JP5552953B2 - 配向測定装置 - Google Patents

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本発明は、紙、不織布、フィルムなどのシート状物質の配向性あるいは誘電的異方性をマイクロ波誘電体共振器を用いて測定する方法に関する。
シート状物質の配向を測定する方法としては、X線回折、赤外二色性、力学的破断強度、超音波伝搬速度、複屈折、偏光蛍光、マイクロ波を利用するものなどが知られているが、試料が走行中に測定できる、いわゆるオンライン測定方法として最初に実用化された方法は複屈折による方法である。これは屈折率の異方性、つまりシート面内での複屈折率あるいはレターデーション(複屈折率×厚さ)を測定する方法であり、特許文献1などに開示されている。
しかし、この複屈折を用いる方法は、可視光(偏光)を透過させて測定する必要があるため、透明フィルムのようにある程度以上の光を透過する物質でないと測定できないという問題があった。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのように波長分散性が大きくかつ異方性が大きい試料に対しては、光学次数の決定が難しいなどの実用上の問題がある。
そこで、本願発明者はマイクロ波誘電体共振器を用いて、試料の片側から検出部を接触もしくは近接させることにより、透明・不透明を問わず、オンラインで試料のもつ配向性あるいは誘電的異方性を測定する方法を採用し、特許文献2、特許文献3に開示している。この方法は、誘電体共振器が試料の片側から接触あるいは近接したときの共振周波数の変化を利用するものであり、測定の基本原理は、「誘電率の異方性を見る」ということになる。前述の複屈折法における屈折率と本方法で用いる誘電率の起因はどちらも電子分極であり、光のような高周波数領域においては屈折率の2乗が誘電率に等しいことからも、両者は結局同じものを見ていることになる。
図1は一つの誘電体共振器の平面図(1)および断面図(2)である。装置としては、図1に示すような誘電体共振器を複数個使用する。誘電体となる直方体状のセラミック11がアルミブロック製の金属ケース12の中に、その上面が金属ケース12の上面と同一面を形成するように固定される。セラミック11の近傍にはロッドアンテナ13a,13bが設けられ、このアンテナにマイクロ波が入出力されることにより、セラミック11が共振する。セラミック11と金属ケース12の間の隙間にはゴミ等の侵入を防止するためポリテトラフルオロエチレン樹脂製のカバー14が設けられている。図2は5個の誘電体共振器を一つの金属ケースに配置して得られた測定ヘッドの一例を示す平面図である。測定ヘッド6は、図2のように誘電体共振器を複数個配置して構成される。
図3はブランク(試料の無い状態)時と各試料測定時の共振周波数のシフト量を表わす図である。図3に示すように、試料の有無における共振周波数のシフト量が試料の誘電率に依存していることを利用して、試料が無い場合の共振周波数と試料がある場合の共振周波数との差(以後シフト量と呼ぶ)を測定する。尚、厳密には共振周波数のシフト量は[(誘電率−1)×厚さ]に依存するが、本発明の対象試料では厚さが均一とみなせるので、上述の表現で問題ない。試料は0度の向きと90度の向きの2方向に設置した2種類の状態を示している。図4は配向パターンの一例を示す図である。シフト量を各誘電体共振器の設置方向に対応して極座標上にプロットして楕円近似をかければ、異方性がある場合は、図4のような配向パターンが得られる。図4において、異方性が無ければ、即ち無配向であれば、この配向パターンは円になる。ここで、楕円の長軸方向がシフト量最大の方向であり、誘電率(あるいは屈折率)最大の方向を示していることになる。つまり、この方向が分子鎖が並んでいる方向となる。また、配向度はこの楕円の長軸と短軸との差または両者の比によって表すことができる。以上の考えにより、複数の誘電体共振器の共振周波数を同時に求めて上記配向パターンを得ることにより、試料の配向角と配向度を求めることができる。
