JP3766005B2 - 移動棚装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の移動棚が互いに移動可能に配置された移動棚装置に係わり、更に詳しくはCD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した移動棚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から手動又は電動モータによって回転駆動される車輪を有する複数台の移動棚を、それらの出入面に対して直交する方向に敷設したレールに沿って移動可能に配置し、移動棚の移動でそれらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置は各種提供されている。そして、各移動棚の正面に設けた操作ハンドル又は操作パネルのスイッチを使用者が操作し、操作ハンドルの回転力又は電動モータから駆動伝達系を介して車輪を回転駆動して所定の移動棚間又は側端部に配置した固定棚と移動棚間に通路を形成し、その通路内に使用者が入って該通路に面した出入面から書籍やファイル等の物品を出し入れするのである。
【0003】
通常、壁面側に固定した端部に位置する固定棚を除き、各移動棚は、物品を前後面から出し入れできるように両面収納タイプの構造とし、また書籍やファイル等の比較的大きな物品を収納できるようにその奥行幅が設定されている。そのため、移動棚の移動方向の奥行幅は十分に広いので、各レールに沿って下端の前後にそれぞれ車輪を2個設けている。ここで、車輪の直径は、駆動モータのトルクと回転速度及び移動棚の総重量と移動速度を考慮して決定されるが、移動棚の前後に2個配しても軸間距離を十分に確保できるので、通常の動作では移動棚が前後に転倒することがないようにできる。
【0004】
しかし、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した移動棚では、移動方向の奥行幅が標準タイプの移動棚の奥行幅の半分程度しかないので、車輪の直径を小さくしなければ前後に2個設けることが困難である。ところが、車輪の直径を小さくして移動速度を保つと、駆動モータの回転速度を上昇させなければならず、大きなモータが必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した奥行幅の小さい移動棚を移動させるための駆動機構として、駆動輪の直径を変えずに従来の駆動機構をそのまま用いても、比較的安定に姿勢を維持することが可能な小幅移動棚を少なくとも1台以上備えた移動棚装置を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、複数のレールに沿って複数の移動棚が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置であって、少なくとも1台以上の移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において1個の駆動輪と、該駆動輪よりも小さい直径を有する単又は複数の補助輪を設け、前記駆動輪は他の移動棚の駆動輪と直径が一致するとともに、駆動モータ又は操作ハンドルの回転駆動力を該移動棚の各駆動輪が連動回転するように伝達する駆動機構も他の移動棚と共通であり、該駆動輪を回転駆動して当該移動棚を移動可能としてなる移動棚装置を構成した。
【0007】
ここで、前記移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において中央部に1個の駆動輪を設けるとともに、該駆動輪の前後に2個の補助輪を設けてなることが好ましい。
【0008】
また、前記移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において前後端部にそれぞれ補助輪を設けるとともに、両補助輪の間であって一方の補助輪に接近した位置に1個の駆動輪を設けてなることも好ましい。
【0009】
更に、前記移動棚の台車に、前記補助輪を上下方向へ変位しない固定的軸受構造にて取付けるとともに、前記駆動輪を上下方向へ弾性的に変位する弾性的軸受構造にて取付け且つ無荷重状態で該駆動輪の下端を両補助輪の下端を結ぶ直線よりも下方に設定してなるとより好ましい。
【0010】
また、前記移動棚の収納部における奥行幅を、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した小幅としたのである。このような小幅収納棚に前述の駆動機構を適用すれば効果は顕著になる。
【0011】
また、前記移動棚の上位に前記レールと平行なガイドレールを設けるとともに、該移動棚の上端に該ガイドレールに沿って移動する移動体を設けて転倒防止手段を備えてなることが好ましい。
