JP3772772B2 - 掘削工具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端縁に切刃が配設された円筒状のケーシングを有し、このケーシングをその軸線回りに周方向に回転させつつ、該軸線方向先端側に前進させて地盤に挿入するとともに、このケーシング内に残されるコアを排出して削孔を形成するのに用いられる掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような掘削工具を用いた掘削工法においては、上記円筒状のケーシングを外周側から掘削機の回転装置によってチャッキングしてその軸線回りに周方向に回転させつつ、この回転装置ごとケーシングを軸線方向先端側に緩やかに前進させて地盤に押し込み、上記切刃によって地盤を削りながらケーシングを挿入してゆく。しかして、こうして地盤に挿入されたケーシングの内部には円柱状にコアが残されるので、外周側からチャッキングされることによって解放された状態となっているケーシングの後端側から該ケーシング内にバケットを挿入し、このバケットによって上記コアを掻き崩して排出することにより、内周がケーシングによって覆われた削孔を形成することができる。さらに、このようにして形成された削孔内には、例えば鋼管が挿入されたりコンクリートが充填されたりし、しかる後に上記ケーシングは削孔から引き抜かれて取り出される。
【0003】
ところで、このような掘削工具を用いた掘削工法では、上述のようにケーシングは上記掘削機の回転装置によって回転されつつ緩やかに前進させられて地盤に挿入されてゆくが、このときケーシングの先端縁に設けられた切刃のみによって掘削が行われていると、周囲の地盤がケーシングの外周面に密着してその圧力によりケーシングが締め付けられ、一定の深さよりも深い削孔を形成することができなくなってしまう。そこで、この地盤の圧力によるケーシングの締め付けを抑制するために、掘削される削孔の内周をケーシングの外径よりも広げるように掘削する、いわゆる余堀が行われることがあり、このような余堀を行う掘削工具としては、上記ケーシングの先端縁に、上記切刃の他に刃部を備えたカッターをこのケーシングの軸線に平行な中心線回りに回転可能に軸部を介して取り付け、ケーシングが掘削時の正転方向に回転しているときには、この刃部がケーシング外周側に突出した状態でカッターが位置決めされるようにして、ケーシング外径よりも削孔の内径が大きくなるようにし、掘削された削孔内に鋼管を挿入したりコンクリートを充填したりした後にケーシングを引き抜く際には、このケーシングを上記正転方向とは反対の逆転方向に回転させることによって上記刃部がケーシング内周側に収容されるようにカッターを回転させて、刃部が削孔の内周に引っ掛からずにケーシングを削孔から引き抜き可能とするようにしたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような掘削工具においては、上記カッターがケーシングの先端縁に取り付けられているため、該カッターを回転可能に支持する上記軸部の径もケーシングの肉厚によって自ずと制限されざるを得ず、しかもカッターはこの軸部によって片持ち支持の状態で取り付けられることにもなるので、その取付剛性を確保することが甚だ困難となる。このため、上述のような掘削工具では、刃部を突出させて削孔を形成する際に過大な負荷がカッターに作用すると、上記軸部が折損してカッターが脱落したり、折損に至らないまでも軸部が変形してケーシングの引き抜き時にカッターがケーシング内周側に収容されなくなったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、このようにケーシングに、その外周側に開閉可能な刃部を有するカッターが取り付けられた掘削工具において、このカッターの取付剛性を向上させることが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに周方向に回転させられつつ該軸線方向先端側に前進させられる円筒状のケーシングの先端縁に切刃を配設するとともに、このケーシングの外周面には枠形に形成されるホルダを取り付け、このホルダに、略円柱状の軸部と該軸部の中心線方向中央部から外周側に突出する刃部とを備えたカッターを、上記軸部の中心線を上記ケーシングの軸線と略平行にして、上記ホルダがなす枠形の内周面に互いに同軸に対向するように配設される一対の取付孔に上記軸部の両端部を嵌挿させることにより、上記中心線回りに回転自在、かつ上記刃部が上記ホルダの枠形内に収容された回転位置と、該刃部が上記ホルダの外周に突出した回転位置とでそれぞれに位置決め可能に取り付けたことを特徴とする。従って、このような掘削工具においては、上記カッターがケーシングの外周面に取り付けられるホルダにその軸部の両端部を嵌挿させて回転可能に支持されるので、軸部が片持ち支持となることがなく、またケーシングの肉厚によって軸部の径が制限を受けることもなく、高い取付剛性で確実にカッターを支持することが可能となる。
【0007】
ここで、このように枠形に形成されるホルダの一対の取付孔に軸部の両端部を嵌挿して回転自在にカッターを取り付けるには、このカッターにおいて、上記刃部の上記軸部側の根元を該軸部の外径と等しい厚さとするとともに、上記ホルダにおいては、ケーシング後端側の上記取付孔を該ホルダに直接的に穿設して形成する一方、このホルダの先端面から上記枠形内周面にかけてはケーシング外周側を向く該ホルダの側面に開口する凹溝を上記中心線に沿って形成し、この凹溝の開口部の溝幅を上記カッターの刃部の根元部分が嵌挿可能な大きさとするとともに、該凹溝の溝底側は、少なくとも上記ホルダの先端面側を上記開口部側の溝幅よりも大きな幅とし、この溝底側に筒状のカラーを取り付けてその内周部をケーシング先端側の上記取付孔とすればよい。このような構成を採った場合には、上記凹溝の開口部に刃部の根元部分を嵌挿させて通過させてケーシング後端側のカッター軸部を取付孔に嵌挿し、次いでカラー内周部にケーシング先端側のカッター軸部を嵌挿しながら上記凹溝の溝底側に該カラーを取り付けることでカッターを回転自在にホルダに取り付けることができ、従って確実にカッターの軸部両端部を支持して取付剛性を向上させつつ、上述のように刃部の根元部分を軸部の直径と同じ幅として刃部の強度を向上させることができる。
【0008】
