JP4581820B2 - 配向測定装置および配向測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙の繊維配向もしくはフィルムなどの高分子シートの分子配向を、オンラインで測定する方法および装置に関するものである。特に誘電体共振器を用いて、その共振周波数の変化から繊維配向あるいは分子配向を測定する技術に関する。
特許文献1に誘電体共振器を用いた配向計の例が示されている。誘電体共振器を複数個並べ、各誘電体共振器における共振周波数のシフト量から紙の繊維配向やフィルムの分子配向をオンラインで測定する方法が記載されている。ここで共振周波数のシフト量とは、試料がない状態での共振周波数から試料があるときの共振周波数を引いた周波数の差分量のことである。
この方法は、例えば図1に示すような誘電体共振器を用いる。図1は誘電体共振器の構造を示す平面図である。矩形誘電体共振器1が一方のアンテナ2aより励振され、もう一方のアンテナ2bから出力を出す。矩形誘電体共振器1やアンテナ2a,2bはシールドケース4内に収容されている。この誘電体共振器の近傍に試料をおくと図2に示すように共振周波数が試料無しのブランクの状態から低周波数側にシフトする。図2は誘電体共振器においてこの試料有無に因る誘電率変化に伴う共振周波数のシフトを示す図である。図中MDとは試料が紙試料の場合に抄紙機の紙の流れ方向(マシンディレクション)を意味し、CDは抄紙機の紙の流れ方向の直角方向(クロスディレクション)を意味する。Δf=f−f(f)で表されるシフト量が試料の誘電率と厚みの積に比例するため、図3のように予め方向を例えば72°ずつ変えて5個の矩形誘電体共振器1a〜1eを配備し、各シフト量を極座標上にプロットすれば、図4のような誘電率の異方性に対応した配向パターンが得られる。図3は5個の誘電体共振器を配置した配向計測定部3の一例を示す平面図である。図4は図3に示した5個の誘電体共振器から得られた配向パターンの一例を示す図である。この図4に示した配向パターンの長軸方向から繊維あるいは分子鎖の配向方向が、また長軸と短軸の差または比から配向の程度がわかる。
特開平10−325811号公報
上記のような測定原理に基き、実際にオンラインで走行している紙の繊維配向を測定すると、種々の問題が発生した。その一つが、共振周波数のシフト量が適切に測定できていないという問題である。そのために、本来の配向パターンが得られなかった。本発明者等は接触方式によって紙の配向について種々の測定を繰り返した。紙の走行中のバタツキなどによって接触状態も変動し、それによって紙と誘電体共振器の測定面とのギャップが変動し、これによって測定する共振周波数が変動するという基本的な問題が考えられた。しかし、それ以上に共振周波数が適切に測定されていないことが実際にオンライン測定の結果わかった。
そのような変動の原因について考察した結果次のようなことがわかった。元来、誘電体共振器の共振周波数は共振ピークレベルには無関係である。つまり、誘電体共振器に入るマイクロ波のパワーが変化し、それによって共振ピークレベルが変化しても共振周波数は一定のはずである。ところが、実際には共振ピークレベルが変わると共振周波数が変化していることがわかった。例えば図5に示すように、共振ピークレベルが上がると共振周波数も上がる傾向にあった。図5は共振ピークレベルとそのときの共振周波数との関係をそれぞれの誘電体共振器No.1からNo.5について示した一例の図である。