【0012】
複数のレールに沿って複数の移動棚が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置であって、移動方向の奥行幅がCD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した小幅の小幅移動棚と、標準幅移動棚とが同一レール上に混在し、前記小幅移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において1個の駆動輪と、該駆動輪よりも小さい直径を有する単又は複数の補助輪を設け、前記駆動輪は他の移動棚の駆動輪と直径が一致するとともに、駆動モータ又は操作ハンドルの回転駆動力を小幅収納棚の各駆動輪が連動回転するように伝達する駆動機構と、標準幅移動棚の駆動輪の駆動機構とは共通であり、該駆動輪を回転駆動して当該移動棚を移動可能としてなる移動棚装置を構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を添付図面に基づき更に詳細に説明する。本実施形態は、駆動モータを備えた電動式移動棚装置に本発明を適用したが、手動式移動棚装置に適用しても有効なものである。図1〜図8は本発明の第1実施形態を示し、図9〜図11は本発明の第2実施形態を示している。図1及び図2は本発明に係る移動棚装置の全体概略図を示し、図3〜図8はその詳細を示し、図中符号Aは小幅移動棚、Bは標準幅移動棚、Cは固定棚、1は台車、2は収納部、3はレール、4は駆動輪、5は補助輪、6は通路をそれぞれ示している。
【0014】
本実施形態の移動棚装置は、台車1に内蔵した電動モータ7によって回転駆動される駆動輪4とその前後に前記駆動輪4よりも直径の小さい補助輪5,5を有する2台の移動棚A,Aと、2台の標準幅移動棚B,Bとを、それらの収納部2の出入面2Aに対して直交する方向に床面に敷設された複数のレール3,…に沿って互いに移動可能に配置され、更に両端に固定棚C,Cを設置した構造のものを例示した。そして、隣接する移動棚A,A,B,Bが相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路6が形成され、該通路6内に作業者が入って出入面2AからCD及びMD等の小奥行幅物品あるいは書籍やファイル等の物品を出し入れすることができるのである。
【0015】
前記各移動棚A,Bは、前面に配した操作パネル8の通路スイッチやリセットスイッチで、通路6の選択と移動、停止等の操作を行うが、通常の通路選択操作によって複数の移動棚A,B,…が移動し、その一連の移動が終了して隣接する移動棚の間隔あるいは移動棚と固定棚の間隔が所定の最近接した状態になった際に自動的に正常停止できるように、各移動棚A,B,…の移動方向側面に図示しない停止手段を設けている。しかし、移動棚A,Bの前面に操作パネル8が存在しないオープン棚構造となし、適宜な位置に通路スイッチやリセットスイッチを設けても良い。
【0016】
更に詳しくは、前記小幅移動棚Aは、移動方向の奥行幅をCD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した幅に設定し、また標準幅移動棚Bは、移動方向の奥行幅を書籍やファイル等の物品を前後面から出し入れできる両面タイプの標準幅に設定している。図示した例では、小幅移動棚Aの奥行幅を標準幅移動棚Bの奥行幅の半分程度に設定している。
【0017】
前記小幅移動棚Aは、前記台車1の上部にCD及びMD等の小奥行幅物品を前後面から出し入れできる両面タイプの収納部2を設けてあり、この収納部2は台車1に立起した複数の支柱9,…と天板10及び支柱9,9間に多段に設けた複数の棚板11,…で構成されている。
【0018】
そして、前記台車1には、前記レール3,…に対応した位置に、移動方向に沿って前記駆動輪4とその前後に一対の補助輪5,5を設け、前記駆動輪4の回転軸12は適宜な減速機構13を介して駆動モータ7の駆動軸に連結されるとともに、各駆動輪4の回転軸12は適宜な連結シャフト14で互いに連結し、全て連動して回転するようにしている。また、本実施形態では、前記駆動輪4の直径は、当該小幅移動棚Aの奥行幅の略半分に設定し、前記補助輪5の直径は駆動輪4の直径の略半分に設定している。
【0019】
また、前記駆動モータ7は、台車1に内蔵するが、寸法的に台車1から上方へ突出するので、該駆動モータ7に対応する支柱9,9間の下部に、前記棚板11とは異なる目隠し板15を着脱可能に設けて駆動モータ7の収容するとともに、該目隠し板15に図示しない制御基板を装着している。
【0020】
