JP2010101789A - 坪量測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電率異方性を精度よくキャンセルして坪量を正確に測定する。
【解決手段】シート状サンプルの一面側のみに配置された複数個の矩形誘電体共振器をその長辺方向がそれぞれ基準方向から異なる方向(θ)を向くように同一平面上に配置してそれぞれの共振器の共振周波数f1〜fnを測定し、各矩形誘電体共振器の共振周波数のシフト量Δf1〜Δfnを求め、それらを極座標上にプロットして楕円近似処理し、その楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径をサンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算シフト量Δfrとする。Δfrと坪量との関係を用いて、求めた換算シフト量Δfrから坪量を求める。
【選択図】図6

Description

本発明は、紙、不織布、フィルムをはじめとするシート状物質の厚さ又は坪量(1m2あたりの質量)を、マイクロ波の共振を利用して測定する方法と装置に関する。
紙の製造工程において、坪量(1平方メートル当たりの重量)および水分をオンラインで測定することは非常に重要であり、紙の品質上および商取引上重要な管理項目となっている。
従来、紙の坪量はBM計を用い、β線の透過減衰量から求めるのが一般的である。坪量を測るβ線はKr(クリプトン)85又はPm(プロメシューム)147などの放射線源を用いている。坪量が大きいとβ線の減衰量が大きく、坪量が小さいと減衰量が小さいため、β線の透過量と坪量とは反比例に近い関係にあり、厳密には検量線を用いて正確に求められる。
紙の水分は近赤外線の吸収から求めるのが一般的である。水分を測る近赤外線としては、通常、3種類の波長が用いられている。それらは、基準光として波長1.8μm(水分量により減衰しない波長)、測定光として波長1.9μm(水分量により減衰する波長)、補正光として波長2.1μm(セルロース量に影響を受けない波長)の3波長である。近赤外線の減衰量と水分量との関係を予め検量線として調べておくことによって、正確な水分が求められる。
β線を用いる従来の坪量測定においては、線源としてKr85又はPm147などの放射線源を用いなければならず、これが人体に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、測定時には線源に近づかないように立入禁止区域を設け、また、近辺で作業する機会の多い人にはフィルムバッチの携帯を義務付け、定期的に浴びた放射線量をチェックしなければならない。さらに、放射線を取り扱うことができる主任技術者を決める必要があり、取扱いに十分な注意と専門知識が要求される。
このような課題を回避する方法として、本発明者らは放射線を使用しないで紙などのシート状物質の坪量とさらには水分までも測定する方法と測定装置を提案している(特許文献1参照。)。その特許文献1の内容を本明細書に参照により取り込む。その測定装置では、一方向成分をもつ電界ベクトルを発生する複数個の誘電体共振器が同一平面上に配置され、かつ、前記平面に平行でサンプルを横切るサンプル内平面を仮定したとき、それらの誘電体共振器の電界ベクトルがそのサンプル内平面において互いに異なる方向になるように配置されている。
特開2006−349425号公報(米国特許第7,423,435B2号公報)
特許文献1に記載の発明は、基本的にはオンラインで紙の繊維配向などのサンプルの誘電的異方性を測る装置の応用として、繊維配向以外に坪量及びさらには水分量も同時に測定できるようにしたものである。そのため、坪量又は水分量を測る場合は、逆にサンプルの誘電率異方性の影響を受けてしまう問題がある。誘電率はテンソルであるため方向によって値が異なるが、坪量や水分量はスカラー量であるため方向によって値が異なることはない。坪量又は水分量を測定するときにこの誘電率異方性をいかにキャンセルするかが課題である。
特許文献1に記載の発明では、異なる方向に配置された誘電体共振器による測定結果を単純に平均化処理する方法を提案している。単純平均化処理方法は処理が簡単であるのでデータ処理装置に対する負担が軽く、高速に処理することができるのでオンライン測定においては特に都合のよい処理方法である。一方、単純平均化処理方法は、例えば配向度の非常に大きなサンプルを測る場合など、サンプルによっては誤差が生じることが判明した。
そこで、本発明はオンライン測定に適用できるように高速処理が可能であることを前提としつつ、誘電率異方性を精度よくキャンセルできる範囲を単純平均化処理よりも広げることのできる方法と装置を提供することを目的とするものである。
図1Aと図1Bに矩形のマイクロ波誘電体共振器の概観図を示す。図1Aは平面図、図1Bはその垂直断面図である。矩形誘電体共振器1が一方のアンテナ2aにより励振され、もう一方のアンテナ2bから出力を出す。共振器1やアンテナ2a,2bはシールドケース4内に収容されている。
ほとんどの共振エネルギーは共振器1の内部に閉じ込められているが、一部はエバネセント波として表面に滲み出している。矩形の誘電体共振器の場合、共振モードを適切に選択することによって、共振器表面に沁み出した電界分布は長辺方向と平行になる。本発明は電界分布が長辺方向と平行になるそのような共振モードで使用する。エバネセント波6の電界ベクトルのほとんどすべてが平行になっていると、サンプル8の誘電率異方性、つまり配向性を測定することが可能になる。
