JP3773211B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスクブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
ディスクブレーキ装置は、キャリパのシリンダ部に摺動自在に嵌合するピストンを有し、ブレーキペダルを踏み込む制動時にブレーキ液を該シリンダ部に導入し、該ピストンによつてパッドをディスクに押圧させて制動力を得、ブレーキペダルの踏み込みを解除する制動解除時にブレーキ液を該シリンダ部から排出してパッドとディスクとの間にクリアランスを形成するようになつている。この種の従来のディスクブレーキ装置では、シリンダ部とピストンとの間に介在させたゴム製のシールリングの弾性変形を利用してクリアランスを確保するようになつている。
【0003】
しかしながら、このような従来の一般的なディスクブレーキ装置にあつては、ディスクが空転時のパッドの引摺り防止と制動開始初期の応答性の向上とを良好に両立させることができないという技術的課題がある。すなわち、制動解除状態でのパッドの引摺りを防止してパッドの早期摩耗を避けるためには、パッドとディスクとの間のクリアランスを大きく設定する必要があり、一方、ブレーキペダルの踏み込みによる制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けるためには、上記クリアランスを小さく設定する必要がある。なお、機械駆動式のオートアジャスタ装置にあつても、パッドとディスクとのクリアランスを一定に保つ機能しかなく、同様の技術的課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成は、キャリパ1のシリンダ部1aに、パッド3の摩擦材3aの摩耗によりピストン4が突出作動することを許容するシールリング5を介在して、摺動自在に嵌合するピストン4を有し、制動時にブレーキペダル7を踏み込んでブレーキ液を該シリンダ部1aに導入し、シールリング5を弾性変形させながら、該ピストン4によつてパッド3をディスク8に押圧させて制動力を得、制動解除時にブレーキペダル7の踏み込みを解除してブレーキ液を該シリンダ部1aから排出し、ピストン4がシールリング5の弾性変形によつて所定クリアランスδだけ復帰し、パッド3とディスク8との間にクリアランスを形成するディスクブレーキ装置において、ブレーキペダル7の踏み込み状態を検出して検出信号を出力する制動状態検出手段9を設けると共に、該制動状態検出手段9の検出信号に基づいて作動し、制動開始初期に前記パッド3とディスク8との間のクリアランスが小さくなるように、前記シールリング(5)を変形させることなく、前記ディスク(8)に向けて所定隙間C1 だけ伸張する電気駆動式アジャスタ装置6を、該ピストン4とパッド3との間に介在させることを特徴とするディスクブレーキ装置である。
【作用】
【0005】
このようなディスクブレーキ装置によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、ブレーキ液がシリンダ部1aに導入される。この制動状態検出手段9による検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、インナーパッド3とディスク8とのクリアランスが小さくなる。そして、ブレーキ液がシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてパッド3がディスク8の一側面に押圧されて制動力を得ることができる。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動するので、液圧にて埋められるインナーパッド3とディスク8との間の所定クリアランスを小さく設定でき、小さな所定クリアランスが形成された状態で、ブレーキペダル7の踏み込みによつてシリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、制動開始初期にブレーキペダル7のロスストロークを小さくすることができる。
【0006】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除されるので、例えばこの検出信号の解除によつて、若しくはこの検出信号が消失した後所定時間遅延させて、或いは、シリンダ部1a内のブレーキ液の圧力低下を検出する検出手段を別途設け、このブレーキ液の圧力低下に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させ、電気駆動式アジャスタ装置6とディスク8との間にクリアランスを形成させる。そして、ブレーキペダル7の踏み込みの解除によつてシリンダ部1a内のブレーキ液が復帰し、ピストン4が後退復帰する。このようにして、制動解除時に電気駆動式アジャスタ装置6とパッド3との間に大きなクリアランスが生じると共に、ディスク8によつてパッド3がたたかれ、パッド3が移動し、大きなクリアランスがパッド3とディスク8との間に形成される。かくして、パッド3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1,図2は、本発明をフローティングキャリパ型のディスクブレーキ装置に適用した1実施例を示す。図中において符号1はキャリパを示し、キャリパ1はサポート25を介して図外の車体側部材に車幅方向の摺動自在に支持されている。このキャリパ1の車幅方向の外側となる爪部にアウターパッド2が当接支持され、アウターパッド2のディスク8の周方向の両側部はサポート25に摺動自在に支持され、また、車幅方向の内側にインナーパッド3が配置される。各パッド2,3は、摩擦材2a,3aと、裏金2b,3bとからなり、裏金2b,3bの背後には、防振部材2c,3cを付属させてある。