前記台車1は、移動方向前後に配したベース杆20,20間であって両端部と中間の複数箇所に、互いに間隔を設けて複数対の連結部材21,21を移動方向に沿った向きに固定し、そのうち複数対の連結部材21,21は前記レール3,…の直上に位置設定し、両連結部材21,21の間に前記駆動輪4及び補助輪5,5を回転可能に設けている。尚、本実施形態では、2個の補助輪5,5を設けたが、駆動輪4を前後一側寄り位置に設け、反対側には一個の補助輪5を設けても良い。
【0021】
また、前記標準幅移動棚Bは、従来の構造と全く同様であるので簡単に説明する。この標準幅移動棚Bは、台車22の移動方向前後に複数対の車輪23,23を設け、一方の車輪23を図示しない駆動モータで回転駆動するのである。また、両車輪23,23は同じ直径であり、更に前記駆動輪4とも直径を一致させている。その他の構成は、前記小幅収納棚Aの構成と同様であるので、その説明は省略する。ここで、前記標準幅移動棚Bの一方の車輪23が駆動輪となり、該標準幅移動棚Bの駆動輪と前記小幅収納棚Aの駆動輪4は、外径が一致する。また、前記駆動モータ7の回転駆動力を小幅収納棚Aの各駆動輪4,…が連動回転するように伝達する駆動機構と、標準幅移動棚Bの一方の駆動車輪23の駆動機構とは共通である。
【0022】
このように、前記小幅収納棚Aは、その奥行幅内に設けた前記駆動輪4及び補助輪5,5によって自立可能であり、また通常の移動操作での比較的安定であるが、更に安定化させるために以下の構造を付加している。図1〜図3、図7及び図8に示すように、前記小幅収納棚Aの上位に前記レール3と平行なガイドレール24を天井Sに固定して設けるとともに、該小幅収納棚Aの上端に該ガイドレール24に沿って移動する移動体25を設けて転倒防止手段を備えている。
【0023】
前記ガイドレール24は、断面略コ字形の一対のチャンネル部材26,26を互いの凹溝27,27を対向させ且つ間隔を設けて断面略C字形の連結部材28で外嵌固定し、そして該連結部材28の側面に取付けた断面略L字型の固定部材29で天井Sに固定している。尚、前記連結部材28は、チャンネル部材26を長手方向に連結する部材を兼ねている。また、前記移動体25は、前記ガイドレール24内に収容可能な大きさのブロック体30の両側面の少なくとも四隅部に転動輪31,…を突設し、該転動輪31,…がチャンネル部材26の凹溝27内の上下面を転動するようにしている。そして、前記ブロック体30の下端から下方に垂下した連結杆32を両チャンネル部材26,26間を通して前記小幅収納棚Aの上端適所に固定している。また、前記移動体25の横振れを防止するために、前記ブロック体30の上部中央に図3に示すように、垂直な回転中心を有する規制輪33を両チャンネル部材26,26の側面を転動するように設けることがより好ましい。
【0024】
尚、前記標準幅移動棚Bには、前記移動体25を設けても、設けなくても良いが、耐震性を向上させるためには、当該標準幅移動棚Bにも小幅収納棚Aと同様に移動体25を設けることが望ましい。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態を図9〜図11に基づいて説明する。本実施形態では、前記台車1の前後中央部に駆動輪4を設けることは前記同様であるが、該駆動輪4の前後部から前後に互い違いにL字型のアーム板34A,34Bを固定し、一方のアーム板34Aの水平板35を前記レール3のレール部17と一方の上面板18Bとの間に位置させ、他方のアーム板34Bの水平板35を前記レール3のレール部17と他方の上面板18Bとの間に位置させ、それぞれの水平板35の外側面に複数個設けた補助輪36,…を対応する凹溝19内で転動するように設けている。
【0026】
つまり、前記アーム板34Aはレール3に沿った一方向に台車1から突出するように例えば右寄りの連結部材21に設け、前記アーム板34Bはレール3に沿った他方向に台車1から突出するように例えば左寄りの連結部材21に設けているので、隣接する小幅収納棚A,Aが再接近しても、一方の小幅収納棚Aのアーム板34Aの水平板35は他方の小幅収納棚Aの台車1の下方に進入し、また他方の小幅収納棚Aのアーム板34Bの水平板35は一方の小幅収納棚Aの台車1の下方に進入するので、互いに干渉することがないのである。また、前記アーム板34A,Bの水平板35は、長く設定できるので、該水平板35に側設した補助輪36,…によって小幅収納棚Aの立起姿勢を安定に維持できるのである。
【0027】
また、図12に示すように、前記レール3のレール部17に沿ってラック37を設けるとともに、前記駆動輪4の一側面部に前記ラック37に噛合するピニオン38を一体的に形成することによって、駆動輪4の空回りを完全に規制し、その回転力を確実にレール部17に伝達することができる。
【0028】