しかし、PETフィルムなどの延伸された高分子フィルムに比べて、紙、不織布などの有する誘電的異方性は比較的小さい。また、ポリプロピレンやポリスチレンなどの高分子はPETフィルムやポリエチレンフィルムと異なり、比較的分極率の大きな側鎖構造を持つため、マクロ的に見た誘電的異方性は小さくなる傾向にある。さらには、同じ高分子フィルムでも結晶化度が小さい場合や、元来非晶性の高分子の場合も当然のことながら、やはり誘電的異方性は小さくなる。このような比較的誘電的異方性が小さい測定対象に適用するためには、複数個の誘電体共振器における共振周波数のシフト量をより正確に捉える必要があることはもちろんであるが、複数の誘電体共振器の個体差(同一試料を接触させても同一の共振周波数シフトをしないで、わずかに差異が生ずること)をできるだけ小さくする必要がある。
複数の誘電体共振器の個体差を絶対的に排除することは不可能であるが、本願発明者は、複数の誘電体共振器を用いる場合に、個々の誘電体共振器の個体差を補正する手段を導入し、特許文献4に開示している。この方法は、測定対象となる試料をそのまま補正係数測定に用いるという方法であって、試料の凹凸などの個々の物性を加味した正確な補正係数を求めることができ、一部の高分子フィルムに対しては、より高精度の配向測定が可能となった。
上記特許文献2〜4に開示した種々の改良の結果、PETフィルムなどの延伸された高分子フィルムについては図4に示したような配向パターンを精度よく測定できるようになったが、同時に複数の誘電体共振器にマイクロ波信号を供給すると、配向のある同一試料を測定する場合でも、誘電体共振器の一つずつを測定したときと比較して、異方性感度が異なる場合があることがわかった。この異方性感度とは、あらかじめ配向角度θを求めておいた2軸延伸PETフィルムを、配向方向が共振器の長辺方向の向きと平行になるように置いたときの共振周波数fθと、そこからPETフィルムを時計回りに90度回転させたときの共振周波数fθ+90との差で表せられ、前述の配向パターンの長軸と短軸の差、すなわち配向度に相当する。すなわち決められた試料を各誘電体共振器で測定したときの配向度であって、各誘電体共振器の性能を表す指標となるものである。異方性感度が高いほど好ましいことは言うまでもない。
また同時に全ての誘電体共振器にマイクロ波を供給して測定した場合と、一つずつマイクロ波を供給して測定した場合とで異方性感度が異なる場合でも、ある共振器は異方性感度が高くなり、別の共振器では低くなるなど規則性がなかった。これは、例え個々の誘電体共振器の異方性感度を揃えたとしても、同時にマイクロ波を供給して測定することで、異方性感度が揃わなくなることを意味するものであって、測定精度の低下を招くこととなる。本願発明者らは、この原因として、各誘電体共振器が発するエバネセント波が隣接する誘電体共振器に互いに影響を与え、共振状態が変わることで共振周波数が変わり、結果として異方性感度が変わってしまうので、隣接する共振器には同時にマイクロ波を供給しないように工夫することで、隣接する共振器が互いに影響を及ぼしあうという問題を解決した(特許文献5)。
しかし、この手法を用いることで、隣接する誘電体共振器の互いの影響は排除されたが、ある一つの共振器に着目すると、スイーパ発信機から供給されるマイクロ波の掃引回数のうち、最多でも半分しか測定に利用できないため、データ取得時間が長くなり時間効率が悪いという問題があった。
本発明は、上述したような従来の構成が有していた問題を解決しょうとするものであり、複数個の誘電体共振器を搭載した測定ヘッドを用いる場合でも、隣接する二つの誘電体共振器が互いの測定値に影響を与えない高精度な測定が可能であり、かつ測定時間が冗長にならない配向測定装置の提供を目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は複数個の誘電体共振器を搭載した測定ヘッドを用いたマイクロ波による配向測定装置において、隣接する二つの誘電体共振器のブランク測定時の共振周波数の差の絶対値と試料測定時の共振周波数の差の絶対値の内、小さい方の絶対値が、前記隣接する二つの誘電体共振器の共振周波数が互いに干渉しない最小の周波数値以上であることを特徴とするものである
本発明によって、複数個の誘電体共振器を搭載した測定ヘッドを用いる場合でも、隣接する二つの誘電体共振器が互いの測定値に影響を与えない高精度な測定が可能であり、かつ測定時間が冗長にならない時間的効率の良い測定が可能である。
