JP3766622B2 - 借用電話番号を使用した通信方法および電話端末装置 - Google Patents

借用電話番号を使用した通信方法および電話端末装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信方法および電話端末装置に関し、更に詳しくは、電話端末に固有の電話番号と借用電話番号を割り当て、借用電話番号を課金先として通話できるようにした通信方法および電話端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電話システムでは、電話番号は各端末に固有の番号となっており、通信料金は、原則として発信元ユーザ端末に固有の電話番号に対して課金されるようになっている。発信元ユーザの負担を回避する方法の1つとして、着信者に課金するコレクトコール・サービスがあるが、これは主として国際電話に適用されるサービスであり、国内ユーザ間の一般的な通信には適用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
移動電話網の普及に伴い、携帯端末が個人的な使用目的以外に、企業における業務用の通話にも使用されるようになってきた。オフィス内の設置型電話機の場合、限られた通信回線を複数の端末で共有することによって、企業内の通信設備と通信経費を有効に利用できるが、携帯端末における回線共有サービスは行われていない。
【0004】
私的な通信には使わないことを前提として、従業員に業務用(公用)の携帯端末を支給した場合、各ユーザは、個人所有の携帯端末と業務用の携帯端末とを同時に所持する必要があり、携帯性が損なわれる。また、2つの端末に同時に着信があった場合、装置間の仕様の違いによって操作に戸惑いが発生したり、2つの端末に応答せざるを得ないため、通話相手に迷惑がかかる等の不都合が生ずる。
【0005】
特に、業務用の携帯電話に不慣れなユーザが、出張などの一時的な外出に際に業務用の携帯端末を携えた場合、個人で所有する携帯電話との操作性の違いによって、業務用の携帯端末の使用が煩わしくなる。また、企業側にとっても、使用頻度には関係なく、多数の携帯電話を維持する必要があり、通信費および設備の投資効率の面で問題がある。
【0006】
特開平10−13505号公報には、1つの端末に複数回線を収容し、待ち受け番号の1つを選択できるようにした携帯電話が提案されているが、端末毎に複数回線の契約をする必要があるため、私用と業務用の通信を別課金とする目的に対しては十分とは言えない。
【0007】
本発明の目的は、用途に応じて課金先を選択できる通信方法および電話端末装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、同一の端末に複数の電話番号を登録でき、且つ、特定の電話番号を他のユーザ端末と共用できる通信方法および電話端末装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、端末固有の電話番号と一時的に貸与された電話番号とを選択的に使い分けることのできる通信方法および電話端末装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、端末固有の電話番号の他に、他のユーザ端末と共用の電話番号を登録できる電話端末装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、固有の電話番号をもつユーザ端末に別のユーザ端末の電話番号を貸与しておき、ユーザが上記固有電話番号と借用電話番号の何れかを選択して発信できるようにしたことを特徴とする。
借用電話番号を選択した発呼に対して、電話網側で通話料金を借用電話番号に課金させることによって、本発明によれば、例えば、企業側が契約した電話番号を従業員の所有する端末に貸与した場合に、同一の電話端末を使用して、私用の通信料金と業務用の通信料金を別会計にすることが可能となる。また、企業側で契約した同一の電話番号を複数の従業員端末に貸与することにより、多数の端末で発生する業務用の通信料金を少数の契約電話番号に集約して課金させることが可能となる。
【0009】
更に詳述すると、本発明の通信方法は、電話網に接続された管理センタに、各ユーザ端末に固有の電話番号に付随する形で他のユーザ端末からの借用電話番号を登録しておき、借用電話番号を利用するユーザが、課金先として借用電話番号を指定した上で上記管理センタに着信先の電話番号を通知し、上記管理センタが、課金先を上記指定電話番号に設定した後、発信端末と着信先端末とを接続することを特徴とする。
