JP3769402B2 - マルチコア光ファイバのねじり加工方法及びねじり加工装置 - Google Patents

マルチコア光ファイバのねじり加工方法及びねじり加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ素線を多数本束ねてガラス管中に収納してマルチコア光ファイバ母材とし、この母材を加熱して溶融させ、線引きして製造するイメージファイバなどのマルチコア光ファイバにねじりを加えるねじり加工方法及びねじり加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなイメージファイバなどのマルチコア光ファイバは、ファイバスコープなどの画像伝送媒体として使用されるわけであるが、その機能として、入力された画像が両端で正確に一致していることが望まれる。そして、入射端側と出射端側との間にずれ(ねじれ)がある場合には、ねじり加工を施して修正する必要が生じる場合もある。また、組み合わせられるレンズ系などによっては、画像方向を回転させる必要があるため、この場合には、故意に入射端側と出射端側との間に回転方向のずれを生じさせる必要がある。さらに、画質を改善する目的を持って、光ファイバにねじりを加える必要が生じる場合もある。例えば画像のコントラストなどが悪い場合、不要な光がクラッド中を伝搬していることが考えられるため、このとき、適当なねじれを加えることで解消されるからである。
【0003】
このようなねじりを加える場合、従来特別な装置がなく、例えば図15に示すような、マルチコア光ファイバ1の両端を作業者が手で持って、所定のねじりを加え、この状態で、火炎バーナなどの加熱手段2で所定の部分を加熱して、軟化させた後、ねじりを加え(この際冷却することも可)、マルチコア光ファイバ1に塑性変形的なねじりを与える方法が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記手作業によるねじり加工では、マルチコア光ファイバ自体の外径が太くとも約0.2〜3mm程度であるため、加熱によりマルチコア光ファイバ1が曲がったり、撓んだりすることがあった。また、この曲がりや撓みなどによる変形が大きかったり、或いはねじりが急激に加えられると、内部のコア部分が損傷して歩留りの低下を招く。また、外形の細いマルチコア光ファイバに手作業で、所定の角度でねじりを加えることが難しく、長時間を要し、作業性が悪いという問題もあった。
【0005】
そこで、例えば図16に示すような治具を用いる方法も考えられる。先ず、マルチコア光ファイバ1の両端寄りに適当なチューブや筒体などからなるファイバホルダ3,3を装着させ、次に、一方のファイバホルダ3側には固定治具(又は回転治具)4Aをセットすると共に、他方のファイバホルダ3側には回転治具4Bをセットし、これらの治具4A,4Bの固定や回転によって、マルチコア光ファイバ1に所定のねじりを加え、この状態で、火炎バーナなどの加熱手段2で所定の部分を加熱して、軟化させた後、ねじりを加え(この際冷却することも可)、マルチコア光ファイバ1に塑性変形的なねじりを与える方法である。
【0006】
しかしながら、この方法でも、両治具4A,4Bによって、マルチコア光ファイバ1の2箇所を固定するため、加熱手段2での加熱による膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮した場合、この変動はうまく吸収されず、やはりマルチコア光ファイバ1が曲がったり、撓んだりする懸念があった。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、マルチコア光ファイバに曲げや撓みを与えることなく、ねじりを加えるようにしたマルチコア光ファイバのねじり加工方法及びねじり加工装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、マルチコア光ファイバを途中に加熱用のスペース部を有する載置台上に載せ、その一端を固定する一方、他端には長手方向への動きが可能な状態で回転方向へ所定のねじりを加え、前記載置台の加熱用のスペース部からマルチコア光ファイバを加熱することを特徴とするマルチコア光ファイバのねじり加工方法にある。
【0009】
