JP3769026B2 - トノメトリックキャリブレーション用カセット - Google Patents

トノメトリックキャリブレーション用カセット Download PDF

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Description

発明の背景
1.技術分野
本発明は広くは血液パラメータ測定装置のセンサのキャリブレーションに有効なキャリブレーションキュベットまたはカセットに関する。
2.関連技術の説明
ある種の手術の間、リアルタイムで血液の各種特性またはパラメータを監視することがよくおこなわれる。例えば、心臓を開く手術においては、外科チームの外科医および他のメンバーは、よく、患者の血液のpHや二酸化炭素や酸素のような血液ガスの濃度を監視する。患者の血液のパラメータの監視は手術中のみならず、手術前も、手術後も、多くの時点でおこなわれる。
血液パラメータの測定は多くの場合、患者の血液回路と流体接続されている流路を有する長い柔軟な管材を備えた体外血液回路を用いておこなわれる。多くの体外血液回路においては、流路に近接して一つまたはそれ以上の血液のパラメータの検出に有効なセンサが配置され、それらは処理装置に接続されている。処理装置は、通常、モニターのような表示装置に接続され、手術チームが関心のあるパラメータを随時観察することができる。オプションで、処理装置をプリンタのような記録装置に接続し、ある期間にわたるパラメータの記録を得ることも可能である。
血液パラメータをリアルタイムで検知するためによく光学センサが使われる。例えば、ラバーズ他(Lubbers et al.)への米国特許第Re.31,897号、ベンストン他(Benston et al.)への再発行米国特許第5,403,746号、は血液の酸素の分圧、炭酸ガス、およびpHに応じて反応して発光する蛍光センサについて述べている。光吸収の原理に基づくセンサは、例えば、フォスティック(Fostick)への米国特許第Re.4,041,932号に述べられている。
血液のパラメータを検出するためのセンサを有する体外血液回路は色々な方法で配置することができるが、特別な場合に使用される方法は手術チームにより選択されることが多い。ある場合には、センサは一方の端部のみで患者の血液供給に接続されている比較的小径のある長さの管材に沿って配設されたハウジング内に取り付けられ、センサを通過した血液のサンプルを吸引するためにシリンジのような装置が使用される。この様な回路は、ゲーリッヒ他(Gehrich et al.)への米国特許第4,989,606号に述べられている。
別のタイプの体外血液回路は、酸素処理器に接続された動脈または静脈流路の一部を成す管材に沿って配設されたセンサを有する。このタイプの回路内のセンサは回路管材への接続のために両側に継手を有する流液セル(flow-through cell)として知られる要素に接続されることが多い。流液セルはクーパー(Cooper)への米国特許第4,640,820号に述べられている。
最良の結果を得るためには、血液パラメータ測定装置の光学的センサは使用される前にキャリブレーションされなければならない。一つのキャリブレーション技術が米国特許第4,640,820号には述べられており、センサの支持体をある量の流体を含むキャリブレーションハウジングに取り付けることを含んでいる。それから、キャリブレーションガスが分析器をキャリブレーションするために泡となってキャリブレーション流体を通される。同じ技術がマクスウェル(Maxwell)への米国特許第4,830,013号に述べられている。
発明の概要
本発明の一つの態様はトノメトリックキャリブレーション用カセットに関する。カセットは直立方向に延伸する長手軸線を有する流体チャンバを備えるケーシングを含む。チャンバはガス入口ポートを有する下側部分と、ガス出口ポートを有する上側部分と、下側部分と上側部分の間の中間部分を含む。カセットは、また、チャンバの中間部分に近接するケーシングに接続された、チャンバ内のガスの分圧を検出するための、少なくとも一つの、センサを含む。チャンバは、中間部分と上側部分の間に配設された拡張領域を含む。流体を通過する気体の泡の破裂を容易にするために、拡張領域は長手軸線に垂直な平面に関して中間部分の面積よりも大きな面積を有している。
本発明の別の態様は、直立方向に延伸する長手軸線を有する流体チャンバを備えるケーシングを含むトノメトリックキャリブレーション用カセットに関する。チャンバはガス入口ポートを有する下側部分と、ガス出口ポートを有する上側部分と、下側部分と上側部分の間の中間部分を含む。カセットは、また、チャンバの中間部分に近接するケーシングに接続された、チャンバ内のガスの分圧を検出するための、少なくとも一つの、センサを含む。中間部分は、親水性の表面を有する壁部分を備え、壁部分を通り過ぎるガスの泡の通過を容易にしている。
本発明の更なる態様は、直立方向に延伸する長手軸線を有する流体チャンバを備えるケーシングを含むトノメトリックキャリブレーション用カセットに関する。チャンバはガス入口ポートを有する下側部分と、ガス出口ポートを有する上側部分と、下側部分と上側部分の間の中間部分を含む。カセットは、また、チャンバの中間部分に近接するケーシングに接続された、チャンバ内のガスの分圧を検出するための、少なくとも一つの、センサを含む。継手がケーシングに外れないように取り付けられている。継手は、ガス出口ポートを閉じるための第1の位置と、ガス出口ポートを開くための第2の位置の間で移動可能である。
本発明は、また、直立方向に延伸する長手軸線を有する流体チャンバを備えるケーシングを具備するトノメトリックキャリブレーション用カセットを目指すものである。チャンバはガス入口ポートを有する下側部分と、ガス出口ポートを有する上側部分と、下側部分と上側部分の間の中間部分を含む。チャンバ内のガスの分圧を検出するための、少なくとも一つのセンサがチャンバの中間部分に近接するケーシングに接続されている。チャンバにガスを逃がすために細長いスパージャー管がガス入口ポートに接続されている。スパージャー管はチャンバの長手軸線に略平行な方向に延伸している。
上述の各実施態様における本発明のカセットは分析計への一つまたは複数のセンサのキャリブレーションを容易にする。例えば、拡張領域は、キャリブレーション中にチャンバから逃げるキャリブレーション流体を減少するであろうし、親水性の壁は泡の合体を減少するであろう。チャンバの長手軸線に略平行な方向に延伸する長いスパージャー管は、比較的小さく不連続な泡で、ガスが通過するのを促進する。前述の結果として、センサのキャリブレーション時間は著しく短縮される。
本発明のより詳細については請求項の特徴に示されている。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明によるキャリブレーションおよび流体パラメータ測定カセットを流体パラメータ測定装置と共に示した斜視図であって、カセットと測定装置が結合する前に互いにどの様な向きにされているかを示している。
図2は、図1に示されるカセットの単体の、拡大した、長手位置における横断面図である。
図3は、図2と幾分か似ている図であるが、異なる面に沿って見たものである。
図4は、図2、3に示されるカセットを部分的に断面で示した拡大正面図であって、図1に示されるカセットと測定装置が結合された時に測定装置に対向する面の側から見たものである。
図5は、図1に示したカセットと測定装置の拡大した側面断面図であるが、互いに結合された状態で示し、さらに、カセットと、例えば、心肺バイパス回路のような流体回路を接続するためのコネクタと管材も示してある。
図6は、図5と幾分か似ている図であるが、測定装置は示されておらず、カセットのセンサのキャリブレーションのための追加要素がカセットに接続されている。
図7は、図1に示されるカセット単体を別の方向から見た分解斜視図で、ツーピース構造であることを例示している。
図8は、図1に示されている測定装置の単体の拡大側面断面図であるが、装置内部の光学ファイバは示していない。
図9は、図1に示されている測定装置の拡大分解斜視図である。
図10は、図1に示されている測定装置の拡大分解斜視図であるが、測定装置のハウジングは除去してある。
図11は、図1に示されている測定装置の部品の拡大端面図で、装置のハウジングの長手軸線に平行な方向から見たもので、他の物の中のファイバ端子ブロックアセンブリが示している。
図12は、図11に示されているファイバ端子ブロックアセンブリの底面図である。
図13は、図11に示したファイバー端子ブロックアセンブリの一部の拡大側面断面図である。
図14は、図11に示したファイバー端子ブロックアセンブリの一部である挿入板の拡大斜視図である。
図15は、図1に示される測定装置の光学ファイバーの束の色々な経路を他の物の中に示した概要図である。
図16は、図1の測定装置の光学系アセンブリの部品の、部分的な分解図を含む拡大斜視図である。
図16aは、図16に示される光学系アセンブリの部品のレンズの拡大側面図である。
図17は、図16に示される光学系アセンブリの1つの光学系支持具の長手軸線に沿って見た拡大断面図である。
図17a,17b,17cは、図17に示される光学系保持器の異なる部分の拡大図である。
図18は、図17に示される光学系保持器の平面図である。
図19は、光学系保持器の長手軸線に垂直な面に沿って見た、図16、17に示される光学系保持器の平面図である。
図19aは、図19に示される光学系保持具の一部の拡大図である。
図20は、図16に示される光学系アセンブリの他の光学系保持器の拡大断面図である。
図21は、図20に示される光学系保持器の長手軸線に沿って見た断面図である。
図22は、図1に示される測定装置の電気光学系接続プレートの拡大図である。
図23は、図1の装置の電気的結合の概略ブロックダイアグラム、および、モニターの一部である
図24は、モニターの概略ブロックダイアグラムであって、他の装置への接続と共に、図1の装置への接続も示している。
図25は、図1のカセットと装置を使用した心肺バイパス回路の概略ブロックダイアグラムである。
図26は、図1と幾分か似ている図であるが、本発明の他の実施の形態によるものである。
図27は、図25と幾分か似ている図であるが、本発明の他の実施の形態によるものである。
図28は、本発明の他の実施の形態による構成の血液パラメータ測定カセットボディの拡大斜視図である。
図29は、図28と幾分か似ている図であるが、ボディに向かって別の方向から見たものである。
図30は、図28、29に示されるカセットボディと着脱可能に結合されるカセットのケーシングのある例の拡大斜視図である。
図31は、図30に示されるカセットケーシングの端部の拡大断面図であって、図28、29のカセットボディに取り付けられたところを示し、カセットに結合される図1の血液パラメータ測定装置のカップリングも追加表示されている。
図32は、やや大きい血液の流路断面を実現するために、所望されれば図28、29のカセットボディに取り付けることができる別のカセットケーシングを部分的に分解図で示した拡大斜視図である。
図33は、図32と幾分か似ている図であるが、カセットケーシングに向かって異なる方向から見たものであり、また分解図によりケーシングの別の部分を示している。
図34は、図31と幾分か似ている図であるが、図30のカセットケーシングの代わりに図32、33のカセットケーシングを示している。
図35は、図32、33のカセットケーシングと共に使用される運搬用キャップの拡大斜視図である。
図36は、図35と幾分か似ている図であるが、キャップに向かって異なる方向から見たものである。
図37は、図34と幾分か似ている図であるが、本発明の別の実施の形態によるカセットボディに連結された別のカセットケーシングを示している。
図38は、図34と幾分か似ている図であるが、本発明の更に別の実施の形態によるカセットボディに連結された別のカセットケーシングを示している。
好ましい実施形態の詳細な説明
血液のような流体の一つまたはそれ以上の特性またはパラメータを計測するためのシステム10を図1に示す。システム10は概して測定装置14と共に流体を受領するカセット12を有し、この測定装置14はカセット12内の流体のパラメータを計測する。
カセット12の詳細を図2〜図6に示し、カセット12は細長いケーシング16を有し、このケーシング16は流通型の細長い内側の流体チャンバ18を形成する壁部分を有し、流体チャンバ18はケーシング16の長手軸線に沿って延びる。図5および図6に示したように、流体チャンバ18は流体を流体チャンバ18に流し込む第一、または”入口”ポート、を有する第一の部分20と、流体チャンバ18から流体を流し出すことができる第二、または”出口”ポート、を有する第二の部分22と、第一の部分20と第二の部分22との間に位置する中央または中間部分24とを備える。(以下の説明において第一の部分20を通ってチャンバ18に流れ込み、第二の部分22を通ってチャンバ18から流れ出す流体を参照するが、所望によりチャンバ18を通って逆方向に流体が流れてもよい、すなわち流体が第二の部分を通ってチャンバ18に入って第一の部分から出てもよいことは明らかである。)
流体チャンバ18は中心部分24と第二の部分22との間に位置する円錐台形状の拡大領域または拡大部分25を有する。拡大部分25はケーシング16の長手軸線に垂直な参照表面において中央部分24の流通面積(free area)より広い流通面積を有し、この流通面積は第二の部分22に近づくにつれてサイズが大きくなる。部分20、22、24および25は互いに連通しており、カセット16の長手軸線に垂直な参照表面において円形の断面を有する。好ましくは、少なくとも中心部分24を形成する壁部分は親水性の表面を有し、特に部分20、22、24および25全てを形成する壁部分は親水性の表面を有する。随意ではあるが、親水性の表面はヘパリンでコーティングされる。
ケーシング16の外側面は概して長円形の凹部26を備えた中央部を有する。チャンバ18内の流体の少なくとも一つまたはそれ以上のパラメータを決定するためのセンサがケーシング16により保持される。図示した実施例において、一連の四つのセンサは凹部26と流体チャンバ18の中心部分24との間に位置し、これらセンサはケーシング16の長手軸線に沿って互いに離間した関係で一列に配設される四つのキャビティに配置される。図4に示したように、センサはイオン(カリウム)センサ28、pHセンサ30、二酸化炭素センサ32および酸素センサ34を有し、それぞれのセンサはキャビティ27,29,31,33に受領される。
所望により、後述すように追加センサを採用してもよい。本発明の装置に有用なセンサはカセットのケーシング16に接着により取付けられる多層組立体を具備する。
イオンセンサ28は好ましくは以下の層、すなわち(i)裏打ち膜、(ii)裏打ち膜上にコートされた感圧接着剤(PSA)(iii)基材に結合されたイオン検知混合物を有する検知素子、この基材は(例えば非干渉接着剤により)裏打ち膜に取付けられる(iv)支持層の露出表面上の最も外側の不透明オーバーコート層、を具備する。
有効な感圧接着剤は、シリコーン接着剤及びポリウレタン接着剤並びに膜(以下に記載)をカセットに結合することのできる他のものを含む。好ましくは、この接着剤は、本発明のカセットの検知に用いる光の波長に本質的に透過性であり、有効なイオンセンサと化学的に干渉しない。有効なシリコーン接着剤は、米国特許第5,508,509号の実施例2に記載されているPSA-518(商標)(General Electric Co., NY)を含む。有効なポリウレタン接着剤は、米国特許第5,591,400号の実施例3に記載されているFLEXOBOND 431(商標)(Bacon Co., Irvine, CA)を含む。
接着層の露出面を保護するためにイオンセンサを製造する場合には剥離ライナーが有効であろう。このライナーはこの目的のために産業において通常用いられているどのようなものであってもよく、それが剥離される接着剤に応じて選択される。有効な剥離ライナーの例は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を含み、これは接着剤からの剥離を容易にするために、例えばシリコーンもしくはフルオロポリマーでコートしてもよい。有効なライナーの1つは、米国特許第5,508,509号の実施例2に記載されているScotch Pack 1022(商標)(3M Company, St.Paul, MN)、すなわちパーフルオロポリエーテルでコートしたPETフィルムである。
裏打ち膜は多層構造体の基材(例えば剛性及び取扱性)を与える。好ましくは、この裏打ち膜は透明でありかつ標的とするイオンが存在する溶液、例えば血液もしくは検量溶液に対して本質的に不透過性であり又は検知物質よりも透過性が低い。この膜は好ましくは検知素子及び基材からの信号、好ましくは光信号を通過させる。この裏打ち膜の構成の特に有効な材料は、高分子材料、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン(限定するものではないがポリエーテルスルホン及びポリフェニルスルホンを含む)、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルペンテン等を含む。イオンセンサ28の好ましい態様においては、この裏打ち膜はポリカーボネートである。
カリウムセンサ28として用いることができる好適なイオンセンサは、米国特許第5,474,743号(Trend他)、5,176,882号(Gray他)、5,136,033号、及び5,162,525号(Masilamani他)、米国特許出願番号08/521,869号及び米国特許出願Docket No. 52630USA7A(本発明の譲渡人に譲渡された日に出願)に記載されている。
好ましいセンサ28は、イオン及び蛍光発光部分を結合するための錯体形成部分を含む蛍光イオン透過化合物(イオノホア)を含む。この化合物は少なくとも約350nmの最大吸収波長を有する。好適な蛍光発光部分は、好ましくは近接して存在するnπ*及びππ*励起状態を含む。好適な蛍光発光部分は、適当な錯体形成部分に結合した場合、好ましくはイオンに応じた平坦でない収縮(out-of-plane puckering)をすることができる。また、好適な蛍光発光部分のππ*状態は、好ましくはイオンに応じた混合が基底状態に非放射性カップリングを行うに十分高いエネルギーを有する。特に好ましい蛍光発光部分はクマリン部分を含むが、他の芳香族カルボニルもしくはニトロ芳香族又はN-複素環部分も用いてよい。好適なイオン錯体形成部分は、イオンを結合することのできる環式「ケージ」部分を含む。好ましくは、このケージはイオンの結合を検知することができる。好ましいイオン錯体形成部分は、クリプタンド及びクラウンエーテル部分を含み、クリプタンド部分が特に好ましい。