誘電体共振器1の上面にサンプル8を近接又は接触させて配置すると、エバネセント波6の電界ベクトル方向の誘電率に対応して図2のように共振周波数が低周波数側にシフトする。同時にサンプルの誘電損失率に対応して共振ピークレベルが下がる。サンプルの誘電率をε’、誘電損失率をε”、サンプルの厚みをTとすると、共振周波数のシフト量Δfは(ε’―1)×Tに比例し、ピークレベルの変化量ΔPは、ε”×Tに比例する。
配向性を測定する場合は、誘電率の異方性を見ればよい。そこで、複数の矩形誘電体共振器を互いに方向が異なるように配置し、各共振器における共振周波数のシフト量を検知すれば、誘電率異方性がわかる。
図3に、例えば5個の矩形誘電体共振器1a〜1eを基準方向から互いに異なる方向(θ)をもつように配置した場合のレイアウト例を示す。5個の共振器1a〜1eはなるべく近い場所を測定できるように互いに接近して配置することが好ましい。この例では、直径200mmの円内に5個の共振器1a〜1eを配置している。基準方向は任意に定めることができるが、ここでは一例としてサンプルの移動方向(MD方向)を基準方向とする。これに対応した配向パターンを図4に示す。これは角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、共振器1a〜1eの方向(θ)を角度θとし、それぞれの共振器が検出した共振周波数のシフト量Δfをrとしてプロットし、楕円近似を行ったものである。楕円の長軸方向が共振周波数のシフト量の最大方向を示すため、この方向でサンプルの誘電率が最大となる。したがって、この方向に繊維あるいは分子鎖が並んでいることになる。楕円の長軸方向が配向角度(φ)である。一方、配向度は近似した楕円の長軸aと短軸bの差又は比で表すことができる。
特許文献1の発明は、元来紙などのシート状物質の繊維配向又は分子配向を誘電率の異方性から求める方法と装置の副次的なものとして考え出されたものであり、配向測定と同時に坪量も測定できるというものである。そのために、スカラー量である坪量を測定する場合、誘電率の方向依存性が逆に障害となる。そこで、その誘電率の異方性つまり共振周波数のシフト量(サンプルがない場合のブランク時の共振周波数からサンプルがあるときの共振周波数を引いた値)の方向依存性をキャンセルする1つの方法として、複数個の共振器の共振周波数のシフト量を単純に平均化処理している。
共振周波数のシフト量を極座標上にプロットすると、サンプルが無配向でない場合、例えば図4のようにサンプルの誘電率方向依存性によって少しずつ異なる値になる。しかし、坪量はスカラーであるため、方向依存性を有しない。そこで方向依存性をキャンセルする方法として、共振周波数のシフト量Δfを極座標上にプロットし、楕円近似をしてできる楕円体の面積に着目した。
そこで、本発明の坪量測定方法は、シート状サンプルの一面側のみに配置された複数個の矩形誘電体共振器をその長辺方向がそれぞれ基準方向から異なる方向(θ)を向くように同一平面上に配置してそれぞれの共振器の共振周波数f1〜fnを測定し、以下のステップ(S1)から(S6)によってサンプルの坪量を算出する方法である。
(S1)サンプルについて各矩形誘電体共振器のシフト量Δf1〜Δfnを求めるステップ。
(S2)角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記シフト量Δf1〜Δfnをrとしてプロットし、楕円近似処理により楕円を描くステップ。
(S3)前記楕円の面積を求めるステップ。
(S4)前記楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径を前記サンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算シフト量Δfrとするステップ。
(S5)Δfrと坪量との関係を示す第1の関係を予め用意するステップ。
(S6)前記ステップS4で求めたΔfrから前記ステップS5で用意した第1の関係を用いてサンプルの坪量を求めるステップ。
坪量(厚さ)測定の原理は特許文献1に詳しく説明されている。サンプルに誘電率異方性がないと仮定すると、サンプルがない場合の共振周波数f0とサンプルがある場合の共振周波数fsとの差であるシフト量Δfは坪量bに比例する。そこで、電率異方性をもつサンプルについては電率異方性をキャンセルした換算シフト量Δfrを求めることができれば、換算シフト量Δfrは坪量bに比例することになる。
一般に、結晶の屈折率異方性を示す場合は屈折率楕円体を用いており、高分子フィルムにおいても3次元屈折率のプロットは楕円体形状になり、誘電率も2階のテンソルであるので3次元的に楕円体となる。このことから、配向性を楕円として表示し、議論するのは理論的に妥当であるといえる。この楕円の面積と同じ面積を有する円を考えると、この円の半径はちょうど共振周波数のシフト量(Δf)の方向依存性を消した形で、異方性を排除したサンプル本来のシフト量に対応している。
前記ステップ(S5)で用意するΔfrと坪量との間の第1の関係の一例は、Δfrと坪量との関係を示す検量線である。検量線は、誘電率及び密度が測定対象のサンプルと同じで互いに坪量が異なる複数の標準サンプルを用い、次のステップS11からS13により作成することができる。
(S11)各標準サンプルの坪量を既知の方法により求めるステップ。
(S12)各標準サンプルのΔfrをステップ(S1)から(S4)により求めるステップ。
(S13)複数の標準サンプルについて求めた坪量とΔfrとの間の第1の関係を示す検量線を作成するステップ。
この場合、坪量を求めるステップ(S6)ではステップ(S4)で求めたサンプルのΔfrにステップ(S13)で作成した検量線を適用する。
