JP3764910B2 - 味付けシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライヤーから取り出されたポテトチップ等に塩・香辛料等の調味料を添加してスナック菓子を製造する製造ラインにおける味付けシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポテトやコーン等から成形されるスナック菓子の味付け装置としては、例えば、特公平4−35132号公報、特許第2689139号公報、USP5,090,593、USP5,846,324等に開示されたものが知られている。
【0003】
これらの味付け装置では、フライヤーから取り出されたポテトチップ等(以下、味の付いてないものを未完成品という)を回転ドラム内に供給し、そこに設定比率の調味料を添加して攪拌するが、こうした味付け装置は、通常は未完成品を一商品単位(1袋の内容量)に小分けする計量装置の上流側に設置されるため、味を変える場合は、その下流側装置に残っている未完成品を除去した上で、下流側装置を清掃していた。
【0004】
【従来技術の問題点】
ところが、下流側装置の清掃には、多くの人手と時間を要し、しかもその間は、下流側装置を停止しなければならないので、生産性が低下するという問題があった。
【0005】
また清掃に際しては、まず上流側装置を止め、それから下流側装置から製品が無くなるまで下流側装置を運転しなければならないが、その間に製造されるパック数は、下流側で滞留する製品量に左右されるため、生産計画通りには生産できないという問題があった。そのことは、入り数の半端なコンテナを箱詰め装置内に残す原因ともなり、それが製品の歩留まりを悪くするという問題があった。
【0006】
こうした問題があるため、一部の工場では、味付けの種類毎に専用ラインを設けて、味付けを固定化させるところもあるが、それでは設備費が嵩むという問題があり、また嗜好が変化したり、季節が変わったりすると、やはり味付けを変えなければならず、その時には同様な問題が発生していた。
【0007】
また、未完成品の味付け装置内での滞留時間は、未完成品の個々の大きさによってばらつくため、調味料の添加量を未完成品の流入量に追従させたとしても、個々の製品に対する味付けは、ばらつくという問題があった。
【0008】
さらに、この種の調味料には、塩分が含まれるため、下流側装置は、防錆性の高いステンレス材料を使用しなければならず、しかも未完成品が接触する部位は、簡単に取り外せる構造でなければならないため、それだけ割高な装置になるという問題があった。
【0009】
この発明は、味の切り替えに伴うこれまでの清掃作業を無くすことができる新たな味付けシステムを提供することを目的とする。
【0010】
またこの発明は、味の違う種々の商品を生産計画通りに製造することができ、したがって、味の切り替えを短時間に、場合によっては、それを全自動的に行うことができる新たな味付けシステムを提供することを目的とする。
【0011】
さらにこの発明は、むらなく味付けができる新たな味付けシステムを提供することを目的とする。
【0012】
加えてこの発明は、味の違う製品を一つの製造ラインで連続的に生産することのできる新たな味付けシステムを提供することを目的とする。
【0013】
併せてこの発明は、安価で耐久性に優れた新たな味付けシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【発明の概要】
この出願の請求項1に係る発明は、未完成品を受け取ってこれを所定重量の1袋分に小分けする装置と、1袋分に小分けされた未完成品に調味料を付与する味付け装置と、味付けられた製品を包装する包装装置とを有し、前記小分けする装置が、複数の計量ホッパに未完成品を分散し、それぞれのホッパで計量された未完成品の重量に基づいて所定重量の1袋分となる組合せを求め、求めた組合せにかかる未完成品を収集して前記所定重量の1袋分に小分けされた未完成品とする組合せ計量装置からなることを特徴とするもので、この発明によると、計量装置等で所定重量の1袋分に小分けした後に味付けを行うので、計量装置には、調味料が付着しないし、味の切り替えに伴う計量装置の清掃も不要となる。したがって、清掃のための運転休止がなくなり、生産性を飛躍的に向上することができる。
【0015】
