JP3767867B2 - 高架照明車のブームと照明器との結合装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮ブーム先端に広域照明用の照明器を着脱自在に配設した移動式クレーン、いわゆる高架照明車における、ブームと照明器との結合装置及びその結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下部走行体の上方に鉛直方向の軸を中心に旋回可能な上部旋回体を備え、上部旋回体に起伏自在及び伸縮自在なブームを有する、いわゆる移動式クレーンにおいて、そのブーム先端に照明器を配設した広域照明用クレーンがある。この移動式クレーンは、照明設備が備えられてない球技場、競技場等のスポーツ施設、及び例えば催しを開催する野外広場等において、夜間照明のために所定の場所に設置され、ブームを自在に旋回、起伏及び伸縮して所望の照明範囲、照明角度及び照度等を得るようにするものである。この移動式クレーン(以後、高架照明車と呼ぶ)によって、照明設備が備えられてない上記のような場所において、短時間で容易に照明装置を設置することが可能となり、また競技終了後には照明装置の後片付けを行なう作業も容易となる。
【0003】
また、上記高架照明車は、地震や津波の災害等緊急事態が発生した場合に、緊急避難場所の広域広場の夜間照明用としても使用することができるので、多目的な用途に使用することができる。よってこの高架照明車は、通常の競技場に常設された照明装置に比べて稼働率を向上でき、維持費等を考慮するとコスト的にも有利な照明装置となる。したがって、最近のスポーツブーム等に伴って、非常に良く使用されるようになって来た。
【0004】
高架照明車においては、広域照明を行なうために各照明灯は1個当たり例えばおよそ2KWの大電力を消費するような大型の照明灯が必要であり、このため照明器の外径寸法が大きくなり(例えば、6m×4m程度)、また重量も重くなる。よって、照明器をブームの先端に装着したままの状態で高架照明車を移動させるのは、走行時の安全性の面で危険である。したがって、上記のような高架照明車では照明器を着脱自在に設け、移動する場合にはブームと照明器とを分離し、照明器はトラック等に搭載して高架照明車とは別個に運搬する。そして、現地において高架照明車のブームと照明器とを結合するようにしている。
【0005】
従来、このような高架照明車として、実公3007690号公報によって出願されたものがあり、図14及び図15に示されている。図14は従来の高架照明車の側面図、図15はブーム先端に配設された着脱可能な照明器を正面から見た図であり、以下図に基づいて説明する。高架照明車51は、下部走行体52の上方に鉛直方向の旋回軸を中心に旋回可能な上部旋回体53を備え、上部旋回体53のほぼ中央位置には伸縮自在なブーム1が水平な枢軸ピンの回りに起伏自在に設けられている。また上部旋回体53上に、走行用とブーム1の操作用を共用した運転室54を設けている。
【0006】
ブーム1に伸縮自在に内設されたトップブーム2の先端にはブラケット3が固設されており、ブラケット3の下端部に着脱自在な照明器20を水平な枢軸ピン(以後、ロックピンと呼ぶ)14の回りに回動自在に配設している。照明器20は、アングル材等で枠状に形成した中空機枠21と、中空機枠21に所定方向に向けて取着された所定数の照明灯27とを備えている。中空機枠21の端部とブラケット3の前面上部端との間には回動シリンダ26が連結されていて、回動シリンダ26が動作することによって、照明器20がロックピン14の回りに回動する。
【0007】
この回動シリンダ26の作動操作も、運転室54内から遠隔操作可能になっている。よって、車両の位置決め、ブーム旋回、起伏及び伸縮、回動シリンダ26の作動等による照明器20の高度や方向の調整、及び照明角度の調整を、運転室54内で全て操作可能である。したがって、本高架照明車を使用すると、照明のための準備作業が大変容易になっている。
【0008】
図15では、ブラケット3の下端部に照明器20がロックピン14によって連結されているが、回動シリンダ26は未だ照明器20の中空機枠21の端部に連結されていない状態を示している。正面から見てブラケット3の下面の左右両端には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が対向して固設されている。また、照明器20の中空機枠21の左右所定位置にはそれぞれ固定プレート22が固設されている。各吊り下げプレート4、5の先端及び固定プレート22の先端にはそれぞれロックピン14に係合するピン孔9、8及びピン孔23が設けられている。
【0009】
ブーム1と着脱自在な照明器20とが結合している状態では、固定プレート22の先端部を一対の吊り下げプレート4、5の間に挟み、吊り下げプレート4の内側からロックピン14が上記係合用のピン孔9、23及び8の順に貫通している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成において、別個に運搬してきた照明器20と高架照明車の伸縮ブーム1とを現地で結合するには、まず、ブラケット3の下面の左右両端にあるそれぞれ一対の吊り下げプレート4、5のピン孔9、8と、照明器20の左右の固定プレート22のピン孔23との芯を整合させる必要がある。このとき、オペレータは相互のピン孔の位置の高さ、前後方向の位置及び傾きを調整するため、運転室54で下部走行体52を前後進させたり、ブーム1を旋回、起伏又は伸縮させたりして、上記ピン孔9、8とピン孔23との芯を整合させなければならない。この後、ロックピン14をピン孔9、8及びピン孔23に貫通させて挿入する。
【0011】
しかしながら、ロックピン14をスムーズに挿入するためには、各芯の整合精度をかなり良くしなければならないが、上記のように下部走行体52やブーム1の操作だけではこの精度を満足させるのは非常に困難である。よって、従来の整合作業は極めて困難な作業となり、この結果多大の時間を要する。
また、ピン孔にロックピン14を挿入する場合、しばしば、ほぼ芯が整合したと思われる状態でロックピン14をハンマ等で打ち込むことが行われるときもある。このとき、ロックピン14がスムーズに入らないので、打ち込むための多大の労力を必要とするのみならず、その衝撃により高価な照明器20等を損傷する恐れがあった。
【0012】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、現地で高架照明車のブーム先端に着脱自在な照明器を装着するとき、ブーム先端の吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯を容易に整合させ、衝撃を与えることなくロックピンの挿入を可能とすると共に、構造が簡単で作業性の良い高架照明車のブームと照明器との結合装置及び方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る高架照明車のブームと照明器との結合装置においては、
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブーム1と、ブーム1の先端部に着脱可能に装着された照明器20と、ブーム1の先端部に付設されたプレートにあけられたブーム側のピン孔9、8と、照明器20の裏面に付設されたプレートにあけられた照明器側のピン孔23と、ブーム側のピン孔9、8及び照明器側のピン孔23に挿入されてブーム1及び照明器20を回動自在に結合するためのロックピン14とを備えた高架照明車51のブーム1と照明器20との結合装置において、
ブーム1の先端部あるいは照明器20の裏面側のいずれかに、吊り下げたときに重力によってブーム側のピン孔9、8及び照明器側のピン孔23を調芯する調芯手段60を有する構成としている。
【0014】