【0010】
本発明の1実施例では、上記管理センタに、各ユーザ端末に固有の電話番号に付随して、上記固有電話番号および借用電話番号への着信優先順位情報を登録しておき、ユーザ端末から借用電話番号を着信先とする接続要求を受信した時、上記管理センタが、発信元ユーザ端末を上記着信優先順位情報によって特定される何れかのユーザ端末に接続することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施例では、ユーザ端末から借用電話番号を着信先とする接続要求を受信した時、上記管理センタが、発信元ユーザ端末を上記着信優先順位情報によって特定されるユーザ端末、または発信元で指定した特定のユーザ端末に選択的に接続することを特徴とする。
【0012】
本発明による電話端末装置は、予め指定された端末固有の電話番号と他のユーザ端末から貸与された借用電話番号とを記憶するためのメモリと、上記メモリに記憶された電話番号の中から課金すべき電話番号を指定して着信先電話番号に発呼するための手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明による電話端末装置の他の特徴は、電話網に接続された制御システムと交信して、電話番号の貸出および借用のための制御手順を実行する手段と、端末固有の電話番号と他のユーザ端末からの借用電話番号とを記憶するためのメモリと、上記メモリに記憶された電話番号の中から課金すべき電話番号を指定して着信先電話番号に発呼するための手段とを備えたことにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、電話番号の貸出の代表的な例を示す。
ユーザHは、電話番号“090-9971-5544”の所有者であり、別のユーザA(借用者)に対して、上記電話番号を貸与(登録)する時、上記電話番号への着信時の優先順位を設定する。基本的には、優先順位が1位のユーザに着信権が与えられる。借用者Aは、上記条件を前提として、電話番号“090-9971-5544”を借用し、任意の相手Kと通信する。但し、後述するように着信優先順位の決定方法については別の方法もあり得る。
【0015】
図2は、所有者Hが、電話番号“090-9971-5544”を4人のユーザA、B、C、Dに貸与した場合の着信優先順位を示す。
同一の電話番号を4人のユーザA〜Dに貸与した場合、借用者A〜Dには、それぞれ着信優先順位1〜4が割り振られる。借用者A〜Dは、そのうちの1人が借用電話番号“090-9971-5544”を用いて発信することができ、借用者のうちの誰かが通話中の場合、他のユーザは上記借用電話番号で発信することはできない。4人のユーザA〜Dは、借用電話番号に関して平等に使用権(発呼権)を持っており、借用電話番号が空いている時に発呼すれば、その都度、使用権が得られ、通話が終了すれば使用権が解放される。着信権は、基本的には優先順位が第1位のユーザ、図示した例ではユーザAに与えられ、その他の借用者B、C、Dは、上記借用電話番号を発信用としてのみ利用できる。
【0016】
電話番号の所有者Hは、電話番号を誰にも貸与していない状態で、着信優先順位が1位となっており、電話番号貸出の都度、優先順位が1つずつ繰り下がる。図示したように、借用者が4人になった状態では、所有者Hの着信優先順位は5位(最下位)となっている。所有者Hの着信優先順位は、借用者人数の減少と共に上昇し、借用者が皆無となった時、着信権が所有者Hに戻ってくる。但し、着信優先順位については、ネットワーク(データ管理センタ)側に特殊なサポート(サービス)機能を付加することによって、例えば、発信者Kが、着信優先順位を指定して発呼する方式や、優先順位に従って順次に相手を呼び出す方式など、優先順位が1位の借用者以外にも着信させることも可能である。
【0017】
借用番号を優先順位とを関連付けて管理するため、本発明では、電話網に接続された制御システム(以下、データ管理センタという)側に、電話番号と、各ユーザ端末(電話機)のMACアドレスと、優先順位との対応関係を記憶したデータ管理テーブルを用意する。
図3は、データ管理センタが備えるデータ管理テーブル5の1例を示す。
【0018】
データ管理テーブル5には、レコード番号51が付された複数のレコードが登録されている。各レコードは、ユーザ端末のMACアドレス52と、上記ユーザ端末に割り当てられた固有の電話番号53Aと、該電話番号53Aに対してユーザがもっている優先順位53Bと、借用電話番号または上記ユーザ端末に割り当てられた他の電話番号に関する貸借番号エントリ領域を含む。
