JP3766767B2 - 自動車用懸架コイルばね及び該懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置 - Google Patents

自動車用懸架コイルばね及び該懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置 Download PDF

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    • B60G2206/40Constructional features of dampers and/or springs
    • B60G2206/42Springs
    • B60G2206/426Coil springs having a particular shape, e.g. curved axis, pig-tail end coils

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストラット型懸架装置に好適な自動車用懸架コイルばね、及びこの懸架コイルばねを備えたストラット型懸架装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の車体懸架に圧縮コイルばねが供されており、一般的に圧縮コイルばねはそのコイル軸とばね反力の方向が一致するように設計されている。自動車用懸架装置に関しては、種々の形式のものが知られているが、車輪の位置決め用の支柱(ストラット)としてショックアブソーバ(緩衝器)を利用したストラット型懸架装置が普及している。このストラット型懸架装置においては、荷重入力軸とストラット軸との間のずれが不可避であるため、ストラットに曲げモーメントが発生し、ストラットのガイド部及びピストン部に作用する横力によってショックアブソーバとしての円滑な摺動作動が阻害される。これを防止するため、例えば円筒状の圧縮コイルばねのコイル軸をストラット軸に対してオフセットさせて曲げモーメントを相殺する技術が利用されている。
【0003】
上記の圧縮コイルばねのコイル軸とストラット軸の関係は幾何学的に決められるため、圧縮コイルばね単体としてはオフセットが生じないように、即ちコイル軸とばね反力の方向が一致するように設計することが要求されていた。例えば、ストラット型懸架装置に供される圧縮コイルばねに関しては、本願発明者を含む研究者によって発表された「サスペンション設計における懸架コイルばねの横力低減技術」と題する論文(ばね技術研究会、1995年8月28日発行)に記載のように、圧縮コイルばねの横力を最小化することが課題とされていた。
【0004】
これに対し、Automotive Engineering誌(1997年9月発行)の56頁及び57頁には、ストラット型懸架装置におけるショックアブソーバの摩擦を最小とすべく、ショックアブソーバの軸に対してコイルばねの軸を傾斜させた2種の製品が開示されている。一つは、一端をピッグテール巻として、その中心と他端の座巻中心とを結ぶ軸をショックアブソーバの軸とし、この軸とスプリング力方向(ばね反力方向)とが所定の角度を成し他端の座巻中心で交差するように構成されている。そして、他の一つは、両端をピッグテール巻として、これらの中心を結ぶ軸をショックアブソーバの軸とし、この軸とスプリング力方向とが所定の角度を成しコイルばねの軸方向中心で交差するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用懸架装置の一層の小型化が要請される今日においては、通常の円筒状圧縮コイルばねを用いストラット及びその支持機構の改良を加えるだけでは、路面荷重によってストラットに発生する曲げモーメントを打ち消すことは困難である。従って、圧縮コイルばねの横力を積極的に増大させ、この圧縮コイルばねをストラット型懸架装置に適用することが必要となる。然し乍ら、汎用のコイルばねでは所定の横力を付与することは容易ではない。
【0006】
前述のAutomotive Engineering誌(1997年9月発行)に開示されたコイルばねにおいても、ストラット型懸架装置への装着時に必要とされる横力を確保することはできない。即ち、ストラットのガイド部及びピストン部に作用する横力を相殺し得る横力を付与することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、簡単な構造で、ストラット型懸架装置への装着時にストラットに対して所望の横力を適切に付与し得る自動車用懸架コイルばねを提供することを課題とする。
【0008】
