JP3770810B2 - プラスチック選別方法および設備 - Google Patents

プラスチック選別方法および設備 Download PDF

Info

Publication number
JP3770810B2
JP3770810B2 JP2001180928A JP2001180928A JP3770810B2 JP 3770810 B2 JP3770810 B2 JP 3770810B2 JP 2001180928 A JP2001180928 A JP 2001180928A JP 2001180928 A JP2001180928 A JP 2001180928A JP 3770810 B2 JP3770810 B2 JP 3770810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic
plastic piece
casing
piece
stirring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001180928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002370049A (ja
Inventor
鉄也 井上
大介 玉越
英彦 前畑
省吾 濱田
博之 大工
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP2001180928A priority Critical patent/JP3770810B2/ja
Publication of JP2002370049A publication Critical patent/JP2002370049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3770810B2 publication Critical patent/JP3770810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Accessories For Mixers (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電分離作用により種類別に選別するプラスチック選別設備で、特にシート状またはフィルム状の破砕片を含むプラスチック片に適したプラスチック選別方法および設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者等は、たとえば特開平8−122869号公報に、図11に示すような静電式分離装置を提案している。この静電式分離装置は、矢印方向に回転駆動されるドラム電極1と、ドラム電極1の頂部から回転方向下流側に分離空間をあけて対向電極2とを配置し、高電圧電源3によりドラム電極1と対向電極2との間に高電圧を印加して、前記分離空間に分離用静電場4が形成される。一方、粉砕、洗浄乾燥後のプラスチック片を、定量供給装置5から摩擦帯電装置6に供給して摩擦帯電した後、供給板7からドラム電極1の頂部に供給し、ドラム電極1の回転に従って選別用静電場4を通過させる。ドラム電極1と異極性に帯電したプラスチック片は、ドラム電極1に吸着吸引されて、落下軌跡がドラム電極1側に変化され第1回収ホッパ8に分離回収される。またドラム電極1と同極性に帯電したプラスチック片は、ドラム電極1に反発して、落下軌跡を対向電極2側に変化させ第2回収ホッパ9に分離回収される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成において、選別対象物である破砕プラスチック片が粒状やペレット状である場合には問題が生じないが、厚みの薄いシート状やフィルム状の粉砕片を含むプラスチック片の場合や、シート状やフィルム状プラスチック片のみから構成されるプラスチック片の場合には、単位体積当たりの重量または嵩比重が小さいため、選別処理量が低下する。またシート状やフィルム状の破砕片は静電気による吸着力が強く、プラスチック片同士が一旦密着した場合には、それを引き離すのが極めて難い。そして異なる種類のプラスチック片同士が密着すると、静電式分離装置による分離が不能となり、また分離精度が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決して、シート状やフィルム状のプラスチック片であっても、精度良くプラスチック片を種類ごとに分離することができるプラスチック片の選別方法および装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のプラスチック選別方法は、帯電されたプラスチック片を、高電圧の印加により電極間に形成された分離用静電場に投入して、プラスチック片の極性および帯電量により落下軌跡を変化させ、プラスチック片を種類別に分離するに際し、帯電させる前に、プラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満に加熱して熱収縮させるものである。
