JP4124147B2 - 配向測定における補正係数算出方法および配向測定方法 - Google Patents

配向測定における補正係数算出方法および配向測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、紙、不織布、フィルムをはじめとするシート状物質のみならず、プラスチック、ゴム、セラミックなどの成型品のような立体的物品も含めて、それらの配向性あるいは誘電的異方性をマイクロ波誘電体共振器を用いて測定する方法に関する。
シート状物質の配向を測定する方法としては、従来からX線回折、赤外二色性、力学的破断強度、超音波伝搬速度、複屈折、偏光蛍光法、マイクロ波法などが用いられてきている。これらのほとんどはラボ用途であり、試料が走行中に測定できる、いわゆるオンライン測定方法として実用化されている方法は複屈折による方法のみである。これは、屈折率の異方性つまりシート面内での複屈折率あるいはレターデーション(複屈折率×厚さ)を測定する方法であり、特許文献1などに開示されている。
しかし、この複屈折を用いる方法は、可視光(偏光)を透過させて測定する必要があるため、透明フィルムのようにある程度光を透過する物質でないと測定できないという問題があった。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのように波長分散性が大きくかつ異方性が大きい試料に対しては、光学次数の決定が難しいため実際上測定が難しいという問題があった。
そこで、発明者らはマイクロ波誘電体共振器を用いて、試料の片側から検出部を接触もしくは近接させることにより、透明・不透明を問わず、オンラインで試料のもつ配向性あるいは誘電的異方性を測定する方法を出願している。特許文献2、特許文献3公報参照。この方法は、誘電体共振器が試料の片側から接触あるいは近接したときの共振周波数の変化を利用するものであり、測定の基本原理は一言で表現すれば、「誘電率の異方性を見ている」ということになる。前述の複屈折法における屈折率と本方法で用いる誘電率の起源はどちらも電子分極であり、光のような高周波数領域においては屈折率の2乗が誘電率に等しいことからも、両者は結局同じものを見ていることになる。
実際的には図1に示すような誘電体共振器を複数個使用する。図1は一つの誘電体共振器の平面図(1)および断面図(2)である。誘電体となる直方体状のセラミック11がアルミブロック製の金属ケース12の中にその上面が金属ケース12の上面と面位置になるように固定される。セラミックの近傍にはロッドアンテナ13a,13bが設けられこのアンテナにマイクロ波が入出力されて、セラッミクが共振させられる。セラミック11と金属ケース12の間の隙間にはゴミ等の侵入を防止するためテトラフルオロエチレン樹脂製のカバー14が設けられている。このような誘電体共振器1〜5を図2に示すように複数個、この図では5個配置して測定ヘッド15を構成する。図2は測定ヘッドの平面図である。
図3に示すように、試料の有無における共振周波数のシフト量が試料の誘電率に依存している(厳密には誘電率×厚みに依存するが、厚みが均一とみなした場合)ことを利用して、試料が無い場合の共振周波数と試料がある場合の共振周波数との差(以後シフト量と呼ぶ)を測定する。図3はブランク(試料の無い状態)時と各試料測定時の共振周波数のシフト量を表わす図である。試料は0°の向きと90°の向きの2方向に設置した2種類の状態を示している。このシフト量を各誘電体共振器の設置方向に対応して極座標上にプロットして楕円近似をかければ、異方性がある場合は、例えば図4のような配向パターンが得られる。図4は配向パターンの一例を示す図である。図4において、異方性が無ければ即ち無配向であれば、この配向パターンは円になる。ここで、楕円の長軸方向がシフト量最大の方向であり、誘電率(あるいは屈折率)最大の方向を示していることになる。つまり、この方向が分子鎖が並んでいる方向となる。また、配向度はこの楕円の長軸と短軸との差または両者の比によって表すことができる。
上記特許文献1〜3に記載されるような種々の改良の結果、PETフィルムなどの延伸された高分子フィルムについては図4に示すような配向パターンを精度よく測定できるようになった。
しかし、PETフィルムなどの延伸された高分子フィルムに比べて、紙、不織布などの有する誘電的異方性は比較的小さい。また、ポリプロピレンやポリスチレンなどの高分子はPETフィルムやポリエチレンフィルムと異なり、比較的分極率の大きな側鎖構造を持つため、マクロ的に見た誘電的異方性は小さくなる傾向にある。さらには、同じ高分子フィルムでも結晶化度が小さい場合や、元来非晶性の高分子の場合もやはり誘電的異方性は小さくなる傾向にある。このような比較的誘電的異方性が小さい測定対象に適用するためには、複数個の誘電体共振器における共振周波数のシフト量(試料が無い状態での共振周波数と有る状態での共振周波数との差)をより正確に捉える必要があることはもちろんであるが、複数の誘電体共振器の個体差(同一試料を接触させても同一の共振周波数シフトをしないで、わずかに差異が生ずること)をできるだけ小さくする必要がある。
これを解決する手段としては、もちろん個々の誘電体共振器の外形寸法や誘電率などハードウエア的に同一仕様で製作することは必須条件ではあるが、現実問題として全くその特性を同一にすることは難しい。結局、同一試料に対して同一条件で測定したときの共振周波数およびブランク時からの共振周波数のシフト量を同一にすることができないのが現状である。