また、本発明は、ストラットに対して所望の横力を適切に付与し得るストラット懸架装置を提供することを別の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は請求項1に記載のように、上側座と下側座との間に圧縮コイルばねを圧縮可能に配置する自動車用懸架コイルばねにおいて、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が、前記圧縮コイルばねの胴部のコイル軸に対しオフセットするように前記圧縮コイルばねを形成すると共に、前記圧縮コイルばねの自由状態において、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記下側座に着座する前記圧縮コイルばねの下側座面が前記下側座に対して所定角度傾斜するように、前記圧縮コイルばねの下側座巻のピッチを設定し、及び/又は、前記圧縮コイルばねの自由状態において、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側と反対側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記上側座に着座する前記圧縮コイルばねの上側座面が前記上側座に対して所定角度傾斜するように、前記圧縮コイルばねの上側座巻のピッチを設定することとしたものである。
【0010】
尚、上記の自動車用懸架コイルばねにおいて、請求項2に記載のように、前記上側座巻及び下側座巻を、ピッグテール巻きとするとよい。
【0011】
また、本発明のストラット型懸架装置は、請求項3に記載のように、車体にストラットの上端を支持すると共に、前記ストラットを固定する下側座と前記車体に支持する上側座との間に、前記ストラットを囲繞するように圧縮コイルばねを配置し、前記ストラットを介して前記車体に車輪を支持するストラット型懸架装置において、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が、前記圧縮コイルばねの胴部のコイル軸に対しオフセットするように前記圧縮コイルばねを形成すると共に、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側と反対側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記下側座を所定角度傾斜させて支持し、及び/又は、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記上側座を所定角度傾斜させて支持し、前記圧縮コイルばねを、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側が前記車体の内側となるように保持することとしたものである。
【0012】
上記のストラット型懸架装置においても、請求項4に記載のように、前記圧縮コイルばねの前記上側座巻及び下側座巻を、ピッグテール巻きとするとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は自動車用懸架コイルばねに供する圧縮コイルばね5の一実施形態の断面を示す。図2は図1の圧縮コイルばね5をストラット型懸架装置(以下、単に懸架装置という)に組付けた状態を示し、圧縮コイルばね5の上端を支持する部分を除き、懸架装置の構成を二点鎖線で示している。
【0014】
先ず、図2を参照して懸架装置の全体構成を説明すると、車体1にストラット2の上端が弾性的に支持されると共に、上側座3が車体1に支持され、ストラット2の胴部に下側座4が固定されている。これら上側座3と下側座4との間に、ストラット2を囲繞するように圧縮コイルばね5が配置されている。ストラット2の下端はナックル6に固定され、ナックル6はロアアーム7を介して車体1にピボット結合されている。而して、ナックル6に軸支される車輪8はストラット2及び圧縮コイルばね5を介して車体1に支持されると共に、ロアアーム7を介して車体1に支持されている。
【0015】
ストラット2はシリンダ2aと、このシリンダ2a内に摺動自在に支持されたロッド2bを備え、これらによってショックアブソーバが構成されている。ロッド2bの上端はストラットマウント10を介して車体1に取り付けられ、シリンダ2aの下端がナックル6に取り付けられる。ストラットマウント10は、軸受11を介して上側座3を車体1に支持する下側ブラケット12と、この下側ブラケット12と共に車体1にボルト結合する上側ブラケット13を備え、これらの間に防振ゴム14が収容されている。一方、ストラット2のロッド2bの先端には支持ブラケット15が固定されており、この支持ブラケット15が下側ブラケット12と上側ブラケット13の間で防振ゴム14に挟持されている。
【0016】
而して、本実施形態のストラットマウント10は荷重経路分離型となっており、ストラット2は防振ゴム14を介して車体1に支持されているので車輪8からの振動が吸収され、圧縮コイルばね5は軸受11を介して車体1に支持されているので圧縮、拡張作動時に生ずる応力が適切に吸収される。尚、防振ゴム14は、本願では詳細な説明は省略するが、圧縮コイルばね5のばね反力軸が上側座面USの略中心を通るように設計されている。
【0017】
上記の構成になる懸架装置においては、図2に示すように、荷重入力軸AAとばね反力軸RAは一致せず、ストラット2のストラット軸SAと荷重入力軸AAとは角度θ1をなすのに対し、ストラット軸SAとばね反力軸RAとは角度θ2をなしている。尚、LAはロアアーム7の軸、KAはキングピン軸を表す。上記荷重入力軸AAとストラット軸SAの不一致に起因し、ストラット2のシリンダ2aとロッド2bとの間に摺動抵抗が生じ得るが、この摺動抵抗は後述するように圧縮コイルばね5の付勢力によって発生が抑えられ、ロッド2bの円滑な摺動作動が確保される。
