JP3771235B2 - コイルの製造方法およびコイル - Google Patents

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Description

本発明はコイルの製造方法およびコイルに係り、特に製造が容易であると共に、巻線時における巻線の皮膜の損傷および使用時における巻線の皮膜の損傷が抑制され、安全性および信頼性に優れたコイルを製造するためのコイルの製造方法およびそれにより得られるコイルに関する。
自動車部品、一般家電品、産業用機器におけるモータ等に用いられるコイルにおいては、巻線時の巻線の皮膜保護、スロット内の絶縁補助のため、スロット内に絶縁シートを挿入したり、スロット内面に粉体塗装を施したりすることが一般的に行われている。
スロット内に絶縁シートを挿入する方法では、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムやポリイミドフィルム等を絶縁シートとして用い、これをスロットの大きさ、長さに合わせて加工した後、スロットに挿入し、巻線を施す(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような方法では絶縁シートの厚み、形状によっては、スロットの面積に比べ、実際に巻線を施すことのできる面積が小さくなってしまう。また、絶縁シートはスロット内に単に挿入されているだけであり、内面に固定されているわけではないため、使用時の振動により巻線が損傷してしまうことがある。
また、スロット内に粉体塗装を行う方法では、粉体塗装を行うための設備の費用および設備を稼働させるための費用が他の方法に比べて高くなる傾向にある。また、このような方法においては粉体が作業環境に飛散しやすく、環境への配慮を十分に行う必要があることから、このような方法を用いることは容易ではない。
特開平9−23601号公報
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、コイルの製造に必要な設備を簡略化でき、かつ、十分な性能および信頼性を有するコイルが得られるコイルの製造方法およびそれにより得られるコイルを提供することを目的としている。
本発明のコイルの製造方法は、円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面または外周面に形成された複数の磁極歯とを有するコアに巻線を装着してコイルを製造する方法において、前記コアをその中心軸を中心として回転させ、この回転による遠心力を利用して液状樹脂組成物を前記磁極歯の少なくとも端面およびその円周方向の角部に塗布する塗布工程と、前記コアを回転させながら前記塗布した液状樹脂組成物を硬化させて皮膜を形成する硬化工程と、前記皮膜が形成されたコアに巻線を装着する巻線工程とを有し、前記塗布工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −3 〜2.0×10 −2 m/s、かつ、前記コアの回転数が5〜15rpmであり、前記硬化工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −2 〜4.0×10 −1 m/s、かつ、前記コアの回転数が50〜250rpmであることを特徴とする。
前記塗布工程における前記液状樹脂組成物は無機充填材を含み、かつ、粘度が5〜150dPa・s(25℃)であることが好ましい。本発明に用いられるコアは、ロータコア、ステータコアのいずれも用いることができる。
本発明のコイルは、円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面または外周面に形成された複数の磁極歯とを有するコアに巻線を装着して製造されるコイルであって、前記コイルは、前記コアをその中心軸を中心として回転させ、この回転による遠心力を利用して液状樹脂組成物を前記磁極歯の少なくとも端面およびその円周方向の角部に塗布する塗布工程と、前記コアを回転させながら前記塗布した液状樹脂組成物を硬化させて皮膜を形成する硬化工程と、前記皮膜が形成されたコアに巻線を装着する巻線工程とを経て形成されるものであって、前記塗布工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −3 〜2.0×10 −2 m/s、かつ、前記コアの回転数が5〜15rpmであり、前記硬化工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −2 〜4.0×10 −1 m/s、かつ、前記コアの回転数が50〜250rpmであることを特徴とする。
前記樹脂組成物の皮膜は、無機充填材を含むものであることが好ましい。また、前記磁極歯の円周方向の角部における前記樹脂組成物の皮膜の厚さは20μm〜300μmであることが好ましい。本発明に用いられるコアは、ロータコア、ステータコアのいずれも用いることができる。
本発明のコイルの製造方法によれば、従来の粉体塗装による製造方法に比べて設備を簡略化でき、作業環境も悪化させることもなく、また、絶縁シートを用いた製造方法に比べても容易かつ迅速にコイルを製造することが可能となる。
