JP3772603B2 - 配向測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙、不織布、フィルムをはじめとするシート状物質のみならず、プラスチック、ゴム、セラミックなどの成型品のような立体的物品も含めて、それらの配向性あるいは誘電的異方性をマイクロ波により測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シート状物質の配向を測定する方法としては、従来からX線回折、赤外二色性、力学的破断強度、超音波伝搬速度、複屈折、偏光蛍光法、マイクロ波法などが用いられてきている。
これらの中で、試料が走行中に測定できる、いわゆるオンライン測定装置として実用化されている方法は、複屈折による方法のみである。これは、屈折率の異方性つまりシート面内での複屈折率あるいはレターデーション(複屈折率×厚さ)を求める方法であり、特開平4−89553号公報などに紹介されている。
しかし、この複屈折を用いる方法は、可視光(偏光)を透過させて測定する必要があるため、透明フィルムのようにある程度、光を透過する物質でないと測定できないという問題があった。
そこで、発明者らはマイクロ波誘電体共振器を用いて、試料の片側から検出部を接触もしくは近接させることにより、配向を測定する装置を考案した(特開平10−325811号公報参照)。この方法は、基本的に誘電体共振器が試料の片側から接触あるいは近接したときの共振周波数の変化を利用するものであり、PETフィルムなどのシート状物質をオンラインで測定する事が可能な方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
PETフィルムなどの延伸された高分子フィルムに比べて、比較的誘電的異方性が小さいもの、例えば、紙、不織布などに適用するためには、実用上わずかな共振周波数の変化をより正確に捉える必要があることがわかってきた。
本発明は以上のような課題を解決し、従来の方法よりさらに高精度にかつ安定して測定でき、測定対象も紙に代表されるように比較的異方性の小さいものに対しても高い感度を得られる配向測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る配向測定装置は、試料に接近又は接触する測定平面を備え、試料の一面側のみに配置された1個の誘電体共振器と、前記誘電体共振器をその試料測定面を除いて実質的に覆い、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面と間隙を有するように配置される導電性材料からなるシールド容器と、試料が存在するときの前記誘電体共振器の共振周波数近傍の周波数で、かつ前記平面に平行な試料内平面において一方向成分をもつ電界ベクトルをその誘電体共振器に発生させるマイクロ波用励振装置と、その誘電体共振器による透過エネルギー又は反射エネルギーを検出する検出装置と、前記試料又は前記誘電体共振器を前記平面に平行な面内で回転させる回転機構と、前記回転機構による回転にともなう前記検出装置の検出出力の変化から試料の誘電的異方性を求めるデータ処理装置と、を備え、
且つ、前記誘電体共振器が角柱状または円柱状であって、その柱の片側の底面を試料測定面とした場合に、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面との間隙のうち、該試料測定面に対向する底面とシールド容器の間隙が . 2から0 . 8mmであり、該対向する底面とシールド容器間に誘電損失率がポリエチレンテレフタレートの誘電損失率以下の物質を挟んで離間する構造としたことにより、Q値が誘電体共振器の該対向する底面とシールド容器が接触している時に較べて向上していることを特徴とする。また、更に前記誘電損失率がポリエチレンテレフタレートの誘電損失率以下の物質が平板または円盤状のスペーサおよび該スペーサ周囲の空気であることが好ましい。