調芯手段60は、ピン孔9、8及びピン孔23と同芯のフック部25を有するフックプレート24と、フック部25と同芯の外径を有する調芯用吊り下げボス7とから成る構成としても良い。
【0015】
また、ロックピン14の抜き差しを行うロックシリンダ12を備えた方が好ましい。
【0016】
照明器20をロックピン14の回りに回動するブーム1先端部及び照明器20の裏面側端部の間に設けられた回動シリンダ26と、
前記ロックシリンダ12と回動シリンダ26との油圧回路の切り換えを行うブーム1の先端に設けられた方向切換バルブ33とを備えた方が良い。
【0017】
2本の長さの等しいワイヤロープ70と、ブーム1の先端部に、その中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープ70の一端と連結する係合部材71と、照明器20の裏面に、その重心を通る中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープの他端と連結する係合部材72とを備えた構成としている。
【0018】
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入する結合方法としている。
【0019】
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を左右2本のワイヤロープで係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームの中心と照明器の左右方向の中心とを整合させ、この後照明器を吊り下ろして定置し、つぎにブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入する結合方法としている。
【0020】
【作用】
上記のように調芯手段を設けたので、ブームと照明器との結合に際し、ブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯の整合が短時間で簡単に行われる。調芯手段をフックプレートと調芯用吊り下げボスとから構成したときは、フックプレートと調芯用吊り下げボスを咬合させてブームを持ち上げることにより、照明器の自重によってブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯の整合が精度良く容易に行われる。よって、ロックピンをスムーズに挿入できるので、作業性を向上でき、ロックピン挿入に伴う照明器への衝撃を無くすことができる。また、油圧シリンダによって衝撃を与えることなく容易にロックピンを挿入できるので、人手に頼ること無く作業性を向上できる。
【0021】
ブーム先端に、ロックピンの抜き差しを行うロックシリンダと、照明器を回動する回動シリンダとの油圧回路の切り換えを行う方向切換バルブを備えたときは、上部旋回体側からブーム先端に至る上記両シリンダ用の油圧配管を少なくすることができ、よって構造も簡単になる。
【0022】
ブーム先端と照明器の裏面の左右2ヶ所を連結するワイヤロープを備えたときには、ワイヤロープを介して照明器を吊り上げることにより重力によりブームと照明器の左右方向の位置の整合が精度よく行われ、その後のフックプレートと調芯用吊り下げボスとの咬合作業を容易に行うことができ、作業性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る高架照明車のブームと照明器との結合装置およびその方法の実施例について、図面を参照して詳述する。
まず、図1から図9に基づいて第一実施例を説明する。本実施例を表す高架照明車の結合装置は、従来の技術で説明した構成と同様なので、以下では異なっている構成のみを説明する。
【0024】
図1及び図2は、それぞれ本実施例を表す結合装置の側面図及び正面図である。トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面には、正面からみて左右両側に、それぞれロッド13側をブームの両側面に向けてロックシリンダ12が設けられる。ロックシリンダ12のチューブの後端部及び前端部は、それぞれ吊り下げブラケット10及びシリンダ吊り下げプレート11を介してブラケット3に吊着される。また、ブラケット3の下面のブーム側面方向の両端には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が固設されている。
【0025】
照明器20の中空機枠21には、正面から見て左右の所定位置に固定プレート22が、及びその左右外側に固定プレート22と対向してフックプレート24がそれぞれ固設されている。ブラケット3と中空機枠21と間に連結された回動シリンダ26の伸縮によって、照明器20はロックピン14を中心として回動するようになっている。
【0026】
また、左右のロックシリンダ12及び回動シリンダ26の油圧回路を切り換えるための方向切換バルブ33を、ブラケット3に装着されている。方向切換バルブ33は、運転室内の同一の操作レバーによってロックシリンダ12及び回動シリンダ26の操作を可能とするためのものである。この操作レバーによって作動する共通の操作切換バルブを介して、油圧ポンプからの圧油を車体側からブーム先端側にある上記各シリンダに送油するとき、ロックシリンダ12又は回動シリンダ26への圧油供給をブーム先端側で切り換える。この結果、ブーム1の上面に配設される油圧ホースは2本ですみ、配管が簡単になる。
【0027】
図3は、吊り下げプレート4、5部分の正面図の詳細である。正面から見て、吊り下げプレート4の左右中心を向いた面の下部にはガイドボス6が設けられ、吊り下げプレート5の左右外側を向いた面の下部には調芯用吊り下げボス7が設けられている。ガイドボス6と吊り下げプレート4、及び吊り下げプレート5と調芯用吊り下げボス7には、それぞれを左右方向に貫通するピン孔9及びピン孔8が穿設されている。
【0028】
ブラケット3の下面に吊着されたロックシリンダ12のロッド13の先端に取着されたロックピン14は、ガイドボス6及び吊り下げプレート4のピン孔9に嵌入している。図3に示すように、ロックシリンダ12が縮小した状態では、ロックピン14の先端は吊り下げプレート5及び調芯用吊り下げボス7のピン孔8を貫通しておらず、ロックシリンダ12を伸長するとピン孔8を貫通する。
【0029】
図4は、固定プレート22とフックプレート24の側面図の詳細である。固定プレート22の上部には、ロックピン14に係合するピン孔23が側面方向に貫通して設けられている。本実施例では、調芯手段60をフックプレート24と調芯用吊り下げボス7とから構成しており、フックプレート24のフック部25がブーム側の吊り下げプレート5の調芯用吊り下げボス7に咬合した状態で、ピン孔9、ピン孔8及びピン孔23の芯は整合するようになっている。
【0030】
図5は、ロックシリンダ12および回動シリンダ26を作動するための油圧回路の一実施例を示す。操作切換バルブ30は車体側に装着され、運転室54(従来例を同じ)内に設けた操作レバー55の操作に従って圧油の方向を切り換える。操作切換バルブ30の圧油入力ポートは油圧ポンプ31に接続され、圧油戻りポートはオイルタンク32に接続される。
【0031】
左右のロックシリンダ12の共通のボトム側回路38、及び回動シリンダ26のボトム側回路40は、それぞれ電磁式の方向切換バルブ33の二つの出力ポートに接続している。方向切換バルブ33の入力ポートは、油圧ホース34によって操作切換バルブ30の出力ポートの一つに接続している。このように、方向切換バルブ33はロックシリンダ12のボトム側回路及び回動シリンダ26のボトム側回路を切り換えている。また、左右のロックシリンダ12の共通のヘッド側回路36、及び回動シリンダ26のヘッド側回路41は、合流して油圧ホース35により操作切換バルブ30と接続している。
前述のように方向切換バルブ33をブラケット3に装着しているため、操作切換バルブ30からブーム1上に配設される油圧ホースは34、35の2本ですみ、配管が簡単になる。
