JP3764996B2 - 軟弱地盤の改良工法、並びに軟弱地盤の改良施工装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤上面に負圧状態を造り出すことによって地盤中の水と空気とを吸い出すようにした地盤表面の改良工法、並びに軟弱地盤の改良施工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軟弱地盤上面に負圧状態を造り出すことによって地盤中の水と空気とをその圧力差によって吸い出すようにした地盤表面の改良工法において、軟弱地盤A上面を気密な状態とするための気密シート1は、図3及び図4に示すように、改良区域周囲の地盤Bを掘り下げて溝2を形成し、この溝2内に気密シート1の端部1aを配置し、次いでこの気密シート1の端部1a上に盛土3することで溝2内に埋め込まれ、該気密シート1の端部1aからの空気が出入りしないようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の気密シート1の端部1aを溝2内に埋め込むという方法では、改良区域周囲の地盤B全体に溝2を掘り、気密シート1の端部1aを配置した後には盛土3して気密シート1の端部1aを埋め込まなければならなかった。しかも軟弱地盤Aの改良工事が終了した後には溝2を掘り起こして埋め込んでいた気密シート1の端部1aを取り出し、再び溝2を埋めるという作業を行わなければならず、煩雑を極めていた。
【0004】
本発明は、このような技術的課題に鑑みなされたものであり、改良区域の周囲全体に渡る溝掘り作業、並びに工事終了後、気密シートを取り出した後に溝を埋める作業を省略することができる軟弱地盤の改良工法、並びに軟弱地盤の改良施工装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、改良区域の軟弱地盤中にドレーン材を上端部を残して所定の間隔をおいて打設することにより、該地盤中に鉛直排水壁を造成する工程と、真空ポンプに連結された帯状の通水材を前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に配置する工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに気密シートで覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に盛土して、気密シートの端部を地盤上面と盛土との間に埋め込む工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧の状態を造り出す工程とからなることを特徴とする軟弱地盤の改良工法をその要旨とした。
【0006】
請求項2記載の発明は、改良区域の軟弱地盤中に上端部を残して所定の間隔をおいて打設されるドレーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水平状に配置される帯状の通水材と、前記通水材に連結される真空ポンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に施された盛土と地盤上面との間に端部が埋め込まれる気密シートとからなることを特徴とする軟弱地盤の改良施工装置をその要旨とした。
【0007】
(作用)
請求項1記載の軟弱地盤の改良工法にあっては、改良区域の軟弱地盤中にドレーン材を上端部を残して所定の間隔をおいて打設することにより、該地盤中に鉛直排水壁を造成する工程と、真空ポンプに連結された帯状の通水材を前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に配置する工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに気密シートで覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に盛土して、気密シートの端部を地盤上面と盛土との間に埋め込む工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧の状態を造り出す工程とからなり、前記軟弱地盤上面を覆う気密シートの端部が、改良区域周囲の地盤とこの地盤上面に盛土された盛土との間に埋め込まれていて、軟弱地盤上面に確実な気密状態が得られるようになっている。
【0008】
請求項2記載の軟弱地盤の改良施工装置にあっては、改良区域の軟弱地盤中に上端部を残して所定の間隔をおいて打設されるドレーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水平状に配置される帯状の通水材と、前記通水材に連結される真空ポンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に施された盛土と地盤上面との間に端部が埋め込まれる気密シートとからなり、地盤上面が、ドレーン材上端部及び通水材とともに気密シートで覆われるとともに、該気密シートの端部が、改良区域周囲の地盤とこの地盤上面に盛土された盛土との間に埋め込まれていて、確実な気密状態が得られるようになっている。このため、通水材に連結された真空ポンプが作動して真空引きされたとき、地盤上面は確実に負圧の状態となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の軟弱地盤の改良工法、並びに軟弱地盤の改良施工装置を図面に従って詳細に説明する。本発明は、軟弱地盤上面を気密シートで覆って負圧状態とすることによって地盤中の水と空気とを吸い出すようにした軟弱地盤の改良工法において適用されるものであり、気密シートの端部から空気が出入りしないようにして、軟弱地盤上面を確実に気密状態となし、もって負圧による地盤中の水と空気の吸い出しを効率よく行うことができるようにするものである。
【0010】
まず、本発明を適用する、軟弱地盤上面を気密シートで覆って負圧状態とすることによって地盤中の水と空気とを吸い出すようにした軟弱地盤の改良工法について説明する。この工法は、以下の工程からなる。すなわち、ペーパードレーン材などのドレーン材11を上端部11aを残して地盤A中に所定の間隔をおいて打設することで鉛直排水壁を造成する。次いで、この地盤A上面に突出するドレーン材11の上端部11aに接触するように、一端側に排水タンク12を介して真空ポンプPが連結された帯状の通水材13を平行状に配置する。この後、この地盤A上を前記ドレーン材11の上端部11a並びに帯状の通水材13とともに気密シート14で覆い、この状態で前記真空ポンプPを作動させて地盤A上面に負圧の状態を造り出すというものである。
【0011】
上述の軟弱地盤A上面を気密シート14で覆って負圧状態とすることにより地盤A中の水と空気とを吸い出すようにした軟弱地盤の改良工法において、気密シート14の端部14aから空気が出入りするようでは、軟弱地盤A上面を気密状態とすることはできず、負圧による地盤A中の水と空気の吸い出しを効率よく行うことはできない。このため、本発明の工法では、図1及び図2に示すように、改良区域周囲の地盤B上面に盛土16を行うことで、気密シート14をこの盛土16と地盤Bとの間に埋め込むようにした。