次に、本発明の第3実施形態を図13〜図18に基づいて説明する。本実施形態では、前記移動棚Aの下端で各レール3に対応した位置に、移動方向において前後端部にそれぞれ補助輪5,5を設けるとともに、両補助輪5,5の間であって一方の補助輪5に接近した位置に1個の駆動輪4を設けている。こうすることにより、前記駆動輪4と接近した側の補助輪5とは反対側の補助輪5と、駆動輪4との間に空間を確保することができるので、該駆動輪4を回転させる駆動モータ7をこの空間に取付けることができ、駆動モータ7のために移動棚Aの下段の収納部2をつぶす必要がなくなり、収納スペースを最大に確保できる。
【0029】
また、本実施形態では、図13に示すように、前記移動棚Aの台車1に、前記補助輪5,5を上下方向へ変位しない固定的軸受構造39にて取付けるとともに、前記駆動輪4を上下方向へ弾性的に変位する弾性的軸受構造40にて取付け且つ無荷重状態で該駆動輪4の下端を両補助輪5,5の下端を結ぶ直線Lよりも下方に設定している(図13(a)参照)。この場合、本実施形態は勿論、駆動輪4を移動棚Aの移動方向の中央部に設けた第1実施形態においても効果は大きい。
【0030】
前記固定的軸受構造39としては、移動棚Aの荷重が直接補助輪5に作用するように、前記台車1を構成するベース杆20に前記補助輪5を軸受41にて取付けて構成した。また、前記弾性的軸受構造40としては、移動棚Aの荷重を弾性的に受けるように、前記両ベース杆20,20の間に渡設した連結部材21の中間部に前記駆動輪4を軸受42にて取付け、この際に前記連結部材21の中間部が上下方向へ弾性的に変形することを許容する構造とするとともに、無荷重状態で該駆動輪4の下端を両補助輪5,5の下端を結ぶ直線Lよりも下方に設定して該駆動輪4が常にレール3に接触した状態を実現するように構成した。ここで、前記駆動輪4でも、移動棚Aの荷重を補助輪5,5と分担して受けるが、その分担割合は前記連結部材21の弾性力によって異なる。
【0031】
そして、図13(b)は、レール3の上面が水平である場合を示し、この場合には前記連結部材21(弾性的軸受構造40)が上方へ撓んで、前記駆動輪4の下端が両補助輪5,5の下端を結ぶ直線Lと一致するようになる。また、図13(c)は、レール3の上面が上方へ湾曲している場合を示し、この場合には前記連結部材21の上方への撓み度合いが図13(b)の場合よりも大きくなる。また、図13(d)は、レール3の上面が下方へ湾曲している場合を示し、この場合には前記連結部材21の上方への撓み度合いが図13(b)の場合よりも小さくなる。何れの場合にも、前記駆動輪4はレール3に接触した状態となる。実際に、無荷重状態で該駆動輪4の下端が両補助輪5,5の下端を結ぶ直線Lよりも下方へ突出する寸法は、両補助輪5,5の軸間距離の長さにおけるレール3の上下変化量を考慮して数mm程度に設定している。以上は、レール3の上面にうねりがある場合についてであるが、前記台車1を公差を許容しつつ製造する際に大きな効果がある。つまり、前記駆動輪4の下端を、両補助輪5,5の下端を結ぶ直線Lと、正確に一致させて設計しても、前記台車1の構成部品の精度や組立て誤差等による公差により、駆動輪4の下端が前記直線Lからずれることは避けられない。このような場合にも、前述の構成を採用することで、台車1の精度に対する要求度合いが下がり、製造コストを下げることができる。
【0032】
更に、図14〜図18に基づいて、第3実施形態の具体的構造を詳しく説明する。先ず、前記ベース杆20は、内向きに開放した断面コ字形の長尺部材であり、側面板43とその上下縁に上板44と下板45を有している。そして、凹溝部を互いに対向させて前後に一対のベース杆20,20を配している。また、前記連結部材21は、横向きに開放した断面コ字形の部材であり、垂直板46とその上下縁に上水平板47と下水平板48を有している。前記連結部材21の上下寸法は、前記ベース杆20の上板44と下板45の間隔よりも小さく設定されている。そして、一対の連結部材21,21の凹溝部を互いに反対に向けて、前記両ベース杆20,20間に連結するが、この際に前記連結部材21の下水平板48の端部を前記両ベース杆20の下板45の上面に重合した状態でボルト止め連結する。ここで、前記連結部材21の両端は、前記ベース杆20の側面板43とは縁切りした状態となっており、該連結部材21のベース杆20に対する結合の剛性を弱めている。
【0033】
前記駆動輪4は、両連結部材21,21の垂直板46,46の間に配し、その回転軸12を両垂直板46,46に貫通させた状態で、前記上水平板47の下面にボルト止めした軸受42で前記回転軸12を支持している。また、前記軸受42に対応する連結部材21の下水平板48には、部分的に切欠部49を形成し、前記軸受42の装着空間を確保するとともに、該連結部材21の上下方向の剛性を弱めて上下方向へ弾性変形するようにしている。尚、前記下水平板48の切欠部49は、設けなくても良く、その場合には該下水平板48が全長にわたり連続したものとなる。
【0034】