イオノホアを用いて検知されるイオンは、例えばAg+、Ba2+、Ca2+、Ce+、Cd2+、Fr+、Hg2+、K+、Li+、Mg2+、Mn2+、Na+、Pb2+、Ru+、Sr2+、Ti+及びZn2+を含む。所望により、このイオノホアはイオン選択性膜と共に用いてよい。好ましいセンサはK+、Na+及びCa2+を検知するイオノホアを含む。
好適な蛍光イオノホア化合物は、下式(式A)を有する化合物を含む。
Figure 0003769026
上式中、TはO又はNであり、ただしTがOである場合、qは0でありかつnは0〜2であり、TがNである場合、qはlでありかつnは独立に0もしくは1である。
各R2は独立に立体的に干渉しない基であり、例えば水素、ハロゲン、炭化水素含有基、ヘテロ非環基、又は式(CH2X)aE(式中、XはO、NH又は単結合であり、Eは活性水素を含む官能基であり、aは1〜100の数である)を有する基のような部分を含む。
3は好ましくは非電子求引性であり、水素、炭化水素含有基、ヘテロ非環基、ヘテロ環基、又は式(CH2X)bE(式中、X及びEは上記基底と同じであり、bは0〜100の数である)を有する基のような非電子求引基を含む。
1は電子求引基又は偏光性基であり、カルボキシ、カルボキシアミド、スルホニルアリール、エステル、ケトアルキルエステル、複素環部分及び芳香族基(好ましくは1以上の部位において置換している)のような部分を含み、最も好ましいR1基は下式(式C)を有する置換複素環部分を含む。
Figure 0003769026
上式中、Y及びY’は独立にO、S、NHx又はCHyであり、ここでxは0又は1であり、yは1又は2であり、ただしY及びY’の少なくとも1つはO、S又はNHxでなくてはならず、各R4基は独立に水素、ハロゲン、炭化水素含有基、ヘテロ非環基、複素環基、又は式(CH2X)cE(式中、X及びEは上記基底と同じであり、cは0〜100の数である)を有する基であり、又は2つのR4基はそれが結合している炭素原子と一緒になって5もしくは6員環を形成し、この環には所望によりさらに1以上のR4基が結合している。
ZはO又はNR5であり、R5は水素又は炭化水素含有基であり、より好ましくはR5はH又はC1〜C4アルキル基であり、最も好ましくはR5はHである。
通常、式Aの化合物は少なくとも約350nmの励起波長及び約500nm以下の発光波長を有する。好ましい化合物(例えばR1が式Cの一般式を有する複素環部分であるもの)は少なくとも約380nmの励起波長及び約500nm以下の発光波長を有する。特に好ましい態様において、クマリン環上の置換基及びその位置は、本発明のイオノホアの励起(例えば吸収)最大が380nmより大きい波長において集中するように選ばれる。これは本発明のイオノホアを固体状態光源、例えばブルーLED及びレーザーにより用いることを可能にする。これらの化合物の励起及び発光の波長は好ましくは少なくとも約10nm離れており、これはこれらの化合物を蛍光をベースとするカチオン濃度測定法において有効なものとする。置換基及びその位置は好ましくは、発光波長を500nm以下に保つように選ばれ、これによりこの種の指示薬に対するイオノホア応答を保持する。結局、置換基及びその位置は好ましくは物質への共有結合の選択を与えるよう選ばれる。好ましくは、指示薬が結合する物質は均一なかつ再現可能なイオノホア応答を支持しかつイオノホア応答に対する生理的pH変化の影響を最小にするよう選ばれる。好適な共有結合用の結合剤は、米国特許第5,053,520号に記載されている。ホモ二官能性及び/又はヘテロ二官能性結合剤は国際特許No. WO96/07268及びWO96/10747に記載されている。
好ましくは、イオノホアは、以下に記載のように、裏打ち膜に結合した好適な基材に共有結合している。この基材は好ましくは水膨潤性でありかつ対象のイオン種に対して透過性であり、かつ好ましくは検知しようとする媒体中に不溶である高分子材料である。特に有効な基材ポリマーは、例えばイオン透過性セルロース材料、高分子量もしくは架橋したポリビニルアルコール(PVA)、デキストラン、架橋したデキストラン、ポリウレタン、4級化ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリビニルピロリドン、親水性ポリアミド、ポリエステル及びこれらの混合物を含む。特に有効な態様において、この基材はセルロース、特にイオン透過性の架橋したセルロースである。好ましい態様において、この基材は、米国特許第5,591,400号の実施例4に記載されているような、ブタンジオールジグリシジルエーテルのようなエポキシドにより架橋され、さらにジアミンと反応されてセルロールポリマーにアミン側鎖官能基を与えた再生セルロース膜(CUPROPHAN(商標), Enka AG, Ohderstrasse, Germany)を含む。
上記イオノホアは好ましくは有効な反応法(これはイオノホアの官能性によって異なる)によりアミン官能性セルロース基材に共有結合される。
イオノホア官能化セルロース基材は所望により、非干渉接着剤により上記裏打ち膜に結合させてもよい。好ましくは、この接着剤は、イオノホアの励起に用いられる光及びそれより発光した光に対して本質的に透過性である。そのような有効な接着剤の1つはFLEXOBOND 431(商標)ウレタン接着剤(Bacon Co.,Irvine, CA)である。
また、官能化基材を熱により膜に融着させてよいが、熱結合に必要な条件はイオノホア、センサ及び裏打ち膜の機能を損なわないものとする。
多層検知装置の最外層、すなわち検知しようとする流体と直接接触している層は、好ましくはイオノホアを検知装置から分離する不透明層を含む。米国特許第5,081,041号及び5,081,042号に記載されているようにイオノホア−基材成分を裏打ち膜に結合させる前に、又は基材に検知成分を結合させた後に、不透明化剤を加えてもよい。これは検知成分に直接結合させてもよく、又は検知成分とは分離していてもよい。好ましい態様において、これは検知成分を裏打ち膜に結合させた後に加えられる。
オーバーコートは好ましくは、カーボンブラック、カーボンをベースとする不透明化剤、酸化鉄、金属フタロシアニン等のような不透明化剤を含む、上記の高分子材料のような、対象とする分析物に対して透過性である材料である。そのような不透明化剤は好ましくは、所望の光学分離を与えるために所望の透明度を与えるに有効な量でポリマー中に実質的に均一に分布している。特に有効な不透明化剤はカーボンブラックである。オーバーコートは、インクジェット法又はインクスクリーニング法のような様々な方法を用いて検知素子上に被覆されたインクコーティングであってもよい。このオーバーコートは検知素子を保持するカセットにステープルで留められたもしくは熱により固定された黒い膜であってもよい。例えば、これは米国特許第5,508,509号及び5,591,400号に記載のように、黒いDURAPORE(商標)膜(これは白い膜としてMilliporeより入手可能であり、これを黒色インクで処理したものである)であってよく、カセットに熱でシールしてもよい。好ましい態様は、米国特許第4,919,891号に記載のような、エポキシ架橋したデキストランのマトリックスに分散したカーボンブラックを含む。
センサ28の好ましい態様は、架橋したアミン官能性セルロース膜に共有結合した6,7-[2.2.2]-クリプタンド-3-[2"-(5"-カルボキシル)フリル]クマリン(CUPROPHANE(商標), Enka AG, Ohderstrasse, Germany)を含み、その検知層はFLEXOBOND 430(商標)ウレタン接着材によりポリカーボネート裏打ち膜に結合しており、この裏打ち膜は剥離ライナー上にCW 14(商標)感圧接着剤がコートされている。
好適なpHセンサ30は、米国再発行特許第31,879号(Lubbers)、米国特許第4,798,738号(Yafuso)、4,824,789号(Yafuso)、4,886,338号(Yafuso)、4,999,306号(Yafuso)、5,081,041号(Yafuso)、5,081,042号(Yafuso)、5,127,077号(Lyer)、5,132,057号(Tomisaka)、5,403,746号(Bentsen)、5,508,509号(Yafuso)、及び5,591,400号(Dektar他)に記載されている。
pHセンサ30は好ましくは、以下の層を含む。(i)裏打ち層、(ii)裏打ち層上にコートされた感圧接着剤(PSA)、(iii)基材に結合されたpH検知成分を含む検知素子、この基材は例えば非干渉接着剤により膜に結合されている、及び(iv)基材の露出面上の最外不透明化オーバーコート層。pHセンサを除き、これらの層及び多層構造体はカリウムイオンセンサ28についての上記記載と本質的に同じである。
好適なpH検知成分は多くの公知のpH指示薬及び/又はその指示薬の官能化誘導体を含む。有効なpH検知成分以下のものを含む。ヒドロキシピレネトリスルホン酸(HPTS)及び誘導体(例えばその塩)、フェノールフタレイン、フルオレセイン、フェノールレッド、クレゾールレッド、パラローザニリン、マゼンタレッドキシレノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、メタクレゾールパープル、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー、テトラブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、クロロフェノレッド、o−クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、メタニルイエロージフェニルアミン、N,N-ジメチルアニリン、インディゴブルー、アリザリン、アリザリンイエローGG、アリザリンイエローR、コンゴレッド、メチルレッド、メチルバイオレット6B、2,5-ジニトロフェノール、及び/又は上記の種々の官能化誘導体。他のイオン種用の検知成分は、フルオレセイン、ジヨードフルオレセイン、ジクロロフルオロセイン、フェノサフラニン、ローズベンガル、コシン1ブルーイッシュ、コシンイエローイッシュ、マグネソン、タルトラジン、エリオクロームブラックT、クマリン、アリザリン等を含む有機物質より製造することができる。好ましいpH検知成分は、ヒドロキシピレネトリスルホン酸(HPTS)、ヒドロキシピレネトリスルホン酸の誘導体、及びこれらの混合物である。
本発明に用いるための他の好適な指示薬は以下のものを含む。9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン、2',7'-ビス-(2-カルボキシエチル)-5-(及び-6)-カルボキシフルオレセイン、2',7'-ビス-(2-カルボキシエチル)-5-(及び-6-)-カルボキシフルオレセインアセトキシメチルエステル、5-(及び-6)-カルボキシ-2',7'-ジクロロフルオレセイン、5-(及び-6)-カルボキシ-2',7'-ジクロロフルオレセインジアセテート、5-(及び-6)-カルボキシ-4',5'-ジメチルフルオレセイン、5-(及び-6)-カルボキシ-4',5'-ジメチルフルオレセインジアセテート、5-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン、5-(及び-6)-カルボキシフルオレセイン、5-カルボキシフルオレセインジアセテート、6-カルボキシフルオレセインジアセテート、5-カルボキシフルオレセインジアセテートアセトメチルエステル、5-(及び-6)-カルボキシフルオレセインジアセテート、5-(及び-6)-カルボキシナフトフルオレセイン、5-(及び-6)-カルボキシナフトフルオレセインジアセテート、5-(及び-6)-カルボキシSNAFL(商標)-1スクシンイミジルエステル{5'(及び-6')-スクシンイミジルエステル-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、5-(及び-6)-カルボキシSNAFL(商標)-2スクシンイミジルエステル{5'(及び-6')-スクシンイミジルエステル-9-クロロ-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-1{5'(及び-6')-カルボキシ-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-1ジアセテート{5'(及び-6')-カルボキシ-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-2{5'(及び-6')-カルボキシ-9-クロロ-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-2ジアセテート{5'(及び-6')-カルボキシ-9-クロロ-3,10-ジアセトキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-1{5'(及び-6')-カルボキシ-10-ジメチルアミノ-3-ヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-1AMアセテート(3-アセトキシ-5'-アセトキシメトキシカルボニル)-10-ジメチルアミノ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-2{5'(及び-6')-カルボキシ-10-ジエチルアミノ-3-ヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNAFL(商標)-2AMアセテート{3-アセトキシ-5'-アセトキシメトキシカルボニル-10-ジエチルアミン-3-ヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNARF(商標)-6{5'(及び-6')-カルボキシ-10-ジエチルアミノ-3-ヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、カルボキシSNARF(商標)-X{5'(及び-6')-カルボキシ-3-ヒドロキシテトラヒドロキノリジノ[1,9-hi]スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、5-クロロメチルフルオレセンジアセテート、4-クロロメチル-7-ヒドロキシクマリン、Cl-NERF{4-[2-クロロ-6-(エチルアミノ)-7-メチル-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル]-1,3-ベンゼンジカルボン酸}、デキストラン,BCECF,10000MW,アニオン{デキストラン2'7'-ビス(2-カルボキシエチル)-5-(及び6)-カルボキシフルオレセン,アニオン}、デキストラン,BCECF,40000MW,アニオン、デキストラン,BCECF,70000MW,アニオン、デキストラン,Cl-NERF,10000MW,アニオン、デキストラン,Cl-NERF,70000MW,アニオン、デキストラン,Cl-NERF,10000MW,アニリン,リシン定着可能、デキストラン,DM-NERF,10000MW,アニオン{デキストラン,4-(2,7-ジメチル-6-(エチルアミノ)-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル]-1<3-ベンゼンジカルボン酸,アニオン}、デキストラン,DM-NERF,70000MW,アニオン、デキストラン,DM-NERF,10000MW,アニオン,リシン定着可能、デキストラン,7-ヒドロキシクマリン,10000MW,中性、デキストラン,7-ヒドロキシクマリン,70000MW,中性、デキストラン,b-メチルウンベリフェロン,10000MW,中性、デキストラン,b-メチルウンベリフェロン,70000MW,中性、デキストラン,SNAFL(商標)-2, 10000MW,アニオン{デキトラン,9-クロロ-3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン,アニオン}、デキストラン,SNAFL(商標)-2, 70000MW,アニオン{デキトラン,10-メチルアミノ-3-ヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン,アニオン}、デキストラン,SNARF(商標)-1, 10000MW,アニオン、デキストラン,SNARF(商標)-1, 70000MW,アニオン、1,4-ジヒドロキシフタロニトリル、DM-NERF{4-[2,7-ジメチル-6-エチルアミノ)-3-オキソ-3H-キサンテン-9-イル]-1,3-ベンゼンジカルボン酸}、フルオレセンジアセテート、8-ヒドロキシピレン-1,3,6-トリスルホン酸三ナトリウム塩、ナフトフルオレセン、ナフトフルオレセンジアセテート、SNAFL(商標)-1{3,10-ジヒドロキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンテン-7,1'(3',H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}、及びSNAFL(商標)-1,ジアセテート{3,10-ジアセトキシ-スピロ[7H-ベンゾ[c]キサンタン-7,1,(3'H)-イソベンゾフラン]-3'-オン}。
現在の好ましい態様において、HPTS指示薬はアミン官能CUPROPHAN(商標)基材に共有結合しており、この基材はFLEXOBOND 431(商標)ポリウレタン接着剤によりポリカーボネート支持膜に結合している。この検知基材は、カーボンブラックが分散しているエポキシ架橋されたデキストランマトリックスによりオーバーコートされている。
