JP3769181B2 - 光電センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種の機能の設定を要する光電センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の光電センサとしては、例えば、応答速度、動作モードなどの複数種の機能設定を要する光電センサがある。このものは、センサ本体の操作パネルに、各機能毎にスライドスイッチが設けられ、そのスライドスイッチのスライド方向に沿った操作パネル上に、その機能の各動作内容が記載されており、各機能は、所望の動作内容の記載位置にスライドスイッチを合わせることによって設定されるものである。
【0003】
ところで、近年、光電センサはさらに多機能化の傾向にあるのに加えて、装置の小型化のニーズも強い。ところが、上述した光電センサにおいては、設定を要する機能の数だけスライドスイッチが必要となるため、装置の小型化という面で問題となっていた。
【0004】
かかる課題に対応すべく、例えば、図8に示すように操作パネル81上に7セグメント4桁表示の液晶ディスプレイ(以下、「LCD82」という。)と、そのLCD82の表示内容の切替及び確定操作を行うためのジョグスイッチ83とを設けて、4桁の数字からなるコードを入力することによって、各種機能を設定する光電センサ80が提供されている。ここで、前記コードは、その各桁毎に、設定を要する各機能が対応付けられており、各桁の数字に対して、その桁に対応付けられた機能の各動作内容が割り付けられている。より詳しくは、図9に示すように、前記コードの1桁目に対応する機能として「応答速度」が割り付けられ、その各動作内容[高速/標準/長距離]が0から2までの数字にそれぞれ割り付けられている。以下同様に、2桁目に対応する機能として「動作モード」が割りつけられ、その各動作内容[入光時ON/非入光時ON]、3桁目に対応する機能として「アジャストロック」が割り付けられ、その各動作内容[ON/OFF]、また4桁目に対応する機能として「タイマ時間」が割り付けられ、その各動作内容[OFF/1ms/3ms/5ms等]が、それぞれ0から9の数字に割り付けられている。そして、例えば、図10(設定例)に示された動作内容を設定したいときには、”2109”の4桁の数字列をジョグスイッチ83により切替/確定操作すれば、そのコードの各桁の数字に対応させて予め割り付けられた各種機能の動作内容が読み出され、光電センサ80の上記4つの機能の動作内容として設定することができる。このような構成によれば、4つの機能の設定を要する光電センサ80に対して、入力内容を確認するための表示器としてのLCD82を1つと、入力内容の切替及び確定をするためのジョグスイッチ83を1つ設ければ足りるため、前記各機能毎にスライドスイッチを設けた光電センサよりも小型化が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したコード入力による光電センサ80では、コードの各桁毎に各機能が対応付けられているため、4つの機能の各動作内容を設定するには、コードの桁数も4桁必要になり、入力されたコードを視認するためのLCD82の表示桁数も必然的に4桁必要になる(図11参照)。従って、更に設定を要する機能を増やした場合には、それに応じてLCD82の表示桁数も増やさざるを得ず、LCD82の搭載スペースが大きくなるため、特に多機能の設定を要する光電センサにあっては、その小型化を妨げるといった問題が残る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、設定する機能数が増えても文字・記号等を表示する表示手段の桁数を増やす必要がなく、小型化が可能な光電センサを提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る光電センサは、複数種の機能に関する動作内容を設定可能にした光電センサであって、文字・記号等をデジタル表示するための2桁以上のデジタル表示器と、このデジタル表示器の各桁毎に文字・記号等を表示させるための表示操作を行う入力手段と、前記デジタル表示器に表示された文字・記号等に対して確定操作を行う確定操作手段と、この確定操作手段によって確定された文字・記号等に対応させて予め割り付けられた動作内容を読み出して前記光電センサの動作内容として設定する動作設定手段とを備え、前記動作設定手段において、前記デジタル表示器の少なくとも1桁については複数種の機能についての各動作内容の組み合わせをその桁に表示される文字・記号等に割り付けてあることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の構成によれば、前記光電センサの各種機能の動作内容を設定するには、まず、設定したい各種機能の各種動作内容に対応する文字・記号等を、例えばコード表などで調べる。そして、その文字・記号等を、入力手段によりデジタル表示器の各桁毎に表示させて、その表示内容を確認した上で、確定操作により確定する。すると、動作設定手段により、その文字・記号等に対応させて予め割り付けられた動作内容が読み出され、もって前記光電センサの動作内容の設定が完了する。
【0009】