前記補助輪5は、前記両連結部材21,21の間の空間に連続した位置で、前記ベース杆20の下板45に形成した切欠部50内に配し、その支軸51のDカット面52を前記下板45の下面に当接した状態で、前記軸受41で支軸51を押えて取付ける。ここで、前記軸受41は、前記支軸51のDカット面52以外の部分を包持する湾曲部53と、その先端側に延設した側面視く字形の係止片54と、その基端側に延設した取付板55とを有する形状である。そして、前記支軸51のDカット面52を当接した位置の外側に沿って前記ベース杆20の下板45と前記連結部材21の下水平板48とに貫通するスリット孔56を形成するとともに、内側には同じく前記下板45と下水平板48とに貫通する取付孔57を形成している。そして、前記軸受41の係止片54を前記スリット孔56に嵌入するとともに、湾曲部53で前記支軸51を包持し、前記取付板55に形成した通孔58と前記取付孔57とに貫通させたボルト59とナット60で取付ける。ここで、前記ベース杆20と連結部材21との連結は、このボルト59とナット60及びスリット孔56に嵌入した係止片54とで達成するのである。
【0035】
また、前記連結部材21の近くで、前記両ベース杆20,20間に支持部材61を渡設し、該支持部材61に前記駆動モータ7を取付け、前記連結部材21と支持部材61との間で減速歯車62を介して前記回転軸12に回転力を伝達するようにしている。このように構成することで、前記駆動モータ7を完全に台車1の内部に組み込むことができた。
【0036】
【発明の効果】
以上にしてなる本発明の移動棚装置は、前述の構成を採用したことにより以下の効果を奏するものである。
【0037】
請求項1に係る移動棚装置によれば、複数のレールに沿って複数の移動棚が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置であって、少なくとも1台以上の移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において1個の駆動輪と、該駆動輪よりも小さい直径を有する単又は複数の補助輪を設け、前記駆動輪は他の移動棚の駆動輪と直径が一致するとともに、駆動モータ又は操作ハンドルの回転駆動力を該移動棚の各駆動輪が連動回転するように伝達する駆動機構も他の移動棚と共通であり、該駆動輪を回転駆動して当該移動棚を移動可能としてなるので、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した奥行幅の小さい小幅移動棚に、該移動棚を移動させるための駆動機構として、駆動輪の直径を変えずに従来の駆動機構をそのまま用いても、比較的安定に姿勢を維持することができる。
【0038】
請求項2によれば、前後に間隔をおいた2個の補助輪の軸間距離を最大に設定することができるので、小幅移動棚の立起姿勢を比較的安定に維持することができる。
【0039】
請求項3によれば、駆動輪と接近した側の補助輪とは反対側の補助輪と、駆動輪との間に空間を確保することができ、該駆動輪を回転させる駆動モータをこの空間に取付けることができるので、駆動モータのために移動棚の下段の収納部をつぶす必要がなくなり、収納スペースを最大に確保できる。
【0040】
請求項4によれば、レールの上面が上方に湾曲したり、下方に湾曲したり、波打っていても、駆動輪の下端をレールの上面に常に接触した状態とすることができ、駆動輪がレールから浮いて空回りしたり、あるいは一方の補助輪がレールから浮いてその転倒防止機能を果たさなくなるといった不具合が生じることがないのである。
【0041】
請求項5によれば、移動棚の収納部における奥行幅を、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した小幅としたので、小奥行幅物品の収容枚数を維持しながら移動棚の設置空間を狭くでき、あるいは同じ設置空間でもより多くの移動棚を設置できるので空間の利用効率を高めることができる。
【0042】
請求項6によれば、移動棚の奥行幅を狭くしても立起姿勢を確実に維持でき、耐震性を飛躍的に高めることができる。
【0043】
請求項7によれば、標準幅移動棚を有する従来の移動棚装置に、小幅移動棚をコスト上昇を最小限に抑制しつつ増設することができ、それによりCD及びMD等の小奥行幅物品を効率良く収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動棚装置における小幅移動棚のみを示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の移動棚装置の全体簡略正面図である。
【図3】同じく要部の縦断面図である。
【図4】同じく横断面図である。
【図5】同じく要部の拡大縦断面図である。
【図6】同じく要部の拡大横断面図である。
【図7】転倒防止手段を構成するガイドレールの斜視図である。