請求項2記載の本発明は、マルチコア光ファイバが載置されると共に、途中に加熱用のスペース部を有する載置台と、前記マルチコア光ファイバの一端を固定する固定部と、前記マルチコア光ファイバの他端を長手方向への動きが可能な状態で回転方向へ所定のねじりを加えるねじり付与部と、前記マルチコア光ファイバのねじり状態を測定するねじり状態検出手段と、前記載置台の加熱用のスペース部に対して移動可能に設置された加熱手段とからなることを特徴とするマルチコア光ファイバのねじり加工装置にある。
【0010】
請求項3記載の本発明は、前記マルチコア光ファイバのねじり状態検出手段が、前記マルチコア光ファイバの両端面側の一方に設置されると共に当該端面側に測定基準部を有するターゲット板と、前記マルチコア光ファイバの両端面側の他方に設置されて前記ターゲット板の測定基準部を捉える撮像部と、当該撮像部からの画像データを処理する画像処理部とからなることを特徴とする請求項2記載のマルチコア光ファイバのねじり加工装置にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の一例を示したものである。図中、10は例えばイメージファイバなどの外径が約0.2〜3mm程度のマルチコア光ファイバ、110は途中に設けた比較的大きな穴や左右を分割した離間構造などからなる加熱用のスペース部111を有すると共に、その長手方向にマルチコア光ファイバ10の嵌め込まれるV溝などの保持部112が形成された長尺な載置台、120は載置台110上のマルチコア光ファイバ10の一端(図中右端)を回転方向の動きから固定する固定部、130は載置台110上のマルチコア光ファイバ10の途中部分を長手方向及び回転方向の両方の動きが可能な状態でその浮き上がりを押さえる程度のファイバ押さえ部、140はマルチコア光ファイバ10に長手方向への動きが可能な状態で回転方向へ所定のねじりを加える回転機構などからなるねじり付与部、150はマルチコア光ファイバ10のねじり状態(ねじり角)を測定するためのねじり状態検出手段、160は載置台110の加熱用のスペース部111に対して上下左右などの多次元方向に移動可能に設置された火炎バーナなどの加熱手段、170はディスプレ170aやキーボード170bなどを備えると共に装置全体を制御するコンピュータなどの電子部品が内蔵されたメインコントローラ、171〜172は第1サブコントローラ及び第2サブコントローラである。
【0012】
上記載置台110の固定部120は、例えば図2〜図4に示すように、V溝の保持部112に嵌め込まれたマルチコア光ファイバ10の一端を押さえ板121で強めに押さえて固定してある。これによって、この場合この一端は、回転方向に動くことなく、規制される。
【0013】
一方、上記載置台110のファイバ押さえ部130は、例えば図2〜図3、図5(A)に示すように、V溝の保持部112に嵌め込まれたマルチコア光ファイバ10の途中部分を押さえ板131によって浮き上がりを押さえる程度で軽く押さえてある。なお、図5(B)に示すように、回転可能とするローラ132で軽く押さえるようにしてもよい。この軽い押圧によって、マルチコア光ファイバ10の途中部分は、その浮き上がりが押さえられるものの、長手方向及び回転方向への動きは可能な状態となっている。
【0014】
上記ねじり付与部140は、図6に示すように、固定枠体141と、この内側にベアリングなどを介して回転自在に装着されたリング部材からなる回転ステージ142と、この回転ステージ142に取り付けられたファイバ保持部200Aとからなる。そして、この回転ステージ142は、例えばパルスモータなどの駆動源(図示省略)によって、適宜方向へ回転されるようになっている。
【0015】
一方、上記ファイバ保持部200Aは、回転ステージ142に固着されると共にセンターに開口部を有する矩形などのベース部材210と、互いに対向するセンター部分にV溝形のファイバ挟持部211a,211aを有する一対のクランプ板211,211と、このクランプ板210,210の一方の縁部寄りのねじ穴(図示省略)に互いにねじの向きが異なるねじ部分213a,213bが螺着されると共に上記ベース部材210に軸着片212,121を介して軸着され、かつその延長部分が操作部213cとなる開閉用の可動シャフト213と、上記クランプ板210,210の他方の縁部寄りの貫通穴(図示省略)に挿入されると共に上記ベース部材210に固定片214,124を介して固定された固定シャフト215とからなる。
【0016】