【0008】
また、キャリパ1のシリンダ部1aにはピストン4が摺動自在に嵌合し、シリンダ部1aとピストン4との間は、シリンダ部1aの環状溝に環着したシールリング5によつて液密に保たれている。インナーパッド3は、ピストン4に対向して配置され、ディスク8の周方向の両側部はサポート25に摺動自在に支持されている。7はブレーキペダルであり、ブレーキペダル7の踏み込みによつて、マスターシリンダ26からのブレーキ液が配管27を通つてシリンダ部1aに導入される。
【0009】
そして、ピストン4とインナーパッド3との間に、電気駆動式アジャスタ装置6を介在させる。電気駆動式アジャスタ装置6は、インナーパッド3とディスク8との間のクリアランスが、制動開始初期に伸張して小さくなり、制動解除時に収縮して大きくなるように機能する。シールリング5の弾性変形によつて与えられるインナーパッド3とディスク8との間の所定クリアランスδは、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動した状態で与えられる。但し、本実施例にあつては、インナーパッド3と電気駆動式アジャスタ装置6とが結合されていないため、形式的には、上記クリアランスはインナーパッド3と電気駆動式アジャスタ装置6との間に形成される。また、ブレーキペダル7に対応させて、スイッチからなる制動状態検出手段9が配置され、この制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出された際、その検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が上記伸縮作動を行う。具体的には、スイッチからなる制動状態検出手段9がON作動すれば、電源29からの電流が配線29a,29bから電気駆動式アジャスタ装置6に供給され、電気駆動式アジャスタ装置6が上記作動を行う。
【0010】
このようなディスクブレーキ装置によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、マスターシリンダ26からのブレーキ液が配管27を通つてシリンダ部1aに導入される。先ず、制動状態検出手段9による検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、その分だけインナーパッド3とディスク8とのクリアランスが小さくなり、所定クリアランスδが設定される。その後、配管27による流路抵抗を受けるブレーキ液が若干遅れてマスターシリンダ26からシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてインナーパッド3が車輪と共に回転するディスク8の一側面に押圧され、その反力にてキャリパ1が車幅方向の内側に摺動してアウターパッド2がディスク8の他側面に押圧され、制動力を得ることができる。ピストン4の突出作動に伴い、シールリング5が弾性変形する。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6の作動によつて小さな所定クリアランスδが設定された状態で、シリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、ブレーキペダル7の踏み込みによる制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けることができる。
【0011】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除され、電気駆動式アジャスタ装置6が収縮作動し、電気駆動式アジャスタ装置6の先端とディスク8との間にクリアランスを生ずる。その後、シリンダ部1a内のブレーキ液がマスターシリンダ26に復帰し、ピストン4がシールリング5の弾性変形によつて所定クリアランスδ分だけ後退復帰する。このようにして、制動解除時に電気駆動式アジャスタ装置6とインナーパッド3との間に大きなクリアランスが生じた後、回転するディスク8によつて両パッド2,3がたたかれ、インナーパッド3が車幅方向の内側に移動し、同時にアウターパッド2がキャリパ1と共に車幅方向の外側に移動し、大きなクリアランスが、アウターパッド2とディスク8との間及びインナーパッド3とディスク8との間に分散して生じる。かくして、両パッド2,3とディスク8とのクリアランスが、シールリング5の弾性変形のみによる所定クリアランスδよりも大きくなり、各パッド2,3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。なお、シールリング5は、両パッド2,3の摩擦材2a,3aの摩耗により、キャリパ1が車幅方向内側に相対移動すると共にピストン4が突出作動することを許容し、オートアジャスタ装置としても機能する。