誘電体共振器の(1)は平面図、(2)は垂直断面図である。 5個の誘電体共振器を一つの金属ケースに配置して得られた測定ヘッドの平面図。 ブランク(試料の無い状態)時と試料測定時の共振周波数のシフト量を表わす図。 配向パターンの一例を示す図。 5個の誘電体共振器からの信号を処理する基本回路のブロック図。 信号の処理を示すタイムチャート。 5個の誘電体共振器の時間に対するマイクロ波透過強度を表した模式図。
本発明の配向測定装置は、隣接する二つの誘電体共振器のブランク測定時、及び試料測定時の共振周波数が異なることにより、隣接する誘電体共振器同士の互いの干渉の影響を防ぐものである。誘電体共振器が5個の場合について考えると(図2)、5つの誘電体共振器のブランク時、及び試料測定時の共振周波数となる瞬間に、周囲の共振器が共振していない、もしくは周囲の共振器には全くマイクロ波を供給していなければ、隣接する共振器の影響を受けることはない。本発明では図5に示すように、一つの発振器から発生した掃引マイクロ波をデバイダに供給し、デバイダにより5つに分配して各々の共振器にマイクロ波を供給する手法である。もし5つの共振器の共振周波数が異なっていれば、共振が最大となる時間、すなわち共振周波数となる時間にタイムラグが生じるため、各共振器が隣接する共振器によって影響を受けるものではない。
なお、ブランク時とは試料がない場合のことであり、各誘電体共振器のブランク時の共振周波数が容易に求められることは言うまでもない。一方試料測定時の共振周波数は、試料により変化するものであり、ブランク時の共振周波数に対して試料の誘電率と試料の厚みに応じて低周波数側にシフトすることは前述の通りである。このシフト量は共振器の個体差によっても変化するが、一般的な紙やPETフィルムで、かつ厚さが数100μm程度であれば大差ない。よって実用上は隣の共振器のブランク時の共振周波数を十分に離しておけば、試料測定時の共振周波数も十分に離れるために問題ないレベルとなる。つまり未知の試料であっても、あらかじめ隣接する共振器のブランク時の共振周波数を十分に離しておけば、ほとんどの場合において測定試料に応じてヘッドを交換することはない。
次に、具体的な装置構成について説明する。図5は5個の誘電体共振器からの信号を処理する基本回路のブロック図である。マイクロ波掃引発振器から出た信号が5つに分割されてNo.1〜No.5の5つの誘電体共振器に送られ、透過強度を検波ダイオードで電圧に変換する。これを増幅、A/D変換し、ピーク検出回路によってピーク位置が検出される。周波数の掃引は一定の周期で繰り返され、かつ掃引中のみハイレベルとなる同期信号が同時にマイクロ波掃引発振器から出ているため、この同期信号がハイレベルになる瞬間から透過強度が最大値をとるまでの時間を測定すれば、共振周波数が求められる。この共振周波数は、誘電体共振器の誘電率、誘電体共振器の大きさ、金属ケースと誘電体共振器間の隙間の大きさ、などに依存することがわかっている。しかし実際にはこれら3つをパラメータとして正確に制御するのは難しいので、ヘッド作製時の誘電率や加工における誤差等を考慮し、誘電体共振器とケースを組み合わせて最適な状態を選べばよい。図6は信号の処理を示すタイムチャートである。図6は250MHzを10msecで掃引する場合を示している。この回路構成では5個の誘電体共振器の全てに、同時にマイクロ波が供給されるが、仮に5つの共振器の共振周波数が全て異なる場合は、同期信号がハイレベルになった瞬間から透過強度が最大値となるまでの時間が共振器ごとに異なることとなる。図7は、この場合の時間波形を模式的に表したものである。例えばNo.1共振器の透過強度が最大値となった時間T1では、No.2〜5のいずれもが透過強度がほぼ0となる。つまりNo.1共振器の透過強度が最大となる瞬間は、他の共振器のいずれの透過強度がほぼ0であるためNo.1共振器に対して影響を与えず、No.1共振器本来の共振状態となる。他の共振器についても同様のことが言えるため、すなわち全ての共振器の共振周波数は、隣に影響されることなく正しい共振周波数を得られるのである。
