JP3770051B2 - テストヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、試験に必要な信号を被測定デバイスに伝達するボードを装着してこの測定デバイスを試験するテストヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のテストヘッドを分解した状態を示す斜視図である。
従来のテストヘッド101は、図5に示すように、テストヘッド本体102と、パフォーマンスボード103と、クランプリング104と、スペーサリング105と、コンタクトピン106と、コンタクトピンブロック107と、ベースリング108とを備えている。このような従来のテストヘッド101では、被測定デバイスの進歩に伴って、測定に必要な信号線数や信号種類が増加するために、コンタクトピン106の本数も増加する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のテストヘッド101では、図5に示すように、コンタクトピンブロック107の取付エリアの実装密度が高いために、この取付エリア内にコンタクトピン106を増設することが困難である。その結果、従来のテストヘッド101では、コンタクトピン106の本数を増加する場合には、ベースリング108の外側に増設する必要がある。この場合には、既存のコンタクトピン106に対応する標準サイズのパフォーマンスボード103と、この標準サイズのパフォーマンスボード103よりも外形が大きい増設対応のパフォーマンスボードとを共存させて、両方を使用可能にする必要がある。しかし、標準サイズのパフォーマンスボード103を装着した場合には、増設したコンタクトピン部分が露出した状態となるために、パフォーマンスボードの交換時、デバック時、プローバやハンドラとの接続時などに増設したコンタクトピンと接触するおそれがある。
【0004】
この発明の課題は、不要時に接触ピン部に外力が作用するのを防止することができるテストヘッドを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定するものではない。
請求項1の発明は、試験に必要な信号を被測定デバイスに伝達するボード(3b)を装着して、この被測定デバイスを試験するテストヘッドであって、前記ボードと電気的に接触する接触ピン部(6b)と、前記接触ピン部を収納する収納部(10)と、前記収納部外で使用する使用位置(A)と前記収納部内に収納する収納位置(B)とに、前記接触ピン部の位置を変更する位置変更手段(11)とを含むテストヘッド(1)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のテストヘッドにおいて、前記接触ピン部は、既設の接触ピン部の取付領域(8a)外に増設されていることを特徴とするテストヘッドである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のテストヘッドにおいて、前記位置変更手段は、前記接触ピン部を支持するとともに、前記使用位置と前記収納位置との間で回転する回転アーム(12)と、前記回転アームを回転自在に支持する支持軸(13)と、前記使用位置及び/又は前記収納位置に前記接触ピン部が位置するように、前記回転アームを保持する保持機構部(14)とを含むことを特徴とするテストヘッドである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載のテストヘッドにおいて、前記保持機構部は、前記回転アームの係合溝(12d,12e,12f)と係合する突起部(14d,14e)と、前記突起部を前記係合溝に付勢する付勢部材(14f,14g)とを含み、前記付勢部材は、前記回転アームに外力が作用すると、前記係合溝と前記突起部とが係合を解除するように縮むことを特徴とするテストヘッドである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は、この発明の実施形態に係るテストヘッドを分解した状態を示す斜視図である。図2は、この発明の実施形態に係るテストヘッドからパフォーマンスボードを取り外した状態を示す平面図である。図3は、図2のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。図4は、この発明の実施形態に係るテストヘッドの位置変更手段の断面図である。
【0010】