また、この場合には、上記凹溝の溝底側を、その少なくとも上記ホルダの先端面側が上記開口部側の溝幅よりも大きな径の断面円形状または多角形状となるように形成するとともに、上記カラーは、その外形形状を、この凹溝の溝底側に嵌合可能な断面円形または多角形としたり、ホルダの先端面から上記ケーシング外周側を向く側面にかけて、上記凹溝の開口部分を覆うようにカバーを取り付けたりすることにより、ケーシング先端側の軸部の取付剛性を一層確実に確保することができる。さらに、こうしてカバーを設ける場合には、このカバーを、上記凹溝の開口部側から挿通されて上記ホルダにネジ止めされるクランプネジにより着脱可能に取り付けることにより、カラーの脱落を確実に防ぎつつ、カッターの交換等を容易に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態においてケーシング1は概略円筒状をなし、その先端縁には図示されない切刃が周方向に間隔を開けて複数この周方向の一方向を向くように配設されており、このケーシング1の後端部外周が掘削機の回転装置にチャッキングされることにより、軸線O回りに上記一方向に回転されつつ該軸線O方向先端側に前進させられて上記切刃により削孔を形成する。従って、上記周方向のうち一方向が掘削時の工具回転方向T、すなわち正転方向とされる。そして、このケーシング1の外周面には、ケーシング1先端から僅かに後端側に離れた位置に、やはり周方向に等間隔をあけて複数(本実施形態では4つ)のカッター2…がそれぞれホルダ3を介して取り付けられている。
【0010】
ここで、カッター2は、略円柱状の軸部4の中心線X方向中央部にこの軸部4の外周側に突出する羽根形板状の刃部5が一体に形成されたものであって、この刃部5が軸部4に連なる根元部分5Aは軸部4の外径と等しい厚さの平板状とされており、従ってこの根元部分5Aの両側面と軸部4の外周とは滑らかに接するように連ねられる。また、この刃部5の根元部分5Aとは反対側は、その一方の側面5Bが軸部4の外周側に向かうに従い段階的に凸となる階段状に形成されており、その先端縁には超硬合金等の硬質材料よりなるチップ6がろう付け等により接合されて取り付けられ、切刃6Aが形成されている。なお、本実施形態では、上記側面5Bの最外周の段に2段のチップ6,6が取り付けられるとともに、これよりも内側の段には1つのチップ6が取り付けられ、各チップ6の切刃6Aはこの側面5Bから凸となる山形をなすとともに該側面5Bに対向する方向から見ても先端側に凸となる山形を呈し、またこの側面5Bから該側面5Bに連なるチップ6の側面は切刃6A側に向かうに従い漸次突出する面一な傾斜面とされている。さらに、この側面5Bとは反対側の刃部5の側面5Cは、外周側に向けて上記根元部分5Aに面一に延びた後に一方の側面5B側に傾斜し、次いでこの一方の側面5B側に一段凹むようにされて傾斜したまま刃部5の外周端に至るようにされている。
【0011】
一方、このようなカッター2が取り付けられる上記ホルダ3は、外形が略正方形の平板状をなし、その正方形をなす一方の側面3Aはケーシング1外周面の周方向の湾曲に合わせて凹曲させられていて、この一方の側面3Aがケーシング1外周面に当接させられた状態で溶接させられることにより、ケーシング1に固定されて取り付けられる。また、こうしてケーシング1に取り付けられた状態において、ホルダ3の軸線O方向略中央部には、上記一方の側面3Aから反対側のケーシング1外周側を向く他方の側面3Bにかけて貫通する長方形の窓部7が、ケーシング1の周方向に延びるように形成されており、これによりホルダ3は図示のように枠形に形成されることとなる。なお、この窓部7の軸線O方向の幅は、カッター2の刃部5の幅よりも僅かに大きく、かつ軸部4の長さよりは十分小さくされるとともに、該窓部7のケーシング1周方向の長さは、カッター2の軸部4から刃部5の突端までの長さよりも切刃6A一つ分ほど小さくされている。さらに、この窓部7の内周面のうち、ケーシング1先端側を向く内周面7Aには、その上記回転方向T後方側に、ケーシング1の軸線Oに平行に後端側に凹む断面円形の止まり穴がケーシング1後端側の取付孔8として形成されていて、この取付孔8の内径はカッター2の上記軸部4の後端部4Aが嵌挿可能な大きさとされる一方、これとは反対のケーシング1後端側を向く内周面7Bから当該ホルダ3の先端面3Cにかけては、上記側面3Bに開口する凹溝9が取付孔8の中心線方向に沿って延びるように形成されている。なお、窓部7の上記回転方向T側を向く内周面7Cはホルダ3の上記側面3Aに垂直な平面とされ、かつケーシング1先端側から見て上記取付孔8がなす円に回転方向Tの後方側から接する位置に形成されている。
【0012】
上記凹溝9は、その側面3B側の開口部9Aの幅が、上記カッター2の刃部5の根元部分5Aの厚さよりも極僅かに小さくされており、特にこの根元部分5Aがカッター2の軸部4の外径と等しくされた本実施形態では、この軸部4が嵌挿可能とされた上記取付孔8の内径と等しくされていて、該軸部4の中心線Xを取付孔8の中心線と同軸とした状態でカッター2を上記先端面3C側から凹溝9に挿入することにより、この根元部分5Aが上記開口部9Aに嵌挿されて刃部5が凹溝9を通過可能とされている。一方、この凹溝9の溝底部9Bは、そのケーシング1先端側すなわち上記先端面3C側の部分が、取付孔8の中心線と同軸で上記開口部9Aの幅よりも内径の大きな断面円形に形成されており、これにより当該凹溝9は上記先端面3C側から見て開口部9Aがくびれた前方後円形状とされる。なお、この先端面3C側の部分の奥に位置する凹溝9の溝底部9Bの上記内周面7B側の部分は、上記取付孔8と同軸同径の断面円形、すなわち該取付孔8の内径と等しい幅とされた上記開口部9Aと含めて断面U字状とされるか、あるいはこの開口部9Aと等しい幅のまま窓部7と同様にホルダ3の側面3A,3B間を貫通するように形成されており、これによりこの凹溝9の溝底部9Bの上記内周面7B側には、ホルダ3の先端面3C側から一段縮径する段部9Cが形成される。
【0013】
そして、この凹溝9の溝底部9Bの上記先端面3C側の部分には、上記取付孔8と等しい内径と該部分がなす円形断面の内径よりも極僅かに小さな外径とを有する有底円筒状のカラー10が、その開口部をケーシング1後端側すなわち取付孔8側に向けて先端面3C側から上記段部9Cに当接するまで嵌挿されて取り付けられており、こうして取り付けられることにより上記取付孔8に同軸に対向して上記窓部7側に開口することとなる該カラー10の内周部が、ホルダ3のケーシング1先端側の取付孔11とされる。なお、こうして取り付けられたカラー10の取付孔11の孔底と上記取付孔8の孔底との間の間隔はカッター2の軸部4の長さよりも僅かに小さくされていて、これらの孔底間に軸部4を位置させた状態でカッター2の刃部5は軸部4の中心線X方向に上記窓部7内に位置するようにされており、また取り付けられたカラー10のケーシング1先端側を向く面はホルダ3の先端面3Cと面一とされる。さらに、この先端面3Cからホルダ3の上記側面3Bにかけては、これらの面3B,3Cにおける上記凹溝9の開口部を覆うように、L字に折り曲げられた板状をなすカバー12がクランプネジ13によって着脱可能に取り付けられている。また、このカバー12の先端面12Aには、該先端面12Aから先端側に突出する四角柱状の突部12Bがカバー12と一体に形成されており、この突部12Bの先端側かつ回転方向T側には、やはり超硬合金等の硬質材料よりなるチップ14がろう付け等により接合されて取り付けられ、切刃14Aが形成されている。なお、本実施形態ではケーシング1の径方向に2段の上記チップ14が配設されて、各チップ14の切刃14Aは回転方向Tに凸となる山形をなすとともに回転方向T側から見ても先端側に凸となる山形を呈している。
【0014】
