JP3772425B2 - プリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法 - Google Patents

プリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に配線パターンを形成するプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法に関する。
【0002】
プリント配線基板における配線パターンを形成するパターニングプロセスライン(以下、ラインと略記する)において、プリント配線基板が多種品少量化し、配線パターンの形状や密度も多様に変化してくると、完成品の配線パターンを検査し、その検査結果をまとめてからラインの各プロセスの評価を行う方法では、ラインに検査結果をフィードバックするのが遅くなったり、不良を発生したプロセス元が把握しにくいなどの問題があって、専門の検査員でなくともだれでも同一基準でパターン検査ができてパターニングプロセスの評価が同一の尺度で迅速かつ容易にできることが要望されている。
【0003】
【従来の技術】
例えば、プリント配線基板の配線パターンは、サブトラクティブ法によるパターニングプロセスによって形成される。図2はこのパターニングプロセスの流れ図で、素材の銅張樹脂基板を洗浄する前処理工程11、基板全面にエッチングレジスト(ドライフィルム型あるいは液状型レジスト)を被着するレジスト被着工程12と、エッチングレジストに配線パターンを焼付け露光する露光工程13と、露光されたエッチングレジストを現像し定着する現像・定着工程14と、銅箔をエッチングして配線パターンを形成するエッチング工程15と、配線パターン上のエッチングレジストを剥離するレジスト剥離工程16と、配線パターンが形成されたプリント配線基板を洗浄する洗浄工程17とで構成される。
【0004】
従来のパターニングプロセスの評価方法は、洗浄工程17の次に評価工程18を設け、完成品を検査対象にし、専門の検査員が検査するとか、あるいはライン作業者が自分でチエックしていた。その検査項目は、配線パターンの欠け、線幅不良、短絡やピンホールの有無、異物付着などで、拡大鏡を用いた目視検査によって行い、その検査結果からラインの条件や状態を評価する方法をとっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記評価方法によれば、完成品のパターン検査の結果からラインの条件や状態を評価するため、ラインへのフィードバックが遅くなって大量の不良品が発生すると製造コストに影響するとか、不良品を発生したプロセス元が掴みにくいといった問題の他に、エッチングレジスト(配線パターン上のレジスト)に不良原因が考えられる場合、完成品の配線パターン検査では既にそのエッチングレジストは剥離されているため、不良原因の追求ができないとか、あるいは時間が掛かり対応が遅くなるといった問題があった。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明は製品とは別に用意した評価基板をラインの立ち上がり時に流し、その評価基板の基準パターンを検査することによりプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法においては、プリント配線基板の種々の配線パターンの形状と配線密度とに対応させた複数種の基準パターンを形成する評価基板を、前記プリント配線基板のレジスト被着工程、露光工程、現像・定着工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を含むパターニングプロセスラインに該ラインの立ち上がり前に流し、前記エッチング工程とレジスト剥離工程との間で前記基準パターンを検査し、該検査結果により前記パターニングプロセスの各プロセスの条件及び状態を評価するように構成する。
【0008】
このように構成することにより、基準パターンと共に剥離される前のエッチングレジストがレジスト剥離工程直前に検査できるため、従来の完成品の検査より早く検査結果が判ってラインの各プロセスの評価が迅速にできる。
【0009】
また、レジスト剥離工程後の検査では発見されにくいエッチングレジストの欠陥あるいは異物付着も検査できるため、その検査結果により各プロセスの条件や状態を確実に評価することができる。
【0010】
また、形成される配線パターンが多種多様化されても、基準パターンで検査するため、とくに専門の検査員でなくともだれでも常に一定の尺度で容易に判断できる。
【0011】
あるいは、請求項2においては、前記評価基板の基準パターンは少なくとも全面ベタレジストパターン及びエッチング工程後に基板生地面を露出する生地パターンを含んで構成する。
【0012】
それにより、全面ベタレジストパターン及び生地パターンは、面積が広くて平坦で外観検査がし易く、もし全面ベタレジストパターンにエッチングによるピンホールが発見されれば、他の配線パターン上のエッチングレジストにも欠陥がある可能性が考えられ、あるいは生地パターンにエッチング残りが発見されれば、エッチングレジストが本来必要でない部分にも残っている可能性が考えられ、欠陥エッチングレジストの発見率を一層高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づいて本発明の要旨を詳細に説明する。なお、従来の図2において説明した工程は同一符号を用い、その説明も省略する。
【0014】
図1の(a) 図は本発明の評価方法を行うパターニングプロセスの流れ図である。
本発明のプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法は、従来が完成品のパターン検査の結果により各プロセスを評価する方法であったのに対し、製品とは別に用意した評価基板をラインの立ち上がり時に流し、その評価基板に形成された基準パターンをエッチング工程終了後のレジスト剥離工程前の評価工程1で、拡大鏡による目視検査を行い、その検査結果によりラインの各プロセスの条件や状態を評価する。
