JP3767746B2 - シュリンクラベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はシュリンクラベルに関し、特に、たとえば熱くした酒を入れる飲料容器の周囲に熱収縮により装着するに適する、保温性を有するシュリンクラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料容器に装着される断熱性に優れた筒状シュリンクラベルについては、たとえば特開平10−337796号の筒状シュリンクラベルが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この筒状シュリンクラベルは、非発泡の熱収縮性フィルムからなるラベル基材の内面側に、10ないし40倍の発泡倍率を有する軟質発泡シートからなる断熱層を形成したものであるが、熱収縮性フィルムからなるラベル基材に軟質発泡シートを、接着加工により積層しているが、軟質発泡シートを展げ伸ばして熱収縮性フィルムに接着しようとしても、軟質発泡シートの性質により十分なテンションをかけることができず、軟質発泡シートの厚みを一定にコントロールすることが難しい。
しかも、軟質発泡シートは、長尺巻きに適しないなどの問題もあり、筒状シュリンクラベルを製造するにあたり、一定の品質を保持するには、困難な問題が多々ある。
また、軟質発泡シートにあって、熱収縮性フィルムとともに収縮された場合には、熱収縮フィルムの収縮に対応して、すなわち、熱収縮性フィルムの応力に応じて、収縮することができず、シワを発生するとの問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、比較的製造が容易で一定の品質を保持することができる、シュリンクラベルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムの表面に接着剤層が形成され、該接着剤層の熱収縮性フィルムとは反対側表面に不織布が積層されたシュリンクラベルであって、不織布に切れ目が設けられ、熱収縮性フィルムは切れ目の方向と交差する方向に熱収縮するように構成された、シュリンクラベルである。
この発明の請求項2に記載のシュリンクラベルは、周方向に熱収縮するように構成された筒状の熱収縮性フィルムの内側面に接着剤層が形成され、該接着剤層の内側に不織布が積層されたシュリンクラベルであって、
筒状の前記熱収縮性フィルムの軸方向に沿って前記不織布に切れ目が形成された、シュリンクラベルである。
【0006】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態であるシュリンクラベルの断面図解図であり、図2は、その内側表面の図解図であり、図3は、図1図示シュリンクラベルを筒状にした状態をあらわす断面図である。図4は、図1図示シュリンクラベルの使用方法を示す断面図である。図5は、図1図示シュリンクラベルの使用方法を示す正面図解図である。
【0008】
このシュリンクラベル10は、熱収縮性フィルム12の表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときには内側表面になる)に、接着剤層14が形成され、該接着剤層14の熱収縮性フィルム12とは反対側表面に、不織布16が積層されてなる。なお、熱収縮性フィルム12として、その表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときには内側表面となる)に、該シュリンクラベル10が貼着される被貼着体たる容器Xの商品表示等の印刷層20を形成したものが、通常用いられる。
不織布16は、熱収縮性フィルム12のほぼ全面にわたって積層接着され、その表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときには最も内側の表面となる)より熱収縮性フィルム12の内側表面にほぼ達するか、不織布16を外側表面近傍を残して、直線筋状の切れ目18が一定の間隔をおいてほぼ平行に複数条並列されている。切れ目18が形成されることにより、熱収縮性フィルム12の収縮時の応力に対応しやすく、シワ等が発生しにくくなるという効果がある。
【0009】
熱収縮性フィルム12としては、次のようなものがある。
熱収縮性フィルム12、すなわちシュリンクフィルムとしては、一軸延伸された、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン等が主として用いられる。一部、二軸延伸されたポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン等が用いられる。そして、たとえば、40〜220℃,より好ましくは90〜100℃で熱収縮率がタテ0〜10%,より好ましくは0〜5%,ヨコ25〜100%,より好ましくは40〜70%の1軸延伸された、厚み5〜100μm,より好ましくは30〜70μmの透明なフィルム、もしくは、40〜220℃,より好ましくは90〜100℃で熱収縮率がタテ、ヨコとも25〜100%,より好ましくは40〜70%の2軸延伸された、厚さ5〜100μm,より好ましくは30〜70μmの透明なフィルムが用いられる。
このシュリンクラベル10は、平面状で、通常A−A’方向に熱収縮率が大きくなるように構成されている。通常は、一軸延伸フィルムが用いられることが多い。また、用途によっては、半透明なフィルムが用いられることもある。
【0010】
接着剤層14は、たとえばエステル系接着剤、エポキシ系接着剤あるいはエーテル系接着剤を、ドライラミネーション、すなわち熱収縮性フィルム12の内側面に該接着剤を塗布し、送風等によって乾かして粘着が残っているうちに不織布16を積層して貼り合わせる方式をもって形成され、不織布16を熱収縮性フィルム12の内側面に積層接着している。
【0011】
不織布16は、断熱性を有し、特に熱収縮性フィルム12を熱収縮したときに、不織布16を構成する繊維が不織布16内の空隙内に湾曲して入り込むような弾力性を有する、合繊長繊維不織布(スパンボンド)が適する。
この合繊長繊維不織布のうち、それを構成する繊維が外部応力により動くことができ、柔軟性を有し、伸縮しやすく、断熱性も高いものが、特に保温効果を必要とする容器のシュリンクラベル10に用いるときには適する。