適切な二酸化炭素センサ32は米国再発行特許第31,879号(Lubbers)明細書、米国特許第4,557,900号(Heitzmann)明細書、同第4,824,789号(Yafuso)明細書、同第4,849,172号(Yafuso)明細書、同第4,867,919号(Yafuso)明細書、同第4,919,891号(Yafuso)明細書、同第5,127,077号(Iyer)明細書、同第5,175,061号(Yafuso)明細書、同第5,272,088号(Morlotti)明細書、同第5,403,746号(Bentsen)明細書、同第5,453,248号(Olstein)明細書および同第5,508,509号(Yafuso)明細書に記載されている。
二酸化炭素センサ32は多層アセンブリの形であってもよい。現在、好ましい1つの態様において、センサ32の検知基材層は二酸化炭素検知指示薬を有する複数の親水性粒子もしくはビーズが分散されている疎水性マトリックスを含む。指示薬は有効な様式でビーズに結合しているか、または、ビーズ中に含まれることができる。
ビーズは親水性であるから、指示薬の水溶液を受け入れそして含むようになっている。「親水性」とは構造中に高い割合の(例えば、20重量%を超える)水を保持するが、水中に溶解しない材料、例えば、ポリマー物質を意味する。二酸化炭素センサ中のビーズとして有用な親水性材料は、ガラスビーズまたはヒドロゲル、ポリアクリルアミド、架橋されたデキストラン、アガロース、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、スルホン化ポリスチレン等を含む。現在、好ましい親水性ビーズ材料はSEPHADEX 75G(商標)架橋デキストラン(Pharmacia Biotech, Inc., Piscataway, NJ)である。
二酸化炭素濃度を検知するときに、使用できる吸光指示薬の例はクロロフェニルレッド、ブロモクレゾールパープル、ニトロフェノール、ブロモチモールブルー、ペナクロローム、フェノールレッド等を含む。二酸化炭素のための有用な蛍光指示薬はpH検知のために有用である上記のセンサ、β−メチルウンベリフェロン、フルオレセイン等を含む。特に有用な二酸化炭素センサはHPTSまたはヒドロキシピレントリスルホン酸とも呼ばれるヒドロキシピレン3,6,8−トリスルホン酸およびその誘導体、例えば、HPTSの塩である。より好ましい検知成分、特に血液中の二酸化炭素の濃度を検知するための検知成分は、HPTS、HPTS誘導体およびそれらの混合物から選ばれる。HPTSのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩は有用なHPTS誘導体である。
適切な指示薬を有するビーズが分散されている疎水性マトリックス材料は好ましくは、本発明の検知カセットにおいて有用な光の励起波長および発光波長に対して透明であり、そして、それ以外に、二酸化炭素、吸光または蛍光指示薬およびビーズに対して不活性である。疎水性マトリックスは二酸化炭素をこのマトリックスを通して拡散させることができながら、指示薬を分離させるように機能する。適切な疎水性マトリックス材料は、種々のシリコーン、例えば、シリコーンエラストマー、室温で加硫可能な(RTV)シリコーンゴム、熱加硫可能なシリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニルシロキサン)、シリコーン−ポリカーボネートコポリマー等、並びに、過フッ素化(ポリエーテル)ウレタンを含む。特に好ましいシリコーンマトリックス材料はPS 443(商標)ビニル末端ジメチルシロキサンおよびPE1055(商標)ポリジメチルシロキサンを含み、これらは両方ともペトラーチシステム社(Petrarch Systems, Inc.)から市販されている。
現在の好ましい態様において、二酸化炭素センサ32は、ポリカーボネート支持膜に結合しており、そしてシリコーンマトリックス中に分散されている酸化鉄顔料を含む不透明層によりオーバーコートされているシリコーンマトリックス中のSEPHADEX 75G(商標)架橋デキストラン上にHPTS検知染料を含む検知層を含む。
別の態様において、適切な指示薬染料の溶液は水性バッファーの形で形成されることができ、そしてこの溶液は疎水性ポリマーマトリックスの液体前駆体とともに乳化されうる。この前駆体の重合時に、乳化された指示薬はポリマーマトリックス全体に本質的に均質に分散されている。上記の指示薬染料およびシリコーンポリマーはこの態様において有用であることができる。
適切な酸素センサ34は米国特許第4,557,900号(Heitzmann)明細書、同第4,849,172号(Yafuso)明細書、同第4,867,919号(Yafuso)明細書、同第4,919,891号(Yafuso)明細書、同第5,043,285号(Surgi)明細書、同第5,127,077号(Iyer)明細書、同第5,296,381号(Yafuso)明細書、同第5,409,666号(Negel他)明細書、同第5,453,248号(Olstein)明細書、同第5,462,879号(Bentsen)明細書、同第5,462,880号(Kane)明細書、第5,480,723号(Klainer)明細書、第5,498,549号明細書(Nagel他)および同第5,508,509号(Yafuso)明細書並びに欧州特許出願(EP)第585,212号明細書に記載されている。
酸素センサ34は多層検知アセンブリの形であってよい。特に、酸素センサ34の構造は、検知層が通気性(例えば、シリコーン)マトリックス中に検知染料もしくは指示薬を含み、そしてオーバーコート層がシリコーンマトリックス中に顔料を含む点で、二酸化炭素センサ32と非常に似ていることができる。酸素センサ34に有用な通気性マトリックス材料は好ましくは上記のものと同一であることができる。
有用な酸素検知指示薬は1種以上の多核芳香族化合物、多核芳香族化合物の誘導体等を含む蛍光指示薬を含む。このような多核芳香族化合物の例はデカシクレン、ベンゾ−(ghi)−ペリレン(benzo-ghi-perylene)およびコロネンを含む。酸素指示薬はこのような多核芳香族化合物の第三級ブチル誘導体の混合物を含むことができる。このような指示薬は、Yafuso他の米国特許第4,849,172号明細書により詳細に記載されている。
さらなる有用な酸素指示薬はルテニウム(II)、オスミウム(II),イリジウム(III)、ロジウム、レニウムおよびクロム(III)と2,2’ビピリジン、1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジスルホン化ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,2’ビ−2−チアゾリン、2,2’ビチアゾール、5−ブロモ−1,10−フェナントロリンおよび5−クロロ−1,10−フェントロリンとの錯体、および、Co(II)、Cu(II)、Pt(II)、Pd(II)およびZn(II)とポルフィリン、エチオポルフィリン、テトラフェニルポルフォリン、テトラフルオロフェニルポルフィリン、テトラベンズポルフィリン、テトラフルオロベンズポルフィリン、テトラクロロベンズポルフィリン、メソポルフィリンIXジエステル、プロトポルフィリンIXジメチルエステルおよびオクタエチルポルフォリンとの錯体を含む。ルテニウム錯体は金属錯体の中で好ましい。
酸素指示薬は検知組成物中に含まれるポリマー材料またはマトリックス材料に共有結合していてよい。このような共有結合は、好ましくは、酸素指示薬成分を反応性基を含むものとし、この反応性基が、ポリマーマトリックス材料の前駆体の成分のうちの1つの成分の中に存在する反応性基、好ましくは異なる反応性基と反応することができるものとすることにより達成される。このように、ポリマーマトリックス材料の形成の間に、上記の反応性基は、また、マトリックス材料に酸素指示薬を共有結合するように反応する。特に有用な酸素指示薬成分は、反応性基、例えば、官能性炭素−炭素不飽和と反応性の基を含むように誘導化された上記の多核芳香族化合物を含む。このような化合物のビニル誘導体は特に好ましい。
または、酸素センサは検知要素、励起手段および検知手段を含むことができ、ここで、検知手段は、1種以上の、好ましくは1種または2種のモノマー指示薬成分を含み、これらの成分は好ましくは固体のマトリックス材料であるマトリックス材料中に好ましくは存在し、より好ましくはマトリックス材料に共有結合している。これらのモノマー指示薬成分の各々は、第一の励起シグナルに対する暴露に応答して、ある波長の第一の放出シグナルを提供することができる。さらに、この検知要素は、第二の励起シグナルに応答して、第二の放出シグナル(励起状態の錯体による放出による)を提供することができ、好ましくはこのシグナルは第一の放出シグナルよりも長い波長を有する。
特に有用な態様において、指示薬成分は流体中の酸素の濃度に感受性であり、そして1種以上の多核芳香族化合物および/または1種以上のその誘導体を含む。多核芳香族化合物は、好ましくは、多核芳香族クラスの蛍光もしくは吸光、より好ましくは蛍光の光学指示薬である。指示薬成分が得られる多核芳香族化合物は、さらにより好ましくは、ペリレン、デカシクレン、ベンゾペリレン(例えば、ベンゾ[ghi]ペリレン(benzo[ghi]perylene)、コロネン、ピレン、ポルフェイン、ポルフィリン、クロリン、フタロシアニンおよびそれらの誘導体並びにそれらの混合物である。ペリレンおよびペリレン誘導体は酸素に対して比較的に抑制された感受性を有するので、アナライトが酸素であるときには、明細書中に記載されているような他の多核芳香族化合物が好ましくは用いられる。エキサイマー成分を使用しようとするときに、モノマー指示薬成分は、好ましくは、1種の多核芳香族化合物、同一の1種の多核芳香族化合物の誘導体およびそれらの混合物から選ばれる。多核芳香族化合物がベンゾ[ghi]ペリレンであるならば、優れた結果が得られる。
所望ならば、基本多核芳香族化合物は1つ以上の他の基、例えば、アルキルのような無官能置換基により誘導化されてよく、但し、このような誘導化は、励起状態の錯体の放出シグナル発生を実質的に阻害しない。このような誘導体はNagel他の米国特許第5,409,666号明細書において議論されている。例えば、付加硬化シリコーンポリマーにビニルベンゾ[ghi]ペリレンを共有結合させることにより誘導化された検知要素のモノマー指示薬成分はベンゾ[ghi]ペリレンの誘導体であると言われる。
センサ34において有用なモノマー成分は、例えば、2種以上の同様のモノマー指示薬成分を含むか、2種以上の異なるモノマー指示薬成分を含むか、または、1種以上の、好ましくは1種のモノマー指示薬成分と、1種以上の、好ましくは1種のモノマー非指示薬成分を含むことができる。好ましくは、このようなモノマー成分は、検知要素、センサシステム、アナライト、または検知要素がさらされる媒体に対して実質的な悪影響を及ぼさない。
より好ましい酸素検知成分を生じるモノマー成分の例は、(1)多核芳香族モノマー成分、(2)脂肪族もしくは芳香族アミン含有または芳香族エーテル含有モノマー成分、および(3)芳香族ニトリルモノマー成分を含む。より好ましいエキサイプレックス成分は群(1)から選ばれた少なくとも1種のモノマー成分、および、群(2)から選ばれた少なくとも1種のモノマー成分を含む。または、別のより好ましい成分は、群(3)から選ばれた少なくとも1種のモノマー成分、および、群(1)または(2)から選ばれた少なくとも1種のモノマー成分を含む。
有用な芳香族モノマー成分(群1)の例は、ビフェニル、ナフタレン、フェナントレン、p−ターフェニル、クリセン、ベンズピレン、ピレン、ジベンズアントレン、ベンズアントレン、アントラセン、ペリレン、ベンズペリレン、フルオランテン、コロネン、キノリン、フェニルキノリン、ベンズキノリン、キノキサリン、ジベンズキノキサリン、ベンズキノキサリン、フタルイミド、ピリジン、フェナジン、ジベンズフェンジンク、アクリジン、ベンズアクリジンおよびこれらの化合物の誘導体を含む。有用な脂肪族もしくは芳香族アミン含有または芳香族エーテル含有モノマー成分(群2)はテトラメチル−p−フェニレンジアミン、ジメトキシジメチルアニリン、メトキシジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジフェニルメチルアミン、トリエチルアミン、インドール、ジメチルトルイジン、トリ−p−アニシルアミン、ジトリルメチルアミン、トリトリルアミン、トリフェニルアミン、エチルカルバゾール、トリメトキシベンゼン、テトラメトキシベンゼンおよびこれらの化合物の誘導体を含む。芳香族ニトリルアクセプターモノマー成分(群3)はベンゾニトリル、シアノナフタレン、ジシアノベンゼンおよびこれらの化合物の誘導体を含む。
これらのモノマー成分のペアのいずれも、マトリックス材料、例えば、シリコーンに拘束されおよび/または共有結合していることができる。
現在の好ましい態様において、酸素センサ34は、架橋したポリアルキル(アリール)ヒドロシロキサンを含むシリコーンマトリックスに共有結合しているビニルベンゾ[ghi]ペリレンを含む検知層であって、ポリカーボネート支持膜に結合しており、そしてカーボンブラックが分散しているシリコーンマトリックスによりオーバーコートされている検知層を含む。
特に現在好ましい態様において、センサ28はキャビティー27中においてカセット12に結合した多層ラミネートとして提供される。イオンセンサ28およびpHセンサ30は好ましくは流体チャンバ18の第一「インレット」部分20付近に配置され、それにより、これらはキャリブレーションの間にカセットの下側半分に配置されるであろう。これは、センサ28および30がキャリブレーションの間に液体に暴露されることを確保する。センサ32および34はキャリブレーションの間の液体中の浸漬の要求に対して感受性がより低い。
または、カセット12はカリウム、ナトリウム、カルシウムおよびグルコースのためのセンサを含むことができ、これらのセンサは上記に記載したのと本質的に同一の化学原理を用いる。例えば、カリウム、ナトリウムおよびカルシウムイオン検知は式Aによる適切なイオノホア性のクマロクリプタンドを用いることができ、このクリプタンドケージのサイズは各イオンに特異的である。適切なグルコースセンサは、グルコースオキシダーゼの存在により変性された、上記の酸素センサのいずれかを含む。グルコース検知は、例えば、米国特許第5,518,694号明細書に記載されている通り、グルコースの酵素酸化の間の酸素の欠乏を基礎とすることができる。下記に記載する光学トレインに対する若干の変更を伴って、測定装置14はこれらの交互のセンサを収容するようになっていることができる。ある用途において、例えば、心臓/血管血液パラメータのモニタリングにおいて、両方のタイプの測定装置を使用することが有利であることがある。
カセット12において有用であることができる他のセンサは、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)のような酸素不透性マトリックス中において、ルテニウムをベースとする指示薬、例えば、ルテニウム(II)(ジフェニルフェナントロリン)3(ジメチルシリルプロパンスルホネート)2 -を固定化することにより調製できるような、蛍光をベースとする温度センサを含むことができる。
ケーシング16中の穴はpHセンサ30と二酸化炭素センサ32との間にある。サーミスタ−受容窪み36はケーシング16に固定され、そして穴を越えて延びている。窪み36は、流体チャンバ18の中央部分24に面するケーシング16の壁セクションに接着剤により結合されているツバをもった帽子型形状を有する。適切な接着剤はアクリルウレタン接着剤、例えば、Loctite Corporationの“UV Cure"ブランドの接着剤である。窪み36は、好ましくは、金属、例えば、0.004インチ(0.1mm)の厚さのチタンと同様の熱伝導率を有する耐腐蝕性材料から形成されている。例えば、図5および6に例示されているように、窪み36は流体チャンバ18の中央部分24に突き出しており、その中の流体との親密な熱接触を行う。
また、ケーシング16は凹部26周りを囲う長円形状のリム40を含むと共に、ケーシング16の長手軸線から離れる方向に外側に延びる。図4を参照して理解されるように、長円形状凹部26及び周囲のリム40の主軸線は互いに一致してセンサ28,30,32,34及びくぼみ36の中心を横切って延びると共に、ケーシング16及び流体チャンバ18の長手軸線に対し平行である。
半円筒状の整列キー42はリム40の内壁に一体的に連結される。好ましくは、ケーシング16の長手軸線に対し垂直でありかつセンサ32とセンサ34間に等距離で延びる基準平面がキー42をその中心の直径を通る平面に沿って二等分されるように、整列キー42が指向される。
カセット12はさらに、ケーシング16を測定装置14に取り外し可能に接続するための第1の雄カップリング44を含む。図2及び図3に示されるように、カップリング44はケーシング16の長手軸線に垂直な方向に凸状のU字形状構造を有する。カップリング44は上述のケーシング16の中央部と、リム40の外向き拡大部の方向から離れる方向にケーシング16から外向きに延びる対向する脚部分46とを含む。各脚部分46は平坦で共通平面上の外表面47(例えば図2、3、7を参照、図4では省略されている)を有する一対の支持部46を含み、これら外表面47はそれぞれの脚部分46の外側に対し平行である。好ましくは、対向する脚部分46の外表面47はケーシング16が近づくと収束すると共に、互いに約28度から約32度の範囲をなして指向されるそれぞれの基準平面に沿って延びる。更に好ましくは、外表面47は互いに約30度の角度をもって指向されるそれぞれの基準平面に沿って延びる。
各脚部46の外端にはフランジ48が一体的に接続されている。これらフランジ48はケーシング16の長手軸線に対し平行な共通の基準平面内に位置する。脚部46はいくらか可撓性を有し、指の圧力の影響下で互いに他に向けてわずかばかり移動可能であり、しかしながら一旦指の圧力が解放されると図面に示されるように、それらの元来の通常指向位置まで迅速にかつ繰り返し復帰するのに十分な記憶を有している。
各脚部46の外の中央端部領域は支持部間に位置するくさび形状タブ50に一体的に接続されている。これらタブ50は互いに離間する方向に、かつ互いに約80度の角度をなして指向されるそれぞれの基準平面に沿ってそれぞれの脚部46から外向きに延びる。さらに、各タブ50の先端はフランジ48が拡がっている方向に対し25度の角度をなして指向される基準平面内を延びる。タブ50の最外縁はそれぞれの脚部46の隣接する領域に対し外向きに離間せしめられると共に、ケーシング16の長手軸線と、フランジ48を含む上述の基準平面との間の共通の基準平面内にある。