また、一袋分に小分けされたものを味付けるので、1袋分の内容量に応じた調味料が付与でき、味の品質を均質にすることができる。
【0016】
さらに、計量装置等の清掃を無くすことができるので、清掃に耐え得る着脱容易な構造にする必要がなく、安価な装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明が適用される味付けシステムの基本構成を示したもので、100は、未完成品を搬送する搬送装置、200は、搬送されてきた未完成品を1袋分(所定量)に小分けする計量装置、300は、小分けされた未完成品に設定比率の調味料を添加する味付け装置、400は、味付けの終わった製品を包装する包装装置、500は、計量ミスや味付けミスのあった商品をライン上から排除する振分装置、600は、味付けの終わった商品を箱詰めする箱詰装置、700は、前記各装置200、300、400,500、600をそれぞれ操作するとともに、それぞれを連動させる操作制御装置である。
【0019】
<搬送装置>
前記搬送装置100は、図示しないフライヤーから搬出された未完成品を計量装置200に搬送するもので、その先端部分には、未完成品をストックする振動フィーダ110が設けられ、計量装置200から投入要求信号S1が入力されると、該振動フィーダ110は、所定時間駆動して、ストックした未完成品Mを計量装置200に投入する。
【0020】
<計量装置>
前記計量装置200は、振動フィーダ110から投入された未完成品Mを1袋分に計量するもので、上部分散部210のストック量が少なくなると、前記振動フィーダ110に投入要求信号S1を出力する。
【0021】
一方、計量装置200に味付け装置300から排出要求信号S2が入力されると、計量装置200は、まずタイミングホッパ220を開放して、そこに貯留していた所定量の未完成品mを排出する。続いて、計量装置200は、ストックした未完成品を小分けしながら所定量の未完成品に計量し、それを空になったタイミングホッパ220に排出して、次回の排出要求信号S2に備える。
【0022】
この計量装置200には、May19,1998年発行のUSP5,753,866に開示されたような組合せ計量装置が使用される。この組合せ計量装置によると、中央上部に投入された未完成品Mを分散部210で複数の計量ホッパ(図示せず)に小分けし、それぞれのホッパで計量された未完成品の重量を組み合わせて所定量となる未完成品の組合せを求め、求めた組合せにかかる未完成品をホッパから排出して所定量の未完成品を形成することができるので、スナック菓子のような不定形なものでも、精度よく計量することができる。
【0023】
一方、計量装置200で計量ミスが発生すると、該装置200は、操作制御装置700にエラー信号S3を送る。操作制御装置700は、これに基づいて味付け装置300に停止信号S4を送り、味付けを停止させる。これにより、半端な製品が生成されても、これに対する味付けを中止することができるので、これを回収すれば、別な味付け商品として再生することができる。
【0024】
<味付け装置>
前記味付け装置300は、図2に示すように、調味料を排出する調味料供給装置310と、排出された調味料とタイミングホッパ220から排出された未完成品mとを混合する混合装置320と、これらの装置310、320を制御する制御装置330とから構成される。
【0025】
前記調味料供給装置310は、調味料をストックするチャージホッパ311と、該ホッパ311内の調味料を小出しにしながら先端部へ搬送する振動フィーダ312と、該フィーダ312から排出された調味料Sを受け取って計量する計量ホッパ313と、計量ホッパ313の重量を測定する重量センサ314とで構成される。
【0026】
前記制御装置330は、重量センサ314の測定値を監視しながら振動フィーダ312を動作させ、計量ホッパ313に設定量の調味料が投入されると、振動フィーダ312を停止させる。また、チャージホッパ311からの調味料の流出が悪くなったり、そのストック量が不足したりして、計量ホッパ313に所定量の調味料が一定時間内に溜まらなくなると、前記制御装置330は、調味料の流れが悪くなったと判断して、操作制御装置700に排出異常信号S5を出力する。操作制御装置700は、これに基づいて、包装装置400或いは振分装置500に対して、調味料が適正に付与されなかった製品の排除を指示する。