ここで、動作設定手段において、デジタル表示器の少なくとも1桁については複数種の機能についての各動作内容をその桁に表示される文字・記号等に割り付けてあるから、デジタル表示器の桁数を増やすことなく、それを超える数の機能について、その動作内容を設定することが可能になる。換言すれば、前記光電センサの多機能化により設定を要する機能が増加しても、デジタル表示器の大型化につながる表示桁数の増加を回避することが可能になる。従って、多機能化する前記光電センサに対して、その小型化を妨げることがなくなるばかりでなく、従来の前記光電センサに対して更なる小型化を図ることも可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1ないし図8を参照して説明する。
本実施形態に係る前記光電センサは、「応答速度」、「動作モード」、「アジャストロック」、「ファイバセンサの検出状態の表示モード」、「タイマーモード」及び「タイマー時間」の6つの機能の設定を可能にした光ファイバー型の光電センサ10である。そのハードウエア上の構成は、図1に示す通りで、投光素子11及び受光素子12を備えた投受光回路13とCPU14とを備え、CPU14からの信号に基づき投光素子11が駆動され、この投光素子11からの光が被検出物で反射して受光素子12に入射するか否かによって被検出物の状態がCPU14において検出される。CPU14からの検出信号は出力回路15に与えられ、これにて出力ライン15a,15b間を受光素子12への入光時又は非入光時にオンするようになっている。
【0011】
本実施形態では、上述の種々の機能についての設定を行うために、図8に示したものと同様ないわゆるジョグスイッチ(登録商標)(以下「ジョグスイッチ16」という)が設けられ、その操作に応じてスイッチ入力回路17からCPU14に信号を与えるようになっている。また、その操作に応じて設定された内容は、表示回路18によって駆動されるデジタル表示器に相当する7セグメント4桁表示の液晶ディスプレイ(以下、「LCD20」という)に表示される。なお、ジョグスイッチ16は、その構造的な詳細について図示はしないが、手指にて回転操作される操作ホイールを備え、その操作ホイールを回転させることにより前記LCD20の各桁に0〜9の各数字を表示することができると共に、その操作ホイールを所望な位置で押圧操作することにより、前記LCD20に表示されている数字を確定させることができる。従って、このジョグスイッチ16が本発明にいう入力手段及び確定操作手段に相当する。
【0012】
さて、本実施形態における光電センサ10の各種機能は、ジョグスイッチ16によって4桁の数字からなるコードを入力することによって設定されるものである。
ここで、前記コードは、図2に示すように構成されている。まず、コードの3桁目に表示される数字0〜3には、機能「タイマモード」に関する4種類の動作内容[OFF/ONディレイ/OFFディレイ/ワンショット]が割り付けられ、4桁目に表示される数字0〜9には、機能「タイマ時間」に関する10種類の動作内容[OFF/1ms/3ms/5ms/10ms等]が割り付けられている。即ち、コードの3桁目及び4桁目については、従来の光電センサ80と同様に、各桁毎に1つの機能が対応付けられており、各桁の数字に対して、その桁に対応付けられた機能の各動作内容が割り付けられている。
一方、1桁目には0〜5の数字が表示されるようになっており、それらの各数字には、機能「応答速度」に関する3種類の動作内容[高速/標準/長距離]と、機能「動作モード」に関する2種類の動作内容[入光時ON/非入光時ON]との6通りの組合せが割り付けられている。また、2桁目には0〜7の数字が表示されるようになっており、それらの各数字に機能「アジャストロック」に関する2種類の動作内容[ON/OFF]と、機能「ファイバセンサの検出状態の表示モード」に関する4種類の動作内容[digit/%/ピークホールド/ボトムホールド]との8通りの組合せが割り付けられている。
【0013】
2種の機能の各動作内容の組合せについて、コードの1桁目を例に挙げて、より詳細に説明する。コードの各桁の数字は、後述するようにジョグスイッチ16の確定操作がされると、CPU14(本発明の「動作設定手段」に相当する)により2進化10進数(以下、「BCD」という)に変換される。そして、各機能の各動作内容と、BCDとの対応関係は、図3に示すように、機能「動作モード」に対しては、BCDのうち1ビット目が”0”であるときにはその動作内容として[入光時ON]、”1”であるときには[非入光時ON]が割り付けられている。そして、機能「応答速度」に関しては、2ビット目及び3ビット目が”0”のときには、その動作内容として[標準]、”1”のときには[高速]がそれぞれ割り付けられている。また2ビット目が”0”かつ3ビット目が”1”のときには、その動作内容として[長距離]が割り付けられている。このように、コードの1桁目の数字には、「応答速度」及び「動作モード」の2つの機能の各動作内容が、それらの組合せとして割り付けられている。
【0014】
次に、上記構成からなる本実施形態に係る光電センサ10の6つの機能の設定方法について、図4(設定例)に示された動作内容を設定する場合を例にとって説明する。
<コード検索及びその入力>
まず、各機能について設定したい動作内容に対応するコード(”4317”)を、例えば、図2に示したようなコード表を用いて調べる。なお、コードを調べる手段としては、コード表以外に、図5のように、各機能の設定内容を選択するとそれに対応したコードを自動検索して表示するサービスをインターネット上で行うことによって、コードの検索を容易にすることも可能である。