素材としては、ソフトでしなやかな風合いを有するポリアミド、軽量で豊かなボリューム感のポリプロピレン、加工性と寸法安定性を有するポリエチレンテレフタレートなどが選択される。
また、エンボス模様が形成されていると、保温性や断熱効果を奏するものとなり、保温や断熱を必要とする容器のシュリンクラベルとしてはより適するものとなる。
エンボス模様も、ソフトでボリュームに富んだマイナス柄タイプやソフトで小さなポイント柄タイプやフラットで強く張りのある折り目柄タイプなどが選択される。
その他、乾式短繊維不織布なども選択でき、素材としてはポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンなどが選択できる。
【0012】
シュリンクラベル10は、不織布16側を内側としてその両端縁を重ね、たとえばホットメルト型接着剤で不織布16の内側面と熱収縮性フィルム12の外側面とを接着し、ホットメルト型接着剤による連結層22によって筒状を形成した後、容器Xの外周面に沿って嵌挿し、適宜な温度で熱収縮させるようにして用いる。
【0013】
この筒状のシュリンクラベル10においては、熱収縮性フィルム12は、周方向に縮むように構成されているが、シュリンクラベル10を容器に装着するとき、不織布16を構成する繊維は空隙を有しており、全体として柔軟性も備えているので、熱収縮性フィルム12が熱収縮したとき、不織布16を構成する繊維が空隙内に入り込み、熱収縮性フィルム12の熱収縮に対応して、不織布16がほぼ均一に容器外周面に密着する。そして切れ目18が不織布16に形成されていると、不織布16と熱収縮性フィルム12との収縮率が異なっても、しわになりにくく、シュリンクラベル10を、容器の外表面に密着させることができる。
【0014】
前記シュリンクラベル10を製造するにあたっては、たとえば、図6に示すようなシュリンクラベルの製造装置によって製造される。
まず、熱収縮性フィルム12の内面に印刷層20の施された熱収縮性フィルム12をロール状にしたロール状体112をシュリンクラベル10の製造装置100に装填し、熱収縮性フィルム12をロール状体112から巻き戻し、接着剤層14を形成する接着剤塗布装置102に送り、接着剤塗布装置102によりエステル系接着剤、エポキシ系接着剤やエーテル系接着剤114を塗布し、次に乾燥装置104に送って、接着剤層14を構成する接着剤114を乾かして、次にその粘着性が残っているうちに不織布16を積層する不織布積層装置106に送る。
不織布積層装置106は、不織布16の原反に適宜テンションをかけながら、熱収縮性フィルム12の表面に形成された接着剤114の表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときの内側表面)に重ね合わせ、必要に応じローラで熱収縮性フィルム12と不織布16とを押圧して、接着剤114によって熱収縮性フィルム12と不織布16とが密着するようにする。
【0015】
さらに、熱収縮性フィルム12と不織布16との積層体は、切れ目形成装置108に送られ、不織布16の表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときの内側表面)より熱収縮性フィルム12の表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときの内側表面)に至る深さで穿設する。もっとも、不織布16を熱収縮性フィルム12に積層する前に切れ目18が既に形成された不織布16を用いて、不織布16を熱収縮性フィルム12に積層することもできる。この場合、外表面となる表面側を残し内表面となる表面側に切れ目18が形成される。
【0016】
そして、熱収縮性フィルム12と不織布16との積層体は、適宜ロール状に巻き重ねられ、接着剤の種類に応じて、たとえばエーテル系接着剤であれば、約40℃の室において1日放置することにより、接着剤をエージングし、その後、熱収縮性フィルム12と不織布16との積層体を筒状に形成し、次いで適宜幅方向に切断して、シュリンクラベル10を成形する。
シュリンクラベル10を筒状に成形するには、筒状にする装置にて行えばよい。また、熱収縮性フィルム12の外表面(シュリンクラベル10を筒状にしたときの外側表面であって、接着剤層14が形成された面とは反対側の面)に印刷を施してもよい。
【0017】
【発明の効果】
この発明によれば、比較的製造が容易で一定の品質を保持することができる、シュリンクラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態であるシュリンクラベルの断面図解図である。
【図2】図1図示シュリンクラベルの内側表面の図解図である。
【図3】図1図示シュリンクラベルを筒状にした状態をあらわす断面図である。
【図4】図1図示シュリンクラベルの使用方法を示す断面図である。
【図5】シュリンクラベルの使用方法を示す正面図解図である。
【図6】シュリンクラベルの製造装置の図解図である。
【図7】図6図示のシュリンクラベルの製造装置の要部の図解図である。
【符号の説明】
10 シュリンクラベル
12 熱収縮性フィルム
14 接着剤層
16 不織布
18 切れ目
20 印刷層
22 連結層
100 シュリンクラベル製造装置
102 接着剤塗布装置
104 乾燥装置
106 不織布積層装置
108 切れ目形成装置
112 ロール状体
114 接着剤
X 容器
Claims (2)
- 熱収縮性フィルムの表面に接着剤層が形成され、該接着剤層の熱収縮性フィルムとは反対側表面に不織布が積層されたシュリンクラベルであって、
前記不織布に切れ目が設けられ、前記熱収縮性フィルムは前記切れ目の方向と交差する方向に熱収縮するように構成された、シュリンクラベル。 - 周方向に熱収縮するように構成された筒状の熱収縮性フィルムの内側面に接着剤層が形成され、該接着剤層の内側に不織布が積層されたシュリンクラベルであって、
筒状の前記熱収縮性フィルムの軸方向に沿って前記不織布に切れ目が形成された、シュリンクラベル。
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