【0027】
前記調味料供給装置310は、塩等のような粒体を想定したものであるが、その供給機構は、調味料の性状に応じて変わる。例えば、調味料が液体であれば、所定量の調味料をエアーで噴霧するものが適するし、ペースト状であれば、回転角に応じて送り量が制御できるスクリューコンベアが適する。また粉体や粒体のものでは、容積によって排出量が調整できるものが適する。
【0028】
なお、図5(a)に示す実施例では、スクリューコンベアを用いた例を示している。
【0029】
またこの実施例では、調味料の添加を確実にするために、計量ホッパ313の重量から調味料の排出異常を検出するようにしたが、供給機構が変われば、それに応じて検出方式も変わる。例えば、液体調味料の場合には、流量センサで排出異常を検出することができるし、圧力センサで調味料の噴霧圧力を捉えて、排出異常を検出することもできる。また調味料がどのような種類のものであっても、その減少量は、重量センサで捉えることができるので、その減少量から排出異常を検出することもできる。このようにすることにより、味付けミスの商品が出荷されるのを未然に防止することができる。
【0030】
前記混合装置320は、1袋分に小分けされたものを攪拌して味付けるだけであるので、USP5,090,593、USP5,846,324に示された従来装置よりもはるかに小型にできる。
【0031】
図3に示すものは、その一実施例であって、複数の小型のドラムT1〜Tmを回転軸Oの周りに周回させながら、その各々を自転させるようにしている。
【0032】
即ち、各ドラムT1〜Tmは、図4(a)に示すように、回転軸Oから放射状に伸びた複数の支持アーム321の先端部に取り付けられ、回転軸Oが回転すると、それに伴って支持アーム321とともに水平方向に回転する。また各支持アーム321の先端部には、その軸回りに回転する旋回部321bが設けられ、その旋回部321bには、図4(b)に示すように、環状の固定ラック323と噛合うピニオン322が一体的に取り付けられて、支持アーム321が回転軸Oの回りを水平に動くと、固定ラック323と噛合ったピニオン322が固定ラック323上を転がり、その結果、ピニオン322と一体的に連結された旋回部321bとドラムT1〜Tmとが、アームの軸回りに自転するようになっている。これにより、各ドラムT1〜Tmは、水平面上を転がりながら回転軸Oの回りを周回する。
【0033】
各ドラムT1〜Tmの胴部には、開口325が設けられ、その開口325には、図示しないスプリングによって常時閉じる方向に付勢されたスライドゲート324が設けられている。
【0034】
そして、何れかのドラムT1〜Tmが、未完成品mの受取位置(図3では、ドラムT1の位置)に到達すると、図5(a)のように、開口325が上向きになった状態でスライドゲート324が開き、同時に排出位置(図3では、ドラムTmの位置)に位置するドラムTmも、図5(c)のように、その開口325が下向きになった状態でスライドゲート324が開く。それ以外の位置では、図5(b)のように、前記ゲート324が閉じて調味料Sと未完成品mとを閉じ込める。
【0035】
また各ドラムT1〜Tmの内部には、図5に示すように、複数の突起326が設けられ、それがドラムT1〜Tmの自転に伴って、調味料Sと未完成品mとを攪拌させるようになっている。なお、図3の221は、タイミングホッパ220の開閉ゲート、図4(b)の327は、支持アーム321の先端部を支持するフレームである。
【0036】
前記制御装置330は、包装装置400から排出要求信号S6が出力されると、包装装置400の投入シュート410の直上でドラムTmを停止させる。同時に進行方向前方のドラムT1は、タイミングホッパ220の直下で停止する。続いて、制御装置330は、各ドラムT1、Tmのスライドゲート324を開き、包装装置400に排出完了信号S7を、計量装置200に排出要求信号S2をそれぞれ出力する。
【0037】
計量装置200は、この排出要求信号S2を受け取ると、タイミングホッパ220を開き、続いて排出完了信号S8を制御装置330に送る。制御装置330は、これに基づいて調味料供給装置310を制御して、未完成品mの重量に応じた設定比率の調味料Sを排出させ、続いてスライドゲート324を閉じてドラムT1〜Tmを周回させる。
