JP3773253B2 - 新規ビタミンd類似体 - Google Patents
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Description
本発明は、抗炎症作用および免疫調節作用を示し、癌細胞および皮膚細胞を含むある種の細胞の分化の誘導および望ましくない増殖の抑制において強い活性を示す未知の種類の化合物、該化合物を含有する薬剤製剤、該製剤の用量単位、並びにそれらの用途であって、上皮小体機能亢進症(特に、腎不全に伴う続発性の上皮小体機能亢進症)、多数の病態(例えば真性糖尿病、高血圧症、アクネ、脱毛症、皮膚の老化、免疫系の平衡失調)、炎症性疾患(例えばリューマチ様関節炎および喘息)、および異常な細胞分化および/または細胞増殖により特徴付けられる疾病(例えば乾癬および癌)の治療および予防、ステロイド誘導性皮膚萎縮の予防および/または治療、骨形成の促進、並びにオステオポローシスの処置におけるそれらの用途に関する。
本発明の化合物は、式I:
[式中、Xは水素またはヒドロキシであり;R1およびR2はそれぞれ、水素もしくはC1−C4ヒドロカルビルであるか、またはR1およびR2は、基Xを結合している炭素原子と共にC3−C8炭素環を形成し得;Qは一重結合またはC1−C4ヒドロカルビレン基であり;R1、R2および/またはQは、場合により1個またはそれ以上のフッ素原子を置換基として有し得る。]
で示される。
本発明において、ヒドロカルビル基(ヒドロカルビレン基)なる表現は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和炭化水素から1個(2個)の水素原子を除去した基を意味する。
R1およびR2が個別の基である場合、それらの基の例は、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ビニル、n−、イソ−およびシクロプロピル、並びにプロペン−2−イルを包含するが、それらに限定されるものではない。
R1およびR2が共同で基を形成する場合、その例は、エチレン、トリ−、テトラ−およびペンタメチレンを包含する。
Qの例は、一重結合、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジメチル−メチレン、CH=CH、C≡C、CH2CH=CH、およびCH2−C≡Cを包含するが、それらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、複数のジアステレオマーの形態(例えば、C−20、およびR1とR2が異なる場合、星印の炭素原子におけるRまたはS配置;22,23−二重結合におけるEまたはZ配置、および基Q中に二重結合が存在する場合のEまたはZ配置)を包含する。本発明は、純粋な形態のこれらすべてのジアステレオマーおよびその混合物を包含する。更に、1個またはそれ以上のヒドロキシル基が、インビボでヒドロキシル基に再生し得る基としてマスクされている化合物Iのプロドラッグも、本発明の範囲に含まれる。
Xがヒドロキシである化合物Iが好ましいが、Xが水素である化合物Iは実際にはプロドラッグの一種である。このような化合物は、インビトロでは比較的不活性であるが、患者に投与後、酵素的側鎖ヒドロキシル化によって、XがOHである式Iで示される活性化合物に変換される。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(1,25(OH)2D3)が、インターロイキンの作用および/または生成に影響することがわかっているが[ミュラー,ケイ(Muller,K.)ら、イムノロジー・レターズ(Immunol.Lett.)、17、361−366(1988)]、このことは、この化合物を、免疫系の機能障害によって特徴付けられる疾患、例えば自己免疫疾患、エイズ、宿主対移植片反応および移植組織拒絶、またはインターロイキン−1の異常生成によって特徴付けられる他の病態、例えばリューマチ様関節炎のような炎症性疾患および喘息の処置において使用することの可能性を示唆するものである。
1,25(OH)2D3は、細胞分化を促進し、過度の細胞増殖を阻止することができることも示され[アベ,イー(Abe,E.)ら、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)、米国、78、4990−4994(1981)]、この化合物は、異常な細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる疾患、例えば白血病、骨髄線維症および乾癬の処置に有用であり得ると提案されている。
また、1,25(OH)2D3またはそのプロ-ドラッグ1α−OH−D3を、高血圧症[リンド,エル(Lind,L.)ら、アクタ・メディカ・スカンジナビカ(Acta Med. Scand.)、222、423−427(1987)]および真性糖尿病[イノマタ,エス(Inomata,S.)ら、ボーン・ミネラル(Bone Mineral)、1、187−192(1986)]の処置に使用することも提案されている。遺伝性ビタミンD耐性と脱毛症との間に関連があるという最近の知見により、1,25(OH)2D3の別の用途が提案される:1,25(OH)2D3による処置は、毛髪の成育を促進し得る[ランセット(Lancet)、3月4日、478頁(1989)]。また、1,25(OH)2D3の局所適用により、雄のシリアンハムスターの耳の皮脂腺の大きさが縮小されるという事実は、この化合物がアクネの処置に有用であり得ることを示唆するものである[マロイ,ブイ・エル(Malloy,V.L.)ら、ザ・トリコンティネンタル・ミーティング・フォー・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(the Tricontinental Meeting for Investigative Dermatology)、ワシントン、(1989)]。
しかし、1,25(OH)2D3のそのような処置剤としての使用可能性は、このホルモンはカルシウム代謝に強力に作用する(血中濃度が高いと、急速に高カルシウム血症を起こす)ことが知られていることから、極度に制限されている。すなわち、この化合物およびその有効な合成類似体のいくつかは、例えば乾癬、白血病または免疫疾患のような、薬物を比較的高用量で連続的に投与する必要のあり得る疾患の処置において使用する薬物として充分満足できるものではない。
最近、カルシウム代謝に対する作用に比較して、細胞分化誘導/細胞増殖抑制活性を優勢とするようにある程度の選択性を示す多くのビタミンD類似体が文献に記載されている。
ビタミンD類似体であるカルシポトリオール(calcipotriol)(INN)またはカルシポトリエン(calcipotriene)(USAN)が、乾癬の処置において有効で安全な薬物として世界的に認められている。
最近の研究により、ビタミンD誘導体が、インビボで乳癌細胞増殖を抑制し得ることが裏付けられている[コルストン,ケイ・ダブリュ(Colston,K.W.)ら、バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochem.Pharmacol.)、44、693−702(1992)]。ビタミンD類似体の有望な免疫学的性質も報告されている[ビンデラップ,エル(Binderup,L.)、バイオケミカル・ファーマコロジー、43、1885−1892(1992)]。
側鎖に共役不飽和結合を有するビタミンD3類似体が知られている(PCT公開番号WO91/00855)[ビンデラップ,イー(Binderup,E.)ら、ビタミンD,ジーン・レギュレーション,ストラクチャー−ファンクション・アナリシス・アンド・クリニカル・アプリケーション(Vitaminn D,Gene Regulation,Structure−Function Analysis and Clinical Application)、ノーマン,エイ・ダブリュ(Norman,A.W.)、ブイヨン,アール(Bouillon,R.)およびトマセット,エム(Thomasset,M.)編、ヴァルター・デ・グルイター(Walter de Gruyter)、ベルリン、(1991)、192−193]。とりわけ、共役ジエン側鎖を有するカルシトリオール類似体であるEB1089[1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−(5'−エチル−5'−ヒドロキシ−ヘプタ−1'(E),3'(E)−ジエン−1'−イル)−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン]に関して、抗癌剤を開発するための研究が盛んに行われている[アブストラクツ・フロム・ナインス・ワークショップ・オン・ビタミンD(Abstracts from Ninth Workshop on Vitamin D)、1994年5月28日〜6月2日、オーランド(Orlando)、フロリダ、米国参照]。
ビタミンD類似体間の構造の相異がごくわずかであっても、それらの生物学的活性は広範である[ビンデラップ,エルら、バイオケミカル・ファーマコロジー、42、1569−1575(1991)参照]という事実は、インビトロでの腸のビタミンDレセプターへの結合親和性に比較して、インビトロでの細胞分化活性がより高いことに反映されるような好ましい度合の選択性を示すビタミンD類似体の構造を、現在の知識では予測できないということを示唆している。更に、おそらく化合物間の薬物動態学的な差が反映していると思われるが、インビトロのレセプター結合親和性が必ずしもインビボの場合に匹敵しないという知見によっても、事態が複雑化されている。
本発明の化合物は、ビタミンDの22−エン−24−イン類似体であり、既知のビタミンD類似体のいずれとも構造的に異なる。20Sおよび20R配置を有する類似体のいずれも、本発明の方法によって合成する。本発明の化合物は、活性が高く、好ましい選択性を示す。すなわち、式Iの化合物は、従来の化合物と比較した場合に、一つまたはそれ以上の下記利点を示すことが観察される:
(a)細胞分化/増殖に対する作用がより強いこと;
(b)カルシウム代謝に対する作用よりも、細胞分化/増殖に対する強力な作用を優勢にする選択性がより高いこと;
(c)酸の中での安定性がより高いこと(経口投与において重要)。
本発明の化合物、並びに従来の化合物であるカルシポリオール(前述)およびEB1089(前述)を試験して得たデータを、次の表に示す:
a この試験は、U937ヒト組織球性白血病細胞における化合物の抗増殖作用を、1α,25(OH)2D3の作用と比較するものである。1よりも大きい数値は、抗増殖活性が1α,25(OH)2D3のそれよりも高いことを意味する。この試験は、エル・ビンデラップおよびイー・ブラム(E.Bramm.)、バイオケミカル・ファーマコロジー、37、(1988)、889−895に記載の通り行った。
b この試験は、ラットにおける化合物のカルシウム尿中排泄作用を、1α,25(OH)2D3の作用と比較するものである。1よりも小さい値は、化合物によるカルシウム排泄の変化が、1α,25(OH)2D3による変化よりも小さいことを意味する。この試験も、エル・ビンデラップおよびイー・ブラム、バイオケミカル・ファーマコロジー、37、(1988)、889−895に記載の通り行った。
c この試験においては、C2H3CN(0.6ml)中の10μl濃2HCl/2H2Oの混合物により25℃で化合物を処理し、1H−NMRにより500MHzでおよその半減期を測定した。
表からわかるように、所望の抗増殖活性と、血中カルシウム濃度に対する望ましくない活性との比が、化合物101では、カルシポトリオールおよびEB1089のいずれよりも高い。
従って、本発明の化合物は、ヒトおよび動物の、異常細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる疾病、例えば乾癬を含むある種の皮膚病およびある種の癌、および/または、免疫系の平衡失調により特徴付けられる疾病、例えば自己免疫疾患(真性糖尿病を含む)、宿主対移植片反応および移植組織拒絶の、局所的および全身的な治療および予防のいずれに対しても特に適する。本発明の化合物は、炎症性疾患、例えばリューマチ様関節炎および喘息の処置にも適当である。本発明の化合物によって処置し得る他の病態は、アクネ、脱毛症および高血圧である。更に、本発明の化合物による局所処置後に皮膚の肥厚が見られることから、本発明の化合物は、皮膚の萎縮、および皮膚の老化(光老化を含む)の治療または予防に有用であり得る。
本発明の化合物は、連続投与しても高カルシウム血症をもたらす傾向が低いので、上皮小体機能亢進症(特に腎不全に伴う続発性の上皮小体機能亢進症)の長期治療、並びに骨形成の促進およびオステオポローシスの処置のために有用であると考えられる。
本発明の化合物は、他の薬剤と組み合わせて使用し得る。移植片拒絶および移植片対宿主反応の防止においては、本発明化合物による処置を、例えばシクロスポリン(cyclosporin)A処置と組み合わせることが有利であり得る。
化合物Iは、ビタミンD誘導体1または2から、図式1に示す経路によって、好都合に製造し得る。
以下の標準的な略号を、本発明の開示を通して使用する:DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;Et=エチル;“HF”=5%フッ化水素/アセトニトリル:水(7:1、v/v);Me=メチル;pet.ether=石油エーテル(主としてペンタン);PPTS=ピリジニウムトルエン−4−スルホネート;r.t.=室温;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド三水和物;TBDMS=t−ブチルジメチルシリル;THF=テトラヒドロフラン;THP=テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イル;TMS=トリメチルシリル;TsO=トルエン−4−スルホネート。
Q、R1、R2、ZおよびXは、前記と同意義である。
図式1の注釈
a)塩基、例えばn−BuLi/化合物IV[Y=(EtO)2P(O)、Z=Hまたは保護アルコール、例えばOTHP、OTMS、OSiPh2Me]/THF/−70〜20℃/20〜200分間。
b)水銀灯/三重項増感剤、例えばアントラセン/トリエチルアミン/塩化メチレン/10〜15℃/10〜60分間。
c)例えば“HF”/酢酸エチル/20〜200分間、またはTBAF/THF/60℃/20〜200分間、および/またはPPTS/EtOH/50℃/20〜200分間による、全アルコール基の脱保護。
[式IV中、Zは水素、ヒドロキシ、トリアルキルシリルオキシ、またはテトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシである。]
式IIおよびIIIで示される化合物の合成は、製造例5〜12に記載する。
式IVで示される側鎖形成ブロックは、図式2および製造例1〜4の方法に従って合成する。
Q、R1、R2およびZは、前記と同意義である。
図式2の注釈
a)TsCl/塩基、例えばKOHまたはピリジン/エーテルまたはジクロロメタン/0〜25℃/0.5〜5時間。
b)Z=OHの場合:3,4−ジヒドロ−2H−ピラン/PPTS/ジクロロメタン/r.t./2〜20時間、またはトリアルキルシリルクロリド/塩基、例えばトリエチルアミン/THF/r.t./1〜24時間。
c)臭化ナトリウム/DMF/r.t./1〜10時間。
d)亜リン酸トリエチル/110〜150℃/0.4〜4時間。
式IVで示されるプロパルギルアルコール(Y=OH、Z=OHまたはH)の製法は、化学文献[例えば、マクラモア,ダブリュ・エム(McLamore,W.M.)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、19、570−574(1954);ガウジ,エム(Gouge,M.)、アナーレン・デア・ヒミー(Ann.Chim.)、6、648−702(1951);コロンジ,ジェイ(Colonge,J.)、ビルテ・デ・ラ・ソシエテ・シミク・デ・フランス(Bull.Soc.Chim.Fr.)、1959、408−412]に記載されており、および/または当業者に知られている。
本発明の化合物は、前記のようなヒトおよび動物の疾病の処置に有用な薬剤組成物中で使用することが意図されている。
式Iで示される化合物(以下、活性成分と称する)の処置効果に必要な量は、その化合物、投与方法および処置する哺乳動物のいずれによっても当然変化する。本発明の化合物は、非経口的、関節内、経腸的または局所的に投与することができる。本発明の化合物は、経腸投与された場合によく吸収され、これは全身的疾病の処置に好ましい投与経路である。乾癬のような皮膚病または眼疾の処置においては、局所または経腸の形態が好ましい。
喘息のような呼吸器疾患の処置においては、エアロゾルが好ましい。
活性成分をそのまま単独で投与することが可能であるが、薬剤製剤として投与することが好ましい。好ましくは、活性成分含量は、製剤の0.1ppmないし0.1重量%である。
「用量単位」とは、患者に投与でき、および容易に扱い、包装し得る単位用量、すなわち単一用量であって、活性物質そのもの、または固体もしくは液体薬剤希釈剤もしくは担体とのその混合物から成る物理的および化学的に安定な単位用量を意味する。
動物およびヒトの医療に使用する本発明の製剤は、活性成分と共に、薬学的に許容し得る担体、および要すれば他の処置成分を含有する。担体は、製剤中の他の成分と適合し、被投与体に有害でないという意味において「許容し得る」ものでなくてはならない。
製剤には、例えば、経口、直腸、非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)、関節内および局所投与に適当な形態の製剤が含まれる。
製剤は、用量単位形態で提供することが好都合であり得、薬学分野でよく知られているいずれの方法で調製してもよい。いずれの方法も、活性成分を1種またはそれ以上の補助成分である担体と組み合わせる工程を含んで成る。通例、製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体またはその両方と均一によく混合し、次いで要すれば、生成物を所望の剤形に成形することによって調製する。
経口投与に適当な本発明の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含んで成るカプセル剤、サシェ剤、錠剤もしくはロゼンジのような個々の単位の形態;粉末もしくは顆粒の形態;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態;または水中油型乳剤もしくは油中水型乳剤の形態であり得る。活性成分を、巨丸薬、舐剤またはペーストの形態で投与してもよい。
錠剤は、活性成分を、要すれば1種またはそれ以上の補助成分と共に圧縮または成形することによって製造し得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような流動形態の活性成分を、要すれば結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合して、適当な機械中で圧縮することによって製造し得る。成形錠剤は、粉末活性成分および適当な担体の混合物を不活性液体希釈剤で湿潤させて、適当な機械中で成形することによって製造し得る。
直腸投与用製剤は、活性成分および担体(例えばカカオ脂)を組み合わせた坐剤の形態、または浣腸の形態であってよい。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは活性成分の滅菌油性または水性製剤(好ましくは、被投与体の血液と等張である)から成る。
関節内投与に適当な製剤は、微結晶の形態であり得る活性成分の滅菌水性製剤の形態、例えば水性微結晶懸濁液の形態であってよい。活性成分を関節内および眼のいずれに投与するのにも、リポソーム製剤または生分解性ポリマー系を使用してもよい。