この原因について本発明者等が追求したところ、増幅回路に起因することがわかった。共振周波数をリアルタイムに近い高速で測定するために、図6に示したような信号処理系を用いて図7に示したタイムチャートで共振周波数を測定する。図6は5個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図である。また図7は図6に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャートである。マイクロ波発振手段の一つであるマイクロ波スイーパ発振器21から出た信号をアイソレータ22a〜22eを介して誘電体共振器1a〜1eに分配している。マイクロ波スイーパ発振器を図中スイーパと表示している。誘電体共振器からの出力は検波ダイオード23a〜23eで電圧に変換されその後増幅+A/D変換回路部24a〜24eを通ってピーク検出+平均化処理回路部25a〜25eに入る。つまり、図7に示したようにマイクロ波スイーパ発振器により周波数を掃引し、そのスイープ信号21sからスタートパルス部分を検知して共振レベルがピークに達するまでの時間を測定し、その時間から比例計算によって共振周波数を求める。例えば周波数を4ギガヘルツを中心に250MHz掃引によって連続的に周波数を上げるとすると、マイクロ波透過強度から共振カーブが得られる。このピーク周波数が求める共振周波数となる。これは、掃引開始タイミングをスイープ信号の立ち上がりであるスタートパルス部分によって検知できるため、そこからピークレベルに達するまでの時間を計測し、10msecで250MHzの掃引速度から計算して共振周波数が測定される。これを、例えば50msecの周期で繰り返し、20回平均で1つの共振周波数としている。このように1回の掃引時間は10msecと非常に短く、高速で信号を増幅し、デジタル処理を行っているわけである。
図8に図6に示した回路中の一つの誘電体共振器についての回路をさらに詳細に示した。すなわち一つの誘電体共振器検出系の回路である。先に説明した増幅+A/D変換回路部24aは、一例としては増幅回路31とA/Dコンバータ部LSI32からなる。増幅+A/D変換回路部24aからのディジタル出力はピーク検出+平均値化処理回路部25aに入る。ピーク検出+平均化処理回路部は、一例としてはピーク検出LSIと平均化処理LSIからなる。ピーク検出LSIは正確に言えば共振ピークレベル検出回路を持ち、このLSIにおいて共振ピーク検出を行い、平均化処理LSIでは各スイープ毎に得られる共振ピーク周波数の平均化処理を行っている。
これらの各誘電体共振器検出系からの信号を後段のパソコン27にまとめて送信したり、各増幅+A/D変換回路部24a〜24e、ピーク検出+平均化処理回路部25a〜25eを各誘電体共振器系毎に制御し、動作させるために制御機能をもつマイクロコンピュータ部26がピーク検出+平均化処理回路部の後段に接続されている。このマイクロコンピュータ部26からの出力を演算して配向の向きや量を測定して、各データとして表示したり記憶したりするパソコン27がマイクロコンピュータ部に接続されている。
ここで、図8において増幅+A/D変換回路部24aにおいて増幅後の出力にはノイズによるリップルが含まれているため、増幅回路31ではコンデンサC1と抵抗R2から構成されるRC回路をフィードバックラインに挿入し、リップル電圧を吸収軽減し、変動の少ない直流電圧を得ている。このためコンデンサC1は本増幅回路では必須となっている。
このようなC1やR2が所謂時間遅れ要素となり、そのために、増幅回路には図9に示すような遅れ(時定数)が生じる。図9は増幅回路に入力されるステップ入力波形と増幅回路から出力される波形を示す波形図である。すなわち、立ち上がり時間の非常に短い、理想的なステップ状パルスPsを入力しても、増幅器の出力波形は理想的なステップ状にはならず、図のようにゆるやかに立ち上がる応答波形となる。一般的に最終出力電圧の63.2%に達するまでの時間を時定数τと呼び、コンデンサの容量C1と抵抗値R2の積で表される。すなわち時定数(τ)=R2・C1 また本回路において増幅率(|G|) =Vo/Vi=R2/R1で求められる。ここでVo:出力電圧、Vi:入力電圧である。