また、前記測定平面及びその面に対向する底面以外の前記誘電体共振器の面と前記シールド容器との間隙を2から5mm離すように構成することが感度向上の上で好ましい。また、スペーサが該スペーサの支持する柱の面の略中央部を一点支持することが感度向上の上で好ましい。また誘電体共振器の試料測定面以外の面と前記シールド容器との間隙の少なくとも一部を、試料測定面の外縁部分を全て含むように誘電率および誘電損率の小さい物質によって塞ぐように構成することにより、ごみ等が測定部に入ることを防ぎ、感度向上の上でも好ましい。また励振装置と前記検出装置の端子は、前記誘電体共振器の試料に接近又は接触する平面に垂直な方向に配置された棒状のロッドアンテナにすることが感度向上の上で好ましい。また複数の誘電体共振器をその発生する電界ベクトル方向を変えて配置することにより上記のような回転機構を使用せずに誘電的異方性を求めることもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1(A)に一実施形態を概略的に示す。誘電体共振器20に対し、適当なマイクロ波用ロッドアンテナ22a,22bを誘電体共振器20に対して適当な位置に適当な方向で配置することにより、誘電体共振器20を共振させ、かつ誘電体共振器20から外部にしみだした電界ベクトルが存在するような共振モードを作ることができる。尚、本図ではシールド容器を簡単のために図示を省略している。その共振モードとしては、誘電体共振器20が角柱状(方形)の場合にはTMモードやTEモード、円柱形の場合にはHEMモードなどがある。電界ベクトル24の強度は誘電体共振器20から離れるにつれてほぼ指数関数的に減少していくが、誘電体共振器20から僅かな距離を離して、又は誘電体共振器20に接触させて試料25を置くことにより、電磁的結合により試料の誘電率に応じて共振周波数がシフトする。
【0006】
発振器26から出たマイクロ波はロッドアンテナ22aにより誘電体共振器20と電磁的に結合し、誘電体共振器20は共振状態となることができる。誘電体共振器20の電界ベクトルは試料25の面にほぼ平行な形で現われ、試料25のもつ双極子モーメントとの相互作用が起こる。ここで、試料25又は誘電体共振器20を試料25と誘電体共振器20との平行面内で回転させながら、検出器28に現われるマイクロ波強度をその回転角度に対応して検出することにより、その強度の角度依存性から配向状態を求めることができる。コントローラ30は発振器26から発生するマイクロ波の周波数を制御し、検出器28によるマイクロ波強度を取り込む。32はその検出されたマイクロ波強度の角度依存性から配向状態を求めるデータ処理装置としてのコンピュータである。
【0007】
次に配向測定の原理を説明する。誘電体共振器20において、透過マイクロ波強度と周波数との間には図2(A)に示されるような関係がある。この共振カーブをQカーブと呼ぶ。Qカーブは、試料25が置かれることによって、以下の関係により変化する。
【0008】
【数1】
Figure 0003772603
【0009】
その変化を示したのが図2(B)である。試料25が誘電体共振器20と対向する平面内に異方性をもつ場合、試料25又は誘電体共振器20をその平面に平行な面内で回転させると、例えば図3(A)のように、誘電体共振器20に対する試料25の相対的な回転角度位置(S)ごとにQカーブのピーク周波数(共振周波数)が変化する。この回転の中で、例えば最も高周波側にシフトしたQカーブにおいて、そのピーク周波数での透過マイクロ波検出強度をIとし、高周波側での検出強度がI/2となる周波数をf1とする。周波数f1での各回転角度の透過マイクロ波検出強度は、図3(B)の断面として示されるものである。それを回転角度Sを横軸にして書き直すと、図4(A)に示されるようになる。さらにそれを極座標系に書き直すと、図4(B)のように楕円となり、この結果から配向角度(φ:基準方向と誘電率最大の方向とのなす角度)及び配向度(a/b)を求めることができる。aはその楕円の長軸長さ、bは単軸長さである。ここで、長軸aと短軸bの差は異方性の程度を表す。
【0010】
上記のような、誘電体共振器の感度をより向上させるためには、まず共振の鋭さ(Q値)をさらに大きくして、共振曲線をシャープにすることが有効であると考えた。そこで本発明者等は誘電体共振器の形状、シールド容器の形状、それらの関係等について種々の試行を重ねた。その結果、誘電体共振器の形状については、角柱状(方形状)が円柱状(円筒形状)より好ましいことが分かった。
円柱状(円筒形状)誘電体共振器では、円柱の底面を試料測定平面とした場合、その共振モードがHEM11δモードの場合、試料が存在する平面における電界ベクトル群がほぼ同一方向を向いているため配向測定に向いているが、HEM21δモードやTE01δモードでは、電界ベクトルが四方に向いたり、円を描くように分布するため、配向測定には好ましくない。
【0011】
一方、角柱状(方形状)誘電体共振器では、角柱の底面を試料測定平面とした場合、その形状から電界ベクトルが平行になり、たとえばTM101やTM201モードなど、ほとんどのTMモードが異方性測定に好ましい。