このように構成されたホルダ3に、上記カッター2は、上述のように軸部4の中心線Xを取付孔8の中心線と同軸としてこの軸部4の後端部4Aを取付孔8に向けて先端面3C側から凹溝9に挿入され、刃部5の根元部分5Aをこの凹溝9の上記開口部9Aに嵌挿しつつ該刃部5を通過させて軸部4の後端部4Aを取付孔8に嵌挿するとともに刃部5を窓部7に位置させ、さらに上記軸部4の先端部4Bを上記取付孔11に嵌挿させつつ凹溝9の溝底部9Bに先端面3C側からカラー10を挿入して取り付けた上で、ホルダ3にカバー12を取り付けることにより、中心線X回りに回転自在にホルダ3に取り付けられる。そして、このカッター2は、上記刃部5の突端が回転方向Tに向けて中心軸X回りにホルダ3側に回転したときには、このカッター2の長さが窓部7の周方向の長さよりも切刃6A一つ分長くされていることにより、図2に鎖線で示すようにこの突端側の切刃6Aあるいは該切刃6Aに連なるチップ6および刃部5の側面5Bが窓部7の外側の上記側面3Bに当接したところで、刃部5がケーシング1の内周側に閉じて上記窓部7に収容された状態で位置決めされ、逆に刃部5の突端が回転方向Tの後方側に向けて中心軸X回りにホルダ3から離れる方向に回転したときには、刃部5の根元部分5Aの側面が軸部4の外周に滑らかに連ねられていることと、窓部7の上記内周面7Cが取付孔8がなす円に回転方向Tの後方側から接する側面7Bに垂直な平面とされていることとにより、図2に実線で示すように上記根元部分5Aの背面側の側面が上記内周面7Cに当接して、刃部5がケーシング1の外周側に開き、切刃6Aが上記回転方向Tに向けられた状態で位置決めされる。
【0015】
しかして、このように構成された掘削工具にあっては、ケーシング1を軸線O回りに正転方向となる上記回転方向Tに回転させつつ前進させて、その先端縁の切刃によって削孔を形成する際には、カッター2の上記刃部5が地盤に接したところで該刃部5が上述のように回転方向Tの後方側に回転してケーシング1の外周側に開いた状態で位置決めされ、この状態のままケーシング1が回転、前進させられることにより、削孔の内周とケーシング1の外周面との間には、刃部5の切刃6Aとカバー12の先端の切刃14Aとによって掘削された分だけ間隔があけられて余堀が行われるので、地盤の圧力が直接ケーシング1外周面に作用して締め付けが生じるのが防がれ、削孔が深くなっても円滑な掘削を行うことができる。一方、掘削終了後にケーシング1を削孔から引き抜く際には、ケーシング1を上記回転方向Tとは反対の逆転方向に回転させることにより、刃部5がホルダ3側に回転してケーシング1の内周側に閉じた状態でカッター2が位置決めされるので、そのままケーシング1を後端側に引き上げれば、このカッター2が削孔に干渉したりするのを防いで円滑にケーシング1を削孔から抜き出すことができる。
【0016】
そして、上記構成の掘削工具では、このように刃部5がケーシング1の内外周側に開閉可能とされたカッター2が、その軸部4の両端部4A,4Bをケーシング1の外周面に取り付けられるホルダ3の上記取付孔8,11に嵌挿させることにより該軸部4の中心線X回りに回転自在とされており、すなわちカッター2の軸部4がその両端部4A,4Bでホルダ3に支持されているので、この軸部4が片持ち支持となることがなく、カッター2の取付剛性の向上を図ることができる。しかも、この軸部4の両端部4A,4Bは、上述のようにケーシング1の外周面に取り付けられたホルダ3に嵌挿されるので、従来のようにケーシングの肉厚が小さくてもこれに伴って軸部の径を小さくしたりする必要はなく、すなわち軸部4の径がケーシング1の肉厚によって制限を受けることが避けられて、必要な径を軸部4に与えることができて一層確実な取付剛性の確保を図ることが可能となる。このため、上記掘削工具によれば、上述のように刃部5を開いてケーシング1の外周面との間に隙間を確保するように削孔を形成した際に、掘削時の抵抗等によって過大な負荷がカッター2に作用したりしても、これにより軸部4が折損してカッター2が脱落してしまったり、あるいは軸部4の変形等によりケーシング1の引き抜き時に刃部5を閉じてケーシング1内周側に収容できなくなったりするような事態が生じるのを防止することができ、円滑かつ効率的な掘削を促すことができる。
【0017】
さらに、本実施形態では、こうしてカッター2の軸部4をホルダ3によって両端部4A,4Bが支持されるようにするに際し、このカッター2の刃部5の根元部分5Aを軸部4の外径と等しい厚さとするとともに、この軸部4の後端部4Aが嵌挿される上記ホルダ3のケーシング1後端側の取付孔8はホルダ3に直接的に穿設する一方、軸部4の先端部4Bが嵌挿されるケーシング1先端側の取付孔11は、ホルダ3の先端面3Cから窓部7にかけて該ホルダ3の側面3Bに開口する凹溝9を形成して、この凹溝9の溝底部9Bに取り付けたカラー10の内周部によって構成されるようにしている。そして、この凹溝9は、上記カラー10が取り付けられる溝底部9Bの先端面3C側部分が該カラー10が嵌挿可能な大きさとされる一方、側面3Bへの開口部9Aは上記刃部5の根元部分5Aが嵌挿可能な幅とされており、従って上述のようにこの刃部5の根元部分5の厚さを軸部4の径と等しくして該刃部5の強度を確保しても、ホルダ3の先端面3C側から刃部5を凹溝9に通過させつつカッター2を挿入した上でホルダ3に取り付けることができて、例えばホルダ3がケーシング1の外周面に溶接されていてもカッター2の取付や交換が可能であるとともに、軸部4の径を小さくしたりホルダ3の肉厚を必要以上に削いだりすることもなく、確実に軸部4の両端部4A,4Bを支持してその取付剛性の向上を図ることができる。
【0018】
しかも、この凹溝9は、カラー10が取り付けられる上記溝底部9Bの内径が開口部9Aの幅よりも大きくされて、この開口部9Aがくびれた形状とされており、従って上記カラー10は、凹溝9がケーシング1外周側の側面3Bに開口しているにもかかわらず、このくびれた開口部9Aによってケーシング1の外周側に係止された状態で凹溝9に取り付けられる。しかるに、削孔時のケーシング1の前進によってカッター2の開いた刃部5に作用する負荷は、この刃部5と一体とされた軸部4にはその後端部4Aを中心に該軸部4をケーシング1の後端内周側に折り曲げる方向に作用し、これにより軸部4の先端部4Bはカラー10ごと上記凹溝9の開口部9Aからケーシング1外周側に抜け出る方向に力を受けることとなるが、本実施形態によれば上述のようにカラー10がこの凹溝9の開口部9Aによって係止されることにより、大きな負荷が作用してもこのようなカラー10やカッター2の脱落が生じるのを防ぐことができ、軸部4をさらに確実にその両端部4A,4Bで支持することが可能となる。また、これに加えて本実施形態では、ホルダ3の先端面3Cからケーシング1外周側を向く側面3Bにかけてこの凹溝9の開口部9Aを覆うようにカバー12が取り付けられており、しかもこのカバー12は図示のように凹溝9の開口部9A側からねじ込まれるクランプネジ13によって取り付けられているので、より一層確実にカラー10やカッター2の脱落を防止することができる。
【0019】