【0012】
図2,図3には、電気駆動式アジャスタ装置6の具体例を示す。電気駆動式アジャスタ装置6は、ピストン4の内部に固設した有底筒状の支持部材10に、ナット部材11及びスピンドル12を組み込んだ構造を有する。支持部材10の内周には、環状の第1電磁石13を固着する底部側から開口部10fに向けて、小径部10a、底部に向けて次第に縮径するテーパ面10b、環状段面10c、中径部10d及び大径部10eが順次に形成され、大径部10eの中径部10d側端部に第2電磁石14が固着されている。この第1電磁石13及び第2電磁石14が、それぞれ電気駆動装置を構成している。また、小径部10aの底部寄りには第1スナップリング15が環着され、大径部10eの開口部10f付近には第2スナップリング16が環着されている。
【0013】
ナット部材11は、筒状をなして内周に多条の雌ねじを有し、一端部にフランジ部11aを有すると共に、フランジ部11aの外周側に、支持部材10のテーパ面10bと対向するテーパ面11bが形成されている。そして、第1スナップリング15に支持される環状支持部材18と、フランジ部11aにベアリング19を介在して支持される環状支持部材20との間に、ナット押しばね21が圧縮して介在されている。しかして、ナット部材11は、対向する両テーパ面10b,11b間に所定隙間C2 を形成する状態で、ベアリング19の作用によつて中心軸線回りの回転が可能である。なお、ナット部材11の少なくとも第1電磁石13と対向する他端部は、磁性体にて形成されている。また、ナット部材11の他端部と第1電磁石13との間の隙間は、前記所定隙間C2 と同じ又はわずかに大きく設定され、第1電磁石13によつてナット部材11を吸引した際に、所定隙間C2 が消滅して対向する両テーパ面10b,11bが密着し、回転が拘束されるようになつている。
【0014】
スピンドル12は、多条の雄ねじを形成した軸部12aと、フランジ部12bと、軽量化のために中空とした筒状部12cとを順次に有する。軸部12aの雄ねじは、ナット部材11の雌ねじと可逆ねじ結合し、フランジ部12bは支持部材10の環状段面10cと第2電磁石14との間に所定隙間C1 を有して介在し、また、第2スナップリング16に支持される環状支持部材22とフランジ部12bとの間に圧縮して介在するスピンドル押しばね23によつて、フランジ部12bが環状段面10cに向けて当接付勢され、常態にて所定隙間C1 は第2電磁石14とフランジ部12bとの間に形成されている。しかして、スピンドル12は、ナット部材11との関係において回転不可能状態にある。なお、シールリング5の弾性変形のみによつて両パッド2,3とディスク8との間に形成されるべき所定クリアランスδは、所定隙間C1 分だけスピンドル12が突出作動した状態で与えられるようになる。また、スピンドル12の少なくともフランジ部12bの第2電磁石14と対向する箇所は、磁性体にて形成されている。
【0015】
そして、スピンドル押しばね23の弾発力をF1 、ナット押しばね21の弾発力をF2 として、F1 >F2 に設定してある。しかして、自由状態にて、スピンドル押しばね23の弾発力F1 を受けるスピンドル12は、フランジ部12bが支持部材10の環状段面10cに着座し、また、ナット部材11は、ナット押しばね21の弾発力を受けて開口部10fに向けて押し出され、フランジ部11aがスピンドル12のフランジ部12bの内周側に当接し、両テーパ面10b,11b間に所定隙間C2 を形成している。
【0016】
このような電気駆動式アジャスタ装置6によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、マスターシリンダ26からのブレーキ液がシリンダ部1aに導入される。先ず、制動状態検出手段9による検出信号に基づいて両電磁石13,14が励磁され、スピンドル12は、フランジ部12bが第2電磁石14に吸着されて所定隙間C1 を埋めるように突出移動し、また、ナット部材11は、第1電磁石13に吸着されて所定隙間C2 を埋めるように没入移動する。このスピンドル12とナット部材11との相対移動に際し、スピンドル12の軸部12aと可逆ねじ結合し、ベアリング19によつて回転自在に支持されるナット部材11が所定隙間C2 を埋めるまで回転する。これにより、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、インナーパッド3とディスク8との間に小さな所定クリアランスδが形成される。
【0017】