また本発明のコイルは、製造が容易であると共に、スロット内の巻線の線積率に優れ、また、巻線時の巻線の損傷、使用時の振動による巻線の損傷も抑制され、十分な性能および信頼性を有するものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のコイルの製造方法は、円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面または外周面に形成された複数の磁極歯とを有するコアに巻線を装着してコイルを製造する方法において、前記コアをその中心軸を中心として回転させ、この回転による遠心力を利用して液状樹脂組成物を前記磁極歯の少なくとも端面およびその円周方向の角部に塗布する塗布工程と、前記コアを回転させながら前記塗布した液状樹脂組成物を硬化させて皮膜を形成する硬化工程と、前記皮膜が形成されたコアに巻線を装着する巻線工程とを有し、前記塗布工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −3 〜2.0×10 −2 m/s、かつ、前記コアの回転数が5〜15rpmであり、前記硬化工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −2 〜4.0×10 −1 m/s、かつ、前記コアの回転数が50〜250rpmであることを特徴とする。
本発明のコイルの製造方法に用いられるコアはロータコア、ステータコアのいずれであってもよい。以下、本発明のコイルの製造方法について、ロータコアを例に挙げて説明する。
図1はロータ1への塗布工程を示したものである。ロータ1は、例えばロータコア2とシャフト3とからなる。ロータコア2は、少なくとも円筒状のロータコア本体4と、その外周面に形成された複数の磁極歯5と、これらの磁極歯5どうしの間に形成されるスロット6とからなる。ロータコア2は、例えば磁極歯5およびスロット6となる部分が形成された円環形状の薄板鋼板を複数積層してなるものである。ロータコア2はその円筒状のロータコア本体4の内周面にシャフト3をはめ込むようにして固定されている。
塗布工程は、このようなロータ1をその中心軸を中心として回転させた状態で行う。具体的には、例えば図1に示すように、シャフト3を水平にしてその両端を支持部材(図示せず)で支持した状態で回転させる。ロータコア2はシャフト3に固定されているため、シャフト3の回転に合わせて回転する。
そして、シャフト3の上方に設けられたノズル7より、シャフト3に液状樹脂組成物8を放出する。放出された液状樹脂組成物8は、シャフト3に沿って移動しロータコア本体4の端面9へと移動する。さらに、液状樹脂組成物8は、ロータコア2の回転による遠心力により、ロータコア本体4の端面9から各磁極歯5の端面9へと移動する。また、この際に各磁極歯5の端面9の円周方向の両角部10にも液状樹脂組成物8が移動する。
このような液状樹脂組成物8の移動により、少なくとも各磁極歯5の端面9およびその円周方向の両角部10が液状樹脂組成物8で覆われる。好ましくは、この角部10から磁極歯5の側面の1mmの部分までが液状樹脂組成物8により覆われており、さらに好ましくは2mmの部分までである。
また、図1には図示していないが、ロータコア2の磁極歯5には、その先端部分の円周方向の両側、すなわち磁極歯5の外径部分11の円周方向の両側に突起部が形成されていてもよく、この場合には突起部の巻線側あるいはスロット側となる内径側角部も液状樹脂組成物8で覆われていれば好ましい。
このような塗布工程に用いられる液状樹脂組成物8としては、少なくとも樹脂成分を含有し、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、溶剤を含有するものが挙げられる。液状樹脂組成物8は、巻線の保護、絶縁性の確保等から無機充填材を含むものであればより好ましい。
樹脂成分としては熱硬化性を有するものが好ましく、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、不飽和ポリエステル、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン変性樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等を用いることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
例えば上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化剤としては、一般に硬化剤として用いられる化合物であれば特に制限なく用いることができ、例えばアミン硬化系としてジシアンジアミド、芳香族ジアミン等が挙げられ、フェノール硬化系としてフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
硬化促進剤としては、一般に硬化促進剤として用いられている化合物であれば特に制限なく用いることができ、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯体、トリフェニルホスフィン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