【0038】
これにより、各ドラムT1〜Tmは、包装装置400の直上に到達する度に停止して、味付けの終わった製品を包装装置400に排出する。同時に空のドラムには、タイミングホッパ220から新たな未完成品mが投入され、同時に調味料供給装置310から設定料の調味料Sが投入される。続いて制御装置330は、各ドラムT1〜Tmを周回させる。これにより、各ドラムT1〜Tmは、自転しながら調味料Sと未完成品mとを攪拌していく。
【0039】
<包装装置>
前記包装装置400としては、例えば、袋の口を開口させ、その中に製品を充填する給袋式包装機や、長尺のフイルムをチューブ状に成形しながら該チューブ内に製品を充填し、充填された袋の口と次の袋の底とを同時にシールして、上下の袋のつなぎ目を切断する縦型ピロー包装機等を使用することができる。
【0040】
この縦型ピロー包装機では、その動作モードを変えることによって、シールやカットのない袋を一時的に生成することができるので、操作制御装置700が、計量装置200からエラー信号S3を入力した時や、味付け装置300から調味料の排出異常信号S5を入力した時は、包装装置400にモード変更指令S9を出力して、その包装形態を変えさせる。これにより、正常に味付けされた良品と、そうでない不良品とを包装形態によって弁別することができる。
【0041】
<振分装置>
前記振分装置500は、搬送ラインから不良品を排除するもので、この実施例のように、包装装置400の下流側に配置される場合は、振分コンベアで構成される。また、味付け装置300と包装装置400との間に挿入される場合は、排出方向を切り替える揺動シュートで構成される。そして、操作制御装置700の指示信号S10に基づいて、計量ミスや味付けミスのあった袋Bをラインから排除する。これにより、不良品を製造ラインから確実に排除することができるので、味付けをミスしても、その出荷を未然に防止することができる。
【0042】
<箱詰装置>
前記箱詰装置600は、商品になった袋Bをダンボールケースに収納して出荷するもので、商品を1個処理する度に、その個数をカウントする。その値は、操作制御装置700に送られ、後述の生産管理に使用される。
【0043】
<操作制御装置>
前期操作制御装置700は、各装置200,300,400,500,600を連動させ、かつ制御するもので、これらの装置と交信してそれらを個別に操作する操作表示部710と、各商品の生産情報を商品毎に記憶したメモリ720とを有している。このメモリ720には、図6に示すように、商品ごとに調味料の種類とその添加割合、包装装置400の運転速度、1袋分の重量、生産予定個数等が記憶されている。そして、作業者が操作表示部710を操作して商品番号を入力すると、その商品に対応する各情報が読み出され、それらが対応する各装置に送られる。即ち、調味料の種類とその添加割合は、味付け装置300に、運転速度は、包装装置400に、1袋分の重量は、計量装置200に送られる。そして、生産予定個数は、マイクロコンピュータ730にセットされる。
【0044】
そして、作業者が操作表示部710に表示されたスタートキーを操作すると、操作制御装置700は、上流側装置から順番に動作させ、交信して、各装置200,300,400,500,600の生産実績(処理個数)を入力していく。そして、前記コンピュータ730は、それぞれの生産実績から各装置200,300,400,500の未処理数(生産予定個数−生産実績数)を算出し、その値がゼロになると、予定個数の生産が終了したと判断して上流側装置から順番に停止指令を出力する。
【0045】
また途中でエラー商品が発生し、それがラインから排除された場合は、その不足分を上流側装置の生産予定個数に加算して、不足が生じないように調整する。
【0046】
これにより、ロスを出さずに生産計画通りの生産が可能となる。
【0047】
<味の切り替え>
この発明に係る味付け装置は、1袋分の小分けされたものを味付けるだけであるので、従来のような大掛かりなものは不要となる。したがって、種類の違う調味料を装填した味付け装置を複数台用意しておけば、これらを適宜取り替えることによって味の切り替えが短時間にできる。
【0048】