また、角柱状の方は電界ベクトルが完全に平行になるのに比べて、円形の方はたとえHEM11δモードであっても完全には平行にならず、端部分は円に沿って曲線になるため、異方性検出の感度は角柱状(方形)に比べて低いと思われる。
これらの各モードにおける電界が誘電体共振器の外部にもエバネセント波としてしみ出しており、このしみ出した電界ベクトルの方向とロッドアンテナの方向を合致させることにより、電磁的に結合されるため、共振エネルギーを供給したり、反対側に同様のアンテナを置けば、そこから共振エネルギーを取り出すことができる。
【0012】
また、試料測定面以外の面とシールド容器との距離を適度に離すことが有効であることを見出した。また、その最適値を見いだした。
この値は具体的には、誘電体共振器の底面(測定面と対向する面)とシールド容器の間は0.2から0.8mm好ましくは0.3から0.6mmが好適であった。また、誘電体共振器の側面とシールド容器の間はロッドアンテナのない側面では2から5mm好ましくは1から3mmが好適であった。また、ロッドアンテナのある側面であってもほぼ同様であった。ただし、こちらのロッドアンテナのある側面の間隔の方が先の間隔より、より狭い方がより好適であった。なお以上の数値は使用周波数や誘電体共振器の寸法にも依存しており、現在の寸法である底面(30mm*20mm)、高さ(20mm)程度では先ほどの値程度が好ましいと考えられる。この寸法がより小さくなった場合や使用周波数が現在使用しているギガヘルツ程度より上がれば間隔をより短距離にすることが好ましいと考えられる。いずれにしても誘電体共振器とシールド容器が接触しないことが好ましい。
【0013】
また、測定面に対向する誘電体共振器の底面(測定面と対向する面)とシールド容器とが接触する面の間に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や石英等の誘電損失率の小さい物質をスペーサとして挿入することで、Q値が大幅に向上し、正確な共振周波数の測定が可能となることがわかった。スペーサはできるだけ小さい、できれば無い状態で間隔を保てれば良いが、実用的には数mm角の平板または直径数mmの円盤等を使用した。つまりスペーサや空気を誘電損失率が小さい物質として誘電体共振器の底面(測定面と対向する面)とシールド容器間に挟んで離間するような構造であることが好ましい
【0014】
さらに、ロッドアンテナの長さや太さついても最適にすることでQ値が向上することもわかった。
また、紙、不織布などの製造ラインで実際に使用する場合には、紙粉やゴミなどの微細な異物が誘電体共振器とシールド容器との間隙部に入りこれらが堆積し、これによって測定値が少しずつずれることもわかってきた。このため、紙粉などの異物が混入しないようにすることが必要であることが分かった。この紙粉や更には液体などの混入防止については、誘電体共振器とシールド容器との間隙の一部または全部を誘電率が小さくかつ誘電損失率が小さい物質(例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン))で埋めることにより、Q値をほとんど落とすことなく、異物混入を防ぐことができることがわかった。とくに好ましくは、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面と前記シールド容器との間隙を、少なくとも試料測定面の外縁部分を含むように埋めることが良かった。またこのように間隙を埋めた場合、先に説明したような測定面に対向する誘電体共振器の底面(測定面と対向する面)とシールド容器とが接触する面の間にスペーサとして挿入した誘電損失率の小さい物質を挿入せずにすみ、一層の高いQ値を確保できる。
あるいは、同様に誘電率が小さくかつ誘電損失率が小さい物質(例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン))の薄いシートで検出部全体を覆うことによっても同様の目的が達成できることもわかった。
【0015】
また、以上のような測定を試料と検出部の相対位置を回転させて行う代わりに複数個の測定部をそれぞれの電界ベクトルの方向が異なるように配置して迅速に測定することができる。
以上に説明したような複数個の測定部を用いて試料の誘電的異方性、つまり分子配向あるいは繊維配向を測定する1つの方法としては、図5に示したように例えば30度毎に6個の誘電体共振器の発生する電界ベクトル方向を変えて配備し、各誘電体共振器での周波数シフト量(ブランク時の共振周波数−試料が有る時の共振周波数)を求める。図5は6個の誘電体共振器を発生する電界ベクトル方向を変えて配置した状態を示す平面図である。このように配置した6個の誘電体共振器から得られる周波数シフト量を極座標上にプロットし、この6ポイントで楕円近似すれば、配向パターンと呼ぶ楕円が図6に示されるように計算により得られる。図6は6個の誘電体共振器から得られた配向パターンの一例を示す図である。図6中の楕円上の点が図5のそれぞれの誘電体共振器から得られたデータを示す。