【0032】
ロックシリンダ12のヘッド側回路36上には、チェックバルブ37が介装されている。これは、回動シリンダ26を縮小するためそのヘッド側回路41に圧油が供給されているとき、ロックシリンダ12のヘッド側回路36に圧油が流入してロックピン14が抜け出すことを防止している。
さらに、回路40及び回路41にはそれぞれカウンタバランスバルブ42が介装され、回動シリンダ26の伸縮両方向への自然降下を防止している。
【0033】
ロックシリンダ12を伸縮してロックピン14の抜き差しを行うときの油圧回路の作動を説明する。ロックシリンダ12を操作するときは、図示しない操作スイッチによりオペレータは方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(ロ)位置に切り換える。この状態でロックシリンダ12を縮小するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30a位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース35、チェックバルブ37及び回路36を介してロックシリンダ12のヘッド側に流入し、ボトム側から流出した油は回路38、方向切換バルブ33、油圧ホース34及び操作切換バルブ30を介してオイルタンク32にドレーンする。
【0034】
ロックシリンダ12を伸長するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30c位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース34、方向切換バルブ33及び回路38を介してロックシリンダ12のボトム側に流入し、ヘッド側から流出した油は回路36、チェックバルブ37、油圧ホース35及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。
【0035】
同様にして、回動シリンダ26を操作するときは、図示しない操作スイッチによりオペレータは方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(イ)位置に切り換える。この状態で回動シリンダ26を縮小するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30a位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース35及び回路41を介して回動シリンダ26のヘッド側に流入し、ボトム側から流出した油は回路40、方向切換バルブ33、油圧ホース34及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。このとき、チェックバルブ37は(イ)位置にあるため、圧油が回路41からロックシリンダ12のヘッド側回路36に流入するのを防止でき、安全である。
【0036】
また、回動シリンダ26を伸長するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30c位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース34、方向切換バルブ33及び回路40を介して回動シリンダ26のボトム側に流入し、ヘッド側から流出した油は回路41、油圧ホース35及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。
【0037】
図6は上記油圧回路の別の実施例を示しており、チェックバルブ37をロックシリンダ12の共通のボトム側回路38に介装したものである。チェックバルブ37は、回動シリンダ26を縮小しているとき、回路41からロックシリンダ12のヘッド側に流入した圧油がボトム側回路38から流出しないようにしている。これによって、前記の場合と同様に回動シリンダ26の縮小に伴うロックシリンダ12の縮小を防止できる。その他の回路および作動は前述の実施例と同一なので説明は省略する。
【0038】
次に、ブーム1と照明器20との結合方法について、図7に基づいて説明する。前述のように照明器20の外形寸法は大きいので、通常図7に示すように、照明器20はL形に折り曲げた状態でトラック50に搭載されて運搬される。しかし、以下に説明する結合方法は、照明器20が折り曲げてない平面状態のものであっても、その作用及び効果は変わらない。また、高架照明車51は、走行自在な下部走行体52と、下部走行体52上に伸縮自在なブーム1を起伏自在に設けた上部旋回体53とを有してる。このとき、ブーム1の先端に照明器20を装着する方法は、以下の通りである。
【0039】
1)オペレータは、下部走行体52を走行させたりブーム1を旋回、起伏及び伸縮させたりして、トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面の左右に設けられた調芯用吊り下げボス7を、照明器20の中空機枠21の上面(照明器20の鏡面と反対側)左右に固設されたフックプレート24のフック部25の近傍に位置させる。そして、調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とを係合させるが、この操作は比較的容易である。
【0040】
2)次に、図8に示すようにブーム1を所定の角度だけ起立させる。フックプレート24は調芯用吊り下げボス7に係止し、照明器20は所定の高さに持ち上げられ、フックプレート24には照明器20の自重が加わる。そのため図1に示すように、調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とは咬合する。そして前述のように、ブラケット3の下面に固設された吊り下げプレート4、5のピン孔9、8の芯と中空機枠21に固設された固定プレート22のピン孔23の芯とは整合する。
【0041】
3)次に、オペレータは図示しない操作スイッチを切り換えて図5に示す方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(ロ)位置に切り換える。そして、操作レバー55によって操作切換バルブ30を切り換えてロックシリンダ12を作動させ、図9に示すようにロックピン14を吊り下げプレート4、5のピン孔9、8及び固定プレート22のピン孔23に貫通させる。これにより、ブーム1と照明器20とが連結される。したがって、ロックピン14の挿入作業は労力を必要とせず、極めて容易である。
【0042】
第二実施例として、前述の調芯用吊り下げボス7を中空機枠21側に装着し、フックプレート24をブラケット3側に装着した例を図10から図13を参照して説明する。
図10及び図11は、それぞれ本実施例を説明する結合装置の側面図及び正面図である。トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面に設けられたロックシリンダ12、ロックシリンダ12を吊着する吊り下げブラケット10及びシリンダ吊り下げプレート11は、第一実施例と同様である。また同様にして、ブラケット3の下面のブーム側面方向の両側には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が固設されている。そして、吊り下げプレート5のさらにブーム側面方向外側には、フックプレート24が固設されている。
【0043】
照明器20の中空機枠21には、正面から見て左右の所定位置に固定プレート22が、及びその左右方向外側に固定プレート22と対向してプレート28がそれぞれ固設されている。
【0044】
図12は、吊り下げプレート4、5及びフックプレート24部分の正面図の詳細である。吊り下げプレート4の下部には第一実施例同様にガイドボス6が設けられる。ガイドボス6と吊り下げプレート4、及び吊り下げプレート5には、それぞれを左右方向に貫通するピン孔9及びピン孔8が穿設されている。