無機充填材としては、封止用樹脂組成物等に一般に用いられる無機充填材を用いることができ、例えばタルク、アルミナ、水酸化アルニウム、水酸化マグネシウム、溶融シリカ、合成シリカが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、溶剤としては、上述したような樹脂成分、硬化剤および硬化促進剤等を溶解するものであればよいが、硬化工程において溶剤が残留しないように沸点が160℃以下であることが好ましい。具体的な溶剤としては、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
液状樹脂組成物8は、粘度が5〜150dPa・s(25℃)であることが好ましい。5dPa・s(25℃)未満では、塗布工程の際に液状樹脂組成物8が所定の部分に行き渡らないことがあり、150dPa・s(25℃)を超えると塗布工程の際に液状樹脂組成物8が飛散したり、また、スロット5内に必要以上に液状樹脂組成物8が充填されるため好ましくない。
液状樹脂組成物8を塗布する前にはロータ1を予熱し、100〜180℃程度としておくことが好ましい。予熱は必ずしもロータ1の全てに対して行う必要はなく、少なくとも液状樹脂組成物8が移動、塗布される部分に対して行えばよい。温度が100℃未満だと液状樹脂組成物8の移動が十分でない場合があり、180℃を超えると液状樹脂組成物8が硬化し始めるため好ましくない。このようなロータ1の予熱は、例えば熱風循環炉や高周波による誘導加熱が挙げられる。
液状樹脂組成物8を放出するノズル7の位置は、ロータコア本体4の端面9から5mm以下の距離とすることが好ましい。ロータコア本体4の端面9からの距離が5mmを超える場合、ノズル7から放出された液状樹脂組成物8がロータコア本体4の端面9へ移動する前にシャフト3から飛散してしまい、液状樹脂組成物8がロータコア本体4の端面9へ十分に供給されなくなるため好ましくない。
ノズル7はシャフト3上に配置され液状樹脂組成物8を放出するものが好ましいが、本発明においては必ずしもこのようなものに限られず、例えばロータコア本体4の端面9へ直接、液状樹脂組成物8を放出するようにしてもよい。少なくとも磁極歯5の内径部分12に液状樹脂組成物8が移動するようになっていれば、磁極歯5の端面9およびその円周方向の角部10に液状樹脂組成物8を塗布することが可能となる。
塗布工程におけるロータコア2の回転は、その磁極歯5の外径部分11、すなわちロータコア2の外径部分11における周速度が6.0×10−3〜2.0×10−2m/sとなるように行う。周速度が6.0×10−3m/s未満の場合には、磁極歯5の端面9および円周方向の角部10に十分に液状樹脂組成物8が移動せず、それらの部分に塗布されないことがあるため好ましくない。また、2.0×10−2m/sを超える場合、過度の遠心力により液状樹脂組成物8が端面9のみを伝って飛散し、磁極歯5の角部10に樹脂組成物8が塗布されず、また、塗布された場合であっても塗布厚さが薄くなることがあり好ましくない。また、ロータコア2の回転数5〜15rpmとする
液状樹脂組成物8を放出する時間は、液状樹脂組成物8の時間あたりの放出量にもよるが、少なくともロータコア2が10回程度回転することが可能な時間とすることが好ましい。液状樹脂組成物8を放出する時間があまりに短いと、磁極歯5の端面9および円周方向の角部10に十分に液状樹脂組成物8が移動せず、それらの部分に塗布されないことがあるため好ましくない。
ロータコア2の一方の端面9における樹脂組成物8の塗布が終了したら、他方の端面9における磁極歯5の端面9および角部10へも同様にして液状樹脂組成物8の塗布を行う。また、本発明では必ずしもノズル7が1本でなくともよく、ノズル7を2本設けてロータコア2の両端面9に同時に樹脂組成物8を塗布してもよい。
このようにして液状樹脂組成物8が塗布されたロータコア2は、その樹脂組成物8を硬化させて皮膜を形成する。この硬化工程は、ロータコア2を回転させた状態で、100〜180℃で行うことが好ましい。
硬化工程における回転は、ロータコア2の磁極歯5の外径部分11、すなわちロータコア2の外径部分11における周速度が6.0×10−2〜4.0×10−1m/sとなるように行う。
周速度が6.0×10−2m/s未満では、塗布した液状樹脂組成物8がスロット6内、特にスロット6のロータコア本体4の外周面に残って硬化し、スロット6内の断面積を減少させるため好ましくない。また、4.0×10−1m/sを超えると、塗布した液状樹脂組成物8が過度の遠心力により磁極歯5の外周面に移動してしまい、所定部分に液状樹脂組成物8が残らなくなるため好ましくない。また、ロータコア2の回転数は50〜250rpmとする
このようにして液状樹脂組成物8を硬化させて得られる皮膜は、磁極歯5の角部10における厚さで20〜300μm程度となっていることが好ましい。厚さが20μm未満であると、スロット6へ巻線を装着する際の巻線の保護、あるいは、巻線を装着しての使用時における振動等からの巻線の保護が十分でなくなるおそれがある。また、厚さが300μmを超えると、スロット6内が必要以上に皮膜で充填される結果となり、スロット6内の巻線の線積率が低下するため好ましくない。
