JP3767174B2 - 車両用シート構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、後突時または後突予測時に乗員の頭部を保護するために、ヘッドレストを前方(乗員の頭部に近接する方向)に移動させるような車両用シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両用シート構造としては、例えば特開平10−973号公報および特開平10−6832号公報に記載の構造がある。
前者の特開平10−973号公報に記載の構造は、シートバック内に設けられた側面視L字状のリンク(ヘッドレストサポート)の上端部にヘッドレストを取付ける一方、上述のリンクをシートバックフレームの上端部に対して揺動可能に配設し、さらに上述のリンクのベルトガイド部とシートバックフレームの下端部との間には受圧ベルトを張架し、後突時において乗員の後方向きの慣性力による衝撃力で、受圧ベルトが後方に移動することにより、ベルトガイド部が後方に移動させられ、これに伴って上述のリンクを介してヘッドレストを前方に移動すべく構成し、乗員を保護するように成したものである。
【0003】
この従来構造によれば後突時にヘッドレストを前方に変位させて乗員の頭部を保護することができる利点がある反面、ヘッドレストのみの前方移動により乗員の頭部のみをサポートするものであるから、乗員の頸部にかかる負担が大きくなり、乗員の頸部に応力が集中して、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することが困難な問題点があった。
【0004】
一方、後者の特開平10−6832号公報に記載の装置は、シートバックの内部に上体荷重受けフレームを配設し、このフレームに対してリンク機構を取付け、このリンク機構の上端部にヘッドレストを取付けて、後突時においてシートに着座した乗員の後方向きの慣性力による衝撃力で、上体荷重受けフレームが車両後方へ移動し、リンク機構を介して上述のヘッドレストを車両前方の斜め上方に向けてスライドさせ、乗員頭部を保護すべく構成したものである。
【0005】
この従来構造においても後突時にヘッドレストを前方に変位させて乗員の頭部を保護することができる利点がある。しかし、この従来構造にあっても前者と同様にヘッドレストのみを前方へ移動させて乗員の頭部のみをサポートするものである関係上、乗員の頸部にかかる負担が大となって、乗員の頸部に応力が集中して、当該乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができない問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、シートバックに設けられた荷重受け部にて乗員による後方荷重を受けた後突時に、リンク部材によりヘッドレストとシートバック上部との双方を前方移動させるように構成することで、乗員の頭部と肩部とを同時に保持して、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、以て乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができ、しかも、リンク部材を枠状体にて構成し、その構造の簡略化を図ることができる車両用シート構造の提供を目的とする。
【0007】
この発明の請求項2記載の発明は、後突を検出または予測するセンサ(予測センサまたは加速度センサ)により後突を検出または予測した時、リンク部材によりヘッドレストとシートバック上部との双方を前方移動させるように構成することで、乗員の頭部と肩部とを同時に保持して、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、これにより乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができ、しかもフレーム補強部材によりシートバックフレーム、特に駆動モータが設けられる上部の剛性を向上することができ、門形状体のリンク部材との組合せにより、リンク部材のストッパ機構を簡単な構成と成すことができる車両用シート構造の提供を目的とする。
【0008】
この発明の請求項3記載の発明は、リンク部材をフレーム上部に軸支させて、軸支部より下方側のリンク部材をシートバックフレームの内側にコンパクトに配設することができる車両用シート構造の提供を目的とする