そこで、特許文献4では異方性のない実質的に無配向の標準試料を用いて、前記個体差を補正するための補正係数を求めることを提案している。
特開平4−89553号公報 特開平10−325811号公報 特開2001−91476号公報 特開2003−254915号公報
上記特許文献4のような方法によって補正係数を求めても、非常に配向の小さな測定対象等の場合にはある程度誤差が生じることが分かった。この原因について本発明者等が試行を繰り返し検討を重ねたところ、測定対象である試料の表面性、これは表面の滑らかさや、荒さと推測される、が異なると、試料と各誘電体共振器の接触状態が微妙に異なるためか、標準試料を測定した場合の各誘電体共振器の個体差と、測定対象の試料を測定した場合の各誘電体共振器の個体差とが異なる事がわかった。具体的には表面が滑らかな場合は密着するが、表面が粗い場合は隙間を生じたり、また、試料自体の厚さ、硬さ等の特徴もからんで接触状態が試料毎に、場合によっては測定毎に微妙に異なるということが分かった。つまり、前記のように標準試料により求めた補正係数を用いても、試料によっては各誘電体共振器の個体差を正しく補正できないということである。結局、この方法によって求めた補正係数を用いた場合、全ての測定試料に対して精度良く測定することが難しい場合があるということが分かった。
本発明は上記のような試行と検討の中から生まれたもので、比較的異方性の小さい全ての試料に対しても、精度良く配向角度や配向度等で表せる配向性を測定できる測定方法を提供することを目的とする。このような比較的異方性の小さい試料としては、紙、あるいは未延伸のフィルム、バランスよく2軸延伸されたフィルム、非晶性のフィルム、側鎖に分極の大きな基がぶら下がった分子構造を有するフィルム等が挙げられる。
本発明は、測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法である。
(ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
(ステップ2)少なくとも全ての誘電体共振器の測定面を覆う大きさの測定対象試料を、測定ヘッド上に載せ、測定ヘッドに対して試料測定状態と実質的に同一の状態にし、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ3)ステップ2において測定ヘッド上に載せた試料を、測定ヘッドの中心部を中心として任意の回転角ごとに回転させながら、順次各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ4)ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
(ステップ5)ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
(ステップ6)ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
本発明は更に、上記ステップ2において測定ヘッドと測定対象試料を次の(1)から(3)のいずれか少なくとも一つの方法によって測定ヘッドに対して試料測定状態と実質的に同一の状態にして測定する請求項1記載の測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における補正係数算出方法である。
(1)測定対象試料に張力を与えた状態で測定ヘッドを試料に押圧することにより試料測定状態を模擬した状態、(2)測定ヘッドの外周部および/または測定ヘッドの構造部に空気吸引孔を設けその空気吸引力によって測定対象試料をヘッドに吸着させることにより試料測定状態を模擬した状態、(3)測定対象試料の上方に空気流発生手段を設けその風圧により測定対象試料を測定ヘッドに押し当てることにより試料測定状態を模擬した状態。
本発明は、測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法である。
(ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
(ステップ2)走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ3)ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料表面に接触した状態を維持したまま、測定ヘッドを連続的または断続的に回転させて、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ4)ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
(ステップ5)ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
(ステップ6)ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
本発明は、測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法である。
(ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッドを、何にも接触させない状態で各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
