園芸用植物に使用できる。具体的には、例えば、アブラナ科、キク科、アカザ科、イネ科、ナス科、ユリ科、セリ科、バラ科、サクラソウ科、キキョウ科、リンドウ科、ナデシコ科、ゴマノハグサ科、シュウカイドウ科、スミレ科、シソ科、キンポウゲ科、アヤメ科、イソマツ科等の植物に適用可能である。
【0019】
本発明の栽培用土は、植物の成長のいずれの段階においても使用可能である。例えば、発芽床や育苗床の土壌として効果的に使用できる。また、畑の畝の下部に肥料とともに投入し、畑土をかぶせて畝を形成し、苗を植えるといった使用法も、本発明の効果的な利用方法である。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例1
広葉樹の落葉5m3に、高度化成肥料(窒素、リン酸、カリ=10,10,10)40kgを重層し、屋根付の堆肥場にて2年間、放水と切り替えしを行いながら腐葉土を作成した。この腐葉土1容量部に対して、鹿沼土、黒ボク土各1容量部を配合して培土とした。
上記の培土15リットルを容量20リットルの蓋付き金属ペール缶に入れ、クロルピクリンを注入してペール缶を密封し5日間放置した。次いで、該ペール缶から培土を取り出し、新聞紙上5cmの厚さに広げ、その上にさらに新聞紙をかけて4日間ガス抜きを行い、栽培用土原料を製造した。
【0021】
グリオクラディウム属菌の培養物製造用の培地として、グルコース0.2重量%、可溶性デンプン2.0重量%、ペプトン0.4重量%、肉エキス0.4重量%、酵母エキス0.4重量%、炭酸カルシウム0.4重量%を含む培地原料を容量1リットルの三角フラスコに150ミリリットル注入し、直径3mmのガラスビーズを入れて、オートクレーブで120℃、30分間殺菌処理して、グリオクラディウム属菌の培養物製造用の液体培地とした。この培地に、ATCCより入手したグリオクラディウム ビレンス(ATCC 52199)を接種し、26℃で5日間回転振とう培養器で培養した。
【0022】
一方、平均粒径2mmのアタパルジャイト1kgに前記の液体培地400ミリリットルを加え、蓋付きのステンレスバット(40cm×60cm×15cm)に入れ、120℃で15分間殺菌してグリオクラディウム属菌の培養物用担体とした。
一方、前記のように回転振とう培養器で培養した菌体をクリーンベンチ内でブフナーロートを用いて集菌し、前記ステンレスバット中の担体に添加し、スパチュラで混合した。このようにして菌体を添加したステンレスバットを26℃恒温室に入れ、1日に1回上下を混合するようにして、10日間菌体を培養した。次いで、このステンレスバットを通風乾燥機に入れ、水分が10重量%に下がるまで乾燥させた。この乾燥物中のグリオクラディウム属菌の濃度を測定したところ、1.6×108 CFU/g担体であった。
【0023】
上記のようにして作成した栽培用土原料に、前記の担体付き菌体を添加し、噴霧機にて水分量を36重量%に調整した後、アルミニウムでラミネートされた袋に1リットルとなるように入れ、密封して20℃で18カ月保存したが、保存後の菌数に減少は認められなかった。結果を表1に示す。
【0024】
実施例2
栽培用土の保存温度を35℃としたほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度9.3×105 CFU/g培土が保存後には7.6×105 CFU/g培土となり若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0025】
実施例3
栽培用土の保存月数を24カ月としたほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存の前後で菌体濃度の減少は認められなかった。結果を表1に示す。
【0026】
実施例4
メチルブロマイドを用いて栽培用土原料の殺菌を行ったほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度9.5×105 CFU/g培土が保存後には8.2×105 CFU/g培土となり若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0027】
実施例5
実施例1で用いた殺菌前の培土15リットルを容量20リットルの蓋付き金属ペール缶に入れ、該ペール缶をオートクレーブに入れて85℃で8時間殺菌処理をして栽培用土原料を製造したほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度9.1×105 CFU/g培土が保存後には8.1×105 CFU/g培土となり、若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0028】
比較例1
無殺菌の栽培用土原料を使用したほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度9.2×105 CFU/g培土が保存後には4.1×105 CFU/g培土となり、濃度は半分以下に減少した。結果を表1に示す。
【0029】
比較例2
無殺菌の栽培用土原料を使用したほかは、実施例2と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度9.2×105 CFU/g培土が保存後には2.3×105 CFU/g培土となり、菌体濃度の大幅な減少が認められた。結果を表1に示す。
【0030】
実施例6