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明はシートバックに設けられた荷重受け部と、上記シートバックの上部に設けられたヘッドレストと、上記荷重受け部にて乗員による後方荷重を受けた時、上記ヘッドレストを前方に変位させるリンクとを備えた車両用シート構造であって、上記シートバックは、左右一対のフレーム側部と、該フレーム側部の上端間に設けられたフレーム上部とを含み、シートバック下方側のフレームを構成するシートバックフレームと、上下方向中間部が上記シートバックフレームに対して前後方向に回動可能に軸支される左右一対のリンク側部と、該リンク側部の上端間に設けられると共に、ヘッドレストが固定されるリンク上部と、上記リンク側部の下端間に設けられるリンク下部とから成る枠状体で構成され、上記シートバックフレーム内方に配設される軸支部より下方のリンク側部およびリンク下部とで荷重受け部の一部を形成し、上記軸支部より上方のリンク側部およびリンク上部でヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させるシートバック上部のフレームを構成するリンク部材と、を備えた車両用シート構造であることを特徴とする。
【0010】
この発明の請求項2記載の発明は、後突を検出または予測するセンサと、シートバックの上部に設けられたヘッドレストと、上記センサにより後突を検出または予測した時、ヘッドレストを前方に変位させるリンクとを備えた車両用シート構造であって、上記シートバックは、左右一対のフレーム側部と、該フレーム側部の上端より下方の位置間に設けられたフレーム補強部材とを含み、シートバック下方側のフレームを構成するシートバックフレームと、上記フレーム補強部材より上方位置のフレーム側部に対して前後方向に回動可能に軸支されると共に、軸支部から下方に延び、上記フレーム補強部材の後方を通って該フレーム補強部材より下方位置まで延びる左右一対のリンク側部と、該リンク側部の上端間に設けられると共に、ヘッドレストが固定されるリンク上部と、上記軸支部より上方位置のリンク側部間に設けられるリンク補強部材とから成る門形状体で構成され、上記ヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させるシートバック上部のフレームを構成するリンク部材と、上記フレーム補強部材より上方のフレーム側部に取付けられて上記リンク部材およびヘッドレストを駆動させるための駆動モータと、を備えた車両用シート構造であることを特徴とする。
【0011】
この発明の請求項3記載の発明は、上記軸支部より下方のリンク部材は、上記シートバックフレームの内側に配設され、上記リンク部材はフレーム上部に軸支された車両用シート構造であることを特徴とする
【0012】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、車両の後突時に上述の荷重受け部にて乗員による後方荷重を受けた時、上述のリンク部材はヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させる。
このため、乗員の頭部をヘッドレストにて、また肩部をシートバック上部にて同時に保持することができ、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、以て乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0013】
しかも、リンク部材は、左右一対のリンク側部と、リンク側部の上端間に設けられるリンク上部と、リンク側部の下端間に設けられるリンク下部とから成る枠状体で構成したので、その構造の簡略化を図ることができる。
【0014】
また、リンク部材が軸支された軸支部とヘッドレストとの位置関係により、上述のヘッドレストの前方移動量シートバック上部の前方移動量に対して大きくなるので、次のような効果がある。
すなわち、乗員のシートに対する着座姿勢における頭部とヘッドレストとの間の距離は、肩部とシートバック上部との間の距離に対して大きく、このような距離の大小に対応した適切な前方移動量を確保することができるので、乗員保護性能をより一層向上させることができる効果がある。
【0015】
さらに、上述のヘッドレストシートバック上部に固定したので、このヘッドレストはシートバック上部と一体的に移動される。この結果、リンク構成の簡略化を達成することができる効果がある。
【0016】
加えて、上述のリンク部材は荷重受け部より上方に設けられた軸支部を中心として回動し、このリンク部材における軸支部よりも上方部にはシートバック上部とヘッドレストとが固定されているので、リンク部材回動時にシートバック上部とヘッドレストとを一体的に前方に変位させることができる。
このように、簡単なシーソータイプのリンク構造にて乗員頭部とヘッドレストとの間の距離、肩部とシートバック上部との間の距離の大小に対応した適切なヘッドレスト前方移動量、シートバック上部の前方移動量を確保することができ、構成の簡略化を図ることができる効果がある。