(ステップ2)走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ3)ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドを任意の角度で回転させた後、再び走行中の測定対象試料の表面に測定ヘッドの表面を接触させ、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定するステップ。
(ステップ4)ステップ3の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドをさらにステップ3のときと同様の角度だけ回転させた後、再び走行中の測定物対象試料の表面に測定ヘッド表面を接触させ、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定するステップ
(ステップ5)ステップ4と同様にして、測定ヘッドが360°回転するまでで繰り返し、各回転角での、各誘電体共振器毎の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ6)ステップ2〜5で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
(ステップ7)ステップ6で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
(ステップ8)ステップ7の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
本発明に係るオンライン測定方法は、上述のいずれか一つの補正係数算出方法に更に次のステップを備えて測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法である。
(ステップ1)走行する測定対象試料に測定ヘッドを接触状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
(ステップ2)ステップ1で得られた各誘電体共振器の共振周波数とブランク時共振周波数の差から測定試料シフト量を算出するステップ。
(ステップ3)ステップ2で得られた周波数シフト量に請求項1から4のいづれか一項に記載の誘電体共振器ヘッドの補正係数を演算して補正後のシフト量とし、その値を元に測定対象試料の配向を求めるステップ。
本発明によって、比較的異方性の小さい試料に対して、その試料独自の補正係数を簡単に求めることが可能となり、精度良く配向性すなわち配向角度および配向度等を測定することが可能となった。
各誘電共振器の個体差は前述の通り、測定対象である試料によって異なる。その原因は、測定対象試料と誘電体共振器との接触状態が異なることが考えられる。もう少し詳しく説明すると、仮に測定対象試料の表面が十分に滑らかな、例えば、PETなどの高分子フィルムの場合は、試料と誘電体共振器を接触させると両者は密着し、両者間には殆ど隙間が存在しないと考えられる。一方、測定対象試料の表面が比較的粗い紙などの場合、試料と誘電体共振器を接触させても、試料表面に凹凸があるため凸部は接触しているものの、凹部は接触しておらず、わずかな隙間が生じることとなる。この装置では、誘電体共振器の表面からの距離に応じて測定値が変動することから、仮に同じ試料であっても、密着させる場合と隙間がある場合では求める補正係数は異なる。言い換えるならば、仮に同じ配向性を持つ試料であっても、接触状態を変えたり、表面性が異なる場合は全く異なる補正係数を持つということである。この測定値とはブランク状態からの共振周波数のシフト量をいう。
これらのことから、一つの実質的に無配向の標準サンプルを以って、あらゆる試料について精度良く、小さな配向まで測定できる補正係数を求めることは、実質的に不可能であることがわかった。ここで、以上の考えから、あらかじめ表面状態が異なる無配向の標準試料を何種類か用意しておき、測定対象試料と同一の表面を持つものをその都度選んで補正係数を求めるという方法も導ける。しかし、測定対象試料の表面状態をあらかじめ調べておく必要があり、かつ測定対象試料と同じ表面状態を持つ標準試料を用意しなければならず、これは現実的には不可能である。また、仮に可能であったとしても、時間や手間がかかってしまうという問題があり、未知の試料の補正係数を求めるためには莫大な時間を要することになる。そこで、簡便に測定対象試料に応じた補正係数を求める方法として、測定対象試料そのものを補正係数測定用の試料として用いるという本発明に至った。測定対象試料によって補正係数を求める考え方について、以下に説明する。
ここで、配向のある試料を測定ヘッドの各誘電体共振器に接触させて測定を行うことを考える。このとき測定ヘッド上の試料を、測定ヘッドの中心部を中心として30°づつ回転させながら、試料測定状態と実質的に同一の状態にして共振周波数の測定を行う。得られた共振周波数と、誘電体共振器から試料を取り除いたときに得られる測定値であるブランク値との差を取って、シフト量として表わすと、図5のような波形が描かれる。すなわち、この波形の中でシフト量が極大となる点が、試料の配向角を表わしている。