また調味料の種類毎に調味料供給装置310を複数用意し、それらの調味料排出口を、混合装置320の開口325に臨ませて、これらを選択的に駆動することによって味を切り替えることもできる。この場合は、混合装置320の各ドラムを調味料に合わせて選択的に使用する。例えば、奇数番号のドラムには、調味料Aを、偶数番号のドラムには、調味料Bをそれぞれ投入する。このようにすれば、種類の違う調味料がドラム内で混ざることがないから、混合装置320の洗浄が不要となる。
【0049】
さらに、その応用として、種類の違う調味料を1袋づつ順番に切り替えて、味の違う商品が順番に生産されるようにすれば、これまでと違った、多品種一連のパック商品を製造することもできる。
【0050】
<複数の製造ラインを構築する場合>
以上の実施例は、1ラインで計量・味付け・包装・箱詰をするものであったが、これを複数ライン設けるときは、前記搬送装置100の上流側に、特公平4−35132号公報に開示されたような分配装置を設けて、未完成品を複数のラインに均等に分配するようにする。そして、ライン毎に調味料の種類を特定しておけば、種類の違う商品を包装の直前で同時に生産することができるし、余った未完成品は、他の製造ラインに戻してこれを還流させることができる。
【0051】
【他の実施例】
前記味付け装置300は、複数の回転ドラムを使うので、種々の性状の調味料に適するが、次に示す図7は、特に粉体調味料に適した味付け装置30の一例である。
【0052】
この図において、タイミングホッパ220の直下には、落下中の未完成品を帯電させる帯電装置20が設けられる。この装置20は、一方が接地された電極22bと、他方が高圧電源21に接続された電極22aとで構成され、未完成品が、この電極22a,22b間を通過すると、その間に所定の極性に帯電される。
【0053】
ただし、計量装置200やタイミングホッパ220等が導電性材料で成形されているときは、未完成品は、全てグランドレベルに維持されるので、かかる帯電装置20を設けなくてもよい場合がある。
【0054】
この帯電装置20の下部には、取込シュート31と、一対の静電ガン33,33を有した味付けシュート32とが設けられる。この静電ガン33,33は、粉体調味料を所定の極性に帯電させて噴霧するもので、味付けシュート32の壁面に対向状に取り付けられ、そのノズル先端部には、コンプレッサ34と通じた配管35が、分岐管35a,35bを介して繋がっている。また、前記配管35の上流側に位置する分岐管35cには、調味料タンク37から調味料を掻きだすスクリュー式の調味料供給装置36が接続されている。
【0055】
前記静電ガン33,33のノズル先端部には、図8に示すように、ラッパ状に広がったデフレクタ33a,33aが設けられ、粉体調味料を矢印Aで示すように拡散させるようになっている。
【0056】
また調味料供給装置36は、図9に示すように、駆動モータ36aの出力軸36a′に取り付けられたスクリュー36bと、これを収納し、かつその先端開口部36c′が調味料タンク37内に開放されたシリンダ36cとを有している。そして、駆動モータ36aを駆動させてスクリュー36bを回転させると、調味料タンク37内の粉体調味料がシリンダ36c内に取り込まれ、これがスクリュー36bの基端部に導かれて、矢印Bで示すように、配管35内に排出される。また、スクリュウ36bの基端部には、エアを取り込むエア口36dが設けられ、それが圧縮空気の通路となる分岐管35cと繋がって静電ガン33のノズル先端部に導かれる。
【0057】
なお、配管35の途中には、切換バルブ38が設けられて、エアを含んだ粉体調味料の流量がこれで調整できるようになっている。
【0058】
一方、粉体調味料回収装置40は、図7に示すように、味付けシュート32の下部を覆い、包装装置400に臨む排出シュート41を備える。この排出シュート41の上部には、一対の吸引口41a,41aが設けられ、その吸引口41a、41aと、余分な粉体調味料を回収するサイクロン42とが、配管43で接続されている。
【0059】
また、上記サイクロン42は、バキュームポンプ42aにより排気され、また前記配管43の途中には、粉体調味料の回収を制御する切換バルブ44が設けられている。
【0060】
次に、この味付け装置300の動作について説明する。
【0061】
まず、タイミングホッパ220から所定量に計量された未完成品が排出されると、物品センサ17a,17bによりその通過が検出される。味付け装置300の制御部39は、その検出信号を入力すると、静電ガン33,33を作動させる。