テストヘッド1は、図示しない被測定デバイス(Device Under Test(DUT))を試験する装置である。テストヘッド1は、図1及び図2に示すように、テストヘッド本体2と、パフォーマンスボード3a,3bと、クランプリング4と、スペーサリング5と、コンタクトピン6a,6bと、コンタクトピンブロック7,9と、ベースリング8と、図3に示すように、収納部10と、位置変更手段11とを備えている。テストヘッド1は、半導体ウェーハ上に形成されたICやLSIなどの電極にプローブ針(触針)を接触させて検査するプローバや、組立後の被測定デバイスをテストシステムに供給してテスト結果に基づいて分類し収納するハンドラに、クランプリング4側を対向させて搭載される。
【0011】
テストヘッド本体2は、試験に必要な信号(テスト信号)を被測定デバイスに送信する部分である。テストヘッド本体2は、図1及び図2に示すように、被測定デバイスを検査するときに使用する顕微鏡覗き孔2aと、図2及び図3に示すように、筐体の一部を構成するテストヘッドカバー2bと、テストヘッドカバー2bに形成された開口部2cと、テストヘッドカバー2b内に設置されたベース2dとを備えている。テストヘッド本体2は、顕微鏡覗き孔2aに対して放射状に配置されたピンエレクトロニクスカード2eを多数収納する。
【0012】
パフォーマンスボード3a,3bは、試験に必要な信号を被測定デバイスに伝達するボードである。パフォーマンスボード3a,3bは、被測定デバイス側とテストヘッド本体2側との間で信号の受け渡しが可能なようにこれらの間に配置される。パフォーマンスボード3a,3bは、図示しないテストヘッド本体側パッド端子と、プローバ側パッド端子と、これらを電気的に接続する配線パターンなどを備えている。図2に示すように、パフォーマンスボード3aは、既設のコンタクトピン6aにのみ対応可能なように標準サイズに形成されており、パフォーマンスボード3bは、増設されたコンタクトピン6bにも対応可能なように、パフォーマンスボード3aよりも外形が僅かに大きく形成されている。
【0013】
図1に示すクランプリング4は、パフォーマンスボード3a,3bをコンタクトピン6a,6bに押し付けるための部材である。クランプリング4は、ベースリング8に装着されて、パフォーマンスボード3a,3bをベースリング8との間でクランプする。スペーサリング5は、パフォーマンスボード3a,3bとクランプリング4とを電気的に絶縁するための部材である。スペーサリング5は、パフォーマンスボード3a,3bとクランプリング4との間に挟み込まれる。
【0014】
図1〜図3に示すコンタクトピン6aは、パフォーマンスボード3a,3bと電気的に接触する接触ピンであり、コンタクトピン6bは、パフォーマンスボード3bと電気的に接触する接触ピンである。コンタクトピン6aは、パフォーマンスボード3a,3bのテストヘッド本体側パッド端子と電気的に接触し、コンタクトピン6bは、パフォーマンスボード3bのテストヘッド本体側パッド端子と電気的に接触する。コンタクトピン6a,6bは、図示しないケーブルを介してピンエレクトロニクスカード2eに接続されている。
【0015】
コンタクトピンブロック7は、コンタクトピン6aを固定する部材である。コンタクトピンブロック7は、図1に示すように、顕微鏡覗き孔2aに対して放射状にベースリング8に取り付けられている。ベースリング8は、コンタクトピンブロック7を固定する部材である。ベースリング8は、テストヘッド本体2に取り付けられている。ベースリング8は、図3に示すように、既設のコンタクトピン6a及びコンタクトピンブロック7を取り付けるための取付領域8aを備えている。
【0016】
コンタクトピンブロック9は、コンタクトピン6bを固定する部材である。コンタクトピンブロック9は、図3に示すように、取付領域7a外に増設されており、図1及び図2に示すように、ベースリング8の外側に等間隔で4箇所に増設されている。コンタクトピンブロック9は、図3に示すように、コンタクトピン6bを取り付ける取付領域9aを備えている。
【0017】
図1〜図3に示す収納部10は、コンタクトピン6bを収納する部分である。収納部10は、テストヘッドカバー2bとベース2dとの間に形成された空間部分である。収納部10は、図1及び図2に示すように、テストヘッド本体2内に4箇所形成されている。
【0018】
図3及び図4に示す位置変更手段11は、収納部10外で使用する使用位置Aと収納部10内に収納する収納位置Bとに、コンタクトピン6bの位置を変更する装置である。位置変更手段11は、図4に示すように、回転アーム12と、支持軸13と、保持機構部14とを備えている。
【0019】
回転アーム12は、コンタクトピン6bを支持するとともに、使用位置Aと収納位置Bとの間で回転する部材である。回転アーム12は、一方の端部にコンタクトピンブロック9を固定する固定部12aが形成されており、他方の端部に貫通孔12bが形成されている。回転アーム12は、貫通孔12bが形成されている側の端面に、この貫通孔12bを中心とする円弧状の摺動面12cが形成されており、この摺動面12cには等間隔でテーパ状の係合溝(インデックス溝)12d,12e,12fが形成されている。