【0017】
この発明の請求項2記載の発明によれば、後突を検出または予測する予測センサが後突を検出または予測した時、上述のリンク部材はヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させる。
この結果、乗員の頭部をヘッドレストにて、また肩部をシートバック上部にて同時に保持することができ、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0018】
また、リンク部材が軸支された軸支部とヘッドレストとの位置関係により、上述のヘッドレストの前方移動量がシートバック上部の前方移動量に対して大きくなるので、次のような効果がある。
すなわち、乗員のシートに対する着座姿勢における頭部とヘッドレストとの間の距離は、肩部とシートバック上部との間の距離に対して大きく、このような距離の大小に対応した適切な前方移動量を確保することができるので、乗員保護性能をより一層向上させることができる効果がある。
【0019】
さらに、上述のヘッドレストをシートバック上部に固定したので、このヘッドレストはシートバック上部と一体的に移動される。この結果、リンク構成の簡略化を達成することができる効果がある。
【0020】
しかも、フレーム補強部材によりシートバックフレーム、特に駆動モータが設けられる上部の剛性を向上させることができると共に、門形状体から成るリンク部材との組合せにより、リンク部材のストッパ機構を簡単な構造と成すことができる。
【0021】
この発明の請求項3記載の発明によれば、リンク部材をフレーム上部に軸支させるので、軸支部よりも下方側のリンク部材をシートバックフレームの内側に対してコンパクトに配設することができる。
【0022】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用シート構造を示し、図1、図2において、この車両用シート構造におけるシート1は、シートクッションと、シートバック2と、ヘッドレスト3とを備えている。
【0023】
上述のシートバック2の内部には方形枠状のシートバックフレーム4を設けている。このシートバックフレーム4は車幅方向に延びるフレーム上部4aおよびフレーム下部4bと、上下方向に延びるフレーム側部4c,4dとを有し、上述のフレーム上部4aはシートバック2の上下方向における中間部上方寄りに位置する。
【0024】
また左右のフレーム側部4c,4d間における下域部相互間には後方に湾曲状に膨出する補強部材5を張架して、シートバックフレーム4の剛性向上を図っている。
上述のシートバックフレーム4の内側かつ後部には方形枠状(閉ループ状)のリンク部材6を設けている。このリンク部材6は車幅方向に延びるリンク上部6aおよびリンク下部6bと、上下方向に延びるリンク側部6c,6dとを有し、左右のリンク側部6c,6dにおける上下方向中間部は、上述のフレーム上部4aに可回動に配設された軸受ブラケット7,7に接合固定され、フレーム上部4aを支点としてリンク部材6の全体が回動するように構成されている。なお、支点をフレーム上部4aに設定する構成に代えて、支点を別設してもよいが、フレーム上部4aを支点と成すと、部品点数の削減を図ることができる。
【0025】
上述の支点(フレーム上部4a参照)よりも下方におけるリンク部材6の左右のリンク側部6c,6d相互間には荷重受け部としての2条のベルト部材(いわゆるストラップ)8,8を離間させて張架している。このベルト部材8.8は車両の後突時に乗員による後方荷重を受けるものである。換言すれば、上述のリンク部材6は荷重受け部としてのベルト部8,8より上方に設けられた支点(フレーム上部4a参照)を中心として回動可能に構成され、このリンク部材6における支点より上部にシートバック2の上部2aとヘッドレスト3とが固定されている。
【0026】
ところで、上述のリンク部材6におけるリンク上部6aにはポールガイド9、ヘッドレストポール10、取付け部材11、芯材12を介して前述のヘッドレスト3を高さ調整可能に取付けている。
ここで、上述のリンク上部6aは図3に示す如く、そのポールガイド9の取付け部を湾曲凹状に窪ませて、この凹部に断面が略C字状のポールガイド9,9を溶接固定したものである。
【0027】
また上述のリンク部材6におけるリンク側部6c,6dの前面にはシートバックフレーム4側に延びる複数のストッパ13…を接合固定し、図4に示す付勢手段としてのスプリング16で、上述の各ストッパ13…をシートバックフレーム4のフレーム側部4c,4d背面に圧接すべく構成している。
【0028】
