JP3768001B2 - 外部接続リード板を備えた電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のエレクトロニクス機器等の外部機器の電源として使用される電池に係り、特に、その外部端子面に外部機器に接続するための外部接続リード板を備えて、この外部接続リード板を直接外部機器に溶接して使用される電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の各種のエレクトロニクス機器の普及に伴い、これらの機器中に組み込まれるICメモリーや時計回路などの停電時のバックアップ用電源として、コイン型や円筒型などの電池をプリント基板などに直接実装する方法が広く採用されている。この種の基板実装用の電池は、長期間に亘って安定した動作を行わせるために、電流取出し用の金属製リード板の一端部を電池の外部端子面にスポット溶接やレーザー溶接などにより直接溶接して取り付けられることが多い。また、金属製リード板の他端部はプリント基板の端子孔に挿入し、半田付けなどにより溶接して取り付けられることが多い。
【0003】
ところで、近年、環境問題が叫ばれるようになり、この環境問題の一環として電池をリサイクルする必要が生じ、プリント基板に実装された電池を取り外して廃棄するようになった。例えば、米国ミネソタ州の法律においては、二次電池を簡単に取り外せる構造にすることが義務づけられている。
【0004】
このような背景にあって、電池を簡単に取り外せる構造とする必要が生じたが、例えば、電池を電池ホルダーに取り付けるようにすれば簡単に取り外しができるようになるが、電池ホルダーを設けるようにするためには、電池ホルダー用のスペースが必要となる。しかしながら、電池ホルダー用のスペースを各種のエレクトロニクス機器に設けることは、近年のエレクトロニクス機器の小型・軽量化を達成するためには困難な課題である。
【0005】
このように、電池ホルダー用のスペースを各種のエレクトロニクス機器に設けることが困難な現状においては、手作業によりプリント基板などに実装された電池を取り外すようにしているが、上述したように、電池がプリント基板などに直接、半田付け等により溶接されていると、半田を溶かして取り外す必要があるため、作業性が著しく低下するとともに、手間もかかるという問題を生じた。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、上記の課題に対処するため、外部機器に接続するための外部接続リード板を手で簡単に取り外せる構造にすることを目的とするものである。
この目的を達成するため、本発明は、外部機器に接続するための外部接続用リード板をその外部端子面に設けた電池において、前記外部接続用リード板が、前記外部端子面に溶接される所定幅の水平部とこの水平部の一端にて直立して配置される立設部を有して、前記立設部が前記水平部と同一幅の広幅部と同広幅部より狭幅に形成されて前記外部機器に接続される狭幅部からなり、前記広幅部に設けた脆弱部が、前記広幅部の中心線上の上下方向に一対の頂点を有するとともに、同広幅部の中心線の左右方向に一対の頂点を有した菱形々状の開口部を同広幅部の中心に備え、この開口部の前記左右方向の一対の頂点に対向する頂点を有する一対の切欠部を前記広幅部の側部に設けて構成されたことを特徴とする外部接続リード板を備えた電池を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した電池においては、菱形々状の開口部と切欠部とで全体として広幅部の幅が狭くなると共に、幅の狭い部分が間隔をおいて形成されるようになるので、この外部接続リード板が固着された電池に捻り力を与えるようにすると、この電池を簡単に取り外すことができるようになる。
【0008】