【0045】
図13は、固定プレート22とプレート28の正面図の詳細である。固定プレート22の上部には、第一実施例同様にロックピン14に係合するピン孔23が側面方向に貫通して設けられている。プレート28の左右方向外側を向いた面の上部には、調芯用吊り下げボス7が設けられている。ブーム側のフックプレート24のフック部25がこの調芯用吊り下げボス7に咬合した状態で、ピン孔9、ピン孔8及びピン孔23の芯は整合するようになっている。
【0046】
上記のような構成にしても、ブーム1の先端に照明器20を装着する方法は第一実施例と変わらない。よって、本実施例においても同様の作用及び効果が得られる。
【0047】
次に、第三実施例について図14および図15に基づいて説明する。図14は本実施例の側面図であり、図15は図14のA方向より見た背面図である。
本実施例の結合装置は第一実施例に説明した構成と同一なので異なる構成部分についてのみ説明する。
【0048】
図15に示すようにブーム1のブラケット3の左右に設けられた一対の吊り下げプレート4、5にはピンよりなる係合部材71がそれぞれ設けられており、ブーム1の中心X−Xから左右方向には等距離の位置にある。
照明器20の中空機枠21の裏面の、重心を通る中心線Y−Yから左右方向に等距離の位置で、L形に折り曲げられた照明器の前後方向の重心位置付近に一対の係合部材72が固設されている。
左右一対の係合部材71と72とは長さの等しい2本のワイヤロープ70によりシャックル73を介して連結される。
【0049】
次に、ブーム1と照明器20との結合方法について、図14および図15に基づいて説明する。
(1)オペレータは下部走行体52を走行させたり、ブーム1を旋回、起伏および伸縮させたりしてトップブーム2の先端を、L形に折り曲げられて定置されている照明器20の中空機枠21の上部、幅方向のほぼ中央付近に位置させ、ブーム1のブラケット3の左右に設けた係合部材71と中空機枠21の左右に固設された係合部材72とを2本のワイヤロープ70で連結する。
(2)次に、ブーム1を起立させ、照明器20を所定の高さまで吊り上げると重力により図15に示すブーム1の中心X−Xと照明器20の幅方向の中心Y−Yとは一致する。すなわち、ブラケット3の下面の左右に設けられた調芯用吊り下げボス7と、中空機枠21の上面、左右に固設せれたフックプレート24との左右方向の位置は整合する。
(3)次に、ブーム1を僅かに俯伏させてワイヤロープ70を外し、ブーム1を起伏および伸縮させて図1に示すように調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とを係合させる。前述のように両者の左右方向の位置は整合しているため、この作業は容易である。
(4)以下の作業は第一実施例の作業と同一なので説明は省略する。
【0050】
なお、本実施例は第一実施例に適用した例を述べているが、第二実施例にも同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上記のような構成としたため、以下のような効果を奏する。
1)ブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔の芯の整合を容易に行うことができる。
2)ロックピンの挿入を衝撃を与えることなく、また労力も必要とせず容易に行うことができる。よって、衝撃等で照明器を損傷することがなく、またロックピン挿入の作業性が向上する。
3)ロックシリンダ用及び回動シリンダ用の油圧ホースのトップブームの先端への配管を共通化したので、この配管が2本ですみ、構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を表すブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図2】本発明の第一実施例を表すブームと照明器の結合装置の正面図である。
【図3】第一実施例を表すブーム側のロックピン部分の詳細図である。
【図4】第一実施例を表す照明器側のフックプレート部分の詳細図である。
【図5】本発明のブームと照明器の結合装置の油圧回路の一実施例である。
【図6】本発明のブームと照明器の結合装置の油圧回路の別の実施例である。
【図7】本発明の結合方法の説明するためのブーム側の調芯用吊り下げボスと照明器側のフックプレートの係合状態を示す図である。
【図8】本発明の結合方法の説明するためのブーム側の調芯用吊り下げボスと照明器側のフックプレートを咬合させた状態を示す図である。
【図9】第一実施例を表すブームの吊り下げプレートと照明器の固定プレートをロックピンで結合した状態を示す図である。
【図10】第二実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図11】第二実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の正面図である。
【図12】第二実施例を表すブーム側のロックピン部分の詳細図である。
【図13】第二実施例を表す照明器側の調芯用吊り下げボス部分の詳細図である。
【図14】第三実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図15】第三実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の背面図である。
【図16】従来技術を説明する高架照明車の側面図である。
【図17】従来技術を説明するブームと照明器の結合装置の正面図である。
【符号の説明】
1…ブーム、2…トップブーム、3…ブラケット、4、5…吊り下げプレート、6…ガイドボス、7…調芯用吊り下げボス、8、9…ピン孔、12…ロックシリンダ、14…ロックピン、20…照明器、21…中空機枠、22…固定プレート、23…ピン孔、24…フックプレート、25…フック部、26…回動シリンダ、27…照明灯、28…プレート、30…操作切換バルブ、31…油圧ポンプ、32…オイルタンク、33…方向切換バルブ、34、35…油圧ホース、37…チェックバルブ、42…カウンタバランスバルブ、50…トラック、51…高架照明車、52…下部走行体、53…上部旋回体、54…運転室、55…操作レバー、60…調芯手段。70…ワイヤロープ、71、72…係合部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮ブーム先端に広域照明用の照明器を着脱自在に配設した移動式クレーン、いわゆる高架照明車における、ブームと照明器との結合装置及びその結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下部走行体の上方に鉛直方向の軸を中心に旋回可能な上部旋回体を備え、上部旋回体に起伏自在及び伸縮自在なブームを有する、いわゆる移動式クレーンにおいて、そのブーム先端に照明器を配設した広域照明用クレーンがある。この移動式クレーンは、照明設備が備えられてない球技場、競技場等のスポーツ施設、及び例えば催しを開催する野外広場等において、夜間照明のために所定の場所に設置され、ブームを自在に旋回、起伏及び伸縮して所望の照明範囲、照明角度及び照度等を得るようにするものである。この移動式クレーン(以後、高架照明車と呼ぶ)によって、照明設備が備えられてない上記のような場所において、短時間で容易に照明装置を設置することが可能となり、また競技終了後には照明装置の後片付けを行なう作業も容易となる。
【0003】
また、上記高架照明車は、地震や津波の災害等緊急事態が発生した場合に、緊急避難場所の広域広場の夜間照明用としても使用することができるので、多目的な用途に使用することができる。よってこの高架照明車は、通常の競技場に常設された照明装置に比べて稼働率を向上でき、維持費等を考慮するとコスト的にも有利な照明装置となる。したがって、最近のスポーツブーム等に伴って、非常に良く使用されるようになって来た。