【0062】
帯電装置20を通過した未完成品は、所定の極性に帯電されて、取込シュート31から味付けシュート32に落下する。
【0063】
一方、調味料供給装置36によって、調味料タンク37から単位時間当り一定量の粉体調味料が取り出され、それが分岐管35cを介して配管35へ導かれると、圧縮空気によって静電ガン33,33のノズル先端部から味付けシュート32内に噴霧される。その時、粉体調味料は、未完成品とは逆極性に帯電されているので、未完成品の落下経路で、浮遊する調味料とその間を落下する未完成品とは、静電作用によって相互に引き合い付着する。これにより、粉体調味料は、未完成品の表面に確実に瞬時に付着する。
【0064】
このとき、制御部39でスクリュウ36bの回転数を制御すると、粉体調味料の供給量を変更することができ、また、切換バルブ38を開閉制御すると、エアの供給時間や流量が制御できる。これにより、粉体調味料の噴霧量を任意に変更できる。
【0065】
また、静電ガン33,33を、均等な間隔で対向させたので、1つの静電ガン33を取り付けた場合に比較して、偏りのない付着が可能となる。
【0066】
また、上記静電ガン33,33のノズル先端部にそれぞれデフレクタ33a,33aを備えたから、粉体調味料は未完成品の落下経路と直交しない方向に噴霧される。これにより、噴霧される粉体調味料が未完成品の円滑な落下を阻害することがなくなり、高速運転が可能となる。
【0067】
さらに、操作制御装置700により粉体調味料の噴霧量を任意に変更できるようにすれば、未完成品の重量に応じた噴霧量の調整が可能となる。
【0068】
一方、味付けシュート32内に散布されて付着されなかった粉体調味料は、切換バルブ44を開動作させることによって、矢印D(図1参照)で示すように排出シュート41を介してサイクロン42で回収されるから、粉体調味料の無駄が防止されると共に、排出シュート41の下方に配置された包装装置400において、余分な調味料によってシール不良が発生するといった不具合が回避される。さらに、回収された粉体調味料の再利用が可能となる。
【0069】
なお、上記実施例では、一対の静電ガン33,33を用いたが、さらに多数の静電ガン33…33を適宜な位置に配置することにより、落下中の未完成品に対して粉体調味料をより一層均等に付着させることができる。
【0070】
また、この静電方式においても、調味料の種類を違えた調味料供給装置36を複数組設け、それらを選択的に動作させて、専用の静電ガンから選択的に種類の違う調味料を噴出させるようにすれば、味の切替が瞬時にできる。
【0071】
また、上記実施例では、物品センサ17a,17bで未完成品の通過を検出するようにしたが、タイミングホッパ220の開閉信号を用いて未完成品の通過信号に代えるようにすることもできる。これにより、前記物品センサを省くことができる。
【0072】
【発明の効果】
この発明によると、所定重量の1袋分に小分けした後に味付けを行うので、小分けするための計量装置には、調味料が付着しないし、味の切り替えに伴う計量装置等の清掃も不要となる。したがって、清掃のための運転休止がなくなり、生産性を飛躍的に向上することができる。
【0073】
また一袋分に小分けされたものを味付けるので、1袋分の内容量に応じた調味料が付与でき、味の品質を均質にすることができる。
【0074】
さらに、計量装置等の清掃を無くすことができるので、清掃に耐え得る着脱容易な構造にする必要がなく、安価な装置を提供することができる。
【0075】
また、味の違う種々の商品を生産計画通りに製造することができ、しかも味の切り替えも短時間に、場合によっては、それを全自動的に行うこともできるので、生産性の高い味付けシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る味付けシステムの概略構成図である。
【図2】 味付け装置の概略構成図である。
【図3】 混合装置の概略斜視図である。
【図4】 (a)は混合装置の平面図、(b)はドラム自体の回転機構を示す部分側面図である。
【図5】 未完成品と調味料との混合方法を示す概略側面図である。
【図6】 メモリの記憶内容を示す図表である。
【図7】 味付け装置の他の実施形態の一例を示す概略構成図である。