【0019】
ここに示した例では、ユーザ毎に2つの貸借番号を登録できるようになっており、レコード番号51が「01」「02」「04」「07」のレコードでは、欄54Aが、第1の借用電話番号とその所有者(借用元ユーザ端末)のMACアドレス、欄54Bが、上記第1の借用電話番号に関するユーザの着信優先順位を示し、欄55Aが、第2の借用電話番号とその所有者のMACアドレス、欄55Bが、上記第2の借用電話番号に関するユーザの着信優先順位を示している。
【0020】
また、レコード番号51が「21」のレコードでは、欄54Aが、ユーザ端末に割り当てられた第2の電話番号、欄54Bが、上記第2の電話番号に関するユーザの着信優先順位を示し、欄55Aが、ユーザ端末に割り当てられた第3の電話番号、欄55Bが、上記第3の電話番号に関するユーザの着信優先順位を示している。
欄54A、55Aに登録された電話番号は、借用元MACアドレスの有無によって、それが借用電話番号か所有電話番号かを判断できる。同様の貸借番号エントリを追加することによって、各ユーザに対して、同時に3つ以上の電話番号を貸与することが可能となる。
【0021】
図示した例では、レコード番号51が「01」「02」「07」のユーザ端末は、レコード番号「21」のユーザが所有する電話番号「090-4765-5569」をそれぞれ着信優先順位が1位、2位、3位の順序で借用していることを意味し、レコード番号51が「04」のユーザ端末は、上記レコード番号「21」のユーザが所有する第2の電話番号「090-4765-5566」を着信優先順位1位で借用していることを意味している。所有する電話番号の貸与の結果、レコード番号「21」のユーザは、電話番号「090-4765-5569」に関しては着信優先順位が4位、第2の電話番号「090-4765-5566」に関しては着信優先順位が2位となっており、未だ貸出しを行っていない第3の電話番号「090-4765-5568」に関しては、着信優先順位が1位となっている。
【0022】
図4の(A)、(B)は、それぞれ各ユーザ端末が備える貸出先管理テーブル20とリソース管理テーブル30の1実施例を示す。
貸出先管理テーブル20は、ユーザ端末に割り当てられた固有の電話番号と対応した少なくとも1つのエントリ20−1、20−2、…からなり、各エントリは、エントリ番号21と、固有電話番号22と、貸出先23、24、25、…を含む。貸出先23、24、25には、優先順位に従って、貸出先となるユーザ端末に固有の電話番号が設定される。
【0023】
ここに示した貸出先管理テーブル20は、図3のデータ管理テーブル5におけるレコード番号「21」のユーザ端末用のものであり、エントリ20−1、20−2、20−3は、それぞれ上記ユーザ端末がもつ電話番号53A:「090-4765-5569」、54A:「090-4765-5566」、55A:「090-4765-5568」の貸出状態を示している。
【0024】
リソース管理テーブル30は、エントリ番号31をもつ少なくとも1つのエントリからなり、各エントリは、ユーザ端末のMACアドレス32と、該MACアドレスで保有されている電話番号(33A、34A、35A、36A、…)毎に着信優先順位(33B、34B、35B、36B、…)を示している。エントリ番号が「1」のエントリは、ユーザ端末が所有する固有電話番号の着信優先順位を管理するためのものであり、エントリ番号が「2」以降のエントリは、他のユーザからの借用電話番号を管理するためのものとなっている。ユーザが電話番号を他のユーザに貸与する場合、所有する電話番号リソースが上記テーブル30によって確認され、ユーザが電話を利用する場合、上記テーブル30によって通話可能な電話番号が確認される。
【0025】
図5は、本発明が適用される通信ネットワークシステムの概略的構成を示す。通信ネットワークシステムは、複数の無線基地局2を含む電話網1と、電話網1に接続されたデータ管理センタ3とからなる。データ管理センタ3は、サーバ4とファイル装置9とからなり、ファイル装置9には、上述したデータ管理テーブル5の他に、課金テーブル6、その他のデータテーブルやファイル類が形成される。電話番号の貸出し手続きを行う時、ユーザ端末10は、基地局2を介して上記データ管理センタ3のサーバ4と接続され、電話番号の貸出しデータがデータ管理テーブル5に登録される。
【0026】
図6は、ユーザ端末10の1例を示すブロック図である。