また、必要な部分以外に形成された皮膜は、適宜、削り取る等の方法により除去することが好ましい。例えば、ロータコア2の磁極歯5の外周面に形成された皮膜は、その厚さが所定範囲を超えるとステータとの回転に不都合を生じるため、必要に応じて除去することが好ましい。
次に、皮膜が形成されたロータ1は、そのロータコア2に巻線を装着することによってコイルとする。図2、3は、一例としてロータコア2に巻線を装着したコイル14を示したものである。
ロータコア2には、その少なくとも磁極歯5の端面9およびその円周方向の角部10に液状樹脂組成物8を硬化させてなる皮膜15が形成されている。皮膜15は、少なくとも磁極歯5の角部10を覆うものであればよいが、図3に示すように、その角部10に接する側面13の一部も覆うものであればより好ましい。
そして、このようなロータコア2のスロット6内には巻線16が設けられている。このように、ロータコア2の磁極歯5の少なくとも端面9およびその円周方向の角部10に液状樹脂組成物8を硬化させてなる皮膜15を形成することで、巻線16を装着する際の巻線16の皮膜の損傷、あるいは、巻線16を装着した状態での使用の際の振動等による巻線16の皮膜の損傷等を有効に抑制することができる。また、液状樹脂組成物8を硬化させてなる皮膜15を用いることで、スロット6内の巻線16の線積率を向上させることも可能となる。
次に、ステータコアを用いた場合の例について説明する。図4はステータコア(ステータ)17への塗布工程を示したものである。ステータコア17は、少なくとも円筒状のステータコア本体18と、その内周面に形成された複数の磁極歯19と、これらの磁極歯19どうしの間に形成されるスロット20とからなる。ステータコア17は、例えば磁極歯19およびスロット20となる部分が形成された円環形状の薄板鋼板を複数積層してなるものである。
ステータコア17の塗布工程は、基本的にロータコア2の塗布工程と同様にして行われる。例えば、ステータコア17をその中心軸を水平にした状態で、中心軸を中心として回転させる。
そして、ステータコア17の磁極歯19の端面21の内径部分22に、ノズル7より液状樹脂組成物8を放出する。放出された液状樹脂組成物8は、ステータコア17の回転による遠心力により、磁極歯19の端面21の内径部分22より外径部分23へ移動し、その端面21を覆うと共に、その円周方向の角部24を覆う。
このステータコア17の塗布工程における回転は、ステータコア17の磁極歯19の外径部分23、すなわちステータコア17の内径部分23における周速度が6.0×10−3〜2.0×10−2m/sとなるようにす。また、ステータコア17の回転数5〜15rpmとなるようにする
また、ステータコア17の硬化工程も、基本的にロータコア2の硬化工程と同様にして行われる。この際、ステータコア17の回転は、ステータコア17の磁極歯19の外径部分23、すなわちステータコア17の内径部分23における周速度が6.0×10−2〜4.0×10−1m/sとなるようにす。また、ステータコア17の回転数50〜250rpmとなるようにする。そして、皮膜が形成されたステータコア17には、ロータコア2の巻線工程と同様にして巻線工程を行いコイルとする。
以上、本発明のコイルの製造方法およびコイルについて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において適宜変更を加えることが可能である。例えば、本発明に用いられるロータコア、ステータコアの大きさ、磁極歯の数等は適宜変更することが可能である。そして、このようにして得られるコイルは、モータや発電機等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜3)
液状樹脂組成物として、以下に示すような(1)〜(3)の液状樹脂組成物を用意した。また、外径25mm、積厚35mmのロータコアとそれに貫通された長さ140mmのシャフトとからなるロータを用意した。
図1に示すように、ロータを回転させた状態で、そのシャフト部分にノズルより液状樹脂組成物を流出し、ロータコアの磁極歯の端面およびその角部に液状樹脂組成物を塗布した。その後、ロータを回転させた状態で、塗布した液状樹脂組成物を硬化させ、そのスロット部分に巻線を装着してコイルを作製した。
なお、塗布工程および硬化工程における諸条件は表1に示す通りである。表1において、ノズル位置はノズルの流出口の内径部分のうち最もロータコアの端面に近い部分とロータコア端面との距離である。流出量は、ノズルから流出させた液状樹脂組成物の量である。また、周速度はロータコアの外形部分、すなわちロータコアの磁極歯の外径部分における周速度である。なお、周速度と共に、そのときの回転数(rpm)を併せて示す。
液状樹脂組成物(1):樹脂成分としてのエポキシエステル樹脂TVB2190k(京セラケミカル株式会社製 商品名)100重量部、無機充填材としての結晶シリカ(平均粒径4μm)100重量部および着色剤としてのダイピロキサイト(大日精化工業株式会社製 商品名)5重量部を混合して得た粘度80dPa・s(25℃)の液状樹脂組成物
