JP3765049B2 - 塗布施工法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施工現場等で骨材とバインダとを混合して施工面に塗布する塗布施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特願平11−110772号に示されるように、建築物の壁面や歩道の舗装面等の垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に軟質骨材等とバインダとフュームドシリカとを混合した混合材を塗布する塗布施工法が知られていた。例えばゴムチップ等の弾性骨材とバインダとフュームドシリカを混合して混合材を作製しそれをコテ等により塗布する塗布施工法がそれである。又、この場合ゴムチップ等の弾性骨材とは通常は粒状のゴムチップ等であり、廃タイヤ等の加硫ゴムを粉砕機で粉砕したものであり、通常10mm以下の粒状ないし粉末状のものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来の粒状のゴムチップ等の弾性骨材とバインダとフュームドシリカによる施工物はやや硬く柔軟なクッション性に富む風合いに欠けるという問題があった。これを改良するためには、ファイバー状ゴムチップを用いればよいがこのチップを用いると従来のバインダとフュームドシリカでは混合材が流れ出したり剥離したり落下するので、垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に施工できなかった。
【0004】
本発明の課題は、ファイバー状ゴムチップを用いて従来と同じく建築物の壁面や歩道の舗装面等の垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に塗布施工でき、これより従来の粒状のゴムチップよりも柔軟なクッション性に富む風合いのある施工物が得られる塗布施工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとを混合した後、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法がそれである。又、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後にウレタン樹脂バインダを添加して混合し、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法が好ましい。
【0006】
前記ファイバー状ゴムチップは長さが3〜40mmで太さが0.5〜3mmであることが好ましい。又、前記ウレタン樹脂バインダが2000〜5000センチポイズの粘度を持つことが好ましい。
【0007】
前記ウレタン樹脂バインダの添加量は前記ファイバー状ゴムチップに対して15〜45重量%であることが好ましい。又、前記疎水性フュームドシリカの添加量は前記ファイバー状ゴムチップに対して1〜8重量%であることが好ましい。更に、前記疎水性フュームドシリカの平均粒子径が2〜30nmであることが好ましい。
【0008】
前記施工面に予め下塗剤を塗布し、前記下塗剤が粘着性を有する間に、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材を塗布するとよい。更に、前記施工面が垂直あるいは傾斜又は湾曲していてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に用いるファイバー状ゴムチップとは、一般には再生タイヤを製造する場合にタイヤのトレッド部を専用装置で削り取った時に発生する削り粉のことである。この削り粉の中から任意の形状のファイバー状ゴムチップを選択する。
【0010】
ファイバー状ゴムチップとしては、その硬度はJIS−K6253:タイプAデュロメータ硬さ試験で硬さをA30〜90度程度のものがよい。A30度を下回ると塗布施工後の施工物の物性が低下するので好ましくなく、A90度を越えるとチップが硬過ぎて柔軟なクッション性に富む風合いが低下する傾向にあるので好ましくない。ゴムの種類としてはエチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等があり、又、軟質塩化ビニール等の軟質な樹脂等でもよい。廃タイヤのファイバー状ゴムチップを用いることによりリサイクルの促進を図ることができる。尚、柔軟なクッション性に富む風合いを損ねない程度に粒状のゴムチップ等を混入させてもよい。適宜顔料等で骨材の表面を着色したり、予め骨材の材料配合中に顔料を混ぜて骨材をカラー化してもよい。
【0011】
ファイバー状ゴムチップの形状は長さが3〜40mmで太さが0.5〜3mmであることが好ましい。長さが3mmを下回ると短すぎて通常の粒状ゴムチップとおおよそ同じ形状となってしまいファイバー状ゴムチップ特有の柔軟なクッション性に富む風合いが小さくなる傾向があり好ましくない。長さが40mmを越えると塗布施工中に混合材が流れ出したり剥離したり落下する傾向が大きくなり塗布施工性が低下するので好ましくない。又、長過ぎて混合時に撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易くなる傾向もあり混合作業性が低下し好ましくなく、そのような場合には混合材の分散不良を起こし易いので好ましくない。