【0016】
また、複数個の検出部の個体差(同一試料を接触させても同一の共振周波数シフトをしないで、わずかに差異が生ずること)をできるだけ小さくする必要があり、そのために測定部が試料と接触または近接する面をできるだけフラットにすることが好ましい。この場合複数個の測定部の面をフラットにする方法として、一枚のフラットな金属塊から誘電体共振器を埋める部分のみを削り出して、その中に誘電体共振器を埋め込む方法を考案した。これによって、非測定物であるシート状物質のたわみによる悪影響を無くすことができた。その一例を図7に示した。図7は6個の誘電体共振器を一つの金属ケースに30度毎に方向を変えて配置した一例を示すものである。この図のように配置することにより、非常に小さな面積の中に30度毎に6個の誘電体共振器を方向を変えて配置することが可能になった。
【0017】
以上の説明の中で、繊維配向を測定する場合、何故誘電率の異方性を測るのが妥当なのかの説明を省いたが、平均的かつマクロ的に見た場合の繊維の配向角度(繊維が並んでいる方向)と、シート面内における巨視的な誘電率の最大方向とが一致することは周知の事実であるので、ここでの説明は省略する。
【0018】
このような複数の測定部を使用した場合、信号処理的には、図8のようにマイクロ波掃引発振器から出た信号を6個の誘電体共振器に分配し、透過強度を検波ダイオードで電圧に変換する。これを増幅、A/D変換し、ピーク検出回路によってピーク位置が検出される。周波数の掃引は一定の周期で繰り返され、かつ掃引中のみハイレベルとなる同期信号が同時にマイクロ波掃引発振器から出ているため、この同期信号がハイレベルになる瞬間から透過強度が最大値をとるまでの時間を測定すれば、共振周波数が求められる。図8は6個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図である。例えば、250MHzを10msecで掃引する場合のタイムチャートを図9に示す。図9は図8に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャートである。
【0019】
【実施例】
誘電体共振器のQ値(共振の鋭さ)を向上させるために、図10に示すように誘電体共振器20の底面とシールド容器40の間にスペーサ41を介在させた。図10(a)は誘電体共振器をシールド容器に入れた状態を示す平面図であり、図10(b)は同図の横断面図である。スペーサ41の厚さとQ値との関係は、4GHzでTM201モードの共振をさせた場合、図11
のように変化した。図11はスペーサの厚さとQ値の関係を示す図であり、(A)はスぺーサ41が金属シートの場合、(B)はスぺーサ41がPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの場合である。この結果からスペーサ41の厚みは0.5mm前後がQ値向上には最適な厚さであることがわかった。
本図からスペーサが無い、すなわち誘電体共振器の該対向する底面とシールド容器が接触している時からある範囲のスペーサの厚さまでの間はQ値がスペーサの無い時に較べてQ値の最大値をも含みながら向上している範囲があり、
この範囲が測定上好ましい。
スペーサや空気を誘電損失率が小さい物質として誘電体共振器の底面(測定面と対向する面)とシールド容器間に挟んで離間するような構造としているが、誘電損失率の小さい物質として挙げた上記ポリテトラフルオロエチレン、石英、PET(ポリエチレンテレフタレート)、空気の中ではポリエチレンテレフタレートが誘電損失率が最大であるので、ポリエチレンテフタレートより誘電損失率が低い物質が好ましいことになる。
【0020】
図12及び図13に、スペーサの有無によるQ値の違いを測定した結果を示す。横軸は周波数、縦軸はマイクロ波透過強度を示す。図12はスぺーサを使用せずに誘電体共振器20の底面をシールド容器に直接接触させた場合である。図13はスペーサ41を介在させた場合である。それぞれの図において下側に示したスペクトル(B)はそれぞれのスペクトル(A)における同じ周波数位置のピークを、横軸を100倍に拡大して示したものである。図12と13を比較すると、スペーサ41を付けることでQ値が360から1050に上昇している。これによって、ピーク検出つまり共振周波数の測定精度が大幅に向上した。