このような増幅回路を使用した回路に掃引時間10msecという高速で掃引した場合の共振器出力を入力すると、増幅後の共振カーブ波形は図10に示すように共振ピークレベル電圧について変化する。図10は共振カーブの共振ピークレベル電圧が上昇していくにつれて共振カーブ自体がどのように変化するかを示した図である。共振カーブは理想的には共振ピークレベル電圧が上昇しても図中左右対称になるべきである。しかし、実際には、図中右側では対称形から少しずれてピーク周波数が高い側に倒れこむような共振カーブになる。図から分かるように、共振ピークレベル電圧が高ければ高いほど共振ピーク周波数が高い側にシフトすることを示している。すなわち、回路を含む共振器系が同じでも共振ピークレベル電圧が変わるだけで、本来ならば同じであるはずの共振ピーク周波数が変わってしまうという現象が発生し、これが真の共振周波数を測定することができない原因となっていたことが分かった。図中では最も大きな本来の理想的な共振カーブC1が増幅系の遅れによる実際の共振カーブC2となるわけである。
本発明は以上のような検討の結果わかった共振ピークレベル電圧のシフトの影響を受けないような配向測定装置を得ることを目的とする。
本発明に係る配向計は、
マイクロ波発信手段に接続される複数の誘電体共振器、
該誘電体共振器に接続されてその出力を増幅する時間遅れ要素を含む増幅回路、
該増幅回路に接続されてその出力から共振ピークレベルを検出する共振ピークレベル検出回路、
マイクロ波発信手段から共振ピークレベル検出回路までの間に挿入される量可変電気信号減衰/増幅手段を備えてなる、複数の誘電体共振器を含むそれぞれの誘電体共振器検出系を有し、
該それぞれの誘電体共振器検出系の共振ピークレベル検出回路からの出力を、別途設定する目標共振ピークレベルと比較し目標共振ピークレベルに近づくように前記量可変電気信号減衰/増幅手段に対する減衰度または増幅度を変える信号を演算出力する演算手段、を備える。
共振ピークレベル検出回路からの出力を、別途設定する目標共振ピークレベルと比較し目標共振ピークレベルに近づくように量可変電気信号減衰/増幅手段であるプログラマブルアッテネータに対して演算手段制御であるコンピュータがその減衰度または増幅度を変える信号を送って制御するので、常に共振ピークレベルが一定に制御されるので共振ピークレベルのシフトによる共振ピーク周波数についての真の値とのずれの影響をあまり受けずに配向を測定できる。
前記誘電体共振器検出系が更にアナログ/ディジタル変換回路部を有し、該アナログ/ディジタル変換回路部の入力範囲内で目標共振ピークレベル電圧を設定することが更に好ましい。これは更に好ましくはアナログ/ディジタル変換回路部(A/D変換回路)の入力範囲のできるだけ大きい値をとることによってダイナミックレンジがとれるので精度が良くさせるということであり、若干最大値より下げておくことでオバーシュート時のマージンを残すという主旨である。
量可変電気信号減衰/増幅手段がプログラマブルアッテネ−タであって、誘電体共振器と前記マイクロ波発信機との接続の間に接続することが構成上好ましい。
量可変電気信号減衰/増幅手段が前記増幅回路と兼用であっても良い。この場合はこの増幅回路の増幅率をアナログ又はディジタル的に可変な増幅回路にすることが好ましい。
本発明に係る配向測定方法は、マイクロ波発信手段に接続される複数の誘電体共振器からの出力をそれぞれ増幅し、
増幅したそれぞれの出力から共振ピークレベルをそれぞれ検出し、
それぞれの誘電体共振器に対応する共振ピークレベルを、別途設定する目標共振ピークレベルと比較、演算し、該目標共振ピークレベルに近づくように、前記マイクロ波発信手段から誘電体共振器への出力または誘電体共振器からの出力を減衰または増幅することを含む配向測定方法である。
本発明の測定方法及び装置は、誘電体共振器の共振ピークから求める共振周波数の測定の誤差がより少なくなる。また試料のあるときと無い時の共振周波数の差から配向の程度をもとめる配向測定においてより正確な配向測定が可能となる。
そこでこのような図10に示した共振ピークレベルA1、A2、A3、A4の変動、とそれに対応した共振ピーク周波数T1、T2,T3、T4の変化について、これらの各共振ピーク周波数の変動を本来の位置、図中共振ピーク周波数の正常位置Tnに修正することを考えたがこれは相当の波形シミュレーション演算等を行う必要があり実際上は実現困難であると考えた。