グリオクラディウム菌として、ATCCより入手したグリオクラディウム ロゼウム(ATCC 46475)を用い、栽培用土の保存温度を25℃としたほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存後の菌体濃度の減少はなかった。結果を表1に示す。
【0031】
実施例7
メチルブロマイドを用いて培土の殺菌を行ったほかは、実施例6と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.4×106 CFU/g培土が保存後には9.3×105 CFU/g培土となり、若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0032】
実施例8
実施例5と同様にして培土の殺菌を行ったほかは、実施例6と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.2×106 CFU/g培土が保存後には9.2×105 CFU/g培土となり、若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0033】
比較例3
無殺菌の栽培用土原料を使用したほかは、実施例6と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.4×106 CFU/g培土が保存後には5.3×105 CFU/g培土と、大幅に減少した。結果を表1に示す。
【0034】
実施例9
グリオクラディウム菌として、ATCCより入手したグリオクラディウム オウレウム(ATCC 10406)を用い、栽培用土の保存温度を25℃、保存日数を12カ月としたほかは、実施例1と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.2×106 CFU/g培土が保存後には1.0×106 CFU/g培土となり、若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0035】
実施例10
メチルブロマイドを用いて培土の殺菌を行ったほかは、実施例9と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.1×106 CFU/g培土が保存後には9.8×105 CFU/g培土となり、若干の減少が認められた。結果を表1に示す。
【0036】
実施例11
実施例5と同様にして培土の殺菌を行ったほかは、実施例9と同様の操作を実施したところ、保存による菌体の濃度の減少は認められなかった。結果を表1に示す。
【0037】
比較例4
無殺菌の栽培用土原料を使用したほかは、実施例9と同様の操作を実施したところ、保存開始時の菌体の濃度1.3×106 CFU/g培土が保存後には7.4×105 CFU/g培土となり、大幅な減少が認められた。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003773300
【0039】
この結果から、本発明の栽培用土は、12カ月以上の長期保存の後にも、グリオクラディウム属に属する真菌の濃度は、僅かに減少するか、あるいは全く減少が認められない程度の良好な性能を示すことが確認された。
【0040】
実施例12
炭酸カルシウムでpHを6.1に調整したピートモス7容量部、パーライト2.5容量部、バーミキュライト0.5容量部を配合して培土とした。この培土15リットルを容量20リットルの蓋付き金属ペール缶に入れ、オートクレーブににて80℃、12時間殺菌し栽培用土原料とした。この殺菌された栽培用土原料に実施例1で使用した、グリオクラディウム属菌の担体付き菌体を添加し、噴霧器にて水分量を28重量%に調整して栽培用土とした。この栽培用土をアルミニウムでラミネートされた袋に1リットルとなるように入れ、密封して20℃で18カ月保存したところ、保存開始時の菌濃度9.5×105 CFU/g栽培用土が18カ月保存後には8.4×105 CFU/g栽培用土となり、保存後の菌数は若干減少した程度であった。
【0041】
比較例5
栽培用土原料にグリオクラディウム属菌の担体付き菌体を添加した後、噴霧器にて水分量を55重量%に調整して栽培用土とした以外は実施例1と同様の操作を採用して、菌体の保存状態を確認した。本比較例の場合、保存開始時の菌体の濃度5.9×105 CFU/g培土が、18カ月保存後には2.0×102 CFU/g培土と大幅に減少した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の栽培用土は、グリオクラディウム属に属する真菌の保存効果に優れる。また、植物の根への菌体の高い定着率が期待される。

Claims (4)

  1. グリオクラディウム属に属する真菌の培養物と殺菌された栽培用土原料から形成され、かつ水分含量が50重量%以下であることを特徴とする栽培用土。
  2. グリオクラディウム属に属する真菌の培養物とその担体および殺菌された栽培用土原料とから形成され、かつ水分含量が50重量%以下であることを特徴とする栽培用土。
  3. 栽培用土中のグリオクラディウム属に属する真菌の濃度が、栽培用土1g当たりコロニー形成単位として1×104 〜1×1010CFUである請求項1または2記載の栽培用土。
  4. グリオクラディウム属に属する真菌が、グリオクラディウムビレンス、グリオクラディウム ロゼウム、グリオクラディウム オウレウムの群から選ばれる1種または2種以上の真菌である請求項1〜3のいずれかに記載の栽培用土。
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