液状樹脂組成物(2):樹脂成分としてのエポキシエステル樹脂TVB2190k(京セラケミカル株式会社製 商品名)100重量部、スチレン50重量部、無機充填材としての結晶シリカ(平均粒径4μm)20重量部および着色剤としてのダイピロキサイト(大日精化工業株式会社製 商品名)5重量部を混合して得た粘度1.0dPa・s(25℃)の液状樹脂組成物
液状樹脂組成物(3):樹脂成分としてのエポキシエステル樹脂TVB2190k(京セラケミカル株式会社製 商品名)100重量部およびスチレン20重量部を混合して得た粘度1.0dPa・s(25℃)の液状樹脂組成物
(比較例1)
実施例1〜3と同様のロータに粉体塗装を行い、さらにそのスロット部分に巻線を装着してコイルを作製した。
実施例1〜3および比較例1のコイルをそれぞれ100個用意し、巻線の損傷を調べるため通電を行いショートの有無を確認した。結果を表1に示す。
Figure 0003771235
表1から明らかなように、実施例1〜3のコイルにおいては、従来の粉体塗装により得られる比較例1のコイルとほぼ同等のショート数とすることができ、巻線の損傷が有効に抑制されていることが分かる。
比較
実施例1と同様の液状樹脂組成物(1)およびロータを用い、実施例1と同様な方法において、塗布工程または硬化工程におけるロータコアの外形部分、すなわち磁極歯の外径部分における周速度を変えて塗布、硬化を行い、さらに巻線を装着し、コイルを得た。
比較のコイルをそれぞれ100個用意し、巻線の損傷を調べるため通電を行いショートの有無を確認した。結果を表2に示す。なお比較のために、実施例1の結果を併せて示す。
Figure 0003771235
本発明の塗布工程の一例を示した概略図 本発明のコイルの一例を示した平面図 本発明のコイルの一例を示した断面図 本発明の塗布工程の他の例を示した概略図
符号の説明
1…ロータ、2…ロータコア、3…シャフト、4…ロータコア本体、5…磁極歯、6…スロット、7…ノズル、8…液状樹脂組成物、9…端面、10…磁極歯の角部、11…磁極歯の外径部分、12…磁極歯の内径部分、13…磁極歯の側面、14…コイル、15…皮膜、16…巻線、17…ステータコア、18…ステータコア本体、19…磁極歯、20…スロット、21…端面、22…磁極歯の内径部分、23…磁極歯の外径部分、24…磁極歯の角部

Claims (7)

  1. 円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面または外周面に形成された複数の磁極歯とを有するコアに巻線を装着してコイルを製造する方法において、
    前記コアをその中心軸を中心として回転させ、この回転による遠心力を利用して液状樹脂組成物を前記磁極歯の少なくとも端面およびその円周方向の角部に塗布する塗布工程と、前記コアを回転させながら前記塗布した液状樹脂組成物を硬化させて皮膜を形成する硬化工程と、前記皮膜が形成されたコアに巻線を装着する巻線工程とを有し、前記塗布工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −3 〜2.0×10 −2 m/s、かつ、前記コアの回転数が5〜15rpmであり、前記硬化工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −2 〜4.0×10 −1 m/s、かつ、前記コアの回転数が50〜250rpmであることを特徴とするコイルの製造方法。
  2. 前記塗布工程における前記液状樹脂組成物は無機充填材を含み、かつ、粘度が5〜150dPa・s(25℃)であることを特徴とする請求項1記載のコイルの製造方法。
  3. 前記コアはロータコアまたはステータコアであることを特徴とする請求項1または2記載のコイルの製造方法。
  4. 円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面または外周面に形成された複数の磁極歯とを有するコアに巻線を装着して製造されるコイルであって、
    前記コイルは、前記コアをその中心軸を中心として回転させ、この回転による遠心力を利用して液状樹脂組成物を前記磁極歯の少なくとも端面およびその円周方向の角部に塗布する塗布工程と、前記コアを回転させながら前記塗布した液状樹脂組成物を硬化させて皮膜を形成する硬化工程と、前記皮膜が形成されたコアに巻線を装着する巻線工程とを経て形成されるものであって、前記塗布工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −3 〜2.0×10 −2 m/s、かつ、前記コアの回転数が5〜15rpmであり、前記硬化工程における前記磁極歯の外径部分における周速度が6.0×10 −2 〜4.0×10 −1 m/s、かつ、前記コアの回転数が50〜250rpmであることを特徴とするコイル。
  5. 前記樹脂組成物の皮膜は、無機充填材を含むものであることを特徴とする請求項記載のコイル。
  6. 前記磁極歯の円周方向の角部における前記樹脂組成物の皮膜の厚さが20μm〜300μmであることを特徴とする請求項または記載のコイル。
  7. 前記コアはロータコアまたはステータコアであることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載のコイル。
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