その後、配管27による流路抵抗を受けるブレーキ液が若干遅れてマスターシリンダ26からシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてインナーパッド3がディスク8の一側面に押圧され、その反力にてキャリパ1が車幅方向の内側に摺動してアウターパッド2がディスク8の他側面に押圧されて制動力を得ることができる。このような制動作動時において、スピンドル12によつてインナーパッド3を押圧する力の反力は、可逆ねじ結合を介して両テーパ面10b,11bの密着にて回転不可能なナット部材11に伝達され、支持部材10を介してピストン4に支持される。このようにして、シールリング5の弾性変形による小さな所定クリアランスδが設定された状態で、シリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、制動開始初期のブレーキペダル7のロスストロークが小さくなる。
【0018】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除され、両電磁石13,14がそれぞれ消磁される。これにより、スピンドル押しばね23の比較的大きな弾発力F1 を受けるスピンドル12は、フランジ部12bが第2電磁石14から離れて所定隙間C1 を形成するように移動し、また、ナット押しばね21の比較的小さな弾発力F2 を受けるナット部材11は、逆回転しながら第1電磁石13から離れて所定隙間C2 を形成するように移動し、当初位置に復帰する。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6が収縮作動し、インナーパッド3とディスク8との間にクリアランスが形成される。その後、シリンダ部1a内のブレーキ液が配管27を通つてマスターシリンダ26に復帰する。このようにして、制動解除時のインナーパッド3とディスク8とのクリアランスが、シールリング5の弾性変形による所定クリアランスδよりも所定隙間C1 だけ大きくなり、両パッド2,3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。
【0019】
ところで、制動解除時には、制動状態検出手段9による検出信号が消失した後所定時間遅延させて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させ、或いは、シリンダ部1a内のブレーキ液の圧力低下を検出する検出手段を別途設け、このブレーキ液の圧力低下に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させることも可能である。これにより、ブレーキ液の配管27の流動抵抗に起因するピストン4の復帰作動の遅れに合わせてインナーパッド3とディスク8との摺接を解除させ、各パッド2,3とディスク8との切れを良くすることがでる。また、ブレーキペダル7の動作によつて作動する制動状態検出手段9として、ブレーキペダル7の踏み込みによるブレーキ液圧の上昇を検出する圧力スイッチを採用することも可能である。更に、上記実施例にあつてはフローティングキャリパ型のディスクブレーキ装置のピストン4とインナーパッド3との間に電気駆動式アジャスタ装置6を介在させたが、オポーズド型のディスクブレーキ装置の各ピストンとパッドとの間に電気駆動式アジャスタ装置6を介在させて同様の作用を得ることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明によつて理解されるように、本発明にかかるディスクブレーキ装置によれば、制動開始初期にパッドとディスクとの間のクリアランスが小さくなるように、シールリングを変形させることなく、ディスクに向けて所定隙間だけ伸張する電気駆動式アジャスタ装置を、ピストンとパッドとの間に介在させることで、パッドとディスクとのクリアランスが、制動開始初期にピストンを移動させることなく小さくなり、制動解除時に大きくなるので、制動解除時にパッドの引摺りを防止してパッドの早期摩耗を避け、制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けることができる。その結果、ディスクの空転時におけるパッドの引摺り防止と制動開始初期の応答性の向上とが、良好に両立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係るディスクブレーキ装置を示す断面図。
【図2】 同じく電気駆動式アジャスタ装置の構造例を示す断面図。
【図3】 同じく要部を示す断面図。
【符号の説明】
1:キャリパ、1a:シリンダ部、2:アウターパッド、3:インナーパッド(パッド)、4:ピストン、6:電気駆動式アジャスタ装置、7:ブレーキペダル、8:ディスク、9:制動状態検出手段、26:マスターシリンダ、δ:所定クリアランス。
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスクブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
ディスクブレーキ装置は、キャリパのシリンダ部に摺動自在に嵌合するピストンを有し、ブレーキペダルを踏み込む制動時にブレーキ液を該シリンダ部に導入し、該ピストンによつてパッドをディスクに押圧させて制動力を得、ブレーキペダルの踏み込みを解除する制動解除時にブレーキ液を該シリンダ部から排出してパッドとディスクとの間にクリアランスを形成するようになつている。この種の従来のディスクブレーキ装置では、シリンダ部とピストンとの間に介在させたゴム製のシールリングの弾性変形を利用してクリアランスを確保するようになつている。