【0004】
高架照明車においては、広域照明を行なうために各照明灯は1個当たり例えばおよそ2KWの大電力を消費するような大型の照明灯が必要であり、このため照明器の外径寸法が大きくなり(例えば、6m×4m程度)、また重量も重くなる。よって、照明器をブームの先端に装着したままの状態で高架照明車を移動させるのは、走行時の安全性の面で危険である。したがって、上記のような高架照明車では照明器を着脱自在に設け、移動する場合にはブームと照明器とを分離し、照明器はトラック等に搭載して高架照明車とは別個に運搬する。そして、現地において高架照明車のブームと照明器とを結合するようにしている。
【0005】
従来、このような高架照明車として、実公3007690号公報によって出願されたものがあり、図14及び図15に示されている。図14は従来の高架照明車の側面図、図15はブーム先端に配設された着脱可能な照明器を正面から見た図であり、以下図に基づいて説明する。高架照明車51は、下部走行体52の上方に鉛直方向の旋回軸を中心に旋回可能な上部旋回体53を備え、上部旋回体53のほぼ中央位置には伸縮自在なブーム1が水平な枢軸ピンの回りに起伏自在に設けられている。また上部旋回体53上に、走行用とブーム1の操作用を共用した運転室54を設けている。
【0006】
ブーム1に伸縮自在に内設されたトップブーム2の先端にはブラケット3が固設されており、ブラケット3の下端部に着脱自在な照明器20を水平な枢軸ピン(以後、ロックピンと呼ぶ)14の回りに回動自在に配設している。照明器20は、アングル材等で枠状に形成した中空機枠21と、中空機枠21に所定方向に向けて取着された所定数の照明灯27とを備えている。中空機枠21の端部とブラケット3の前面上部端との間には回動シリンダ26が連結されていて、回動シリンダ26が動作することによって、照明器20がロックピン14の回りに回動する。
【0007】
この回動シリンダ26の作動操作も、運転室54内から遠隔操作可能になっている。よって、車両の位置決め、ブーム旋回、起伏及び伸縮、回動シリンダ26の作動等による照明器20の高度や方向の調整、及び照明角度の調整を、運転室54内で全て操作可能である。したがって、本高架照明車を使用すると、照明のための準備作業が大変容易になっている。
【0008】
図15では、ブラケット3の下端部に照明器20がロックピン14によって連結されているが、回動シリンダ26は未だ照明器20の中空機枠21の端部に連結されていない状態を示している。正面から見てブラケット3の下面の左右両端には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が対向して固設されている。また、照明器20の中空機枠21の左右所定位置にはそれぞれ固定プレート22が固設されている。各吊り下げプレート4、5の先端及び固定プレート22の先端にはそれぞれロックピン14に係合するピン孔9、8及びピン孔23が設けられている。
【0009】
ブーム1と着脱自在な照明器20とが結合している状態では、固定プレート22の先端部を一対の吊り下げプレート4、5の間に挟み、吊り下げプレート4の内側からロックピン14が上記係合用のピン孔9、23及び8の順に貫通している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成において、別個に運搬してきた照明器20と高架照明車の伸縮ブーム1とを現地で結合するには、まず、ブラケット3の下面の左右両端にあるそれぞれ一対の吊り下げプレート4、5のピン孔9、8と、照明器20の左右の固定プレート22のピン孔23との芯を整合させる必要がある。このとき、オペレータは相互のピン孔の位置の高さ、前後方向の位置及び傾きを調整するため、運転室54で下部走行体52を前後進させたり、ブーム1を旋回、起伏又は伸縮させたりして、上記ピン孔9、8とピン孔23との芯を整合させなければならない。この後、ロックピン14をピン孔9、8及びピン孔23に貫通させて挿入する。
【0011】
しかしながら、ロックピン14をスムーズに挿入するためには、各芯の整合精度をかなり良くしなければならないが、上記のように下部走行体52やブーム1の操作だけではこの精度を満足させるのは非常に困難である。よって、従来の整合作業は極めて困難な作業となり、この結果多大の時間を要する。
また、ピン孔にロックピン14を挿入する場合、しばしば、ほぼ芯が整合したと思われる状態でロックピン14をハンマ等で打ち込むことが行われるときもある。このとき、ロックピン14がスムーズに入らないので、打ち込むための多大の労力を必要とするのみならず、その衝撃により高価な照明器20等を損傷する恐れがあった。
【0012】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、現地で高架照明車のブーム先端に着脱自在な照明器を装着するとき、ブーム先端の吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯を容易に整合させ、衝撃を与えることなくロックピンの挿入を可能とすると共に、構造が簡単で作業性の良い高架照明車のブームと照明器との結合装置及び方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る高架照明車のブームと照明器との結合装置においては、
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブーム1と、ブーム1の先端部に着脱可能に装着された照明器20と、ブーム1の先端部に付設されたプレートにあけられたブーム側のピン孔9、8と、照明器20の裏面に付設されたプレートにあけられた照明器側のピン孔23と、ブーム側のピン孔9、8及び照明器側のピン孔23に挿入されてブーム1及び照明器20を回動自在に結合するためのロックピン14とを備えた高架照明車51のブーム1と照明器20との結合装置において、
ブーム1の先端部あるいは照明器20の裏面側のいずれかに、吊り下げたときに重力によってブーム側のピン孔9、8及び照明器側のピン孔23を調芯する調芯手段60を有する構成としている。
【0014】
調芯手段60は、ピン孔9、8及びピン孔23と同芯のフック部25を有するフックプレート24と、フック部25と同芯の外径を有する調芯用吊り下げボス7とから成る構成としても良い。
【0015】
また、ロックピン14の抜き差しを行うロックシリンダ12を備えた方が好ましい。
【0016】
照明器20をロックピン14の回りに回動するブーム1先端部及び照明器20の裏面側端部の間に設けられた回動シリンダ26と、
前記ロックシリンダ12と回動シリンダ26との油圧回路の切り換えを行うブーム1の先端に設けられた方向切換バルブ33とを備えた方が良い。
【0017】
2本の長さの等しいワイヤロープ70と、ブーム1の先端部に、その中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープ70の一端と連結する係合部材71と、照明器20の裏面に、その重心を通る中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープの他端と連結する係合部材72とを備えた構成としている。
【0018】
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入する結合方法としている。
【0019】
車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を左右2本のワイヤロープで係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームの中心と照明器の左右方向の中心とを整合させ、この後照明器を吊り下ろして定置し、つぎにブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入する結合方法としている。