ユーザ端末10は、典型的には携帯電話端末であり、制御部(CPU)11と、上記制御部に接続された入力インタフェース12、メモリ13、表示部14、信号処理部15と、該信号処理部15に接続された音声入出力処理部16および無線送受信回路17とからなる。18は、無線送受信回路17に接続されたアンテナ、19は、メモリ13に増設される着脱可能な記憶媒体を示す。図4に示した貸出先管理テーブル20とリソース管理テーブル30は、上記メモリ13内に形成される。記憶媒体19は、電話番号の書き換えや、借用、貸与の手続きを簡略化するために利用される。
【0027】
各ユーザは、上記入力インタフェース12と表示部14を利用して、例えば、宛先電話番号のダイヤル、課金先電話番号の選択、着信電話番号の選択、転送選択等、電話機能として必要な操作を行う。表示部14には、操作メニュー、着信電話番号、発信電話番号、課金先電話番号などが表示される。尚、課金電話番号を指定する場合、番号選択状態に応じてバックライトの色調や模様の切替えるようにすることが望ましい。例えば、所有者の電話番号で通話する時は橙色、借用番号で通話する時は緑色といったように、回線の選択状態に応じて切り替わる表示色を予めユーザが指定した色で表示するようにしてもよい。
【0028】
図7は、ユーザ端末10の操作面の1例を示す。
例えば、課金先電話番号を選択する場合、表示部14に表示される選択メニューの選択肢とインタフェース部12に設けられたダイヤルボタンとを対応付けておき、ユーザが選択肢に該当するダイヤルボタンを押した時、選択されたボタンのバックライト色を変更すると共に、選択メニューにおける選択肢(この例では、選択肢番号と電話番号)の表示を他の色に切替え、ユーザに自分がどの電話番号で通話しようとしているかを視覚的に容易に判断できるようにしておく。
【0029】
図8は、電話番号の所有者Hが、ユーザAに電話番号を貸与する場合の手順である貸出情報登録シーケンスを示す。
貸出情報登録シーケンスは、例えば、貸出元となる所有者Hのユーザ端末10をデータ管理センタ3に接続し、表示部14に表示された初期選択メニューから、貸出情報登録を示す手続選択肢を選択することによって開始される。データ管理センタ3への接続は、予め指定された特定桁の番号を入力することによって行われる。
【0030】
所有者Hが、表示部14に表示されたリソース管理テーブル30の内容をチェックし(ステップ1110)、ユーザAに貸出す電話番号と、予め確認しておいた貸出先ユーザAの電話番号を指定すると(112)、これらの入力情報を含む登録要求がデータ管理センタ3に送信される。データ管理センタ3では、上記登録要求を受信すると、データ管理テーブル5を参照し、貸出先として指定されたユーザAが借用資格をもつか否かのリソースチェックを行う(210)。データ管理テーブル5にユーザAの電話番号が登録済みの場合に借用資格ありと判断され、ユーザAの電話番号に対して電話番号貸与通知が送信される(212)。
【0031】
上記話番号貸与通知に対してユーザAから許諾通知を受信すると(312)、データ管理センタ3は、データ管理テーブル5におけるユーザAのデータレコードの内容を更新し(216)、所有者Hのユーザ端末に更新通知を送信する(218)。ユーザ端末では、個人認証のために所有者Hに暗証コードの入力を求め、ユーザHが認証された場合、優先順位を含む認証通知をデータ管理センタ5に送信する(126)。データ管理センタ3では、上記認証通知を受信すると、データ管理テーブル5におけるユーザHとユーザAの優先順位を更新(222)した後、ユーザHとユーザAの端末に手続きの完了通知を送信し(224)、登録処理を終了する。
【0032】
図9は、上記貸出情報登録シーケンスを所有者(H)端末、データ管理センタ5、借用者(貸出し先A)端末別に個別のフローチャートとして示したものであり、図8と対応する処理ステップは同一の符号で示してある。
所有者端末では、リソース管理テーブル30の内容を表示して、ユーザに電話番号リソースのチェックを要求する(ステップ110)。ユーザは、貸出電話番号の優先順位の状態から貸出不適当と判断した場合、貸出情報登録処理を終了させる。ユーザが貸出し可能と判断し、貸出電話番号と貸出先の電話番号を指定すると(112)、これらの情報を含む登録要求がデータ管理センタ3に送信される(114)。
【0033】