【0006】
上記構成によれば、シート状またはフィルム状プラスチック片を熱収縮させてロール状や塊状に形成できるので、プラスチック片同士が密着して離れなくなるようなことがなく、静電式分離装置によりプラスチック片を種類別に高純度、高回収率で選別することができる。
【0007】
また請求項2記載のプラスチック選別設備は、プラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満に加熱して収縮させる加熱収縮装置と、収縮された前記プラスチック片をプラスチックの種類に応じた極性および帯電量に帯電させる帯電装置と、一対の電極に高電圧を印可して形成された分離用静電場に、帯電された前記プラスチック片を供給して落下させ、それぞれのプラスチック片の極性と帯電量により落下軌跡を変化させて分離回収する静電式分離装置とを具備し、前記加熱収縮装置を、一端側にプラスチック片の供給口が形成されるとともに他端に排出口が形成されたケーシングと、プラスチック片を加熱する加熱手段と、プラスチック片を攪拌する攪拌手段と、プラスチック片を一端側から他端側に搬送する搬送手段とで構成したものである。
【0008】
上記構成によれば、加熱収縮装置により、シート状またはフィルム状プラスチック片を熱収縮してロール状や塊状に形成できるので、プラスチック片同士が密着して離れなくなるようなことがなく、静電式分離装置によりプラスチック片を種類別に高純度、高回収率で選別することができる。
【0010】
さらに、プラスチック片をケーシング内で、搬送手段により供給口から排出口側に搬送しつつ、攪拌手段により攪拌するとともに加熱手段により軟化温度以上で溶融温度未満の温度範囲で均一に加熱することで、シート状またはフィルム状プラスチック片をロール状や塊状に効果的に熱収縮することができる。
【0011】
請求項3記載のプラスチック選別設備は、請求項2記載の加熱手段を、ケーシング内に一端側から他端側に加熱空気を供給する第1加熱空気供給装置と、ケーシングの底部から加熱空気を吹き込む第2加熱空気供給装置とにより構成し、攪拌手段として前記第2加熱空気供給装置を用い、搬送手段を、ケーシングの底部を作動してプラスチック搬送する振動コンベヤ装置またはベルトコンベヤ装置により構成したものである。
【0012】
上記構成によれば、第2加熱空気供給装置によりプラスチック片を攪拌しつつ振動コンベヤ装置またはベルトコンベヤ装置により排出口側に搬送し、第1および第2加熱空気供給装置により供給される熱風によりプラスチック片を加熱することにより、プラスチック片を効果的に熱収縮させることができる。
【0013】
請求項4記載のプラスチック選別設備は、請求項2記載の加熱手段を、ケーシング内に一端側から他端側に加熱空気を供給する加熱空気供給装置により構成し、攪拌手段を、ケーシング内で攪拌部材を回転駆動してプラスチック片を攪拌するプラスチック片攪拌装置により構成し、搬送手段を、前記加熱空気供給装置により構成したものである。
【0014】
上記構成によれば、ケーシング内でプラスチック片を、攪拌装置により攪拌部材を回転してプラスチック片を攪拌しつつ、加熱空気供給装置により供給される熱風で排出口側に搬送するとともに加熱することにより、プラスチック片を効果的に熱収縮させることができる。
【0015】
請求項5記載のプラスチック選別設備は、請求項4記載の攪拌部材に設けられた流路に熱媒体を供給して攪拌部材を加熱または冷却する補助温度調整手段を設けたものである。
【0016】
上記構成によれば、起動時や処理量増大時の熱量不足時には、加熱媒体により攪拌部材を介してプラスチック片を加熱し、また攪拌部材が溶融温度以上に過熱される場合には、冷却媒体により攪拌部材を冷却することで、プラスチック片の溶融、付着を防止することができる。
【0017】
請求項6記載のプラスチック選別設備は、請求項4または5記載の構成において、攪拌部材を、回転によりプラスチック片に搬出口側への搬送力を付与するように形成して補助搬送手段としたものである。
【0018】
上記構成によれば、攪拌部材により、攪拌手段と搬送手段とを兼用することができ、装置を簡略化できる。
請求項7記載のプラスチック選別設備は、請求項2乃至6のいずれかに記載の構成において、ケーシングの過熱を防止する過熱防止手段を設けたものである。
【0019】
