JP3770813B2 - 開閉弁 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、開閉弁に関し、特に弁体の軸径を小さくすることができる開閉弁及び該開閉弁用弁体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
開閉弁の最も一般的なタイプとして、小径軸部と、大径軸部と、この小径軸部と大径軸部の間に位置する径変化軸部とを有する弁体を、弁座部材に対して相対的に軸方向に移動させ、径変化軸部を環状弁座に接離させることで流路を開閉するタイプが知られている。このような開閉弁は、単独で用いられることも、他の開閉弁と組み合わせて例えば減圧弁(レギュレータ)として使用されることもあるが、特に小流量用では、細い弁体(例えば軸径が1mm程度以下)を要求されることがある。しかし、従来の開閉弁構造では、小さい受圧面積の開閉弁を得ることが困難であった。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、軸線を中心とする回転対称形状を有する、軸線方向に相対移動可能な弁体と弁座部材とを備えたタイプの開閉弁において、受圧面積が小さい開閉弁を簡単な構造で得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、市販のOリングを用いた簡単な構造で受圧部の小径化を達成したもので、弁体が、小径軸部と、大径軸部と、この小径軸部と大径軸部の間に位置する径変化軸部とを有しており、弁座部材が、弁体の小径軸部を隙間をもって挿通させる小径穴を有する小径台と、大径軸部を隙間をもって挿通させる大径穴を有する大径台と、この小径台と大径台の間に軸方向に圧縮された状態で挟着保持され、弾性変形して小径穴と大径穴の間に内周部が露出するOリングとから構成されており、このOリングの内周露出部は、その内径が弁体の小径軸部径より大きく大径軸部径より小さい環状弁座を構成し、この環状弁座が弁体の径変化部に接離することを特徴としている。
【0005】
弁体の径変化部は、テーパ径部、球面の一部または段部(軸線と直交する平面部)から構成することができる。
【0006】
【発明の実施形態】
図示実施形態は、本発明を小流量用(例えば数cc〜数リットル/分)の減圧弁(レギュレータ)に適用した実施形態であり、図1ないし図3は第一の実施形態を示している。ハウジング11は、ボディ11aとカバー11bとからなっており、ボディ11aには、一次圧力導入口12と二次圧力取出口13とが開口している。ボディ11aには、一次圧力導入口12と二次圧力取出口13を連通させる大径穴14aと弁体収納穴14bとが形成されている。ボディ11aは、大径穴14aを有する大径台である。
【0007】
ボディ(大径台)11aにはまた、大径穴14a及び弁体収納穴14bと同軸で、カバー11b側に開口する弁座部材ねじ込み穴15aと、このねじ込み穴15aより大径穴14a側に位置するOリング挿入環状溝15bとが形成されている。このOリング挿入環状溝15bにはOリング16が挿入され、弁座部材ねじ込み穴15aには、筒状の小径台17が螺合固定されている。小径台17には、その下端部に大径穴14aと同心でこれより小径の小径穴17aが形成されている。Oリング16は、小径台17をねじ込み穴15aの正規位置に螺合させると、小径台17とボディ(大径台)11aとの間に軸方向に圧縮されて保持され、弾性変形してその内周部が小径穴17aより内方に突出する環状弁座16aを構成する。これらのボディ(大径台)11aの大径穴14a、Oリング16の環状弁座16a及び小径台17の小径穴17aが軸線を中心とする回転対称形状の弁座部材を構成する。
【0008】
弁体20は、軸線方向に順に、小径軸部20a、テーパ径部(径変化軸部)20b、大径軸部20c、ばね掛け大径部20d、及び空気室形成軸部20eを有している。小径台17の小径穴17aは、この弁体20の小径軸部20aより大径であり、大径穴14aは大径軸部20cより大径である。図では、嵌合関係にある部材の間隔を誇張して描いている。環状弁座16aは、弁体20のテーパ径部20bと接離するもので、その内径は、弁体20の小径軸部20aの径より大きく大径軸部20cの径より小さい。
【0009】
ボディ11aの弁体収納穴14bには、弁体20の抜けを防止するプラグ18が螺合されており、このプラグ18には、弁体20の空気室形成軸部20eを摺動自在に嵌合させる筒状部18aが一体に設けられている。筒状部18aは、空気室形成軸部20eを空気の出入りに抵抗を与える僅かな隙間で嵌合させており、空気室形成軸部20eとの間に振動防止用の空気溜まり室19を形成する。弁体20は、ばね掛け大径部20dとプラグ18との間に挿入した圧縮ばね21の力によって常時そのテーパ径部20bが弁座16aに密着し、通路を閉じている。
【0010】
ボディ11aには、小径台17に連通する二次圧力室22が形成されており、二次圧力室22と二次圧力取出口13は、別にアスピレータ通路23によって連通している。
【0011】
カバー11bは、ボディ11aにねじ結合されるもので、両者の間には、ダイアフラム25の周縁部がガスケット26を介して挟着支持されている。ガスケット26は、ボディ11aとカバー11bを相対回転させて結合するとき、ダイアフラム25に捩れを生じさせない作用をするもので、ダイアフラム25の下面にあってもよい。ダイアフラム25のカバー11b側には、筒状小径台17内に抵抗なく摺動可能な隙間をもって挿入されるリテイナ27が位置し、カバー11b側には、ピストン28が位置する。リテイナ27は、上端部がダイアフラム25に接し、他端部が弁体20の上端部に接する。
【0012】
カバー11bには、ピストン28に形成した筒状部28aを隙間をもって受け入れる穴部29が形成されている。すなわち、穴部29は、筒状部28aを空気の出入りに抵抗を与える僅かな隙間で嵌合させており、筒状部28aとの間に振動防止用の空気溜まり室30を形成するとともに、ピストンのセンタリング作用をしている。