なお、一対の切欠部の各頂点と開口部の中心線の左右方向に有する各頂点とのそれぞれの間の総幅を広幅部の幅の1/3程度にすることにより、この外部接続リード板の集電効率を低下させることなく、また、使用に耐えるだけの強度を備えて、この外部接続リード板が固着された電池に捻り力を与えるだけで、簡単に取り外すことができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の外部接続リード板を備えた電池の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、図1は本実施形態の負極用外部接続リード板を示す図であり、図1(a)は正面図を示し、図1(b)は上面図を示し、図1(c)は側面図を示す。また、図2は本実施形態の正極用外部接続リード板を示す図であり、図2(a)は側面図を示し、図2(b)は底面図を示し、図2(c)は正面図を示す。さらに、図3は図1の負極用外部接続リード板と図2の正極用外部接続リード板をコイン型電池に固着した状態を示す図であり、図3(a)は上面図を示し、図3(b)は左側面図を示し、図3(c)は正面図を示し、図3(d)は右側面図を示し、図3(e)は底面図を示す。
【0010】
負極用外部接続リード板10は、図1に示すように、電池30の負極端子面31(図3参照)に溶接される広幅の水平部11と、この水平部11より垂直に立設する立設部12とを備えている。立設部12は水平部11と同幅の広幅部13とこの広幅部13よりは狭幅の狭幅部14とを備え、この広幅部13には菱形状の開口部15と、広幅部13の左右側面に形成された一対の切欠部16,17とを備えている。
【0011】
ここで、開口部15は広幅部13の中心線上の上下方向に一対の頂点C,Dを有するとともに、中心線の左右方向に一対の頂点A,Bを有した菱形々状に形成されている。そして、菱形々状の頂点Aが切欠部16の頂点Eと対向するように切欠部16は形成されており、また、菱形々状の頂点Bが切欠部17の頂点Fと対向するように切欠部17は形成されている。
【0012】
そして、負極用外部接続リード板10はニッケル−銅合金により形成されており、厚みが0.1〜0.3mmで、水平部11および立設部12の広幅部13の幅が3mmで、立設部12の狭幅部14の幅が1.5mmとなるように形成している。そして、頂点Eと頂点Aとの間および頂点Bと頂点Fとの間のそれぞれの幅は0.5mmになるように形成されている。したがって、頂点E,A間および頂点B,F間の総幅(1mm)は広幅部13の幅(3mm)の1/3となる。
【0013】
このように、頂点E,A間および頂点B,F間の総幅(1mm)を広幅部13の幅(3mm)の1/3程度とすることにより、この頂点E,A間および頂点B,F間は脆弱部となり、この脆弱部を設けない場合は、例えば、6kgfの引っ張り強さを有するが、この脆弱部を設けることにより、引っ張り強さが3.0〜4.0kgfに低下する。しかしながら、このような脆弱部を設けても集電効率はほとんど低下しない。このように、頂点E,A間と頂点B,F間とを間隔を隔てて設けることにより、集電効率をほとんど低下させることはない。また、機械的強度を低下させても使用に耐えるだけの強度を備えることができるようになる。
【0014】
一方、正極用外部接続リード板20は、図2に示すように、電池30の正極端子面32(図3参照)に溶接される広幅の水平部21と、この水平部21より垂直に立設する立設部22とを備えている。立設部22は水平部21と同幅の広幅部23とこの広幅部23よりは狭幅の狭幅部24とを備え、広幅部23には菱形状の開口部25と、広幅部23の左右側面に形成された一対の切欠部26,27とを備えている。
【0015】
ここで、開口部25は広幅部23の中心線上の上下方向に一対の頂点I,Jを有するとともに、中心線の左右方向に一対の頂点G,Hを有した菱形々状に形成されている。そして、菱形々状の頂点Gが切欠部26の頂点Kと対向するように切欠部26は形成されており、また、菱形々状の頂点Hが切欠部27の頂点Lと対向するように切欠部27は形成されている。
【0016】
なお、正極用外部接続リード板20はニッケル−銅合金により形成されており、厚みが0.1〜0.3mmで、水平部21および立設部22の広幅部23の幅が3mmで、立設部22の狭幅部24の幅が2.5mmとなるように形成している。そして、頂点Kと頂点Gとの間および頂点Hと頂点Lとの間のそれぞれの幅は0.5mmになるように形成されている。したがって、頂点K,G間および頂点H,L間の総幅(1mm)は広幅部23の幅(3mm)の1/3となる。
【0017】