データ管理センタ3では、上記登録要求を受信すると、データ管理テーブル5に貸出先電話番号が登録済みか否かをチェックし(210)、登録済みの場合は、貸出先の電話番号に対して電話番号貸与通知を送信し(212)、貸出先からの応答を待つ。貸出先(借用者)端末は、上記話番号貸与通知を受信すると(310)、端末の表示部にメッセージを表示し、貸出先ユーザからの応答結果をデータ管理装置3に通知(312)した後、データ管理装置からの完了通知を待つ(314)。
【0034】
データ管理センタ3は、貸出先ユーザからの応答内容を判定し(214)、許諾応答の場合は、データ管理テーブル5における貸出先ユーザのデータレコードを書き換え(216)、所有者Hのユーザ端末に更新通知を送信(218)した後、所有者端末からの認証通知を待つ(218)。貸出先ユーザからの応答が電話番号の借用を拒否するものであった場合は、貸出先端末は、貸出情報登録処理を終了し、データ管理センタ3は、所有者Hのユーザ端末に貸出拒否を通知した後、貸出情報登録処理を終了する。この場合、所有者端末は、表示部にその旨を表示した後、貸出情報登録処理を終了する。
【0035】
所有者端末は、データ管理装置3から更新通知を受信すると、個人認証のために所有者Hに暗証コードの入力を求め、ユーザHが認証された場合は、優先順位を含む認証通知をデータ管理センタ5に送信し(126)、データ管理センタ5からの完了通知を待つ(128)。データ管理センタ3では、上記認証通知を受信すると、データ管理テーブル5におけるユーザHとユーザAの優先順位を更新(222)した後、所有者端末と貸出先端末に手続きの完了通知を送信し(224)、登録処理を終了する。所有者端末と貸出先端末は、上記完了通知を受信すると、それぞれが備える管理テーブルに上記電話番号貸出しの結果を反映(129、316)させた後、貸出情報登録処理を終了する。
【0036】
尚、所有者端末において、ユーザからの暗証コードの入力ミスが所定回数(N回)連続した場合は(122)、処理を中断し(130)、ワーク領域に記憶してあるユーザ設定データを消去して(132)、貸出情報登録処理を終了する。この場合、データ管理センタでは、認証待ちの状態(220)がタイムアウトとなるため、所有者端末でユーザ認証ができなかったものと判断し、データ管理テーブル5を更新前の状態に戻した後、貸出情報登録処理を終了する。同様に、貸出先端末でも、完了通知待ちの状態(220)がタイムアウトとなるため、電話番号の貸出しに問題があったものと判断し、リソース管理テーブルを更新することなく、貸出情報登録処理を終了する。但し、個人認証に失敗した時、所有者端末からデータ管理センタにその旨を通知し、データ管理センタから貸出先端末に同様の通知を発行することによって、タイムアウトを待つことなく貸出情報登録処理を終了させるようにしてもよい。
【0037】
図10は、電話番号の所有者Hが、借用者Aへの電話番号の貸出しを解除する場合の処理シーケンスを示す。
所有者Hは、端末の表示部に貸出先管理テーブル20の内容を表示することによって、所有する電話番号と貸出先との関係をチェックできる(140)。所有者が、解除データ(貸出解除対象となる電話番号と貸出先電話番号)を設定すると(142)、これらの情報を含む解除要求がデータ管理センタ3に送信される(144)。データ管理センタ3は、上記解除要求に応答して、データ管理テーブル5でリソースチェック(230)を行った後、借用者Aの電話番号に解除通知を発信し(232)、借用者から許諾通知を受信すると(320)、解除内容に従ってデータ管理テーブル5を更新し(234)、所有者端末に対して更新通知(236)、借用者端末に対して完了通知(237)を送信する。所有者端末では、データ管理センタから上記更新完了を受信すると、今回の解除内容に従って貸出し管理テーブル20とリソース管理テーブル30を更新し(146)、解除処理を終了する。
【0038】
図11は、借用者の了解を得ることなく電話番号の貸出しを強制的に解除する場合の処理シーケンスを示す。
所有者Hが、強制解除を指定した上で、解除データ(貸出解除対象となる電話番号と貸出先電話番号)を設定(143)すると、これらの解除情報を含む強制解除要求がデータ管理センタ3に送信される(145)。データ管理センタ3は、上記強制解除要求を受信すると、借用者Aの許諾を得ることなく、解除内容に従ってデータ管理テーブル5を更新し(234)、所有者端末に対して更新通知(236)、借用者端末に対して強制解除完了通知(238)を送信する。
【0039】
次に、図12を参照して、借用電話番号による通話シーケンスについて説明する。ここでは、所有者Hから貸与された同一の電話番号を4人のユーザA〜Dが共有している場合を想定する。