【0021】
スペーサに用いる材料としては、金属、高分子フィルムなどがあるが、誘電的ロスの少ない石英板などが好ましい。
また、スペーサ40は誘電体共振器20の底面の複数個所、例えば誘電体共振器20が角柱状(方形)である場合にはその底面の4隅に小さく分けて配置することもできるが、そのように複数個所に配置するよりも、図10に示したように中央部に1枚置く方がQ値が高くなることもわかった。結局スペーサはできるだけ小さい方が好ましい。発明者等は試行の結果、数mm角の平板状または数mmの直径の円盤状のスペーサを使用した。
【0022】
ロッドアンテナ22a、22bは、図10に示したように誘電体共振器20とシールド容器40の金属壁のほぼ中央に配置させるのが好ましく、長さは長くすると受信マイクロ波強度は大きくなるがQ値は下がる傾向があり、誘電体共振器20の高さの1/2から2/3程度にするのが好ましい。また太さは、細いほどQ値が高いが、強度との関係から直径0.1から0.5mm程度が好ましい。
【0023】
誘電体共振器20を図10に示したように配置して、誘電体共振器とシールド容器とのギャップを上述したように適当に開けることで、例えば図14に示すように、誘電体共振器20表面で電界ベクトルがすべて長軸方向に平行になる共振モード(TM201)を作ることができる。(A)は平面図における誘電体共振器20表面での電界ベクトルを示したもの。(B)はスペーサ41を通るように垂直方向に切断した位置における誘電体共振器20の内部の電界ベクトルを示したものである。図14ではロッドアンテナの図示を略しているが、図10と同様に配置されている。このような共振モードが、試料の誘電率の異方性を測定する上で最適なモードの一つである。
【0024】
誘電体共振器20とシールド容器40とのギャップを図15のように、ポリテトラフルオロエチレンのような低誘電率、低誘電損失率の物質42で埋めることで、Q値をほとんど落とすことなく異物混入を防ぐことができる。図15で、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【0025】
また、図16に示したように、シールド容器の高さを低くし、代わりに上述のような低誘電率、低誘電損失率の物質43を取り付けることによりQ値をほとんど落とすことなく、かつ共振モードを変えることなく異物混入を防ぐことができる。図16で、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【0026】
また、図17に示すように、誘電体共振器20はその上面がシールド容器40の開口縁及び誘電体共振器20とシルールド容器40とのギャップを含むセンサ全体を、ポリテトラフルオロエチレンのシート44で覆うことによっても異物混入を防ぐことができる。図17で、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【0027】
図18(A)は厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せた場合(左側)と、被せなかった場合(右側)のマイクロ波透過強度スペクトルの同じピークを示したものである。誘電率の変化により共振周波数のシフトは見られるが、ピークの形状はほとんど変化していないのでQ値も下がっていない。
図18(B)はセンサ全体をポリテトラフルオロエチレンのシート44で覆った状態で、ポリテトラフルオロエチレンのシート44上に試料としてのPETフィルムを載せて共振周波数のシフトを測定した結果を示したものである。右側のピークは試料を載せていない場合、左側のピークは試料を載せた場合であり、このように誘電体共振器20とシールド容器40とのギャップに異物が混入するのを防ぎながら、試料の誘電率の異方性を測定することができる。
以上の図15、16、17に示したような測定系では測定面を上向きにした例を説明したが、測定面が鉛直方向や斜め方向になるように使用しても良い。
以上の図15、16、17に示したような測定系では42、43、44の部材によって挟むことや、接着剤を使用することにより誘電体共振器20を機械的に保持させればスペーサ41を使用せずに済み、よりQ値を向上させることもできる。
【0028】