【0015】
つぎの図1の(b) 図は評価基板の一実施例の平面図である。この評価基板10は、図示するように素材の銅張樹脂基板の表面を複数に区分(図は9つに区分)し、それぞれの領域に、製品にパターニングされる種々の配線パターンの形状とパターン密度に対応した基準パターンを形成する。
【0016】
この基準パターンとして、図1の(b) 図は、領域A,F,Hのそれぞれの1/2領域の銅箔全面にエッチングレジストを被着し形成した全面ベタレジストパターン1a及びその残り1/2領域の銅箔全面にエッチングレジストを被着せず銅箔エッチング後に樹脂基板の樹脂生地を露出させた生地パターン1bと、領域B,Jのそれぞれの1/2領域に形成した幅100μmで間隙154μm(中心間隔1/10インチ)の縦、横それぞれの方向に平行な縦パターン2a及び横パターン2bと、領域Dに形成した幅130μmで間隙188μmで1本の線を横方向に平行に折り返した縦ジグザグパターン3aと、領域C,E,Gに形成した幅130μmで間隙188μmで1本の線を縦方向に平行に折り返した横ジグザグパターン3bとを例示する。
【0017】
さらに図示はしないが、製品パターン密度の微細度に合わせて評価基板のパターン密度をさらに細かく、例えば幅90μmで間隙90μmにするなど種々のパターン密度にできることは言うまでもない。
【0018】
なお、エッチングレジストは液状型レジストあるいはドライフィルム型レジストを用いる。また、1本のジグザグパターンは始端、終端にランドを設けたことで導通試験による断線の有無が検査でき、あるいは図示はしないが、ジグザグパターンの間に両側から櫛型パターンを差し入れて各櫛の先端にランドを設ければ、ジグザグパターンと櫛型パターン間の短絡の有無も検査できる。
【0019】
評価基板の基準パターンの検査は、前述したようにパターニングプロセスのエッチング工程後のレジスト剥離工程前に行い、その検査結果によりラインの各プロセスの評価を行う。
【0020】
基準パターンの中、とくにレジスト品質の評価として、全面ベタレジストパターンは、レジスト剥離工程後では発見しにくいピンホールや異物付着などの欠陥を見出し、この欠陥発生は配線パターン上のエッチングレジストにも発生する可能性があることから極めて重要な検査となる。
【0021】
また、生地パターンは、本来レジストが被着されていないのでエッチング工程後は基板生地面(樹脂面)に銅箔が残らない筈であるが、もし銅箔が残っていればそこに何らかの理由でレジストか他の異物などが付着したもので、本来必要でない部分にエッチングレジストが付着した可能性があるのでこれも重要な検査となる。
【0022】
また、その他の基準パターンは、B,Jの領域のパターンが高密度パターンの評価、C,D,E,Gの領域のパターンが中密度パターンの評価を行うもので、欠陥は横方向のパターン(ラインの流れ矢印方向に直交する横パターン2b、横ジグザグパターン3b)に生じ易く、これも重要な検査となる。
【0023】
評価基板の各領域の基準パターンに欠陥が見つかれば、その欠陥内容に関連するパターニングプロセスの条件、例えばレジスト被着機の良否、露光量、現像・定着液の濃度や温度、あるいはラインコンベア速度などをチェックし、適正値に修正する。
【0024】
このように、本発明のパターニングプロセスの評価方法は、評価基板をラインの始動時、即ちプリント配線基板の種類が変わるとか、プロセス条件を変えたときなどのラインの立ち上がり時に複数の評価基板を流し、しかもその評価基板の基準パターンを種々の配線パターンの形状と密度に対応して同一の基準で形成し、その基準パターンをレジスト剥離工程直前に検査し、その検査結果によりラインの各プロセスの条件や状態を評価することができる。
【0025】
また、評価基板に基準パターンを形成するため、とくに専門の検査員でなくともだれでも検査判断が容易となる。
とくに、基準パターンの中、全面ベタレジストパターン及び生地パターンを含めた検査を行うことで、レジスト剥離工程後の完成品の検査では発見されにくいエッチングレジストの欠陥や異常付着あるいは異物付着の発見が容易にできるため、本来のエッチングレジストの欠陥が発見し易くなる。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、エッチングレジストの欠陥を容易に発見し、その検査結果を早期にラインにフィードバックできるため、不良品の発生を最小限に留めて製造コストの上昇を抑えるとともに品質の高いプリント配線基板を安定的に製作できるといった産業上極めて有用な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の評価方法を行うパターニングプロセスの流れ図及び評価基板の一実施例の平面図
【図2】 従来のパターニングプロセスの流れ図
【符号の説明】
1 評価工程
1a 全面ベタレジストパターン
1b 生地パターン
2a 縦パターン
2b 横パターン
3a 縦ジグザグパターン
3b 横ジグザグパターン
10 評価基板

Claims (2)

  1. プリント配線基板の種々の配線パターンの形状と配線密度とに対応させた複数種の基準パターンを形成する評価基板を、前記プリント配線基板のレジスト被着工程、露光工程、現像・定着工程、エッチング工程、レジスト剥離工程を含むパターニングプロセスラインに該ラインの立ち上がり前に流し、前記エッチング工程とレジスト剥離工程との間で前記基準パターンを検査し、該検査結果により前記パターニングプロセスの各プロセスの条件及び状態を評価することを特徴とするプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法。
  2. 前記評価基板の基準パターンは、少なくとも全面ベタレジストパターン及びエッチング工程後に基板生地面を露出する生地パターンを含むことを特徴とする請求項1記載のプリント配線基板のパターニングプロセスの評価方法。
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