ステップ(S5)で用意するΔfrと坪量との間の第1の関係の他の例は、Δfrと坪量bとの関係を示す下記の式(2)
Δfr=A・b (2)
である。
この関係式は、誘電率及び密度が測定対象のサンプルと同じ標準サンプルを用い、次のステップS21からS23により作成することができる。
(S21)前記標準サンプルの坪量bを既知の方法により求めるステップ。
(S22)その標準サンプルのΔfrをステップ(S1)から(S4)により求めるステップ。
(S23)その標準サンプルについて求めたΔfrと坪量bを用いて、定数Aを
A=b/Δfr
により求めるステップ。
この場合、坪量を求めるステップ(S6)ではステップ(S4)で求めたサンプルのΔfrとステップ(S23)で求めた定数Aを式(2)に適用する。
本発明は、坪量を求めるとともに、さらに水分量として水分含有量又は水分含有率も求めることも含む。水分含有量及び水分含有率の測定原理については特許文献1に詳細に説明されているが、概要は次の通りである。サンプルのない状態(ブランク)についての共振ピークレベルP0とサンプルの共振ピークレベルPsの差をΔP(=P0−Ps)とする。ΔPはサンプルの誘電損失率ε’’とサンプルの厚さtを掛け合わせた値ε’’・tに比例するので、厚さtが一定のサンプルではΔPから水分含有量を測定することができる。また、厚さが一定でないサンプルの測定については、サンプルの水分が微量であるような場合、すなわちε’が一定である場合は、誘電損失率ε’’はサンプルの厚さtに関わらずΔP/Δfに比例するので、ΔP/Δfから水分含有率を測定することができる。この説明はサンプルが誘電率異方性をもっていないと仮定した場合の説明であるので、サンプルが誘電率異方性をもっている場合はその誘電率異方性をキャンセルした換算ΔPr、ΔPr/Δfrを導き出すことができれば、それらを用いて水分含有量及び水分含有率を求めることができる。
サンプルの水分含有量又は水分含有率を求める際の誘電的異方性をキャンセルする方法は坪量を求める場合の誘電的異方性をキャンセルする方法と同じである。すなわち、それぞれの共振器の共振周波数位置でのピークレベルP1〜Pnを測定し、以下のステップ(S31)から(S36)によって水分含有量又は水分含有率を算出する。
(S31)サンプルについて各矩形誘電体共振器のピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnを求めるステップ。
(S32)角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記ピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnをrとしてプロットし、楕円近似処理により楕円を描くステップ。
(S33)前記楕円の面積を求めるステップ。
(S34)前記楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径を前記サンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算ピークレベル変化量ΔPrとするステップ。
(S35)ΔPrと水分含有量又は水分含有率との間の第2の関係を示す検量線又は関係式を予め用意するステップ。
(S36)前記ステップS34で求めたΔPrから前記ステップS35で用意した第2の関係を用いてサンプルの水分含有量又は水分含有率を求めるステップ。
ここで、ピークレベル変化量とは、サンプルがない場合とある場合の各矩形誘電体共振器の共振ピークレベルの差をいう。
本発明の坪量測定装置は、サンプルと対向する面が矩形をもってサンプルの一面側のみに配置され、かつそれぞれの長辺方向が基準方向から異なる方向(θ)を向くように配置された複数(n)個の矩形誘電体共振器と、各誘電体共振器に電界ベクトルを発生させるマイクロ波用励振装置と、各誘電体共振器による透過エネルギー又は反射エネルギーをそれぞれ検出する検出装置を備え、さらに図5に示されるように、誘電率及び密度が測定対象サンプルと同じ標準サンプルについて求められた坪量に対する共振周波数のシフト量を示す第1の関係を記憶させた記憶装置13と、測定対象サンプルを測定したときの各共振器の共振周波数と記憶装置に記憶された第1の関係とに基づいてその測定対象サンプルの坪量を算出するデータ処理装置10とを備えている。
図5と図6に示されるように、データ処理装置10は、坪量を算出するための坪量算出手段11として、各共振器の共振周波数のシフト量Δf1〜Δfnを求めるシフト量算出手段14と、角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、各共振器の方向(θ)を角度θとしシフト量算出手段14が求めたシフト量Δf1〜Δfnをrとしてプロットしたときに楕円近似処理により描かれる楕円と同面積の円の半径を求めてそれを換算シフト量Δfrとする換算シフト量算出手段15と、換算シフト量算出手段15が求めた換算シフト量Δfと記憶装置13に記憶された第1の関係とから坪量を算出する坪量算出手段16を備えている。
本発明の坪量測定装置がさらに水分含有量又は水分含有率を求める機能を備えているときは、記憶装置13は誘電損率及び厚さが測定対象サンプルと同じ標準サンプルについて求められた水分含有量又は水分含有率に対するピークレベル変化量を示す第2の関係も記憶している。そして、図5に示されるように、データ処理装置10は測定対象サンプルを測定したときの各共振器の共振周波数位置でのピークレベルP1〜Pnと記憶装置に記憶された第2の関係とに基づいてその測定対象サンプルの水分含有量又は水分含有率を算出する水分量算出手段12も備えている。