上記構成によれば、過熱防止手段によりケーシングが溶融温度以上に過熱されるのを防止することができ、プラスチック片の溶融、付着を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係るプラスチック選別設備の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0021】
このプラスチック選別設備は、図3,図4に示すように、リサイクルのために回収されたプラスチック廃棄物やプラスチック工場から排出されるスクラッププラスチックのうち、特にシート状またはフィルム状プラスチック片を含むリサイクル原料を、たとえば10mmメッシュ以下に粉砕して、それぞれの種類別に分離回収するものである。
【0022】
洗浄乾燥されたリサイクル原料は、まず破砕機により粉砕され(STEP1)、篩装置にかけられてたとえば1mm〜10mmメッシュに分離され(STEP2)、10mmメッシュ以上のものは再度破砕機に戻され、1mmメッシュ以下のプラスチック片は除去される。そして1mm〜10mmメッシュのプラスチック片で汚れが残っている場合には、乾式洗浄装置11に送られて洗浄される(STEP3)。ついで洗浄後または破砕後のプラスチック片が加熱収縮装置12に送られて、シート状またはフィルム状のプラスチック片が熱収縮される(STEP4)。さらに摩擦帯電装置(帯電装置)13に送られて、プラスチック片同士が摩擦接触されることにより、種類により帯電列に応じた極性および帯電量に摩擦帯電される(STEP5)。さらにまた、定量供給装置14により静電式分離装置15に送られたプラスチック片は、静電分離作用により種類別に分離される(STEP6)。
【0023】
前記乾式洗浄装置11は、たとえばケーシング内に螺旋状スクリューと、送りを阻害する抵抗手段を具備し、プラスチック片同士および洗浄装置部材とプラスチック片とを擦り合わせることにより、その表面に付着した汚染物を擦り落とすものである。なお、この乾式洗浄により、プラスチック片が摩擦帯電される場合には、出口に除電装置を設けてもよい。
【0024】
摩擦帯電装置13は、たとえば帯電容器内に回転駆動される攪拌翼が配置され、前記攪拌翼によりプラスチック片を攪拌させることで、互いに擦りあわせて摩擦帯電させる。
【0025】
定量供給装置14は、たとえば振動装置14aにより所定方向に振動される供給トレイ14bを具備し、供給トレイ14bから一定量ずつ静電式分離装置15のドラム電極21の頂部に供給する。
【0026】
静電式分離装置15は、図示しない回転駆動装置により矢印方向に所定速度で回転駆動されるドラム電極21と、ドラム電極21の頂部から回転方向下流側に分離空間をあけて対向電極22とが配置されている。そして、高電圧電源23のマイナス極が対向電極22に接続されるとともに、プラス極がアースを介してドラム電極1に接続されて、ドラム電極21と対向電極22との間に高電圧を印加し、前記分離空間に分離用静電場24が形成される。
【0027】
ドラム電極21の下方には、ドラム電極21に対して反対の極性に帯電され吸引または吸着されたプラスチック片を回収する第1回収ホッパ25と、ドラム電極21に対して同一極性に帯電され反発されたプラスチック片を回収する第2回収ホッパ26と、第1回収ホッパ25と第2回収ホッパ26との間で、帯電が不十分であったプラスチック片を回収する第3回収ホッパ27がそれぞれセパレータを介して配置されている。そして、第3回収ホッパ27に回収されたプラスチック片は再度摩擦帯電装置13に戻される。28はドラム電極21に付着したプラスチック片を掻き落とす回収ブラシである。
【0028】
次に加熱収縮装置12の第1形式を図1および図2を参照して説明する。
左右側面と上面とを覆うケーシング31の一端側上面に、供給口32が形成されるとともに、他端側下面に排出口33が形成されている。ケーシング31の下面には、粉体以外のプラスチック片が落下することがないメッシュ状搬送板34aと、この搬送板34aをプラスチック片を排出口33側に移動させるように振動させる加振装置34bからなり、搬送手段と攪拌手段とを兼用する振動コンベヤ34が配置されている。
【0029】
前記供給口32には、プラスチック片を投入する供給ホッパ35が取付けられるとともに、供給ホッパ35内にプラスチック片を供給口32に送り込む送入装置36が配置されている。この送入装置36は、たとえば供給口32の上方に左右方向に配置された回転軸36aに多数の送り翼36bを取付け、送入用回転装置36cにより回転軸36aを介して送り翼36bを回転させることにより、プラスチック片をほぐしつつ供給口32から振動コンベヤ34の搬送板34上に投入することができる。またこの供給ホッパ35に、プラスチック片を除電して静電気により密着を解除するための除電器を設けてもよい。
【0030】