好ましくは、ケーシング16は比較的透明(clear)なプラスチック材料、例えば医療用品質のポリカーボネート、から形成され、二つ又はそれ以上の初めは別個の部品から構成される。これらの部品は射出成形により形成され、次いで互いに結合される。適当な二部品構成の例が図7に示される。図7において、ケーシング16の一部品はくぼみ26及びリム40を含み、四つのセンサ28,30,32,34を担持する。第2の部品は脚部47、入口ポート、出口ポート、及び図示されるような他の要素を含む。これら部品は超音波溶接、溶剤溶接、又は接着剤結合により互いに接続されうる。当然、他の構成(例えば、一体的な一部品構成又は三部品構成)も可能である。
図1及び図4から図6に示されるように、ケーシング16は第1の部分20の入口ポートを囲う第1の外部ネジ付き部分を有する。第1のネジ付き部分は好ましくは、カセット12がチャンバ18を介し流れる流体のパラメータを測定するのに用いられるときに、内部ネジ付きルーア(Luer)型コネクタ、例えば図5に示される雄ルーアコネクタ52、に一体となって接続されるように構成される。流体をチャンバ18に指向せしめる可撓性のある管材54の一部分に対し干渉取着カップリングを提供するために、コネクタ52はリブ付き部分を有する。
第2の外部ネジ付き部分は第2の流体チャンバ部分22の出口ポートを囲う。図5に示されるように、継手56は第2のネジ付き部分を一体となって受容する内部ネジ付き部分を有する。選択任意には、継手56は半径方向内向きに延びるリブ58を有する後向きに延びるカラーを含む。ケーシング16は周囲を囲んで半径方向外向きに延びるリブ60を第2のネジ付き部分に隣接して有し、継手56のネジがケーシング16から部分的に外れたときでさえ通常の状況下で継手56が離脱するのを阻止するために、リブ60はストッパとして機能しかつリブ58に対する物理的干渉を提供する。
カセット12がチャンバ18を通って流れる流体のパラメータを測定する測定装置14と共に用いられるときに雌ルーアコネクタ62を一体となって受容すべく構成された別の内部ネジ付き部分も、継手56は含む。チャンバ18内に存在する流体流れを指向するために、可撓性管材64の一部分は干渉取着関係でもってコネクタ62のリブ付き部分に接続される。
図6はセンサ28,30,32,34のキャリブレーション時のカセット12を例示のために示す図である。キャリブレーション時、図5に示されるコネクタ52がガスフィルタアセンブリ66に置換され、ガスフィルタアセンブリ66は第1の流体チャンバ部分20の入口ポートを囲うネジ付き部分を一体となって受容する内部ネジ付き部分を有する。ガスフィルタアセンブリ66の反対側の端部はガス入口開口68を有し、ガス入口開口68には部分的にネジを有するよう構成されたコネクタが設けられる。このコネクタは管材コネクタ(図示しない)に結合されるようになっており、管材は次いでキャリブレーションガス源に接続される。
ガスフィルタアセンブリ66は拡大された円筒状の中央ハウジング部分を有し、この中央ハウジング部分は濾過薄膜70からなる円板形状部分を含む。好ましくは、薄膜70は高圧蒸気殺菌法により殺菌された疎水性材料(例えばポリテトラフルオロエチレン)、又は放射線により殺菌された材料(例えば改良アクリル)からなる。適当な改良アクリル材料はゲルマンサイエンス社(Gelman Sciences)のVERSAPORE“H"ブランドの薄膜である。薄膜70の両面に対面する壁全体に一連の同心円状通路及び交差する半径方向通路のネットワークが設けられてキャリブレーションガスが薄膜70の様々な領域のほぼ全てを介し容易に通過できるようにされている。
ガスフィルタアセンブリ66はスパージャー管72を受容する出口も含む。適当な管72の例はポリエーテルエステルケトンからなり、内径が0.003インチ(0.075mm)、外径が0.12インチ(0.3mm)であるゼウスプロダクツ社(Zeus Products)の管である。栓74はスパージャー管72を囲うと共に、スパージャー管72をフィルタアセンブリ66の出口に密封的に固定する。栓74の適当な材料の例はカセット12が放射線により殺菌されるときにはポリカーボネートを含み、カセット12が高圧蒸気殺菌法により殺菌されるときにはアクリル樹脂を含む。
エンドユーザへの搬送のために梱包されるとき、カセット12には好ましくは、キャップ78(図6)と、流体チャンバ18内に受容された一定量のキャリブレーション流体80とだけでなく、フィルタアセンブリ66も設けられる。搬送のために、キャップ78は継手56の出口部分に密封的にきつく螺合され、(図5に示されるその指向方向に示されるように)継手56はケーシング16に対し締め付けられて継手56とケーシング16間に流体シールが提供される。図面には示されないが、輸送時及び初期の取り扱い時に汚染物質が入口開口68から流入するのを実質的に阻止するために、搬送用キャップはフィルタアセンブリ66の外端に確実に結合される。
キャリブレーションの際には、カセット12は、直立位置、好適には図6に示されるように垂直方向位置に向けられており、ケーシング16の長手方向軸線を中心として継手56をケーシング16に対して弧状に回転させることによって、継手56が螺合状態を部分的に弛めた状態になる。かかる動作の間に、ガス出口ポートを閉鎖した第一位置から、ガス出口ポートを開放させる又はそれを通気状態にさせるための第二位置へ、継手56が動かされる。リブ58、60は継手56がケーシング16から偶発的に離脱することを防止する。継手56をケーシング16に対して弛めることにより、図6で矢示されるように、第二流体チャンバ部分22からガス出口ポートを介して大気中へガスが流れることが可能となる。選択自由であるが、リブ60の外側周縁壁は単数又は複数の溝59を具備している(図1及び図7を参照)。溝59は流体チャンバ18の上部出口ポートからのガスの排出を容易にするためにケーシング16の長手方向軸線と平行に延びている。
キャリブレーション流体80の量は、好適には、キャリブレーションの際に流体チャンバ18のキャリブレーション流体80の高さが図6に示されるように拡大域部分25の下側部分に延在するように選択される。かかる高さにすることにより、キャリブレーション流体80の一部が上部出口ポートを通して漏出する可能性を減少させながらも、キャリブレーション流体80がセンサ28、30、32、34を完全に覆うことを確実にする。有利な点として、拡大域部分25の切頭円錐形状は、流体チャンバ18からキャリブレーション流体80が漏出する可能性をさらに減少させるために、キャリブレーション流体80を通り抜けたキャリブレーションガスの気泡の破裂を助長させる。さらに、チャンバ部分24の壁部分の親水性表面は、キャリブレーションガスの気泡がセンサ28、30、32、34を滑らかに通過することを容易にする。選択自由であるが、親水性表面に加えて又は親水性表面に代えて消泡剤が使用されてもよい。
キャリブレーションの各段階が以下でさらに詳細に説明される。キャリブレーションが終了すると、フィルタアセンブリ66がケーシング16から除去されて図5に示されるコネクタ52で置換される。さらに、継手56が図5に示されるように締め付けられ、継手56とケーシング16の間に液漏れ抵抗シールがなされる。図6に示されるキャップ78がさらに除去されてコネクタ62で置換され(図5)、コネクタ62の外側端部が管材64の切断面に結合される。以下でさらに詳細に説明されるように、管材54、64の切断面は、流体のパラメータを測定するために(血液のような)流体が流体チャンバ18に対して流出入することを可能とさせる。
図1及び図5に示される測定装置14がさらに図8〜図20により詳細に示されている。測定装置14は、図9において組立の前の状態として示されている二つの部品からなる細長いハウジング200を備える。二つの部品は内側にかかりが設けられた(スナップ止め組立のための)コネクタによって又はネジによって保持されることができる。好適には、ハウジング200はポリカーボネート及びアクリロニトリルスチレン(ABS)ポリマの混合物のような耐衝撃性プラスチック材料で作られ、殺菌を容易にするために滑らかな外側表面を有している。選択自由であるが、ハウジング200の内側表面は電磁気的に適合性を有する遮蔽材料でコーティングされている。
測定装置14は、選択自由であるが陽極処理アルミニウムのような金属材料で作られた、第二雌型カップリング202を備える。第二雌型カップリング202は、ハウジング200の長手方向軸線に対して垂直な方向に概略U字形状をなした凹面形状窪みを有する。この窪みは、中央の湾曲部分206(例えば、図1を参照)で相互に接続される対向する二つの平坦な側壁部分206を備える。好適には、対向する側壁部分204は、湾曲部分206に接近するに従って収束して近づいており、互いに対して約28度から約32度までの範囲の角度で配置された各基準面に沿って延在している。さらに好適には、側壁部分204は互いに対して約30度の角度で配置された各基準面に沿って延在している。各側壁部分204の外側端縁部分はハウジング200の長手方向軸線に平行な方向に延びる細長い溝208を有する。
測定装置14はファイバ端子ブロックアセンブリ210を備える(例えば、図9を参照)。ファイバ端子ブロックアセンブリ210はファイバブロック挿入板212とファイバブロック端部板214とを備え、これら二つの板が図10に示されるように一対の機械ネジによって共に接合されている。好適には、挿入板212はポリカーボネートで作られ、端部板214はアルミニウムで作られる。
挿入板212の下面は図10に示される四つの機械ネジによって第二雌型カップリング202の頂部に取り付けられる。挿入板212の下面はハウジング200の長手方向軸線と平行な長軸を有した概略楕円形状の突出部216(例えば図12を参照)を備える。突出部216は、カセットキー42の直径よりもほんの僅かに大きい直径を有した半円筒形状のキー溝218を備える。好適には、キー溝218は、中央の対称面に沿ってキー溝218を二等分する基準面がハウジング200の長手方向軸線にも垂直となるように向けて配置される。
突出部216は、カップリング202の湾曲部分206の中央に設けられた楕円形状開口につがい関係で受容されると共にそこを貫通して延びる側壁を有している。突出部216の外側側壁は底から見て楕円形状をしており、この楕円形状はカセット12のリム40(例えば、図4を参照)の内側側壁の楕円形状と形状的に相補関係にある。
図5は共に供給されたときのカセット12と測定装置14の一部を示している。測定装置14がカセット12に結合されるとき、カセット12のタブ50がそれぞれ測定装置14の溝208に受容される。さらに、カセット支持部分の外側表面47は測定装置側壁部分204の対向する平坦な表面とそれぞれ均一に接触する。理解されるように、カセットケーシング16に接続される第一カップリング44とハウジング200に接続される第二カップリング202とは共同してカセット12を測定装置14に着脱可能に接続するためのコネクタの代わりをなす。
カセット12の測定装置14への組立の際には、ケーシング16が突出部216へ向う方向に押され、かかる押す動作の際に、くさび形状のタブ50の外側表面は、各タブ50の外側端縁がそれぞれ溝208に隣接する時点まで脚部分46を内向きに互いに向かって湾曲させるカムとしての機能を果たす。タブ50の外側端縁が溝208に隣接するようになると、タブ50の外側端縁が溝208に受容されるようにパチンと噛むようにして、脚部分46が本来有する傾向により脚部分46を拡開させてその普通の形状に復帰せしめ、それによってカセット12を測定装置14に結合せしめる。
突出部216は、測定装置14及びカセット12が共に接続されるときに窪み26内に噛み合って滑り嵌合する外側端部部分を有する。さらに、測定装置14及びカセット12が共に接続されるとき、カセット12のキー42が測定装置14のつがい関係のキー溝218内に嵌合する。好ましくは、キー42は、カセット12を反対向きにして(すなわち、カセット12が図5に示される向きから垂直方向基準軸線を中心として180度向きを変えられたようにして)測定装置14に結合させようとしたときにカセット12を測定装置14に結合させることを実質的に防止する。
脚部分46を共に圧迫してタブ50が溝208を乗り越すまでカセット12を測定装置14から離すことによって、カセット12が測定装置14から取り外される。図面には示されていないが、カップリング202の両外側は各々好適には指先サイズの窪みを備えており、測定装置12からカセット12を取り外す際に、カセットフランジ48の外側端縁における使用者の把持性を向上させている。これらの窪みはさらにタブ50の近傍位置でフランジ48の中心を係合するための位置に向かって使用者の指を案内するのを手助けする。
ファイバ端子ブロックアセンブリ210は直立したポリカーボネート管220を備え、このポリカーボネート管220は挿入板212に溶剤溶接されていてサーミスタアセンブリを受容する。図5及び図10に示されるように、サーミスタアセンブリは内側中央通路と直径が縮小された下側端部部分とを有したサーミスタ支持体222を備える。サーミスタ224は、サーミスタ支持体222の下側端部部分の空洞内に部分的に取り付けられており、内側中央通路を貫通して延びる一対のリード線を有している。適したサーミスタの例はサーモメトリックス社(Thermometrics)の部品番号SC30BF103A-L8である。
ステンレス鋼のような材料で作られたキャップ226(図5を参照)がサーミスタ224に被さっており、サーミスタ支持体222の下側端部部分の外接する側壁に注封材料によって取り付けられている。キャップ226は隣接するプラスチック材料の熱伝導率と比較して高い熱伝導率を有する。(エポテック社(Epo-tek)のH20番のような)注封材料がキャップ226の内側表面とサーミスタ224の外側表面との間の空間にほぼ充填されて、キャップ226とサーミスタ224の間の熱伝達を容易にさせる。
サーミスタ支持体222がポリカーボネート管220の略円筒状内側通路に収容され、サーミスタ支持体222の周状溝に設けられたOリング228により流体抵抗シールがなされる。サーミスタ支持体222がポリカーボネート管220のつがい関係になったネジ部を設けられた部分に螺入される上側螺刻部分を有した保持部材230によってポリカーボネート管220の通路に保持される。
ポリカーボネート管220はその下側端部の近くでは比較して幾分小さな直径に細くなっており、図5に示される環状肩部232を有している。サーミスタ支持体222は肩部232の下の領域におけるポリカーボネート管の通路の内径よりも大きな外径を有した外接する上側円筒状リブ234を備える。さらに、螺旋状圧縮バネ236(図10を参照)は保持部材230の下側端部と上側円筒状リブ234の上向き環状壁との間に延びてそれらを圧迫する。測定装置14がカセット12に結合されていないときにはリブ234が肩部232に当接するように、バネ236は図5を参照して下向き方向にサーミスタ支持体222を圧力に対して柔軟に付勢する。
カセット12及び測定装置14が一緒に結合されていないときには、サーミスタキャップ226の下側端部は、図5を参照して窪み26の頂部表面に対してカセット12の窪み36の深さよりも大きい距離だけ挿入板212の底面より下に突出している。このように、カセット12が測定装置14に結合されると、キャップ226は窪み36の底面と接触してサーミスタ支持体222をバネ236の付勢に抗して上向き方向に圧迫する。カップリング44及びカップリング202が一緒に接続されると、バネ236は窪み36の底面と密着接触する位置にキャップ226の底面を保持して、キャップ226と窪み36との間の有効接触面積を増加させ熱抵抗を低減させる傾向がある。流体チャンバ18の中央部分24の流体から窪み36とキャップ226の間の接合部を横切って最後にはサーミスタ224までの経路に沿った熱伝達を改善するために、窪み36の内側形状は、キャップ226の外側形状に対して、好適には幾分相補的になっており、より好適には極めて相補的になっている。
図12を参照すると、挿入板212は四つの孔238、240、242、及び244を備え、これらの孔は突出部216を貫通して延び、楕円形状の突出部216の長軸に沿って離間した関係で配置されている。さらに、底部板は三つの孔246、248、250を備え、これらの孔は突出部216から離間されて設けられており、挿入板212の上面側の外側端部部分に設けられた隆起したプラットホーム252(図10及び図13を参照)を貫通して延びている。図13に示されるように、光学的基準材料で作られたディスク254が孔248に配置され、孔248の下側螺刻部分に螺入される止めネジ256によって孔248の肩部に取り付けられる。光学的基準ディスク254は好適には(ポリカーボネート中に0.002重量%の蛍光材料を含むような)蛍光を発する材料で作られる。適した蛍光材料はバイエル社(Bayer)の"MACROLUX 10GN"(商標)の材料のような高量子効率蛍光染料である。
孔246、250は孔248と同一であり、各孔は止めネジ256と類似の止めネジと光学的基準ディスク254a、254b(図15のみで参照番号が付されている)とを受容する。孔246の光学的基準ディスク254aは光学的基準ディスク254と同一である。孔250の光学的基準ディスク254bは光学的基準ディスク254と類似であるが代わりに好適にはポリカーボネートに溶解した0.0035重量%蛍光材料で作られている。
ファイバ端子ブロックアセンブリ210の端部板214は図14において参照番号を付されている九つの孔258〜274を有する。孔258〜274は三つの列で各列に三つの孔がある配列に配置されている。孔258〜274並びに238〜250は各々が光ファイバの束の端部の周囲を取り囲むフェルールを受容するようにされている。例示的なフェルールが図13において参照番号276で示されている。各孔246〜250に受容されるフェルールに適した材料の例は真鍮又はステンレス鋼であり、各孔238〜244に受容されるフェルールに適した材料の例はステンレス鋼であり、各孔258〜274に受容されるフェルールに適した材料の例は真鍮又はアルミニウムである。選択自由であるが、底部板のプラットフォームは三つの小さな螺刻された開口(図10及び図13を参照)を備え、開口は各々孔246、248、250の一つと交差している。これらの小さな開口は、各々、組立を容易にすべく隣接する孔246、248、250のフェルールをプラットフォームに取り付ける小さな止めネジ(不図示)を螺合して受容するようにされている。