水分量算出手段12は、図7に示されるように、測定対象サンプルについての各矩形誘電体共振器のピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnを算出するピークレベル変化量算出手段17と、角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、各共振器の方向(θ)を角度θとしピークレベル変化量算出手段17が求めたピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnをrとしてプロットしたときに楕円近似処理により描かれる楕円と同面積の円の半径を求めてそれを換算ピークレベル変化量ΔPrとする換算ピークレベル変化量算出手段18と、換算ピークレベル変化量算出手段18が求めた換算ピークレベル変化量ΔPrと記憶装置13に記憶された第2の関係とから水分含有量又は水分含有率を算出する水分含有量/含有率算出手段19を備えている。
第2の関係も第1の関係と同様に求めることができる。第2の関係がΔPrと水分含有量又は水分含有率との関係を示す検量線である場合、その検量線は誘電損率及び密度が測定対象のサンプルと同じで互いに水分含有量又は水分含有率が異なる複数の標準サンプルを用い、次のステップS41からS43により求めることができる。
(S41)各標準サンプルの水分含有量又は水分含有率を既知の方法により求めるステップ。
(S42)各標準サンプルのΔPrをステップ(S31)から(S34)により求めるステップ。
(S43)複数の標準サンプルについて求めた水分含有量又は水分含有率とΔPrとの間の第2の関係を示す検量線を作成するステップ。
この場合、水分含有量又は水分含有率を求めるステップ(S36)ではステップ(S34)で求めたサンプルのΔPrにステップ(S43)で作成した検量線を適用する。
第2の関係がΔPrと水分含有量又は水分含有率cとの間の関係式である場合、その関係式は下記の式(3)
ΔPr=B・c (3)
となる。この式(3)は誘電損率及び密度が測定対象のサンプルと同じ標準サンプルを用いて、次のステップS51からS53により求めることができる。
(S51)前記標準サンプルの水分含有量又は水分含有率cを既知の方法により求めるステップ。
(S52)その標準サンプルのΔPrを前記ステップ(S31)から(S34)により求めるステップ。
(S53)その標準サンプルについて求めたΔPrと水分含有量又は水分含有率cを用いて、定数Bを
B=c/ΔPr
により求めるステップ。
この場合、水分含有量又は水分含有率を求めるステップ(S36)ではステップ(S34)で求めたサンプルのΔPrとステップ(S53)で求めた定数Bを式(3)に適用する。
本発明の好ましい形態において、各検出器に接続されてそれぞれの出力を増幅する増幅回路は時間遅れ要素を含んだものであり、複数の共振器のそれぞれは、それぞれに接続されたマイクロ波発振器から、前記増幅回路に接続されてその出力から共振ピークレベルを検出する共振ピークレベル検出回路までの間に挿入される量可変電気信号減衰/増幅手段を備えた共振器検出系を構成しており、それぞれの共振器検出系の共振ピークレベル検出回路からの出力を、別途設定する目標共振ピークレベルと比較し目標共振ピークレベルに近づくように量可変電気信号減衰/増幅手段に対する減衰度又は増幅度を変える信号を演算出力する演算手段を備えている。
本発明では各矩形誘電体共振器の共振周波数のシフト量Δf1〜Δfnを求め、それらを極座標上にプロットして楕円近似処理し、その楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径をサンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算シフト量Δfrとする。Δfrと坪量との関係を用いて、求めた換算シフト量Δfrから坪量を求めるようにしたので、シフト量Δf1〜Δfnを単純平均するよりも誘電的異方性をキャンセルすることができ、求められる坪量の精度が向上する。
本発明において、サンプルの誘電的異方性をキャンセルする考え方を模式的に表すと図8のようになる。ここでは、楕円の長軸の半分を100、短軸の半分を70とした。Δfに該当するのは円の場合は半径、楕円の場合は中心からの距離である。測定ポイントの5点の方向は、18°、90°、162°、234°、306°としてプロットした。図8で斜線の部分が楕円の面積と同じ面積を有する円の面積を表していることになる。縦軸のレベルが平準化したΔfを表し、この場合は83.67となる。これに対して、単に5点を平均したものは80.80となり、同じ値にはならない。
次に、共振器が5個の場合を例にとり、単純に5つのΔfを平均した場合と本発明のように面積を同じくする円の半径を求めた場合との比較を図9A〜図9Cに示す。長軸を4000、短軸を4000とした場合は円を表すが、この場合は両者に差がない。次に、長軸を4000、短軸を3800にすると、差が15となる。さらに短軸が3600になれば差が28.1と大きくなり、楕円が細長くなればなるほど、つまり配向度が大きくなればなるほど両者の差が大きくなることがわかる。
この違いは、また、共振器の数によっても変わってくる。共振器の数が多い場合は差が小さい傾向にあるが、例えば3個など少なくなってくると、さらに差が大きくなる傾向にある。
また、単純に平均化処理をする方法では、例えば5つの誘電体共振器の場合、5点の配置角度が基準方向からずれるだけで、平均値結果が変わる。このことは、配向角度が0度方向から5度、10度と傾くだけで、たとえ同じ坪量であっても5点平均値が異なることを意味しており、誤差要因となる。本来、配向角度が変わっても坪量が変わらないため、平均値も変わってはいけないのである。この点からも、単に平均値処理をするのは正しくないと言える。