局所投与に適当な製剤(眼用製剤を含む)は、液体もしくは半液体製剤、例えばリニメント剤、ローション剤、ゲル剤、アプリカント剤、水中油型もしくは油中水型乳剤、例えばクリーム、軟膏剤もしくはペースト;または溶液剤もしくは懸濁剤、例えば滴剤を含む。
喘息の処置には、スプレー缶、ネブライザーまたはアトマイザーから放出する粉末、セルフ−プロペリングまたは噴霧製剤の吸入を使用し得る。放出時の製剤の粒子サイズは、10〜100μであることが好ましい。
このような製剤は、粉末吸入装置から肺に投与する細かく粉砕した粉末、またはセルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤の形態であることが最も好ましい。セルフ−プロペリング溶液および噴霧製剤の場合は、所望の噴霧性を有する(すなわち、所望の粒子サイズの霧を形成し得る)バルブを選択するか、または活性成分の粒子サイズを調節して懸濁粉末として組み合わせることによって効果を達成することができる。そのようなセルフ−プロペリング剤は、パウダー−ディスペンシング剤、または活性成分を溶液または懸濁液の飛沫として投与する製剤であってよい。
セルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤は、好ましくは、固体活性成分の分散粒子、および大気圧における沸点が18℃未満の液体プロペラントを含んで成る。液体プロペラントは、医薬投与に適することが知られているいずれのプロペラントであってもよく、1種またはそれ以上のC1−C6−アルキル炭化水素もしくはハロゲン化C1−C6−アルキル炭化水素またはその混合物、特に好ましくは塩素化およびフッ素化C1−C6−アルキル炭化水素から成っていてよい。通例、プロペラントは製剤の45〜99.9%w/wを占め、活性成分は製剤の0.1ppmないし0.1%w/wを占める。
前記成分に加えて、本発明の製剤は、1種またはそれ以上の追加の成分、例えば賦形剤、緩衝剤、香料、結合剤、表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、メチルヒドロキシベンゾエートのような保存剤(抗酸化剤を含む)、乳化剤などを含有し得る。本発明の組成物は、前記病態の処置に通例適用される他の処置活性化合物を更に含有し得る。
本発明は更に、前記病態の1種に罹患している患者を治療する方法にも関し、該方法は、治療を要する患者に、式Iで示される化合物の1種またはそれ以上の有効量を、単独で、または前記病態の処置において通例適用される他の処置活性化合物の1種またはそれ以上と組み合わせて投与することから成る。本発明の化合物および/または他の処置活性化合物による処置は、同時に、または間隔をおいて行い得る。
全身的疾患の処置において、式Iの化合物を1日当たり0.1〜100μg、好ましくは0.2〜25μgの用量で投与する。皮膚病の局所処置においては、式Iの化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有する軟膏、クリームまたはローションを投与する。眼科における局所使用のためには、式Iの化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有する軟膏、点眼剤またはゲルを投与する。経口組成物は、式Iの化合物を用量単位当たり0.05〜50μg、好ましくは0.1〜25μg含有する錠剤、カプセル剤または滴剤として調製することが好ましい。
本発明を以下の一般工程、製造例および実施例によってさらに説明するが、本発明はそれらに制限されるものではない:
一般工程、製造例および実施例
例示の化合物Iを第1表に挙げる。化合物IIおよびIIIの例は第2表に挙げる。
1H核磁気共鳴スペクトル(300MHz)では、化学シフト値(δ)は、特記しない限り、内部テトラメチルシラン(δ=0.00)またはクロロホルム(δ=7.25)に対して、ジュウテリオクロロホルム溶液について示す。特定し(二重線(d)、三重線(t)、四重線(q))、またはしていない(m)多重線の値は、範囲を示していない場合には、およその中心点で示す(s=一重線、b=ブロード)。結合定数(J)はヘルツで表し、しばしば最も近い単位に近似する。
エーテルはジエチルエーテルであり、ナトリウムで乾燥した。THFは、ナトリウム/ベンゾフェノンで乾燥した。反応は、特記しない限り室温で行った。処理方法は、特定の溶媒(または有機反応溶媒)による希釈、水および次いで塩水による抽出、無水MgSO4による乾燥並びに減圧濃縮を行って残渣を得ることを含むクロマトグラフィーは、シリカゲル上で行った。
一般工程1:化合物1または2と、化合物IV[Y=(EtO) 2 P(O);Z=Hまたは保護アルコール、例えばOTHP、OTMS、OSiPh 2 Me]との縮合による化合物IIの生成
化合物1または2(0.5g)および化合物IVをTHF(15ml)に溶解し、−70℃に冷却した。n−ブチルリチウム(0.6ml;ヘキサン中、1.5M)を加え、混合物を−70℃で15分間撹拌し、次いで室温に昇温した。1.5時間撹拌を続けた。クロマトグラフィーにより精製して、化合物IIを得た。
一般工程2:化合物IIの異性化による化合物IIIの生成
アルゴン雰囲気中、パイレックスフラスコ内のジクロロメタン(4.0ml)中の化合物II(0.1ミリモル)、アントラセン(0.2ミリモル)およびトリエチルアミン(0.05ml)の溶液に、高圧紫外線ランプ、タイプTQ760Z2[ハナウ(Hanau)]のUV光を、約10℃で撹拌下に20分間照射した。反応混合物を減圧下に濃縮し、石油エーテル(2×5ml)で処理した。濾過後、濾液を減圧下に濃縮し、クロマトグラフィー(溶出剤はジクロロメタンおよび石油エーテルの混合物)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程3:“HF”で処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
酢酸エチル(0.25ml)中の化合物III(0.05ミリモル)の溶液に、アセトニトリル(1.0ml)、次いでアセトニトリル:水(7:1)中のフッ化水素酸5%溶液(0.8ml)を、アルゴン雰囲気中で撹拌しながら加えた。周囲温度で45分間撹拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え、反応混合物を処理(酢酸エチル)した。残渣をクロマトグラフィー(溶出剤は酢酸エチル、または酢酸エチルとヘキサンもしくはペンタンとの混合物)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程4:テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリドで処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
THF(5ml)中の化合物III(0.16ミリモル)の溶液に、アルゴン雰囲気中、60℃で撹拌しながら、THF(5ml)中のTBAF(300mg)の溶液を加えた。60℃で1時間撹拌を続け、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、処理(酢酸エチル)した。残渣をクロマトグラフィー(溶出剤は0〜50%石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程5:ピリジニウムトルエン−4−スルホネートで処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
99%エタノール(2ml)中の化合物III(0.16ミリモル)の溶液に、PPTS(2mg)を加え、混合物を、アルゴン雰囲気中、50℃で1時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、処理(酢酸エチル)した。粗生成物をクロマトグラフィー(溶出剤は0〜50%石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。
製造例1: 3−エチル−6−(4−トルエンスルホニルオキシ)−ヘキサ−4−イン−3−オール(化合物401)
エーテル(40ml)中の、4−トルエンスルホニルクロリド(6.4g)および4−エチルヘキサ−2−イン−1,4−ジオール[マクラモア,ダブリュ・エムら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、19、570−574(1954)、およびガウジ,エム、アナーレン・デア・ヒミー、6、648−702(1951)](4.0g)の氷冷溶液を、水酸化カリウム粉末(15g)と共に2時間攪拌した。水を加え、混合物をエーテル(2×250ml)で抽出した。エーテル/ペンタン1:1(v/v)を用いるクロマトグラフィーによって処理して、標記化合物(6.5g)を得た。
1H NMR:0.91(t、6H)、1.55(q、4H)、1.83(s、1H)、2.45(s、2H)、4.76(s、2H)、7.36(d、2H)、7.82(d、2H)。
製造例2: 4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−1−(4−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサ−2−イン(化合物402)
ジクロロメタン(33ml)中の、化合物401(6.5g)、PPTS(0.73g)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2g)の溶液を、室温で17時間攪拌した。ジクロロメタン(250ml)を加え、溶液を塩水(250ml)で洗った。エーテル/ペンタン1:1(v/v)を用いるクロマトグラフィーによって処理して、標記化合物(7.1g)を得た。
1H NMR:0.85(t、6H)、1.55(q、4H)、1.42−1.90(m、6H)、2.45(s、3H)、3.47(m、1H)、3.89(m、1H)、4.79(s、2H)4.85(m、1H)、7.35(d、2H)、7.82(d、2H)。