この試料測定状態と実質的に同一の状態にするとは具体的には、試料測定時に測定ヘッドが試料に押し圧されている状態をできるだけ同一条件になるように模擬することである。実際の測定時は試料が走行している状態である。これを試料が静止した状態で模擬する方法として以下のように本発明者等が呼ぶ方法が挙げられる。(1)試料押し圧測定方法:試料にある程度張力を与えた状態で測定ヘッドを試料に押し圧することにより試料測定状態を模擬する方法、(2)試料吸引測定方法:測定ヘッドの外周部および/または測定ヘッドの構造部に空気吸引孔を設けその空気吸引力によって試料をヘッドに吸着させることにより試料測定状態を模擬する方法、(3)試料与風圧測定方法:試料の上方に空気流発生手段を設けその風圧により試料を測定ヘッドに押し当てることにより試料測定状態を模擬する方法。空気流発生手段としては一般のファンや空気ポンプに接続した送風管の送風口等が挙げられる。これらの方法の中で(2)の方法は空気吸入作用を利用する点で共通しているため、次の二つの方法のいづれか又は両方を行うことを意味している。(2−1)測定ヘッドの外周部にさらに隔壁を設けることにより、測定ヘッドの外周部と隔壁間に環状の空気吸入孔ができ、この吸入孔からの空気吸引力によって試料をヘッドに吸着させることにより試料測定状態を模擬する方法、(2−2)測定ヘッドの構造部、すなわち金属部に空気吸入孔を複数設け、この吸入孔を通して空気を試料側から吸引することにより試料を測定ヘッドに吸着させることにより試料測定状態を模擬する方法。
以上の各方法について図を参照しつつ詳説する。図6は上記(1)試料押し圧測定方法についての一例の原理を示す斜視図である。ここでは、固定された2つのロール21a,21bをまたぐように試料16が置かれ、その両端に重り22が取り付けられてぶら下がった状態になっている。この重り重量により一定の張力が与えられる。従って重り重量を変えることで、試料にかかる張力を変えることが可能になる。試料面の下に設置した測定ヘッド15を図示を省略した昇降台の上に取り付け、台を上昇させて、測定ヘッドを試料に押し圧する。この押し圧状態を一定状態で再現できるように、張力を一定にし、また台の上昇位置を一定にするような条件が考えられる。また実際に試料に掛かる張力や測定ヘッドに掛かる圧力を測定してそれらの条件を一定にさせることもできる。
図7は試料吸引測定方法の中の(2−1)についての一例を示す断面図である。測定ヘッド15の測面を取り囲むような円筒壁状のホルダー25に、隙間ができないように試料16がリング状の固定用具26により取り付けられている。測定ヘッドの台座30の上にゴム製のパッキン27を敷き、その上から試料を取り付けたホルダー25を被せた状態を示している。ホルダーには一つの空気孔が開けてあり、配管29によって真空ポンプ24と接続されている。ここで真空ポンプを作動させてホルダー内の空気を吸引すると、測定ヘッド15の外周部にさらにホルダー25による隔壁があるので、測定ヘッド15の外周部とこの隔壁間に一種の環状の空気吸入孔ができ、この吸入孔からの空気吸引力によって測定ヘッド15に試料16が吸着されることとなる。
図8は試料吸引測定方法の中の(2−2)についての一例を示す斜視図である。測定ヘッド15の測定ヘッドの構造部に空気流通孔を複数設けている。表面の複数の空気孔23から測定ヘッドの内側から配管によって接続された真空ポンプ24により吸引を行なうものである。測定ヘッド表面の空気孔23から雰囲気の空気を吸引することに伴って試料16が測定ヘッド15に吸着される。
図9は(3)試料与風圧測定方法についての一例を示す断面図である。測定ヘッド15の上に試料16を載せ、その上部に設置した空気流発生手段であるファン31から矢印で示す空気流を試料方向に向けることにより、試料16は測定ヘッド15に押し付けられる。
以上の各例は試料測定状態と実質的に同一の状態とする方法の一例を示したものであり、上記方法に関わらず、この目的を為しうる他の方法を用いてもよい。また、オンライン測定においても、例えば上記(2)および(3)の方法を取り入れるなど、複数の方法を組み合わせてもよい。
尚測定ヘッドの試料に接する面と各誘電体共振器の測定面を面位置になるように測定ヘッドを設計した場合は測定ヘッドが試料に接触した場合に各誘電体共振器も試料に接する。ここで誘電体共振器の試料に対向させる面を測定ヘッドの試料に接する面から若干下げると、誘電体共振器の測定面と試料の間には常に微小な距離が維持される。このような場合も勿論本発明を適用可能であることはいうまでもない。
ここで誘電体共振器の個数を5個とした場合、各誘電体共振器について描かれる波形を一つのグラフに書き込むと、図10となる。図10において5つの波形を比較すると、2つの特徴が見られる。まず第1に極大値が72°づつずれていることがわかる。これは図2に示すとおり、各誘電体共振器が72°づつ傾きを変えて設置されているためである。第2に、各波形の高さが異なっているということである。つまり、各波形の個体差とは、各波形の高さの違いであり、より端的に言えば、各波形ごとの平均値の違いとなる。本発明の補正係数算出方法は、言い換えるならば試料または測定ヘッドを回転させながら測定を行うことで、あらかじめ各ヘッドについて同一試料を測定した時の前記シフト量の波形を求め、次に前記波形の平均値を導き、さらに前記平均値が揃うように補正を行うというものである。すなわち、測定対象試料に応じた正しい補正係数が得られるのである。
この補正係数算出方法により、比較的配向の大きいPETフィルムから比較的配向の小さい紙にいたるまで、高精度の測定が可能であることを確認した。
このような補正係数算出方法は次の点で前出の特許文献4と異なるものである。