ケーシング31には、一端側から他端側に熱風を吹き込んでプラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満の範囲に加熱するとともに、排出口33に送る加熱手段・搬送手段兼用の第1加熱空気供給装置37と、ケーシング31の下方に配置された風箱38aからメッシュ状搬送板34aを介して熱風を吹き込みプラスチック片を加熱するとともに攪拌する加熱手段・攪拌手段兼用の第2加熱空気供給装置38が設けられている。
【0031】
またケーシング31には、ケーシング31がプラスチック片の融点以上に過熱されて、ケーシング31に接触するプラスチック片が溶融するのを防止するために複数の水冷管39aがその外面に沿って配置され、図示しない冷却水供給装置からケーシング31の温度センサの検出値に基づいて温度制御された冷却水が水冷管39aを供給する過熱防止手段39が構成されている。なお、ケーシング31を構成する材質や放熱構造を選択することにより、過熱防止手段39が不要な場合も有る。
【0032】
上記構成において、乾式洗浄装置11により洗浄後のプラスチック片は、供給ホッパ35から送入装置36により供給口32を介してケーシング31内の搬送板34a上に投入される。
【0033】
ケーシング31内では、プラスチック片は、振動コンベヤ34により搬送板34a上で振動されるとともに、第1加熱空気供給装置37から吹き込まれる熱風と、第2加熱空気供給装置38の風箱38aからメッシュ状搬送板34aを通過して供給される熱風とに、攪拌されてプラスチック片が分離されつつ、排出口33側に搬送され加熱される。そして、プラスチック片が軟化点以上に加熱されることにより、シート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片はそれぞれロール状や塊状に熱収縮され、そして排出口33から排出される。またこの搬送中に、熱風の温度制御と、ケーシング1が温度調整装置39によりプラスチックの溶融温度以下に保持されることから、内部のプラスチック片が溶融温度に達して溶融し、プラスチック片同士または搬送板34aやケーシング1の内面に付着することもない。
【0034】
排出口33から排出されたプラスチック片は、摩擦帯電装置13の帯電容器に供給され、帯電容器内で攪拌されてプラスチック片同士が摩擦接触されることにより、飽和状態までその種類に応じた極性、帯電量に帯電される。そして摩擦帯電装置13から排出されたプラスチック片は、定量供給装置14を介して静電式分離装置15に供給される。
【0035】
静電式分離装置15では、ドラム電極21の回転により、プラスチック片が頂部から分離用静電場23に送られる。そして、ドラム電極21と反対の極性、すなわちマイナスに帯電されたプラスチック片は、電荷による鏡像力と静電力とによりドラム電極21の表面に引き付けられて吸着、吸引される。これにより落下軌跡がドラム電極側に変化して第1回収ホッパ25に落下回収される。反対にドラム電極21と同一の極性、すなわちプラスに帯電されたプラスチック片は、電荷による鏡像力と静電力とにより、ドラム電極21に対して反発して対向電極22に引き付けられ、対向電極22側に飛跳して第2回収ホッパ26に回収される。
【0036】
[実験例]
ここで、熱収縮されたシート状プラスチック片の分離実験をおこなった結果を説明する。
【0037】
PVC,PE,PET[帯電列順位(−)PVC−PET−PE(+)]の各シート状プラスチック片を20mmメッシュ前後に破砕し、これらを混合したプラスチック片を、450℃で風量3m3/minにより熱収縮させて5〜10mmメッシュ程度のロール状または塊状に形成した。こ熱収縮後のプラスチック片と熱収縮前のプラスチック片とを摩擦帯電装置13でそれぞれ帯電させた後、静電式分離装置15に投入し、(−)に帯電されるPVCのプラスチック片を第3回収トレイ26に分離回収するとともに、(+)に帯電される他の2種PET−PEのプラスチック片を第1回収トレイ25に分離して比較した結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003770810
なおここで、除去率=[1−(第1回収ホッパに回収されたPVC/PVC全投入量)]×100(%)であり、また回収率=第1回収トレイに回収されたPE・PET重量/PE・PETの全投入量である。
【0039】
上記実験結果によれば、熱収縮前のシート状プラスチック片のPVC除去率が75%であるのに対して、熱収縮後の塊状プラスチック片のPVC除去率が90%と約15%向上され、PE・PET回収率も15〜25%程度向上され、さらに注目すべきは、これらPVC除去率とPE・PET回収率が、処理量が5倍に増大された結果である点である。したがって、上記実験により、シート状またはフィルム状プラスチック片を熱収縮した後に分離することにより、処理量を大幅に増大できるとともに、除去率および回収率も向上することが判明した。