したがって、このファイバ保持部200Aでは、マルチコア光ファイバ10を保持する際、先ず、その外周に、硬質樹脂や金属部材からなり、外周が角柱形状である筒状のスペーサ310を嵌め込み、仮りに固定させる。この状態で、一対のクランプ板211,211の開らかれたファイバ挟持部211a,211aに通し、可動シャフト213の操作部213cを回して、スペーサ310が長手方向に固定されていないクリアランスを有する程度で、一対のクランプ板211,211を閉じればよい。これによって、スペーサ310は、ファイバ挟持部211a,211a間にあって、その長手方向に滑ることができるため、マルチコア光ファイバ10は、長手方向への動きが可能な状態で保持される。
【0017】
上記ねじり状態検出手段150は、マルチコア光ファイバ10の一方の端面側に設置されると共にこの端面側に、図7に示すように、目印となる基準線などの測定基準部151aを有するターゲット板151と、マルチコア光ファイバ10の他方の端面側に設置されて、ターゲット板151の測定基準部151aを捉えるTVカメラなどの撮像部152と、この撮像部162からの画像データを処理する画像処理部163とからなり、この画像処理部163は、メインコントローラ170に入力されるようになっている。
【0018】
上記加熱手段160は、図3に示すように、火炎バーナ161(電熱ヒータやアーク放電具などの使用も可)からなり、さらに、この火炎バーナ161は、図1に示すように、上下左右などの多次元方向に移動可能とするXYZステージ162の可動アーム162aに設置されている。このXYZステージ162は、上記第1サブコントローラ171によって、ねじり付与部140と連動させるなどして制御されるようになっており、また、この加熱手段160の発火装置163は、上記メインコントローラ170によって制御されるようになっている。さらに、火炎バーナ161への燃焼ガス(酸素ガスや水素ガスなど)の供給は、電磁弁などの制御弁164,164を通じて行われると共に、また、この制御弁164,164の制御は、メインコントローラ170から、第2サブコントローラ172を通じて行われるようになっている。
【0019】
つまり、この加熱手段160の火炎バーナ161では、ねじり付与部140のねじり状態と関連させる形で、その点火やXYZステージ162による上下左右などの多次元方向への移動、ガス供給量による加熱温度などの制御を適宜行うことができる。もちろん、各コントローラ170〜172の連動によって、加工工程の自動化も容易に可能となる。
【0020】
次に、このように構成されたねじり加工装置を用いて、本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工方法について述べる。
【0021】
先ず、ねじり加工対象のマルチコア光ファイバ10の加熱する加工部分の被覆を除去(口出し)する一方、ねじり付与部140にセットされる部分には、スペーサ310に仮り固定する。
【0022】
この後、上記前処理済みのマルチコア光ファイバ10を載置台110上に載せ、丁度口出し部分が載置台110の加熱用のスペース部111に位置するようにして、V溝の保持部112に嵌め込む一方、スペーサ310の装着された側は、ねじり付与部140のファイバ保持部200Aの一対のクランプ板211,211の開らかれたファイバ挟持部211a,211aに通す。
【0023】
次に、マルチコア光ファイバ10の一端を長手方向及び回転方向の両方に動くことのないように固定部120で固定する一方、その途中部分はファイバ押さえ部130の押さえ板131によって、長手方向及び回転方向の両方に移動可能な状態として軽く押さえ、さらに、ねじり付与部140では、可動シャフト213の操作部213cを適宜回して、スペーサ310が長手方向に移動可能な程度で、一対のクランプ板211,211を閉じる。
【0024】
このマルチコア光ファイバ10のセットが完了したら、ねじり状態検出手段150によって、セットされたマルチコア光ファイバ10の一端側(固定端側)のターゲット板151の測定基準部151aを、当該マルチコア光ファイバ10自体の光伝送機能を利用して、撮像部152でモニタし、メインコントローラ170のディスプレ170aに表示させて、ねじり状態を測定する。
【0025】