【0012】
上述の軟弱地盤上面を覆う気密シート14は、改良する軟弱地盤A区域よりもやや大きめに設けられており、これで軟弱地盤A上面を覆ったとき、気密シート14の端部14aは、図1及び図2に示すように軟弱地盤Aの改良区域周囲の地盤B上面にはみ出た状態となる。
【0013】
そこで、この改良区域周囲の地盤B上面にはみ出た気密シート14の端部14a上に盛土16を行うのである。これにより気密シート14の端部14aは、改良区域周囲の地盤Bとこの地盤B上面に盛土された盛土16との間に埋め込まれて、ここに確実な気密状態が得られるようになる。
【0014】
この結果、地盤中における間隙水圧との間には差が生じるようになる。この圧力差によって、ドレーン材を上端部を残して地盤中に所定の間隔をおいて打設することにより、地盤中に造成された鉛直排水壁を通して、地盤中の水と空気が地盤表面へと吸い出され、地盤表面の水と空気は、ドレーン材上端部と接触するように水平状に配された帯状の通水材を通って(排水タンクへと)排出されるようになっている。
【0015】
尚、本発明の改良工法に使用する気密シートは、空気が透過できない素材であるならば、合成樹脂シート、繊維基材表面に合成樹脂フィルムをラミネートしたものなど何でもよい。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の軟弱地盤の改良工法にあっては、軟弱地盤上面を気密シートで覆って負圧状態とすることによって地盤中の水と空気とを吸い出すようにした軟弱地盤表面の改良工法が、ドレーン材を上端部を残して地盤中に所定の間隔をおいて打設することにより地盤中に鉛直排水壁を造成する工程と、前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に真空ポンプに連結した帯状の通水材を配置する工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び帯状の通水材とともに気密シートで覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に盛土して、気密シートの端部を地盤上面と盛土との間に埋め込む工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧状態を造り出す工程とからなり、前記気密シートの端部を、改良区域周囲の地盤上面に盛土することで、この盛土と地盤との間に埋め込むようにしたことから、軟弱地盤上面に確実な気密状態が得られ、従来工法で行われていた改良区域の周囲全体に渡る溝掘り作業、並びに工事終了後、気密シートを取り出した後に溝を埋める作業を省略することができ、もって軟弱地盤の改良工事に要していた労力を大幅に削減できるとともに工事期間を短縮することができる。また、この工法によれば、軟弱地盤上面に確実な気密状態が得られることから、地盤中の水と空気とをより効率よく吸い出すことができる。
【0017】
請求項2記載の軟弱地盤の改良施工装置にあっては、改良区域の軟弱地盤中に上端部を残して所定の間隔をおいて打設されるドレーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水平状に配置される帯状の通水材と、前記通水材に連結される真空ポンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び帯状の通水材とともに覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に施された盛土と地盤上面との間に端部が埋め込まれる気密シートとからなり、地盤上面が、ドレーン材上端部及び帯状の通水材とともに気密シートで覆われるとともに、該気密シートの端部が、改良区域周囲の地盤とこの地盤上面に盛土された盛土との間に埋め込まれていて、確実な気密状態が得られるようになっている。このため、通水材に連結された真空ポンプが作動して真空引きされたとき、地盤上面を確実に負圧の状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軟弱地盤の改良工法による地盤中の水及び空気の吸出構造を模式的に示した断面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】従来の軟弱地盤の改良工法による地盤中の水及び空気の吸出構造を模式的に示した断面図。
【図4】同じく平面図。
【符号の説明】
11・・・ドレーン材
12・・・排水タンク
13・・・通水材
14・・・気密シート
16・・・盛土
A・・・軟弱地盤
B・・・改良区域周囲の地盤
P・・・真空ポンプ
Claims (2)
- 改良区域の軟弱地盤中にドレーン材を上端部を残して所定の間隔をおいて打設することにより、該地盤中に鉛直排水壁を造成する工程と、真空ポンプに連結された帯状の通水材を前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に配置する工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに気密シートで覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に盛土して、気密シートの端部を地盤上面と盛土との間に埋め込む工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧の状態を造り出す工程とからなることを特徴とする軟弱地盤の改良工法。
- 改良区域の軟弱地盤中に上端部を残して所定の間隔をおいて打設されるドレーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水平状に配置される帯状の通水材と、前記帯状の通水材に連結される真空ポンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに覆うと共に、改良区域周囲の地盤上面に施された盛土と地盤上面との間に端部が埋め込まれる気密シートとからなることを特徴とする軟弱地盤の改良施工装置。
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JP33548096A JP3764996B2 (ja) | 1996-12-16 | 1996-12-16 | 軟弱地盤の改良工法、並びに軟弱地盤の改良施工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH10168865A JPH10168865A (ja) | 1998-06-23 |
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