本発明者等は簡易的な方法として、ある一定の共振ピークレベル、例えば図中A3で表される一つの共振ピ−クレベルと同じレベルになるように補正をすれば、その共振ピークレベルに応じたあるずれを持った共振周波数として評価されるが、各誘電体共振器によって得られるデータ毎の共振ピークレベルの相違による誤差はかなり押さえられると考えた。これはさらに結局、最終的に求める配向の強さがサンプル測定時の共振周波数とブランク時の共振周波数の差に基づいて算出されるため、さきに説明したあるずれがあってもそれ自体も差演算時にとり除かれる方向になると考えられるので実際のずれの影響は更に小さなものになると予想された。
この共振ピークレベルは、例えば先に説明したように5つの誘電体共振器を使用した場合5個異なるものが得られるのが普通である。この5個の共振ピークレベルを常に一定にそろえるために、プログラマブルアッテネータを導入した。これは、電気信号によって任意の減衰量(アッテネーションレベル)が得られるものである。従って量可変電気信号減衰手段と呼べる。例えば、図11に示したような一例としての7ビットモデルのプログラマブルアッテネータの場合、各ビットに加わる電気信号(TTLレベル)の組合せにより、最小分解能0.125dBで最大15.875dBまで任意の減衰量が段階的に得られるものである。図11はプログラマブルアッテネーターの働きを示す図である。図中に入力される7ビット信号に対応するプログラマブルアッテネーターの減衰量を表にして示している。すなわち、この7ビット信号の組合せによりマイクロ波入力Pinの減衰量を制御し、Poutとして誘電体共振器の手前のアッテネータに出力できる。減衰量は、減衰量(dB)=−Log10(Pout/Pin)で表される。
このような測定においては信号の形状等にできるだけ変化を与えず、また単純な回路構成を保つ上でアッテネータ(減衰器)が使用されるのが普通である。しかし、これらの利点を無視すれば増幅器も同様に共振ピークレベルをそろえるという目的で使用することは可能である。したって、原理的には量可変電気信号減衰/増幅手段が使用可能ではある。
尚、実際に5つの誘電体共振器の5個の共振ピークレベルを調べるとすべて同じレベルになく、少しずつ異なっていることがわかった。この原因は、誘電体共振器の個体差など種々の原因が考えられる。
上述のプログラマブルアッテネーターを図12に示したブロック図のように入れてパソコンを利用した制御ループにより、フィードバック制御を行うことを考えた。図13は先の図6に示した誘電体共振器からの信号を処理する回路にプログラマブルアッテネーターを入れた状態を示す本発明の配向計の誘電体共振器の回路のブロック図である。図中図6に示した各構成部分と同じ番号を付した部分は同様の部分で同様の機能を奏するものである。なお、パソコン27はこのようなプログラマブルアッテネーターを制御する機能をソフト的に加わったものになるので図6のそれとは機能的には異なるものとなる。図6のように5つの誘電体共振器を使用する場合はその5つの誘電体共振器の回路のそれぞれに図13に示したようにプログラマブルアッテネーター33a〜33eを入れるわけである。
すなわち、マイクロ波スイーパ発振器、図中省略してスイーパと記載している、から出たマイクロ波は分配され5個のプログラマブルアッテネータ33a〜33eに入り、ここでそれぞれのプログラマブルアッテネータにパソコン27から送られる電気信号34sによって決められた量だけ減衰される。減衰されたマイクロ波はアイソレータ22a〜22eを通り、5個の誘電体共振器1a〜1eにそれぞれ入力される。共振レベルは反対側のアンテナで検出され、透過強度を検波ダイオード23a〜23eで電圧に変換する。その後増幅+A/D変換回路部24a〜24eを通り、ピーク検出+平均化処理回路部25a〜25eに送られる。ピーク検出LSIにおいて共振周波数が測定される。図中、各誘電体共振器検出系の部材の部番は適宜省略してある。周波数はアナログランプ掃引されているため、マイクロ波スイーパ発振器から出るスイープ信号の立ち上がりパルスRP(図7参照)を検出し、その時点から検波電圧がピークに達するまでの時間を測定する。予め掃引速度(単位時間あたりの周波数の掃引幅)(例えば250MHz/10msec)とスタート時の周波数(例えば4000.000MHz)が分かっているので、電圧がピークに達するまでの時間から比例計算によって共振周波数が計算される。つまりマイクロ波スイーパ発振器から発振されるマイクロ波の周波数の掃引が一定の周期で繰り返され、かつ掃引中のみハイレベルとなるスイープ信号が同時にマイクロ波スイーパ発振器から出ているため、このスイープ信号が立ちあがる瞬間から透過強度が最大値をとるまでの時間を測定すれば、共振周波数が求められるということである。