測定装置の具体例を示す。5個の誘電体共振器1a〜1eを配置し、図10のブロック図で示す信号処理回路を用いて、図11に示すタイムチャートに基づいて信号を処理して共振周波数を測定する。
マイクロ波発振手段の一つであるマイクロ波スイーパ発振器21から出た信号を、アイソレータ22a〜22eを介して誘電体共振器1a〜1eに分配している。各共振器1a〜1eからの出力はそれぞれの検波ダイオード23a〜23eで電圧に変換され、それぞれの増幅及びA/D変換回路部24a〜24eを通ってそれぞれのピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eに入る。
共振周波数の測定は次のように行われる。図11に示したようにマイクロ波スイーパ発振器21が周波数を掃引する。例えば周波数を4ギガヘルツを中心に10msecで250MHz掃引することによって連続的に周波数が上げられる。その周波数掃引により、ピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eではマイクロ波透過強度から共振カーブが得られる。ピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eはそのスイープ信号21sからスタートパルス部分を検知して共振レベルがピークに達するまでの時間を測定し、その時間から比例計算によって共振周波数を求める。
この方法では、掃引開始タイミングをスイープ信号の立ち上がりであるスタートパルス部分によって検知できるため、そこからピークレベルに達するまでの時間を計測し、10msecで250MHzの掃引速度から計算して共振周波数が測定される。これを、例えば50msecの周期で繰り返し、20回平均で1つの共振周波数としている。このように1回の掃引時間は10msecと非常に短く、高速で信号を増幅し、デジタル処理を行っているわけである。
図12に図10に示した回路中の一つの誘電体共振器についての検出系の回路をさらに詳細に示した。他の誘電体共振器についての検出系の回路も同じである。先に説明した増幅及びA/D変換回路部24aは、一例としては増幅回路31とA/Dコンバータ部LSI32からなる。増幅及びA/D変換回路部24aからのデジタル出力はピーク検出及び平均値化処理回路部25aに入る。ピーク検出及び平均化処理回路部25aは、一例としてはピーク検出LSIと平均化処理LSIからなる。ピーク検出LSIは正確に言えば共振ピークレベル検出回路ももっている。このLSIにおいて共振ピーク検出として共振周波数と共振ピークレベルの両方を検出し、平均化処理LSIではスイープ毎に得られる共振周波数と共振ピークレベルの平均化処理を行っている。
ピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eの後段にはマイクロコンピュータ26接続され、各誘電体共振器検出系からの信号がマイクロコンピュータ26に入力される。マイクロコンピュータ26はピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eからの共振周波数と共振ピークレベルをまとめて後段のパソコン27に送信する。マイクロコンピュータ26はまた、各増幅及びA/D変換回路部24a〜24e、ピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eを誘電体共振器系毎に制御して動作させるための制御機能ももっている。
このマイクロコンピュータ26にはパーソナルコンピュータ27が接続されている。パーソナルコンピュータ27はマイクロコンピュータ26からの出力を演算して坪量とさらには水分含有量又は水分含有率を求めてデータとして表示したり記憶したりする。パーソナルコンピュータ27が図5から図7に示されたデータ処理装置10の機能と記憶装置13を実現している。パーソナルコンピュータ27はまた、配向の向きや量を測定する機能も備えている。
ここで、図12において増幅及びA/D変換回路部24aにおいて増幅後の出力にはノイズによるリップルが含まれているため、増幅回路31ではコンデンサC1と抵抗R2から構成されるRC回路をフィードバックラインに挿入し、リップル電圧を吸収軽減し、変動の少ない直流電圧を得ている。このためコンデンサC1は本増幅回路では必須となっている。
このようなC1やR2が所謂時間遅れ要素となり、そのために、増幅回路には遅れ(時定数)が生じる。このような増幅回路を使用した回路に掃引時間10msecという高速で掃引した場合の共振器出力を入力した場合の問題点とその解決方法について特許文献1に詳細に説明されている。そのような問題を解決した信号処理回路の一例を図13に示す。
図13は先の図10に示した誘電体共振器からの信号を処理する回路にプログラマブルアッテネータを入れた状態を示す配向計の誘電体共振器の回路のブロック図である。図中図10に示した各構成部分と同じ番号を付した部分は同様の部分で同様の機能を奏するものである。なお、パーソナルコンピュータ27はこのようなプログラマブルアッテネータを制御する機能をソフト的に加わったものになるので図10のそれとは機能的には異なるものとなる。図10のように5つの誘電体共振器を使用する場合はその5つの誘電体共振器の回路のそれぞれに図13に示したようにプログラマブルアッテネータ33a〜33eを入れる。