【0003】
しかしながら、このような従来の一般的なディスクブレーキ装置にあつては、ディスクが空転時のパッドの引摺り防止と制動開始初期の応答性の向上とを良好に両立させることができないという技術的課題がある。すなわち、制動解除状態でのパッドの引摺りを防止してパッドの早期摩耗を避けるためには、パッドとディスクとの間のクリアランスを大きく設定する必要があり、一方、ブレーキペダルの踏み込みによる制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けるためには、上記クリアランスを小さく設定する必要がある。なお、機械駆動式のオートアジャスタ装置にあつても、パッドとディスクとのクリアランスを一定に保つ機能しかなく、同様の技術的課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成は、キャリパ1のシリンダ部1aに、パッド3の摩擦材3aの摩耗によりピストン4が突出作動することを許容するシールリング5を介在して、摺動自在に嵌合するピストン4を有し、制動時にブレーキペダル7を踏み込んでブレーキ液を該シリンダ部1aに導入し、シールリング5を弾性変形させながら、該ピストン4によつてパッド3をディスク8に押圧させて制動力を得、制動解除時にブレーキペダル7の踏み込みを解除してブレーキ液を該シリンダ部1aから排出し、ピストン4がシールリング5の弾性変形によつて所定クリアランスδだけ復帰し、パッド3とディスク8との間にクリアランスを形成するディスクブレーキ装置において、ブレーキペダル7の踏み込み状態を検出して検出信号を出力する制動状態検出手段9を設けると共に、該制動状態検出手段9の検出信号に基づいて作動し、制動開始初期に前記パッド3とディスク8との間のクリアランスが小さくなるように、前記シールリング(5)を変形させることなく、前記ディスク(8)に向けて所定隙間C1 だけ伸張する電気駆動式アジャスタ装置6を、該ピストン4とパッド3との間に介在させることを特徴とするディスクブレーキ装置である。
【作用】
【0005】
このようなディスクブレーキ装置によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、ブレーキ液がシリンダ部1aに導入される。この制動状態検出手段9による検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、インナーパッド3とディスク8とのクリアランスが小さくなる。そして、ブレーキ液がシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてパッド3がディスク8の一側面に押圧されて制動力を得ることができる。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動するので、液圧にて埋められるインナーパッド3とディスク8との間の所定クリアランスを小さく設定でき、小さな所定クリアランスが形成された状態で、ブレーキペダル7の踏み込みによつてシリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、制動開始初期にブレーキペダル7のロスストロークを小さくすることができる。
【0006】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除されるので、例えばこの検出信号の解除によつて、若しくはこの検出信号が消失した後所定時間遅延させて、或いは、シリンダ部1a内のブレーキ液の圧力低下を検出する検出手段を別途設け、このブレーキ液の圧力低下に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させ、電気駆動式アジャスタ装置6とディスク8との間にクリアランスを形成させる。そして、ブレーキペダル7の踏み込みの解除によつてシリンダ部1a内のブレーキ液が復帰し、ピストン4が後退復帰する。このようにして、制動解除時に電気駆動式アジャスタ装置6とパッド3との間に大きなクリアランスが生じると共に、ディスク8によつてパッド3がたたかれ、パッド3が移動し、大きなクリアランスがパッド3とディスク8との間に形成される。かくして、パッド3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1,図2は、本発明をフローティングキャリパ型のディスクブレーキ装置に適用した1実施例を示す。図中において符号1はキャリパを示し、キャリパ1はサポート25を介して図外の車体側部材に車幅方向の摺動自在に支持されている。このキャリパ1の車幅方向の外側となる爪部にアウターパッド2が当接支持され、アウターパッド2のディスク8の周方向の両側部はサポート25に摺動自在に支持され、また、車幅方向の内側にインナーパッド3が配置される。各パッド2,3は、摩擦材2a,3aと、裏金2b,3bとからなり、裏金2b,3bの背後には、防振部材2c,3cを付属させてある。
【0008】