また、この共振ピークレベル電圧はマイクロコンピュータ26を介してパソコン27に送られ、目標の共振ピークレベル電圧と比較され、その偏差(目標の共振ピークレベル電圧−現在のピークレベル電圧)に応じてプログラマブルアッテネータの減衰量を決定し、パソコンからデジタル信号を出すことによってプログラマブルアッテネータの減衰量を変え、目標の共振ピークレベル電圧に調整する。すなわちパソコンが目標共振ピークレベル電圧と比較し差演算に基づき演算を行う演算手段となるわけである。この処理が各誘電体検出器系、図12の例では5系統にそれぞれ行われるわけである。
尚、目標の共振ピークレベル電圧は増幅+A/D変換回路部24a〜24eのA/D変換の入力電圧範囲の中で、入力オーバーがないように少し余裕を見てできるだけ高い値に設定する。例えば最大入力電圧の90%等の値とする。尚、このA/D変換への入力電圧は前段の増幅の大きさも関与する。
以上に説明したように、マイクロコンピュータ26を介して、測定された共振周波数と共振ピークレベル電圧がパソコンに送られる。パソコンが予め設定した目標共振ピークレベル電圧と実際に測定した共振ピークレベル電圧を比較し、その偏差に応じてプログラマブルアッテネータの減衰量を制御する。簡単にいえばピーク電圧が目標電圧より大きければ減衰量を増やし、逆に小さければ減衰量を減らしてマイクロ波パワーを上げる。
これを自動的に、かつ短周期に、かつ継続的に繰り返せば、常に一定した共振ピークレベル電圧が得られることになる。
このような制御の具体例を以下に示す。測定された共振ピークレベル電圧をP1、設定された目標共振ピークレベル電圧をP2とし、次の式でPを計算する。P=10×log(P1/P2)…このPの絶対値がどの範囲にあれば、プログラマブルアッテネータの減衰量をどの程度にするかについては、図13に示すようなフローチャートに従ってパソコンによって演算する。図13は目標共振ピークレベル電圧と実際に測定した共振ピークレベル電圧を比較し、その偏差に応じてプログラマブルアッテネータの減衰量を制御するためのフローチャートの一例である。このようなフローチャートに沿って制御することによって新しい共振ピークレベル電圧の測定データがパソコンに入ってくるとすぐに減衰量の設定の変更が行われ、常に共振ピークレベル電圧はほぼ一定値に保たれる。
フローチャートを簡単に説明する。ステップ31から本測定スタートし次のステップ32においてあらかじめパソコンの設定ファイルに初期値として設定してあった減衰量を各プログラマブルアッテネータに出力している。次にステップ33において各誘電体共振器、この例では5つの誘電体共振器から得られた5つの共振ピーク電圧をあらかじめ設定した回数分平均した値をパソコンに表示する。次のステップ34では目標値(目標共振ピークレベル電圧)と実測値の偏差を演算している。実測値をP1、目標値P2(P2はあらかじめ設定ファイルに設定済み)として偏差P=10×Log(P1/P2)を各誘電体共振器について求めている。次にステップ35において全ての誘電体共振器についての偏差がある一定値PS以下か否か判定している。PSとは実際の測定が可能なほど十分目標値に近づいたかのボーダラインの設定値である。まだ十分でない場合はNとしてステップ36に抜けNを0にセットする。その後ステップ37において各誘電体共振器についてそれぞれの偏差に応じて各プログラマブルアッテネータに対する信号を定めている。次のステップ38においてそれぞれのプログラマブルアッテネータに対する信号を出力し、それを保持している。その後ステップ33に戻り、ステップ35にて偏差PがPSより小さくなり測定に可能と判断されると、ステップ39、40に入り偏差PがPSより小さくなり測定に可能な状態になったかをNS(偏差PがPS未満になったと判断される回数が何回以上になり測定可能な状態が安定しているかを判定するためのあらかじめ定めた数値)と比較して判断している。ステップ40でこの測定可能な状態が十分安定していると判断されると