【0020】
支持軸13は、回転アーム12を回転自在に支持する部材である。支持軸13は、回転アーム12の貫通孔12bに挿入されている。支持軸13は、図3に示すように、コンタクトピン6b及びコンタクトピンブロック9の重心位置Gと水平方向において距離Xだけオフセットするように、図4に示す支持ブロック14aに固定されている。
【0021】
保持機構部14は、コンタクトピン6bが使用位置A及び収納位置Bに位置するように、回転アーム12を保持する装置である。保持機構部14は、回転アーム12の回転位置を決定するインデックスプランジャなどである。保持機構部14は、支持ブロック14aと、収納孔14b,14cと、突起部14d,14eと、付勢部材14f,14gとを備えている。
【0022】
支持ブロック14aは、使用位置Aと収納位置Bとの間で回転アーム12が回転するように、この回転アーム12の回転範囲を規制する部材である。支持ブロック14aは、支持軸13を中心として略90度以内で回転アーム12が回転可能なように略L字状に形成されている。支持ブロック14aは、回転アーム12が摺動面12cを接触させながら回転可能なようにガイドする。支持ブロック14aは、図3に示すように、ベース2dを介してテストヘッド本体2内に固定されている。支持ブロック14aは、図4に示すように、収納孔14b,14cを備えている。
【0023】
収納孔14bは、突起部14d及び付勢部材14fを収納する部分であり、収納孔14cは、突起部14e及び付勢部材14gを収納する部分である。収納孔14b,14cは、図3及び図4に示すように、水平方向及び垂直方向に形成されている。
【0024】
突起部14dは、回転アーム12の係合溝12d,12eと係合するボールであり、突起部14eは、回転アーム12の係合溝12e,12fと係合するボールである。突起部14d,14eは、図4に示すように、テーパ状の係合溝12d,12e,12fに先端部が僅かに嵌まり込むために、コンタクトピン6bの繰り返し位置再現性が良好になる。
【0025】
付勢部材14f,14gは、係合溝12d,12e,12fに突起部14d,14eを付勢するばねなどである。付勢部材14f,14gは、回転アーム12に外力が作用すると、係合溝12d,12e,12fと突起部14d,14eとが係合を解除するように縮む。
【0026】
次に、この発明の実施形態に係るテストヘッドの動作を説明する。
図4に示すように、コンタクトピン6bが使用位置Aに位置するときには、突起部14dが係合溝12eと係合するとともに、突起部14eが係合溝12fと係合して、回転アーム12が使用位置Aで保持される。パフォーマンスボード3bをコンタクトピン6bに押し付けて装着すると、コンタクトピン6b及びコンタクトピンブロック9にはC方向のモーメントが作用する。しかし、コンタクトピン6b及びコンタクトピンブロック9の重心位置Gと支持軸13の中心とは、水平方向において距離Xだけオフセットしている。その結果、回転アーム12の側面が支持ブロック14aの側面と接触して、コンタクトピン6b及びコンタクトピンブロック9は、C方向への回転が規制される。
【0027】
回転アーム12をD方向に回転するときには、回転アーム12に外力を加えると、付勢部材14f,14gの付勢力に抗して突起部14d,14eが係合溝12eから後退する。このために、付勢部材14f,14gが縮み、突起部14d,14eと係合溝12e,12fとの係合状態が解除されて、回転アーム12がD方向に回転可能になる。
【0028】
コンタクトピン6bが収納位置Bに位置付けられると、突起部14d,14fが係合溝12d,12eと係合して、回転アーム12が収納位置Bで保持される。このときに、回転アーム12の側面が支持ブロック14aの側面と接触して、コンタクトピン6b及びコンタクトピンブロック9は、D方向への回転が規制される。なお、コンタクトピン6bの位置を収納位置Bから使用位置Aに変更する動作も、コンタクトピン6bの位置を使用位置Aから収納位置Bに変更する動作と略同様である。
【0029】
この発明の実施形態に係るテストヘッドには、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、コンタクトピン6bを収納部10外で使用する使用位置Aと、コンタクトピン6bを収納部10内に収納する収納位置Bとに、このコンタクトピン6bの位置を位置変更手段11が変更する。このために、必要時にはコンタクトピン6bを簡単に使用状態にすることができるとともに、不要時にはコンタクトピン6bを簡単に収納状態にすることができる。