すなわち、マイクロ波スイーパ発振器21から出たマイクロ波は分配され5個のプログラマブルアッテネータ33a〜33eに入り、ここでそれぞれのプログラマブルアッテネータにパーソナルコンピュータ27から送られる電気信号34sによって決められた量だけ減衰される。減衰されたマイクロ波はアイソレータ22a〜22eを通り、5個の誘電体共振器1a〜1eにそれぞれ入力される。共振レベルは反対側のアンテナで検出され、透過強度を検波ダイオード23a〜23eで電圧に変換する。その後増幅及びA/D変換回路部24a〜24eを通り、ピーク検出及び平均化処理回路部25a〜25eに送られる。図10の回路の動作と同様に、ピーク検出LSIにおいて共振周波数及びピークレベルが測定される。
また、この共振ピークレベル電圧はマイクロコンピュータ26を介してパーソナルコンピュータ27に送られ、目標の共振ピークレベル電圧と比較され、その偏差(目標の共振ピークレベル電圧−現在のピークレベル電圧)に応じてプログラマブルアッテネータ33a〜33eの減衰量を決定し、パーソナルコンピュータ27からデジタル信号を出すことによってプログラマブルアッテネータ33a〜33eの減衰量を変え、目標の共振ピークレベル電圧に調整する。すなわちパーソナルコンピュータ27が目標共振ピークレベル電圧と比較し差演算に基づき演算を行う演算手段となる。この処理が各誘電体検出器系、図13の例では5系統にそれぞれ行われる。
尚、目標の共振ピークレベル電圧は増幅及びA/D変換回路部24a〜24eのA/D変換の入力電圧範囲の中で、入力オーバーがないように少し余裕を見てできるだけ高い値に設定する。例えば最大入力電圧の90%等の値とする。尚、このA/D変換への入力電圧は前段の増幅の大きさも関与する。
以上に説明したように、マイクロコンピュータ26を介して、測定された共振周波数と共振ピークレベル電圧がパーソナルコンピュータ27に送られる。パーソナルコンピュータ27が予め設定した目標共振ピークレベル電圧と実際に測定した共振ピークレベル電圧を比較し、その偏差に応じてプログラマブルアッテネータ33a〜33eの減衰量を制御する。簡単にいえばピーク電圧が目標電圧より大きければ減衰量を増やし、逆に小さければ減衰量を減らしてマイクロ波パワーを上げる。
これを自動的に、かつ短周期に、かつ継続的に繰り返せば、常に一定した共振ピークレベル電圧が得られることになる。
このような共振ピーク電圧を一定にする制御を行っている場合は、前述のサンプルがある場合の共振ピークレベルとサンプルがない場合の共振ピークレベルの差に基づいてサンプルの水分含有量等を求めることは単純にはできない。すなわちこのような場合の一例では、サンプルがない場合とある場合の共振ピークレベルを同一で一定にするような制御を行っている。その場合はその共振ピークレベルを一定にする際に基になった各誘電体共振器のプログラムアッテネータの減衰量の値の各誘電体共振器の平均値について、サンプルがある場合とない場合の差を共振ピークレベルの差と考えることができる。
矩形誘電体共振器を5個用いた場合についてさらに具体的に説明する。
図14に坪量を計算する手順を示す。
ブランクの共振周波数を各誘電体共振器について求め、それぞれ、f01、f02、f03、f04、f05とする。
サンプルの共振周波数を各誘電体共振器についてもとめ、それぞれ、fs1、fs2、fs3、fs4、fs5とする。
各誘電体共振器について、シフト量Δfを計算し、それぞれ、Δf1、Δf2、Δf3、Δf4、Δf5とする。ただし、
Δf1=f01−fs1
Δf2=f02−fs2
Δf3=f03−fs3
Δf4=f04−fs4
Δf5=f05−fs5
5点のΔfを極座標に表示し、楕円近似をかけ、楕円の面積Sを計算する。楕円の面積を同じ面積の円の半径rを求め、それを換算シフト量Δfrとする。
Δfr=(S/π)1/2
このΔfrが誘電率異方性をキャンセルしたシフト量であるので、この換算シフト量Δfrと実際の坪量との関係を種々の紙について調べた。その結果を図16に示す。この結果から、Δfrと坪量bとの関係は、
Δfr=62.193×b
となることがわかった。上記の式と計算されたΔfrを用いて、求める坪量bは、
b=Δfr/62.193
として求められる。
図15に水分量を計算する手順を示す。
各誘電体共振器についてブランクの共振周波数位置でのピークレベルP01〜P05を測定する。各共振器についてサンプルがあるときの共振周波数位置でのピークレベルPS1〜PS5を測定する。各共振器についてピークレベル変化量ΔP1〜ΔP5を求める。ΔP1〜ΔP5を極座標上に表示し、楕円近似処理により楕円の面積を求める。その楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径をそのサンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算ピークレベル変化量ΔPrとする。ΔPrと水分含有量の間の関係を予め求めておき、その関係とサンプルについて求められたΔPrとからサンプルの水分含有量を求める。
水分含有率を求めるときは、換算共振周波数シフト量Δfrも同時に求めておき、ΔPrに変えてΔPr/Δfrを用いる。
図14と図15に示した手順により坪量と水分量の計算を行い、実際の測定画面に表示させた例を図17に示す。図17中の米坪と表示されているのが坪量、水分量は水分含有率を求めて表示している。配向角度は図4に示されたφ、配向度は図4に示された楕円の長軸と短軸の差(a−b)である。