特許文献4においては、無配向の標準試料においても絶対的な無配向が実際には得られがたいことに鑑み、無配向の標準試料であっても、微妙な配向の差が標準試料の各領域においてあることを念頭において、その差による誤差を補正係数を求める際に埋めようとしたものである。そのため同文献においては無配向標準試料を一定角度にて回転させ、各特定の領域毎に各誘電体共振器の標準試料シフト量を算出している。(請求項2のステップ4参照)その後、その標準試料シフト量の平均値を各領域毎に算出し、各領域毎に規格化した各誘電体共振器の標準試料シフト量を介在して補正係数を求めている(請求項2のステップ5参照)ことに大きな特徴がある。これに対して本願発明の方法では無配向の標準試料の使用を最初から否定し、測定対象試料そのものを一つの標準試料として使用して各誘電体共振器の補正係数を求めるものである。測定対象試料は配向があるため図10に示したように周期をもつ波形を示すが、この各誘電体共振器の個体差とは、先に説明したように各波形の高さの違いであり、より端的に言えば、各波形ごとの平均値の違いとなると考えた。このように平均値を考えることにより、特許文献4のように標準試料の領域における配向の差を考慮することが不要になり、ひいては無配向標準試料ではなく、配向を持つ測定対象試料であっても、各誘電体共振器の補正係数を求める際の標準試料として使用できることが分かったのである。
更に、実際の測定試料そのものを補正係数を求める際の標準試料として使用する場合において、測定の精度を確保する上で、できるだけ実際の試料測定と同一の条件に近い状態でこの補正係数を求める測定をおこなうことも同時に重要であることが分かったのである。
この補正係数算出のための測定ついて詳細な方法を以下に説明する。図2に示されるように、各々を角度=72°づつ変化させて配置した5個の誘電体共振器によって構成された測定ヘッドを用いて試料を測定する場合を考える。このような複数の測定部を使用した場合、信号処理的には、図11に示すようにマイクロ波掃引発振器から出た信号を5個の誘電体共振器に分配し、透過強度を検波ダイオードで電圧に変換する。これを増幅、A/D変換し、ピーク検出回路によってピーク位置が検出される。周波数の掃引は一定の周期で繰り返され、かつ掃引中のみハイレベルとなる同期信号が同時にマイクロ波掃引発振器から出ているため、この同期信号がハイレベルになる瞬間から透過強度が最大値をとるまでの時間を測定すれば、共振周波数が求められる。図11は5個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図である。例えば、250MHzを10msecで掃引する場合のタイムチャートを図12に示す。図12は図11に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャートである。次に、先に説明した図6から図9に示した(1)試料押し圧測定方法、(2)試料吸引測定方法、(3)試料与風圧測定方法等の方法により測定を行った際の補正係数を求める手順を示す。
1.測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時の共振周波数を求める。
2.測定対象試料を、各測定方法において、少なくとも全ての誘電体共振器の測定面を覆う大きさに切断して測定ヘッド上に載せ、試料を先に説明した方法によって試料測定状態と実質的に同一の状態にして各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
3.ステップ2において測定ヘッド上に載せた試料を、測定ヘッドの中心部を中心として任意の回転角ごとに回転させながら、順次各誘電体共振器の共振周波数を同様に測定する。
4.ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求める。
5.ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出する。
6.ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求める。
以上は、測定対象試料を測定ヘッドに載せられるようにあらかじめ適当な大きさ切断した上で、試料測定状態と実質的に同一の状態において補正係数を求める方法であった。この試料測定状態と実質的に同一の状態において測定を行う方法の中でも、最も理想的な方法は結局、試料測定状態そのものの状態で測定対象試料を標準試料のように模して測定する方法である。これは測定系の状態としてはすなわちオンンライン測定中と全く同じ状態である。以下、この状態の測定方法の一例について説明する。これは(4)オンライン測定中接触回転方法と呼ぶ測定方法である。
1.試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
2.走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態すなわち実際の測定状態と同じ状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
3.ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料表面に接触した状態を維持したまま、測定ヘッドを連続的または断続的に回転させながら、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。この際、測定ヘッドをm回転(ここでm=1、2、3、…)させることで、各誘電体共振器の位置に応じて生じる可能性のあるばらつきを除去することができる。ここで連続的とはスムーズに回転させることを、意味し、回転させながら以下のステップ4における、各回転角毎、例えば回転速度にもよるが5°毎に各シフト量を求めることを意味する。また、断続的にとは回転を断続的に行い、回転していない時に以下のステップ4における、各回転角毎、例えば回転速度にもよるが5°毎に各シフト量を求めることを意味する。