【0012】
ファイバー状ゴムチップの太さについては前述のように0.5〜3mmが好ましい。太さが0.5mmを下回ると細過ぎて混合時に撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易くなる傾向があり混合作業性が低下し好ましくなく、又そのような場合には混合材の分散不良を起こし易いので好ましくない。太さが3mmを越えると塗布施工中に混合材が流れ出したり剥離したり落下する傾向が大きくなり塗布施工性が低下するので好ましくない。
ファイバー状ゴムチップは全長に渡って同一の太さである必要はなく、断面形状も円形、多角形、扁平形状等どのような形状であってもよい。
【0013】
尚、本発明のファイバー状ゴムチップについては、長さmm(L)と太さmm(D)の比(L/D)は2以上である。これより小さくなるとファイバー状ゴムチップとしての柔軟なクッション性に富む風合いを損ねる傾向があり好ましくない。粒状チップに比べファイバー状ゴムチップの方が柔軟なクッション性に富む風合いを持つ理由については、明確には判らないがおそらくその形状からファイバー状ゴムチップの方が施工物内部の空隙率が大きくなり易い事に起因しているのではないかと推測する。そして又、空隙が大きいことと更に繊維状の形状によるファイバー状ゴムチップ独特の撓み等も加わって、粒状チップに比べ柔軟なクッション性に富む風合いが発現しているのではないかと推測する。
【0014】
このようなファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合する。疎水性フュームドシリカとはフュームドシリカの表面を改質して疎水性化したものである。フュームドシリカ自体は超微粒子状の無水シリカの一種であり、熱分解法シリカ、乾式法シリカ、乾式法ホワイトカーボン、軽質無水ケイ酸、煙霧質シリカとも呼ばれるものである。製造方法としては、四塩化ケイ素をフェロシリコンの塩素化等で作り、それを精製し、酸素と水素の炎中で加水分解し生成させる、ハロゲン化ケイ素の火炎加水分解法(高温気相分解法ともいう)や、有機ケイ素化合物(メチルトリクロロシラン、ジメチルポリシロキサン等)等の熱分解による方法やケイ砂(フェロシリコン等)を加熱還元し、気化したSiOを空気酸化させる方法等が知られている。
【0015】
このようなフュームドシリカの表面をジメチルシリコーンオイルのようなシリコーンオイル等によるオイル処理、トリメチルシリル基、オクチルシラン、モノメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メタクリロキシシラン、ポリメチルシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、アミノシラン等で処理する、メチル基グループで覆う、等により疎水性フュームドシリカが作られる。
【0016】
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合したものに更にウレタン樹脂バインダを添加して混合する。本発明のバインダはウレタン樹脂バインダを使用する。その他の樹脂としてはアクリル樹脂、エポキシ樹脂等や、更に、天然ゴムの液状ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体ゴムのような各種合成ゴムの液状ゴム等もあるが、疎水性フュームドシリカとの相性が悪く混合材として適度な粘度、チキソトロピー性が得られないので塗布施工中に混合材が流れ出したり落下し易い、更に硬化後では樹脂が硬過ぎあるいは軟らか過ぎで柔軟なクッション性に富む風合いに欠ける、又更にファイバー状ゴムチップとの接着性が悪く物性が発現しない、等の不具合があり使用出来ない。
【0017】
ファイバー状ゴムチップに対して疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの組合せによりこの混合材は、つきたての餅のような感じで、まとまりがあり、コテ作業がやり易く、コテによく載るものとなる。尚、ウレタン樹脂バインダは1液タイプの湿気硬化型でも、2液タイプの主剤と硬化剤に別れたものでもよく、適宜硬化促進材等を用いてもよい。
【0018】
ウレタン樹脂バインダの粘度としては、2000〜5000センチポイズの粘度を有していることが好ましい。特に好ましくは2500〜4000センチポイズの範囲である。2000センチポイズを下回ると混合材が流れ出したり剥離したり落下し易くなり塗布施工性が低下するので好ましくなく、5000センチポイズを上回ると粘度が高過ぎて塗布施工時のコテ等の作業が重くなり塗布作業性が悪化するので好ましくない。コテ等の作業が重くなり過ぎると表面の仕上げが悪化する可能性がある。
【0019】
使用するウレタン樹脂バインダの添加量は、ファイバー状ゴムチップに対して15〜45重量%であることが好ましい。ウレタン樹脂バインダがファイバー状ゴムチップに対して15重量%を下回ると混合材としての十分な粘度やチキソトロピー性が得られず混合材が流れ出したり剥離したり落下し易くなり塗布施工性が低下するので好ましくなく、更にファイバー状ゴムチップを十分に結合できず施工物の強度が低下する傾向があり好ましくない。又、45重量%を越えるとウレタン樹脂バインダが底に溜まったり、ウレタン樹脂バインダが多すぎて硬化後硬くなり柔軟なクッション性に富む風合いが低下する傾向があるので好ましくない。
