JP3771053B2 - 排ガス浄化用触媒構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、ガスタービン、燃焼炉などから排出される排ガスの浄化用触媒などとして用いられる触媒構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの排ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx )などの有害成分を浄化するための触媒には、Pt、Pd、Phなどの貴金属が用いられている。これら触媒用貴金属は、排ガスとの接触面積を高めるために、微粒子化してアルミナなどの金属酸化物粒子(担持体)の表面に担持させている。
【0003】
上記したような貴金属微粒子を金属酸化物粒子(担持体)の表面に担持させた排ガス浄化用触媒は、例えば以下に示すような貴金属の水溶性化合物の還元反応などを利用して作製される。すなわち、PtやPdの硝酸化合物の水溶液などを用い、これとアルミナ粉末などとを混合した後、酢酸などを添加して硝酸化合物を還元することにより、アルミナ粒子などの表面にPt粒子やPd粒子などの貴金属粒子を担持させる。このような担持方法によれば、数ミクロからサブミクロ程度の直径を有する貴金属粒子を担持体表面に担持させることができ、貴金属粒子と排ガスとの接触面積を大きくして排ガス浄化作用を高めることができる。
【0004】
ところで、自動車などの排ガス規制はさらに厳しくなる方向に進んでおり、排ガス浄化用触媒には有害成分の浄化効率をより一層高めることが求められている。貴金属を用いた排ガス浄化用触媒の効率向上策の一つとして、貴金属粒子をより一層微粒子化して、排ガスとの接触面積を大きくすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、従来の担持方法ではサブミクロン程度の貴金属微粒子しか得ることができず、より一層の接触面積の向上を妨げている。このようなことから、ナノオーダーの貴金属超微粒子を担持させた排ガス浄化用触媒の出現が望まれている。また、従来の担持方法はアルミナ粒子などを担持体として用いる必要があり、例えば排ガス浄化通路などを構成する基板などに貴金属微粒子を直接担持させることができないというような欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の担持方法ではサブミクロン程度の貴金属微粒子しか得ることができず、例えば貴金属粒子と排ガスとの接触面積のより一層の向上を妨げている。また、担持体にはアルミナ粒子などの粒子形状のものを用いる必要があることから、触媒構造体の製造工程が複雑になると共に、触媒構造体の形状の自由度に限度があるというような問題があった。
【0007】
これら触媒に関する問題点は排ガス浄化用触媒に限られるものではなく、例えば燃料電池の反応触媒(電極用触媒)や光触媒についても同様である。
【0008】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、ナノオーダーの貴金属超微粒子を各種形状の担持体に担持させることを可能にすることによって、触媒効率(処理効率)を向上させると共に、構造体としての形状の自由度を高めた触媒構造体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の排ガス浄化用触媒構造体は、担持体と、前記担持体の表面近傍部分に埋め込まれた触媒機能を有する貴金属超微粒子とを有する排ガス浄化用触媒構造体において、前記担持体と前記貴金属超微粒子とは、真空雰囲気中での1×1019e/cm2・sec以上の強度を有する電子線の同時照射により、前記貴金属超微粒子の一部が前記担持体から露出すると共に、前記担持体と前記貴金属超微粒子との界面で格子整合するように融合していることを特徴としている。
【0011】
本発明の排ガス浄化用触媒構造体において、担持体には例えばアルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニアなどの金属酸化物が用いられ、この金属酸化物からなる担持体の形状は、粒子や基板などの各種形状を適用することができる。また、貴金属超微粒子にはPt、Pd、Rh、Ruおよびこれらの合金などが用いられる。
【0012】
また、本発明の排ガス浄化用触媒構造体において、担持体と貴金属超微粒子とは例えば担持体で貴金属超微粒子の一部を包み込むように融合させることができる。
【0014】
本発明の排ガス浄化用触媒構造体において、担持体と貴金属超微粒子とは真空雰囲気中での電子線の同時照射により融合させている。すなわち、担持体上に貴金属超微粒子を配置し、これらに同時に高エネルギーの電子線を照射することによって、貴金属超微粒子を溶融させることなく、その形状をほぼ維持して担持体と融合させることができる。この際、貴金属超微粒子の融合状態(埋め込み状態)は、電子線の照射時間などにより制御することができるため、貴金属超微粒子の一部のみを担持体に埋め込むことができる。言い換えると、貴金属超微粒子の一部を担持体から露出させることができる。