ここで、ねじり加工の目的にもよるが、仕上がった製品の正確な画像伝送特性を確保する場合には、入出射端間の画像のずれを測定し、ずれ修正用データを捉える。例えば測定基準部151aに対して5°ずれていれば、修正用データを5°とする。また、例えば画像方向を積極的にθ°回転させる場合には、この初期ずれ5°の考慮して、ねじり角データを(θ°−5°)に設定すればよい。さらに、画像改善の場合には、ディスプレ170aの表示画像を目視して判定し、或いは画像処理によってねじり角を測定させて判定し、画像が改善されるまで、適当なねじれを加える必要が生じる。
【0026】
したがって、上記測定結果に基づいて、キーボード170bからメインコントローラ170に所定の設定入力を行う。或いは自動的にデータを取り込み、メインコントローラ170に対して、所定のねじり量(ねじり角)を入力させる。もちろん、このねじり量に対応した、ねじり付与部140の回転ステージ142の回転量や、加熱手段160の火炎バーナ161のXYZステージ162による上下左右などの多次元方向への移動形態、さらにはガス供給量などは、予めメインコントローラ170や第1サブコントローラ171及び第21サブコントローラ172側にソフト(プログラミング)として格納させてある。
【0027】
この状態で、キーボード170bのスタート用のキーを押せば、或いは設定によりオートで、ねじり加工の処理が開始され、ねじり付与部140の回転ステージ142が所定量だけ回動しようとする一方、発火装置163を通じて、火炎バーナ161は着火されると共に、XYZステージ162によって所定の移動形態を取り、また、火炎バーナ161には所定量のガスが制御弁164,164を通じて供給される。
【0028】
この火炎バーナ161による加熱によって、マルチコア光ファイバ10の加工部分は、軟化し、ねじり付与部140からのねじり力によってねじられる。
このとき、加熱による膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮したりするわけであるが、この変動は、ねじり付与部140のファイバ保持部200Aによって、良好に吸収される。したがって、この加熱加工は、マルチコア光ファイバ10側に曲がりや撓みなどを生じさせることなく行われる。因みに、マルチコア光ファイバ10の外径が約0.2〜3mm程度で、長さが数10cm〜1m程度の場合、数10μm〜1mm程度の長さの変動が発生する。
【0029】
そして、例えば画像方向を積極的にθ°回転させる場合、そのねじり量に達したか否かは、例えば図7に示すように、ねじり状態検出手段150におけるターゲット板151の測定基準部151aが角θ°だけずれた位置(151a´)に変位したか否かを、撮像部152で捉えられた画像で判定すればよい。この点はディスプレ170aにも表示させることができる。もちろん、入出射端間の画像のずれを修正する場合には、ターゲット板151の測定基準部151aが垂直に表示されているか否かを、伝送画像により判定すればよい。また、画像改善にあっては、ねじりを加えた際における画像のコントラストを捉えて判定すればよい。これらの判定は、作業者の目視で行ってもよく、ソフト的にメインコントローラ170側などで自動的に判定するようにしてもよい。
【0030】
ねじり量が所定の値に達していなときには、再度の不足分のねじり量を再設定して、再ねじり加工を行えばよい。また、ねじり加工中のねじり状態は、ねじり状態検出手段150によってモニタされているため、常時フィードバックさせて、ねじり量に達するまで、ねじり付与部140を制御することも可能である。
【0031】
このようにして、所定のねじり量が与えられたら、一連のコントローラ170〜172の働きによって、ねじり付与部140の回転ステージ142の回動を停止させると共に、火炎バーナ161をXYZステージ162によってマルチコア光ファイバ10の加工部分から離間させる。
なお、離間された火炎バーナ161は、制御弁164,164によってガスの供給を絶って一旦消火するか、或いは火力を弱めて、次のねじり加工に備えるようにするとよい。
【0032】
この加熱加工部分が冷えると、ねじりが固定されるため、本発明の目的とする所定量ねじられたマルチコア光ファイバ10が得られる。
この加工済みのマルチコア光ファイバ10では、加工部分のコーティングが取り除かれていて保護層がないため、傷が付くと強度的に弱くなる。このため好ましくは図8に示すように、この加工部分に保護被覆11を施すとよい。この保護被覆11としては、例えば金属や樹脂、セラミック、或いはこれらの複合材などからなるチューブや分割筒状体のもの、さらには、マルチコア光ファイバ10の被覆材料と同様の被覆材料をリコートしたものが挙げられる。