【0020】
【作用】
上記のように調芯手段を設けたので、ブームと照明器との結合に際し、ブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯の整合が短時間で簡単に行われる。調芯手段をフックプレートと調芯用吊り下げボスとから構成したときは、フックプレートと調芯用吊り下げボスを咬合させてブームを持ち上げることにより、照明器の自重によってブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔との芯の整合が精度良く容易に行われる。よって、ロックピンをスムーズに挿入できるので、作業性を向上でき、ロックピン挿入に伴う照明器への衝撃を無くすことができる。また、油圧シリンダによって衝撃を与えることなく容易にロックピンを挿入できるので、人手に頼ること無く作業性を向上できる。
【0021】
ブーム先端に、ロックピンの抜き差しを行うロックシリンダと、照明器を回動する回動シリンダとの油圧回路の切り換えを行う方向切換バルブを備えたときは、上部旋回体側からブーム先端に至る上記両シリンダ用の油圧配管を少なくすることができ、よって構造も簡単になる。
【0022】
ブーム先端と照明器の裏面の左右2ヶ所を連結するワイヤロープを備えたときには、ワイヤロープを介して照明器を吊り上げることにより重力によりブームと照明器の左右方向の位置の整合が精度よく行われ、その後のフックプレートと調芯用吊り下げボスとの咬合作業を容易に行うことができ、作業性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る高架照明車のブームと照明器との結合装置およびその方法の実施例について、図面を参照して詳述する。
まず、図1から図9に基づいて第一実施例を説明する。本実施例を表す高架照明車の結合装置は、従来の技術で説明した構成と同様なので、以下では異なっている構成のみを説明する。
【0024】
図1及び図2は、それぞれ本実施例を表す結合装置の側面図及び正面図である。トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面には、正面からみて左右両側に、それぞれロッド13側をブームの両側面に向けてロックシリンダ12が設けられる。ロックシリンダ12のチューブの後端部及び前端部は、それぞれ吊り下げブラケット10及びシリンダ吊り下げプレート11を介してブラケット3に吊着される。また、ブラケット3の下面のブーム側面方向の両端には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が固設されている。
【0025】
照明器20の中空機枠21には、正面から見て左右の所定位置に固定プレート22が、及びその左右外側に固定プレート22と対向してフックプレート24がそれぞれ固設されている。ブラケット3と中空機枠21と間に連結された回動シリンダ26の伸縮によって、照明器20はロックピン14を中心として回動するようになっている。
【0026】
また、左右のロックシリンダ12及び回動シリンダ26の油圧回路を切り換えるための方向切換バルブ33を、ブラケット3に装着されている。方向切換バルブ33は、運転室内の同一の操作レバーによってロックシリンダ12及び回動シリンダ26の操作を可能とするためのものである。この操作レバーによって作動する共通の操作切換バルブを介して、油圧ポンプからの圧油を車体側からブーム先端側にある上記各シリンダに送油するとき、ロックシリンダ12又は回動シリンダ26への圧油供給をブーム先端側で切り換える。この結果、ブーム1の上面に配設される油圧ホースは2本ですみ、配管が簡単になる。
【0027】
図3は、吊り下げプレート4、5部分の正面図の詳細である。正面から見て、吊り下げプレート4の左右中心を向いた面の下部にはガイドボス6が設けられ、吊り下げプレート5の左右外側を向いた面の下部には調芯用吊り下げボス7が設けられている。ガイドボス6と吊り下げプレート4、及び吊り下げプレート5と調芯用吊り下げボス7には、それぞれを左右方向に貫通するピン孔9及びピン孔8が穿設されている。
【0028】
ブラケット3の下面に吊着されたロックシリンダ12のロッド13の先端に取着されたロックピン14は、ガイドボス6及び吊り下げプレート4のピン孔9に嵌入している。図3に示すように、ロックシリンダ12が縮小した状態では、ロックピン14の先端は吊り下げプレート5及び調芯用吊り下げボス7のピン孔8を貫通しておらず、ロックシリンダ12を伸長するとピン孔8を貫通する。
【0029】
図4は、固定プレート22とフックプレート24の側面図の詳細である。固定プレート22の上部には、ロックピン14に係合するピン孔23が側面方向に貫通して設けられている。本実施例では、調芯手段60をフックプレート24と調芯用吊り下げボス7とから構成しており、フックプレート24のフック部25がブーム側の吊り下げプレート5の調芯用吊り下げボス7に咬合した状態で、ピン孔9、ピン孔8及びピン孔23の芯は整合するようになっている。
【0030】
図5は、ロックシリンダ12および回動シリンダ26を作動するための油圧回路の一実施例を示す。操作切換バルブ30は車体側に装着され、運転室54(従来例を同じ)内に設けた操作レバー55の操作に従って圧油の方向を切り換える。操作切換バルブ30の圧油入力ポートは油圧ポンプ31に接続され、圧油戻りポートはオイルタンク32に接続される。
【0031】
左右のロックシリンダ12の共通のボトム側回路38、及び回動シリンダ26のボトム側回路40は、それぞれ電磁式の方向切換バルブ33の二つの出力ポートに接続している。方向切換バルブ33の入力ポートは、油圧ホース34によって操作切換バルブ30の出力ポートの一つに接続している。このように、方向切換バルブ33はロックシリンダ12のボトム側回路及び回動シリンダ26のボトム側回路を切り換えている。また、左右のロックシリンダ12の共通のヘッド側回路36、及び回動シリンダ26のヘッド側回路41は、合流して油圧ホース35により操作切換バルブ30と接続している。
前述のように方向切換バルブ33をブラケット3に装着しているため、操作切換バルブ30からブーム1上に配設される油圧ホースは34、35の2本ですみ、配管が簡単になる。
【0032】
ロックシリンダ12のヘッド側回路36上には、チェックバルブ37が介装されている。これは、回動シリンダ26を縮小するためそのヘッド側回路41に圧油が供給されているとき、ロックシリンダ12のヘッド側回路36に圧油が流入してロックピン14が抜け出すことを防止している。
さらに、回路40及び回路41にはそれぞれカウンタバランスバルブ42が介装され、回動シリンダ26の伸縮両方向への自然降下を防止している。
【0033】
ロックシリンダ12を伸縮してロックピン14の抜き差しを行うときの油圧回路の作動を説明する。ロックシリンダ12を操作するときは、図示しない操作スイッチによりオペレータは方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(ロ)位置に切り換える。この状態でロックシリンダ12を縮小するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30a位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース35、チェックバルブ37及び回路36を介してロックシリンダ12のヘッド側に流入し、ボトム側から流出した油は回路38、方向切換バルブ33、油圧ホース34及び操作切換バルブ30を介してオイルタンク32にドレーンする。
【0034】