【0020】
又、更に、ウレタン樹脂バインダの量が45重量%を越えると、湿気硬化型のウレタン樹脂バインダでは硬化が遅くなったり発泡の恐れもあり更に過剰品質となり好ましくない。尚、ウレタン樹脂バインダについては各種スズ系等の金属触媒系促進剤を添加すると硬化をより早くすることができる。
【0021】
使用する疎水性フュームドシリカの添加量は、ファイバー状ゴムチップに対し1〜8重量%であることが好ましい。疎水性フュームドシリカがファイバー状ゴムチップに対して1重量%を下回ると、混合材としての十分な粘度やチキソトロピー性が得られずコテ等による塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向があり好ましくない。又、8重量%以上になると、混合材が硬くなり過ぎ(粘度が高くなり過ぎ)混合し難くなり、混合時に分散不良も起こし易くなり、又塗布施工時のコテ等の作業が重くなり塗布作業性が悪化するので好ましくない。更に塗布施工後の施工物についても硬くなり柔軟なクッション性に富む風合いが失われる傾向があり好ましくなく更に過剰品質でもあり好ましくない。
【0022】
疎水性フュームドシリカの一次粒子の平均粒子径は2〜30nmが好ましい。2nmを下回ると粒子が細かすぎて分散不良を起こし易くなり好ましくない。又、混合時に細かすぎてウレタン樹脂バインダ中に空気を巻き込み易くなるので好ましくない。空気を巻き込むと強度低下の原因となる。更に、2nmを下回るとファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合時の粘度もより高くなり混合作業性が低下し、更に混合材の分散不良を引き起こし易く好ましくない。平均粒子径が30nmを上回ると塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向となるので好ましくない。
【0023】
混合する際には、先ず、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合する。ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを最初によく混合することにより、ファイバー状ゴムチップの周りに疎水性フュームドシリカが均等に行き渡る。その後、ウレタン樹脂バインダを添加して撹拌混合する。これにより、ファイバー状ゴムチップの周りに疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合物層が十分に行き渡り良好な混合材の分散状態となって十分な付着施工性が得られる。
【0024】
例えば、ウレタン樹脂バインダと疎水性フュームドシリカを予め混合しておくと高粘度のスラリー状となりファイバー状ゴムチップと混ざり難くなる(分散不良となる)。ファイバー状ゴムチップはその形状が繊維状なので撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易く通常の粒状ゴムチップより撹拌混合し難い。従って高粘度のスラリー状であるとファイバー状ゴムチップと非常に混合し難くなる。分散不良になると塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0025】
又、ファイバー状ゴムチップとウレタン樹脂バインダとを予め混合しておくと、やはり疎水性フュームドシリカが混じり難くなり、分散不良となる。但し、強力なミキサー等を用いて、時間をかけて撹拌混合するとこれらの場合でも分散不良を解消することができ、良好に塗布施工することができる。施工現場で混合する場合には、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後、ウレタン樹脂バインダを添加して混合した方が、時間をかけず良好で正常な混合ができる。
【0026】
こうして混合した、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材を施工面に塗布する。施工面が建物の壁面のような垂直な面あるいは傾斜がきつい面である場合には、施工面に予め下塗剤として樹脂プライマを塗布する。この樹脂プライマの粘着性が継続している間にコテ等により塗布施工を行う。樹脂プライマは粘着性の高いものがよく、粘着性が失われた後は速やかに硬化するものがよい。樹脂プライマは一般にはウレタン樹脂バインダと同種類の樹脂で、施工面になじみ易く(親和性がある)、粘着性の良い適度な粘度を有するものが好ましい。
【0027】
尚、施工面が水平面であるような場合には、一般的には、樹脂プライマは不要であるが、より施工面との接着性を要求される場合には使用する。施工面が傾斜面、垂直面、湾曲面等である場合に必要に応じて塗布するとよい。又、施工面は、建築物の壁面に限らず、天井の下面であってもよく、あるいは、ストリートファニチャーのような各種景観商品の外面、遊具の外面、立体展示物の外面、階段のステップ面、階段の立ち面等であってもよい。