ファイバ端子ブロックアセンブリ210は光ファイバの多数の束を備える。光ファイバ束の(正確には示されていない)例示的なネットワークが説明のために図9に示されている点を除いて、光ファイバ束は全ての図から省略されている。様々な光ファイバ束の概略図が図15に示されており、同図は各孔238〜250と各孔258〜274との間には光ファイバ束の真に好適な様々な経路を示している。
図15を参照すると、さらに詳細には、ファイバ端子ブロックアセンブリ210は孔240と孔260との間に延びる光ファイバの第一の束280と、孔240と孔270との間に延びる光ファイバの第二の束281と、孔246と孔270との間に延びる光ファイバの第三の束282と、孔242と孔270との間に延びる光ファイバの第四の束283と、孔242と孔258との間に延びる光ファイバの第五の束284と、孔246と孔264との間に延びる光ファイバの第六の束285と、孔244と孔262との間に延びる光ファイバの第七の束286と、孔244と孔274との間に延びる光ファイバの第八の束287と、孔250と孔274との間に延びる光ファイバの第九の束288と、孔250と孔266との間に延びる光ファイバの第十の束289と、孔248と孔226との間に延びる光ファイバの第十一の束290と、孔248と孔272との間に延びる光ファイバの第十二の束291と、孔238と孔272との間に延びる光ファイバの第十三の束292と、孔238と孔268との間に延びる光ファイバの第十四の束293とを備える。
様々な束280〜293の各々に適した光ファイバは、呼び外径0.0022インチ(56μm)を有したファイバであり、コアガラスがショット(Schott)のLF5又はF2で、クラッドガラスがショット(Schott)の8250、コーニング(Corning)の7056又は7052で、クラッド厚さが0.00008から0.00012インチ(2〜3μm)のものである。好適には、必ずではないが、様々な束280〜293の全ての光ファイバは同一のものである。もちろん、束280〜293の各々のファイバのタイプ及びファイバの数は上で示された説明と異なってもよい。
好適には、エポテック(Epo-tek)(商標)の光学エポキシ第310番又は第310-2番のような光学接着剤がファイバの束ねられた端部を(フェルール276のような)フェルールに取り付けて光学アパーチャを提供するために使用される。各束280〜293は好適には光学的に不透明な非蛍光硬質プラスチック材料又はゴム材料で覆われている。各束280〜293の幾つかは端部が混合されて一つフェルールに受容される光ファイバが図15に略図で示されるようにファイバのファイバの反対側の端部で異なるフェルールに導かれ得るように分岐部分を有している。さらに、各光学アパーチャの光ファイバは無作為に混合された状態になっている(すなわち、光ファイバが分岐部分を通過する場合でさえ、各光学アパーチャの光ファイバは空間的に十分に混合されている)。例えば、孔240の光学アパーチャの光ファイバは無作為混合されて、直径0.020インチ(0.5mm)又はそれより大きい直径を有した非円形領域で束280、281のいずれかに端を発するファイバを三本以下しか有さない領域は存在しないようになっている。
各束280〜293の中間領域に適した光ファイバの数の例が以下で表1に示されている。(本願における意味として、「中間領域」とは束の端部と任意の分岐部分との間の箇所における束の長さに沿った束の中央断面を意味する。)表2は光ファイバの目標数と孔238〜250及び258〜274の各々に配置されたフェルールにおける(単数又は複数の束に端を発するファイバを含んでもよい)光学アパーチャの全体直径との関係を示している。表1及び表2の値は、上述した外径56μm、比質量偏差(すなわち、光学アパーチャの円形面積全体で除算したファイバによって占有される面積)70%である光ファイバに基づいたものである。小さな光ファイバは組立の際に数えることが困難であることから、製造者は代わりに束の直径を計測してより迅速に束における光ファイバの数を推定により決定するのを好むであろう。
Figure 0003769026
Figure 0003769026
測定装置14はブロック302並びに九つの光学サブアセンブリ304〜312(図16においてのみ参照番号が付されている)を備える光学アセンブリ300をさらに有する。ブロック302各列に三つの空洞を備えた三つの列に対称的に配置された九つの筒状空洞を有し、光学サブアセンブリ304〜312の一つが各空洞に受容される。好適には、ブロック302は金属と同様の熱伝導率を有した材料で作られる。適した材料の例はアルミニウムである。ブロック302はさらに適切な熱伝導率を有したセラミック材料で作られることもある。
参照番号310、311、及び312を付された光学サブアセンブリは励起光学サブアセンブリであり、光学サブアセンブリ312が例示を目的として図16に組立分解図で示されている。光学サブアセンブリ312は、第一光学保持器314と、該第一光学保持器314と同一である第二光学保持器316とを備える。保持器314、316が図10に示されるようにして一緒に接続されるとき、保持器314、316の内壁部分は共同して全体的な形状が幾分円筒形状を有し且つ長手方向の中心基準軸線を有した細長いチャンバ318を提供する。
第一の保持部314は図17から図19にのみ示される。第一の保持部314は、第一のチャンバ部分322(図17および図18)と第二のチャンバ部分324と第三のチャンバ部分326と第四のチャンバ部分328とを形成する内壁部を有する。保持部314、316が図10に示すように連結されると、保持部314、316の第一のチャンバ部分322は、発光ダイオード(更に詳細に後述されるような)を覆い隠す形状をした円筒形状光入口ポートを表し、第二のチャンバ部分324は、光学フィルタを受容するための円筒形状サブチャンバを表し、第三のチャンバ部分326は、光学レンズを受容するためのサブチャンバを表し、および第四のチャンバ部分328は円筒形状光出口ポートを表す。小型円筒形開口部が、光入口ポートと光学フィルタサブチャンバとの間に延びて、光入口ポートを光学フィルタサブチャンバに連通させており、および第二の小型円筒形開口部は光学フィルタサブチャンバと光学レンズサブチャンバとの間に延びて、光学フィルタサブチャンバを光学レンズサブチャンバに連通させている。
チャンバ部分324、326を形成する保持部314の壁部のそれぞれは、一つもしくはより多数のリブ330の第一の組に連結される。図面に示す実施態様においては、前記第一の組は二つの離間されたリブ330を有しており、これらリブ330は中心軸線320に対して平行な方向に延びている。各リブ330(例えば図18)はチャンバ部分324、326のそれぞれの全長さ部分に延びており、図19aにさらに詳細に示すように最遠の変形可能な先端部分332を有する。変形可能な先端部分332はエラストマー材料(例えば、変形を生じさせる力を取り除いた後に、元の形状に自己回復する)か、非エラストマー材料であってもよい。
保持部314はさらに一つもしくはより多数のリブ334の第二の組を有する。図面に示す実施態様においては、リブ334の第二の組は単一のリブで構成され、この単一のリブは、第四のチャンバ部分328に直接的に隣接する第三のチャンバ部分326の半径壁部に沿って配置される。リブ334はその全体が、図17および図17aに示すような側面図内の三角形からなる形状を有していて、図17aおよび図17bに拡大して示す最遠の変形可能な(エラストマー材料もしくは非エラストマー材料)先端部分336を有する。
第二のチャンバ部分324と第三のチャンバ部分326とは、中心軸線320に対して垂直な基準面内に延びる一つもしくはより多数のリブ338の第三の組をも有する。六つのリブ338が図17から図19に示す実施態様に示される。リブ338のうちの四つが第二のチャンバ部分324に配置され、これらは対向するように配置され、それによりリブ338の一つの対が、中心軸線320に対して垂直な第一の共通の基準面内の延びて、リブ338の他の対が中心軸線320に対して垂直な第二の基準面内に延びるようになる。二つの残りのリブ338は第三のチャンバ部分326内に配置され、中心軸線320に対して垂直な他の共通の基準面内に延びる。典型的なリブ338を拡大して図17cに示しており、各リブ338は、エラストマー材料かもしくは非エラストマー材料であってもよい最遠の変形可能な先端部分340を有する。
保持部314は、一対のペグ342と一対の整合用穴344とを備えた対照的でかつ対立的な(diametrical)壁部を有する。一方のペグ342と一方の穴344とは、中心軸線320に対して垂直な共通の平面内に延びる平行な中心基準軸線を有する。同様に、他方のペグ342と他方の穴344とは、中心軸線320に対して垂直であるが他方のペグ342と他方の整合用穴344との中心軸線を含む前述した基準面から離れて置かれている共通の平面内に延びるそれぞれの中心基準軸線を有する。
第三のチャンバ部分326を形成する壁部は、中心軸線320周りで半円形経路に延びる環状の面取壁部346も有する。結果として、光学レンズサブチャンバはその全体が、中心軸線と同一線上にある共通の中心軸線を有する円筒形状部分と整列された円錐台部分とを有する形状である。保持部316は保持部314と同一であるので、保持部316を詳細に説明する必要はない。
保持部314、316が、図10に示すように一緒に連結されるときに、保持部314のペグ342は保持部316の穴344内に受容され、かつ保持部316のペグ342は保持部314の穴344内に受容される。少なくとも一つのペグ342と整合用穴344との係合する対がサブアセンブリ312の他端よりも一端に近づくのが好ましい。実際に、第一のチャンバ部分322が互いに対向しないで対向する端部に配置されるように保持部314、316を一緒に連結する場合には、保持部314、316の端部は整列されず、組立者は、保持部314、316が互いに関して適切な向きに置かれないことを容易かつ明らかに視覚的に理解できる。
平凸レンズ348(図16および図16a)は第三のチャンバ部分326内に受容され、かつ外周円筒形壁部350を有する円筒形部分と半球形状の外壁352を有する凸型ドーム形状部分とを有している。ドーム形状部分の中心軸線と円筒形部分の中心軸線とは、レンズ348の光軸として知られる共通の基準軸線に沿って配置される。適切なレンズは、エドマンド科学(Edmund Scientific)からの部品番号45078のレンズように、6mmの焦点距離と6mmの直径とを有する。第三のチャンバ部分326の面取壁部346の(中心軸線320に対しての)向きは、保持部314、316が一緒に組み立てられるときに面取壁部346が外壁352に接触する領域において、外壁352の係合部分の(ドーム形状部分の中心軸線に対しての)向きとほぼ同様である。
組立時、および保持部314、316がレンズ348の周りに近づけられるときに、円筒形壁部350はリブ330、334、338と接触して締まりばめする。保持部314、316を一緒に連結させる方向に十分に近づけると、レンズ348上にそれぞれの力を特定の方向に及ぼしながら、レンズサブチャンバ内の先端部分332、336、340は押しつぶされて変形する。さらに詳細には、保持部314、316が近づくと、リブ330、338の第一および第三の組の先端部分332、340は、力を中心軸線320に向かう半径方向でかつ内部方向にレンズ348上に向け、一方、リブ334の第二の組の先端部分336は、レンズ348上に中心軸線320に向かう半径方向でかつ内部方向に延びるベクトル要素および面取壁部346に向かう方向に関して中心軸線320に対し平行に延びるベクトル要素を有する力を向ける。
第三のチャンバ部分326内に配置されるリブ330、334、338の方向はレンズ348を適切に同心に案内するよう選択され、それにより、レンズ348の光軸は中心軸線320に対して平行であって中心軸線320と正確に同一線上にあるのが好ましい。保持部314、316は一緒に近づけられると、レンズ348の光軸はリブ330、334、338が必要とするように向きを変え、基準の中心軸線320と同一の位置にされる。リブ334はドーム形状外壁352を面取壁部346に完全に接触する位置に付勢される。リブ334はまた、レンズ348を壁部346上で会同させるのに十分な力をレンズ348上に及ぼして、光出口ポートの隣にある円筒形レンズ部分の平坦な背面を、一旦、保持部314、316が閉鎖されると、この背面が中心軸線に対して正確に垂直になるような向きに変える。リブ330、338は、保持部314、316が閉鎖されるとレンズ348を横方向に変えるよう機能し、それにより、レンズ348の光軸は中心軸線320と同一線上になる。
保持部314、316が閉鎖されると、変形可能な先端部分332、336、340は、レンズ348の形状(および、あらゆる平面の凹凸部)に適合させるためにコールドフローを生じて、レンズ348を所定位置に固定する。そのような変形可能な先端部分332、336、340は(プラスチック製保持部314、316の他の領域と共に)、光学的アセンブリ300もしくは測定装置14が衝突もしくは振動するときの損傷からレンズ348を保護するようになる。
保持部314、316の第二のチャンバ部分324は光学フィルタ354を受容するようになっている。典型的な目的のために図10に示される光学フィルタ354は中心軸線を備えた円筒形の形状である。保持部314、316が閉鎖して一緒に連結される向きにされると、第二のチャンバ部分324内に配置されたリブ330の先端部分332と第二のチャンバ部分324内に配置されたリブ338の先端部分340は押しつぶされて変形し、フィルタ354を、フィルタの中心軸線がサブアセンブリ312の中心軸線320と同一線上になるような向きに付勢する。一旦、保持部314、316が完全に閉鎖されると、リブ330、338はフィルタ354の円筒形側壁と完全に係合して所定位置にフィルタ354を固定して保持する。
一緒に閉鎖されるときに保持部314、316は平滑な円筒形外面を表し、この外面は、サブアセンブリ312を受容するブロック302の穴の内径とほぼ等しいか同一であるのが好ましい直径を有する。一緒に組み立てられるときに保持部314、316によって表される円筒形外面は、ブロック302とサブアセンブリ312との間のわずかな締まりばめを確立するために、サブアセンブリ312を受容する、ブロック302内の穴よりもわずかに大きいのがさらに好ましい。一旦、サブアセンブリ312が穴内に受容されると、保持部314、316は、接着剤、締め付け具などを必要とすることなく一緒に組み立てられたままとなる。しかしながら、あるいは、保持部314、316をブロック内に一緒に保持するために、接着剤もしくは機械的締め付け具を設けることもできる。
各保持部314、316は一体的に成型されて、比較的柔らかい変形可能なプラスチック材料、例えばABSポリマーもしくはABSポリマーの配合物およびポリカーボネートなどから形成されるのが好ましい。適切なABSポリマーの例としてはタイタラック(Taitalac)の番号8540HのABSポリマーである。この材料は制限されたコールドフローを有していて光学的構成要素を所定位置で固定して保持するのに十分な弾性を有するのが好ましい。
任意に、先端部分332、336、340あるいはリブ330、334、338全体は、保持部314、316の残りの部分のプラスチック製材料の弾性係数よりも高い弾性係数を有するプラスチック製材料から形成される。例えば、挿入用成型品を、保持部314、316の材料の残りの部分とは異なる材料から形成される先端部分332、336、340を設けるよう使用することができる。あらゆる場合に、先端部分332、336、340および/またはリブ330、334、338の全体の材料は、温度の変動の繰り返しサイクルの後でさえ各先端部分332、336、340が完全に係合してレンズ348および/またはフィルタ354上で力を保つよう選択される。保持部314、316は、種々のサブアセンブリ304から312のレンズ348とフィルタ354との温度がブロック302の温度の変動のときでさえほぼ同一であることを保証するために、ブロック302の材料の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する材料から形成されるのが好ましい。
励起用光学系サブアセンブリ310、311は、光学フィルタを備えていることを除けば励起用光学系サブアセンブリ312と同一である。特に、励起用光学系サブアセンブリ312の光学フィルタ354は、全径が0.25インチ(6mm)であって長さが0.145インチから0.175インチ(3.6mmから4.4mm)であり、この光学フィルタは、中心波長398ナノメートルの通過帯域(pass band)を有していて、385ナノメートルと410ナノメートルとの波長においてピーク値(peak transmission)の50%を透過させる。励起用光学系サブアセンブリ311用の光学フィルタは、励起用光学系サブアセンブリ311用の光学フィルタが、中心波長413ナノメートルの通過帯域を有していて、400ナノメートルと425ナノメートルとの波長においてピーク値の50%を透過させることを除けば光学フィルタ354と同一である。励起用光学系サブアセンブリ310用の光学フィルタは、励起用光学系サブアセンブリ310用の光学フィルタが、中心波長475ナノメートルの通過帯域を有していて、460ナノメートルと490ナノメートルとの波長においてピーク値の50%を透過させることを除けば光学フィルタ354と同一である。励起用光学系サブアセンブリ310、311の他の態様は、励起用光学系サブアセンブリ312と同一であって、これら励起用光学系サブアセンブリ310、311を詳細に説明する必要はない。