【0015】
このような貴金属超微粒子と担持体との融合体によれば、当初の貴金属超微粒子の直径や配置状態を制御することによって、例えばナノオーダーの直径を有する貴金属超微粒子を、各種形状の担持体に所望の間隔で担持させた触媒構造体を制御された条件の下で得ることができる。担持体に融合された貴金属超微粒子は、例えばその直径が20nm以下というように、従来の担持方法では到底得ることができない超微粒子とすることができ、触媒効率を大幅に高めることができる。
【0016】
さらに、電子線の同時照射により担持体と貴金属超微粒子とを融合させる際に、貴金属超微粒子を担持体に対して界面で格子整合するように融合させることができる。従って、予め担持体の結晶面を制御しておくことによって、例えば貴金属超微粒子の触媒効率の高い結晶面を優先的に露出させるなど、触媒活性などを制御することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態による触媒構造体の要部構造を模式的に示す断面図である。同図に示す触媒構造体1は、例えばアルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニアなどの金属酸化物からなる担持体2を有している。なお、触媒構造体1の使用用途によっては酸化物以外の化合物、例えば窒化物や炭化物などの化合物からなる担持体2を使用することも可能である。
【0019】
担持体2の典型的な形状としては粒子が挙げられるが、本発明においては粒子状の担持体2に制限されず、例えば基板形状の担持体2などを使用することができる。これは後述するように、貴金属超微粒子3を担持体2の表面近傍部分に、電子線の同時照射により直接埋め込んでいるためである。また、金属酸化物などからなる担持体2としては、焼結体などの多結晶体から単結晶体まで、種々の形態のものを使用することができる。
【0020】
上述したような担持体2の表面近傍部分には、触媒機能を有する貴金属超微粒子3がその一部を露出させて埋め込まれている。これら担持体2と貴金属超微粒子3とは、後述する電子線の同時照射により融合させたものである。貴金属超微粒子3には、触媒機能を有する各種貴金属の単体や合金を用いることができ、例えばPt、Pd、Rh、Ruなどの貴金属の単体粒子、あるいはこれら元素同士の合金粒子やこれらの元素を含む合金粒子などが用いられる。
【0021】
貴金属超微粒子3の直径Dは 0.5〜 100nmの範囲であることが好ましい。このような直径Dを有する貴金属超微粒子3は、後述する電子線の照射により比較的容易に担持体2と融合させることができ、さらに貴金属超微粒子3の露出面積(比表面積)の向上にも寄与する。特に、貴金属超微粒子3と排ガスなどの処理ガスとの接触面積を格段に高める上で、貴金属超微粒子3の直径Dは20nm以下とすることが望ましい。
【0022】
上述したような貴金属超微粒子3の直径は、後述するように、当初の粒子サイズに応じて制御することができ、直径20nm以下というようなナノオーダーの貴金属超微粒子3は電子線の同時照射による融合法を適用することで、制御された条件下で担持体2に担持させることが可能となる。
【0023】
触媒機能を有する貴金属超微粒子3は、上述したようにその一部が担持体2から露出するように、担持体2と融合している。言い換えると、貴金属超微粒子3はその一部が担持体2に包み込まれるようにして担持体2と融合している。貴金属超微粒子3の露出面積は触媒効果を高める上で広く設定することが好ましい。
ただし、貴金属超微粒子3の露出面積があまり大きすぎると、言い換えると貴金属超微粒子3と担持体2との接触面積があまり小さいと、担持体2による貴金属超微粒子3の機械的保持力が低下するため、貴金属超微粒子3の露出面積はその表面積の 50%以下とすることが好ましい。貴金属超微粒子3の露出面積は後に詳述するように、電子線の照射時間などにより制御することができる。
【0024】
また、担持体2の表面近傍部分には多くの貴金属超微粒子3を埋め込み、これら多くの貴金属超微粒子3により触媒効果を発揮させるものである。これら貴金属超微粒子3の配置間隔Lは、貴金属超微粒子3の直径Dと同等もしくはそれ以上とすることが好ましい。
【0025】
貴金属超微粒子3の配置間隔Lがその直径Dより小さいと、処理ガスの流れを阻害するおそれがある。ただし、配置間隔Lがあまり大きいと、当然ながら貴金属超微粒子3による処理効率が低下するため、適当な間隔Lで貴金属超微粒子3を配置することが好ましい。具体的な配置間隔Lは処理環境などに応じて設定するものとするが、例えば貴金属超微粒子3の直径Dの 3倍以下とすることが好ましい。貴金属超微粒子3の配置間隔Lは後述するように、当初の貴金属超微粒子の配置位置に応じて制御することができる。
【0026】