グレードチェンジ(坪量変更)時の、本方法を用いて測定した坪量の変化を図18及び図19に示す。水分量はほとんど変化していない。図18では、SATEN原紙の60.0g/m2から49.3g/m2への坪量変更が行われたときの坪量の変化を示している。ほぼ目標値と同じ坪量を示していることがわかる。また、図19では、TACK原紙54.3g/m2から99.5g/m2への坪量変更時のデータを示す。こちらも、ほぼ目標値通りの坪量を表示できていることがわかる。このように、異方性をキャンセルすることで、さらに高精度な坪量測定が可能となった。
本発明は、紙、不織布、フィルムをはじめとするシート状物質の坪量を測定するのに利用することができる。
本発明で使用する誘電体共振器を示す平面図である。 同共振器の垂直断面図である。 サンプルの有無による誘電体共振器における共振カーブの変化を示す波形図である。 5個の誘電体共振器を配置した配向計測定部の一例を示す平面図である。 図3に示した5個の誘電体共振器から得られた配向パターンの一例を示す図である。 一実施例の測定装置におけるデータ処理装置と記憶装置を示すブロック図である。 同実施例の測定装置におけるデータ処理装置内の坪量算出手段と記憶装置を示すブロック図である。 同実施例の測定装置におけるデータ処理装置内の水分量算出手段と記憶装置を示すブロック図である。 サンプルの誘電的異方性をキャンセルする方法を模式的に示す図である。 共振器が5個の場合、単純に5つのΔfを平均した場合と面積を同じくする円の半径を求めた場合との比較示す図である。 図9Aの結果を数値で示す表である。 円とその半径を長軸とする楕円を示す図である。 5個の誘電体共振器からの信号を処理する回路を示すブロック図である。 図10のブロック図における信号処理を示すタイムチャートである。 図10の回路中の一つの誘電体共振器についての信号処理回路を詳細に示すブロック図である。 図10の信号処理回路にプログラマブルアッテネータを入れた信号処理回路を示すブロック図である。 坪量を測定する手順を示すフローチャートである。 水分量を測定する手順を示すフローチャートである。 異方性をキャンセルしたΔfと実際の坪量との関係を示すグラフである。 実際の測定画面に坪量を表示させた例を示す図である。 実施例におけるグレードチェンジ(坪量変更)時の坪量の変化を示す図である。 実施例におけるグレードチェンジ(坪量変更)時の他の坪量の変化を示す図である。
符号の説明
1,1a〜1e 誘電体共振器
2a,2b アンテナ
4 シールド容器
6 エバネセント波
8 サンプル
10 データ処理装置
11 坪量算出手段
12 水分量算出手段
13 記憶装置
14 シフト量算出手段
15 換算シフト量算出手段
16 坪量算出手段
17 ピークレベル変化量算出手段
18 換算ピークレベル変化量算出手段
19 水分含有量/水分含有率算出手段
21 マイクロ波スイーパ発振器
22a〜22e アイソレータ
23a〜23e 検波ダイオード
24a〜24e 増幅及びA/D変換回路部
25a〜25e ピーク検出及び平均化処理回路部
26 マイクロコンピュータ
27 パーソナルコンピュータ
33a〜33e プログラマブルアッテネータ

Claims (7)

  1. シート状サンプルの一面側のみに配置された複数個の矩形誘電体共振器をその長辺方向がそれぞれ基準方向から異なる方向(θ)を向くように同一平面上に配置してそれぞれの共振器の共振周波数f1〜fnを測定し、以下のステップ(S1)から(S6)によってサンプルの坪量を算出する坪量測定方法。
    (S1)サンプルについて各矩形誘電体共振器の共振周波数のシフト量Δf1〜Δfnを求めるステップ。
    (S2)角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記シフト量Δf1〜Δfnをrとしてプロットし、楕円近似処理により楕円を描くステップ。
    (S3)前記楕円の面積を求めるステップ。
    (S4)前記楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径を前記サンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算シフト量Δfrとするステップ。
    (S5)Δfrと坪量との関係を示す第1の関係を予め用意するステップ。
    (S6)前記ステップS4で求めたΔfrから前記ステップS5で用意した第1の関係を用いてサンプルの坪量を求めるステップ。
    ここで、共振周波数のシフト量とは、サンプルがない場合とある場合の各矩形誘電体共振器の共振周波数の差をいう。
  2. 前記ステップ(S5)で用意するΔfrと坪量との前記第1の関係はΔfrと坪量との関係を示す検量線であり、
    前記ステップ(S5)は、誘電率及び密度が測定対象のサンプルと同じで互いに坪量が異なる複数の標準サンプルを用い、
    (S11)各標準サンプルの坪量を既知の方法により求めるステップと、
    (S12)各標準サンプルのΔfrを前記ステップ(S1)から(S4)により求めるステップと、
    (S13)複数の標準サンプルについて求めた坪量とΔfrとの間の第1の関係を示す検量線を作成するステップを含み、
    坪量を求める前記ステップ(S6)では前記ステップ(S4)で求めたサンプルのΔfrに前記ステップ(S13)で作成した検量線を適用する請求項1に記載の坪量測定方法。
  3. 前記ステップ(S5)で用意するΔfrと坪量との間の前記第1の関係とはΔfrと坪量bとの関係を示す下記の式(1)
    Δfr=A・b (1)
    であり、
    前記ステップ(S5)は、誘電率及び密度が測定対象のサンプルと同じ標準サンプルを用いて、
    (S21)前記標準サンプルの坪量bを既知の方法により求めるステップと、
    (S22)その標準サンプルのΔfrを前記ステップ(S1)から(S4)により求めるステップと、