すなわち、図4に示す如くフレーム側部4c,4d(但し図4ではその一方4dのみを示す)の内側にリテーナ14を設けると共に、リンク側部6c,6d(但し図4ではその一方6dのみを示す)の外側にリテーナ15を設けて、これら前後の各リテーナ14,15間にスプリング(付勢手段)16を張架し、ベルト部材8,8より上方の支点(フレーム上部4a参照)を中心に回動可能に構成されたリンク部材6を、上述のスプリング16にて適正位置に位置保持すべく構成し、後突時における荷重受け部からリンク部材6への荷重伝達を良好に行なうように構成している。
【0029】
さらに図1、図2に示すようにリンク部材6の下部と、対応するシートバックフレーム4との間には、通常時(非後突時)にリンク部材6の回動を禁止し、後突時にリンク部材6の回動を許容するロック機構17を介設している。
【0030】
つまり、このロック機構17はリンク部材6におけるリンク側部6c,6dの外側面に一体的に突設形成された係止ピン18と、シートバックフレーム4におけるフレーム側部4c,4dの内側面に設けられた支軸19と、この支軸19に枢支され、その後端にフック20を有すると共に、その下端には重り21が取付けられたアーム22とを備え、通常時においては上述のフック20で係止ピン18を係止して、リンク部材6の回動を禁止して、通常時の乗員サポート性能の向上を図る一方、後突時には重り21に作用する慣性力によってアーム22が支軸19を支点として図2の反時計方向へ回動して、フック20による係止ピン18の係止を解除して、リンク部材6の回動を許容すべく構成したものである。
【0031】
要するに、上述のリンク部材6は後突時において図5に示す如く、ヘッドレスト3とシートバック上部2aとの双方を前方へ移動すべく構成し、図5から明らかなようにヘッドレスト3の前方移動量はシートバック上部2aの前方移動量に対して大きく設定されている。
このように構成した車両用シート構造の作用を以下に詳述する。
【0032】
通常時(非後突時)においては、リンク部材6は付勢手段としてのスプリング16でストッパ13がシートバックフレーム4背面に当接するように、その支点(フレーム上部4a参照)より下方の部分が前方へバネ付勢されると共に、ロック機構17にてその回動が禁止されている。
このため、通常時においては上述のリンク部材6は適正な位置に保持され、乗員を良好にサポートすることができる。
【0033】
一方、車両の後突時にはロック機構17の重り21に慣性力が作用して、フック20が係止ピン18から外れると共に、上述のベルト部材8,8が乗員による後方荷重(図5に矢印aで示す方向の荷重)を受けるので、リンク部材6は支点(フレーム上部4a参照)を中心として図2に示す状態から図5に示すように図示の反時計方向へ回動し、ヘッドレスト3とシートバック上部2aとの双方を図5に仮想線α1,α2に示す状態から同図に仮想線β1,β2で示すように同時に前方移動させて、乗員の頭部と肩部とを同時に保持する。
なお、上述のリンク部材6の支点よりも下方部が後退回動し得るように、シートバック2内の所定部位のクッション部材は、その配設が予め規制されている。
【0034】
このように図1〜図5に示す実施例によれば、車両の後突時に上述の荷重受け部にて乗員による後方荷重を受けた時、上述のリンク部材6はヘッドレスト3とシートバック2の上部2aとの双方を前方移動させる。
このため、乗員の頭部をヘッドレスト3にて、また肩部をシートバック上部22にて同時に保持することができ、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、以て乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0035】
また、リンク部材6が軸支された軸支部とヘッドレスト3との位置関係により、上述のヘッドレスト3の前方移動量シートバック上部2aの前方移動量に対して大きくなるので、次のような効果がある。
すなわち、乗員のシート1に対する着座姿勢における頭部とヘッドレスト3との間の距離は、肩部とシートバック上部2aとの間の距離に対して大きく、このような距離の大小に対応した適切な前方移動量を確保することができるので、乗員保護性能をより一層向上させることができる効果がある。
【0036】
さらに上述のヘッドレスト3をシートバック上部2aに固定したので、このヘッドレスト3はシートバック2a部と一体的に移動される。この結果、リンク構成の簡略化を達成することができる効果がある。
【0037】
加えて、上述のリンク部材6は荷重受け部(ベルト部材8参照)より上方に設けられた軸支部(フレーム上部4a参照)を中心として回動し、このリンク部材6における軸支部により上方部にはシートバック上部2aとヘッドレスト3とが固定されているので、リンク部材6の回動時にシートバック上部2aとヘッドレスト3とを一体的に前方に変位させることができる。