これによって、加工前と同程度の強度が得られると共に、必要とされる遮光性や材質によってはフレキシビリティなども保持される。
【0033】
図9は本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の他の例になるねじり付与部のファイバ保持部を示したものである。
このファイバ保持部200Bも、基本的な部分は、上記ファイバ保持部200Aと同様であるが、一対のクランプ板211,211の互いに対向するV溝形のファイバ挟持部211a,211aで、直接マルチコア光ファイバ10を保持するようにする一方、ファイバ保持部200Bのベース部材210を、回転ステージ142の図中前後方向に延ばして取り付けられたガイド部材143のガイド溝143aに摺動可能に嵌め込まれたスライダ144に固着させてある。
【0034】
したがって、マルチコア光ファイバ10を一対のクランプ板211,211のファイバ挟持部211a,211aで直接保持しても、加熱時の膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮しても、この変動は、ガイド部材143に対するスライダ144の摺動によって、良好に吸収される。
つまり、このファイバ保持部200Bによっても、マルチコア光ファイバ10は長手方向への動きが可能な状態で保持される。また、このファイバ保持部200Bの場合、上記ファイバ保持部200Aのように、スペーサ310を嵌め込む必要がないため、作業性の向上が図られる。
【0035】
図10〜図11は本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の他の例になるねじり付与部のファイバ保持部を示したものである。
このファイバ保持部200Cも、基本的な部分は上記ファイバ保持部200Aと同様であるが、一対のクランプ板211,211に換えて一対のクランプローラ220,220を、例えば回転ステージ142の表側と裏側にその方向を変えて2組み設けて、マルチコア光ファイバ10を直接保持するようにしてある。
【0036】
この2組みの一対のクランプローラ220,220は、可動シャフト213の互いにねじの向きが異なるねじ部分213a,213bに螺着された一対のスライダー部材221,221と、これに対応して固定シャフト215に嵌め込まれた一対のスライダー部材222,222との間にそれぞれ軸着片223,233を介して回転自在に装着されている。
【0037】
したがって、加熱時、膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮しても、この変動は、各一対のクランプローラ220,220の回転によって、良好に吸収される。つまり、このファイバ保持部200Cによっても、マルチコア光ファイバ10は長手方向への動きが可能な状態で保持される。また、このファイバ保持部200Cでも、スペーサ310を嵌め込む必要がないため、作業性の向上が図られる。
【0038】
図12は本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の他の例になるねじり付与部のファイバ保持部を示したものである。
このファイバ保持部200Dも、基本的な部分は、上記ファイバ保持部200Aと同様であるが、一対のクランプ板211,211の互いに対向するV溝形のファイバ挟持部211a,211aで、直接チューブ状の緩衝材320が嵌め込まれたマルチコア光ファイバ10を保持するようにしてある。
【0039】
上記チューブ状の緩衝材320は、例えばシリコンゴムやシリコン樹脂などからなる弾性に富む材料からなり、比較的肉厚に形成してある。
このような材料からなる緩衝材320の嵌め込みによって、一対のクランプ板211,211のファイバ挟持部211a,211aで直接保持しても、加熱時、膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮しても、この変動は、緩衝材320の弾性による変形によって、良好に吸収される。
【0040】