    (S23)その標準サンプルについて求めたΔfrと坪量bを用いて、定数Aを
    A=b/Δfr
    により求めるステップを含み、
    坪量を求める前記ステップ(S6)では前記ステップ(S4)で求めたサンプルのΔfrと前記ステップ(S23)で求めた定数Aを前記式(1)に適用する請求項1に記載の坪量測定方法。
  4. さらにそれぞれの共振器の共振周波数位置でのピークレベルP1〜Pnを測定し、以下のステップ(S31)から(S36)によってサンプルの水分含有量又は水分含有率も算出する請求項1から3のいずれかに記載の坪量測定方法。
    (S31)サンプルについて各矩形誘電体共振器のピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnを求めるステップ。
    (S32)角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記ピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnをrとしてプロットし、楕円近似処理により楕円を描くステップ。
    (S33)前記楕円の面積を求めるステップ。
    (S34)前記楕円の面積と同面積の円の半径を求め、その円の半径を前記サンプルの誘電的異方性をキャンセルした換算ピークレベル変化量ΔPrとするステップ。
    (S35)ΔPrと水分含有量又は水分含有率との間の関係を示す第2の関係を表わす検量線又は関係式を予め用意するステップ。
    (S36)前記ステップS34で求めたΔPrから前記ステップS35で用意した第2の関係を用いてサンプルの水分含有量又は水分含有率を求めるステップ。
    ここで、ピークレベル変化量とは、サンプルがない場合とある場合の各矩形誘電体共振器の共振ピークレベルの差をいう。
  5. サンプルと対向する面が矩形をもってサンプルの一面側のみに配置され、かつそれぞれの長辺方向が基準方向から異なる方向(θ)を向くように配置された複数(n)個の矩形誘電体共振器と、
    前記各誘電体共振器に電界ベクトルを発生させるマイクロ波用励振装置と、
    前記各誘電体共振器による透過エネルギー又は反射エネルギーを検出する検出装置と、
    誘電率及び密度が測定対象サンプルと同じ標準サンプルについて求められた坪量に対する共振周波数のシフト量を示す第1の関係を記憶させた記憶装置と、
    測定対象サンプルを測定したときの前記各共振器の共振周波数と前記記憶装置に記憶された第1の関係とに基づいてその測定対象サンプルの坪量を算出するデータ処理装置とを備えており、かつ
    前記データ処理装置は坪量を算出するための坪量算出手段として、
    各共振器の共振周波数のシフト量Δf1〜Δfnを求めるシフト量算出手段と、
    角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記シフト量算出手段が求めたシフト量Δf1〜Δfnをrとしてプロットしたときに楕円近似処理により描かれる楕円と同面積の円の半径を求めてそれを換算シフト量Δfrとする換算シフト量算出手段と、
    前記換算シフト量算出手段が求めた換算シフト量Δfと前記記憶装置に記憶された第1の関係とから坪量を算出する坪量算出手段を備えていることを特徴とする坪量測定装置。
  6. 前記記憶装置は誘電損率及び厚さが測定対象サンプルと同じ標準サンプルについて求められた水分含有量又は水分含有率に対するピークレベル変化量を示す第2の関係も記憶しており、
    前記データ処理装置は測定対象サンプルを測定したときの前記各共振器の共振周波数位置でのピークレベルP1〜Pnと前記記憶装置に記憶された第2の関係とに基づいてその測定対象サンプルの水分含有量又は水分含有率を算出する水分量算出手段も備えており、
    前記水分量算出手段は、測定対象サンプルについての各矩形誘電体共振器のピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnを算出するピークレベル変化量算出手段と、
    角度をθ、原点からの距離をrとする極座標(r,θ)上に、前記方向(θ)を角度θとし前記ピークレベル変化量算出手段が求めたピークレベル変化量ΔP1〜ΔPnをrとしてプロットしたときに楕円近似処理により描かれる楕円と同面積の円の半径を求めてそれを換算ピークレベル変化量ΔPrとする換算ピークレベル変化量算出手段と、
    前記換算ピークレベル変化量算出手段が求めた換算ピークレベル変化量ΔPrと前記記憶装置に記憶された第2の関係とから水分含有量又は水分含有率を算出する水分含有量/含有率算出手段を備えている請求項5に記載の坪量測定装置。
  7. 前記各検出器に接続されてそれぞれの出力を増幅する増幅回路は時間遅れ要素を含んだものであり、
    前記複数個の誘電体共振器のそれぞれは、それぞれに接続されたマイクロ波発振器から、前記増幅回路に接続されてその出力から共振ピークレベルを検出する共振ピークレベル検出回路までの間に挿入される量可変電気信号減衰/増幅手段を備えた誘電体共振器検出系を構成しており、
    それぞれの誘電体共振器検出系の共振ピークレベル検出回路からの出力を、別途設定する目標共振ピークレベルと比較し目標共振ピークレベルに近づくように前記量可変電気信号減衰/増幅手段に対する減衰度又は増幅度を変える信号を演算出力する演算手段、を備えている請求項5又は6に記載の坪量測定装置。
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