この方法では隣接する誘電体共振器の共振周波数が異なることが重要であるが、その周波数差は、ある1つの誘電体共振器に着目すると、この誘電体共振器の共振周波数と隣接する共振器の共振周波数が、互いに干渉しない値以上であればよい。本願の測定系の場合、装置定数となる特定値の具体的な値は500kHzである。尚、残りの誘電体共振器についても、着目する誘電体共振器を逐次ずらせて、この条件が満されていればよい。したがって、隣り合わない共振器であれば、共振周波数が全く同じでもよいので、この条件を満さすためには、誘電体共振器の数が偶数個の場合は誘電体共振器の共振周波数が最低2種類、奇数の場合は最低3種類必要となる。
以上の考えを元に、隣接する二つの誘電体共振器のブランク測定時の共振周波数の差の絶対値と試料測定時の共振周波数の差の絶対値の内、小さい方の絶対値が、前記隣接する二つの誘電体共振器の共振周波数が互いに干渉しない最小の周波数値以上にすることにより、複数の誘電体共振器を用いる場合でも、隣接する二つの誘電体共振器が互いの測定値に影響を与えない高精度な測定ができることを確認した。
以下に本発明に係る測定例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
市販の厚さ188μmの2軸延伸PETフィルム(帝人製188T60)について、測定ヘッド全面を覆う大きさにカットし、共振周波数を求める試料とした。互いに共振周波数が500kHz以上離れている5個の誘電体共振器1〜5を図2に示すように並べた測定ヘッドを使用し、ネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー製E5071B)を用いて、以下の手順に従って誘電体共振器の一つずつについて順番にブランク時と試料測定時の共振周波数を求めた。なお、この方法により求めた共振周波数は、他の共振器に全く影響されない共振器固有の共振周波数であると考えて良い。
<ネットワークアナライザを用いた共振周波数測定方法>
[1-1]誘電体共振器1を図2に示す測定ヘッドの1の位置に固定し、共振器を挟むように設置した2個のアンテナとネットワークアナライザをケーブルで接続する。
[1-2]ネットワークアナライザにより共振周波数を測定し、誘電体共振器1のブランク共振周波数とする
[1-3]測定ヘッドの2の位置に誘電体共振器2を固定し、誘電体共振器1を挟むように設置したアンテナからケーブルを取り外し、誘電体共振器2を挟むように設置したアンテナにケーブルを接続する。
[1-4]共振周波数を測定し、誘電体共振器2のブランク共振周波数とする。
[1-5]同様の手順で測定ヘッドの3の位置に別の誘電体共振器3を固定し、ネットワークアナライザと接続する。
[1-6]共振周波数を測定し、誘電体共振器3のブランク共振周波数とする。
[1-7]同様の手順で測定ヘッドの4の位置に別の誘電体共振器4を固定し、ネットワークアナライザを接続する。
[1-8]共振周波数を測定し、誘電体共振器4のブランク共振周波数とする。
[1-9]同様の手順で測定ヘッドの5の位置に別の誘電体共振器5を固定し、ネットワークアナライザを接続する。
[1-10]共振周波数を測定し、誘電体共振器5のブランク共振周波数とする。
[1-11] 誘電体共振器5を挟むように設置したアンテナからケーブルを取り外し、誘電体共振器1を挟むように設置した2個のアンテナに接続する。
[1-12]図2のMD方向の向きと分子配向の向きが合うようにPETフィルムを測定ヘッド上に置き、共振周波数を測定して誘電体共振器1の試料測定時の共振周波数とする。
[1-13]ケーブルの誘電体共振器1を挟むように設置した2個のアンテナに接続した側を取り外し、誘電体共振器2を挟むように設置した2個のアンテナに接続する。
[1-14]共振周波数を測定して誘電体共振器2の試料測定時の共振周波数とする。
[1-15]同様の手順で誘電体共振器3の2個のアンテナにケーブルを接続する。
[1-16]共振周波数を測定して誘電体共振器3の試料測定時の共振周波数とする。
[1-17]同様の手順で誘電体共振器4の2個のアンテナにケーブルを接続する。
[1-18]共振周波数を測定して誘電体共振器4の試料測定時の共振周波数とする。