しかしながら、光学系サブアセンブリ304から309は、放射用光学系サブアセンブリであって、図16の分解図に示す光学系サブアセンブリ304を参照することで理解されるように、これら光学系サブアセンブリ304から309は励起用光学系サブアセンブリ310から312とはいくぶん異なる。光学系サブアセンブリ304は二つの保持部314a、316aを有しており、これら保持部314a、316aは後述する相違点を除けば保持部314、316と本質的に類似している。保持部314aは図20と図21とにのみ示されている。保持部314aと保持部316aとは同一であって、実際には保持部314aを詳細に説明することで保持部316aも十分に説明されることになる。保持部314aは、第一のチャンバ部分322aと第二のチャンバ部分324aと第三のチャンバ部分326aと第四のチャンバ部分328aと第五のチャンバ部分329aとを形成する内壁部を有する。保持部314aと保持部316aとが一緒に連結されると、第一のチャンバ部分322aは円筒形状の光入口ポートを表し、第四のチャンバ部分328aは円筒形状の光出口ポートを表す。さらに、保持部314a、316aが閉鎖されると、第二のチャンバ部分324aは、励起用光学系サブアセンブリ312のフィルタサブチャンバと類似な、光学フィルタ354を受容する円筒形状のフィルタサブチャンバを表し、第三のチャンバ部分326aは、励起用光学系サブアセンブリ312のレンズサブチャンバと類似な、光学レンズ348aを受容する第一のレンズサブチャンバを表す。保持部314a、316aが閉鎖されると、第五のチャンバ部分329aは、光学系サブアセンブリ304の第一のレンズサブチャンバと類似な、光学レンズ349aを受容する第二のレンズサブチャンバを表すが、第二のレンズサブチャンバは、光学系サブアセンブリ304の中心基準軸線に関して、第一のレンズサブチャンバの向きから180度の反対方向を向いている。
保持部314aは、リブ330a、334a、338aの第一、第二、および第三の組を有しており、これらリブの各組は、励起用光学系サブアセンブリ312のリブ330の第一の組、リブ334の第二の組、リブ338の第三の組とそれぞれ同一であるのが好ましい。結果として、保持部314a、316aが閉鎖されると、リブ330a、334a、338aは、一旦、組み立てられると、レンズ348a、349aの光軸とフィルタ354aの中心軸線とを平行に整列させ、好ましくは光学系サブアセンブリ304の中心軸線と同一線上に整列させる必要があるときに、レンズ348a、349aおよびフィルタ354aの向きを変えるよう機能する。各保持部314a、316aは、二つのペグと二つの嵌合用穴とを有しており、これらペグとこれら嵌合用穴とは保持部314、316のペグおよび穴と同様である。しかしながら、保持部314、316のうちの一方が保持部314a、316aのうちの一方に偶然に連結される可能性を少なくするために、各保持部314a、316aの各側のペグと穴とは、保持部314、316のペグ342と穴344との間の距離とはいくぶん異なる距離だけ中心軸線320に対して平行方向に互いに離間されるのが好ましい。
放射用光学系サブアセンブリ305から309のそれぞれは、光学フィルタを除けば放射用光学系サブアセンブリ304と同一である。明確には、放射用光学系サブアセンブリ304の光学フィルタ354aおよび放射用光学系サブアセンブリ305、307用の光学フィルタは、これら放射用光学系サブアセンブリ304、305、307用の各フィルタが、550ナノメートルの中心波長を有していて、515ナノメートルと585ナノメートルの波長においてピーク値の50%を透過させることを除けば前述されるフィルタ354と同一である。光学系サブアセンブリ306は、光学系サブアセンブリ306用の光学フィルタが、中心波長485ナノメートルの通過帯域を有していて、450ナノメートルと520ナノメートルとの波長においてピーク値の50%を透過させることを除けばフィルタ354と同一である光学フィルタを有する。光学系サブアセンブリ308、309用の光学フィルタは、光学系サブアセンブリ308、309用の光学フィルタが、中心波長500ナノメートルの通過帯域を有していて、465ナノメートルと535ナノメートルとの波長においてピーク値の50%を透過させることを除けばフィルタ354と同一である。放射用光学系サブアセンブリ304のレンズ348a、349aおよびサブアセンブリ305から309の対応するレンズのそれぞれは、前述したレンズ348と同一である。
保持部314、314a、316、316aは、これら保持部がレンズ348、348a、349aとフィルタ354、354aとを適切に整列させて固定するだけでなく、さらに詳細に後述するような発光ダイオードおよびフォトダイオードを受容する組み込み式開口部を表すので、重要な利点を提供する。さらに、保持部314、314a、316、316aは、隣接した光学系開口部に適した寸法の、成形された組み込み式光入口ポートと光出口ポートとを提供する。保持部314、314a、316、316aは、他の光学系アセンブリにおいて一般的であるようなガスケットもしくはワッシャを必要とすることのない種々の構成要素の、高価でないが単純かつ効果的な製造手段とアセンブリとを提供する(例えば、一般的な光学系アセンブリにおいては、レンズ、フィルタ、およびワッシャなどは、単一部材のハウジングからなる円筒状チャンバ内に結果とし外される)。
当業者であれば、嵌合する保持部と光学系ブロックとからなる思想を、他の光学系アセンブリ、例えば双眼鏡、望遠鏡などにも使用できることを理解するであろう。さらに、有用なアセンブリに、レンズおよび/または光学フィルタを所定の位置に、および一方の保持部と一体的に成型することによって提供することができる。あるいは、保持部を、例えば双眼鏡においてしばしば形成されるように、光軸が折り返るかもしくは偏らせて製造することもできる。アセンブリが、ブロックと保持部との間で迅速な熱伝達が要求される適用例(例えば、光学系構成要素が加熱されるアセンブリ)において使用されるべきである場合には、保持部をプラスチック以外の材料から形成してもよく、かつ熱を注封する構成要素を保持部とブロックとの間に配置してもよい。
詳細に前述されるような光学系アセンブリ300が現在、望まれているが、別の光学系アセンブリを、ブロック302を取り除くことによって、および保持部を一緒に固定するための、要求される場合には集合物として一緒に半アセンブリを保持するための他の構造物を設けることによって、組み立ててもよい。例えば、リングもしくはスナップ作用のクリップを保持部の各対を固定するように組み立ててもよく、枠組み、グリッド、ストラップもしくは他の構造物を、組み立てられた保持部の対を他の組み立てられた保持部の対に固定するために設けても良い。任意に、隣接した保持部の対の間で平坦な面接触を確立してエアギャップを回避することが要求される実施例(例えば、熱の伝達を促進させることが望まれるような場合)においては、組み立てられた保持部の各対の形状を、円筒形ではない形状、例えば六角形、正方形、長方形、もしくは三角形にしてもよい。他の選択物としては、各保持部には、サブアセンブリの他の保持部と連動するかもしくは他のサブアセンブリの保持部と連動する構造物(例えば、スナップ作用のペグまたはタブ、もしくはほぞ穴とほぞとの構成)を設けてもよい。
追加的なオプションとして、多数の異なるサブアセンブリ用の多数の保持部を、別な方法で別個に扱うことのできる部品の数を少なくするために、並行関係に一体的に配列体として一緒に成型してもよく、この配列体を、光学系構成要素が各サブアセンブリのチャンバ内の所定の位置に置かれた後に、同様な配列体に連結させてもよい。例えば、図16内の保持部316と類似な三つの保持部を一体的に成型して、図16の保持部314と類似の三つの保持部を(各保持部314は各保持部316と同一である、前述したような選択物と共に)組み立てることができる。さらに、一つの列をなす保持部の背面を、一つの光学系アセンブリ内の部品の数をさらに減らすために、隣接した列の保持部の背面と一体的に成型できる。さらに、そのような保持部の組み立てられた対は、前述したような円筒形以外の形状、例えば六角形、正方形、長方形、三角形などの形状にすることもできる。
測定装置14はまた、電気光学系サブアセンブリ402とプリント回路基盤サブアセンブリ404とを有する電気的アセンブリ400(図9)も有しており、プリント回路基盤サブアセンブリ404は、プリント回路基盤支持体とこの支持体上に取り付けられた種々の電気的構成要素とを有する。電気光学系サブアセンブリ402は、六つの楕円形状凹部408を有する結合板406(図22)を有しており、この楕円形状凹部408は二列に配置され、各列には三つの楕円形状凹部408が配置される。結合板406はまた、三つの円形凹部410も有しており、これら円形凹部410は単一の列に配置され、かつ楕円形状凹部と共に縦に整列され、それにより、凹部408、410は、九つの凹部からなる配列体を形成し、三つの列のそれぞれは三つの凹部を有するようになる。
結合板406の少なくとも一部分は、エラストマー材料から形成されるのが好ましい。一つの例として、結合板406は、弾性材料、例えばポリウレタン、シリコーン(silicone)などで被覆されるか部分的に被覆されるアルミニウム製支持体を有しうる。任意に、基材は、凹部408、410に対応する凹部を示しており、エラストマー材料の層は各凹部に受容される。任意に、エラストマー材料は、金属製支持体の四つの縁部を通って広がり、光学系アセンブリ300から離れて対面する金属製支持体の平坦な背面の全範囲を被覆する。エラストマー材料は電気的に非導電性でありかつ、電気的リードが設けられた金属製支持体内の穴よりもいくぶん小さくて、これら穴と共に整列された穴を有する。実際には、リードはアルミニウム製支持体と接触しないで保持される。
電気光学系サブアセンブリ402は、三つの発光ダイオードすなわち「LED」412(図8および図10)を有しており、これら発光ダイオードのそれぞれは、円形凹部410のそれぞれ一つに完全に受容される円形ベース部を有する。各LED412はドーム形状部分も有しており、このドーム形状部分は、サブアセンブリ310から312の各保持部の第一のチャンバ部分により提供された光入口ポート内に完全かつ補充的に受容される。サブアセンブリ310から312の保持部は、対応するLEDの円形ベース部の残りの部分を受容する円形腔(図17および図18の円形腔323)も有する。適切なLEDの一例は、窒化ガリウム(gallium nitride)製LED、例えばニチア(Nichia)からの部品番号NLPB−500、もしくは別のレーザダイオードである。
電気光学系サブアセンブリ402は六つの固体の光センサもしくはフォトダイオード414も有しており、これら光センサもしくはフォトダイオード414のそれぞれは、楕円形状凹部408のそれぞれ一つ内に、その一部が完全に受容される本体を有する。フォトダイオード414は、シリコーン製フォトダイオードでもアバランシェ(avalanche)ダイオードでもよい。適切なシリコーン製フォトダイオードの一例は、ハママツ(Hamamatsu)からの製品番号S1133−14のフォトダイオードである。LED412およびフォトダイオード414のそれぞれは、結合板406の各穴を通って、特に前述した金属製支持体およびエラストマー材料の穴を通って延びる一対のリードを有する。
一対の機械ネジ416(図10)が、プリント回路基盤支持体の折返し部分と、結合板406の各穴418(図22)と、ブロック302の各穴420(図16)とを通って延びて、光ファイバ端子ブロックの端板214の嵌合用貫通穴422(図14)を貫通する。ブロック302には、平行に整列されて突き出ている一対の突起部424が設けられて、これら突起部424は組立作用を容易にするために挿入板214の各穴(図14)内に受容されるのが好ましい。一旦、機械ネジ416が挿入板214に締め付けられると、結合板406の支持体上に広がる弾性材料は弾性層を提供し、この弾性層は、測定装置14が、生じうる物理的衝撃力を受けるときはいつでも、例えば測定装置が偶然に落下するときはいつでも、電気的アセンブリへの損傷を回避させる。
例えば図9に示すように、結合板406の周辺縁部は、光学系ブロック302およびプリント回路基盤サブアセンブリ404の隣接領域から外側に突出する。結合板406の周辺縁部は、ハウジング200の二つの部品からなる溝428内に受容される。溝428と結合する、結合板406の突出した周辺縁部は、光学系アセンブリ300と電気的アセンブリ400とに対して安定した取付支持部を提供する。結合板406の突出した周辺縁部はまた、プリント回路基盤サブアセンブリ404を取り囲むハウジング200の領域から、光学系アセンブリ300と光ファイバ端子ブロックアセンブリ210とを有する構成要素の残りの部分を取り囲むハウジング200内の領域まで流れる対流熱の熱量を少なくする役目を果たす。
プリント回路基板サブアセンブリ404は、電力、クロックタイミング及びリモートモニタ432(図24参照)からの指示信号を受けるコントローラ430(図23参照)を有している。柔軟な電気ケーブル434(図8参照)が、コントローラ430とモニタ432を機能的に接続する。しかしながら、あるいは、電気アセンブリ400が、ハウジング200内、又はそれに隣接して配置されたバッテリと、一束の光ファイバによって、又は例えば、無線周波数信号又は光学的振動数信号を供給する装置等の遠隔通信装置によって置き換えられた電気ケーブル434とによって動力を供給されても良い。
サブアセンブリ404のプリント回路板の基板は、図8から10に示すように、長方形の箱状の形態に折畳まれる。この箱状の形態は、基板上の電子部品が取付けられているスペースを取り囲む4つの側方部分と2つの端部分とを含んでいる。上記構造は、好ましいことに、電子部品のための電気シールドを提供し、部品を発光ダイオードから多少熱的に隔離する機能も果たす。
コントローラ430は、3つのドライバ436に電気的に接続され(接続は図示無し)、これら3つのドライバ436は、次いでそれぞれ対応する発光ダイオード412の1つに電気的に接続される。ドライバ436は、それぞれの発光ダイオード412を次々と、調和して、通電させる。
プリント回路基板サブアセンブリ404は、図15及び図23に示す3つのアナログ−デジタル変換器438、439、440を含んでいる。適合するアナログ−デジタル変換器は、バーブラウン(BURR-BROWN)のカタログナンバーDDC101である。図15に略図を示したように、変換器438は、光学系サブアセンブリ305、306と対応するフォトダイオード414に電気的に接続され、変換器439は、光学系サブアセンブリ307、308と対応するフォトダイオード414に電気的に接続され、変換器440は、光学系サブアセンブリ304、309と対応するダイオード414に電気的に接続される。更に、信号増幅器又はオペアンプ442(例えば、アナログデバイス(Analog Devices)のカタログナンバー(AD795等)が、サブアセンブリ309のフォトダイオード414と変換器439との間の電気導線に配置される。
使用において、コントローラ430は、モニタ432から所定の信号を受信すると、ドライバ436の1つへ信号を送り、次いで、発光ダイオード412の対応する1つに通電する。次いで、光は、その発光ダイオードから隣接するファイバブロックアセンブリ210の光ファイバを通って対応するセンサ28〜34へ進み、そこで吸収される。そして、センサは異なる波長で光を放射する。放射される光の量は、カセット12の流体チャンバ18内の分析物濃度(例えば、キャリブレーション流体又は血液)によって決定される。上記センサ28〜34から放射される光は、ファイバブロックアセンブリ210の他の光ファイバを通り、フォトダイオード414の1つへ送られる。このダイオード414へ電気的に接続されている変換器438〜440は、検出された光束の量を表すデジタル出力信号を発信する。コントローラ430は、予め選択した時間遅れ間隔に従って、適切な変換器438〜440から受信したデータを読取り、上記データをケーブル434を介してモニタ432へ送る。
各励起用光学系サブアセンブリ310〜312内の光学系フィルター354は、その通過帯域内の波長を有するほぼ全ての光を通過させ、その通過帯域内でない波長を有するほぼ全ての光を遮断するように機能する。各励起用光学系サブアセンブリ310〜312のレンズ348は、光学系フィルター354から放射される光を、隣接するファイバの光束の光学的有効口径に集中させる。
センサ28〜34から放射され、放射用光学系サブアセンブリ304〜309へ送られる光は、隣接するファイバの光束の光学的有効口径から対応するレンズ348aに進む。レンズ348aは、光を平行にし(colluminate)、光学的軸線に沿って、隣接する光学フィルター354aへ送るように機能する。次いで、第2レンズ349aが、光を、対応する、隣接するフォトダイオード414に集中する。フィルター354aは、通過帯域内の波長を有する殆どの光を通過させ、通過帯域から外れる波長を有するほぼ全ての光を遮断する。任意の所定の光学的経路に関して、フィルター354は、対応するセンサ28〜34において蛍光染料を励起する光の波長を選択し、ほぼ全ての他の光を遮断する。フィルター354aは、蛍光染料によって放射された光の波長を選択し、ほぼ全ての残りの光(任意の反射励起光を含む)を遮断する。
変換器438〜440は、フォトダイオード414から受信したアナログ信号をフォトダイオード414によって検出された光流の量を表すデジタルデータ群に変換する。このデジタルデータは、コントローラ430に転送され、コントローラ430は、順次、データをモニタ432へ送る。
図15は、サブアセンブリ310において受ける発光ダイオード412から放射される光が、センサ30、センサ32、及び穴部246に隣接する対照ディスク254に、同時に送られていることを示している。センサ30から放射される光は、サブアセンブリ305に隣接するフォトダイオード414によって検出され、変換器438によってデジタル信号に変換される。穴部246に隣接する対照ディスク254から放射される光は、サブアセンブリ307のフォトダイオード414によって検出され、変換器439によってデジタル信号に変換される。サブアセンブリ304に隣接するフォトダイオード414によって、センサ32から検出される光は、変換器440によってデジタルデータ群に変換される。3つの変換器438〜440からのデジタルデータ群は、コントローラ430によって受信され、モニタ432へ転送される。