4.ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各回転角ごとのシフト量を求める。
5.ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出する。
6.ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求める。
以上の方法では、配向角及び配向度測定時と全くの同条件で各誘電体共振器の共振周波数を測定しているため、測定対象試料と各誘電体共振器の接触状態は両者で同一となるためより高精度に補正係数が求められるので非常に好ましい例となる。また、この方法では、測定ヘッドの回転角と、その回転角度での共振周波数のシフト量が連動して得られるようなソフトウエアを含む装置を使用する。この際の各回転角度でのシフト量測定のサンプリング周期が短かれば短くなるほど、より細かい回転角度でのシフト量が算出されることとなり、より精密な測定が可能となる。つまり上記に説明したステップ3及び4の各シフト量を求める角度が小さくなればなるほど精密な値が得られるということである。
また、走行中の測定対象試料そのものを標準試料として補正係数を算出すれば、実際のオンライン測定中に生じる、測定対象試料と各誘電体共振器との接触状態の微妙な差が生じた場合でも、例えば、5つの誘電体共振器のうち、ある一つだけ接触状態が少し離れているような場合などの時でさえも補正することが可能であり、より高精度な補正係数を求めることができる。
尚、本方法を行う場合、このような補正係数を求める間は比較的短い時間であるので試料が変化していないことを前提として行うものである。例えば、測定対象が抄紙後の紙の場合。その抄紙条件について補正係数を求める間は変化させないというような配慮や、抄紙開始直後より状態が比較的安定してから補正係数測定を行うというが如くの配慮が必要になることはいうまでもない。
また、走行中に補正係数を求める方法としては、以下の手順としても良い。以下(5)オンライン測定中非接触回転方法と呼ぶ測定方法である。
1.試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッドを、何にも接触させない状態で各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求める。
2.走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態すなわち実際の測定状態と同じ状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
3.ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドを任意の角度θで回転させた後、再び走行中の測定対象試料の表面に測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定する。ここでθは、小さければ小さいほど精度良く補正係数を求める事が出来ることは言うまでもない。また、回転させる角度θを360°/誘電体共振器の数(例えば、誘電体共振器が5個の場合、θ=72°)とすることで、測定個数が多くなくても、測定時の各誘電体共振器のポジションが同一となり測定条件が等しくなるため、簡便に精度良く補正係数が求められる。
4.ステップ3の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドをさらにステップ3のときと同様の角度だけ回転させた後、再び走行中の測定対象試料の表面に測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定する。
5.ステップ4と同様にして、測定ヘッドが360°回転するまでで繰り返し、各回転角での、各誘電体共振器毎の共振周波数を測定する。
6.ステップ2〜5で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求める。
7.ステップ6で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出する。
8.ステップ7の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求める。
この方法は、測定ヘッドを一定の回転角ごとに固定しながら測定を行うため、その都度各誘電体共振器の共振周波数のシフト量を読み取って記録すれば良く、先に説明した例のように特別なソフトウエアを必要とせず簡便に補正係数を求めることができるという利点がある。
以上のように求められた補正係数を用いて、実際の測定では、その後以下のステップにしたがって配向を求めることになる。
1.走行する測定対象試料に測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定する。
2.ステップ1で得られた各誘電体共振器の共振周波数とブランク時共振周波数の差から測定試料シフト量を算出する。
3.ステップ2で得られた周波数シフト量に先に求めた誘電体共振器ヘッドの各々の補正係数を掛けて補正後のシフト量とし、その値を元に測定対象試料の配向を求める。具体的には補正後のシフト量を極座標上にプロットし、配向パターンを求めるものである。