このように、簡単なシーソータイプのリンク構造にて乗員頭部とヘッドレスト3との間の距離、肩部とシートバック上部2aとの間の距離の大小に対応した適切なヘッドレスト3の前方移動量、シートバック上部2aの前方移動量を確保することができ、構成の簡略化を図ることができる効果がある。
【0038】
図6〜図8は車両用シート構造の他の実施例を示し、この実施例においては外側に位置するシートバックフレーム4と内側に位置するリンク部材6とを、図7、図8に示す如く側面から見て略X字状にクロスすべく配設し、軸支部としてのシートバックフレーム4のフレーム上部4aをリンク部材6におけるリンク側部6c,6dの背部に位置させて、軸受ブラケット7,7にて両者4a,6c、4a,6dを可回動に連結したものである。
【0039】
また付勢手段としては図4、図5に示すコイルスプリング16に代えて、フレーム上部4aに巻回したスプリング23を用い、このスプリング23の一端23aをリンク部材6のリンク側部6c,6d前面に係止させ、スプリング23の他端23bをシートバックフレーム4のフレーム上部4a背面に係止させて、リンク部材6のストッパ13,13がシートバックフレーム4背面に当接するように構成したものである。
【0040】
このように構成しても、車両の後突時に荷重受け部(ベルト部材8参照)にて乗員による後方荷重を受けた時、上述のリンク部材6は図7の状態から図8に示すように軸支部(フレーム上部4a参照)を中心として回動して、ヘッドレスト3とシートバック2の上部2aとの双方を図8に仮想線β1,β2で示すように前方に変位させて、乗員の頭部、肩部を同時に保持することができ、その他の点についても、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図6〜図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0041】
図9〜図13は車両用シート構造のさらに他の実施例を示し、図9〜図11においてシートバック2の内部に略U字状のシートバックフレーム24を設けている。
このシートバックフレーム24は上下方向に延びる左右のフレーム側部24a,24bと、車幅方向に延びるフレーム下部24cとを有し、左右のフレーム側部24a,24bにおける上下両部位相互間には補強部材25,26それぞれを張架して、シートバックフレーム24の剛性向上を図っている。ここで、下側の補強部材26は後方に湾曲状に膨出するものである。
【0042】
また、ヘッドレスト3とシートバック上部2aとの双方を同時に前方移動させるリンク部材27を設けている。このリンク部材27はシートバックフレーム24の開放側インサイドに位置する略門形状のリンクで、このリンク部材27は車幅方向に延びるリンク上部27aと、上下方向に延びる左右のリンク側部27b,27cとを有し、これら左右のリンク側部27b,27c相互間にはリンク補強部材28を張架して、リンク部材27の剛性向上を図っている。
【0043】
而して、シートバックフレーム24のフレーム側24a,24bの上部に対して、リンク部材27のリンク側部27b,27cの下部を、支軸29,29を用いて回動可能に連結する一方、リンク部材27におけるリンク側部27b,27cの下端を後方に屈曲させて、フレーム補強部材25の背部に当接するストッパ30,30と成して、このストッパ30でリンク部材27の後方回動を規制すべく構成している。
【0044】
さらに上述のシートバックフレーム24におけるフレーム側部24a,24bの上端には一体または一体的にT字部31(後述するガイドローラおよび駆動モータの取付け部)を形成し、このT字部31の水平線前後にはガイドローラ32,33を枢着支持させる一方、T字部31の垂直部外面には、内部にガイドローラを有し、かつ前後両部にてワイヤ34の筒状のガイド部35,36を備えた直流可逆モータ37(駆動モータ)が取付けられている。
【0045】
一方、上述のリンク部材27におけるリンク側部27b,27cの外面にはブラケット38,38を固定し、図10に示すように、このブラケット38に一端を係合固定させた上述のワイヤ34を前側のガイドローラ32に一回転巻回し、この巻回導出部をガイド部35を介して内部ガイドローラ(図示せず)に一回転巻回し、さらに、この巻回導出部をガイド部36から後方に導出した後に、このワイヤ34を後側のガイドローラ33に一回巻回して、その先端導出部つまりワイヤ34の他端を上述のブラケット38に係合固定させて、駆動モータ37の駆動時にワイヤ34を介して、上述のリンク部材27を支軸29を中心として移動すべく構成している。