【0028】
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材は、つきたての餅のような感じで、まとまりがあり、コテ作業がやり易く、コテによく載る。これより各種傾斜面、垂直面、湾曲面等で良好に塗布施工が可能となる。
【0029】
図1に示すように、垂直な壁面1にファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材2を塗布する際には、まず、壁面1に樹脂プライマを塗布する。
次に、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合した後、それにウレタン樹脂バインダを添加して撹拌混合し、混合材2を形成する。この混合材2を樹脂プライマの粘着性が持続している間に塗布する。混合材2を壁面1にコテ作業等で適度な押圧で塗布すると、良好なコテ作業性で、壁面1に容易に均一な厚さで塗布することができる。塗布後は混合材2が剥離したり落下したりすることがなく、混合材2を均一な厚さで塗布することが容易にできる。
【0030】
表1に示すように、ファイバー状ゴムチップでは通常のフュームドシリカを使用しても、本願特許発明品のように塗布できないことが判る。塗布できる厚さは柔軟なクッション性に富む風合いを感じられる下限値の5mm程度以下であり、しかもつきたての餅のような感じがなくてまとまりが悪くコテでの塗布作業性が悪いので実用にならない。又、当然のことながら炭酸カルシウム等他の薬剤を用いても全く実用にならない。尚、比較例ではフュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレード300:一次粒子の平均径7nm、同200:一次粒子の平均径12nm)及びその他の薬剤を用い、実施例では疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレードRY300:一次粒子の平均径7nm、同RY200:一次粒子の平均径12nm、同RY200S:一次粒子の平均径16nm、以上全てジメチルシリコーンオイルで疎水性表面処理がなされているもの)を用いた。
【0031】
【表1】
【0032】
壁面に塗布できる最大厚さ、即ち、垂直な壁面に塗布しても剥離したり落下したりすることがない最大厚さは、図2に示すように、添加する疎水性フュームドシリカの割合に比例する。図2においては、ファイバー状ゴムチップ(廃タイヤを粉砕したもので長さ約15mmで太さ約1.5mmのもの)に対し、ウレタン樹脂バインダを25重量%使用し、下塗剤としてウレタン樹脂プライマを1平方メートル当たり300gで予め塗布し、疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレードRY300:一次粒子径7nmでジメチルシリコーンオイルにて表面処理がなされている)のファイバー状ゴムチップに対する添加重量%を変えて施工できる最大の厚みを計測した。疎水性フュームドシリカは厚さが5mm程度のときは1重量%程度でよく、厚さを20mm程度とするときには4重量%程度添加する。
【0033】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の塗布施工法は、ファイバー状ゴムチップを用いて施工面が垂直、傾斜、湾曲していても、型枠を用いることなく、良好なコテ作業性によって均一な厚さに塗布できるという効果を奏する。又、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後にウレタン樹脂バインダを混合すると、均一に混合された混合材が得られ、良好な施工ができる。更に、得られた施工物は粒状のゴムチップ等の弾性骨材に比べ柔軟なクッション性に富む風合いを持つという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての塗布施工法により壁面に混合材を塗布した状態を示す説明図である。
【図2】本実施形態の最大施工厚みと疎水性フュームドシリカ添加量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…壁面
2…混合材
【発明の属する技術分野】
本発明は、施工現場等で骨材とバインダとを混合して施工面に塗布する塗布施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特願平11−110772号に示されるように、建築物の壁面や歩道の舗装面等の垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に軟質骨材等とバインダとフュームドシリカとを混合した混合材を塗布する塗布施工法が知られていた。例えばゴムチップ等の弾性骨材とバインダとフュームドシリカを混合して混合材を作製しそれをコテ等により塗布する塗布施工法がそれである。又、この場合ゴムチップ等の弾性骨材とは通常は粒状のゴムチップ等であり、廃タイヤ等の加硫ゴムを粉砕機で粉砕したものであり、通常10mm以下の粒状ないし粉末状のものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来の粒状のゴムチップ等の弾性骨材とバインダとフュームドシリカによる施工物はやや硬く柔軟なクッション性に富む風合いに欠けるという問題があった。これを改良するためには、ファイバー状ゴムチップを用いればよいがこのチップを用いると従来のバインダとフュームドシリカでは混合材が流れ出したり剥離したり落下するので、垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に施工できなかった。