ステップ40でこの測定可能な状態が十分安定していると判断されると、つまり図中、左半分のループXを回っている間に共振ピークレベル電圧がほぼ一定値に十分安定して保たれたことが判断されるたことになり、図中右の方のステップ41へ抜けて本来の共振周波数の測定、すなわち配向測定に入ることになる。このような安定の程度に関する情報をそのループの中で緑、橙、赤点灯等の表示を適宜パソコンのディスプレー上に行うことが示されている。
尚、プログラマブルアッテネータの減衰量を1回に変化させる減衰量として大きくすると、ピーク電圧の変動と重なった場合、より一層変動が大きくなり、いわゆるオーバーシュートが起こる場合があるので、偏差がある一定範囲内であれば、最小分解能の単位で操作する方がより安定して制御ができる場合が多い。Pの絶対値が小さい場合、例えば0.125以下の場合は、何も変更しない方がよい場合が多い。Pの絶対値がどの程度の時に、どの程度の減衰量にするかは、実際の測定系に合わせるの良いが基本的には、目標値からずれた分だけ減衰量を変えるというのが基本的な考え方である。
実際の測定を図12に示したような本発明の配向計の誘電体共振器の回路を使用した装置で行った。各構成機器の、設定は以下のようであった。マイクロ波スイーパ発振器;アンリツ社製SM5947、掃引幅:3940〜4190MHz、掃引速度:10msec、パソコン;目標共振ピーク電圧をA/D変換の最大入力電圧の90%となる1.1V。図15に各誘電体共振器の出力電圧をパソコンのディスプレイ上に表示した状態を示した。図14(a)は測定スタート直後の状態を示す図である。図14(b)は測定スタート後数秒程度経過したあとの状態を示す図である。本図から分かるように5つの誘電体共振器の共振ピーク電圧がばらばらであってもすぐに2〜3秒以内に図15(b)に示すようにすべて目標とする共振ピーク電圧に揃った。図16は実際に紙を抄紙中の各誘電体共振器系の共振ピーク電圧の状態を時間経過とともに示した図である。また、測定中も図16に示すように、5つの誘電体共振器がすべて1.1Vで一定となっている。図中グレードチェンジと記載した矢印の時点において紙の組成等を変更し、測定中に紙の種類が変わり、厚みや米坪(単位面積あたりの重さ)を変えているが、このように共振ピーク電圧を一定にする制御が行われている場合は図に示すように共振ピーク電圧が一定となっていることが分かる。逆に本制御を行っていない場合の例を図17に示した。図17はこのような共振ピーク電圧を一定にする制御を行わないで実際に紙を抄紙中の各誘電体共振器系の共振ピーク電圧の状態を時間経過とともに示した図である。この制御が行われていない場合は本データのように共振ピーク電圧が変化し、これによって共振周波数が変化し、従って正しい配向パターンが得られなかった。
このように、共振ピーク電圧の一定化により最終的な測定項目である共振周波数の測定精度が向上したのはもちろんであるが、共振周波数のバラツキ自体も小さくなり、安定性も向上した。比較のためにこのような共振ピーク電圧を一定にする制御を行った場合と行わなかった場合に同じグレードの紙を抄紙した状態における各誘電体共振器の共振周波数の標準偏差を表1に示した。このような制御を行わなかった場合は、共振周波数約4000MHzに対して標準偏差は43.45KHzであったが、ピーク電圧一定制御を行った場合の標準偏差は30.27KHzと大幅に小さくなり、非常に安定した測定が可能となったことが分かる。なお以上の実施例では回路を途中からディジタル系で処理するような形を示したが、全てアナログ系で構成したり、アナログ系とディジタル系を適宜使い分けて回路を構成することが可能であるこてはいうまでもない。