また図10に示したような測定系において底面のスペーサの代わりにスペーサを円柱または角柱状誘電体共振器の側面を両側から挟んで支持するように配置することもできる。この場合スペーサによって誘電体共振器を支える必要があるので接着剤を使用したり、スペーサに弾性力を持たせて支えたりすることが必要になる。またこのような場合の特殊な場合として測定面を略鉛直方向にするとスペーサは下方から支えるだけで良く、誘電体共振器を挟む必要はなくなる。いずれにしても角柱の場合は側面側からスペーサを使用する場合はその場合スペーサによって支える側面にはアンテナがないほうがより好ましい。
【0029】
また、6個の誘電体共振器を入れたシールド容器を30度毎に方向を変えて配備する場合、従来は6個のシールド容器を個別に平面上に配備していたが、試料のたわみによる測定値の変動を防ぐ意味でも、図19に示すように、表面がフラットな金属塊45に直方体の穴Hを6個所開けて、その中に誘電体共振器20・・・を埋め込む方が、試料のたわみが無くなり、結果として安定してかつ精度良く測定できることがわかった。図19で、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【0030】
この測定ヘッドを用いて実際に2軸延伸PETを測定した例を図20に示す。図20は配向角を測定した状態のディスプレイを示す図である。ディスプレイ上の上側の折れ線グラフの前半部(左側)は配向角度が60度で安定して測定できていることが分かる。次に、巻き取りを反転させて裏側を測定すると、上側の折れ線グラフの後半部(右側)が相当するが、配向角度も−60度前後となり、理論通り(絶対値が同じで符号が反対)の結果となった。また、この配向角度は、ラボ用の配向測定装置である分子配向計(王子計測機器社製MOA3001A)による配向角度と一致した。
【0031】
また、王子製紙社製アラミド紙を測定した結果を図21に示す。配向角度はほぼ0度を示しており、これは繊維の配向方向が平均的に見てMD(マシンの流れ方向)を向いていることを意味し、この値は前述の王子計測機器社製の分子配向計で測定した結果と一致した。
【0032】
【発明の効果】
誘電体共振器をその試料測定面を除いて実質的に覆い、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面と間隙を有するように導電性材料からなるシールド容器を配置することによってQ値を上げ、感度を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の原理を説明する一実施形態の概略斜視図、(B)はその等価回路図である。
【図2】(A)は誘電体共振器における透過マイクロ波強度と周波数の関係を示すQカーブの図であり、(B)は誘電率変化に伴う共振周波数シフトを示す図である。
【図3】(A)は試料又は誘電体共振器を回転させたときのQカーブの変化を示す図であり、(B)は特定の周波数での断面を示す図である。
【図4】(A)は図3の(B)の断面を回転角度Sを横軸にして書き直した図であり、(B)はさらにそれを極座標系に書き直した図である。
【図5】6個の誘電体共振器を発生する電界ベクトル方向を変えて配置した状態を示す平面図である。
【図6】図5に示した6個の誘電体共振器から得られた配向パターンの一例を示す図である。
【図7】6個の誘電体共振器を一つの金属ケースに30度毎に方向を変えて配置した一例を示す平面図である。
【図8】6個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図である。
【図9】図8に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャートである。
【図10】(a)は誘電体共振器をシールド容器に入れた状態を示す平面図であり、(b)は同図の横断面図である。
【図11】スペーサの厚さとQ値の関係を示す図であり、(A)はスぺーサ41が金属シートの場合、(B)はスぺーサ41がPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの場合である。
【図12】スペーサの有無によるQ値の違いを測定した結果を示し、横軸は周波数、縦軸はマイクロ波透過強度を示す。スぺーサを使用せずに誘電体共振器20の底面をシールド容器に直接接触させた場合である。
【図13】スペーサの有無によるQ値の違いを測定した結果を示し、横軸は周波数、縦軸はマイクロ波透過強度を示す。スペーサ41を介在させた場合である。
【図14】(A)は平面図における誘電体共振器20表面での電界ベクトルを示したもの。(B)はスペーサ41を通るように垂直方向に切断した位置における誘電体共振器20の内部の電界ベクトルを示したものである。