【0018】
本実施形態の圧縮コイルばね5は図1に示すように、その下側座巻5a及び上側座巻5bが何れもピッグテール巻とされ、これら下側座巻5a及び上側座巻5bの座巻中心、即ち下側座面LSの中心と上側座面USの中心を通る軸OFが、圧縮コイルばね5の胴部のコイル軸CAに対し所定距離dオフセットするように形成されている。
【0019】
そして、圧縮コイルばね5の自由状態において、下側座巻5a及び上側座巻5bの座巻中心を通る軸OF(以下、座巻中心軸OFという)がコイル軸CAに対しオフセットした側(図1の左側)の圧縮コイルばね5の側面の軸方向長さが短くなる方向(図1の時計方向)に、下側座面LSが下側座4に対して所定角度α傾斜するように、下側座巻5aのピッチが設定されている。また、座巻中心軸OFがコイル軸CAに対しオフセットした側と反対側(図1の右側)の圧縮コイルばね5の側面の軸方向長さが短くなる方向(図1の時計方向)に、上側座面USが上側座3に対して所定角度β傾斜するように、上側座巻5bのピッチが設定されている。
【0020】
この場合において、下側座面LSと下側座4との関係は相対的であり、図1では下側座4が水平で、これに対し下側座面LSが所定角度α傾斜する関係にあるが、逆に図1において下側座面LSを水平とし、下側座4が下側座面LSに対して所定角度α傾斜する関係としてもよい。同様に、図1においては上側座3が水平で、これに対し上側座面USが所定角度β傾斜する関係にあるが、逆に上側座面USを水平とし、上側座3が上側座面USに対して所定角度β傾斜する関係としてもよい。
【0021】
また、本実施形態においては、圧縮コイルばね5の自由状態において、下側座面LSが下側座4に対して図1の時計方向に所定角度α傾斜するように下側座巻5aのピッチが設定されると共に、上側座面USが上側座3に対して図1の時計方向に所定角度β傾斜するように、上側座巻5bのピッチが設定されているが、下側座巻5a及び上側座巻5bのいずれか一方側のみに対してピッチ設定を行なうこととしてもよい。
【0022】
即ち、上記の第1の態様のほか、図示は省略するが、第2の態様として、圧縮コイルばね5の座巻中心軸OFがコイル軸CAに対しオフセットするように形成し、下側座巻5aのピッチのみを、圧縮コイルばね5の自由状態において下側座面LSが下側座4に対して所定角度γ傾斜するように設定する態様がある。そして、第3の態様(図示省略)として、圧縮コイルばね5の座巻中心軸OFがコイル軸CAに対しオフセットするように形成し、上側座巻5bのピッチのみを、圧縮コイルばね5の自由状態において上側座面USが上側座3に対して所定角度δ傾斜するように設定する態様がある。
【0023】
上記のように構成された圧縮コイルばね5は、図1に2点鎖線で示した略平行の上側座3と下側座4との間に介装される。このとき、圧縮コイルばね5は、座巻中心軸OFがコイル軸CAに対しオフセットした側(図1の左側)が車体の内側となるように保持される。
【0024】
図3は、前述の圧縮コイルばね5のように、下側座巻5a及び上側座巻5bが何れもピッグテール巻で、座巻中心軸OF(図3ではz軸)がコイル軸CAに対し所定距離dオフセットするように形成されたモデル圧縮コイルばね5xを示すもので、下側座に対する下側座面の傾斜及び/又は上側座に対する上側座面の傾斜がばね反力に及ぼす影響の実験に供される。以下、この圧縮コイルばね5xに対し所定の一側面の軸方向長さが短くなる方向に圧縮した場合、即ち、図3に示すように圧縮コイルばね5xの上側座面及び下側座面をx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向となる方向に、夫々α度及びβ度回転させた場合における実験結果について説明する。
【0025】
図4は、図3の圧縮コイルばね5xを所定高さに圧縮した状態で上側座面及び下側座面をx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向となる方向に、夫々α度及びβ度回転させた場合のばね反力軸の変化を実線で示すもので、破線は下側座巻及び上側座巻がピッグテール巻とされた通常の圧縮コイルばねにおける同様の場合のばね反力軸の変化を示す。図4において、図3のx軸回りの回転角(傾斜角度α,β)を反時計方向に増加したときのばね反力軸の変化を表している(図4の矢印はα,βの増加方向を示す)。尚、ばね反力軸は上側座面及び下側座面に作用するばね反力の着力点を結ぶ線である。
【0026】
図4から以下の事項が明らかとなる。即ち、(1)上側座面及び下側座面の中心を通る軸を、圧縮コイルばねの胴部のコイル軸に対し所定距離dオフセットさせることによって、ばね反力軸はy方向、即ち座巻中心軸OF(図3のz軸)のコイル軸CAに対するオフセット方向と反対方向に平行移動する。(2)上側座面及び下側座面の傾斜角度α,βの図3の反時計方向への増加により、ばね反力軸のy方向の傾きが増加する。換言すれば、傾斜角度α,βの増加に応じて圧縮コイルばねに対する横力が増加する。(3)上側座面及び下側座面の傾斜角度α,βの増加に伴い、上側座面におけるばね反力の着力点は、圧縮コイルばね5xでは実線で示すように上側座面の中心(図4のz軸)に近づくのに対し、通常の圧縮コイルばねでは破線で示すように上側座面の中心から遠ざかる。
