JP3770124B2 - 内面溝付管の加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属管の内面に連続的に複数の溝を有する内面溝付管の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機や冷凍機などの熱交換器には、管内に相変化する冷媒を流動させ、管外流体と熱交換させることにより冷媒の蒸発や凝縮を生じさせる伝熱管が用いられている。例えばルームエアコンなどの熱交換器の伝熱管には、管内での冷媒の蒸発や凝縮による熱伝導を促進するために、内面に螺旋状の連続した複数の溝を設けた内面溝付管が使われている。
【0003】
このような内面溝付管は、例えば特開平5−007920号公報、特開平5−329529号公報、特開平6−015345号公報等に見られるように、金属管内に溝付プラグを配置し、その溝付プラグ部の金属管の外周面を押圧することで金属管の内面に複数の螺旋状の溝を形成する方法により製造される。
【0004】
図3にその加工法の例を示す。金属管1の内部には、外周面に螺旋状に形成された複数の溝5を有する溝付プラグ4が回転自由な状態で連結棒3を介してフローティングプラグ2と接続された状態で配置され、金属管1を引き抜くことでフローティングプラグ2は引抜きダイス9の位置で止まり、それにより溝付プラグ4も引抜き方向での位置が固定されるようになっている。そして、溝付プラグ4の位置で金属管1の外周面を押圧手段6、例えば所定の軌道を遊星回転する複数のボールまたはロールで押圧することで、金属管1の内面は溝付プラグ4に押圧されて金属管1の内面には溝付プラグ4の溝5に応じたフィンが形成される。その後、空引きダイス7を通すことで、内面に溝8が形成された所定外径の内面溝付管が製造される。溝付プラグ4は金属管1の引き抜きにより押圧手段6の公転方向とは逆の矢印Aの方向(紙面の裏側から表方向)に回転する。
【0005】
この場合、金属管1の内面に形成された溝8は管軸との間に所定のリード角をなしており、溝8に所定のリード角をつけることで、内面溝付管を伝熱管として使用したときに、管内で液化した冷媒は溝に沿って環状流となって流れ、管内面の液膜を薄くして伝熱特性の向上に寄与するとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記したような内面溝付管における溝8のリード角が30゜以上と大きくなると凝縮性能が向上することは既知の事項であるが、前記したような従来の加工方法でリード角を大きくするには、溝付プラグの溝と軸線とのなす角度(リード角)を大きくしなければならないが、そうすると金属管を引き抜く荷重が増加して金属管が破断に至るなどの加工上の問題がある。
【0007】
本発明の課題は、内面溝のリード角が大きな内面溝付管を容易に得ることのできる加工方法を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リード角が同じ溝付プラグでも、加工された内面溝付管の溝のリード角が大きくなる加工方法として、金属管を強制的に回転させながら内面溝付加工を行うことにある。
【0009】
即ち、本発明は、金属管内に、フローティングプラグと、該フローティングプラグと連結棒を介して接続された溝付プラグとを配し、前記金属管を引抜きダイスを通すことで前記フローティングプラグを引抜きダイス部に留め、前記溝付プラグのある位置でそこを通過する金属管を押圧手段により溝付プラグ上に圧迫することにより前記金属管の内面に複数の溝を形成する方法において、前記引抜きダイスに供給される金属管を回転装置により前記溝付プラグの回転方向と同じ方向に回転させながら内面溝付加工を行うことを特徴とする内面溝付管の加工方法である。
【0010】
溝付プラグの部分で管内に溝を形成後、所定の外径に仕上げるために引抜きダイスで縮径するが、この時、内面溝付管は軸方向に伸びると共に内面に形成された溝を画定するフィンの影響で、リード角が小さくなる方向にねじれ(より戻りと称する。)を生じる。フローティングプラグを引き留める引抜きダイスに供給される金属管を溝付プラグの回転と同じ方向に強制的に回転させることで、前述のより戻りを拘束する作用が生じ、リード角の減少を抑えることができる。しかし、金属管の回転が速いと、金属管を引抜くグリップ部(仕上げダイスの後段の最終部分)で捻れて内面溝付管が破断してしまう恐れがあるので、注意が必要である。
【0011】
また、仕上げダイスによる減面率が大きくなると引抜き力の増加により断管が生じ易くなり、加工が困難になる恐れがあるだけでなく、内面溝管の軸方向の伸びが大きくなって溝のリード角が小さくなり、金属管を回転させて溝のリード角を増加させる効果が薄れるため、仕上げダイスによる内面溝付管の減面率は30%以下であることが望ましい。なお、この場合の減面率は次で定義されるが、仕上げダイスを複数個連続に設置した場合、その複数個ダイスの全減面率が30%以下になるようにダイス径を設定する必要がある。
【0012】
減面率(%)=(1−加工前の断面積/加工後の断面積)×100