因みに、マルチコア光ファイバ10の長手方向への変動は、上述したように、マルチコア光ファイバ10の外径が約0.2〜3mm程度で、長さが数10cm〜1m程度の場合、数10μm〜1mm程度の長さであるため、緩衝材320の弾性変形によって、十分吸収することが可能であった。
つまり、このファイバ保持部200Dによっても、マルチコア光ファイバ10は長手方向への動きが可能な状態で保持される。また、このファイバ保持部200Dの場合、緩衝材320の嵌め込みが必要となるものの、機械的な変動の吸収部が不要となるため、装置の簡略化が図られる。
【0041】
図13〜図14は本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の他の例になるねじり付与部のファイバ保持部を示したものである。
このファイバ保持部200Eは、上記ファイバ保持部200Aと同様の構成からなる回転ステージ142に、例えば3個の開閉されるチャック部材230が組み付けられると共に、これらのチャック部材230の開閉は、リング状の回動操作部231によって行われるようにしてある。
【0042】
このファイバ保持部200Eでも、上記ファイバ保持部200Dと同様、3個の開閉されるチャック部材230で、直接チューブ状の緩衝材320が嵌め込まれたマルチコア光ファイバ10を保持する。
【0043】
したがって、この緩衝材320の嵌め込みによって、上記ファイバ保持部200Dと同様、加熱時、膨張や変形によって、マルチコア光ファイバ10が長手方向に若干伸縮しても、この変動は、緩衝材320の弾性による変形によって、良好に吸収される。つまり、このファイバ保持部200Eでも、マルチコア光ファイバ10は長手方向への動きが可能な状態で保持される。また、このファイバ保持部200Eの場合、緩衝材320の嵌め込みが必要となるものの、機械的な変動の吸収機構部分がないため、装置の簡略化が図られる。さらに、チャック部材230からなるチャック機構の場合、回動操作部231の操作によりセンターの芯出しが自動的に行われるため、マルチコア光ファイバ10のセンター合わせが容易になる。
【0044】
なお、上記実施の態様では、載置台110のマルチコア光ファイバ10の嵌め込まれる保持部112をV溝としてあるが、本発明は、これに限定されず、マルチコア光ファイバ10の長手方向に並べた複数のローラ間の谷部とすることもできる。また、マルチコア光ファイバ10も、イメージファイバに限定されず、イメージファイバなどに溶融線引きする前のマルチコア光ファイバ母材や、多数の光ファイバ素線がバラバラの状態で集合された単なるファイババンドルや、加熱してねじりを与える必要のある他の棒状の部材にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、マルチコア光ファイバのねじり加工方法及びねじり加工装置によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0046】
(1)先ず、請求項1記載のマルチコア光ファイバのねじり加工方法では、ねじり加工の対象であるマルチコア光ファイバの一端はほぼ完全に固定するものの、マルチコア光ファイバのねじり加工部分側は長手方向への動きが可能な状態にして、回転方向へ所定のねじりを加えるため、ねじり加工時の加熱による膨張や変形によって、マルチコア光ファイバが長手方向に若干変動して、この変動が良好に吸収される。
つまり、マルチコア光ファイバのねじり加工を曲がりや撓みなどを生じさせることなく行うことができる。
【0047】
(2)次に、請求項2記載のマルチコア光ファイバのねじり加工装置では、マルチコア光ファイバを載置台に載せて、その一端を固定部で固定する一方、マルチコア光ファイバの他端は長手方向への動きが可能な状態で、ねじり付与部により回転方向へ所定のねじりが加えられ、かつ、載置台の加熱用のスペース部から移動可能に設置された加熱手段によって加熱され、さらに、このときのマルチコア光ファイバのねじり状態がねじり状態検出手段によってモニタできるため、極めて簡単かつスムーズにねじり加工を行うことができる。
また、このような構成によって、コンピュータ内蔵のコントローラなどと適宜組み合わせれば、各工程の自動化が容易に達成できる。
【0048】