【0027】
上記とは逆に、圧縮コイルばね5xを所定高さに圧縮した状態で上側座面及び下側座面をx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき時計方向となる方向に回転させた場合には、上側座面及び下側座面の傾斜角度α,βの時計方向への増加により、ばね反力軸のy方向の傾きが減少する、即ち圧縮コイルばねに対する横力が減少することになる。
【0028】
尚、図5は、図3の圧縮コイルばね5xを所定高さに圧縮した状態で、上側座面及び下側座面を夫々図3のx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向となる方向に、夫々α,β度回転させる場合において、αあるいはβを増加させたときの横力の変化を示すもので、実線は本実施形態の圧縮コイルばね5を示し、破線は通常の圧縮コイルばねを示す。図5に明らかなように、何れの圧縮コイルばねもαあるいはβの増加に応じて横力が増加し、その差は殆どない。
【0029】
図6は、前述のAutomotive Engineering誌に開示された圧縮コイルばねのうち、一端をピッグテール巻として、その中心と他端の座巻中心とを結ぶ軸とスプリング力方向とが所定の角度を成し他端の座巻中心で交差するように構成された圧縮コイルばね(以下、特定ばねという)についての解析結果を示し、図7は、横力について、特定ばねと通常の圧縮コイルばねとの比較結果を示す。具体的には、図6は特定ばねと通常の圧縮コイルばねの反力軸の比較を示し、図7は横力の大きさを示す。両図において、実線が特定ばねを表し、破線が通常の圧縮コイルばねを表す。
【0030】
図6及び図7から明らかなように、特定ばねにおいては、ばね反力の着力点をコイル中心に近付ける効果はあるものの、横力の増加は僅かであり、ストラット型懸架装置への装着時に必要とされる横力には不十分である。
【0031】
而して、本実施形態の圧縮コイルばね5は、図2に示すように上側座3と下側座4との間に介装したときに、図3に示す圧縮コイルばね5xを所定高さに圧縮した状態で上側座及び下側座を、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向となる方向に、夫々α,β度回転させた場合と同様の状態となるように、図1のオフセット量d及び傾斜角度α,β(図1の時計方向の回転角)が設定され、上側座巻5b及び下側座巻5aのピッチが設定されている。これにより、図1に示すように形成された圧縮コイルばね5を、略平行に配置された上側座3と下側座4との間に介装すると図2に示す状態となり、図3の圧縮コイルばね5xに対し上側座及び下側座を、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向となる方向に傾斜させた場合と同様の効果を奏することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1に係る自動車用懸架コイルばねは、上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットするように圧縮コイルばねを形成すると共に、自由状態において、オフセットした側の圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、圧縮コイルばねの下側座面が下側座に対して所定角度傾斜するように、下側座巻のピッチを設定し、及び/又は、自由状態において、上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットした側と反対側の圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、圧縮コイルばねの上側座面が上側座に対して所定角度傾斜するように、圧縮コイルばねの上側座巻のピッチを設定することとしているので、従前の懸架装置に対し特に変更を加えることなく、上記の構成の圧縮コイルばねを組み付けるだけで、ばね反力軸が上側座の略中心を通るように適切に支持することができると共に、ストラットに対して所望の横力を適切に付与し、円滑な緩衝作動を確保することができる。
【0033】
更に、請求項2に記載のように構成した場合には、上側座及び下側座をピッグテール側の座巻に合致する形状とするだけで、オフセットを容易に設定できるだけでなく、装着時の位置決めが容易となる。
【0034】
また、請求項3に記載のストラット型懸架装置は、上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットするように圧縮コイルばねを形成すると共に、圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットした側と反対側の圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、下側座を所定角度傾斜させて支持し、及び/又は、上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットした側の圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、上側座を所定角度傾斜させて支持し、圧縮コイルばねを、上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸がコイル軸に対しオフセットした側が車体の内側となるように保持する構成とされているので、上側座に対し特段の調整を行なうことなく、ばね反力軸が上側座の略中心を通るように適切に支持することができ、ストラットに対して所望の横力を適切に付与し、円滑な緩衝作動を確保することができる。