上述したような担持体2と金属超微粒子3との融合体からなる触媒構造体1は、以下のようにして作製される。触媒構造体1の作製工程(担持体2と金属超微粒子3との融合工程)について、図2を参照して説明する。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、担持体2上に貴金属超微粒子3′を配置する。担持体2上に配置する貴金属超微粒子3′としては、種々の製造方法により得られたものを使用することができる。例えば、CVD法やガス相凝縮法などを適用することができるが、特に図3に示す超微粒子の製造方法を適用することが好ましい。
【0028】
ここで、図3に示す超微粒子の製造方法について説明する。図3において、11は支持部材12上に配置された超微粒子形成用基板であり、この基板11として担持体2を適用する。このような基板11上に、図3(a)に示すように、貴金属超微粒子3′の形成原料となるターゲット材13を配置する。貴金属からなるターゲット材13は、複数の細孔14を有しており、この細孔14の内壁14aに対して高エネルギービーム15を上方斜め方向から照射する。
【0029】
複数の細孔14を有するターゲット材13としてはメッシュ材を用いたり、あるいは貴金属フィルムにエッチングやレーザビームなどで細孔14を形成したものを使用する。ターゲット材13の細孔14は、貴金属超微粒子3′の形成位置を提供するものであり、その内壁14aから貴金属超微粒子3′の形成材料、すなわちターゲット材13の構成原子などが供給される。
【0030】
従って、細孔14の直径および配置位置やターゲット材13の厚さ、さらに高エネルギービーム15の入射角θなどを制御することによって、各種形状の貴金属超微粒子3′を所望の配置間隔で形成することができる。例えば、細孔14の直径は 0.1〜 1×102 μm 、ターゲット材13の厚さは 0.2〜 1×102 μm 程度とすることが好ましい。高エネルギービーム15の入射角θは、例えば直径 1〜20nm程度の超微粒子を得る上で、20〜45°の範囲となるように設定することが好ましい。
【0031】
上述したようなターゲット材13の細孔内壁14aに対して高エネルギービーム15を上方斜め方向から照射すると、図3(b)に示すように、ターゲット材13の構成原子などが離脱(図中、点線矢印で示す)して、これらが基板11上に付着(付着物3″)する。高エネルギービーム15としては、例えば加速電圧 2〜 5kV、ビーム電流 0.1〜 1mA程度のアルゴンイオンビームのようなイオンビーム、このイオンビームと同等の衝撃をターゲット材13に与えることができる電子線、レーザビーム、X線、γ線、中性子線などが用いられる。
【0032】
そして、上記した高エネルギービーム15の照射を一定時間継続し、ターゲット材13から連続して構成原子などを離脱させることによって、図3(c)に示すように、基板11上に目的とする貴金属超微粒子3′が形成される。なお、図3(c)では、ターゲット材13の細孔14に対応した基板11上に、それぞれ 1つの貴金属超微粒子3′が形成されている状態を図示したが、細孔14に対応した各位置に形成される貴金属超微粒子3′の数は、細孔14の直径や高エネルギービーム15の照射条件などにより制御することができ、単体として分離された複数の貴金属超微粒子3′を各位置に形成することもできる。
【0033】
貴金属超微粒子3′は、それぞれ基板11上の形成位置をターゲット材13の細孔14に対応させた上で、例えばその直径を 1〜20nm程度に、またその間隔を貴金属超微粒子3の直径と同等もしくはそれ以上に制御することができる。このように、直径や間隔を制御した複数の貴金属超微粒子3′を、分離した状態で単体として得ることができる。この方法によれば、担持体2に融合させる貴金属微粒子3の大きさや配置間隔を再現性よく制御することが可能となる。
【0034】
上述したような各種方法で担持体2上に金属超微粒子3′を配置した後、担持体2と貴金属超微粒子3′とに同時に電子線4を照射する。照射する電子線4は担持体2と貴金属超微粒子3′とが融合し得るエネルギーを有していればよく、例えば 1×1019e/cm2 ・sec 以上の強度を有する電子線4が用いられる。
【0035】
電子線4の照射強度が 1×1019e/cm2 ・sec 未満であると、担持体2と貴金属超微粒子3との融合体を生成し得るほどに、貴金属超微粒子3′を活性化できないおそれがある。言い換えると 1×1019e/cm2 ・sec 以上の強度を有する電子線4は、特に貴金属超微粒子3′の活性化効果や局所加熱効果などをもたらし、これらによって融合体の生成が可能となる。電子線4の照射雰囲気は 1×10-3Pa以下の真空雰囲気とすることが好ましく、これによって貴金属超微粒子3′の酸化や残留ガス原子の吸着などを防ぐことができる。
【0036】
上記したような電子線4を担持体2と貴金属超微粒子3′とに同時に照射すると、これら担持体2および貴金属超微粒子3′が活性化して、図2(b)に示すように、貴金属超微粒子3′はその状態および形状を維持しつつ、その一部が担持体2中に埋め込まれるようにして担持体2と融合する。担持体2中への貴金属超微粒子3の埋め込み状態は、電子線4の照射時間などにより制御することができるため、電子線4の照射をさらに継続すると、図2(c)に示すように、貴金属超微粒子3の担持体2中への埋め込み状態を進行させることができる。