以上のような演算ステップをマイクロコンピュータ等によりプログラム化して補正係数の演算を自動化することは容易である。この場合、標準試料の測定が自動化されないときは、測定毎に手動操作が加わることになる。以上のようにオンラインにて配向パターンが測定できれば、その測定結果をコンピュータによって演算し、抄紙機や延伸機のパラメータ、例えばJ/W比(ジェットワイヤー比)や延伸倍率(延伸ロール回転速度差)を調整すること等によって配向パターンをオンライン制御できることはいうまでもない。
(実施例)
以下に本発明に係る実装体製造の具体例を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
測定対象試料をほとんど配向のない紙とし、図2に示した測定ヘッドを使用し、図11に示した回路構成をとって図12に示したタイムチャートにしたがって測定を行った。測定対象試料を測定ヘッドの直径と同じサイズに切断し、測定ヘッドと試料を図7に示した方法に基づいて接触させた。この状態は測定ヘッドに対して試料測定状態と実質的に同一の状態となるものである。試料を30°づつ回転させて、各誘電体共振器ごとに共振周波数のシフト量を測定し、図10と同様なグラフを作成して補正係数を求めた。この補正係数を用いて配向角及び配向度を測定した結果を表1に示す。図13は測定対象試料が500m/minで走行している時の繊維配向を測定した時の配向パターンを示す。このデータは抄紙機において抄紙直後の紙を測定したものである。図中、楕円の長軸が配向している方向を表わすが、分かりやすく図中では、さらにその方向を符号A1で示す直線を書き込んむことにより、配向角をわかりやすく表示している。配向の方向がY軸と一致する場合が配向角0°となる。図では配向角は0°よりほんの少し+となっている。また、描かれる楕円パターンと丸印で示した測定点がほぼ完全に一致しており、正確に配向角を表わしていることがわかる。この測定結果はオフラインで測定した結果ともよく一致した。
(実施例2)
実施例1と同じ紙を測定対象として測定を行った。正確には同じ抄紙機において全く同じ品種の紙を製造しながら行ったものである。先に説明した(4)オンライン測定中接触回転方法と呼ぶ測定方法で行った。すなわち、走行中の測定対象試料試料に測定ヘッドを接触させたまま、測定ヘッドを連続して360°回転させながら補正係数を求めた。測定結果を表1に示す。図14は同様に配向パターンを示す。符号A2で示す配向角を表示する直線の方向等から比較して、図13に示した実施例1とほぼ同じ結果となったことが分かる。
(比較例1)
実施例1と同様にして測定を行った。ただし、補正係数を求めるサンプルとして十分に滑らかな表面を持つ実質的に無配向である標準試料を用いた。測定結果を表1に示す。図15は同様に配向パターンを示す。実施例1の図13と比較して描かれた配向パターンと測定点が一致しておらず、正しく楕円パターンが描けていないことがわかる。また、符号A3で示す配向角を表示する直線の方向からも、配向角も大きくずれていることが分かる。結局、この無配向の標準試料では正しい補正係数を求められないことが分かる。
Figure 0004124147
以上のように、本発明の補正係数算出方法によって、配向の少ない紙の場合でも精度良く配向角および配向度が測定できることが確かめられた。
誘電体共振器の(1)は平面図、(2)は垂直断面図である。 5個の誘電体共振器を一つの金属ケースに配置して得られた測定ヘッドの一例を示す平面図。 ブランク(試料の無い状態)時と試料測定時の共振周波数のシフト量を表わす図。 配向パターンの一例を示す図。 測定試料を測定ヘッド上で回転させたときのシフト量を示す図。 試料押し圧測定方法についての一例の原理を示す斜視図。 試料吸引測定方法の一例を示す断面図。 試料吸引測定方法の別の一例を示す斜視図。 試料与風圧測定方法についての一例を示す断面図。 測定試料を測定ヘッド上で回転させたときのシフト量を5つの誘電体共振器の全てについて示したグラフ。 5個の誘電体共振器からの信号を処理する回路のブロック図。 図11に示したブロック図における信号の処理を示すタイムチャート。 実施例1における配向パターンを表わす図。 実施例2における配向パターンを表わす図。 比較例1における配向パターンを表わす図。
符号の説明
1〜5:誘電体共振器
15:測定ヘッド
16:試料
21a、21b:固定ロール
22:重り
23:空気吸引孔
24:吸引ポンプ
25:サンプルホルダー
26:試料固定用止め具
27:ゴム製のパッキン
28:吸引孔
29:チューブ
30:台座
31:ファン
15:測定ヘッド
16:試料

Claims (5)

  1. 測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法。
    (ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
    (ステップ2)少なくとも全ての誘電体共振器の測定面を覆う大きさの測定対象試料を、測定ヘッド上に載せ、測定ヘッドに対して試料測定状態と実質的に同一の状態にし、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ3)ステップ2において測定ヘッド上に載せた試料を、測定ヘッドの中心部を中心として任意の回転角ごとに回転させながら、順次各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ4)ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