【図8】転倒防止手段を説明するための要部拡大縦断面図である。
【図9】本発明に係る移動棚装置の第2実施形態を示す要部拡大平面図である。
【図10】同じく要部拡大縦断面図である。
【図11】同じく要部拡大縦断面図である。
【図12】レールと駆動輪の空回り防止構造を示す部分拡大縦断面図である。
【図13】本発明に係る移動棚装置の第3実施形態を示す概念図である。
【図14】同じく台車の要部を示す縦断面図である。
【図15】同じく下方から見た要部の分解斜視図である。
【図16】同じく下方から見た要部の斜視図である。
【図17】同じく台車の部分平面図である。
【図18】同じく駆動モータの取付部分を示す台車の縦断面図である。
【符号の説明】
A 小幅移動棚 B 標準幅移動棚
C 固定棚 F 床面
S 天井 1 台車
2 収納部 3 レール
4 駆動輪 5 補助輪
6 通路 7 駆動モータ
8 操作パネル 9 支柱
10 天板 11 棚板
12 回転軸 13 減速機構
14 連結シャフト 15 目隠し板
16 底板 17 レール部
18A 側面板 18B 上面板
19 凹溝 20 ベース杆
21 連結部材 22 台車
23 車輪 24 ガイドレール
25 移動体 26 チャンネル部材
27 凹溝 28 連結部材
29 固定部材 30 ブロック体
31 転動輪 32 連結杆
33 規制輪 34A,34B アーム板
35 水平板 36 補助輪
37 ラック 38 ピニオン
39 固定的軸受構造 40 弾性的軸受構造
41 軸受 42 軸受
43 側面板 44 上板
45 下板 46 垂直板
47 上水平板 48 下水平板
49 切欠部 50 切欠部
51 支軸 52 Dカット面
53 湾曲部 54 係止片
55 取付板 56 スリット孔
57 取付孔 58 通孔
59 ボルト 60 ナット
61 支持部材 62 減速歯車
Claims (7)
- 複数のレールに沿って複数の移動棚が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置であって、少なくとも1台以上の移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において1個の駆動輪と、該駆動輪よりも小さい直径を有する単又は複数の補助輪を設け、前記駆動輪は他の移動棚の駆動輪と直径が一致するとともに、駆動モータ又は操作ハンドルの回転駆動力を該移動棚の各駆動輪が連動回転するように伝達する駆動機構も他の移動棚と共通であり、該駆動輪を回転駆動して当該移動棚を移動可能としてなることを特徴とする移動棚装置。
- 前記移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において中央部に1個の駆動輪を設けるとともに、該駆動輪の前後に2個の補助輪を設けてなる請求項1記載の移動棚装置。
- 前記移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において前後端部にそれぞれ補助輪を設けるとともに、両補助輪の間であって一方の補助輪に接近した位置に1個の駆動輪を設けてなる請求項1記載の移動棚装置。
- 前記移動棚の台車に、前記補助輪を上下方向へ変位しない固定的軸受構造にて取付けるとともに、前記駆動輪を上下方向へ弾性的に変位する弾性的軸受構造にて取付け且つ無荷重状態で該駆動輪の下端を両補助輪の下端を結ぶ直線よりも下方に設定してなる請求項2又は3記載の移動棚装置。
- 前記移動棚の収納部における奥行幅を、CD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した小幅としてなる請求項1〜4何れかに記載の移動棚装置。
- 前記移動棚の上位に前記レールと平行なガイドレールを設けるとともに、該移動棚の上端に該ガイドレールに沿って移動する移動体を設けて転倒防止手段を備えてなる請求項1〜5何れかに記載の移動棚装置。
- 複数のレールに沿って複数の移動棚が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路が形成される移動棚装置であって、移動方向の奥行幅がCD及びMD等の小奥行幅物品を収納するのに適した小幅の小幅移動棚と、標準幅移動棚とが同一レール上に混在し、前記小幅移動棚の下端で各レールに対応した位置に、移動方向において1個の駆動輪と、該駆動輪よりも小さい直径を有する単又は複数の補助輪を設け、前記駆動輪は他の移動棚の駆動輪と直径が一致するとともに、駆動モータ又は操作ハンドルの回転駆動力を小幅収納棚の各駆動輪が連動回転するように伝達する駆動機構と、標準幅移動棚の駆動輪の駆動機構とは共通であり、該駆動輪を回転駆動して当該移動棚を移動可能としてなることを特徴とする移動棚装置。
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