【0040】
上記実施の形態によれば、ケーシング21内に投入されたシート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片を、加熱収縮装置12により加熱してロール状や塊状に熱収縮するので、プラスチック片同士が密着して分離不能になることがなくなり、摩擦帯電した後、静電式分離装置15に供給することにより、より精度良く種類別に分離することができる。
【0041】
図5は、第1形式の第1変形例で、振動コンベヤ34に代えて、メッシュベルト40aを有するベルトコンベヤ40を配置したものである。したがって、攪拌手段は第2加熱空気供給装置38のみとなるが、プラスチック片の搬送時間や搬送量を正確に制御できることから、プラスチック片の熱収縮を確実に行うことができる。
【0042】
図6は、第1形式の第2変形例で、矩形断面のケーシング31に代えて、円筒形断面のケーシング41としたものである。これにより、供給ホッパ35に設けられる送入装置42は、回転駆動装置42cにより回転される垂直方向の回転軸42aと、この回転軸42aに取付けられた螺旋状の送りスクリュ42bとを具備したものである。このように、ケーシングの断面形状は問わない。
【0043】
次に、加熱収縮装置50の第2形式を図7,図8を参照して説明する。なお第1形式と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
四角筒状のケーシング51の一端側に供給口32が形成されるとともに、他端側に排出口33が形成されている。供給口32には、送入装置36付の供給ホッパ35が取付けられている。
【0044】
ケーシング41内には、一端から他端方向に単数または複数本(図では3本)のパイプ構造の攪拌ロッド52が軸心周りに回転自在に支持され、ケーシング51の他端部に配置されて攪拌駆動装置53aと伝動機構53bからなる攪拌作動装置53により回転駆動される。この攪拌ロッド52は、複数の折れ曲がり部52aにより他端側外周に放射状に形成され、投入されたプラスチック片を攪拌するように構成される。
【0045】
またこの攪拌ロッド52に、回転によりプラスチック片を排出口53側への送り力を付与する搬送翼部を形成して、補助搬送手段を構成してもよい。さらにこの攪拌ロッド52には、過熱の促進と過熱の防止のために、流路54aが形成されており、攪拌ロッド52の表面温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出値に基づいて冷却水供給装置からロータリジョイントを介して流路54aに冷却水を供給する温度調整装置54が設けられている。
【0046】
またケーシング41の一端側には、供給ダクト55aから他端側に向かって加熱空気を供給してプラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満に加熱する過熱手段と、プラスチック片を排出口33に搬送する搬送手段兼用の加熱空気供給装置55が設けられている。
【0047】
なお、上記加熱収縮装置50を1台で説明したが、処理速度や能力により直列に複数段に配置することもできる。
上記構成において、プラスチック片は、供給ホッパ35から送入装置36により供給口32を介してケーシング51内に投入される。ケーシング51内では、加熱空気供給装置55により供給ダクト55aを介して他端側に向かって吹き込まれた熱風により、加熱されつつ排出口33側に搬送される。プラスチック片は、軟化点以上に加熱されることにより、シート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片がそれぞれロール状や塊状に熱収縮され、そして排出口33から排出される。また攪拌ロッド52とケーシング51には、温度調整装置39および第2温度調整装置54とにより、溶融温度以下に制御されることから、接触したプラスチック片が溶融して付着するのが防止される。
【0048】
上記第2形式の加熱収縮装置50によれば、加熱空気供給装置55によりケーシング内に吹き込まれ熱風により、プラスチック片シート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片を効果的に加熱しつつ攪拌ロッド52により攪拌して個々に分離するとともに均一に加熱し、排出口33に向かって搬送することにより、シート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片をそれぞれ効果的に熱収縮させて互いに密着するを防止することができる。これにより、摩擦帯電装置13における帯電および静電式分離装置15による分離作業を精度良く行うことができる。
【0049】