Figure 0004581820
本発明は、誘電体検出器を複数用いる測定系において各誘電体共振器の共振ピーク電圧を測定するような場合に適用できる。
誘電体共振器の構造を示す平面図。 誘電体共振器において試料有無に因る誘電率変化に伴う共振周波数のシフトを示す図。 5個の誘電体共振器を配置した配向計の測定部の一例を示す平面図。 5個の誘電体共振器から得られた配向パターンの一例を示す図。 共振ピークレベルとそのときの共振周波数との関係をそれぞれの誘電体共振器について示した図。 5個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図。 図6に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャート。 図6に示した回路中の一つの誘電体共振器についての詳細な回路図。 増幅回路に入力されるステップ入力波形と増幅回路から出力される波形を示す波形図。 共振カーブの共振ピーク電圧が上昇していくにつれて共振カーブ自体がどのように変化するかを示した図。 プログラマブルアッテネーターの働きを示す図。 図6に示した誘電体共振器からの信号を処理する回路にプログラマブルアッテネーターを入れた状態を示す本発明の誘電体共振器の回路のブロック図。 プログラマブルアッテネータの減衰量を制御するためのフローチャート。 各誘電体共振器の出力電圧を示すパソコンのディスプレイ上の表示を表す図、(a)は測定スタート直後の状態を示し、(b)は測定スタート後数秒程度経過したあとの状態を示す。 本発明の配向計における紙を抄紙中の各誘電体共振器系の共振ピーク電圧の状態を時間経過とともに示した図。 共振ピーク電圧を一定にする制御を行わないで紙を抄紙中の各誘電体共振器系の共振ピーク電圧の状態を時間経過とともに示した図。
符号の説明
1a〜1e 誘電体共振器
23a〜23e プログラマブルアッテネータ
24a〜24e 増幅回路
25a〜25e 共振ピーククレベル検出回路
27 コンピュータ

Claims (5)

  1. マイクロ波発信手段に接続される複数の誘電体共振器、
    該誘電体共振器に接続されてその出力を増幅する時間遅れ要素を含む増幅回路、
    該増幅回路に接続されてその出力から共振ピークレベルを検出する共振ピークレベル検出回路、
    マイクロ波発信手段から共振ピークレベル検出回路までの間に挿入される量可変電気信号減衰/増幅手段を備えてなる、複数の誘電体共振器を含むそれぞれの誘電体共振器検出系を有し、
    該それぞれの誘電体共振器検出系の共振ピークレベル検出回路からの出力を、別途設定する目標共振ピークレベルと比較し目標共振ピークレベルに近づくように前記量可変電気信号減衰/増幅手段に対する減衰度または増幅度を変える信号を演算出力する演算手段、を備える配向測定装置。
  2. 前記誘電体共振器検出系が更にアナログ/ディジタル変換回路部を有し、該アナログ/ディジタル変換回路部の入力範囲内で目標共振ピークレベル電圧を設定する請求項1記載の配向測定装置。
  3. 前記量可変電気信号減衰/増幅手段がプログラマブルアッテネ−タであって、前記誘電体共振器と前記マイクロ波発信機との接続の間に接続される請求項1又は2記載の配向測定装置。
  4. 前記量可変電気信号減衰/増幅手段が前記増幅回路と兼用である請求項1又は2記載の配向測定装置。
  5. マイクロ波発信手段に接続される複数の誘電体共振器からの出力をそれぞれ増幅し、
    増幅したそれぞれの出力から共振ピークレベルをそれぞれ検出し、
    それぞれの誘電体共振器に対応する共振ピークレベルを、別途設定する目標共振ピークレベルと比較、演算し、該目標共振ピークレベルに近づくように、前記マイクロ波発信手段から誘電体共振器への出力または誘電体共振器からの出力を減衰または増幅することを含む配向測定方法。

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