【0004】
本発明の課題は、ファイバー状ゴムチップを用いて従来と同じく建築物の壁面や歩道の舗装面等の垂直あるいは傾斜又は湾曲している施工面に塗布施工でき、これより従来の粒状のゴムチップよりも柔軟なクッション性に富む風合いのある施工物が得られる塗布施工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとを混合した後、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法がそれである。又、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後にウレタン樹脂バインダを添加して混合し、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法が好ましい。
【0006】
前記ファイバー状ゴムチップは長さが3〜40mmで太さが0.5〜3mmであることが好ましい。又、前記ウレタン樹脂バインダが2000〜5000センチポイズの粘度を持つことが好ましい。
【0007】
前記ウレタン樹脂バインダの添加量は前記ファイバー状ゴムチップに対して15〜45重量%であることが好ましい。又、前記疎水性フュームドシリカの添加量は前記ファイバー状ゴムチップに対して1〜8重量%であることが好ましい。更に、前記疎水性フュームドシリカの平均粒子径が2〜30nmであることが好ましい。
【0008】
前記施工面に予め下塗剤を塗布し、前記下塗剤が粘着性を有する間に、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材を塗布するとよい。更に、前記施工面が垂直あるいは傾斜又は湾曲していてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明に用いるファイバー状ゴムチップとは、一般には再生タイヤを製造する場合にタイヤのトレッド部を専用装置で削り取った時に発生する削り粉のことである。この削り粉の中から任意の形状のファイバー状ゴムチップを選択する。
【0010】
ファイバー状ゴムチップとしては、その硬度はJIS−K6253:タイプAデュロメータ硬さ試験で硬さをA30〜90度程度のものがよい。A30度を下回ると塗布施工後の施工物の物性が低下するので好ましくなく、A90度を越えるとチップが硬過ぎて柔軟なクッション性に富む風合いが低下する傾向にあるので好ましくない。ゴムの種類としてはエチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等があり、又、軟質塩化ビニール等の軟質な樹脂等でもよい。廃タイヤのファイバー状ゴムチップを用いることによりリサイクルの促進を図ることができる。尚、柔軟なクッション性に富む風合いを損ねない程度に粒状のゴムチップ等を混入させてもよい。適宜顔料等で骨材の表面を着色したり、予め骨材の材料配合中に顔料を混ぜて骨材をカラー化してもよい。
【0011】
ファイバー状ゴムチップの形状は長さが3〜40mmで太さが0.5〜3mmであることが好ましい。長さが3mmを下回ると短すぎて通常の粒状ゴムチップとおおよそ同じ形状となってしまいファイバー状ゴムチップ特有の柔軟なクッション性に富む風合いが小さくなる傾向があり好ましくない。長さが40mmを越えると塗布施工中に混合材が流れ出したり剥離したり落下する傾向が大きくなり塗布施工性が低下するので好ましくない。又、長過ぎて混合時に撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易くなる傾向もあり混合作業性が低下し好ましくなく、そのような場合には混合材の分散不良を起こし易いので好ましくない。
【0012】
ファイバー状ゴムチップの太さについては前述のように0.5〜3mmが好ましい。太さが0.5mmを下回ると細過ぎて混合時に撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易くなる傾向があり混合作業性が低下し好ましくなく、又そのような場合には混合材の分散不良を起こし易いので好ましくない。太さが3mmを越えると塗布施工中に混合材が流れ出したり剥離したり落下する傾向が大きくなり塗布施工性が低下するので好ましくない。
ファイバー状ゴムチップは全長に渡って同一の太さである必要はなく、断面形状も円形、多角形、扁平形状等どのような形状であってもよい。
【0013】