【0013】
ピストン28は、圧縮ばね31により、下方に、つまりダイアフラム25を介して二次圧力室22の容積を小さくする方向に付勢されており、その付勢力は、調圧ねじ32によって調節することができる。カバー11bには、ダイアフラム25の二次圧力室22とは反対側の室を大気に連通させる大気連通穴33が形成されている。
【0014】
上記構成の本実施形態の減圧弁は、次のように作用する。二次圧力取出口13側の圧力(二次圧力室22内の圧力)が上がり、圧縮ばね31の力に打ち勝ってダイアラム25及びピストン28を押し上げる程高くなると、圧縮ばね21の力及び一次圧力と二次圧力の差により弁体20が上昇し、そのテーパ径部20bがOリング16の環状弁座16aに着座して流路を閉じる。つまり、一次圧力導入口12側の高圧が二次圧力室22側に流れることはない。逆に、二次圧力取出口13側の圧力が下がり、圧縮ばね31の力によって、ピストン28及びダイアフラム25が下降すると、リテイナ27が弁体20の小径軸部20aを押して、テーパ径部20bを環状弁座16aから離す。その結果、一次圧力導入口12側の流体が通路14を通って二次圧力取出口13側に流れる。以上の動作が二次圧力取出口13側の圧力の大小によって連続して行われる結果、一次圧力導入口12の圧力を減圧して二次圧力取出口13側に取り出すことができる。アスピレータ通路23は、二次圧力取出口13を流れる流体の流速が増して静圧が下がると、二次圧力室22の圧力を下げて、より多くの流量を流す作用をする。以上の動作が二次圧力取出口13側の圧力の大小によって連続して行われる結果、一次圧力導入口12の圧力を減圧して二次圧力取出口13側に取り出すことができる。
【0015】
さらに、図示実施形態では、弁体20とプラグ18との間に空気溜まり室19が形成され、ピストン28と穴部29との間に空気溜まり室30が形成されているため、弁体20とピストン28(ダイアフラム25)をゆっくりと動作させることができる。このため、急激な圧力変動が発生しても振動の発生を防止し、設定圧のオーバーシュートを防ぐ小流量を安定して流すことができる。
【0016】
以上の実施形態では、弁体20の径変化部をテーパ径部20bから構成したが、単なる段部(軸線と直交する平面部)から構成してもよい。あるいは、図4に示すように、球面の一部によって径変化部20b’を構成してもよい。
【0017】
以上の実施形態は、本開閉弁及び弁体の製造方法を減圧弁に適用したものであるが、本発明は、他の開閉弁との組み合わせあるいは単独での使用も可能である。
【0018】
以上の実施形態は、本開閉弁及び弁体の製造方法を減圧弁に適用したものであるが、本発明は、他の開閉弁との組み合わせあるいは単独での使用も可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、軸線を中心とする回転対称形状を有する、相対移動可能な弁体と弁座部材とを備えたタイプの開閉弁において、受圧面積の小さい開閉弁を簡単な構造で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による開閉弁を有する減圧弁の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の減圧弁の分解斜視図である。
【図3】弁座部材のOリング部分の拡大断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す、弁座部材のOリング部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
11 ハウジング
11a ボディ(大径台)
11b カバー
12 一次圧力導入口
13 二次圧力取出口
14a 大径穴
15a 弁座部材ねじ込み穴
15b Oリング挿入環状溝
16 Oリング
16a 環状弁座
17 小径台
17a 小径穴
18 プラグ
19 空気溜まり室
19 小径穴
20 弁体
20a 小径軸部
20b テーパ径部(径変化軸部)
20b 径変化軸部(球面の一部)
20c 大径軸部
21 圧縮ばね
22 二次圧力室
25 ダイアフラム
26 ガスケット
27 リテイナ
28 ピストン
28a 筒状部
29 穴部
30 空気溜まり室
31 圧縮ばね
32 調圧ねじ
33 大気連通穴
Claims (4)
- 軸線を中心とする回転対称形状を有する、軸線方向に相対移動可能な弁体と弁座部材とを備えた開閉弁において、上記弁体が、小径軸部と、大径軸部と、この小径軸部と大径軸部の間に位置する径変化軸部とを有し、上記弁座部材が、弁体の小径軸部を隙間をもって挿通させる小径穴を有する小径台と、大径軸部を隙間をもって挿通させる大径穴を有する大径台と、この小径台と大径台の間に軸方向に圧縮された状態で挟着保持され、弾性変形して上記小径穴と大径穴の間に内周部が露出するOリングとから構成されており、このOリングの内周露出部は、その内径が弁体の小径軸部径より大きく大径軸部径より小さい環状弁座を構成し、この環状弁座が弁体の径変化部に接離することを特徴とする開閉弁。
- 請求項1記載の開閉弁において、弁体の径変化部がテーパ径部からなっている開閉弁。
- 請求項1記載の開閉弁において、弁体の径変化部が球面の一部からなっている開閉弁。
- 請求項1記載の開閉弁において、弁体の径変化部が段部からなっている開閉弁。
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CN102734477A (zh) * | 2012-07-07 | 2012-10-17 | 屯留县隆吉工贸有限公司 | 真空超导散热器针式密封阀 |
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