ロックシリンダ12を伸長するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30c位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース34、方向切換バルブ33及び回路38を介してロックシリンダ12のボトム側に流入し、ヘッド側から流出した油は回路36、チェックバルブ37、油圧ホース35及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。
【0035】
同様にして、回動シリンダ26を操作するときは、図示しない操作スイッチによりオペレータは方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(イ)位置に切り換える。この状態で回動シリンダ26を縮小するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30a位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース35及び回路41を介して回動シリンダ26のヘッド側に流入し、ボトム側から流出した油は回路40、方向切換バルブ33、油圧ホース34及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。このとき、チェックバルブ37は(イ)位置にあるため、圧油が回路41からロックシリンダ12のヘッド側回路36に流入するのを防止でき、安全である。
【0036】
また、回動シリンダ26を伸長するには、操作レバー55によって操作切換バルブ30を30c位置に切り換える。圧力ポンプ31からの圧油が油圧ホース34、方向切換バルブ33及び回路40を介して回動シリンダ26のボトム側に流入し、ヘッド側から流出した油は回路41、油圧ホース35及び操作切換バルブ30を介してタンク32にドレーンする。
【0037】
図6は上記油圧回路の別の実施例を示しており、チェックバルブ37をロックシリンダ12の共通のボトム側回路38に介装したものである。チェックバルブ37は、回動シリンダ26を縮小しているとき、回路41からロックシリンダ12のヘッド側に流入した圧油がボトム側回路38から流出しないようにしている。これによって、前記の場合と同様に回動シリンダ26の縮小に伴うロックシリンダ12の縮小を防止できる。その他の回路および作動は前述の実施例と同一なので説明は省略する。
【0038】
次に、ブーム1と照明器20との結合方法について、図7に基づいて説明する。前述のように照明器20の外形寸法は大きいので、通常図7に示すように、照明器20はL形に折り曲げた状態でトラック50に搭載されて運搬される。しかし、以下に説明する結合方法は、照明器20が折り曲げてない平面状態のものであっても、その作用及び効果は変わらない。また、高架照明車51は、走行自在な下部走行体52と、下部走行体52上に伸縮自在なブーム1を起伏自在に設けた上部旋回体53とを有してる。このとき、ブーム1の先端に照明器20を装着する方法は、以下の通りである。
【0039】
1)オペレータは、下部走行体52を走行させたりブーム1を旋回、起伏及び伸縮させたりして、トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面の左右に設けられた調芯用吊り下げボス7を、照明器20の中空機枠21の上面(照明器20の鏡面と反対側)左右に固設されたフックプレート24のフック部25の近傍に位置させる。そして、調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とを係合させるが、この操作は比較的容易である。
【0040】
2)次に、図8に示すようにブーム1を所定の角度だけ起立させる。フックプレート24は調芯用吊り下げボス7に係止し、照明器20は所定の高さに持ち上げられ、フックプレート24には照明器20の自重が加わる。そのため図1に示すように、調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とは咬合する。そして前述のように、ブラケット3の下面に固設された吊り下げプレート4、5のピン孔9、8の芯と中空機枠21に固設された固定プレート22のピン孔23の芯とは整合する。
【0041】
3)次に、オペレータは図示しない操作スイッチを切り換えて図5に示す方向切換バルブ33及びチェックバルブ37をそれぞれ(ロ)位置に切り換える。そして、操作レバー55によって操作切換バルブ30を切り換えてロックシリンダ12を作動させ、図9に示すようにロックピン14を吊り下げプレート4、5のピン孔9、8及び固定プレート22のピン孔23に貫通させる。これにより、ブーム1と照明器20とが連結される。したがって、ロックピン14の挿入作業は労力を必要とせず、極めて容易である。
【0042】
第二実施例として、前述の調芯用吊り下げボス7を中空機枠21側に装着し、フックプレート24をブラケット3側に装着した例を図10から図13を参照して説明する。
図10及び図11は、それぞれ本実施例を説明する結合装置の側面図及び正面図である。トップブーム2の先端に固設されたブラケット3の下面に設けられたロックシリンダ12、ロックシリンダ12を吊着する吊り下げブラケット10及びシリンダ吊り下げプレート11は、第一実施例と同様である。また同様にして、ブラケット3の下面のブーム側面方向の両側には、それぞれ一対の吊り下げプレート4、5が固設されている。そして、吊り下げプレート5のさらにブーム側面方向外側には、フックプレート24が固設されている。
【0043】
照明器20の中空機枠21には、正面から見て左右の所定位置に固定プレート22が、及びその左右方向外側に固定プレート22と対向してプレート28がそれぞれ固設されている。
【0044】
図12は、吊り下げプレート4、5及びフックプレート24部分の正面図の詳細である。吊り下げプレート4の下部には第一実施例同様にガイドボス6が設けられる。ガイドボス6と吊り下げプレート4、及び吊り下げプレート5には、それぞれを左右方向に貫通するピン孔9及びピン孔8が穿設されている。
【0045】
図13は、固定プレート22とプレート28の正面図の詳細である。固定プレート22の上部には、第一実施例同様にロックピン14に係合するピン孔23が側面方向に貫通して設けられている。プレート28の左右方向外側を向いた面の上部には、調芯用吊り下げボス7が設けられている。ブーム側のフックプレート24のフック部25がこの調芯用吊り下げボス7に咬合した状態で、ピン孔9、ピン孔8及びピン孔23の芯は整合するようになっている。
【0046】
上記のような構成にしても、ブーム1の先端に照明器20を装着する方法は第一実施例と変わらない。よって、本実施例においても同様の作用及び効果が得られる。
【0047】
次に、第三実施例について図14および図15に基づいて説明する。図14は本実施例の側面図であり、図15は図14のA方向より見た背面図である。
本実施例の結合装置は第一実施例に説明した構成と同一なので異なる構成部分についてのみ説明する。
【0048】
図15に示すようにブーム1のブラケット3の左右に設けられた一対の吊り下げプレート4、5にはピンよりなる係合部材71がそれぞれ設けられており、ブーム1の中心X−Xから左右方向には等距離の位置にある。
照明器20の中空機枠21の裏面の、重心を通る中心線Y−Yから左右方向に等距離の位置で、L形に折り曲げられた照明器の前後方向の重心位置付近に一対の係合部材72が固設されている。
左右一対の係合部材71と72とは長さの等しい2本のワイヤロープ70によりシャックル73を介して連結される。
【0049】
次に、ブーム1と照明器20との結合方法について、図14および図15に基づいて説明する。