なお、本実施形態では、この凹溝9の溝底部9Bの上記先端面3C側部分を取付孔3よりも大きな内径の断面円形とするとともに、この部分に取り付けられる上記カラー12を、その内径がカッター2の軸部4を嵌挿可能かつ外径が上記溝底部9B部分に嵌挿可能な大きさの円筒状としており、これにより、凹溝9やカラー12の形成が容易であるとともに、カラー12に上述のような力が作用しても、これを上記溝底部9B部分の全周で均等に受け止めることができるという利点を得ているが、これら溝底部9Bの先端面3C側部分やこの部分に嵌挿されるカラー12の断面を、例えば図7および図8に示すような正8角形等の正多角形など多角形状に形成して、互いに嵌合可能とするようにしてもよい。このような構成を採った場合には、凹溝部9やカラー12の形成の容易さは損なわれるものの、多角形同士の嵌合によってカラー12をより強固に凹溝9の溝底部9Bに取り付けることができ、軸部4の取付剛性のさらなる向上が図られる。
【0020】
ところで、本実施形態では、ケーシング1の先端縁に配設された複数の切刃がいずれも該ケーシング1の周方向のうち上記回転方向T(正転方向)となる一方向に向けられ、かつ複数の上記カッター2…もこの回転方向Tにケーシング1が回転する際に外周側に開くように、図1に示すようにすべて同じ向きに取り付けられていて、掘削時に削孔の内周とケーシング1外周面との間に間隔があけられるように余堀を行うのに用いられているが、このようなケーシング1を回転させつつ前進させて掘削を行う掘削工法では、このような余堀のほかに、削孔の孔底側でその内径を一段大きくし、ここにコンクリートを充填したりすることによって構造物の安定化を図る、いわゆる根付けを行うこともある。そこで、このような根付けを行う場合においては、上記ケーシング1の先端縁に、該ケーシング1の正転方向を向く切刃と逆転方向を向く切刃とを配設するようにして、ケーシング1が正逆いずれの方向に回転しても前進によって削孔を形成可能とするとともに、カッター2は掘削当初のケーシング1の回転方向Tとは逆転方向にケーシング1が回転したときに外周側に開くようにその向きを設定しておき、所定の深さまではケーシング1先端縁の正転方向を向く切刃によって削孔を形成し、孔底側に達したところでこのケーシング1を逆転方向に回転させてカッター2を開き、その刃部5とケーシング1先端縁の逆転方向を向く切刃とで、一段大きな内径の削孔を形成して根付けを行うようにしてもよい。
【0021】
また、同様にケーシング1の先端縁に正転方向を向く切刃と逆転方向を向く切刃とを配設するとともに、ケーシング1の外周面にも、該ケーシング1が正転方向に回転したときに開くカッター2と逆転方向に回転したときに開くカッター2とを設け、ただしこれらのカッター2は、逆転方向に開くカッター2のケーシング1外周側への刃部5の外径を正転方向に開くカッター2の刃部5の外径よりも大きくして異なるものとしておいて、掘削当初はケーシング1を正転方向に回転させつつ前進させて、この正転方向に開くカッター2により上記実施形態と同様に余堀を行いながら削孔を形成し、この削孔が所定の深さに達したなら、ケーシング1を逆転方向に回転させつつさらに前進させて、正転方向に開くカッター2を閉じるとともに逆転方向に開く刃部5の外径の大きいカッター2を開き、余堀が行われた削孔の孔底側にさらに根付けを行うことも可能である。さらに、こうして根付けを行った後に、再びケーシング1を正転方向に回転させつつ前進させ、このような正転と逆転とを繰り返しつつケーシング1を前進させれば、孔底側に向けて余堀と根付けが交互になされた多段状の削孔も形成可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケーシングの外周面に取り付けたホルダに軸部の両端部を嵌挿させてカッターが回転自在に支持されるので、この軸部が片持ち支持となることがなく、またケーシングの肉厚によって軸部の径が制限されることもないので、カッターの取付剛性の向上を図ることができ、掘削時に過大な負荷が生じた場合でも、軸部の折損や変形によってカッターが脱落したり刃部が閉じなくなったりするような事態を防止して、余堀を行うときでも円滑かつ効率的な掘削を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すケーシング1を先端側から見た正面図である。
【図2】 図1に示す実施形態のカッター2およびホルダ3周辺を示す拡大正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態のカッター2およびホルダ3周辺を示す拡大側面図である。
【図4】 図3に示すカッター2およびホルダ3を分解した側面図である。
【図5】 図4に示したホルダ3の(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図6】 図4に示したカラー10の(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図7】 図5に示したホルダ3の変形例を示す(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図8】 図6に示したカラー10の変形例を示す(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 カッター
3 ホルダ
4 軸部
4A,4B 軸部4の両端部
5 刃部
6A,14A 切刃
7 窓部
8 ケーシング1後端側の取付孔
9 凹溝
9A 凹溝9の開口部
9B 凹溝9の溝底部
10 カラー
11 ケーシング1先端側の取付孔
12 カバー
13 クランプネジ
O ケーシング1の中心軸線
X 軸部4の中心線
T 掘削時のケーシング1の回転方向(正転方向)
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端縁に切刃が配設された円筒状のケーシングを有し、このケーシングをその軸線回りに周方向に回転させつつ、該軸線方向先端側に前進させて地盤に挿入するとともに、このケーシング内に残されるコアを排出して削孔を形成するのに用いられる掘削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような掘削工具を用いた掘削工法においては、上記円筒状のケーシングを外周側から掘削機の回転装置によってチャッキングしてその軸線回りに周方向に回転させつつ、この回転装置ごとケーシングを軸線方向先端側に緩やかに前進させて地盤に押し込み、上記切刃によって地盤を削りながらケーシングを挿入してゆく。しかして、こうして地盤に挿入されたケーシングの内部には円柱状にコアが残されるので、外周側からチャッキングされることによって解放された状態となっているケーシングの後端側から該ケーシング内にバケットを挿入し、このバケットによって上記コアを掻き崩して排出することにより、内周がケーシングによって覆われた削孔を形成することができる。さらに、このようにして形成された削孔内には、例えば鋼管が挿入されたりコンクリートが充填されたりし、しかる後に上記ケーシングは削孔から引き抜かれて取り出される。
【0003】