尚、本発明のファイバー状ゴムチップについては、長さmm(L)と太さmm(D)の比(L/D)は2以上である。これより小さくなるとファイバー状ゴムチップとしての柔軟なクッション性に富む風合いを損ねる傾向があり好ましくない。粒状チップに比べファイバー状ゴムチップの方が柔軟なクッション性に富む風合いを持つ理由については、明確には判らないがおそらくその形状からファイバー状ゴムチップの方が施工物内部の空隙率が大きくなり易い事に起因しているのではないかと推測する。そして又、空隙が大きいことと更に繊維状の形状によるファイバー状ゴムチップ独特の撓み等も加わって、粒状チップに比べ柔軟なクッション性に富む風合いが発現しているのではないかと推測する。
【0014】
このようなファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合する。疎水性フュームドシリカとはフュームドシリカの表面を改質して疎水性化したものである。フュームドシリカ自体は超微粒子状の無水シリカの一種であり、熱分解法シリカ、乾式法シリカ、乾式法ホワイトカーボン、軽質無水ケイ酸、煙霧質シリカとも呼ばれるものである。製造方法としては、四塩化ケイ素をフェロシリコンの塩素化等で作り、それを精製し、酸素と水素の炎中で加水分解し生成させる、ハロゲン化ケイ素の火炎加水分解法(高温気相分解法ともいう)や、有機ケイ素化合物(メチルトリクロロシラン、ジメチルポリシロキサン等)等の熱分解による方法やケイ砂(フェロシリコン等)を加熱還元し、気化したSiOを空気酸化させる方法等が知られている。
【0015】
このようなフュームドシリカの表面をジメチルシリコーンオイルのようなシリコーンオイル等によるオイル処理、トリメチルシリル基、オクチルシラン、モノメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メタクリロキシシラン、ポリメチルシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、アミノシラン等で処理する、メチル基グループで覆う、等により疎水性フュームドシリカが作られる。
【0016】
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合したものに更にウレタン樹脂バインダを添加して混合する。本発明のバインダはウレタン樹脂バインダを使用する。その他の樹脂としてはアクリル樹脂、エポキシ樹脂等や、更に、天然ゴムの液状ゴムやスチレン−ブタジエン共重合体ゴムのような各種合成ゴムの液状ゴム等もあるが、疎水性フュームドシリカとの相性が悪く混合材として適度な粘度、チキソトロピー性が得られないので塗布施工中に混合材が流れ出したり落下し易い、更に硬化後では樹脂が硬過ぎあるいは軟らか過ぎで柔軟なクッション性に富む風合いに欠ける、又更にファイバー状ゴムチップとの接着性が悪く物性が発現しない、等の不具合があり使用出来ない。
【0017】
ファイバー状ゴムチップに対して疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの組合せによりこの混合材は、つきたての餅のような感じで、まとまりがあり、コテ作業がやり易く、コテによく載るものとなる。尚、ウレタン樹脂バインダは1液タイプの湿気硬化型でも、2液タイプの主剤と硬化剤に別れたものでもよく、適宜硬化促進材等を用いてもよい。
【0018】
ウレタン樹脂バインダの粘度としては、2000〜5000センチポイズの粘度を有していることが好ましい。特に好ましくは2500〜4000センチポイズの範囲である。2000センチポイズを下回ると混合材が流れ出したり剥離したり落下し易くなり塗布施工性が低下するので好ましくなく、5000センチポイズを上回ると粘度が高過ぎて塗布施工時のコテ等の作業が重くなり塗布作業性が悪化するので好ましくない。コテ等の作業が重くなり過ぎると表面の仕上げが悪化する可能性がある。
【0019】
使用するウレタン樹脂バインダの添加量は、ファイバー状ゴムチップに対して15〜45重量%であることが好ましい。ウレタン樹脂バインダがファイバー状ゴムチップに対して15重量%を下回ると混合材としての十分な粘度やチキソトロピー性が得られず混合材が流れ出したり剥離したり落下し易くなり塗布施工性が低下するので好ましくなく、更にファイバー状ゴムチップを十分に結合できず施工物の強度が低下する傾向があり好ましくない。又、45重量%を越えるとウレタン樹脂バインダが底に溜まったり、ウレタン樹脂バインダが多すぎて硬化後硬くなり柔軟なクッション性に富む風合いが低下する傾向があるので好ましくない。
【0020】
又、更に、ウレタン樹脂バインダの量が45重量%を越えると、湿気硬化型のウレタン樹脂バインダでは硬化が遅くなったり発泡の恐れもあり更に過剰品質となり好ましくない。尚、ウレタン樹脂バインダについては各種スズ系等の金属触媒系促進剤を添加すると硬化をより早くすることができる。
【0021】
使用する疎水性フュームドシリカの添加量は、ファイバー状ゴムチップに対し1〜8重量%であることが好ましい。疎水性フュームドシリカがファイバー状ゴムチップに対して1重量%を下回ると、混合材としての十分な粘度やチキソトロピー性が得られずコテ等による塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向があり好ましくない。又、8重量%以上になると、混合材が硬くなり過ぎ(粘度が高くなり過ぎ)混合し難くなり、混合時に分散不良も起こし易くなり、又塗布施工時のコテ等の作業が重くなり塗布作業性が悪化するので好ましくない。更に塗布施工後の施工物についても硬くなり柔軟なクッション性に富む風合いが失われる傾向があり好ましくなく更に過剰品質でもあり好ましくない。