【0037】
このように、電子線4の同時照射による担持体2と貴金属超微粒子3との融合を適用すると共に、当初の貴金属超微粒子3′の直径や配置間隔、さらには電子線4の照射強度や時間を制御することによって、所望の直径Dを有する貴金属超微粒子3を、所望の間隔Lおよび所望の露出面積で、担持体2の表面近傍部分に一部を露出させた状態で担持させることができる。このような担持体2と貴金属超微粒子3との融合体からなる触媒構造体1は、貴金属超微粒子3の微粒子化による処理ガスとの接触面積の向上(処理効率の向上)、担持体2の形状自由度の向上などを達成するものである。
【0038】
さらに、電子線4を照射する前の担持体2と貴金属超微粒子3′との結晶方位はランダムであるが、担持体2と貴金属超微粒子3とが融合する際には、特定の結晶面を合せて界面エネルギーが小さくなるように貴金属超微粒子3の原子配置が変化し、担持体2と貴金属超微粒子3とが格子整合した状態で融合する。
【0039】
図2は担持体2および貴金属超微粒子3のそれぞれ結晶面2a、3aを示している。図2に示すように、担持体2の特定の結晶面2aと貴金属超微粒子3の特定の結晶面32aとは平行になっており、ヘテロエピタキシャル関係を有している。このように、担持体2と貴金属超微粒子3はその状態を維持した上で、界面が格子整合するように融合する。
【0040】
このように、担持体2と貴金属超微粒子3との融合界面を格子整合させることによって、融合状態の安定化および界面強度の向上を図ることができる。さらに、予め担持体2の結晶面を制御しておくことによって、例えば貴金属超微粒子3の触媒効率の高い結晶面を優先的に露出させることができる。これは触媒活性の向上や制御などに大きく貢献するものである。
【0041】
上述したような触媒構造体1を用いて処理ガス通路や処理ガス接触体などを形成するにあたって、例えば担持体2が粒子形状を有する場合には、それらの集合体を所望の形状に形成する。ただし、本発明の触媒構造体1では、例えば基板形状の担持体2などを用いることが可能であるため、例えば図4に示すように、貴金属超微粒子3を埋め込んだ担持体2(触媒構造体1)で直接処理ガス通路20を形成することができる。この場合、図5に示すようなハニカム構造体21などを作製することも可能である。
【0042】
本発明の触媒構造体1は、例えば自動車、ガスタービン、各種炉などの排ガス浄化用の触媒として用いられる。
【0043】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について述べる。
【0044】
実施例1
まず、担持体としてγ−Al2 3 粒子を用意し、これをアルコールに分散させた後、カーボン支持膜上に塗布、乾燥させた。このγ−Al2 3 粒子の表面および周囲に、以下に示す方法でPt超微粒子を配置した。
【0045】
すなわち、γ−Al2 3 粒子の上に直径 0.5μm 程度の細孔を有するPtメッシュを配置し、このPtメッシュの細孔内壁にArイオンビームを斜め上方から照射した。Arイオンビーム照射時の雰囲気は 1×10-3Pa程度の真空雰囲気とした。Arイオンビームの照射を一定時間継続し、Ptメッシュから連続して Pt原子を離脱させることによって、γ−Al2 3 粒子の表面およびその周囲に複数のPt超微粒子を形成した。これらPt超微粒子の直径は 7〜20nm程度であった。
【0046】
次に、γ−Al2 3 粒子およびPt超微粒子を形成、配置したカーボン支持膜を、 200kVTEM装置(日本電子社製、JEM-2010(商品名))の真空室内に配置された室温ステージ上に設置した。この真空室内を 1×10-5Paの真空度まで排気した後、γ−Al2 3 粒子とPt超微粒子に対して同時に 1×1020e/cm2 ・sec の電子線を照射した。
【0047】
電子線の照射を行いながらγ−Al2 3 粒子とPt超微粒子の状態をインサイチュー観察したところ、Pt超微粒子がγ−Al2 3 粒子中に埋設するようにして融合するのが観察された。そして、TEM観察の結果、Pt超微粒子はγ−Al2 3 粒子から一部露出するように融合しており、それらの融合界面は格子整合していた。すなわち、Pt超微粒子の (111)面とγ−Al2 3 粒子の (111)面とがヘテロエピタキシャル関係を有していることが確認された。
【0048】
このようにして得た触媒構造体は、ナノオーダーのPt超微粒子を担持体としてのγ−Al2 3 粒子に担持させたものであるため、例えば排ガス中の有害成分の浄化効率をより一層向上させることができる。さらに、Pt超微粒子とγ−Al2 3 粒子とはヘテロエピタキシャル関係を有しているため、γ−Al2 3 粒子の結晶面を制御することにより、Pt超微粒子の触媒作用に優れる特定の結晶面を露出させることができる。Pt超微粒子を担持させたγ−Al2 3 粒子を多数用意し、これらを集合体として用いることによって、優れた排ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