ところで、このような掘削工具を用いた掘削工法では、上述のようにケーシングは上記掘削機の回転装置によって回転されつつ緩やかに前進させられて地盤に挿入されてゆくが、このときケーシングの先端縁に設けられた切刃のみによって掘削が行われていると、周囲の地盤がケーシングの外周面に密着してその圧力によりケーシングが締め付けられ、一定の深さよりも深い削孔を形成することができなくなってしまう。そこで、この地盤の圧力によるケーシングの締め付けを抑制するために、掘削される削孔の内周をケーシングの外径よりも広げるように掘削する、いわゆる余堀が行われることがあり、このような余堀を行う掘削工具としては、上記ケーシングの先端縁に、上記切刃の他に刃部を備えたカッターをこのケーシングの軸線に平行な中心線回りに回転可能に軸部を介して取り付け、ケーシングが掘削時の正転方向に回転しているときには、この刃部がケーシング外周側に突出した状態でカッターが位置決めされるようにして、ケーシング外径よりも削孔の内径が大きくなるようにし、掘削された削孔内に鋼管を挿入したりコンクリートを充填したりした後にケーシングを引き抜く際には、このケーシングを上記正転方向とは反対の逆転方向に回転させることによって上記刃部がケーシング内周側に収容されるようにカッターを回転させて、刃部が削孔の内周に引っ掛からずにケーシングを削孔から引き抜き可能とするようにしたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような掘削工具においては、上記カッターがケーシングの先端縁に取り付けられているため、該カッターを回転可能に支持する上記軸部の径もケーシングの肉厚によって自ずと制限されざるを得ず、しかもカッターはこの軸部によって片持ち支持の状態で取り付けられることにもなるので、その取付剛性を確保することが甚だ困難となる。このため、上述のような掘削工具では、刃部を突出させて削孔を形成する際に過大な負荷がカッターに作用すると、上記軸部が折損してカッターが脱落したり、折損に至らないまでも軸部が変形してケーシングの引き抜き時にカッターがケーシング内周側に収容されなくなったりするおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、このようにケーシングに、その外周側に開閉可能な刃部を有するカッターが取り付けられた掘削工具において、このカッターの取付剛性を向上させることが可能な掘削工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに周方向に回転させられつつ該軸線方向先端側に前進させられる円筒状のケーシングの先端縁に切刃を配設するとともに、このケーシングの外周面には枠形に形成されるホルダを取り付け、このホルダに、略円柱状の軸部と該軸部の中心線方向中央部から外周側に突出する刃部とを備えたカッターを、上記軸部の中心線を上記ケーシングの軸線と略平行にして、上記ホルダがなす枠形の内周面に互いに同軸に対向するように配設される一対の取付孔に上記軸部の両端部を嵌挿させることにより、上記中心線回りに回転自在、かつ上記刃部が上記ホルダの枠形内に収容された回転位置と、該刃部が上記ホルダの外周に突出した回転位置とでそれぞれに位置決め可能に取り付けたことを特徴とする。従って、このような掘削工具においては、上記カッターがケーシングの外周面に取り付けられるホルダにその軸部の両端部を嵌挿させて回転可能に支持されるので、軸部が片持ち支持となることがなく、またケーシングの肉厚によって軸部の径が制限を受けることもなく、高い取付剛性で確実にカッターを支持することが可能となる。
【0007】
ここで、このように枠形に形成されるホルダの一対の取付孔に軸部の両端部を嵌挿して回転自在にカッターを取り付けるには、このカッターにおいて、上記刃部の上記軸部側の根元を該軸部の外径と等しい厚さとするとともに、上記ホルダにおいては、ケーシング後端側の上記取付孔を該ホルダに直接的に穿設して形成する一方、このホルダの先端面から上記枠形内周面にかけてはケーシング外周側を向く該ホルダの側面に開口する凹溝を上記中心線に沿って形成し、この凹溝の開口部の溝幅を上記カッターの刃部の根元部分が嵌挿可能な大きさとするとともに、該凹溝の溝底側は、少なくとも上記ホルダの先端面側を上記開口部側の溝幅よりも大きな幅とし、この溝底側に筒状のカラーを取り付けてその内周部をケーシング先端側の上記取付孔とすればよい。このような構成を採った場合には、上記凹溝の開口部に刃部の根元部分を嵌挿させて通過させてケーシング後端側のカッター軸部を取付孔に嵌挿し、次いでカラー内周部にケーシング先端側のカッター軸部を嵌挿しながら上記凹溝の溝底側に該カラーを取り付けることでカッターを回転自在にホルダに取り付けることができ、従って確実にカッターの軸部両端部を支持して取付剛性を向上させつつ、上述のように刃部の根元部分を軸部の直径と同じ幅として刃部の強度を向上させることができる。
【0008】
また、この場合には、上記凹溝の溝底側を、その少なくとも上記ホルダの先端面側が上記開口部側の溝幅よりも大きな径の断面円形状または多角形状となるように形成するとともに、上記カラーは、その外形形状を、この凹溝の溝底側に嵌合可能な断面円形または多角形としたり、ホルダの先端面から上記ケーシング外周側を向く側面にかけて、上記凹溝の開口部分を覆うようにカバーを取り付けたりすることにより、ケーシング先端側の軸部の取付剛性を一層確実に確保することができる。さらに、こうしてカバーを設ける場合には、このカバーを、上記凹溝の開口部側から挿通されて上記ホルダにネジ止めされるクランプネジにより着脱可能に取り付けることにより、カラーの脱落を確実に防ぎつつ、カッターの交換等を容易に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態においてケーシング1は概略円筒状をなし、その先端縁には図示されない切刃が周方向に間隔を開けて複数この周方向の一方向を向くように配設されており、このケーシング1の後端部外周が掘削機の回転装置にチャッキングされることにより、軸線O回りに上記一方向に回転されつつ該軸線O方向先端側に前進させられて上記切刃により削孔を形成する。従って、上記周方向のうち一方向が掘削時の工具回転方向T、すなわち正転方向とされる。そして、このケーシング1の外周面には、ケーシング1先端から僅かに後端側に離れた位置に、やはり周方向に等間隔をあけて複数(本実施形態では4つ)のカッター2…がそれぞれホルダ3を介して取り付けられている。
【0010】
ここで、カッター2は、略円柱状の軸部4の中心線X方向中央部にこの軸部4の外周側に突出する羽根形板状の刃部5が一体に形成されたものであって、この刃部5が軸部4に連なる根元部分5Aは軸部4の外径と等しい厚さの平板状とされており、従ってこの根元部分5Aの両側面と軸部4の外周とは滑らかに接するように連ねられる。また、この刃部5の根元部分5Aとは反対側は、その一方の側面5Bが軸部4の外周側に向かうに従い段階的に凸となる階段状に形成されており、その先端縁には超硬合金等の硬質材料よりなるチップ6がろう付け等により接合されて取り付けられ、切刃6Aが形成されている。なお、本実施形態では、上記側面5Bの最外周の段に2段のチップ6,6が取り付けられるとともに、これよりも内側の段には1つのチップ6が取り付けられ、各チップ6の切刃6Aはこの側面5Bから凸となる山形をなすとともに該側面5Bに対向する方向から見ても先端側に凸となる山形を呈し、またこの側面5Bから該側面5Bに連なるチップ6の側面は切刃6A側に向かうに従い漸次突出する面一な傾斜面とされている。さらに、この側面5Bとは反対側の刃部5の側面5Cは、外周側に向けて上記根元部分5Aに面一に延びた後に一方の側面5B側に傾斜し、次いでこの一方の側面5B側に一段凹むようにされて傾斜したまま刃部5の外周端に至るようにされている。