(1)オペレータは下部走行体52を走行させたり、ブーム1を旋回、起伏および伸縮させたりしてトップブーム2の先端を、L形に折り曲げられて定置されている照明器20の中空機枠21の上部、幅方向のほぼ中央付近に位置させ、ブーム1のブラケット3の左右に設けた係合部材71と中空機枠21の左右に固設された係合部材72とを2本のワイヤロープ70で連結する。
(2)次に、ブーム1を起立させ、照明器20を所定の高さまで吊り上げると重力により図15に示すブーム1の中心X−Xと照明器20の幅方向の中心Y−Yとは一致する。すなわち、ブラケット3の下面の左右に設けられた調芯用吊り下げボス7と、中空機枠21の上面、左右に固設せれたフックプレート24との左右方向の位置は整合する。
(3)次に、ブーム1を僅かに俯伏させてワイヤロープ70を外し、ブーム1を起伏および伸縮させて図1に示すように調芯用吊り下げボス7とフックプレート24のフック部25とを係合させる。前述のように両者の左右方向の位置は整合しているため、この作業は容易である。
(4)以下の作業は第一実施例の作業と同一なので説明は省略する。
【0050】
なお、本実施例は第一実施例に適用した例を述べているが、第二実施例にも同様に適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上記のような構成としたため、以下のような効果を奏する。
1)ブームの吊り下げプレートのピン孔と照明器の固定プレートのピン孔の芯の整合を容易に行うことができる。
2)ロックピンの挿入を衝撃を与えることなく、また労力も必要とせず容易に行うことができる。よって、衝撃等で照明器を損傷することがなく、またロックピン挿入の作業性が向上する。
3)ロックシリンダ用及び回動シリンダ用の油圧ホースのトップブームの先端への配管を共通化したので、この配管が2本ですみ、構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を表すブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図2】本発明の第一実施例を表すブームと照明器の結合装置の正面図である。
【図3】第一実施例を表すブーム側のロックピン部分の詳細図である。
【図4】第一実施例を表す照明器側のフックプレート部分の詳細図である。
【図5】本発明のブームと照明器の結合装置の油圧回路の一実施例である。
【図6】本発明のブームと照明器の結合装置の油圧回路の別の実施例である。
【図7】本発明の結合方法の説明するためのブーム側の調芯用吊り下げボスと照明器側のフックプレートの係合状態を示す図である。
【図8】本発明の結合方法の説明するためのブーム側の調芯用吊り下げボスと照明器側のフックプレートを咬合させた状態を示す図である。
【図9】第一実施例を表すブームの吊り下げプレートと照明器の固定プレートをロックピンで結合した状態を示す図である。
【図10】第二実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図11】第二実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の正面図である。
【図12】第二実施例を表すブーム側のロックピン部分の詳細図である。
【図13】第二実施例を表す照明器側の調芯用吊り下げボス部分の詳細図である。
【図14】第三実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の側面図である。
【図15】第三実施例を表す本発明のブームと照明器の結合装置の背面図である。
【図16】従来技術を説明する高架照明車の側面図である。
【図17】従来技術を説明するブームと照明器の結合装置の正面図である。
【符号の説明】
1…ブーム、2…トップブーム、3…ブラケット、4、5…吊り下げプレート、6…ガイドボス、7…調芯用吊り下げボス、8、9…ピン孔、12…ロックシリンダ、14…ロックピン、20…照明器、21…中空機枠、22…固定プレート、23…ピン孔、24…フックプレート、25…フック部、26…回動シリンダ、27…照明灯、28…プレート、30…操作切換バルブ、31…油圧ポンプ、32…オイルタンク、33…方向切換バルブ、34、35…油圧ホース、37…チェックバルブ、42…カウンタバランスバルブ、50…トラック、51…高架照明車、52…下部走行体、53…上部旋回体、54…運転室、55…操作レバー、60…調芯手段。70…ワイヤロープ、71、72…係合部材。
Claims (7)
- 車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブーム(1) と、ブーム(1) の先端部に着脱可能に装着された照明器(20)と、ブーム(1) の先端部に付設されたプレートにあけられたブーム側のピン孔(9,8) と、照明器(20)の裏面に付設されたプレートにあけられた照明器側のピン孔(23)と、ブーム側のピン孔(9,8) 及び照明器側のピン孔(23)に挿入されてブーム(1) 及び照明器(20)を回動自在に結合するためのロックピン(14)とを備えた高架照明車(51)のブーム(1) と照明器(20)との結合装置において、
ブーム(1) の先端部あるいは照明器(20)の裏面側のいずれかに、吊り下げたときに重力によってブーム側のピン孔(9,8) 及び照明器側のピン孔(23)を調芯する調芯手段(60)を有することを特徴とする高架照明車のブームと照明器との結合装置。 - 前記調芯手段(60)は、
ピン孔(9,8) 及びピン孔(23)と同芯のフック部(25)を有するフックプレート(24)と、フック部(25)と同芯の外径を有する調芯用吊り下げボス(7) とから成ることを特徴とする請求項1記載の高架照明車のブームと照明器との結合装置。 - ロックピン(14)の抜き差しを行うロックシリンダ(12)を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の高架照明車のブームと照明器との結合装置。
- 照明器(20)をロックピン(14)の回りに回動するブーム(1) 先端部及び照明器(20)の裏面側端部の間に設けられた回動シリンダ(26)と、
前記ロックシリンダ(12)と回動シリンダ(26)との油圧回路の切り換えを行うブーム(1) の先端に設けられた方向切換バルブ(33)とを備えたことを特徴とする請求項3の高架照明車のブームと照明器との結合装置。 - 2本の長さの等しいワイヤロープ(70)と、ブーム(1) の先端部に、その中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープ(70)の一端と連結する係合部材(71)と、照明器(20)の裏面に、その重心を通る中心線から左右等距離の位置に配設され、前記ワイヤロープ(70)の他端と連結する係合部材(72)とを備えたことを特徴とする請求項1の高架照明車のブームと照明器との結合装置。
- 車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入することを特徴とする高架照明車のブームと照明器との結合方法。 - 車両に起伏自在に搭載された伸縮自在なブームの先端にロックピンを中心に回動可能な照明器を着脱可能に装着した高架照明車のブームと照明器との結合方法において、
ブームの先端に照明器を左右2本のワイヤロープで係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームの中心と照明器の左右方向の中心とを整合させ、この後照明器を吊り下ろして定置し、つぎにブームの先端に照明器を少なくとも2ヶ所を係止して吊り上げ、照明器の重力によってブームに設けた吊り下げプレートのピン孔と照明器に設けた固定プレートのピン孔との芯を整合させ、この後ピン孔にロックピンを挿入することを特徴とする請求項6の高架照明車のブームと照明器との結合方法。
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