【0035】
更に、請求項4に記載のように構成した場合には、上側座及び下側座をピッグテール側の座巻に合致する形状とするだけで、オフセットを容易に設定できるだけでなく、装着時の位置決めが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用懸架コイルばねに供する圧縮コイルばねを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る圧縮コイルばねを自動車用懸架装置に装着した状態を示す正面図である。
【図3】コイル軸に対しオフセットした座巻中心軸を有する圧縮コイルばねに関し、上側座面及び下側座面の傾斜がばね反力に及ぼす影響を実験するためのモデル圧縮コイルばねを示す斜視図である。
【図4】図3の圧縮コイルばねを所定高さに圧縮した状態で上側座面及び下側座面をx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向に回転させた場合におけるばね反力軸の変化を示すグラフである。
【図5】図3の圧縮コイルばねを所定高さに圧縮した状態で上側座面及び下側座面をx軸回りに、x軸の+側から原点をみたとき反時計方向に回転させた場合における回転角度に応じた横力の変化を示すグラフである。
【図6】一端をピッグテール巻として、その中心と他端の座巻中心とを結ぶ軸とスプリング力方向とが所定の角度を成し他端の座巻中心で交差するように構成された圧縮コイルばねと通常の圧縮コイルばねのばね反力軸を比較したグラフである。
【図7】図6で対象とした圧縮コイルばねと通常の圧縮コイルばねの横力の大きさを対比して示すグラフである。
【符号の説明】
1 車体, 2 ストラット, 3 上側座, 4 下側座,
5 圧縮コイルばね, 6 ナックル, 7 ロアアーム, 8 車輪,
10 ストラットマウント, US 上側座面, LS 下側座面

Claims (4)

  1. 上側座と下側座との間に圧縮コイルばねを圧縮可能に配置する自動車用懸架コイルばねにおいて、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が、前記圧縮コイルばねの胴部のコイル軸に対しオフセットするように前記圧縮コイルばねを形成すると共に、前記圧縮コイルばねの自由状態において、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記下側座に着座する前記圧縮コイルばねの下側座面が前記下側座に対して所定角度傾斜するように、前記圧縮コイルばねの下側座巻のピッチを設定し、及び/又は、前記圧縮コイルばねの自由状態において、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側と反対側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記上側座に着座する前記圧縮コイルばねの上側座面が前記上側座に対して所定角度傾斜するように、前記圧縮コイルばねの上側座巻のピッチを設定することを特徴とする自動車用懸架コイルばね。
  2. 前記上側座巻及び下側座巻を、ピッグテール巻きとすることを特徴とする請求項1記載の自動車用懸架コイルばね。
  3. 車体にストラットの上端を支持すると共に、前記ストラットを固定する下側座と前記車体に支持する上側座との間に、前記ストラットを囲繞するように圧縮コイルばねを配置し、前記ストラットを介して前記車体に車輪を支持するストラット型懸架装置において、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が、前記圧縮コイルばねの胴部のコイル軸に対しオフセットするように前記圧縮コイルばねを形成すると共に、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側と反対側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記下側座を所定角度傾斜させて支持し、及び/又は、前記圧縮コイルばねの上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側の前記圧縮コイルばねの側面の軸方向長さが短くなる方向に、前記上側座を所定角度傾斜させて支持し、前記圧縮コイルばねを、前記上側座巻及び下側座巻の座巻中心を通る軸が前記コイル軸に対しオフセットした側が前記車体の内側となるように保持することを特徴とするストラット型懸架装置。
  4. 前記圧縮コイルばねの前記上側座巻及び下側座巻を、ピッグテール巻きとすることを特徴とする請求項3記載のストラット型懸架装置。
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