【0022】
疎水性フュームドシリカの一次粒子の平均粒子径は2〜30nmが好ましい。2nmを下回ると粒子が細かすぎて分散不良を起こし易くなり好ましくない。又、混合時に細かすぎてウレタン樹脂バインダ中に空気を巻き込み易くなるので好ましくない。空気を巻き込むと強度低下の原因となる。更に、2nmを下回るとファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合時の粘度もより高くなり混合作業性が低下し、更に混合材の分散不良を引き起こし易く好ましくない。平均粒子径が30nmを上回ると塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向となるので好ましくない。
【0023】
混合する際には、先ず、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合する。ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを最初によく混合することにより、ファイバー状ゴムチップの周りに疎水性フュームドシリカが均等に行き渡る。その後、ウレタン樹脂バインダを添加して撹拌混合する。これにより、ファイバー状ゴムチップの周りに疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合物層が十分に行き渡り良好な混合材の分散状態となって十分な付着施工性が得られる。
【0024】
例えば、ウレタン樹脂バインダと疎水性フュームドシリカを予め混合しておくと高粘度のスラリー状となりファイバー状ゴムチップと混ざり難くなる(分散不良となる)。ファイバー状ゴムチップはその形状が繊維状なので撹拌羽根やその撹拌羽根の軸等に絡み付き易く通常の粒状ゴムチップより撹拌混合し難い。従って高粘度のスラリー状であるとファイバー状ゴムチップと非常に混合し難くなる。分散不良になると塗布作業中に混合材が流れ出したり剥離したり落下したりして作業性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0025】
又、ファイバー状ゴムチップとウレタン樹脂バインダとを予め混合しておくと、やはり疎水性フュームドシリカが混じり難くなり、分散不良となる。但し、強力なミキサー等を用いて、時間をかけて撹拌混合するとこれらの場合でも分散不良を解消することができ、良好に塗布施工することができる。施工現場で混合する場合には、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後、ウレタン樹脂バインダを添加して混合した方が、時間をかけず良好で正常な混合ができる。
【0026】
こうして混合した、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材を施工面に塗布する。施工面が建物の壁面のような垂直な面あるいは傾斜がきつい面である場合には、施工面に予め下塗剤として樹脂プライマを塗布する。この樹脂プライマの粘着性が継続している間にコテ等により塗布施工を行う。樹脂プライマは粘着性の高いものがよく、粘着性が失われた後は速やかに硬化するものがよい。樹脂プライマは一般にはウレタン樹脂バインダと同種類の樹脂で、施工面になじみ易く(親和性がある)、粘着性の良い適度な粘度を有するものが好ましい。
【0027】
尚、施工面が水平面であるような場合には、一般的には、樹脂プライマは不要であるが、より施工面との接着性を要求される場合には使用する。施工面が傾斜面、垂直面、湾曲面等である場合に必要に応じて塗布するとよい。又、施工面は、建築物の壁面に限らず、天井の下面であってもよく、あるいは、ストリートファニチャーのような各種景観商品の外面、遊具の外面、立体展示物の外面、階段のステップ面、階段の立ち面等であってもよい。
【0028】
ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材は、つきたての餅のような感じで、まとまりがあり、コテ作業がやり易く、コテによく載る。これより各種傾斜面、垂直面、湾曲面等で良好に塗布施工が可能となる。
【0029】
図1に示すように、垂直な壁面1にファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材2を塗布する際には、まず、壁面1に樹脂プライマを塗布する。
次に、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを撹拌混合した後、それにウレタン樹脂バインダを添加して撹拌混合し、混合材2を形成する。この混合材2を樹脂プライマの粘着性が持続している間に塗布する。混合材2を壁面1にコテ作業等で適度な押圧で塗布すると、良好なコテ作業性で、壁面1に容易に均一な厚さで塗布することができる。塗布後は混合材2が剥離したり落下したりすることがなく、混合材2を均一な厚さで塗布することが容易にできる。
【0030】