【図15】誘電体共振器20とシールド容器40とのギャップを物質42で埋めた状態を示し、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【図16】シールド容器の高さを低くし、代わりに物質43を取り付けた状態を示し、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【図17】誘電体共振器20の上面でシールド容器40の開口縁及び誘電体共振器20とシルールド容器40とのギャップを含むセンサ全体を、シート44で覆った状態を示し、(A)は平面図、(B)は垂直断面図である。
【図18】図18(A)は厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレンシートを被せた場合(左側)と、被せなかった場合(右側)のマイクロ波透過強度スペクトルの同じピークを示したものであり、(B)はセンサ全体をポリテトラフルオロエチレンのシート44で覆った状態で、ポリテトラフルオロエチレンのシート44上に試料としてのPETフィルムを載せて共振周波数のシフトを測定した結果を示したものであり、右側のピークは試料を載せていない場合、左側のピークは試料を載せた場合である。
【図19】金属塊45に直方体の穴Hを6個所開けて、その中に誘電体共振器20・・・を埋め込んだ状態を示し、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図20】2軸延伸PETの配向角を測定した状態のディスプレイを示す図である。
【図21】アラミド紙の配向角を測定した状態のディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
20:誘電体共振器
22a、22b:ロッドアンテナ
40:シールド容器
41:スペーサ

Claims (7)

  1. 試料に接近又は接触する測定平面を備え、試料の一面側のみに配置された1個の誘電体共振器と、前記誘電体共振器をその試料測定面を除いて実質的に覆い、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面と間隙を有するように配置される導電性材料からなるシールド容器と、試料が存在するときの前記誘電体共振器の共振周波数近傍の周波数で、かつ前記平面に平行な試料内平面において一方向成分をもつ電界ベクトルをその誘電体共振器に発生させるマイクロ波用励振装置と、その誘電体共振器による透過エネルギー又は反射エネルギーを検出する検出装置と、前記試料又は前記誘電体共振器を前記平面に平行な面内で回転させる回転機構と、前記回転機構による回転にともなう前記検出装置の検出出力の変化から試料の誘電的異方性を求めるデータ処理装置と、を備え、
    且つ、前記誘電体共振器が角柱状または円柱状であって、その柱の片側の底面を試料測定面とした場合に、前記誘電体共振器の試料測定面以外の面との間隙のうち、該試料測定面に対向する底面とシールド容器の間隙が . 2から0 . 8mmであり、該対向する底面とシールド容器間に誘電損失率がポリエチレンテレフタレートの誘電損失率以下の物質を挟んで離間する構造としたことにより、Q値が誘電体共振器の該対向する底面とシールド容器が接触している時に較べて向上していることを特徴とする配向測定装置。
  2. 前記誘電損失率がポリエチレンテレフタレートの誘電損失率以下の物質が平板または円盤状のスペーサおよび該スペーサ周囲の空気である請求項1記載の配向測定装置。
  3. 前記測定平面及びその面に対向する底面以外の前記誘電体共振器の面と前記シールド容器との間隙を2から5mm離すように構成した請求項1または2項に記載の配向測定装置。
  4. 前記スペーサが該スペーサの支持する柱の面の略中央部を一点支持する請求項2から3のいずれか一項に記載の配向測定装置。
  5. 前記誘電体共振器の試料測定面以外の面と前記シールド容器との間隙の少なくとも一部を、試料測定面の外縁部分を全て含むように誘電率および誘電損失率の小さい物質によって塞ぐように構成した請求項1から4のいずれか一項に記載の配向測定装置。
  6. 前記励振装置と前記検出装置の端子は、前記誘電体共振器の試料に接近又は接触する平面に垂直な方向に配置された棒状のロッドアンテナである請求項1から5のいずれか一項に記載の配向測定装置。
  7. 前記回転機構の代わりに前記誘電体共振器をその発生する電界ベクトル方向を変えて複数個有する請求項1から6のいずれか一項に記載の配向測定装置。
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