さらに第3形式の加熱収縮装置60を図7,図8を参照して説明する。なお、第1,第2形式の加熱収縮装置の同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
四角筒状または円筒状のケーシング61には一端部に供給口32が形成されるとともに他端部に排出口33が形成され、ケーシング61の一端部に、熱風を一端側から他端側にサイクロン状に送り込む供給ダクト62aを有する加熱空気供給装置62が設けられ、この加熱空気供給装置62により加熱手段と搬送手段と攪拌手段とが兼用されている。
【0051】
またケーシング61内には、等間隔をあけて一端部から他端部に単数または複数(図では)のパイプ状の攪拌ロッド63が回転自在に支持され、これら攪拌ロッド63は波形に湾曲されるとともに、一端側に攪拌回転駆動装置64aによりギヤ式の伝動機構64aを介して攪拌ロッド63をそれぞれ回転駆動する攪拌作動装置64が設けられ、これらにより攪拌手段が構成されている。
【0052】
前記攪拌ロッド63には、攪拌ロッド63の表面温度に対応して自動的にスチーム供給装置から温度制御された加熱媒体である加熱蒸気を供給する通路65aが形成され、温度調整手段65が構成されている。なお、この温度調整手段65を冷却水供給装置から冷却水を供給するように構成するか、または攪拌ロッド63の表面温度に対応して、加熱蒸気と冷却水とを切り換える切換弁装置を設けてもよい。
【0053】
上記構成において、プラスチック片は、供給ホッパ35から送入装置42により供給口32を介してケーシング61内に投入される。ケーシング61内では、加熱空気供給装置62により供給ダクト62aからケーシング軸心に対して接線方向に吹き込まれた熱風は、周方向に旋回しつつ排出口33側に送られ、プラスチック片を攪拌しつつ搬送し、加熱する。また攪拌ロッド63には、たとえば起動時や処理量の増加時、加熱収縮率が低い時など、自動的または手動により、必要に応じて加熱蒸気が通路65aに供給され、反対にプラスチック片の溶融温度に接近すると加熱蒸気の供給が停止されており、これよりケーシング61内の雰囲気温度を昇温しプラスチック片の加熱を促進させることができる。またケーシング51は、温度調整装置39により、溶融温度以下に制御されることから、接触したプラスチック片が溶融して付着するのが防止される。これによりプラスチック片は、軟化点以上に加熱されることにより、シート状プラスチック片やフィルム状プラスチック片がそれぞれロール状や塊状に熱収縮され、排出口33から排出される。
【0054】
上記第3形式の加熱収縮装置60によれば、第2形式のものと同様の作用効果を奏することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上に述べたごとく請求項1記載の発明によれば、シート状またはフィルム状プラスチック片を熱収縮させてロール状や塊状に形成できるので、プラスチック片同士が密着して離れなくなるようなことがなく、静電式分離装置によりプラスチック片を種類別に高純度、高回収率で選別することができる。
【0056】
また請求項2記載のプラスチック選別装置によれば、加熱収縮装置により、シート状またはフィルム状プラスチック片を熱収縮してロール状や塊状に形成できるので、プラスチック片同士が密着して離れなくなるようなことがなく、静電式分離装置によりプラスチック片を種類別に高純度、高回収率で選別することができる。
【0057】
さらに、プラスチック片をケーシング内で、搬送手段により供給口から排出口側に搬送しつつ、攪拌手段により攪拌するとともに加熱手段により軟化温度以上で溶融温度未満の温度範囲で均一に加熱することで、シート状またはフィルム状プラスチック片をロール状や塊状に効果的に熱収縮することができる。
【0058】
請求項3記載のプラスチック選別設備によれば、第2加熱空気供給装置によりプラスチック片を攪拌しつつ振動コンベヤ装置またはベルトコンベヤ装置により排出口側に搬送し、第1および第2加熱空気供給装置により供給される熱風によりプラスチック片を加熱することにより、プラスチック片を効果的に熱収縮させることができる。
【0059】
請求項4記載のプラスチック選別設備によれば、ケーシング内で、攪拌装置により攪拌部材を回転してプラスチック片を攪拌しつつ、加熱空気供給装置により供給される熱風で排出口側に搬送するとともに加熱することにより、プラスチック片を効果的に熱収縮させることができる。
【0060】
請求項5記載のプラスチック選別設備によれば、起動時や処理量増大時の熱量不足時には、加熱媒体により攪拌部材を介してプラスチック片を加熱し、また攪拌部材が溶融温度以上に過熱される場合には、冷却媒体により攪拌部材を冷却することで、プラスチック片の溶融、付着を防止することができる。
【0061】