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施形態を示す。製造方法の基本的な部分は従来方法と差がない。即ち、溝付プラグ4とフローティングプラグ2が回転自由な状態で連結棒3を介して接続され、金属管1の内部に配置されている。金属管1を引抜きダイス9を通して引き抜くことでフローティングプラグ2が引抜きダイス9の位置で引き留められ、それにより、溝付プラグ4は引抜き方向の位置が固定し、その部分の金属管1の外周面を押圧手段6としての複数のボールが金属管1の周りを公転することで、管内に溝付プラグ4の溝5に応じたフィンが形成され、引続き仕上げダイス7を通して縮径されて所定の外径に仕上げられる。
【0014】
この一連の内面溝付加工において、溝付プラグ4は金属管の移動に伴って矢印Aの方向(紙面裏側から表側の方向)に回転するが、引抜きダイス9に供給される金属管1を強制的に溝付プラグ4の回転方向と同じ方向(矢印B)に回転させることで、仕上げダイス7を通過した後の内面溝付管における内面溝のリード角の減少が抑えられ、金属管1を回転させない場合に比べリード角を大きくできる。
【0015】
因みに、図1に示すような装置で、リード角39度、深さ0.2mm、溝数50の溝5を有する溝付プラグ4、内径9.25mmの引抜きダイス9、内径8mmの仕上げダイス7、外径10.4mm、肉厚0.39mmの銅管を用い、押圧手段6としての複数のスチールボールを収納した加工リング(図示せず)の回転とは逆の方向に溝付プラグ4が回転する方式で内面溝付加工を行った。
【0016】
仕上げダイスでの引抜き速度を5m/分、前記加工リングの回転数を3000rpmで一定とし、銅管の後端を回転装置(図示せず)にくわえさせて引抜きダイス9に供給する銅管を溝付プラグ4の回転と同じ方向に回転させたときの銅管内面に形成された溝のリード角の変化を測定した。その結果を図2に示す。なお、リード角の増加量は銅管を回転させない場合を基準にした。
【0017】
図2から明らかなように、金属管を溝付プラグ4の回転と同じ方向に回転させることで、溝付プラグ4における溝5のリード角が同一でも溝付加工後の内面溝付管における内面溝8のリード角が増加し、引抜き速度に対する回転数が20回/分の場合、約6.5度増加することがわかる。
【0018】
図1に示す実施形態はフローティングプラグ2を引き留める引抜きダイス9を固定した場合を示したが、本発明の実施に際し、引抜きダイス9に駆動装置を接続して引抜きダイス9を強制的に回転させても差し支えない。その場合、引抜きダイス9は金属管1の回転方向(矢印B)と同じ方向、即ち溝付プラグ4の回転方向(矢印A)と同じ方向に金属管1の回転と同等以上の速度で回転させることが望ましい。そうすることにより金属管1の回転がスムーズになる効果がある。
【0019】
金属管1を回転させると、フローティングプラグ2を引き留める引抜きダイス9部の引抜き力が低下し、後続する工程での断管の発生が防止され、加工速度の増加などの効果も期待できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、引抜きダイスに供給される金属管を回転装置により溝付プラグと同一方向に回転させることで、溝付プラグの溝のリード角(軸線と溝のなす角度)を変えることなく、内面溝のリード角が大きな内面溝付管を加工性の低下を招くことなく容易に得ることができる効果がある。また、伝熱性能の高い、溝リード角の大きな内面溝付管の加工を容易にすることは、高性能なエアコン等の製造に寄与し、エネルギーの消費を抑え地球環境を守る上からも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内面溝付管加工方法の実施の形態を示す概略図。
【図2】金属管回転に対するリード角増加量の変化を示すグラフ。
【図3】従来の加工方法の例を示す概略図。
【符号の説明】
1 金属管
2 フローティングプラグ
3 連結棒
4 溝付プラグ
5、8 溝
6 押圧手段(スチールボール)
7 仕上げダイス
9 引抜きダイス
Claims (4)
- 金属管内に、フローティングプラグと、該フローティングプラグと連結棒を介して接続された溝付プラグとを配し、前記金属管を引抜きダイスに通すことで前記フローティングプラグを引抜きダイス部に留め、前記溝付プラグのある位置でそこを通過する金属管を押圧手段により溝付プラグ上に圧迫することにより前記金属管の内面に複数の溝を形成する方法において、前記引抜きダイスに供給される金属管を回転装置により前記溝付プラグの回転方向と同じ方向に回転させながら内面溝付加工を行うことを特徴とする内面溝付管の加工方法。
- 金属管を溝付加工後、引続き仕上げダイスに通して所定の外径に仕上げることを特徴とする請求項1に記載の内面溝付管の加工方法。
- 仕上げダイス部における金属管の減面率が30%以下であることを特徴とする請求項2に記載の内面溝付管の加工方法。
- 引抜きダイスを金属管の回転と同方向に回転させることを特徴とする請求項1、2または3に記載の内面溝付管の加工方法。
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