多少類似した方法で、サブアセンブリ312で受ける発光ダイオード412から放射される光は、センサ34、及び穴部250に隣接する対照ディスク254へ送られる。センサ34から放射される光は、サブアセンブリ306に隣接するフォトダイオード414によって検出され、フォトダイオード414のアナログ出力は、変換器438によってデジタルデータ群に変換される。同時に、穴部250に隣接する対照(reference)ディスク254から放射される光は、サブアセンブリ308に隣接するフォトダイオード414によって検出され、このフォトダイオード414からのアナログ信号は、変換器439によってデジタルデータ群に変換される。
サブアセンブリ311に対応する発光ダイオード412が通電される場合、光は、センサ28、及び穴部248に隣接する対照ディスク254へ、同時に送られる。穴部248に隣接する対照ディスク254から放射される光は、サブアセンブリ308に隣接するフォトダイオード414によって検出され、このフォトダイオード414からのアナログ出力は、変換器439によってデジタルデータ群に変換される。センサ28から放射される光は、サブアセンブリ309に隣接するフォトダイオード414によって検出され、このフォトダイオード414のアナログ出力は、増幅器442によって増幅され、アナログ信号をデジタルデータ群に変換する変換器440へ送られる。
図15に示された配線略図は、たとえ4つのセンサ(即ち、センサ28〜34)と3つの対照ディスク254を使用した場合でも、使用する変換器438〜440を3つだけとすることを可能にし、又、使用する発光ダイオード412を3つだけとすることを可能にする。上記のタイムシェアリング又は「マルチプレクシング」構成は、電気アセンブリ400に必要とされる部品の数を節約し、又、ハウジング200が比較的小さくても良いようにスペースを節約する。更に、上記の構成は、そうでない場合にハウジング200内で発生する可能性のある熱の量を減少させる。
モニタ432の略示ブロック図を図24に示す。モニタ432はインターフェースカード450を含み、このインターフェースカード450は、電気サブアセンブリ404から引かれているケーブル434へ接続されている。このインターフェースカード450は、補助ボード452に電気的に接続され、順次、一次コントローラ又は「SBC」(シングルボードコンピュータ)454へ接続される。インターフェースカード450は又、発光ダイオード412へ電力を供給する。
SBCは、発光ダイオード412へのパルスの振幅と継続時間を制御する。SBC454は、メモリーカード456と、例えば発光ダイオードディスプレイ等のディスプレイ458へ接続される。ディスプレイ458のためのパワーインバータ460は又、SBC454に接続される。
モニタ432は又、ライン電圧源に接続される電源462を含んでいる。電源462は、充電器464に電気的に接続され、この充電器464は、バッテリ466を充電状態に維持する。電源462とバッテリ466は、パワーセレクター468へ接続される。モニタ432は、スイッチ470を含み、このスイッチ470は、閉じた場合に電力を3つのDC/DCコンバータ472へ送る。DC/DCコンバータ472とプリンタ474は、両方とも補助ボード452へ接続される。
図25は、好ましくは上述した測定装置14とカセット12を使用している心肺バイパス循環回路500の略示図である。循環回路500は、例えば心臓を開く手術等の手術を受けている患者504の静脈(好ましくは大静脈)と連通するように配置された入口を有する管の第1部分502を含んでいる。管502は又、静脈バッグリザーバ506へ接続される出口を有している。心臓切開リザーバ508は又、管の第2部分510によって静脈バッグリザーバ506へ接続される。
循環回路500は又、静脈バッグリザーバ506の出口に接続されている入口を有する管の第3部分512を含んでいる。管の第3部分512は、ぜん動ポンプ又は遠心ポンプ514へ接続される出口を有する。
ポンプ514は、管の第4部分516の入口に接続される出口を有している。管の第4部分516は、酸素付加装置518の入口へ接続される出口を有している。酸素付加装置518は管の第5部分520の入口へ接続される出口を有している。
管の第5部分520は、動脈フィルター522の入口に連通する出口を有している。動脈フィルター522の出口は、管の第6部分523の入口へ接続される。管の第6部分523は又、患者504の動脈(好ましくは大動脈)へ接続される出口を有している。
心肺バイパス回路500は又、シャント流路524を含んでいる。図25に図示した実施形態では、シャント流路524は、動脈フィルター522の出口へ接続されている入口を有する管の第6部分526を含んでいる。管の第6部分526は又、例えば図1〜7に示したカセット12のような血液パラメータ測定カセットの入口へ接続される出口を有している。一例として、管の第6部分526は、図5に示した管54と同一のものであっても良い。
シャント流路524は又、カセット12の出口に接続される入口を有する管の第7部分528を含んでいる。管の第7部分528は、随意に、図5に示した管84と同一のものである。管の第7部分528は又、サンプリングポート530の入口に接続される出口を有している。
シャント流路524は更に、サンプリングポート530の出口に接続される入口を有する管の第8部分532を含んでいる。管の第8部分532は、図25に示す実施形態の静脈バッグリザーバ506の入口に接続される出口を有している。図には示されていないが、シャント流路524は、随意に、管526、528、532を通る血液の通過を制限又は中断するバルブを含んでいても良い。
フレキシブル管502、510、512、516内と、心臓切開リザーバ508、静脈バッグリザーバ506、ポンプ514内の経路は、静脈流路を構成する。フレキシブル管520、523内と、動脈フィルター522内の経路は、動脈流路に相当する。シャント流路524の出口(即ち、図25に示した実施形態の管の第8部分532の出口)は、静脈流路上の幾つかの異なる位置の任意の位置に配置しても良く、例示する目的においてのみ、静脈バッグリザーバ506の入口部分に接続されるように示してある。好ましくは、シャント流路524の出口は、ポンプ514の上流側の静脈流路に配置され、血液が、補助ポンプの必要無く、シャント流路524を通って流れるようにする。
シャント流路524の入口(即ち、図25に示した実施形態の管の第6部分526の入口)は、好ましくは、動脈流路上の幾つかの異なる位置の任意の位置において動脈流路に連通して配置され、より好ましくは、図25に示したように、動脈フィルター522の出口へ接続される。しかしながら、あるいは、シャント流路524の入口は、静脈流路上に位置しても良く、好ましくは、ポンプ514の下流側に位置する。
図25に示した回路500では、シャント流路524は、動脈流路を通って流れる患者の血液の一部を迂回させ、その迂回させた部分を静脈流路へ戻す。有利には、センサ28〜34を有するカセット12のシャント流路524の部分への配置により、カセット12を動脈流路又は静脈流路に直列に配置する必要が無くなり、更に、必要であれば、血液を常にセンサ28〜34を通過して連続的に流すことを可能とする。更に、シャント流路524は、手術中に必要があれば、静脈流路や患者504へ向かう動脈流路を通る血液の流れを中断すること無く、静脈流路及び動脈流路へ接続すること、又は、これらとの接続を断つことが可能である。
比較してみると、従来の血液ガスモニタリング装置を有する心肺バイパス回路は、一般に、流液カセット又はセルを含んでおり、この流液カセット又はセルは、静脈流路又は動脈流路の中に配置され、セルを通過して流れる血液のパラメータを測定する1つ以上のセンサを有している。しかしながら、この流液セルは、静脈流路及び動脈流路に直列であるので、セルは、血液がバイパス回路を通される前に静脈流路又は動脈流路に接続されなければならず、ある場合には欠点となる。又、上記構成は、例えば、一つ以上のセンサに欠陥があった場合に、セルの交換の可能性を、実際上、排除する。
好ましくは、シャント流路524は、その血液の流れに垂直な基準平面において、静脈流路及び/又は動脈流路の、その血液の流れに垂直な基準平面における平均断面積よりも小さい平均断面積を有している。例えば、フレキシブル管526、528、532を含むシャント流路524は、内直径が0.125インチ(3.2mm)であっても良く、その一方、フレキシブル管502、512、516、520、523を含む静脈流路及び動脈流路は、平均内直径が、約0.25インチ(6.3mm)から約0.5インチ(12.7mm)の範囲であっても良い。シャント流路524のより小さな内部面積は、比較的小さな管の使用を可能にし、この比較的小さな管は、いつでも、静脈流路及び動脈流路を通る血液の流れを不適切に中断すること無く、静脈流路及び動脈流路へ容易に接続すること、又はこれらの経路から容易に接続を断つことが可能である。例えば、シャント流路524は、患者が、動脈流路及び静脈流路を取付けられ、用いられて、手術準備室から到着した後で、手術室においてシャント流路が必要になった時のように、血液が静脈流路又は動脈流路を通って流れ始めた後に、静脈流路又は動脈流路に接続されても良い。
更に、シャント流路524は、サンプリングポート530がカセット12に近接して配置可能であるという点で有利であり、サンプリングポート530から採取した血液サンプルが、カセット12及び測定装置14によって測定された血液の特性の測定値とより良く相関することを保証することを補助する。この構成は又、多くの従来の心肺バイパス回路の場合で必要となるサンプリングポートから血液サンプルを吸引するシリンジ又は他の装置を必要としない。
カセット12及び装置14は、心肺バイパスシャント以外の用途で使用されても良い。例えば、集中治療室や他のクリティカルケアの状況において、動脈−静脈シャント流路は、比較的小さな直径のフレキシブル管(例えば、外直径が0.125インチ(3.1mm)から0.19インチ(4.8mm))を動脈及び静脈に、従来のカニュレーション技術を用いて接続することによって構成することが可能である。そして、血液は、動脈と静脈の圧力差のために、管を通って流れる。管へ接続されたカセット12等のカセットが、血液の一つ以上のパラメータをモニタするために使用される。
有利には、測定装置14の長手方向の軸線と、特に、ハウジング200の長手方向の軸線とは、ほぼ平行であり、好ましくは、カセット12の流体チャンバ18を通って流れる血液の方向と平行である。上記の構成は、コンパクトなアセンブリを提供し、更に、凝結を促す可能性のある渦やその他の血流の乱れが発生する可能性を減少させる。この平行な構成は、特に、カセット12と測定装置14が患者の身体の付近に配置される場合に有用である。
図26は、本発明の他の実施形態による心肺バイパス回路500aの略示図である。図25、26において、同じ番号で識別されたエレメントは同じものであり、それ故、これらのエレメントの詳細な説明は繰り返す必要はない。しかしながら、図26の心肺バイパス回路500aは、シャント流路524とは多少異なるシャント流路524aを有している。
より詳細には、シャント流路524aは、管の第6部分526aを含んでおり、この管の第6部分526aは、動脈フィルター522へ接続される入口と、サンプリングポート530aに接続される出口とを有している。シャント流路524aは又、管の第7部分528aを含んでおり、この管の第7部分528aは、サンプリングポート530aへ接続される入口と、カセット12に接続される出口とを有している。シャント流路524aの管の第8部分532aは、カセット12へ接続される入口と、心臓切開リザーバ508に接続される出口とを有している。
心肺バイパス回路500aは又、管の第9部分534aを含んでおり、この管の第9部分534aは、静脈バッグリザーバ506の入口に接続される入口と、サンプリングポート530aに接続される出口とを有している。ポンプ536aは、管の第9部分534a中に配置され、血液を静脈バッグリザーバ506から管の第9部分534aを通してサンプリングポート530aへ送る。
サンプリングポート530aは、管の第6部分526a又は管の第9部分534aの何れかからの血液の流れを選択的に中断するバルブを含んでいる。例えば、サンプリングポート530aのバルブが、管の第6部分526aを通り、カセット12へ行く血液の流れを可能とし、管の第9部分534aの血液の流れを中断するように調節され、カセット12のセンサ28〜34が動脈血のパラメータをモニタするために使用されるようにしても良い。あるいは、サンプリングポート530aのバルブが、管の第6部分526aを通る血液の流れを中断するようにし、管の第9部分534aを通り、カセット12へ行く血液の流れを可能とするように調節され、センサ28〜34が静脈血のパラメータをモニタするために使用されるようにしても良い。上記の構成は、使用者が、2つのカセット及び測定装置を必要とせずに、静脈血と動脈血両方のパラメータを選択的にモニタすることを可能にする。
本発明の他の実施形態が、図27に略示図で示されており、ここには、心肺バイパス回路500bが示されている。図25及び27に示した構成要素で同じ識別番号を有しているものは、同一のものであり、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返す必要はない。しかしながら、心肺バイパス回路500bは、本明細書で上述したシャント流路524、524aとは多少異なるシャント流路524bを含んでいる。
より詳細には、シャント流路524bは、管の第6部分526bを含んでおり、この管の第6部分526bは、動脈フィルター522の出口へ接続される入口と、カセット12への入口に接続される出口とを有している。シャント流路524bの管の第7部分528bは、カセット12の出口コネクタ62へ接続される入口と、サンプリングポート530bの入口へ接続される出口とを有している。シャント流路524bの管の第8部分532bは、サンプリングポート530bの出口へ接続される入口と、心臓切開リザーバ508に接続される出口とを有している。
更に、シャント流路524bは、管の第9部分534bを含んでおり、この管の第9部分534bは、静脈バッグリザーバ506の入口に接続される入口と、第2カセット12aの入口継手に接続される出口とを有している。随意に、第2カセット12aは第1カセット12と同一である。第2カセット12aは、管の第10部分538bの入口に接続される出口コネクタ(例えば図5に示したルアーコネクタ62等)を有している。管の第10部分538bは、サンプリングポート532bの入口に接続される出口を有している。ポンプ536bは、管の第10部分538b中に配置され、血液を静脈バッグリザーバ506の入口からサンプリングポート530bへ送る。
図27に示した心肺バイパス回路500bは、使用者が、静脈流路と動脈流路の両方において同時に血液の特性をモニタすることを可能にする。図26、27にそれぞれ示した回路500a、500bの変形例として、管の第9部分534a、534bの入口が、管の第4部分516へ接続されても良く、このような場合には、ポンプ514によって供給される圧力は、好ましくは、ポンプ536a、536bを必要とせずに、管534a、534bを通して血液の流れを送るのに十分である。
シャント流路524a、524bは、シャント流路524のように、好ましくは、その血液の流れに垂直な基準平面において、血液の流れに垂直な基準平面で考えた場合の静脈流路又は動脈流路の何れの平均断面積よりも小さい平均断面積を有している。シャント流路524a、524bは、動脈流路及び静脈流路を通る血液の流れを中断すること無く、適宜に、それぞれ回路500a、500bへ取付けること、又は、これら回路から取り外すことが可能である。
本発明の他の実施形態のカセット12aについて図28〜図31に示す。カセット12aは、概括的に言うと、図28及び図29に単独で示すカセット本体15aと、図30に単独で示すカセットケーシング16aとを有する。本体15aは、血液のような流体中の一つ以上のパラメータを検出するのに適した一つ以上のセンサを取付けるための中央支持部材17aを有する。図28及び図29に示す実施形態では、支持部材17aは、上述したカセット12と共に説明したセンサ28〜34と同一の4個のセンサ28〜34を担持しているが、代わりにそれと異なるセンサ、あるいはそれより少数のセンサ又はそれより多数のセンサを設けうる点について理解すべきである。
カセット本体15aのセンサ28〜34は、縁部40aにより包囲された長円形凹部26a内に配置されている。図28に示すようにキー42aが縁部40aの側壁と一体的に結合されている。必要な時に測定装置14の突起216に対し着脱可能に連結するため、凹部26a、縁部40a及びキー42aの構成は、上述した凹部26、縁部40及びキー42の構成と同様にされている。
カセット本体15aは、測定装置14の雌形カップリング202と着脱可能に連結するための雄形カップリング44aを更に有する。カップリング44aは、4個のセンサ28〜34の中心を通る軸線に垂直な基準面において、凹状であってほぼU形状になっている。カップリング44aは、縁部40aの外側延長部分に対し反対方向であって本体15aから外側に延びている対向脚部46aを有する。各脚部46aは、カップリング202と接触するのに適した外側表面47aを同一平面上に備えた3個の支持部分を有する。好適には、対向脚部46aの外側表面47aは、本体15aに近づくにつれて互いに近づいており、互いに対して約28°から約32°の角度をなす基準面に沿って延びている。より好適には、外側表面47aは、互いに対して約30°の角度をなす基準面に沿って延びている。
各脚部46aの外側端部にはフランジ48aが一体的に結合されている。フランジ48aは4個のセンサ28〜34の中心を通って延びている上述した軸線に平行な共通面内に横設されている。脚部46aは多少柔軟になっており、指により圧力を受けると互いの側に少し移動可能であるが、指による圧力が除去されると図面に示す元来の通常の配置に繰り返し迅速に戻るように形状が記憶されている。
各脚部46aの外側中央領域には楔形タブ50aが一体的に結合されている。このタブ50aは互いに反対側に延びており、互いに対し約80°の角度をなす基準面に沿って各脚部46aから外側に延びている。更に、各タブ50aの末端縁部は、フランジ48aの延長方向に対し25°の角度をなす基準面内に延びている。タブ50aの最も外側の縁部は、隣接する各脚部46aの領域から外側に間隔をあけられており、本体15aとフランジ48aを含む上述した基準面との間の共通基準面内に横設されている。