なお、図9〜図11において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0046】
図12には図9〜図11で示した車両用シート構造の制御回路を示し、CPU40は後突を予測する後突予測手段としての予測センサ41からの信号、または後突を検出する後突検出手段としての加速度センサ42(以下単にGセンサと略記する)からの信号入力に基づいて、ROM43に格納されたプログラムに従って、2つの可逆モータ37,37を同期駆動し、またRAM44は必要なデータやマップを記憶する。
【0047】
ここで、上述のCPU40はその内部に衝突タイミング判定部45を有し、衝突(後突)の予測時点から実際に衝突がおこるタイミング(衝突タイミング)を演算により判定する。
また上述の予測センサ41は超音波を用いて自車両と後突の可能性がある他車両との間の相対距離や相対速度を計測して、後突を予測(予知)する。
【0048】
さらに、上述のCPU40は、予測センサ41またはGセンサ42により後突を予測または検出した時に、図9〜図11で示したリンク部材27を介して、シートバック2の上部に設けられたヘッドレスト3とシートバック上部2aとの双方を前方へ移動させる制御手段である。
【0049】
このように構成した車両用シート構造の作用を、図13に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
第1ステップS1で、CPU40は予測センサ41による検出を実行し、次の第2ステップS2で、CPU40はセンサ出力に基づいて衝突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には第3ステップS3に移行する一方、YES判定時には第4ステップS4に移行する。
【0050】
上述の第3ステップS3で、CPU40はヘッドレスト3、シートバック2が作動されていれば、これらを違和感のないようにゆっくりと元に戻す。
一方、上述の第4ステップS4で、CPU40は衝突タイミング判定部45にて後突時点(衝突タイミング)を判定(演算)する。次に第5ステップS5で、CPU40は後突予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップS1にリターンする一方、YES判定時には次の第6ステップS6に移行する。
【0051】
この第6ステップS6で、CPU40は現時点が衝突タイミング(衝突時点)の所定時間前か否かを判定し、NO判定時には第5ステップS5にリターンする一方、YES判定時には次の第7ステップS7に移行する。
【0052】
この第7ステップS7で、CPU40は2つの駆動モータ37,37を同期駆動し、ワイヤ34を介してリンク部材27を、支軸29を中心として前方へ変位させ、仮想線α3,α4に示す状態から同図に仮想線β3,β4で示すようにヘッドレスト3とシートバック上部2aの双方を前方に移動させて、乗員の頭部と肩部とを同時に保持する。
【0053】
このように図9〜図13で示した実施例は、後突を予測する予測センサ41が後突を予測した時、上述のリンク部材27はヘッドレスト3とシートバック2の上部2aとの双方を前方移動させる。
【0054】
この結果、乗員の頭部をヘッドレスト3にて、また肩部をシートバック上部2aにて同時に保持することができ、乗員の頸部に応力が集中するのを大幅に低減し、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。なお、予測センサ41で後突を予測する構成に代えて、Gセンサ42で後突を検出すべく構成してもよい。
【0055】
また、リンク部材27が軸支された軸支部(支軸29)とヘッドレスト3との位置関係により、図11に示すように上述のヘッドレスト3の前方移動量シートバック上部2aの前方移動量に対して大きくなるので、次のような効果がある。
すなわち、乗員のシート1に対する着座姿勢における頭部とヘッドレスト3との間の距離は、肩部とシートバック上部2aとの間の距離に対して大きく、このような距離の大小に対応した適切な前方移動量を確保することができるので、乗員保護性能をより一層向上させることができる効果がある。
【0056】
さらに、上述のヘッドレスト3をシートバック上部2aに固定したので、このヘッドレスト3はシートバック上部2aと一体的に移動される。この結果、リンク構成の簡略化を達成することができる効果がある。
【0057】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の荷重受け部は、実施例のベルト部材8(いわゆるストラップ)と、軸支部よりも下方のリンク側部6c,6dおよびリンク下部6bとに対応し、