(3)また、請求項3記載のマルチコア光ファイバのねじり加工装置では、ねじり状態検出手段が、測定基準部を有するターゲット板とこのターゲット板の測定基準部を捉える撮像部とこの撮像部からの画像データを処理する画像処理部とからなるため、ねじり状態が画像として視覚的に捉えることができ、良好な作業性が得られる。また、上記のようにコンピュータシステム化にあって、良好な融合性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置の全体の一例を示した概略説明図である。
【図2】図1のねじり加工装置における載置台部分を示した拡大平面図である。
【図3】図1のねじり加工装置における載置台部分を示した拡大側面図である。
【図4】図1のねじり加工装置における載置台の固定部部分を示した縦断面図である。
【図5】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置における載置台のファイバ押さえ部部分を示し、(A)〜(B)は各例の縦断面図である。
【図6】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり付与部を示した正面図である。
【図7】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり状態検出手段のターゲット板を正面図である。
【図8】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置によりねじり加工された加工部分に保護被覆を施したマルチコア光ファイバの部分縦断側面図である。
【図9】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり付与部の他の例を示した部分縦断正面図である。
【図10】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり付与部の他の例を示した正面図である。
【図11】図10のねじり加工装置におけるねじり付与部の背面を示した背面図である。
【図12】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり付与部の他の例を示した正面図である。
【図13】本発明に係るマルチコア光ファイバのねじり加工装置におけるねじり付与部の他の例を示した正面図である。
【図14】図13のねじり加工装置におけるねじり付与部の側面を示した側面図である。
【図15】従来のマルチコア光ファイバのねじり加工方法の一例を示した概略説明図である。
【図16】従来のマルチコア光ファイバのねじり加工方法の他の例を示した概略説明図である。
【符号の説明】
10 マルチコア光ファイバ
110 載置台
111 加熱用のスペース部
112 保持部
120 固定部
130 ファイバ押さえ部
140 ねじり付与部
150 ねじり状態検出手段
160 加熱手段
170 メインコントローラ
171 第1サブコントローラ
172 第2サブコントローラ
200A〜E ファイバ保持部
310 スペーサ
320 緩衝材

Claims (3)

  1. マルチコア光ファイバを途中に加熱用のスペース部を有する載置台上に載せ、その一端を固定する一方、他端には長手方向への動きが可能な状態で回転方向へ所定のねじりを加え、前記載置台の加熱用のスペース部からマルチコア光ファイバを加熱することを特徴とするマルチコア光ファイバのねじり加工方法。
  2. マルチコア光ファイバが載置されると共に、途中に加熱用のスペース部を有する載置台と、前記マルチコア光ファイバの一端を固定する固定部と、前記マルチコア光ファイバの他端を長手方向への動きが可能な状態で回転方向へ所定のねじりを加えるねじり付与部と、前記マルチコア光ファイバのねじり状態を測定するねじり状態検出手段と、前記載置台の加熱用のスペース部に対して移動可能に設置された加熱手段とからなることを特徴とするマルチコア光ファイバのねじり加工装置。
  3. 前記マルチコア光ファイバのねじり状態検出手段が、前記マルチコア光ファイバの両端面側の一方に設置されると共に当該端面側に測定基準部を有するターゲット板と、前記マルチコア光ファイバの両端面側の他方に設置されて前記ターゲット板の測定基準部を捉える撮像部と、当該撮像部からの画像データを処理する画像処理部とからなることを特徴とする請求項2記載のマルチコア光ファイバのねじり加工装置。
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