【0030】
(2) この実施形態では、コンタクトピン6bが既設のコンタクトピン6aの取付領域7a外に増設されている。このために、パフォーマンスボード3a,3bの交換時、デバック時、プローバやハンドラとの接続時などにコンタクトピン6bと接触することで外力が加わり、コンタクトピン6bを損傷するのを防止することができる。
【0031】
(3) この実施形態では、コンタクトピン6bを支持する回転アーム12が使用位置Aと収納位置Bとの間で回転するとともに、使用位置A及び収納位置Bにコンタクトピン6bが位置するように、回転アーム12を保持機構部14が保持する。このために、コンタクトピン6bを収納部10内に回転収納方式によって簡単に収納することができる。
【0032】
(4) この実施形態では、回転アーム12に外力が作用すると、係合溝12d,12e,12fと突起部14d,14eとが係合を解除するように付勢部材14f,14gが縮まる。このために、複雑なロック機構を必要とせずに、回転アーム12の回転位置を位置決めすることができる。その結果、コンタクトピン6bを使用位置Aに簡単に設置したり収納位置Bに簡単に収納することができる。
【0033】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。例えば、この実施形態では、増設されたコンタクトピン6bを収納する場合を例に挙げて説明したが、この発明は、既設のコンタクトピン6aを収納する場合についても適用することができる。また、この実施形態では、図4に示すように、保持機構部14を2つ設置した場合を例に挙げて説明したが、いずれか一方を省略してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、収納部外で使用する使用位置と収納部内に収納する収納位置とに接触ピン部の位置を変更するので、不要時に接触ピン部に外力が作用するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るテストヘッドを分解した状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態に係るテストヘッドからパフォーマンスボードを取り外した状態を示す平面図である。
【図3】図2のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。
【図4】この発明の実施形態に係るテストヘッドの位置変更手段の断面図である。
【図5】図5は、従来のテストヘッドを分解した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 テストヘッド
2 テストヘッド本体
3a,3b パフォーマンスボード
4 クランプリング
5 スペーサリング
6a,6b コンタクトピン
7,9 コンタクトピンブロック4b 底面
8 取付領域
10 収納部
11 位置変更手段
12 回転アーム
12d,12e,12f 係合溝
13 支持軸
14 保持機構部
14d,14e 突起部
14f,14g 付勢部材
A 使用位置
B 収納位置
Claims (4)
- 試験に必要な信号を被測定デバイスに伝達するボードを装着して、この被測定デバイスを試験するテストヘッドであって、
前記ボードと電気的に接触する接触ピン部と、
前記接触ピン部を収納する収納部と、
前記収納部外で使用する使用位置と前記収納部内に収納する収納位置とに、前記接触ピン部の位置を変更する位置変更手段と、
を含むテストヘッド。 - 請求項1に記載のテストヘッドにおいて、
前記接触ピン部は、既設の接触ピン部の取付領域外に増設されていること、
を特徴とするテストヘッド。 - 請求項1又は請求項2に記載のテストヘッドにおいて、
前記位置変更手段は、
前記接触ピン部を支持するとともに、前記使用位置と前記収納位置との間で回転する回転アームと、
前記回転アームを回転自在に支持する支持軸と、
前記使用位置及び/又は前記収納位置に前記接触ピン部が位置するように、前記回転アームを保持する保持機構部とを含むこと、
を特徴とするテストヘッド。 - 請求項3に記載のテストヘッドにおいて、
前記保持機構部は、
前記回転アームの係合溝と係合する突起部と、
前記突起部を前記係合溝に付勢する付勢部材とを含み、
前記付勢部材は、前記回転アームに外力が作用すると、前記係合溝と前記突起部とが係合を解除するように縮むこと、
を特徴とするテストヘッド。
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