【0011】
一方、このようなカッター2が取り付けられる上記ホルダ3は、外形が略正方形の平板状をなし、その正方形をなす一方の側面3Aはケーシング1外周面の周方向の湾曲に合わせて凹曲させられていて、この一方の側面3Aがケーシング1外周面に当接させられた状態で溶接させられることにより、ケーシング1に固定されて取り付けられる。また、こうしてケーシング1に取り付けられた状態において、ホルダ3の軸線O方向略中央部には、上記一方の側面3Aから反対側のケーシング1外周側を向く他方の側面3Bにかけて貫通する長方形の窓部7が、ケーシング1の周方向に延びるように形成されており、これによりホルダ3は図示のように枠形に形成されることとなる。なお、この窓部7の軸線O方向の幅は、カッター2の刃部5の幅よりも僅かに大きく、かつ軸部4の長さよりは十分小さくされるとともに、該窓部7のケーシング1周方向の長さは、カッター2の軸部4から刃部5の突端までの長さよりも切刃6A一つ分ほど小さくされている。さらに、この窓部7の内周面のうち、ケーシング1先端側を向く内周面7Aには、その上記回転方向T後方側に、ケーシング1の軸線Oに平行に後端側に凹む断面円形の止まり穴がケーシング1後端側の取付孔8として形成されていて、この取付孔8の内径はカッター2の上記軸部4の後端部4Aが嵌挿可能な大きさとされる一方、これとは反対のケーシング1後端側を向く内周面7Bから当該ホルダ3の先端面3Cにかけては、上記側面3Bに開口する凹溝9が取付孔8の中心線方向に沿って延びるように形成されている。なお、窓部7の上記回転方向T側を向く内周面7Cはホルダ3の上記側面3Aに垂直な平面とされ、かつケーシング1先端側から見て上記取付孔8がなす円に回転方向Tの後方側から接する位置に形成されている。
【0012】
上記凹溝9は、その側面3B側の開口部9Aの幅が、上記カッター2の刃部5の根元部分5Aの厚さよりも極僅かに小さくされており、特にこの根元部分5Aがカッター2の軸部4の外径と等しくされた本実施形態では、この軸部4が嵌挿可能とされた上記取付孔8の内径と等しくされていて、該軸部4の中心線Xを取付孔8の中心線と同軸とした状態でカッター2を上記先端面3C側から凹溝9に挿入することにより、この根元部分5Aが上記開口部9Aに嵌挿されて刃部5が凹溝9を通過可能とされている。一方、この凹溝9の溝底部9Bは、そのケーシング1先端側すなわち上記先端面3C側の部分が、取付孔8の中心線と同軸で上記開口部9Aの幅よりも内径の大きな断面円形に形成されており、これにより当該凹溝9は上記先端面3C側から見て開口部9Aがくびれた前方後円形状とされる。なお、この先端面3C側の部分の奥に位置する凹溝9の溝底部9Bの上記内周面7B側の部分は、上記取付孔8と同軸同径の断面円形、すなわち該取付孔8の内径と等しい幅とされた上記開口部9Aと含めて断面U字状とされるか、あるいはこの開口部9Aと等しい幅のまま窓部7と同様にホルダ3の側面3A,3B間を貫通するように形成されており、これによりこの凹溝9の溝底部9Bの上記内周面7B側には、ホルダ3の先端面3C側から一段縮径する段部9Cが形成される。
【0013】
そして、この凹溝9の溝底部9Bの上記先端面3C側の部分には、上記取付孔8と等しい内径と該部分がなす円形断面の内径よりも極僅かに小さな外径とを有する有底円筒状のカラー10が、その開口部をケーシング1後端側すなわち取付孔8側に向けて先端面3C側から上記段部9Cに当接するまで嵌挿されて取り付けられており、こうして取り付けられることにより上記取付孔8に同軸に対向して上記窓部7側に開口することとなる該カラー10の内周部が、ホルダ3のケーシング1先端側の取付孔11とされる。なお、こうして取り付けられたカラー10の取付孔11の孔底と上記取付孔8の孔底との間の間隔はカッター2の軸部4の長さよりも僅かに小さくされていて、これらの孔底間に軸部4を位置させた状態でカッター2の刃部5は軸部4の中心線X方向に上記窓部7内に位置するようにされており、また取り付けられたカラー10のケーシング1先端側を向く面はホルダ3の先端面3Cと面一とされる。さらに、この先端面3Cからホルダ3の上記側面3Bにかけては、これらの面3B,3Cにおける上記凹溝9の開口部を覆うように、L字に折り曲げられた板状をなすカバー12がクランプネジ13によって着脱可能に取り付けられている。また、このカバー12の先端面12Aには、該先端面12Aから先端側に突出する四角柱状の突部12Bがカバー12と一体に形成されており、この突部12Bの先端側かつ回転方向T側には、やはり超硬合金等の硬質材料よりなるチップ14がろう付け等により接合されて取り付けられ、切刃14Aが形成されている。なお、本実施形態ではケーシング1の径方向に2段の上記チップ14が配設されて、各チップ14の切刃14Aは回転方向Tに凸となる山形をなすとともに回転方向T側から見ても先端側に凸となる山形を呈している。
【0014】
このように構成されたホルダ3に、上記カッター2は、上述のように軸部4の中心線Xを取付孔8の中心線と同軸としてこの軸部4の後端部4Aを取付孔8に向けて先端面3C側から凹溝9に挿入され、刃部5の根元部分5Aをこの凹溝9の上記開口部9Aに嵌挿しつつ該刃部5を通過させて軸部4の後端部4Aを取付孔8に嵌挿するとともに刃部5を窓部7に位置させ、さらに上記軸部4の先端部4Bを上記取付孔11に嵌挿させつつ凹溝9の溝底部9Bに先端面3C側からカラー10を挿入して取り付けた上で、ホルダ3にカバー12を取り付けることにより、中心線X回りに回転自在にホルダ3に取り付けられる。そして、このカッター2は、上記刃部5の突端が回転方向Tに向けて中心軸X回りにホルダ3側に回転したときには、このカッター2の長さが窓部7の周方向の長さよりも切刃6A一つ分長くされていることにより、図2に鎖線で示すようにこの突端側の切刃6Aあるいは該切刃6Aに連なるチップ6および刃部5の側面5Bが窓部7の外側の上記側面3Bに当接したところで、刃部5がケーシング1の内周側に閉じて上記窓部7に収容された状態で位置決めされ、逆に刃部5の突端が回転方向Tの後方側に向けて中心軸X回りにホルダ3から離れる方向に回転したときには、刃部5の根元部分5Aの側面が軸部4の外周に滑らかに連ねられていることと、窓部7の上記内周面7Cが取付孔8がなす円に回転方向Tの後方側から接する側面7Bに垂直な平面とされていることとにより、図2に実線で示すように上記根元部分5Aの背面側の側面が上記内周面7Cに当接して、刃部5がケーシング1の外周側に開き、切刃6Aが上記回転方向Tに向けられた状態で位置決めされる。
【0015】
しかして、このように構成された掘削工具にあっては、ケーシング1を軸線O回りに正転方向となる上記回転方向Tに回転させつつ前進させて、その先端縁の切刃によって削孔を形成する際には、カッター2の上記刃部5が地盤に接したところで該刃部5が上述のように回転方向Tの後方側に回転してケーシング1の外周側に開いた状態で位置決めされ、この状態のままケーシング1が回転、前進させられることにより、削孔の内周とケーシング1の外周面との間には、刃部5の切刃6Aとカバー12の先端の切刃14Aとによって掘削された分だけ間隔があけられて余堀が行われるので、地盤の圧力が直接ケーシング1外周面に作用して締め付けが生じるのが防がれ、削孔が深くなっても円滑な掘削を行うことができる。一方、掘削終了後にケーシング1を削孔から引き抜く際には、ケーシング1を上記回転方向Tとは反対の逆転方向に回転させることにより、刃部5がホルダ3側に回転してケーシング1の内周側に閉じた状態でカッター2が位置決めされるので、そのままケーシング1を後端側に引き上げれば、このカッター2が削孔に干渉したりするのを防いで円滑にケーシング1を削孔から抜き出すことができる。
【0016】
そして、上記構成の掘削工具では、このように刃部5がケーシング1の内外周側に開閉可能とされたカッター2が、その軸部4の両端部4A,4Bをケーシング1の外周面に取り付けられるホルダ3の上記取付孔8,11に嵌挿させることにより該軸部4の中心線X回りに回転自在とされており、すなわちカッター2の軸部4がその両端部4A,4Bでホルダ3に支持されているので、この軸部4が片持ち支持となることがなく、カッター2の取付剛性の向上を図ることができる。しかも、この軸部4の両端部4A,4Bは、上述のようにケーシング1の外周面に取り付けられたホルダ3に嵌挿されるので、従来のようにケーシングの肉厚が小さくてもこれに伴って軸部の径を小さくしたりする必要はなく、すなわち軸部4の径がケーシング1の肉厚によって制限を受けることが避けられて、必要な径を軸部4に与えることができて一層確実な取付剛性の確保を図ることが可能となる。このため、上記掘削工具によれば、上述のように刃部5を開いてケーシング1の外周面との間に隙間を確保するように削孔を形成した際に、掘削時の抵抗等によって過大な負荷がカッター2に作用したりしても、これにより軸部4が折損してカッター2が脱落してしまったり、あるいは軸部4の変形等によりケーシング1の引き抜き時に刃部5を閉じてケーシング1内周側に収容できなくなったりするような事態が生じるのを防止することができ、円滑かつ効率的な掘削を促すことができる。
【0017】
さらに、本実施形態では、こうしてカッター2の軸部4をホルダ3によって両端部4A,4Bが支持されるようにするに際し、このカッター2の刃部5の根元部分5Aを軸部4の外径と等しい厚さとするとともに、この軸部4の後端部4Aが嵌挿される上記ホルダ3のケーシング1後端側の取付孔8はホルダ3に直接的に穿設する一方、軸部4の先端部4Bが嵌挿されるケーシング1先端側の取付孔11は、ホルダ3の先端面3Cから窓部7にかけて該ホルダ3の側面3Bに開口する凹溝9を形成して、この凹溝9の溝底部9Bに取り付けたカラー10の内周部によって構成されるようにしている。そして、この凹溝9は、上記カラー10が取り付けられる溝底部9Bの先端面3C側部分が該カラー10が嵌挿可能な大きさとされる一方、側面3Bへの開口部9Aは上記刃部5の根元部分5Aが嵌挿可能な幅とされており、従って上述のようにこの刃部5の根元部分5の厚さを軸部4の径と等しくして該刃部5の強度を確保しても、ホルダ3の先端面3C側から刃部5を凹溝9に通過させつつカッター2を挿入した上でホルダ3に取り付けることができて、例えばホルダ3がケーシング1の外周面に溶接されていてもカッター2の取付や交換が可能であるとともに、軸部4の径を小さくしたりホルダ3の肉厚を必要以上に削いだりすることもなく、確実に軸部4の両端部4A,4Bを支持してその取付剛性の向上を図ることができる。
【0018】
しかも、この凹溝9は、カラー10が取り付けられる上記溝底部9Bの内径が開口部9Aの幅よりも大きくされて、この開口部9Aがくびれた形状とされており、従って上記カラー10は、凹溝9がケーシング1外周側の側面3Bに開口しているにもかかわらず、このくびれた開口部9Aによってケーシング1の外周側に係止された状態で凹溝9に取り付けられる。しかるに、削孔時のケーシング1の前進によってカッター2の開いた刃部5に作用する負荷は、この刃部5と一体とされた軸部4にはその後端部4Aを中心に該軸部4をケーシング1の後端内周側に折り曲げる方向に作用し、これにより軸部4の先端部4Bはカラー10ごと上記凹溝9の開口部9Aからケーシング1外周側に抜け出る方向に力を受けることとなるが、本実施形態によれば上述のようにカラー10がこの凹溝9の開口部9Aによって係止されることにより、大きな負荷が作用してもこのようなカラー10やカッター2の脱落が生じるのを防ぐことができ、軸部4をさらに確実にその両端部4A,4Bで支持することが可能となる。また、これに加えて本実施形態では、ホルダ3の先端面3Cからケーシング1外周側を向く側面3Bにかけてこの凹溝9の開口部9Aを覆うようにカバー12が取り付けられており、しかもこのカバー12は図示のように凹溝9の開口部9A側からねじ込まれるクランプネジ13によって取り付けられているので、より一層確実にカラー10やカッター2の脱落を防止することができる。
【0019】
なお、本実施形態では、この凹溝9の溝底部9Bの上記先端面3C側部分を取付孔3よりも大きな内径の断面円形とするとともに、この部分に取り付けられる上記カラー12を、その内径がカッター2の軸部4を嵌挿可能かつ外径が上記溝底部9B部分に嵌挿可能な大きさの円筒状としており、これにより、凹溝9やカラー12の形成が容易であるとともに、カラー12に上述のような力が作用しても、これを上記溝底部9B部分の全周で均等に受け止めることができるという利点を得ているが、これら溝底部9Bの先端面3C側部分やこの部分に嵌挿されるカラー12の断面を、例えば図7および図8に示すような正8角形等の正多角形など多角形状に形成して、互いに嵌合可能とするようにしてもよい。このような構成を採った場合には、凹溝部9やカラー12の形成の容易さは損なわれるものの、多角形同士の嵌合によってカラー12をより強固に凹溝9の溝底部9Bに取り付けることができ、軸部4の取付剛性のさらなる向上が図られる。
【0020】
ところで、本実施形態では、ケーシング1の先端縁に配設された複数の切刃がいずれも該ケーシング1の周方向のうち上記回転方向T(正転方向)となる一方向に向けられ、かつ複数の上記カッター2…もこの回転方向Tにケーシング1が回転する際に外周側に開くように、図1に示すようにすべて同じ向きに取り付けられていて、掘削時に削孔の内周とケーシング1外周面との間に間隔があけられるように余堀を行うのに用いられているが、このようなケーシング1を回転させつつ前進させて掘削を行う掘削工法では、このような余堀のほかに、削孔の孔底側でその内径を一段大きくし、ここにコンクリートを充填したりすることによって構造物の安定化を図る、いわゆる根付けを行うこともある。そこで、このような根付けを行う場合においては、上記ケーシング1の先端縁に、該ケーシング1の正転方向を向く切刃と逆転方向を向く切刃とを配設するようにして、ケーシング1が正逆いずれの方向に回転しても前進によって削孔を形成可能とするとともに、カッター2は掘削当初のケーシング1の回転方向Tとは逆転方向にケーシング1が回転したときに外周側に開くようにその向きを設定しておき、所定の深さまではケーシング1先端縁の正転方向を向く切刃によって削孔を形成し、孔底側に達したところでこのケーシング1を逆転方向に回転させてカッター2を開き、その刃部5とケーシング1先端縁の逆転方向を向く切刃とで、一段大きな内径の削孔を形成して根付けを行うようにしてもよい。
【0021】
また、同様にケーシング1の先端縁に正転方向を向く切刃と逆転方向を向く切刃とを配設するとともに、ケーシング1の外周面にも、該ケーシング1が正転方向に回転したときに開くカッター2と逆転方向に回転したときに開くカッター2とを設け、ただしこれらのカッター2は、逆転方向に開くカッター2のケーシング1外周側への刃部5の外径を正転方向に開くカッター2の刃部5の外径よりも大きくして異なるものとしておいて、掘削当初はケーシング1を正転方向に回転させつつ前進させて、この正転方向に開くカッター2により上記実施形態と同様に余堀を行いながら削孔を形成し、この削孔が所定の深さに達したなら、ケーシング1を逆転方向に回転させつつさらに前進させて、正転方向に開くカッター2を閉じるとともに逆転方向に開く刃部5の外径の大きいカッター2を開き、余堀が行われた削孔の孔底側にさらに根付けを行うことも可能である。さらに、こうして根付けを行った後に、再びケーシング1を正転方向に回転させつつ前進させ、このような正転と逆転とを繰り返しつつケーシング1を前進させれば、孔底側に向けて余堀と根付けが交互になされた多段状の削孔も形成可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケーシングの外周面に取り付けたホルダに軸部の両端部を嵌挿させてカッターが回転自在に支持されるので、この軸部が片持ち支持となることがなく、またケーシングの肉厚によって軸部の径が制限されることもないので、カッターの取付剛性の向上を図ることができ、掘削時に過大な負荷が生じた場合でも、軸部の折損や変形によってカッターが脱落したり刃部が閉じなくなったりするような事態を防止して、余堀を行うときでも円滑かつ効率的な掘削を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すケーシング1を先端側から見た正面図である。
【図2】 図1に示す実施形態のカッター2およびホルダ3周辺を示す拡大正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態のカッター2およびホルダ3周辺を示す拡大側面図である。
【図4】 図3に示すカッター2およびホルダ3を分解した側面図である。
【図5】 図4に示したホルダ3の(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図6】 図4に示したカラー10の(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図7】 図5に示したホルダ3の変形例を示す(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【図8】 図6に示したカラー10の変形例を示す(イ)正面図、(ロ)側面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 カッター
3 ホルダ
4 軸部
4A,4B 軸部4の両端部
5 刃部
6A,14A 切刃
7 窓部
8 ケーシング1後端側の取付孔
9 凹溝
9A 凹溝9の開口部
9B 凹溝9の溝底部
10 カラー
11 ケーシング1先端側の取付孔
12 カバー
13 クランプネジ
O ケーシング1の中心軸線
X 軸部4の中心線
T 掘削時のケーシング1の回転方向(正転方向)
Claims (6)
- 軸線回りに周方向に回転させられつつ該軸線方向先端側に前進させられる円筒状のケーシングの先端縁に切刃が配設されるとともに、このケーシングの外周面には枠形に形成されるホルダが取り付けられ、このホルダに、略円柱状の軸部と該軸部の中心線方向中央部から外周側に突出する刃部とを備えたカッターが、上記軸部の中心線を上記ケーシングの軸線と略平行にして、上記ホルダがなす枠形の内周面に互いに同軸に対向するように配設される一対の取付孔に上記軸部の両端部を嵌挿させることにより、上記中心線回りに回転自在、かつ上記刃部が上記ホルダの枠形内に収容された回転位置と、該刃部が上記ホルダの外周に突出した回転位置とでそれぞれに位置決め可能に取り付けられていることを特徴とする掘削工具。
- 上記カッターにおいて、上記刃部の上記軸部側の根元は該軸部の外径と等しい厚さとされるとともに、上記ホルダにおいては、ケーシング後端側の上記取付孔が該ホルダに直接的に穿設されて形成される一方、このホルダの先端面から上記枠形内周面にかけてケーシング外周側を向く該ホルダの側面に開口する凹溝が上記中心線に沿って形成され、この凹溝の開口部の溝幅は上記カッターの刃部の根元部分が嵌挿可能な大きさとされるとともに、該凹溝の溝底側は、少なくとも上記ホルダの先端面側が上記開口部側の溝幅よりも大きな幅とされ、この溝底側に筒状のカラーが取り付けられてその内周部がケーシング先端側の上記取付孔とされることを特徴とする請求項1に記載の掘削工具。
- 上記凹溝の溝底側は、少なくとも上記ホルダの先端面側が上記開口部側の溝幅よりも大きな径の断面円形状とされるとともに、上記カラーは、その外形形状が、この凹溝の溝底側に嵌合可能な断面円形とされていることを特徴とする請求項2に記載の掘削工具。
- 上記凹溝の溝底側は、少なくとも上記ホルダの先端面側が上記開口部側の溝幅よりも大きな径の断面多角形状とされるとともに、上記カラーは、その外形形状が、この凹溝の溝底側に嵌合可能な断面多角形とされていることを特徴とする請求項2に記載の掘削工具。
- 上記ホルダの先端面から上記ケーシング外周側を向く側面にかけては、上記凹溝の開口部を覆うようにカバーが取り付けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の掘削工具。
- 上記カバーは、上記凹溝の開口部側から挿通されて上記ホルダにネジ止めされるクランプネジにより着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の掘削工具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002079284A JP3772772B2 (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | 掘削工具 |
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