このように、頂点K,G間および頂点H,L間の総幅(1mm)を広幅部23の幅(3mm)の1/3程度とすることにより、この頂点K,G間および頂点H,L間は脆弱部となり、この脆弱部を設けない場合は、例えば、6kgfの引っ張り強さを有するが、この脆弱部を設けることにより、引っ張り強さが3.0〜4.0kgfに低下する。しかしながら、このような脆弱部を設けても集電効率はほとんど低下しない。このように、頂点K,G間と頂点H,L間とを間隔を隔てて設けることにより、集電効率をほとんど低下させることはない。また、機械的強度を低下させても使用に耐えるだけの強度を備えることができるようになる。
【0018】
ついで、上述した負極用外部接続リード板10と正極用外部接続リード板20を用い、これらの各リード板10,20を電池に取り付ける例を図3に基づいて説明する。なお、図3は、これらの各リード板10,20をコイン型電池30に溶接した状態を示している。
【0019】
コイン型電池30の上表面には負極端子31が形成されており、コイン型電池30の下表面には正極端子32が形成されている。このコイン型電池30の負極端子31の表面に負極用外部接続リード板10の水平部11をスポット溶接するとともに、コイン型電池30の正極端子32の表面に正極用外部接続リード板20の水平部21をスポット溶接することにより、外部接続リード板を備えた電池が作製される。
【0020】
上述したように、負極用外部接続リード板10の広幅部13においては、頂点E,A間と頂点B,F間とを間隔を隔てて設け、正極用外部接続リード板20の広幅部23においては、頂点K,G間と頂点H,L間とを間隔を隔てて設けているので、集電効率をほとんど低下させることはなく、かつ、機械的強度を低下させても使用に耐えるだけの強度を備えることができるようになる。
【0021】
なお、上述した実施形態においては、本発明の負極用外部接続リード板10および正極用外部接続リード板20をコイン型電池30に固着する例について説明したが、本発明の外部接続リード板は円筒型などの他の形状の電池においても適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の負極用外部接続リード板を示す図であり、図1(a)は正面図を示し、図1(b)は上面図を示し、図1(c)は側面図を示す。
【図2】 本発明の一実施形態の正極用外部接続リード板を示す図であり、図2(a)は側面図を示し、図2(b)は底面図を示し、図2(c)は正面図を示す。
【図3】 図1の負極用外部接続リード板と図2の正極用外部接続リード板をコイン型電池に固着した状態を示す図であり、図3(a)は上面図を示し、図3(b)は左側面図を示し、図3(c)は正面図を示し、図3(d)は右側面図を示し、図3(e)は底面図を示す。
【符号の説明】
10…負極用外部接続リード板、11…水平部、12…立設部、13…広幅部、14…狭幅部、15…菱形々状の開口部、16,17…切欠部、20…正極用外部接続リード板、21…水平部、22…立設部、23…広幅部、24…狭幅部、25…菱形々状の開口部、26,27…切欠部、A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L…頂点

Claims (2)

  1. 外部機器に接続するための外部接続用リード板をその外部端子面に設けた電池であって、
    前記外部接続用リード板が、前記外部端子面に溶接される所定幅の水平部とこの水平部の一端にて直立して配置される立設部を有して、
    前記立設部が前記水平部と同一幅の広幅部と同広幅部より狭幅に形成されて前記外部機器に接続される狭幅部からなり、
    前記広幅部に設けた脆弱部が、前記広幅部の中心線上の上下方向に一対の頂点を有するとともに、同広幅部の中心線の左右方向に一対の頂点を有した菱形々状の開口部を同広幅部の中心に備え、この開口部の前記左右方向の一対の頂点に対向する頂点を有する一対の切欠部を前記広幅部の側部に設けて構成されたことを特徴とする外部接続リード板を備えた電池。
  2. 前記一対の切欠部の各頂点と前記開口部の前記中心線の左右方向に有する各頂点とのそれぞれの間の総幅を前記広幅部の幅の1/3程度にしたことを特徴とする請求項1に記載の外部接続リード板を備えた電池。
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