    (ステップ5)ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
    (ステップ6)ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
  2. 前記ステップ2において測定ヘッドと測定対象試料を次の(1)から(3)のいずれか少なくとも一つの方法によって測定ヘッドに対して試料測定状態と実質的に同一の状態にして測定する請求項1記載の測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における補正係数算出方法。
    (1)測定対象試料に張力を与えた状態で測定ヘッドを試料に押圧することにより試料測定状態を模擬した状態、(2)測定ヘッドの外周部および/または測定ヘッドの構造部に空気吸引孔を設けその空気吸引力によって測定対象試料をヘッドに吸着させることにより試料測定状態を模擬した状態、(3)測定対象試料の上方に空気流発生手段を設けその風圧により測定対象試料を測定ヘッドに押し当てることにより試料測定状態を模擬した状態。
  3. 測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法。
    (ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッド上に何も置かない状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
    (ステップ2)走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ3)ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料表面に接触した状態を維持したまま、測定ヘッドを連続的または断続的に回転させて、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ4)ステップ2および3で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
    (ステップ5)ステップ4で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
    (ステップ6)ステップ5の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
  4. 測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法における次のステップを備えた補正係数算出方法。
    (ステップ1)試料の一面側のみに配置された複数(n個)の誘電体共振器を備える測定ヘッドを、何にも接触させない状態で各誘電体共振器の共振周波数を測定することによりブランク時共振周波数を求めるステップ。
    (ステップ2)走行中の測定対象試料表面に、測定ヘッドを接触させた状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ3)ステップ2の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドを任意の角度で回転させた後、再び走行中の測定対象試料の表面に測定ヘッドの表面を接触させ、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ4)ステップ3の測定ヘッドを測定対象試料から一旦離し、測定ヘッドをさらにステップ3のときと同様の角度だけ回転させた後、再び走行中の測定物対象試料の表面に測定ヘッド表面を接触させ、各誘電体共振器毎に共振周波数を測定するステップ
    (ステップ5)ステップ4と同様にして、測定ヘッドが360°回転するまでで繰り返し、各回転角での、各誘電体共振器毎の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ6)ステップ2〜5で得られた各誘電体共振器の全ての共振周波数と、ステップ1のブランク時共振周波数との差から、各誘電体共振器の各回転角ごとのシフト量を求めるステップ。
    (ステップ7)ステップ6で得られた各誘電体共振器毎の各回転角でのシフト量を、各誘電体共振器毎に平均値を算出するステップ。
    (ステップ8)ステップ7の各誘電体共振器毎のシフト量を規格化して補正係数を求めるステップ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の補正係数算出方法に更に次のステップを備えて測定対象試料の配向を求めるオンライン配向測定方法。
    (ステップ1)走行する測定対象試料に測定ヘッドを接触状態で、各誘電体共振器の共振周波数を測定するステップ。
    (ステップ2)ステップ1で得られた各誘電体共振器の共振周波数とブランク時共振周波数の差から測定試料シフト量を算出するステップ。
    (ステップ3)ステップ2 で得られた周波数シフト量に請求項1から4のいずれか一項に記載の誘電体共振器ヘッドの補正係数を演算して補正後のシフト量とし、その値を元に測定対象試料の配向を求めるステップ。
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