また、キャリパ1のシリンダ部1aにはピストン4が摺動自在に嵌合し、シリンダ部1aとピストン4との間は、シリンダ部1aの環状溝に環着したシールリング5によつて液密に保たれている。インナーパッド3は、ピストン4に対向して配置され、ディスク8の周方向の両側部はサポート25に摺動自在に支持されている。7はブレーキペダルであり、ブレーキペダル7の踏み込みによつて、マスターシリンダ26からのブレーキ液が配管27を通つてシリンダ部1aに導入される。
【0009】
そして、ピストン4とインナーパッド3との間に、電気駆動式アジャスタ装置6を介在させる。電気駆動式アジャスタ装置6は、インナーパッド3とディスク8との間のクリアランスが、制動開始初期に伸張して小さくなり、制動解除時に収縮して大きくなるように機能する。シールリング5の弾性変形によつて与えられるインナーパッド3とディスク8との間の所定クリアランスδは、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動した状態で与えられる。但し、本実施例にあつては、インナーパッド3と電気駆動式アジャスタ装置6とが結合されていないため、形式的には、上記クリアランスはインナーパッド3と電気駆動式アジャスタ装置6との間に形成される。また、ブレーキペダル7に対応させて、スイッチからなる制動状態検出手段9が配置され、この制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出された際、その検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が上記伸縮作動を行う。具体的には、スイッチからなる制動状態検出手段9がON作動すれば、電源29からの電流が配線29a,29bから電気駆動式アジャスタ装置6に供給され、電気駆動式アジャスタ装置6が上記作動を行う。
【0010】
このようなディスクブレーキ装置によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、マスターシリンダ26からのブレーキ液が配管27を通つてシリンダ部1aに導入される。先ず、制動状態検出手段9による検出信号に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、その分だけインナーパッド3とディスク8とのクリアランスが小さくなり、所定クリアランスδが設定される。その後、配管27による流路抵抗を受けるブレーキ液が若干遅れてマスターシリンダ26からシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてインナーパッド3が車輪と共に回転するディスク8の一側面に押圧され、その反力にてキャリパ1が車幅方向の内側に摺動してアウターパッド2がディスク8の他側面に押圧され、制動力を得ることができる。ピストン4の突出作動に伴い、シールリング5が弾性変形する。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6の作動によつて小さな所定クリアランスδが設定された状態で、シリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、ブレーキペダル7の踏み込みによる制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けることができる。
【0011】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除され、電気駆動式アジャスタ装置6が収縮作動し、電気駆動式アジャスタ装置6の先端とディスク8との間にクリアランスを生ずる。その後、シリンダ部1a内のブレーキ液がマスターシリンダ26に復帰し、ピストン4がシールリング5の弾性変形によつて所定クリアランスδ分だけ後退復帰する。このようにして、制動解除時に電気駆動式アジャスタ装置6とインナーパッド3との間に大きなクリアランスが生じた後、回転するディスク8によつて両パッド2,3がたたかれ、インナーパッド3が車幅方向の内側に移動し、同時にアウターパッド2がキャリパ1と共に車幅方向の外側に移動し、大きなクリアランスが、アウターパッド2とディスク8との間及びインナーパッド3とディスク8との間に分散して生じる。かくして、両パッド2,3とディスク8とのクリアランスが、シールリング5の弾性変形のみによる所定クリアランスδよりも大きくなり、各パッド2,3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。なお、シールリング5は、両パッド2,3の摩擦材2a,3aの摩耗により、キャリパ1が車幅方向内側に相対移動すると共にピストン4が突出作動することを許容し、オートアジャスタ装置としても機能する。
【0012】
図2,図3には、電気駆動式アジャスタ装置6の具体例を示す。電気駆動式アジャスタ装置6は、ピストン4の内部に固設した有底筒状の支持部材10に、ナット部材11及びスピンドル12を組み込んだ構造を有する。支持部材10の内周には、環状の第1電磁石13を固着する底部側から開口部10fに向けて、小径部10a、底部に向けて次第に縮径するテーパ面10b、環状段面10c、中径部10d及び大径部10eが順次に形成され、大径部10eの中径部10d側端部に第2電磁石14が固着されている。この第1電磁石13及び第2電磁石14が、それぞれ電気駆動装置を構成している。また、小径部10aの底部寄りには第1スナップリング15が環着され、大径部10eの開口部10f付近には第2スナップリング16が環着されている。
【0013】
ナット部材11は、筒状をなして内周に多条の雌ねじを有し、一端部にフランジ部11aを有すると共に、フランジ部11aの外周側に、支持部材10のテーパ面10bと対向するテーパ面11bが形成されている。そして、第1スナップリング15に支持される環状支持部材18と、フランジ部11aにベアリング19を介在して支持される環状支持部材20との間に、ナット押しばね21が圧縮して介在されている。しかして、ナット部材11は、対向する両テーパ面10b,11b間に所定隙間C2 を形成する状態で、ベアリング19の作用によつて中心軸線回りの回転が可能である。なお、ナット部材11の少なくとも第1電磁石13と対向する他端部は、磁性体にて形成されている。また、ナット部材11の他端部と第1電磁石13との間の隙間は、前記所定隙間C2 と同じ又はわずかに大きく設定され、第1電磁石13によつてナット部材11を吸引した際に、所定隙間C2 が消滅して対向する両テーパ面10b,11bが密着し、回転が拘束されるようになつている。
【0014】
スピンドル12は、多条の雄ねじを形成した軸部12aと、フランジ部12bと、軽量化のために中空とした筒状部12cとを順次に有する。軸部12aの雄ねじは、ナット部材11の雌ねじと可逆ねじ結合し、フランジ部12bは支持部材10の環状段面10cと第2電磁石14との間に所定隙間C1 を有して介在し、また、第2スナップリング16に支持される環状支持部材22とフランジ部12bとの間に圧縮して介在するスピンドル押しばね23によつて、フランジ部12bが環状段面10cに向けて当接付勢され、常態にて所定隙間C1 は第2電磁石14とフランジ部12bとの間に形成されている。しかして、スピンドル12は、ナット部材11との関係において回転不可能状態にある。なお、シールリング5の弾性変形のみによつて両パッド2,3とディスク8との間に形成されるべき所定クリアランスδは、所定隙間C1 分だけスピンドル12が突出作動した状態で与えられるようになる。また、スピンドル12の少なくともフランジ部12bの第2電磁石14と対向する箇所は、磁性体にて形成されている。
【0015】
そして、スピンドル押しばね23の弾発力をF1 、ナット押しばね21の弾発力をF2 として、F1 >F2 に設定してある。しかして、自由状態にて、スピンドル押しばね23の弾発力F1 を受けるスピンドル12は、フランジ部12bが支持部材10の環状段面10cに着座し、また、ナット部材11は、ナット押しばね21の弾発力を受けて開口部10fに向けて押し出され、フランジ部11aがスピンドル12のフランジ部12bの内周側に当接し、両テーパ面10b,11b間に所定隙間C2 を形成している。
【0016】
このような電気駆動式アジャスタ装置6によれば、制動時にブレーキペダル7を踏み込めば、制動状態検出手段9によつてブレーキペダル7の踏み込み状態が検出されると共に、マスターシリンダ26からのブレーキ液がシリンダ部1aに導入される。先ず、制動状態検出手段9による検出信号に基づいて両電磁石13,14が励磁され、スピンドル12は、フランジ部12bが第2電磁石14に吸着されて所定隙間C1 を埋めるように突出移動し、また、ナット部材11は、第1電磁石13に吸着されて所定隙間C2 を埋めるように没入移動する。このスピンドル12とナット部材11との相対移動に際し、スピンドル12の軸部12aと可逆ねじ結合し、ベアリング19によつて回転自在に支持されるナット部材11が所定隙間C2 を埋めるまで回転する。これにより、電気駆動式アジャスタ装置6が伸張作動し、インナーパッド3とディスク8との間に小さな所定クリアランスδが形成される。
【0017】
その後、配管27による流路抵抗を受けるブレーキ液が若干遅れてマスターシリンダ26からシリンダ部1aに導入され、ピストン4によつてインナーパッド3がディスク8の一側面に押圧され、その反力にてキャリパ1が車幅方向の内側に摺動してアウターパッド2がディスク8の他側面に押圧されて制動力を得ることができる。このような制動作動時において、スピンドル12によつてインナーパッド3を押圧する力の反力は、可逆ねじ結合を介して両テーパ面10b,11bの密着にて回転不可能なナット部材11に伝達され、支持部材10を介してピストン4に支持される。このようにして、シールリング5の弾性変形による小さな所定クリアランスδが設定された状態で、シリンダ部1aにブレーキ液が導入されることとなり、制動開始初期のブレーキペダル7のロスストロークが小さくなる。
【0018】