次いで、前記コード”4317”を各桁毎にジョグスイッチ16を使って入力する。より詳細には、設定モードになると、まずLCD20の1桁目に表示された数字が点滅して切替可能な状態になる。そして、ジョグスイッチ16の操作ホイールを+側又は−側にスライド操作して、数字を順次切り替えて”4”を表示させる。次いで、操作ホイールを押圧操作すると、点滅は1桁目の数字から2桁目の数字へと移動して、1桁目の数字が確定し、2桁目の数字が切替可能な状態になる。以下同様の操作により、LCD20の4つの桁に”4317”を表示させる。
【0015】
なお、上記コードの入力操作において、切替可能状態にある桁に対して、コードの数字自体を点滅させてその数字を切り替えるとしたが、数字に割り付けられた動作内容を示唆する文字・記号等を他の桁も使って表示して、確定時にコードの全桁を表示させるものであっても良い。例えば、「タイマー時間」の設定を行う4桁目が切替可能状態にある場合には、”OFF”、”001”、”003”等をジョグスイッチ16のスライド操作で順次切替表示させれば、上記で述べたようなコード検索の負担が軽減できる。
【0016】
<各機能の動作内容の設定>
さて、上記コード”4317”の入力を確定する操作として、例えば”4317”がLCD20に表示され、かつその4桁目の数字が点滅している状態で、ジョグスイッチ16の操作ホイールを押圧操作すると、CPU14により図6に示すフローチャートに従って各機能の動作内容が設定される。より詳細には、まずステップS1において入力されたコード”4317”の1桁目の確認が開始され、その1桁目の数字”4”が、BCD”0100”に変換される。そして、ステップ2において、そのBCDの1ビット目が”1”であるかどうかの判断により「NO」とされ、もって機能「動作モード」の動作内容として[入光時ON]が設定される(ステップ4)。次いで、ステップ5において、2ビット目が”1”であるかどうかの判断より「NO」とされ、更にステップ7において、3ビット目が”1”であるかどうかの判断により「YES」とされ、もって機能「応答速度」の動作内容として[長距離]が設定される(ステップ8)。これにより、コード1桁目の数字に基づいて、2つの機能の設定が可能になる。以下同様に、コードの2桁目から4桁目までの確認がされ、残りの4つの機能「アジャストロック」、「ファイバセンサの検出状態の表示モード」、「タイマーモード」及び「タイマー時間」について、所望の動作内容が設定される。
【0017】
このように、本実施形態の光電センサ10によれば、入力される4桁のコードのうち1桁目及び2桁目については、その桁の数字に2種の機能についての各動作内容の組合せがそれぞれ割り付けられているから、その入力されたコードを視認すべくLCD20の表示桁数を増やすことなく、それを超える数の機能について、その動作内容を設定することが可能になる(図7参照)。換言すれば、光電センサの更なる多機能化により設定を要する機能が増加しても、LCD20の大型化につながる表示桁数の増加を回避することが可能になる。従って、多機能化する光電センサに対して、その小型化を妨げることがなくなるばかりでなく、従来の光電センサ80に対して更なる小型化を図ることも可能になる。
【0018】
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0019】
(1)上記実施形態においては、コードは4桁の数字で構成されたが、これ以外の桁の数字や、英文字や記号などで構成されたものであっても良い。
【0020】
(2)また、上記実施形態においては、コードのうち1桁目及び2桁目の数字に、2種の機能の各動作内容の組合せを割り付けたが、これに限られず、例えば、全ての桁の数字に対して、複数種(3種以上も含む)の機能の各動作内容の組合せを割り付けても良い。
【0021】
(3)上記実施形態においては、コードの入力手段は、ジョグスイッチ16によって構成されたが、数字や文字などを入力するコンソールを別途設けるようにしても良いし、多段階に切り替えできるスイッチを4桁分設けて設定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光電センサを示すブロック図
【図2】入力コードの構成図
【図3】入力コードの1桁目の数字、BCD及び動作内容の対応図
【図4】設定例を示す図
【図5】インターネットによるコード検索例を示す図
【図6】フローチャート
【図7】LCDの表示桁と設定機能との関係図
【図8】従来の光電センサの操作部の側面図
【図9】従来の光電センサの入力コードの構成図
【図10】従来の光電センサにおける設定例を示す図
【図11】従来の光電センサのLCDの表示桁と設定機能との関係図
【符号の説明】
14…CPU(動作設定手段)
16…ジョグスイッチ(入力手段、確定操作手段)
20…LCD(デジタル表示器)
Claims (1)
- 複数種の機能に関する動作内容を設定可能にした光電センサであって、
文字・記号等をデジタル表示するための2桁以上のデジタル表示器と、
このデジタル表示器の各桁毎に文字・記号等を表示させるための表示操作を行う入力手段と、
前記デジタル表示器に表示された文字・記号等に対して確定操作を行う確定操作手段と、
この確定操作手段によって確定された文字・記号等に対応させて予め割り付けられた動作内容を読み出して前記光電センサの動作内容として設定する動作設定手段とを備え、
前記動作設定手段において、前記デジタル表示器の少なくとも1桁については複数種の機能についての各動作内容の組み合わせをその桁に表示される文字・記号等に割り付けてあることを特徴とする光電センサ。
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