【0040】
共有者の1人であるユーザBが、借用電話番号でユーザKに発信する場合、ユーザBは、課金先電話番号として借用電話番号を指定した上で、着信先Kの電話番号をダイヤルする(401)。上記課金先電話番号を指定したことによって、入力データがデータ管理センタ3に送信される(402)。データ管理センタは、データ管理テーブル5によってリソースをチェックし、課金先を借用電話番号に設定(403)した後、着信先Kの電話番号に発呼する(404)。
【0041】
着信先Kが応答すると、データ管理センタ3は、発信元端末と着信先端末との間にコネクションを設定して、ユーザB、C間を通話状態にし、発信元ユーザ端末が通話中であることをデータ管理テーブル5に記憶しておく(405)。借用電話番号を使用して他のユーザが通話中に、同一の電話番号で新たな接続要求(発呼)が発生した場合、データ管理センタは、新たな接続要求(発呼)を拒否する。借用電話番号が使用中か否かは、データ管理テーブル5のチェック時、または課金先の設定時に判明できる。
【0042】
一方、ユーザKから上記ユーザA〜Dが共有している借用電話番号に発呼(410)した場合も、一旦、データ管理センタ3に接続され、データ管理テーブル5から上記電話番号に第1優先順位をもつユーザAの固有電話番号53Aが検索される。この場合、データ管理センタ3からユーザAの端末に発呼され(412)、ユーザAが応答すると、ユーザAとユーザKの端末間にコネクションが確立され、通話状態となる(413)。
【0043】
図13は、借用電話番号宛に発呼があった時、発信元のユーザKが借用電話番号の共有ユーザA〜Dの中から着信先を選択できるようにした実施例を示す。
ユーザKが上記ユーザA〜Dによって共有されている借用電話番号に発呼(420)すると、データ管理センタ3は、データ管理テーブル5の登録データから、着信先電話番号が3人以上のユーザによる共有番号であると判断する(421)。この場合、データ管理センタ3は、データ管理テーブル5から、上記電話番号の借用者が所有する固有の電話番号と着信優先順位との関係をチェックした後、発信者Kに着信先選択モードの指定を要求する(422)。上記要求は、例えば、優先度順に接続するモードと、着信相手を電話番号で特定するモードの何れかを選択する選択メニューの送信によって行われる。
【0044】
上記選択要求に対して、発信者Kが、例えば、優先度順接続モードを指定した場合(424)、データ管理センタ3は、データ管理テーブル5から、借用電話番号の着信優先順位が1位となっているユーザ、例えば、ユーザAの固有電話番号を読出し(440)、該電話番号に対して発呼(441)すると共に、発信者端末に対してユーザAに発呼中である旨のメッセージを通知する(442)。ここで、ユーザAが所定時間内に応答しなかった場合、データ管理センタ3は、着信優先順位が2位のユーザ、例えば、ユーザBの固有電話番号を読出し(450)、該電話番号に対して発呼(451)すると共に、発信者端末に対してユーザBに発呼中で旨を通知する(452)。
【0045】
ユーザBが応答した場合(453)、データ管理センタ3は、ユーザBと発信者Kを接続(454)すると共に、発信者端末に対して通話選択を要求する(455)。上記通話選択要求として、例えば、(a)通話決定、(b)次の優先電話番号、(c)着信先選択モード指定の3つの選択肢をもつ選択メニューを送信する。ここで、発信者が(b)を選択した場合(456)、データ管理センタ3では、ユーザBと発信者Kとの接続を解消し、次の着信優先順位をもつユーザ、例えば、ユーザCの固有電話番号を読出し(460)、該電話番号に対して発呼(461)すると共に、発信者端末に対してユーザCに発呼中である旨を通知する(462)。
【0046】
ユーザCが応答すると(463)、データ管理センタ3は、ユーザCと発信者Kを接続(464)すると共に、発信者端末に対して選択肢(a)〜(c)をもつ選択メニューを送信し、通話選択を要求する(465)。ここで、発信者が通話決定の選択肢(a)を選択した場合(466)、ユーザCと発信者Kとの間の接続が保持され、通話状態となる。
【0047】
このように、着信先が複数のユーザで共有された電話番号となっていた場合、着信優先順位に代えて、発信者に選択権を与える着信先選択論理を採用することによって、貸与電話番号に対して様々な着信形態をとることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、1つの端末で固有電話番号と一時的に貸与された電話番号とを選択的に使い分けることができ、企業側で契約した電話番号を従業員端末に貸与することにより、私用目的の通信料金課金先と業務用の通信料金の課金先を分けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電話番号の貸出を説明するための図。