次に、ブレーキペダル7の踏み込みを解除すれば、制動状態検出手段9による検出信号が解除され、両電磁石13,14がそれぞれ消磁される。これにより、スピンドル押しばね23の比較的大きな弾発力F1 を受けるスピンドル12は、フランジ部12bが第2電磁石14から離れて所定隙間C1 を形成するように移動し、また、ナット押しばね21の比較的小さな弾発力F2 を受けるナット部材11は、逆回転しながら第1電磁石13から離れて所定隙間C2 を形成するように移動し、当初位置に復帰する。かくして、電気駆動式アジャスタ装置6が収縮作動し、インナーパッド3とディスク8との間にクリアランスが形成される。その後、シリンダ部1a内のブレーキ液が配管27を通つてマスターシリンダ26に復帰する。このようにして、制動解除時のインナーパッド3とディスク8とのクリアランスが、シールリング5の弾性変形による所定クリアランスδよりも所定隙間C1 だけ大きくなり、両パッド2,3とディスク8との引摺りが良好に抑制される。
【0019】
ところで、制動解除時には、制動状態検出手段9による検出信号が消失した後所定時間遅延させて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させ、或いは、シリンダ部1a内のブレーキ液の圧力低下を検出する検出手段を別途設け、このブレーキ液の圧力低下に基づいて電気駆動式アジャスタ装置6を収縮作動させることも可能である。これにより、ブレーキ液の配管27の流動抵抗に起因するピストン4の復帰作動の遅れに合わせてインナーパッド3とディスク8との摺接を解除させ、各パッド2,3とディスク8との切れを良くすることがでる。また、ブレーキペダル7の動作によつて作動する制動状態検出手段9として、ブレーキペダル7の踏み込みによるブレーキ液圧の上昇を検出する圧力スイッチを採用することも可能である。更に、上記実施例にあつてはフローティングキャリパ型のディスクブレーキ装置のピストン4とインナーパッド3との間に電気駆動式アジャスタ装置6を介在させたが、オポーズド型のディスクブレーキ装置の各ピストンとパッドとの間に電気駆動式アジャスタ装置6を介在させて同様の作用を得ることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明によつて理解されるように、本発明にかかるディスクブレーキ装置によれば、制動開始初期にパッドとディスクとの間のクリアランスが小さくなるように、シールリングを変形させることなく、ディスクに向けて所定隙間だけ伸張する電気駆動式アジャスタ装置を、ピストンとパッドとの間に介在させることで、パッドとディスクとのクリアランスが、制動開始初期にピストンを移動させることなく小さくなり、制動解除時に大きくなるので、制動解除時にパッドの引摺りを防止してパッドの早期摩耗を避け、制動開始初期にロスストロークを小さくし、応答性を向上させてブレーキフィーリングの悪化を避けることができる。その結果、ディスクの空転時におけるパッドの引摺り防止と制動開始初期の応答性の向上とが、良好に両立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係るディスクブレーキ装置を示す断面図。
【図2】 同じく電気駆動式アジャスタ装置の構造例を示す断面図。
【図3】 同じく要部を示す断面図。
【符号の説明】
1:キャリパ、1a:シリンダ部、2:アウターパッド、3:インナーパッド(パッド)、4:ピストン、6:電気駆動式アジャスタ装置、7:ブレーキペダル、8:ディスク、9:制動状態検出手段、26:マスターシリンダ、δ:所定クリアランス。
Claims (1)
- キャリパ(1)のシリンダ部(1a)に、パッド(3)の摩擦材(3a)の摩耗によりピストン(4)が突出作動することを許容するシールリング(5)を介在して、摺動自在に嵌合するピストン(4)を有し、制動時にブレーキペダル(7)を踏み込んでブレーキ液を該シリンダ部(1a)に導入し、シールリング(5)を弾性変形させながら、該ピストン(4)によつてパッド(3)をディスク(8)に押圧させて制動力を得、制動解除時にブレーキペダル(7)の踏み込みを解除してブレーキ液を該シリンダ部(1a)から排出し、ピストン(4)がシールリング(5)の弾性変形によつて所定クリアランス(δ)だけ復帰し、パッド(3)とディスク(8)との間にクリアランスを形成するディスクブレーキ装置において、ブレーキペダル(7)の踏み込み状態を検出して検出信号を出力する制動状態検出手段(9)を設けると共に、該制動状態検出手段(9)の検出信号に基づいて作動し、制動開始初期に前記パッド(3)とディスク(8)との間のクリアランスが小さくなるように、前記シールリング(5)を変形させることなく、前記ディスク(8)に向けて所定隙間(C1 )だけ伸張する電気駆動式アジャスタ装置(6)を、該ピストン(4)とパッド(3)との間に介在させることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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- 1993-12-27 JP JP34701193A patent/JP3773211B2/ja not_active Expired - Fee Related
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