【0049】
実施例2
結晶配向させた基板上のアルミナ多結晶体(焼結体)を担持体として用いる以外は、上記実施例1と同様にして、Pt超微粒子を担持体としてのアルミナ多結晶体に融合させた。
【0050】
まず、アルミナ多結晶体上へのPt超微粒子の配置は実施例1と同様にして行った。この際に、Ptメッシュの細孔径などを調整することによって、アルミナ多結晶体上に直径10〜20nm程度の多数のPt超微粒子を、おおよそ20〜40nm程度の間隔で配置した。このようなアルミナ多結晶体とPt超微粒子に対して、実施例1と同一条件で同時に電子線を照射した。
【0051】
その結果、ほぼ当初の配置間隔で直径10〜20nm程度の多数のPt超微粒子がアルミナ多結晶体中に一部埋設するようにして融合しているのが確認された。このようなアルミナ多結晶体を複数枚用意し、図4に示したような排ガス処理通路を形成した。これは排ガス浄化用触媒として有効に利用し得るものである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の排ガス浄化用触媒構造体によれば、例えばナノオーダーの大きさを有する貴金属超微粒子を、各種形状の担持体に制御された条件の下で担持させることができる。従って、排ガス浄化用触媒構造体による処理効率の向上を図ることができると共に、構造体としての形状の自由度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による触媒構造体の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 図1に示す触媒構造体の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の触媒構造体の作製に用いる貴金属超微粒子の製造工程の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明の触媒構造体を用いたガス通路の一例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の触媒構造体を用いたガス通路の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1……触媒構造体
2……担持体
3……貴金属超微粒子
4……電子線

Claims (7)

  1. 担持体と、前記担持体の表面近傍部分に埋め込まれた触媒機能を有する貴金属超微粒子とを有する排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記担持体と前記貴金属超微粒子とは、真空雰囲気中での1×1019e/cm2・sec以上の強度を有する電子線の同時照射により、前記貴金属超微粒子の一部が前記担持体から露出すると共に、前記担持体と前記貴金属超微粒子との界面で格子整合するように融合していることを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  2. 請求項1記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記貴金属超微粒子は20nm以下の直径を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  3. 請求項2記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記貴金属超微粒子は前記直径と同等もしくはそれ以上の間隔で前記担持体に埋め込まれていることを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記担持体は、アルミナ、ジルコニア、シリカおよびチタニアから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  5. 請求項4記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記金属酸化物からなる担持体は、粒子形状または基板形状を有することを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記貴金属超微粒子は、Pt、Pd、RhおよびRuから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の排ガス浄化用触媒構造体において、
    前記担持体と前記貴金属超微粒子とは、前記担持体で前記貴金属超微粒子の一部を包み込むように融合していることを特徴とする排ガス浄化用触媒構造体。
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