[1-19]同様の手順で誘電体共振器5の2個のアンテナにケーブルを接続する。
[1-20]共振周波数を測定して誘電体共振器5の試料測定時の共振周波数とする。
<装置に組み込んだときの共振周波数測定>
5個の誘電体共振器を図2に示すように並べた測定ヘッドを使用し、図7に示す回路構成をとって図6に示したタイムチャートにしたがって共振周波数を測定した。この方法では隣接する誘電体共振器も含めて、5つ全ての共振器に対して同時にマイクロ波を供給することとなる。
[2-1]測定ヘッド上にPETフィルムを置かない状態で、共振周波数を測定する。
[2-2]そのときの各共振器の共振周波数を、各共振器のブランクの共振周波数とする。
[2-3]測定ヘッド上にPETフィルムを置いた状態で、共振周波数を測定する。
[2-4]そのときの各共振器の共振周波数を、各共振器の試料測定時の共振周波数とする。
結果を表1に示す。表中の周波数差Aとは、対象とする共振器が上部に来るように測定ヘッドを見たときに、対象とする共振器に対して向かって左側にくる共振器との共振周波数の差の絶対値を示す。具体的には、対象とする共振器を1とすると、周波数差Aとは共振器1の共振周波数と共振器2の共振周波数の差の絶対値のことである。一方表中の周波数差Bとは、同様に対象とする共振器が上部に来るように測定ヘッドを見たときに、対象とする共振器に対して向かって右側にくる共振器との共振周波数の差の絶対値を示す。具体的には、対象とする共振器を1とすると、周波数差Bとは共振器1の共振周波数と共振器5の共振周波数の差の絶対値のことである。周波数差A、周波数差Bのうち、より0に近いほうが重要である。なお、ネットワークアナライザにより求めた共振周波数と、装置に組み込んだときの共振周波数の差の絶対値については、以下の基準で評価を行った。
◎:20kHz未満
○:20kHz以上50kHz未満
△:50kHz以上100kHz未満
×:100kHz以上200kHz未満
××:200kHz以上
結果を表1に示す。
〔表1〕
Figure 0005552953

[比較例1]
実施例1と同様にしてブランク時と試料測定時の共振周波数を測定した。ただし、隣接する共振器との、ブランク時と試料測定時に共振周波数の差を考慮しないで設置したため、4個の共振器では、両者の差が500kHz以下となった。
結果を表2に示す。
〔表2〕
Figure 0005552953
表1に示すように、実施例1ではネットワークアナライザにより求めたブランク時と試料測定時の共振周波数は、装置に組み込んだときのブランク時と試料測定時の共振周波数とはほぼ等しくなり、誘電体共振器が本来持っている性能となっている。一方表2に示すように、比較例1では隣接する共振器のブランク時と試料測定時での共振周波数の差が小さいために、装置に組み込むと共振数周波数がずれてしまい、誘電体共振器が本来持っている性能とは異なる値となる。このように、隣接する誘電体共振器のブランク時と試料測定時の共振周波数を変えることで、本来各共振器が持っている性能を出すことができることがわかった。
以上のように、本発明の配向測定装置によって、複数の誘電体共振器を持つ場合でも、隣接する誘電体共振器に影響されることなく、精度良く測定が出来ることを確認した。
本発明は、紙やフィルムなどのシート状物質の製造工程においてオンラインでの品質測定に利用することができる。
1〜5:誘電体共振器
6:測定ヘッド
11:セラミック
12:金属ケース
13a、13b:ロッドアンテナ
14:ポリテトラフルオロエチレン樹脂製のカバー
特許第2791506号公報 特許第3731314号公報 特許第3772603号公報 特許第4124147号公報 特願2009−037275

Claims (1)

  1. 複数個の誘電体共振器を搭載した測定ヘッドを用いたマイクロ波による配向測定装置において、隣接する二つの誘電体共振器のブランク測定時の共振周波数の差の絶対値と試料測定時の共振周波数の差の絶対値の内、小さい方の絶対値が、前記隣接する二つの誘電体共振器の共振周波数が互いに干渉しない最小の周波数値以上であることを特徴とする配向測定装置。
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