【図2】本発明における複数ユーザへの同一電話番号の貸出を説明するための図。
【図3】データ管理センタが備えるデータ管理テーブル5の1実施例を示す図。
【図4】ユーザ端末が備える貸出先管理テーブル20とリソース管理テーブル30の1実施例を示す図。
【図5】本発明が適用される通信ネットワークの概略的な構成を示す図。
【図6】ユーザ端末(電話装置端末)の1実施例を示すブロック図。
【図7】ユーザ端末の操作面の1例を示す図。
【図8】電話番号の貸出情報登録シーケンスを示す図。
【図9】電話番号の貸出登録手続きにおける所有者端末、データ管理センタ、借用者端末の動作を示すフローチャート。
【図10】電話番号の貸出し解除シーケンスを示す図。
【図11】電話番号の強制的な貸出し解除シーケンスを示す図。
【図12】借用電話番号を利用した発信/着信シーケンスの1実施例を示す図。
【図13】共有電話番号への着信シーケンスの他の実施例を示す図。
【符号の説明】
1:電話網、2:基地局、3:データ管理センタ、4:サーバ、
5:データ管理テーブル、10:ユーザ端末(電話端末装置)、
20:貸出先管理テーブル、30:リソース管理テーブル。

Claims (5)

  1. 電話網に接続された管理センタに、各ユーザ端末に固有の電話番号に付随して他のユーザ端末からの借用電話番号を登録しておき、
    借用電話番号を利用するユーザが、課金先として借用電話番号を指定した上で、上記管理センタに着信先の電話番号を通知し、
    上記通知を受信した管理センタが、課金先を上記指定電話番号に設定した後、発信端末と着信先端末とを接続し、同一の借用電話番号で既に通話中の場合は、着信先端末との接続を拒否し、
    借用電話番号を着信先とする接続要求を受信した時、上記管理センタが、該接続要求の発信元ユーザ端末を上記着信先電話番号と対応付けられた固有の電話番号をもつユーザ端末に接続することを特徴とする借用電話番号を使用した通信方法。
  2. 前記管理センタに、各ユーザ端末に固有の電話番号に付随して他のユーザ端末からの借用電話番号と、上記固有電話番号および借用電話番号への着信優先順位情報とを登録しておき、
    借用電話番号を着信先とする接続要求を受信した時、上記管理センタが、該接続要求の発信元ユーザ端末を上記着信先電話番号と対応付けられ、上記着信優先順位情報によって特定された固有の電話番号をもつユーザ端末に接続することを特徴とする請求項1に記載の借用電話番号を使用した通信方法。
  3. 前記管理センタに、各ユーザ端末に固有の電話番号に付随して他のユーザ端末からの借用電話番号と、上記固有電話番号および借用電話番号への着信優先順位情報とを登録しておき、
    借用電話番号を着信先とする接続要求を受信した時、上管理センタが、該接続要求の発信元ユーザ端末を上記着信先電話番号と対応付けられ、上記着信優先順位情報によって特定された固有の電話番号をもつユーザ端末、または発信元で指定した特定のユーザ端末に選択的に接続することを特徴とする請求項1に記載の借用電話番号を使用した通信方法。
  4. ユーザ操作に応答して、電話網に接続された制御システムと交信し、他端末への自端末電話番号の貸与と他端末からの電話番号借用のための制御手順を実行する制御部と、
    予め指定された端末固有の電話番号と、上記制御手順によって上記制御システムから通知された他端末からの借用電話番号とを記憶するためのメモリと、
    上記メモリに記憶された電話番号の中からユーザ操作によって選択された電話番号を課金先に指定して着信先電話番号に発呼するための手段とを備え
    上記借用電話番号宛の呼を着信可能にした電話端末装置。
  5. 前記制御手順によって自端末電話番号の貸与先となった他の端末の電話番号を記憶するためのメモリを有し、
    前記制御部が、ユーザ操作に応答して、前記電話網に接続された制御システムと交信し、上記メモリに記憶された電話番号で指定される他の特定端末への電話番号貸与を解除するための制御手順を実行することを特徴とする請求項4に記載の電話端末装置。
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