表1に示すように、ファイバー状ゴムチップでは通常のフュームドシリカを使用しても、本願特許発明品のように塗布できないことが判る。塗布できる厚さは柔軟なクッション性に富む風合いを感じられる下限値の5mm程度以下であり、しかもつきたての餅のような感じがなくてまとまりが悪くコテでの塗布作業性が悪いので実用にならない。又、当然のことながら炭酸カルシウム等他の薬剤を用いても全く実用にならない。尚、比較例ではフュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレード300:一次粒子の平均径7nm、同200:一次粒子の平均径12nm)及びその他の薬剤を用い、実施例では疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレードRY300:一次粒子の平均径7nm、同RY200:一次粒子の平均径12nm、同RY200S:一次粒子の平均径16nm、以上全てジメチルシリコーンオイルで疎水性表面処理がなされているもの)を用いた。
【0031】
【表1】
【0032】
壁面に塗布できる最大厚さ、即ち、垂直な壁面に塗布しても剥離したり落下したりすることがない最大厚さは、図2に示すように、添加する疎水性フュームドシリカの割合に比例する。図2においては、ファイバー状ゴムチップ(廃タイヤを粉砕したもので長さ約15mmで太さ約1.5mmのもの)に対し、ウレタン樹脂バインダを25重量%使用し、下塗剤としてウレタン樹脂プライマを1平方メートル当たり300gで予め塗布し、疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル製のAEROSILグレードRY300:一次粒子径7nmでジメチルシリコーンオイルにて表面処理がなされている)のファイバー状ゴムチップに対する添加重量%を変えて施工できる最大の厚みを計測した。疎水性フュームドシリカは厚さが5mm程度のときは1重量%程度でよく、厚さを20mm程度とするときには4重量%程度添加する。
【0033】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の塗布施工法は、ファイバー状ゴムチップを用いて施工面が垂直、傾斜、湾曲していても、型枠を用いることなく、良好なコテ作業性によって均一な厚さに塗布できるという効果を奏する。又、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後にウレタン樹脂バインダを混合すると、均一に混合された混合材が得られ、良好な施工ができる。更に、得られた施工物は粒状のゴムチップ等の弾性骨材に比べ柔軟なクッション性に富む風合いを持つという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての塗布施工法により壁面に混合材を塗布した状態を示す説明図である。
【図2】本実施形態の最大施工厚みと疎水性フュームドシリカ添加量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…壁面
2…混合材
Claims (9)
- ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとを混合した後、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法。
- ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとを混合した後にウレタン樹脂バインダを添加して混合し、施工面に塗布することを特徴とする塗布施工法。
- 前記ファイバー状ゴムチップは長さが3〜40mmで太さが0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の塗布施工法。
- 前記ウレタン樹脂バインダが2000〜5000センチポイズの粘度を持つことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の塗布施工法。
- 前記ウレタン樹脂バインダの添加量が前記ファイバー状ゴムチップに対して15〜45重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の塗布施工法。
- 前記疎水性フュームドシリカの添加量が前記ファイバー状ゴムチップに対して1〜8重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載の塗布施工法。
- 前記疎水性フュームドシリカの平均粒子径が2〜30nmであることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載の塗布施工法。
- 前期施工面に予め下塗剤を塗布し、前記下塗剤が粘着性を有する間に、ファイバー状ゴムチップと疎水性フュームドシリカとウレタン樹脂バインダとの混合材を塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の塗布施工法。
- 前記施工面が垂直あるいは傾斜又は湾曲していることを特徴とする請求項1ないし請求項8記載の塗布施工法。
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