更に、各脚部46aは本体15aとタブ50aとの間に配置された2個の長方形の開口49aを有し、開口49aは、好適には本体15aに隣接して配置されている。更に、カセット本体15aは図31のみに示すOリング51aを収容するために図29に示すような溝51aを有する。
図30に単独で示すカセットケーシング16aは、チャンバ18aを画定する壁と、血液のような流体をチャンバ18aまで通すための入口53aと、流体をチャンバ18aから排出させるための出口55aとを有する。ケーシング16aは、壁61aにより包囲されると共にチャンバ18a内まで延びている側部開口19aを有する。ケーシング16aは、チャンバ18aから反対方向に外側に延びている一対の細長い翼部57aを有する。それぞれが楔形状であって突出している2個のスナップ又は耳部59aが、チャンバ18aの隣の位置において各翼部57aに結合されている。
翼部57aは多少柔軟にされており、指による圧力の下で互いの方に少し移動可能であるが、指による圧力が除去されると図面に示す元来の通常の配置に迅速に繰り返し戻るように形状が記憶されている。好適には、カセット本体15a及びカセットケーシング16aのそれぞれは、比較的透明な医療用グレードポリカーボネートのようなプラスチック材料の最初に別個となっている部材として射出成形される。
ケーシング翼部57aの耳部59aとカセット本体15aの開口49aとは、本体15aに対しケーシング16aを着脱可能に連結するためのコネクタを構成する。図31は本体15a及びケーシング16aが共に連結された状態を示しており、その状態において、各耳部59aは本体15aに対しケーシング16aを確実に連結するために各開口49a内に収容されている。ケーシング16aが本体15aに対しそのように結合されている時、Oリング51a(図31)は、開口19aを閉鎖すると共に本体15aとケーシング16aとの間に漏れのない流体シールを形成するためにケーシング16aの壁61a(図30)と係合する。
好適には、ケーシング16aが本体15aに連結される時、楔形状の耳部59aは、耳部59aが脚部46aの内側表面を横切って摺動するときに各翼部57aを互いの方に内側に向けるカムとして機能する。例えば、ユーザーは流体チャンバ18aに隣接するケーシング16aを押動することにより本体15aに対しケーシング16aを確実に連結可能であり、ユーザーはそれと同時に翼部57aを変形させなくてもよい。耳部59aの外側縁部が開口49aの外側を越えるまで移動されると、翼部57a固有の弾性により、耳部59aは開口49a内に適切にスナップフィットされる。しかしながら、必要な場合には、例えば耳部59aの外側縁部が開口49aを通過し、次いでケーシング16aが本体15aから移動するまで、翼部57aを互いの方に押動することによりケーシング16aを本体15aから外すことも可能である。
図31も上述した測定装置14の雌形カップリング202にカセット12aを結合した状態を示す。カセット12aが測定装置14の方に移動されると、タブ50aはカップリング202の各溝208内に嵌入する。この場合、タブ50aの機能及び作用はタブ50の機能及び作用と同様であり、カセット12aはタブ50aがスナップ式に結合することにより測定装置14に対し着脱可能に連結される。測定装置14からカセット12aを外す必要があるとき、タブ50aが溝208を通過するまで指圧によりフランジ48aが互いの方に内側に移動されると、雌形カップリング202からカセット12aを取り外すことが可能になる。
他の点において、カセット12aの構成及び機能はカセット12の構成及び機能と同様である。例えばカセット12aは、キャリブレーションのために使用され、必要な場合には血液のパラメータを監視するために使用可能である。他の例として、好適には、チャンバ18aを画定するカセット12aの内側壁に、ヘパリンのコーティングのような親水性表面が設けられる。更に好適にはチャンバ18aは上述した部分20、22、24及び25と同様のチャンバ部分を有する。
更に、可撓性の管と連結するために様々な継手及びコネクタを入口53a及び出口55aに連結可能である。あるいは、キャップ56のようなキャップを出口ポート55aに結合可能であり、フィルタアセンブリ66と同様のガスフィルタアセンブリを入口53aに連結可能である。そのようなアセンブリにより、ユーザーはカセット12について上述した方法と同様の方法でセンサ28〜34のキャリブレーションを行うことができる。
カセットケーシング16aの内径は比較的小さく、キャリブレーションの期間中、カセットケーシング16aが使用される。更に、カセット12aが図25〜図27に示した分流路524、524a、524bのような分流路の一部を形成するとき、ケーシング16aを使用することも可能である。他のカセットケーシング16aを図32及び図33に示す。このカセットケーシング16aは、動脈管又は静脈管内における流れを検出するための流液セル(flow-through cell)としてカセット12aを使用すべき場合に有益である。例えば、ケーシング16bは、0.5インチ(12.5mm)の公称内径を有する可撓性管を収容するのに適した入口53b及び出口55bを有することが可能である。
ケーシング16bは長円形開口19bの対向側部に沿って対に配置された4個の楔形状のスナップ又は耳部59bを有する。耳部59bの立体的形状は、上述した耳部59aの立体的形状と同様であり、耳部59bは、ケーシング16bが本体15aに結合される時にカセット本体15aの開口49a内にスナップ式に嵌入するのに適している。しかしながら、耳部59bが翼部59aのような翼部に連結されない場合、耳部59bは実質的に動かないように本体15aに対しケーシング16bを結合する役目を果たし、それゆえ、共に結合されると、ケーシング16bを本体15aから迅速に外すことはできない。
ケーシング16bは側部開口19bを備えた内部流体チャンバ18bを有する。開口19bを横切って長円形膜61bが延びており、長円形膜61bは長円形ランド部63bに接合されている。膜61bとは超音波溶接又は接着結合によりランド部63bに結合される。膜61bは、例えば0.005インチ(0.12mm)のトラックエンチングがなされた(track-etched)ポリカーボネートのような一連の小さい穴を有する材料により形成される。
膜61bの他に、カセットケーシング16bは、図33に示すような第一部材65b及び第二部材67bの最初に別個になっている二つの部材を使用して形成される。第一部材65b及び第二部材67bは、例えば超音波溶接又は接着結合を使用して共に接合される。
図34は測定装置14のケーシング16b、本体15a及び雌形カップリング202の端部の断面図である。図34に示すように、センサ28〜34付近において流体チャンバ18bはほぼ長円形であり、その効果として、脚部46aの範囲内にやや大きいチャンバ領域を設けることができる。図34に示す流体チャンバ18bのほぼ長円形の部分の断面積は、入口53b及び出口55bの円形の断面積とほぼ等しくされ、好適には等しくされる。更に、流体チャンバ18bを画定する壁部分は、好適には、円形断面の領域と中間のほぼ長円形の領域との間が円滑に移り変わっており、チャンバ18bを通る血液の流れが不適切に乱れるのが阻止される。
図35及び図36はケーシング16bと共に使用するのに適したキャップ69bを示している。キャップ69bは、例えばケーシング16bが本体15bに結合される前に膜61bを越えて延びて膜61bを保護するのに適した中央のほぼ長円形の膜71bを有する。好適には、膜71bの形状はケーシング16bに固定される膜61bの形状と相補形状になっている。キャップ69bは、膜61b上を溶接密閉するためにケーシング16bとシール係合するOリング(図示せず)を担持する溝73bを更に有する。
キャップ69は一対の可撓性翼部75bを有し、各翼部は図35に示すような一対の長方形開口77bを有する。キャップ69bがケーシング16b上に押しつけられると、翼部75bが楔形状の耳部59bと係合し、互いに離れる方向に外側に向く。耳部59bが各開口75bに隣接する位置まで移動されると、翼部75b固有の弾性により、翼部75bは図35及び図36に示す通常の配置まで自然に戻り、ケーシング16bに対しキャップ69bが確実に結合される。必要な場合には、耳部59bが開口77bを通過すると共にケーシング16bからキャップ69bが離れるまで互いの方向に翼部75bを押圧することにより、キャップ69bはケーシング16bから容易に取り外し可能である。
図37及び図38は例として本体15aと共に使用するための二つの他のケーシングを示している。図37において、例えばケーシング16cは、カセット本体15aと共に流体チャンバ18cを画定する第一部材65c及び第二部材67cを有する。流体チャンバ18cは全周に沿ってほぼ円形の断面を有する。例えばチャンバ18cの断面積が図34に示すチャンバ18bの断面積よりも小さい場合、チャンバ18cの長円形の中間部分が必要なくなる。他の点では、ケーシング16cはケーシング16bと同様である。例えばケーシング16cは膜61bと同様の膜を有する。
カセット12aの使用例として、好適には本体15aはケーシング16aに連結され、次いでそのように共に連結された状態でユーザーまで送られる。更に、アセンブリ66(例えば図5)のようなガスフィルタアセンブリが、継手56及びキャップ78(例えば図6)のような継手及びキャップと共にカセット12aに結合される。次いでユーザーは、ガスフィルタアセンブリをキャリブレーションガス源に接続し、キャップを緩める。その結果、キャリブレーションガスが、カセット12のキャリブレーションガスについて上述したように流体チャンバ18aを通される。
キャリブレーションが終了すると、互いの方に翼部57aを付勢することによりケーシング16aが本体15aから取り外される。そのとき、好適には本体15aは測定装置14のカップリング202に結合されたままである。次いで選ばれたケーシング16b又は16cからキャップ69bが取り外される。例えばカセット12aが0.5インチ(12.5mm)の公称内径を有する長い管の動脈管又は静脈管について使用される場合、ケーシング16bは図34に示すように本体15aに結合される。この処理が終了すると、ケーシング16bと共に本体15aがカップリング202から取り外され、捨てられる。一方、カセット12aが小さい管に使用される場合、ケーシング16cは図37に示すように本体15aに連結される。
好適には膜61bにより、本体15aがケーシング16bに連結される前に、ユーザーは動脈管又は静脈管にケーシング16bを結合することができる。それゆえ、監視を開始するために、血液の流れを妨害することなく動脈管及び静脈管に沿って流体を流すのにケーシング16bを使用可能である。
図38に示すカセットアセンブリは上述した本体15aを有するが、この例では本体15aは、膜61bと同様の膜を除き好適には単一の構成要素となっているケーシング16bに連結される。図38に示すカセット12aの流体チャンバ18dの断面積は、図31に示した流体チャンバ18aの断面積とほぼ同様であり、例えば図38にケーシング16dと共に示すカセット12aは、好適には図25〜図27に示す流路524のような分流路と共に使用するのに適している。ケーシング16dは、例えば製造業者がキャリブレーション及び血液の監視の両方を行うのに使用される単一のユニットを積み出ししようとする場合に有益であり、使用中に本体15aがケーシング16dから外れる可能性を低減するために(図31の翼部57aのような)翼部を欠いている。他の点では、ケーシング16dは、ケーシング16b、16cと同様であり、特にはケーシング16dを本体15aに連結するための耳部59bと同様の耳部を有する。更に必要な場合には搬送用キャップ69bがケーシング16c、16dと共に使用可能である。

Claims (24)

  1. 直立方向に延伸する長手軸線を有し、ガス入口ポートを有する下側部分(20)と、ガス出口ポートを有する上側部分(22)と、下側部分(20)と上側部分(22)の間に位置する中間部分(24)を含む流体チャンバ(18)、を有するケーシング(16)と、
    チャンバ(18)の中間部分(24)に近接してケーシング(16)に接続された、チャンバ(18)内のガスの分圧を検出するための少なくとも一つのセンサ(28、30、32、34)とを具備し、
    チャンバ(18)が中間部分(24)と上側部分(22)の間に配設された拡張領域(25)を含み、拡張領域(25)は液体を通過するガスの泡の破裂を容易にするために、長手軸線に垂直な平面に関して中間部分の面積よりも大きな面積を有している、
    ことを特徴とするトノメトリックキャリブレーション用カセット(12)。
  2. 中間部分(24)が親水性表面を有することを特徴とする請求項1記載のカセット(12)。
  3. 親水性表面がヘパリンのコーティングから成ることを特徴とする請求項2記載のカセット(12)。
  4. ガス入口ポートに接続された細長いスパージャー管(72)を含むことを特徴とする請求項1記載のカセット(12)。
  5. スパージャー管(72)がポリエーテルエステルケトンから成ることを特徴とする請求項4記載のカセット(12)。
  6. ガス出口ポートに結合された継手(56)を含み、継手(56)がケーシング(16)に外れないように取り付けられガス出口ポートを閉じるための第一の位置とガス出口ポートを開くための第二の位置の間を移動可能であることを特徴とする請求項1記載のカセット(12)。
  7. ケーシング(16)に接続されたガス入口ポートを通過するガスを濾過するためのフィルタ(66)を含むことを特徴とする請求項1記載のカセット(12)。
  8. 直立方向に延伸する長手軸線を有し、ガス入口ポートを有する下側部分(20)と、ガス出口ポートを有する上側部分(22)と、下側部分(20)と上側部分(22)の間に位置する中間部分(24)を含む流体チャンバ(18)、を有するケーシング(16)と、
    チャンバ(18)の中間部分(24)に近接してケーシング(16)に接続された、チャンバ(18)内のガスの分圧を検出するための少なくとも一つのセンサ(28、30、32、34)とを具備し、
    中間部分(24)は、親水性の表面を有する壁部分を備え、壁部分を通り過ぎるガスの泡の通過を容易にしている、
    ことを特徴とする、トノメトリックキャリブレーション用カセット(12)。
  9. 親水性表面がコーティングから成ることを特徴とする請求項8記載のカセット(12)。
  10. コーティングがヘパリンから成ることことを特徴とする請求項9記載のカセット(12)。
  11. ガス入口ポートに接続された細長いスパージャー管(72)を含むことを特徴とする請求項8記載のカセット(12)。
  12. スパージャー管(72)がポリエーテルエステルケトンから成ることを特徴とする請求項11記載のカセット(12)。
  13. ケーシング(16)に外れないように取り付けられている継手(56)を含み、継手(56)はガス出口ポートを閉じるための第一の位置と、ガス出口ポートを開くための第二の位置の間で移動可能であることを特徴とする請求項8記載のカセット(12)。
  14. ケーシング(16)に接続されたガス入口ポートを通過するガスを濾過するためのフィルタ(66)を含むことを特徴とする請求項8記載のカセット(12)。
  15. 下側部分(20)も親水性表面を含むことを特徴とする請求項8記載のカセット(12)。
  16. 上側部分(22)も親水性表面を含むことを特徴とする請求項15記載のカセット(12)。
  17. 直立方向に延伸する長手軸線を有し、ガス入口ポートを有する下側部分(20)と、ガス出口ポートを有する上側部分(22)と、下側部分(20)と上側部分(22)の間に位置する中間部分(24)とを含む流体チャンバ(18)、を有するケーシング(16)と、
    チャンバ(18)の中間部分(24)に近接してケーシング(16)に接続された、チャンバ(18)内のガスの分圧を検出するための少なくとも一つのセンサ(28、30、32、34)と、
    ケーシング(16)に外れないように取り付けられ、ガス出口ポートを閉じるための第1の位置と、ガス出口ポートを開くための第2の位置の間で移動可能な継手(56)と、を具備する、
    ことを特徴とする、トノメトリックキャリブレーション用カセット(12)。
  18. ガス入口ポートに接続された細長いスパージャー管(72)を含むことを特徴とする請求項17記載のカセット(12)。
  19. スパージャー管(72)がポリエーテルエステルケトンから成ることを特徴とする請求項17記載のカセット(12)。
  20. 直立方向に延伸する長手軸線を有し、ガス入口ポートを有する下側部分(20)と、ガス出口ポートを有する上側部分(22)と、下側部分(20)と上側部分(22)の間に位置する中間部分(24)を含む流体チャンバ(18)と、を有するケーシング(16)と、
    チャンバ(18)の中間部分(24)に近接してケーシング(16)に接続された、チャンバ(18)内のガスの分圧を検出するための少なくとも一つのセンサ(28、30、32、34)と、
    チャンバ(18)の長手軸線に略平行な方向に延伸し、ガス入口ポートに接続されている、チャンバ(18)にガスを入れるための細長いスパージャー管(72)と、を具備する、
    ことを特徴とする、トノメトリックキャリブレーション用カセット(12)。
  21. スパージャー管(72)がチャンバ(18)の長手軸線と同一直線上にある長手軸線を有することを特徴とする請求項20記載のカセット(12)。
  22. チャンバ(18)が親水性表面を含むことを特徴とする請求項20記載のカセット(12)。
  23. 親水性表面がチャンバ(18)の下側部分(20)と中間部分(24)に沿って延伸していることを特徴とする請求項22記載のカセット(12)。
  24. ケーシング(16)に外れないように取り付けられ、ガス出口ポートを閉じるための第一の位置とガス出口ポートを開くための第二の位置の間で移動可能な継手(56)を含む、ことを特徴とする請求項20記載のカセット(12)。
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