以下同様に、
リンクは、リンク部材6,27に対応し、
支点は、フレーム上部4aに対応し、
後突を検出するセンサは、Gセンサ42に対応し、
後突を予測するセンサは、予測センサ41に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述の荷重受け部は、ベルト部材8に代えてランバーサポートのようなサポート部材で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用シート構造を示す正面図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 図1のB−B線に沿う部分拡大断面図。
【図4】 付勢手段の取付け構造を示す部分側面図。
【図5】 ヘッドレスト前動時の説明図。
【図6】 本発明の車両用シート構造の他の実施例を示す正面図。
【図7】 図6の側面図。
【図8】 ヘッドレスト前動時の説明図。
【図9】 本発明の車両用シート構造のさらに他の実施例を示す正面図。
【図10】 図10の側面図。
【図11】 ヘッドレスト前動時の説明図。
【図12】 制御回路ブロック図。
【図13】 ヘッドレストおよびシートバック上部の前方移動処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
2…シートバック
2a…シートバック
3…ヘッドレスト
4,24…シートバックフレーム
4a…フレーム上部
4c,4d,24a,24b…フレーム側部
6,27…リンク部材(リンク)
6a,27a…リンク上部
6b…リンク下部
6c,6d,27b,27c…リンク側部
8…ベルト部材(荷重受け部)
25…フレーム補強部材
28…リンク補強部材
29…支軸(軸支部)
37…駆動モータ
41…予測センサ(センサ)
42…Gセンサ(センサ)

Claims (3)

  1. シートバックに設けられた荷重受け部と、上記シートバックの上部に設けられたヘッドレストと、上記荷重受け部にて乗員による後方荷重を受けた時、上記ヘッドレストを前方に変位させるリンクとを備えた車両用シート構造であって、
    上記シートバックは、
    左右一対のフレーム側部と、該フレーム側部の上端間に設けられたフレーム上部とを含み、シートバック下方側のフレームを構成するシートバックフレームと、
    上下方向中間部が上記シートバックフレームに対して前後方向に回動可能に軸支される左右一対のリンク側部と、該リンク側部の上端間に設けられると共に、ヘッドレストが固定されるリンク上部と、
    上記リンク側部の下端間に設けられるリンク下部とから成る枠状体で構成され、上記シートバックフレーム内方に配設される軸支部より下方のリンク側部およびリンク下部とで荷重受け部の一部を形成し、上記軸支部より上方のリンク側部およびリンク上部でヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させる
    シートバック上部のフレームを構成するリンク部材と、
    を備えた
    車両用シート構造。
  2. 後突を検出または予測するセンサと、シートバックの上部に設けられたヘッドレストと、上記センサにより後突を検出または予測した時、ヘッドレストを前方に変位させるリンクとを備えた車両用シート構造であって、
    上記シートバックは、
    左右一対のフレーム側部と、該フレーム側部の上端より下方の位置間に設けられたフレーム補強部材とを含み、シートバック下方側のフレームを構成するシートバックフレームと、
    上記フレーム補強部材より上方位置のフレーム側部に対して前後方向に回動可能に軸支されると共に、軸支部から下方に延び、上記フレーム補強部材の後方を通って該フレーム補強部材より下方位置まで延びる左右一対のリンク側部と、該リンク側部の上端間に設けられると共に、ヘッドレストが固定されるリンク上部と、上記軸支部より上方位置のリンク側部間に設けられるリンク補強部材とから成る門形状体で構成され、上記ヘッドレストとシートバックの上部との双方を前方移動させるシートバック上部のフレームを構成するリンク部材と、
    上記フレーム補強部材より上方のフレーム側部に取付けられて上記リンク部材およびヘッドレストを駆動させるための駆動モータと、
    を備えた
    車両用シート構造。
  3. 上記軸支部より下方のリンク部材は、上記シートバックフレームの内側に配設され、
    上記リンク部材はフレーム上部に軸支された
    請求項1記載の車両用シート構造。
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