請求項6記載のプラスチック選別設備によれば、攪拌部材により、攪拌手段と搬送手段とを兼用することができ、装置を簡略化できる。
請求項7記載のプラスチック選別設備によれば、過熱防止手段によりケーシングが溶融温度以上に過熱されるのを防止することができ、プラスチック片の溶融、付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック選別設備の実施の形態を示す加熱収縮装置の縦断面図である。
【図2】同加熱収縮装置の斜視図である。
【図3】同プラスチック選別設備の作業手順を示すフロー図である。
【図4】同プラスチック選別設備を示す全体構成図である。
【図5】同加熱収縮装置の第1変形例を示す縦断面図である。
【図6】同加熱収縮装置の第2変形例を示す横断面図である。
【図7】同加熱収縮装置の第2形式を示す縦断面図である。
【図8】同加熱収縮装置の第2形式を示す斜視図である。
【図9】同加熱収縮装置の第3形式を示す縦断面図である。
【図10】同加熱収縮装置の第3形式を示す斜視図である。
【図11】従来のプラスチック選別設備を示す全体構成図である。
【符号の説明】
11 乾式洗浄装置
12,50,60 加熱収縮装置
13 摩擦帯電装置
14 定量供給装置
15 静電式分離装置
21 ドラム電極
22 対向電極
23 高電圧電源
24 分離用静電場
25 第1回収ホッパ
26 第2回収ホッパ
27 第3回収ホッパ
31,41,61 ケーシング
32 供給口
33 排出口
34 振動コンベヤ
35 供給ホッパ
36,42 送入装置
37 第1加熱空気供給装置
38 第2加熱空気供給装置
38a 風箱
39 過熱防止装置
39a 水冷管
52,63 攪拌ロッド
53,55 攪拌作動装置
54 温度調整装置

Claims (7)

  1. 帯電されたプラスチック片を、高電圧の印加により電極間に形成された分離用静電場に投入して、プラスチック片の極性および帯電量により落下軌跡を変化させ、プラスチック片を種類別に分離するに際し、
    帯電させる前に、プラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満に加熱して熱収縮させる
    ことを特徴とするプラスチック選別方法。
  2. プラスチック片を軟化温度以上で溶融温度未満に加熱して収縮させる加熱収縮装置と、収縮された前記プラスチック片をプラスチックの種類に応じた極性および帯電量に帯電させる帯電装置と、一対の電極に高電圧を印可して形成された分離用静電場に、帯電された前記プラスチック片を供給して落下させ、それぞれのプラスチック片の極性と帯電量により落下軌跡を変化させて分離回収する静電式分離装置とを具備し、
    前記加熱収縮装置を、一端側にプラスチック片の供給口が形成されるとともに他端に排出口が形成されたケーシングと、プラスチック片を加熱する加熱手段と、プラスチック片を攪拌する攪拌手段と、プラスチック片を一端側から他端側に搬送する搬送手段とで構成した
    ことを特徴とするプラスチック選別設備。
  3. 加熱手段を、ケーシング内に一端側から他端側に加熱空気を供給する第1加熱空気供給装置と、ケーシングの底部から加熱空気を吹き込む第2加熱空気供給装置とにより構成し、
    攪拌手段として前記第2加熱空気供給装置を用い、
    搬送手段を、ケーシングの底部を作動してプラスチック搬送する振動コンベヤ装置またはベルトコンベヤ装置により構成した
    ことを特徴とする請求項2記載のプラスチック選別設備。
  4. 加熱手段を、ケーシング内に一端側から他端側に加熱空気を供給する加熱空気供給装置により構成し、
    攪拌手段を、ケーシング内で攪拌部材を回転駆動してプラスチック片を攪拌するプラスチック片攪拌装置により構成し、
    搬送手段を、前記加熱空気供給装置により構成した
    ことを特徴とする請求項2記載のプラスチック選別設備。
  5. 攪拌部材に設けられた流路に熱媒体を供給して攪拌部材を加熱または冷却する補助温度調整手段を設けた
    ことを特徴とする請求項4記載のプラスチック選別設備。
  6. 攪拌部材を、回転によりプラスチック片に搬出口側への搬送力を付与するように形成して補助搬送手段とした
    ことを特徴とする請求項4または5に記載のプラスチック選別設備。
  7. ケーシングの過熱を防止する過熱防止手段を設けた
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のプラスチック選別設備。