製造例3; 1−ブロモ−4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−ヘキサ−2−イン(化合物403)
DMF(50ml)中の、化合物402(7.0g)および臭化ナトリウム(7.0g)の混合物を、室温で4時間攪拌した。エーテル(300ml)を加え、エーテル/ペンタン1:1(v/v)を溶出剤とするクロマトグラフィーによって混合物を処理して、標記化合物(3.9g)を得た。
1H NMR:0.96(t、3H)、0.96(t、3H)、1.45−1.90(m、10H)、3.51(m、1H)、3.95(m、1H)、3.98(s、2H)、5.00(m、1H)。
製造例4: ジエチル4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−ヘキサ−2−イン−1−イルホスホネート(化合物404)
化合物403(2.0g)および亜リン酸トリエチル(4.2ml)の混合物を、130℃に1.5時間加熱した。過剰の亜リン酸トリエチルを、減圧(油ポンプ)下に2時間にわたって除去して、標記化合物(2.2g)を得た。
1H NMR:0.96(m、6H)、1.35(t、6H)、1.45−1.95(m、10H)、2.81(d、J=21.7Hz、2H)、3.50(m、1H)、3.93(m、1H)、4.18(m、4H)、5.05(m、1H)。
製造例5: 化合物201
一般工程1; 化合物1
出発物質IV: 化合物404
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:3(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.56(s、3H)、0.85(s、9H)、0.89(s、9H)、0.94(t、6H)、1.05(d、3H)、1.10−2.25(m、24H)、2.30(bd、1H)、2.55(dd、1H)、2.87(bd、1H)、3.48(m、1H)、3.93(m、1H)、4.21(m、1H)、4.52(m、1H)、4.93(m、1H)、4.98(m、1H)、5.05(m、1H)、5.44(d、J=15.8Hz、1H)、5.82(d、1H)、5.99(dd、J=15.8HzおよびJ=8.8Hz、1H)、6.44(d、1H)。
製造例6: 化合物202
一般工程1; 化合物2
出発物質IV: 化合物404
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン2:1(v/v)
1H NMR:0.06(m、12H)、0.50(s、3H)、0.85(s、9H)、0.89(s、9H)、0.82−1.00(m、9H)、1.00−2.20(m、24H)、2.30(bd、1H)、2.55(dd、1H)、2.86(bd、1H)、3.46(m、1H)、3.94(m、1H)、4.21(m、1H)、4.52(m、1H)、4.93(m、1H)、4.98(m、1H)、5.01(m、1H)、5.43(d、J=15.9Hz、1H)、5.81(d、1H)、5.98(dd、J=15.9HzおよびJ=9.6Hz、1H)、6.44(d、1H)。
製造例7: 化合物211
一般工程1; 化合物1
出発物質IV: 図式2に示すように、4−メチル−ペンタ−2−イン−1,4−ジオール[ガウジ,エム、アナーレン・デア・ヒミー、6、648−702(1951)]から合成する、ジエチル4−メチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)ペンタ−2−イン−1−イルホスホネート
クロマトグラフィー溶出剤:エーテル/ペンタン1:10(v/v)
製造例8: 化合物212
一般工程1; 化合物2
出発物質IV: ジエチル4−メチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)ペンタ−2−イン−1−イルホスホネート(製造例7参照)
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:10(v/v)
製造例9: 化合物301
一般工程2
出発物質II: 化合物201
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:10(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.54(s、3H)、0.86(s、18H)、0.95(m、6H)、1.05(d、3H)、1.08−2.25(m、25H)、2.43(dd、1H)、2.82(bd、1H)、3.48(m、1H)、3.91(m、1H)、4.18(m、1H)、4.34(m、1H)、4.85(m、1H)、5.03(m、1H)、5.17(m、1H)、5.43(d、J=15.8Hz、1H)、5.99(dd、J=15.8HzおよびJ=8.7Hz、1H)、6.00(d、1H)、6.44(d、1H)。
製造例10: 化合物302
一般工程2
出発物質II: 化合物202
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.49(s、3H)、0.86(s、18H)、0.75−2.00(m、32H)、2.11(m、1H)、2.20(dd、1H)、2.44(dd、1H)、2.81(bd、1H)、3.47(m、1H)、3.95(m、1H)、4.18(m、1H)、4.36(m、1H)、4.85(m、1H)、5.01(m、1H)、5.17(m、1H)、5.43(d、J=15.9Hz、1H)、5.97(dd、J=15.9HzおよびJ=9.6Hz、1H)、6.00(d、1H)、6.22(d、1H)。
製造例11: 化合物311
一般工程2
出発物質II: 化合物211
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
製造例12: 化合物312
一般工程2
出発物質II: 化合物212
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
実施例1: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−(5−エチル−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物101)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物301
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
1H NMR:0.56(s、3H)、1.03(t、6H)、1.05(d、3H)、1.15−2.25(m、21H)、2.31(dd、1H)、2.60(m、1H)、2.83(m、1H)、4.23(m、1H)、4.43(m、1H)、5.00(m、1H)、5.33(m、1H)、5.43(d、J=15.8Hz、1H)、5.99(dd、J=15.8Hzおよび8.8Hz、1H)、6.01(d、1H)、6.37(d、1H)。
実施例2: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(S)−(5−エチル−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物102)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物302
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
1H NMR:0.50(s、3H)、0.95(d、3H)、1.03(t、6H)、1.10−2.25(m、21H)、2.31(dd、1H)、2.60(m、1H)、2.83(dd、1H)、4.23(m、1H)、4.43(m、1H)、5.00(m、1H)、5.28(m、1H)、5.42(d、J=15.9Hz、1H)、5.98(dd、J=15.9Hzおよび9.7Hz、1H)、6.01(d、1H)、6.37(d、1H)。
実施例3: 1(S),3(R)−ヒドロキシ−20(R)−(5−メチル−5−ヒドロキシ−ヘキサ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物111)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物311
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
実施例4: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(S)−(5−メチル−5−ヒドロキシ−ヘキサ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物112)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物312
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
実施例5: 化合物101を含有するカプセル
化合物101をピーナツ油に溶解して、最終濃度1μg/ml油とした。ゼラチン10重量部、グリセリン5重量部、ソルビン酸カリウム0.08重量部および蒸留水14重量部を加熱しながら混合し、軟ゼラチンカプセルを形成した。これに、化合物101の油溶液を100μlずつ充填した。
実施例6: 化合物101を含有する皮膚用クリーム
アーモンド油(1g)に、化合物101(0.05mg)を溶解した。この溶液に、鉱油(40g)および自己乳化性蜜蝋(20g)を加えた。混合物を加熱して液化した。熱水(40ml)を加えた後、混合物をよく混合した。得られるクリームは、クリーム1g当たり化合物101を約0.5μg含有する。
本発明の化合物は、式I:
[式中、Xは水素またはヒドロキシであり;R1およびR2はそれぞれ、水素もしくはC1−C4ヒドロカルビルであるか、またはR1およびR2は、基Xを結合している炭素原子と共にC3−C8炭素環を形成し得;Qは一重結合またはC1−C4ヒドロカルビレン基であり;R1、R2および/またはQは、場合により1個またはそれ以上のフッ素原子を置換基として有し得る。]
で示される。
本発明において、ヒドロカルビル基(ヒドロカルビレン基)なる表現は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和炭化水素から1個(2個)の水素原子を除去した基を意味する。
R1およびR2が個別の基である場合、それらの基の例は、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ビニル、n−、イソ−およびシクロプロピル、並びにプロペン−2−イルを包含するが、それらに限定されるものではない。
R1およびR2が共同で基を形成する場合、その例は、エチレン、トリ−、テトラ−およびペンタメチレンを包含する。
Qの例は、一重結合、メチレン、エチレン、トリメチレン、ジメチル−メチレン、CH=CH、C≡C、CH2CH=CH、およびCH2−C≡Cを包含するが、それらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、複数のジアステレオマーの形態(例えば、C−20、およびR1とR2が異なる場合、星印の炭素原子におけるRまたはS配置;22,23−二重結合におけるEまたはZ配置、および基Q中に二重結合が存在する場合のEまたはZ配置)を包含する。本発明は、純粋な形態のこれらすべてのジアステレオマーおよびその混合物を包含する。更に、1個またはそれ以上のヒドロキシル基が、インビボでヒドロキシル基に再生し得る基としてマスクされている化合物Iのプロドラッグも、本発明の範囲に含まれる。
Xがヒドロキシである化合物Iが好ましいが、Xが水素である化合物Iは実際にはプロドラッグの一種である。このような化合物は、インビトロでは比較的不活性であるが、患者に投与後、酵素的側鎖ヒドロキシル化によって、XがOHである式Iで示される活性化合物に変換される。
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(1,25(OH)2D3)が、インターロイキンの作用および/または生成に影響することがわかっているが[ミュラー,ケイ(Muller,K.)ら、イムノロジー・レターズ(Immunol.Lett.)、17、361−366(1988)]、このことは、この化合物を、免疫系の機能障害によって特徴付けられる疾患、例えば自己免疫疾患、エイズ、宿主対移植片反応および移植組織拒絶、またはインターロイキン−1の異常生成によって特徴付けられる他の病態、例えばリューマチ様関節炎のような炎症性疾患および喘息の処置において使用することの可能性を示唆するものである。
1,25(OH)2D3は、細胞分化を促進し、過度の細胞増殖を阻止することができることも示され[アベ,イー(Abe,E.)ら、プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)、米国、78、4990−4994(1981)]、この化合物は、異常な細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる疾患、例えば白血病、骨髄線維症および乾癬の処置に有用であり得ると提案されている。
また、1,25(OH)2D3またはそのプロ-ドラッグ1α−OH−D3を、高血圧症[リンド,エル(Lind,L.)ら、アクタ・メディカ・スカンジナビカ(Acta Med. Scand.)、222、423−427(1987)]および真性糖尿病[イノマタ,エス(Inomata,S.)ら、ボーン・ミネラル(Bone Mineral)、1、187−192(1986)]の処置に使用することも提案されている。遺伝性ビタミンD耐性と脱毛症との間に関連があるという最近の知見により、1,25(OH)2D3の別の用途が提案される:1,25(OH)2D3による処置は、毛髪の成育を促進し得る[ランセット(Lancet)、3月4日、478頁(1989)]。また、1,25(OH)2D3の局所適用により、雄のシリアンハムスターの耳の皮脂腺の大きさが縮小されるという事実は、この化合物がアクネの処置に有用であり得ることを示唆するものである[マロイ,ブイ・エル(Malloy,V.L.)ら、ザ・トリコンティネンタル・ミーティング・フォー・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(the Tricontinental Meeting for Investigative Dermatology)、ワシントン、(1989)]。
しかし、1,25(OH)2D3のそのような処置剤としての使用可能性は、このホルモンはカルシウム代謝に強力に作用する(血中濃度が高いと、急速に高カルシウム血症を起こす)ことが知られていることから、極度に制限されている。すなわち、この化合物およびその有効な合成類似体のいくつかは、例えば乾癬、白血病または免疫疾患のような、薬物を比較的高用量で連続的に投与する必要のあり得る疾患の処置において使用する薬物として充分満足できるものではない。
最近、カルシウム代謝に対する作用に比較して、細胞分化誘導/細胞増殖抑制活性を優勢とするようにある程度の選択性を示す多くのビタミンD類似体が文献に記載されている。
ビタミンD類似体であるカルシポトリオール(calcipotriol)(INN)またはカルシポトリエン(calcipotriene)(USAN)が、乾癬の処置において有効で安全な薬物として世界的に認められている。
最近の研究により、ビタミンD誘導体が、インビボで乳癌細胞増殖を抑制し得ることが裏付けられている[コルストン,ケイ・ダブリュ(Colston,K.W.)ら、バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochem.Pharmacol.)、44、693−702(1992)]。ビタミンD類似体の有望な免疫学的性質も報告されている[ビンデラップ,エル(Binderup,L.)、バイオケミカル・ファーマコロジー、43、1885−1892(1992)]。
側鎖に共役不飽和結合を有するビタミンD3類似体が知られている(PCT公開番号WO91/00855)[ビンデラップ,イー(Binderup,E.)ら、ビタミンD,ジーン・レギュレーション,ストラクチャー−ファンクション・アナリシス・アンド・クリニカル・アプリケーション(Vitaminn D,Gene Regulation,Structure−Function Analysis and Clinical Application)、ノーマン,エイ・ダブリュ(Norman,A.W.)、ブイヨン,アール(Bouillon,R.)およびトマセット,エム(Thomasset,M.)編、ヴァルター・デ・グルイター(Walter de Gruyter)、ベルリン、(1991)、192−193]。とりわけ、共役ジエン側鎖を有するカルシトリオール類似体であるEB1089[1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−(5'−エチル−5'−ヒドロキシ−ヘプタ−1'(E),3'(E)−ジエン−1'−イル)−9,10−セコプレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン]に関して、抗癌剤を開発するための研究が盛んに行われている[アブストラクツ・フロム・ナインス・ワークショップ・オン・ビタミンD(Abstracts from Ninth Workshop on Vitamin D)、1994年5月28日〜6月2日、オーランド(Orlando)、フロリダ、米国参照]。
ビタミンD類似体間の構造の相異がごくわずかであっても、それらの生物学的活性は広範である[ビンデラップ,エルら、バイオケミカル・ファーマコロジー、42、1569−1575(1991)参照]という事実は、インビトロでの腸のビタミンDレセプターへの結合親和性に比較して、インビトロでの細胞分化活性がより高いことに反映されるような好ましい度合の選択性を示すビタミンD類似体の構造を、現在の知識では予測できないということを示唆している。更に、おそらく化合物間の薬物動態学的な差が反映していると思われるが、インビトロのレセプター結合親和性が必ずしもインビボの場合に匹敵しないという知見によっても、事態が複雑化されている。
本発明の化合物は、ビタミンDの22−エン−24−イン類似体であり、既知のビタミンD類似体のいずれとも構造的に異なる。20Sおよび20R配置を有する類似体のいずれも、本発明の方法によって合成する。本発明の化合物は、活性が高く、好ましい選択性を示す。すなわち、式Iの化合物は、従来の化合物と比較した場合に、一つまたはそれ以上の下記利点を示すことが観察される:
(a)細胞分化/増殖に対する作用がより強いこと;
(b)カルシウム代謝に対する作用よりも、細胞分化/増殖に対する強力な作用を優勢にする選択性がより高いこと;
(c)酸の中での安定性がより高いこと(経口投与において重要)。
本発明の化合物、並びに従来の化合物であるカルシポリオール(前述)およびEB1089(前述)を試験して得たデータを、次の表に示す:
a この試験は、U937ヒト組織球性白血病細胞における化合物の抗増殖作用を、1α,25(OH)2D3の作用と比較するものである。1よりも大きい数値は、抗増殖活性が1α,25(OH)2D3のそれよりも高いことを意味する。この試験は、エル・ビンデラップおよびイー・ブラム(E.Bramm.)、バイオケミカル・ファーマコロジー、37、(1988)、889−895に記載の通り行った。
b この試験は、ラットにおける化合物のカルシウム尿中排泄作用を、1α,25(OH)2D3の作用と比較するものである。1よりも小さい値は、化合物によるカルシウム排泄の変化が、1α,25(OH)2D3による変化よりも小さいことを意味する。この試験も、エル・ビンデラップおよびイー・ブラム、バイオケミカル・ファーマコロジー、37、(1988)、889−895に記載の通り行った。
c この試験においては、C2H3CN(0.6ml)中の10μl濃2HCl/2H2Oの混合物により25℃で化合物を処理し、1H−NMRにより500MHzでおよその半減期を測定した。
表からわかるように、所望の抗増殖活性と、血中カルシウム濃度に対する望ましくない活性との比が、化合物101では、カルシポトリオールおよびEB1089のいずれよりも高い。
従って、本発明の化合物は、ヒトおよび動物の、異常細胞増殖および/または細胞分化によって特徴付けられる疾病、例えば乾癬を含むある種の皮膚病およびある種の癌、および/または、免疫系の平衡失調により特徴付けられる疾病、例えば自己免疫疾患(真性糖尿病を含む)、宿主対移植片反応および移植組織拒絶の、局所的および全身的な治療および予防のいずれに対しても特に適する。本発明の化合物は、炎症性疾患、例えばリューマチ様関節炎および喘息の処置にも適当である。本発明の化合物によって処置し得る他の病態は、アクネ、脱毛症および高血圧である。更に、本発明の化合物による局所処置後に皮膚の肥厚が見られることから、本発明の化合物は、皮膚の萎縮、および皮膚の老化(光老化を含む)の治療または予防に有用であり得る。
本発明の化合物は、連続投与しても高カルシウム血症をもたらす傾向が低いので、上皮小体機能亢進症(特に腎不全に伴う続発性の上皮小体機能亢進症)の長期治療、並びに骨形成の促進およびオステオポローシスの処置のために有用であると考えられる。
本発明の化合物は、他の薬剤と組み合わせて使用し得る。移植片拒絶および移植片対宿主反応の防止においては、本発明化合物による処置を、例えばシクロスポリン(cyclosporin)A処置と組み合わせることが有利であり得る。
化合物Iは、ビタミンD誘導体1または2から、図式1に示す経路によって、好都合に製造し得る。
以下の標準的な略号を、本発明の開示を通して使用する:DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;Et=エチル;“HF”=5%フッ化水素/アセトニトリル:水(7:1、v/v);Me=メチル;pet.ether=石油エーテル(主としてペンタン);PPTS=ピリジニウムトルエン−4−スルホネート;r.t.=室温;TBAF=テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド三水和物;TBDMS=t−ブチルジメチルシリル;THF=テトラヒドロフラン;THP=テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イル;TMS=トリメチルシリル;TsO=トルエン−4−スルホネート。
Q、R1、R2、ZおよびXは、前記と同意義である。
図式1の注釈
a)塩基、例えばn−BuLi/化合物IV[Y=(EtO)2P(O)、Z=Hまたは保護アルコール、例えばOTHP、OTMS、OSiPh2Me]/THF/−70〜20℃/20〜200分間。
b)水銀灯/三重項増感剤、例えばアントラセン/トリエチルアミン/塩化メチレン/10〜15℃/10〜60分間。
c)例えば“HF”/酢酸エチル/20〜200分間、またはTBAF/THF/60℃/20〜200分間、および/またはPPTS/EtOH/50℃/20〜200分間による、全アルコール基の脱保護。
[式IV中、Zは水素、ヒドロキシ、トリアルキルシリルオキシ、またはテトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシである。]
式IIおよびIIIで示される化合物の合成は、製造例5〜12に記載する。
式IVで示される側鎖形成ブロックは、図式2および製造例1〜4の方法に従って合成する。
Q、R1、R2およびZは、前記と同意義である。
図式2の注釈
a)TsCl/塩基、例えばKOHまたはピリジン/エーテルまたはジクロロメタン/0〜25℃/0.5〜5時間。
b)Z=OHの場合:3,4−ジヒドロ−2H−ピラン/PPTS/ジクロロメタン/r.t./2〜20時間、またはトリアルキルシリルクロリド/塩基、例えばトリエチルアミン/THF/r.t./1〜24時間。
c)臭化ナトリウム/DMF/r.t./1〜10時間。
d)亜リン酸トリエチル/110〜150℃/0.4〜4時間。
式IVで示されるプロパルギルアルコール(Y=OH、Z=OHまたはH)の製法は、化学文献[例えば、マクラモア,ダブリュ・エム(McLamore,W.M.)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、19、570−574(1954);ガウジ,エム(Gouge,M.)、アナーレン・デア・ヒミー(Ann.Chim.)、6、648−702(1951);コロンジ,ジェイ(Colonge,J.)、ビルテ・デ・ラ・ソシエテ・シミク・デ・フランス(Bull.Soc.Chim.Fr.)、1959、408−412]に記載されており、および/または当業者に知られている。
本発明の化合物は、前記のようなヒトおよび動物の疾病の処置に有用な薬剤組成物中で使用することが意図されている。
式Iで示される化合物(以下、活性成分と称する)の処置効果に必要な量は、その化合物、投与方法および処置する哺乳動物のいずれによっても当然変化する。本発明の化合物は、非経口的、関節内、経腸的または局所的に投与することができる。本発明の化合物は、経腸投与された場合によく吸収され、これは全身的疾病の処置に好ましい投与経路である。乾癬のような皮膚病または眼疾の処置においては、局所または経腸の形態が好ましい。
喘息のような呼吸器疾患の処置においては、エアロゾルが好ましい。
活性成分をそのまま単独で投与することが可能であるが、薬剤製剤として投与することが好ましい。好ましくは、活性成分含量は、製剤の0.1ppmないし0.1重量%である。
「用量単位」とは、患者に投与でき、および容易に扱い、包装し得る単位用量、すなわち単一用量であって、活性物質そのもの、または固体もしくは液体薬剤希釈剤もしくは担体とのその混合物から成る物理的および化学的に安定な単位用量を意味する。
動物およびヒトの医療に使用する本発明の製剤は、活性成分と共に、薬学的に許容し得る担体、および要すれば他の処置成分を含有する。担体は、製剤中の他の成分と適合し、被投与体に有害でないという意味において「許容し得る」ものでなくてはならない。
製剤には、例えば、経口、直腸、非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)、関節内および局所投与に適当な形態の製剤が含まれる。
製剤は、用量単位形態で提供することが好都合であり得、薬学分野でよく知られているいずれの方法で調製してもよい。いずれの方法も、活性成分を1種またはそれ以上の補助成分である担体と組み合わせる工程を含んで成る。通例、製剤は、活性成分を液体担体もしくは微粉固体担体またはその両方と均一によく混合し、次いで要すれば、生成物を所望の剤形に成形することによって調製する。
経口投与に適当な本発明の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含んで成るカプセル剤、サシェ剤、錠剤もしくはロゼンジのような個々の単位の形態;粉末もしくは顆粒の形態;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態;または水中油型乳剤もしくは油中水型乳剤の形態であり得る。活性成分を、巨丸薬、舐剤またはペーストの形態で投与してもよい。
錠剤は、活性成分を、要すれば1種またはそれ以上の補助成分と共に圧縮または成形することによって製造し得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような流動形態の活性成分を、要すれば結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合して、適当な機械中で圧縮することによって製造し得る。成形錠剤は、粉末活性成分および適当な担体の混合物を不活性液体希釈剤で湿潤させて、適当な機械中で成形することによって製造し得る。
直腸投与用製剤は、活性成分および担体(例えばカカオ脂)を組み合わせた坐剤の形態、または浣腸の形態であってよい。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは活性成分の滅菌油性または水性製剤(好ましくは、被投与体の血液と等張である)から成る。
関節内投与に適当な製剤は、微結晶の形態であり得る活性成分の滅菌水性製剤の形態、例えば水性微結晶懸濁液の形態であってよい。活性成分を関節内および眼のいずれに投与するのにも、リポソーム製剤または生分解性ポリマー系を使用してもよい。
局所投与に適当な製剤(眼用製剤を含む)は、液体もしくは半液体製剤、例えばリニメント剤、ローション剤、ゲル剤、アプリカント剤、水中油型もしくは油中水型乳剤、例えばクリーム、軟膏剤もしくはペースト;または溶液剤もしくは懸濁剤、例えば滴剤を含む。
喘息の処置には、スプレー缶、ネブライザーまたはアトマイザーから放出する粉末、セルフ−プロペリングまたは噴霧製剤の吸入を使用し得る。放出時の製剤の粒子サイズは、10〜100μであることが好ましい。
このような製剤は、粉末吸入装置から肺に投与する細かく粉砕した粉末、またはセルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤の形態であることが最も好ましい。セルフ−プロペリング溶液および噴霧製剤の場合は、所望の噴霧性を有する(すなわち、所望の粒子サイズの霧を形成し得る)バルブを選択するか、または活性成分の粒子サイズを調節して懸濁粉末として組み合わせることによって効果を達成することができる。そのようなセルフ−プロペリング剤は、パウダー−ディスペンシング剤、または活性成分を溶液または懸濁液の飛沫として投与する製剤であってよい。
セルフ−プロペリング・パウダー−ディスペンシング剤は、好ましくは、固体活性成分の分散粒子、および大気圧における沸点が18℃未満の液体プロペラントを含んで成る。液体プロペラントは、医薬投与に適することが知られているいずれのプロペラントであってもよく、1種またはそれ以上のC1−C6−アルキル炭化水素もしくはハロゲン化C1−C6−アルキル炭化水素またはその混合物、特に好ましくは塩素化およびフッ素化C1−C6−アルキル炭化水素から成っていてよい。通例、プロペラントは製剤の45〜99.9%w/wを占め、活性成分は製剤の0.1ppmないし0.1%w/wを占める。
前記成分に加えて、本発明の製剤は、1種またはそれ以上の追加の成分、例えば賦形剤、緩衝剤、香料、結合剤、表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、メチルヒドロキシベンゾエートのような保存剤(抗酸化剤を含む)、乳化剤などを含有し得る。本発明の組成物は、前記病態の処置に通例適用される他の処置活性化合物を更に含有し得る。
本発明は更に、前記病態の1種に罹患している患者を治療する方法にも関し、該方法は、治療を要する患者に、式Iで示される化合物の1種またはそれ以上の有効量を、単独で、または前記病態の処置において通例適用される他の処置活性化合物の1種またはそれ以上と組み合わせて投与することから成る。本発明の化合物および/または他の処置活性化合物による処置は、同時に、または間隔をおいて行い得る。
全身的疾患の処置において、式Iの化合物を1日当たり0.1〜100μg、好ましくは0.2〜25μgの用量で投与する。皮膚病の局所処置においては、式Iの化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有する軟膏、クリームまたはローションを投与する。眼科における局所使用のためには、式Iの化合物を0.1〜500μg/g、好ましくは0.1〜100μg/g含有する軟膏、点眼剤またはゲルを投与する。経口組成物は、式Iの化合物を用量単位当たり0.05〜50μg、好ましくは0.1〜25μg含有する錠剤、カプセル剤または滴剤として調製することが好ましい。
本発明を以下の一般工程、製造例および実施例によってさらに説明するが、本発明はそれらに制限されるものではない:
一般工程、製造例および実施例
例示の化合物Iを第1表に挙げる。化合物IIおよびIIIの例は第2表に挙げる。
1H核磁気共鳴スペクトル(300MHz)では、化学シフト値(δ)は、特記しない限り、内部テトラメチルシラン(δ=0.00)またはクロロホルム(δ=7.25)に対して、ジュウテリオクロロホルム溶液について示す。特定し(二重線(d)、三重線(t)、四重線(q))、またはしていない(m)多重線の値は、範囲を示していない場合には、およその中心点で示す(s=一重線、b=ブロード)。結合定数(J)はヘルツで表し、しばしば最も近い単位に近似する。
エーテルはジエチルエーテルであり、ナトリウムで乾燥した。THFは、ナトリウム/ベンゾフェノンで乾燥した。反応は、特記しない限り室温で行った。処理方法は、特定の溶媒(または有機反応溶媒)による希釈、水および次いで塩水による抽出、無水MgSO4による乾燥並びに減圧濃縮を行って残渣を得ることを含むクロマトグラフィーは、シリカゲル上で行った。
一般工程1:化合物1または2と、化合物IV[Y=(EtO) 2 P(O);Z=Hまたは保護アルコール、例えばOTHP、OTMS、OSiPh 2 Me]との縮合による化合物IIの生成
化合物1または2(0.5g)および化合物IVをTHF(15ml)に溶解し、−70℃に冷却した。n−ブチルリチウム(0.6ml;ヘキサン中、1.5M)を加え、混合物を−70℃で15分間撹拌し、次いで室温に昇温した。1.5時間撹拌を続けた。クロマトグラフィーにより精製して、化合物IIを得た。
一般工程2:化合物IIの異性化による化合物IIIの生成
アルゴン雰囲気中、パイレックスフラスコ内のジクロロメタン(4.0ml)中の化合物II(0.1ミリモル)、アントラセン(0.2ミリモル)およびトリエチルアミン(0.05ml)の溶液に、高圧紫外線ランプ、タイプTQ760Z2[ハナウ(Hanau)]のUV光を、約10℃で撹拌下に20分間照射した。反応混合物を減圧下に濃縮し、石油エーテル(2×5ml)で処理した。濾過後、濾液を減圧下に濃縮し、クロマトグラフィー(溶出剤はジクロロメタンおよび石油エーテルの混合物)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程3:“HF”で処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
酢酸エチル(0.25ml)中の化合物III(0.05ミリモル)の溶液に、アセトニトリル(1.0ml)、次いでアセトニトリル:水(7:1)中のフッ化水素酸5%溶液(0.8ml)を、アルゴン雰囲気中で撹拌しながら加えた。周囲温度で45分間撹拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加え、反応混合物を処理(酢酸エチル)した。残渣をクロマトグラフィー(溶出剤は酢酸エチル、または酢酸エチルとヘキサンもしくはペンタンとの混合物)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程4:テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリドで処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
THF(5ml)中の化合物III(0.16ミリモル)の溶液に、アルゴン雰囲気中、60℃で撹拌しながら、THF(5ml)中のTBAF(300mg)の溶液を加えた。60℃で1時間撹拌を続け、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、処理(酢酸エチル)した。残渣をクロマトグラフィー(溶出剤は0〜50%石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。
一般工程5:ピリジニウムトルエン−4−スルホネートで処理することによる、化合物IIIの脱保護による、対応する化合物Iの生成
99%エタノール(2ml)中の化合物III(0.16ミリモル)の溶液に、PPTS(2mg)を加え、混合物を、アルゴン雰囲気中、50℃で1時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、処理(酢酸エチル)した。粗生成物をクロマトグラフィー(溶出剤は0〜50%石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、標記化合物を得た。
製造例1: 3−エチル−6−(4−トルエンスルホニルオキシ)−ヘキサ−4−イン−3−オール(化合物401)
エーテル(40ml)中の、4−トルエンスルホニルクロリド(6.4g)および4−エチルヘキサ−2−イン−1,4−ジオール[マクラモア,ダブリュ・エムら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、19、570−574(1954)、およびガウジ,エム、アナーレン・デア・ヒミー、6、648−702(1951)](4.0g)の氷冷溶液を、水酸化カリウム粉末(15g)と共に2時間攪拌した。水を加え、混合物をエーテル(2×250ml)で抽出した。エーテル/ペンタン1:1(v/v)を用いるクロマトグラフィーによって処理して、標記化合物(6.5g)を得た。
1H NMR:0.91(t、6H)、1.55(q、4H)、1.83(s、1H)、2.45(s、2H)、4.76(s、2H)、7.36(d、2H)、7.82(d、2H)。
製造例2: 4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−1−(4−トルエンスルホニルオキシ)ヘキサ−2−イン(化合物402)
ジクロロメタン(33ml)中の、化合物401(6.5g)、PPTS(0.73g)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2g)の溶液を、室温で17時間攪拌した。ジクロロメタン(250ml)を加え、溶液を塩水(250ml)で洗った。エーテル/ペンタン1:1(v/v)を用いるクロマトグラフィーによって処理して、標記化合物(7.1g)を得た。
1H NMR:0.85(t、6H)、1.55(q、4H)、1.42−1.90(m、6H)、2.45(s、3H)、3.47(m、1H)、3.89(m、1H)、4.79(s、2H)4.85(m、1H)、7.35(d、2H)、7.82(d、2H)。
製造例3; 1−ブロモ−4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−ヘキサ−2−イン(化合物403)
DMF(50ml)中の、化合物402(7.0g)および臭化ナトリウム(7.0g)の混合物を、室温で4時間攪拌した。エーテル(300ml)を加え、エーテル/ペンタン1:1(v/v)を溶出剤とするクロマトグラフィーによって混合物を処理して、標記化合物(3.9g)を得た。
1H NMR:0.96(t、3H)、0.96(t、3H)、1.45−1.90(m、10H)、3.51(m、1H)、3.95(m、1H)、3.98(s、2H)、5.00(m、1H)。
製造例4: ジエチル4−エチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)−ヘキサ−2−イン−1−イルホスホネート(化合物404)
化合物403(2.0g)および亜リン酸トリエチル(4.2ml)の混合物を、130℃に1.5時間加熱した。過剰の亜リン酸トリエチルを、減圧(油ポンプ)下に2時間にわたって除去して、標記化合物(2.2g)を得た。
1H NMR:0.96(m、6H)、1.35(t、6H)、1.45−1.95(m、10H)、2.81(d、J=21.7Hz、2H)、3.50(m、1H)、3.93(m、1H)、4.18(m、4H)、5.05(m、1H)。
製造例5: 化合物201
一般工程1; 化合物1
出発物質IV: 化合物404
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:3(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.56(s、3H)、0.85(s、9H)、0.89(s、9H)、0.94(t、6H)、1.05(d、3H)、1.10−2.25(m、24H)、2.30(bd、1H)、2.55(dd、1H)、2.87(bd、1H)、3.48(m、1H)、3.93(m、1H)、4.21(m、1H)、4.52(m、1H)、4.93(m、1H)、4.98(m、1H)、5.05(m、1H)、5.44(d、J=15.8Hz、1H)、5.82(d、1H)、5.99(dd、J=15.8HzおよびJ=8.8Hz、1H)、6.44(d、1H)。
製造例6: 化合物202
一般工程1; 化合物2
出発物質IV: 化合物404
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン2:1(v/v)
1H NMR:0.06(m、12H)、0.50(s、3H)、0.85(s、9H)、0.89(s、9H)、0.82−1.00(m、9H)、1.00−2.20(m、24H)、2.30(bd、1H)、2.55(dd、1H)、2.86(bd、1H)、3.46(m、1H)、3.94(m、1H)、4.21(m、1H)、4.52(m、1H)、4.93(m、1H)、4.98(m、1H)、5.01(m、1H)、5.43(d、J=15.9Hz、1H)、5.81(d、1H)、5.98(dd、J=15.9HzおよびJ=9.6Hz、1H)、6.44(d、1H)。
製造例7: 化合物211
一般工程1; 化合物1
出発物質IV: 図式2に示すように、4−メチル−ペンタ−2−イン−1,4−ジオール[ガウジ,エム、アナーレン・デア・ヒミー、6、648−702(1951)]から合成する、ジエチル4−メチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)ペンタ−2−イン−1−イルホスホネート
クロマトグラフィー溶出剤:エーテル/ペンタン1:10(v/v)
製造例8: 化合物212
一般工程1; 化合物2
出発物質IV: ジエチル4−メチル−4−(テトラヒドロ−4H−ピラン−2−イルオキシ)ペンタ−2−イン−1−イルホスホネート(製造例7参照)
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:10(v/v)
製造例9: 化合物301
一般工程2
出発物質II: 化合物201
クロマトグラフィー溶出剤: エーテル/ペンタン1:10(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.54(s、3H)、0.86(s、18H)、0.95(m、6H)、1.05(d、3H)、1.08−2.25(m、25H)、2.43(dd、1H)、2.82(bd、1H)、3.48(m、1H)、3.91(m、1H)、4.18(m、1H)、4.34(m、1H)、4.85(m、1H)、5.03(m、1H)、5.17(m、1H)、5.43(d、J=15.8Hz、1H)、5.99(dd、J=15.8HzおよびJ=8.7Hz、1H)、6.00(d、1H)、6.44(d、1H)。
製造例10: 化合物302
一般工程2
出発物質II: 化合物202
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
1H NMR:0.05(m、12H)、0.49(s、3H)、0.86(s、18H)、0.75−2.00(m、32H)、2.11(m、1H)、2.20(dd、1H)、2.44(dd、1H)、2.81(bd、1H)、3.47(m、1H)、3.95(m、1H)、4.18(m、1H)、4.36(m、1H)、4.85(m、1H)、5.01(m、1H)、5.17(m、1H)、5.43(d、J=15.9Hz、1H)、5.97(dd、J=15.9HzおよびJ=9.6Hz、1H)、6.00(d、1H)、6.22(d、1H)。
製造例11: 化合物311
一般工程2
出発物質II: 化合物211
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
製造例12: 化合物312
一般工程2
出発物質II: 化合物212
クロマトグラフィー溶出剤: ジクロロメタン/ペンタン4:1(v/v)
実施例1: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−(5−エチル−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物101)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物301
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
1H NMR:0.56(s、3H)、1.03(t、6H)、1.05(d、3H)、1.15−2.25(m、21H)、2.31(dd、1H)、2.60(m、1H)、2.83(m、1H)、4.23(m、1H)、4.43(m、1H)、5.00(m、1H)、5.33(m、1H)、5.43(d、J=15.8Hz、1H)、5.99(dd、J=15.8Hzおよび8.8Hz、1H)、6.01(d、1H)、6.37(d、1H)。
実施例2: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(S)−(5−エチル−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物102)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物302
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
1H NMR:0.50(s、3H)、0.95(d、3H)、1.03(t、6H)、1.10−2.25(m、21H)、2.31(dd、1H)、2.60(m、1H)、2.83(dd、1H)、4.23(m、1H)、4.43(m、1H)、5.00(m、1H)、5.28(m、1H)、5.42(d、J=15.9Hz、1H)、5.98(dd、J=15.9Hzおよび9.7Hz、1H)、6.01(d、1H)、6.37(d、1H)。
実施例3: 1(S),3(R)−ヒドロキシ−20(R)−(5−メチル−5−ヒドロキシ−ヘキサ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物111)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物311
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
実施例4: 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(S)−(5−メチル−5−ヒドロキシ−ヘキサ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエン(化合物112)
方法: 一般工程3
出発物質: 化合物312
クロマトグラフィー溶出剤: 酢酸エチル
実施例5: 化合物101を含有するカプセル
化合物101をピーナツ油に溶解して、最終濃度1μg/ml油とした。ゼラチン10重量部、グリセリン5重量部、ソルビン酸カリウム0.08重量部および蒸留水14重量部を加熱しながら混合し、軟ゼラチンカプセルを形成した。これに、化合物101の油溶液を100μlずつ充填した。
実施例6: 化合物101を含有する皮膚用クリーム
アーモンド油(1g)に、化合物101(0.05mg)を溶解した。この溶液に、鉱油(40g)および自己乳化性蜜蝋(20g)を加えた。混合物を加熱して液化した。熱水(40ml)を加えた後、混合物をよく混合した。得られるクリームは、クリーム1g当たり化合物101を約0.5μg含有する。
Claims (8)
- 純粋な形態の請求項1記載の化合物の立体異性体;またはそのような立体異性体の混合物。
- C−20においてR−配置である請求項2記載の化合物の立体異性体。
- 1(S),3(R)−ジヒドロキシ−20(R)−(5−エチル−5−ヒドロキシ−ヘプタ−1(E)−エン−3−イン−1−イル)−9,10−セコ−プレグナ−5(Z),7(E),10(19)−トリエンである請求項1記載の化合物。
- 請求項1記載の式Iで示される化合物の製法であって、1(S),3(R)−ビス−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20(RまたはS)−ホルミル−9,10−セコ−プレグナ−5(E),7(E),10(19)−トリエンと、式:
で示される化合物とを、テトラヒドロフラン中、強塩基の存在下に、−70〜20℃で10〜100分間反応させて、式II:
で示される化合物を生成し、上記式中、Yは(EtO)2P(O)であり、ZはHまたは保護アルコールであり、Q、R1およびR2は、請求項1のものと同意義であり;次いで、式IIで示される化合物を、5Eから5Zへの三重項増感光異性化に付した後、フッ化水素酸、テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリドおよび/またはピリジニウムp−トルエンスルホネートによる脱シリル化に付して、請求項1記載の式Iで示される所望の化合物を生成することを含んで成る方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物1種またはそれ以上の有効量を、薬学的に許容し得る無毒性担体および/または助剤と共に含有する、異常な細胞分化および/または細胞増殖により特徴付けられる疾病を処置するための薬剤組成物。
- 式Iで示される化合物を0.1ppmないし0.1重量%含有する用量単位の形態である請求項6記載の薬剤組成物。
- 乾癬処置用である請求項6または7記載の薬剤組成物。
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