【図8】 図7のF−F線に沿う要部拡大断面図である。
【図9】 調味料供給装置を説明するための一部破断要部拡大図である。
【図10】制御システム図である。
【符号の説明】
100 搬送装置
200 計量装置
300 味付け装置
400 包装装置
500 振分装置
600 箱詰装置
700 操作制御装置
Claims (14)
- 未完成品に調味料を付着させて完成品とする味付けシステムであって、該システムが、未完成品を受け取ってこれを所定重量の1袋分に小分けする装置と、1袋分に小分けされた未完成品に調味料を付与する味付け装置と、味付けられた製品を包装する包装装置とを有し、前記小分けする装置が、複数の計量ホッパに未完成品を分散し、それぞれのホッパで計量された未完成品の重量に基づいて所定重量の1袋分となる組合せを求め、求めた組合せにかかる未完成品を収集して前記所定重量の1袋分に小分けされた未完成品とする組合せ計量装置からなることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付けシステムが、未完成品を所定重量の1袋分に小分けする装置と味付け装置と包装装置とを連動させる操作制御装置を有することを特徴とする味付けシステム。
- 請求項2の前記味付けシステムにおいて、未完成品を所定重量の1袋分に小分けする装置が、所定重量の1袋分になっていない未完成品を排出した場合は、前記操作制御装置が、前記味付け装置に対し、所定重量の1袋分になっていない未完成品に対する味付けを中止させることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付け装置が、所定重量の1袋分にされた未完成品に対して設定比率の調味料を供給する調味料供給装置を有することを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付け装置が、調味料の排出を監視するセンサを備え、該センサが調味料の排出異常を検出すると、前記包装装置の下流側装置が、その排出異常のあった製品を排除することを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付けシステムにおいて、調味料の種類が違う複数の味付け装置が備えられ、それらが取替え可能に装着されることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付け装置が、種類の違う調味料を未完成品に対し選択的に付与する調味料供給装置を有することを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付け装置が、粒状或いは粉状の調味料を帯電させる装置と、帯電した調味料を未完成品に対し噴射する噴射装置を備えることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付け装置が、調味料と所定重量の1袋分に小分けされた未完成品とを攪拌する混合装置を備えることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記包装装置が、長尺のフイルムをチューブ状に成形しながら該チューブ状の袋内に製品を充填し、充填された袋の口と次の袋の底とを同時にシールして、上下の袋のつなぎ目を切断する縦型ピロー包装機からなることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項1の前記味付けシステムが複数ライン設けられ、各ラインには、分配装置を介して同一の未完成品が供給されるとともに、ライン毎に調味料の種類が特定されていることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項9の前記混合装置が、複数のドラムからなり、1個のドラムに所定重量の1袋分に小分けされた未完成品と調味料とが供給されて混合されることを特徴とする味付けシステム。
- 請求項12の前記ドラムが、受取位置及び排出位置で開口し、これらの位置以外の位置では開口しない開口部を有することを特徴とする味付けシステム。
- 請求項12の前記ドラムが、回転ドラムであることを特徴とする味付けシステム。
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