JP2001180928A 2001-06-15 2001-06-15 プラスチック選別方法および設備 Expired - Fee Related JP3770810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180928A JP3770810B2 (ja) 2001-06-15 2001-06-15 プラスチック選別方法および設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180928A JP3770810B2 (ja) 2001-06-15 2001-06-15 プラスチック選別方法および設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002370049A JP2002370049A (ja) 2002-12-24
JP3770810B2 true JP3770810B2 (ja) 2006-04-26

Family

ID=19021271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001180928A Expired - Fee Related JP3770810B2 (ja) 2001-06-15 2001-06-15 プラスチック選別方法および設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3770810B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5412409B2 (ja) * 2010-11-26 2014-02-12 三菱電機株式会社 プラスチック選別方法およびプラスチック選別装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002370049A (ja) 2002-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102574304A (zh) 废旧塑料的分选分离方法和分选分离设备
US6527206B1 (en) Method for processing mixed waste, processing plant and buffer silos therefor
KR100503171B1 (ko) 플라스틱 선별장치
JP2005125139A (ja) プラスチック廃材乾式洗浄装置
JP2003287958A (ja) 回収トナー分級装置
JP2002177820A (ja) プラスチック粉砕物の供給・搬送方法及び装置ならびにプラスチック粉砕物の静電選別装置
JP3770810B2 (ja) プラスチック選別方法および設備
GB2240731A (en) Method and apparatus for separating particulate plastics materials
JP3929236B2 (ja) プラスチック摩擦帯電装置及びそれを用いたプラスチック選別設備
JP2004177572A (ja) プロセスカートリッジのプラスチック材料のリサイクル方法
JP3719952B2 (ja) プラスチック選別用加熱収縮装置
JP2000126684A (ja) 破砕塵の選別機
JP4604540B2 (ja) 廃棄樹脂成型品の乾式リサイクル処理装置
JP3761832B2 (ja) 廃プラスチック選別システム
JP4858473B2 (ja) 選別装置および選別方法
JP2004136207A (ja) 摩擦帯電装置
KR102451577B1 (ko) 재생플라스틱 펠렛의 분진 제거장치
JP4579466B2 (ja) 樹脂リサイクルシステム
JP4245467B2 (ja) 樹脂リサイクルシステム及び方法
KR20210133929A (ko) 폐플라스틱의 재활용 팰릿 제조용 정전 분리기
WO2021250647A1 (en) Apparatus and method for separation of light plastic materials from waste materials
JP2002234031A (ja) プラスチック分別方法及びプラスチック分別装置
WO2001017742A1 (en) Method and apparatus for treatment of plastic waste
JPH08155340A (ja) プラスチック混合物の分別装置および方法
JP2004142360A (ja) 廃プラスチックの分別方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20050809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140217

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees