JP3764654B2 - サーモスタットの構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの清水冷却装置等に適用され、エンジン、ガスタービン等の熱機関からの冷却水、潤滑油等の液体出口管路からの液体の温度により作動して、液体温度により前記液体を冷却器側に送りあるいはバイパス管路を通して前記熱機関に還流させるサーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、エンジンにおける清水冷却装置の1例を示す系統図であり、図において101はエンジン、100はサーモスタット、103は清水ポンプ、102は清水冷却器である。図において、前記エンジンにて昇温された冷却水はサーモスタット100に入り、該サーモスタット100においては前記冷却水の温度が設定温度を超えるときは該冷却水を清水冷却器102に接続される冷却水管104側に送り該冷却水の温度が設定温度以下のときは該冷却水をバイパス管105側に送る。
前記清水冷却器102にて冷却された冷却水及びバイパス管105を流過した冷却水は、冷却水管108にて合流されて清水ポンプ103に吸引され該清水ポンプ103により冷却水入口管107を経てエンジン101に還流せしめられる。
【0003】
図6はかかるサーモスタット100が取り付けられるエンジン101の前端部101aにおける機器類の配置態様を示しており、図のようにエンジンの前端部101aには前記サーモスタット100及びこれに冷却水管108を介して接続される清水ポンプ103の他、潤滑油ポンプ、エンジンダンパ等の補機類109が取り付けられている。
【0004】
図7〜図9は前記サーモスタット100の従来の一例を示す。図において01は鋳造製のケースで、図6に示されるようにエンジンの前端部101aにボルトにより固定される。該ケース01内にはエンジン101からの冷却水が冷却水出口管106を経て導入される入口通路06(06aは導入口)及び冷却側通路05及びバイパス通路04が隔壁08a及び隔壁08bを隔てて夫々形成されている。
2はエレメント(ペレット)で、冷却水温度により長手方向に伸縮する感温部2d、前記隔壁08aの嵌合穴07及び隔壁08bの嵌合穴07a内に感温部2dの伸縮により摺動可能に嵌合され冷却水の通路穴2aを備えた円筒部2b、並びに、前記隔壁08aに固定され内側に冷却水通路が形成された肩部2cより構成される。
【0005】
前記入口通路06は及びバイパス通路04及び冷却側通路05は、前記エレメント2の軸心に直角な平面における断面形状が、図8及び図9に夫々示すように(入口通路06の断面形状の図示は省略)矩形状に形成されており、前記エレメント2はこれら3つの通路に跨って行列状に複数個(この例では6個)配置されている。図8において04aはバイパス通路04の出口で前記バイパス管105に接続され、図9において05aは冷却側通路05の出口で前記冷却水管104に接続されている。
【0006】
かかる従来のサーモスタット100において、エンジン101からの高温の冷却水は冷却水出口管106を経て入口通路06に導入される。前記エレメント2は該入口通路06内の冷却水温度により感温部2dが伸縮し、該冷却水温度が一定温度(設定温度)以下の場合には図7における左側2個のエレメント2のように該感温部2dが収縮して、円筒部2bの外周により入口通路06と冷却側通路05との間の嵌合穴07が閉じられて該入口通路06とバイパス通路04とがエレメント2内の通路穴2aを介して連通される。
これにより、入口通路06内の冷却水は前記通路穴2aを通ってバイパス通路04に入り、行列状に配置された前記エレメント2の周りを流れてから、該バイパス通路04の出口04aよりバイパス管105に入り、該バイパス管105を経て前記清水ポンプ103に吸入され、該清水ポンプ103によってエンジン101へと還流される。
【0007】
冷却水温度が前記一定温度を超える場合には図7における右側1個のエレメント2のように該感温部2dが伸長して、円筒部2bの先端面がケース01の内面01aに当接することにより前記通路穴2aが閉じられるとともに、前記円筒部2bの上動により前記嵌合穴07が開かれて入口通路06と冷却側通路05とが連通される。
これにより、入口通路06内の冷却水は前記嵌合穴07を通って冷却側通路05に入り、前期のように行列状に配置された前記エレメント2の周りを流れ、該冷却側通路05の出口05aから冷却水管104を経て前記清水冷却器102に入る。該清水冷却器102にて冷却媒体(この場合は海水)によって冷却された冷却水は冷却水管108にて前記バイパス管105を経た冷却水と合流されて清水ポンプ103に吸入され、該清水ポンプ103によってエンジン101へと還流される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来のサーモスタットにあっては次のような問題点を有している。
即ち、かかる従来技術にあっては、図8〜9に示すように、平面形状が矩形状に形成されたケース01内に複数個のエレメント2が行列状に配置された構造となっているため、各エレメント2を通った後の冷却水の流れが干渉し易くこれを防止するため前記冷却側通路05及びバイパス通路04内における各エレメント2の周りのスペースをある程度大きく採ることを要し、また各エレメント2を通った後の冷却水を出口04あるいは05に導くための流路が長くなる。
【0009】
このため、かかる従来技術にあってはサーモスタット100の外形が大きくなって重量が増大しコスト高となるとともにサーモスタット100周りのスペースが小さくなり、図5に示すように、エンジン前端部のサーモスタット100周りには多くの補機類109があることからサーモスタット100及び周りの補機類109の作業性が悪化する。
また、かかる従来技術にあっては前記入口通路06から各エレメント2への冷却水の流入が均一とならず、各エレメント2の作動にばらつきを生じ、サーモスタット100の性能低下をもたらす。
さらには、前記のようにケース01内の冷却水流路が、複数個のエレメント2が行列状に配置されている矩形状の流路であるため、入口通路06からバイパス通路04及び冷却側通路05を通しての冷却水流路における冷却水の流れが滑らかとならず、冷却水の圧力損失が大きくなる。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、入口通路から各エレメントへの液体の流入を均一化するとともにケース内部における液体流路を液体流れの干渉が回避された滑らかな流路に構成することにより、サーモスタットを小型コンパクト化するとともに、各エレメントの作動のばらつきを回避してサーモスタットの性能を向上し、さらにはサーモスタット内における液体の圧力損失を低減したサーモスタットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、エンジン、ガスタービン等の熱機関からの冷却水、潤滑油等の液体出口管路に接続されて該液体の温度により作動し、液体温度が設定温度を超えるときは前記液体を冷却器側に送り該液体温度が設定温度以下のときは前記液体をバイパス管路を通して前記熱機関に還流させるサーモスタットにおいて、前記液体出口管路に接続されて前記熱機関出口の液体が導入される入口通路と、前記冷却器側の液体管路に接続される冷却側通路と、前記バイパス管路に接続されるバイパス通路と、前記液体の温度により前記入口通路と冷却側通路またはバイパス通路とを連通あるいは遮断するエレメントとを備え、前記エレメントは前記入口通路側に臨んで環状に複数個配設され、前記液体が前記入口通路から前記複数個のエレメントを並流して前記冷却側通路またはバイパス通路に流出するように構成されてなることを特徴とするサーモスタットの構造を提案する。
【0012】
請求項2ないし3記載の発明は前記サーモスタットの具体的構成に係り、請求項2の発明は請求項1において、前記複数個のエレメントは、その中心を前記入口通路の中心軸に対して円形状に配置してなり、該入口通路の周壁面は前記複数個のエレメントの外周縁に沿った円形状に形成されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は請求項1において、前記入口通路と前記冷却側通路及びバイパス通路とは前記複数個のエレメントが収納されるケース内に隔壁を隔てて形成されるとともに、前記冷却側通路が前記ケースの中央部側に前記バイパス通路が該冷却側通路の外側に略同心に夫々形成され、前記隔壁には前記複数個のエレメントの夫々に連通される複数のエレメント穴が開設され、前記入口通路内の液体が前記複数のエレメント穴及びエレメントを経て前記ケース中央部側の前記冷却側通路あるいはケース外周側の前記バイパス通路に流動するように構成されてなることを特徴とする。
【0014】
かかる発明によれば、冷却水等の液体の温度により該液体の入口通路と冷却器側の液体管路に接続される冷却側通路またはバイパス管路に接続されるバイパス通路とを連通あるいは遮断するエレメントを前記入口通路側に臨んで円環状に複数個配設し、また請求項2のように、前記複数個のエレメントをその配置中心軸が前記入口通路の中心軸に対して円形状に配置するとともに該入口通路の周壁面を前記複数個のエレメントの外周縁に沿った円形状に形成したので、前記入口通路から円環状に複数個配設された各エレメントに流入する冷却水の流量が均一となり、該冷却水は前記入口通路から前記複数個のエレメントを均一に並流して前記冷却側通路またはバイパス通路に流出することとなる。これにより、各エレメントの作動がばらつきを生じることなく均一になされ、サーモスタットの性能を安定して発揮できる。
【0015】
さらに前記構成に加えて、請求項3記載の発明のように構成すれば、前記入口通路と前記冷却側通路及びバイパス通路とを前記複数個のエレメントが収納されるケース内に隔壁を隔てて形成するとともに、前記冷却側通路を前記ケースの中央部側に前記バイパス通路を該冷却側通路の外側に同心に夫々形成し、前記隔壁には前記複数個のエレメントの夫々に連通される複数のエレメント穴を開設して、前記入口通路内の液体が前記複数のエレメント穴及び各エレメントを経て中央部側の冷却側通路あるいは外周側のバイパス通路に流動するように構成したので、前記入口通路からバイパス通路及び冷却側通路を通しての冷却水流路における冷却水の流れが滑らかとなって、冷却水の圧力損失が低減される。
【0016】
また、前記各エレメントを通った後の冷却水の流れが干渉することなく滑らかにサーモスタットの出口側に流動するので、従来技術のように流れの干渉を防止するため冷却側通路及びバイパス通路内における各エレメントの周りのスペースを大きく採ることが不要となり、また各エレメントを通った後の冷却水を出口側に導くための流路が短縮される。
これにより、サーモスタットを小形コンパクトかつ軽量化することができ、該サーモスタットが低コスト化される。また前記サーモスタットの小形コンパクト化によって該サーモスタット周りのスペースが拡大され、エンジン前端部におけるサーモスタット及び周りの補機類の作業性を向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は本発明の実施例に係るエンジン冷却水用サーモスタットの冷却水入口中心に沿う断面図、図2は図1のA―A線断面図、図3は図1のB―B線断面図である。図4は本発明が適用されるエンジンの冷却水系統図、図5はエンジン前端部におけるサーモスタット取付部近傍の模式図である。
【0019】
本発明が適用されるエンジンの冷却水系統を示す図4において、101はエンジン、100はサーモスタット、103は清水ポンプ、102は清水冷却器である。図において、前記エンジン101にて昇温された冷却水はサーモスタット100に入り、該サーモスタット100においては前記冷却水の温度が設定温度を超えるときは該冷却水を清水冷却器102に接続される冷却水管104側に送り該冷却水の温度が設定温度以下のときは該冷却水をバイパス管105側に送る。前記清水冷却器102にて冷却された冷却水及びバイパス管105を流過した冷却水は、冷却水管108にて合流されて清水ポンプ103に吸引され該清水ポンプ103により冷却水入口管107を経てエンジン101に還流せしめられる。
【0020】
図5はかかるサーモスタット100が取り付けられるエンジン101の前端部101aにおける機器類の配置態様を示しており、図のようにエンジンの前端部101aには前記サーモスタット100及びこれに冷却水管108を介して接続される清水ポンプ103の他、潤滑油ポンプ、エンジンダンパ等の補機類109が取り付けられている。
以上のエンジンの冷却水系統及びサーモスタットの取付部近傍の構成は従来技術と同様である。
【0021】
本発明においては前記サーモスタットの構造を改良している。
本発明の実施例を示す図1〜図3において、図において1は鋳造製のケースで、図5に示されるようにエンジンの前端部101aにボルトにより固定される。該ケース1内にはエンジン101からの冷却水が冷却水出口管106を経て導入される入口通路6及び冷却側通路5及びバイパス通路4が夫々形成されている。
【0022】
前記入口通路6と前記冷却側通路5及びバイパス通路4とは前記ケース1内に隔壁8を隔てて形成される。図2〜3のように、前記入口通路6は後述するエレメント2の軸心に直角な平面における形状においてその周壁面6aが円形状に形成されている。
また前記冷却側通路5は、図2のように前記入口通路6の中心軸100aと同心の円形状に形成され、該冷却側通路5の出口部5aは前記ケース1の中央部側に末広状に形成されて前記冷却水管104に接続される。
さらに前記バイパス通路4は、図3のように前記入口通路6の中心軸100aと同心の円形状にかつ前記冷却側通路5の出口部5aの外側に形成され、これに出口部4aが外側方向に連設されている。該出口部4aは前記バイパス管105に接続されている。
【0023】
2はエレメント(ペレット)で、前記入口通路6の中心軸100aと同心の円環状に複数個(この実施例では8個)円周方向に等間隔に(不等間隔であっても軸対称であればよい)配設され、前記隔壁8および前記冷却側通路5の外壁に穿孔されたエレメント穴7に摺動可能に嵌合されている。従って、前記入口通路6の周壁面6a、冷却側通路5の周壁面5b、及びバイパス通路4の周壁面4bは複数個のエレメント2の外周縁に沿った円形状に形成されることとなる。
【0024】
前記エレメント(ペレット)2は、図7〜9に示す従来のものと同様であり、冷却水温度により長手方向に伸縮する感温部2d、前記隔壁8に穿孔されたエレメント穴7内に感温部2dの伸縮により摺動可能に嵌合され中心部に冷却水の通路穴2aを備えた円筒部2b、並びに、前記隔壁8に固定され内側に冷却水通路が形成された肩部2cより構成される。
【0025】
尚、前記入口通路6、冷却側通路5、バイパス通路4の周壁面、及び複数個のエレメント2の配置は、前記のような円形状、円環状に限らず、長円形状、多角形状等、軸対称な周壁面形状または軸対称なエレメント2の配置であればよい。
【0026】
かかる構成からなるサーモスタット100において、エンジン101からの高温の冷却水は冷却水出口管106を経てサーモスタット100の入口通路6に導入される。前記エレメント2は該入口通路6内の冷却水温度により感温部2dが伸縮し、該冷却水温度が一定温度(設定温度)以下の場合には図1における下側のエレメント2のように該感温部2dが収縮して、円筒部2bの外周により入口通路6と冷却側通路5との間のエレメント穴7が閉じられて該入口通路6とバイパス通路4とがエレメント2内の通路穴2aを介して連通される。
これにより、入口通路6内の冷却水は、図1の破線矢印に示すように、前記通路穴2aを通ってバイパス通路4に入り、円環状に配置された前記エレメント2の周りを流れてから、該バイパス通路4の出口部4aよりバイパス管105に入り、該バイパス管105を経て前記清水ポンプ103に吸入され、該清水ポンプ103によってエンジン101へと還流される。
【0027】
冷却水温度が前記一定温度を超える場合には図1における上側のエレメント2のように該感温部2dが伸長して、円筒部2bの先端面がケース01の内面1aに当接することにより前記通路穴2aが閉じられるとともに、前記円筒部2bの左動により前記入口通路6と冷却側通路5とが連通される。
これにより、入口通路6内の冷却水は、図1の実線矢印に示すように、前記冷却側通路5に入り、前記のように円環状に配置された前記エレメント2の周りを流れ、該冷却側通路5の出口部5aから冷却水管104を経て前記清水冷却器102に入る。該清水冷却器102にて冷却媒体(この場合は海水)によって冷却された冷却水は冷却水管108にて前記バイパス管105を経た冷却水と合流されて清水ポンプ103に吸入され、該清水ポンプ103によって冷却水入口管107を経てエンジン101へと還流される。
【0028】
かかる実施例においては、冷却水の温度により冷却水の入口通路6と清水冷却器102側の冷却水管路104に接続される冷却側通路5またはバイパス管路105に接続されるバイパス通路4とを連通あるいは遮断するエレメント2を前記入口通路6側に臨んで円環状に複数個配設し、また前記複数個のエレメント2をその配置中心軸が前記入口通路6の中心軸100aに対して円形状に配置するとともに該入口通路6の周壁面6aを前記複数個のエレメント2の外周縁に沿った円形状に形成したので、前記入口通路6から円環状に複数個配設された各エレメント2に流入する冷却水の流量が均一となり、該冷却水は前記入口通路6から前記複数個のエレメント2を均一に並流して前記冷却側通路5またはバイパス通路4に流出することとなる。これにより、各エレメント2の作動がばらつきを生じることなく均一になされ、サーモスタット100の性能を安定して発揮できる。
【0029】
さらに前記構成に加えて、前記入口通路6と前記冷却側通路5及びバイパス通路4とを前記複数個のエレメント2が収納されるケース1内に隔壁8を隔てて形成するとともに、前記冷却側通路5を前記ケース1の中央部側に前記バイパス通路4を該冷却側通路5の外側に同心に夫々形成し、前記隔壁8には前記複数個のエレメント2の夫々に連通される複数のエレメント穴7を開設して、前記入口通路6内の液体が前記複数のエレメント穴7及び各エレメント2を経て前記ケース1中央部側の前記冷却側通路5あるいはケース1外周側の前記バイパス通路4に流動するように構成したので、前記入口通路6からバイパス通路4及び冷却側通路5を通しての冷却水流路における冷却水の流れが滑らかとなって、冷却水の圧力損失が低減される。
【0030】
また、前記各エレメント2を通った後の冷却水の流れが干渉することなく滑らかにサーモスタット100の出口側に流動するので、従来技術のように流れの干渉を防止するため冷却側通路5及びバイパス通路4内における各エレメント2の周りのスペースを大きく採ることが不要となり、また各エレメント2を通った後の冷却水を出口側に導くための流路が短縮される。
これにより、サーモスタット100を小形コンパクトかつ軽量化することができ、サーモスタット100が低コスト化される。また前記サーモスタット100の小形コンパクト化によって該サーモスタット100周りのスペースが拡大され、図5に示すように、エンジン前端部101aにおけるサーモスタット100及び周りの補機類109の作業性を向上できる。
【0031】
尚、本発明は、この実施例におけるエンジン冷却水用サーモスタットの他、エンジン潤滑油用サーモスタット、ガスタービン冷却水用サーモスタット、ガスタービン潤滑油用サーモスタット等、熱機関に使用される液体の温度調節用サーモスタットに広く適用できる。
【0032】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、液体の温度により冷却側通路またはバイパス通路とを連通あるいは遮断するエレメントを前記入口通路側に臨んで円環状に複数個配設し、特に請求項2のように、前記複数個のエレメントの配置中心軸が前記入口通路の中心軸に対して円形状なるように配置するとともに該入口通路の周壁面を前記複数個のエレメントの外周縁に沿った円形状に形成したので、前記入口通路から各エレメントに流入する冷却水の流量が均一となり、該冷却水が複数個のエレメントを均一に並流して冷却側通路またはバイパス通路に流出することとなり、これにより、各エレメントの作動がばらつきを生じることなく均一になされ、サーモスタットの性能を安定して発揮できる。
【0033】
さらに前記構成に加えて、請求項3のように構成すれば、入口通路と冷却側通路及びバイパス通路とをケース内に隔壁を隔てて形成するとともに、冷却側通路を中央部側にバイパス通路を該冷却側通路の外側に同心に夫々形成し、前記隔壁には各エレメントの夫々に連通される複数のエレメント穴を開設して、前記入口通路内の液体が前記複数のエレメント穴及び各エレメントを経て中央部側の冷却側通路あるいは外周側のバイパス通路に流動するように構成したので、入口通路からバイパス通路及び冷却側通路を通しての冷却水流路における冷却水の流れが滑らかとなって、冷却水の圧力損失が低減される。
【0034】
また、前記各エレメントを通った後の冷却水の流れが干渉することなく滑らかにサーモスタットの出口側に流動するので、各エレメントを通った後の冷却水を出口側に導くための流路が短縮される。
これにより、サーモスタットを小形コンパクトかつ軽量化することができ、該サーモスタットが低コスト化される。また前記サーモスタットの小形コンパクト化によって該サーモスタット周りのスペースが拡大され、エンジン前端部におけるサーモスタット及び周りの補機類の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るエンジン冷却水用サーモスタットの冷却水入中心に沿う断面図である。
【図2】 図1のA―A線断面図である。
【図3】 図1のB―B線断面図である。
【図4】 本発明が適用されるエンジンの冷却水系統図である。
【図5】 エンジン前端部におけるサーモスタット取付部近傍の模式図である。
【図6】 従来技術を示す図5対応図である。
【図7】 従来技術を示す図1対応図である。
【図8】 図7のC―C線断面図である。
【図9】 図7のD―D線断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 エレメント
2a 通路穴
2b 円筒部
2d 感温部
4 バイパス通路
4b、5b、6a 周壁面
5 冷却側通路
5a 出口部
6 入口通路
7 エレメント穴
8 隔壁
100 サーモスタット
100a 中心軸
101 エンジン
101a 前端部
102 清水冷却器
103 清水ポンプ
104、108 冷却水管
105 バイパス管
106 冷却水出口管
107 冷却水入口管
109 補機類
Claims (3)
- エンジン、ガスタービン等の熱機関からの冷却水、潤滑油等の液体出口管路に接続されて該液体の温度により作動し、液体温度が設定温度を超えるときは前記液体を冷却器側に送り該液体温度が設定温度以下のときは前記液体をバイパス管路を通して前記熱機関に還流させるサーモスタットにおいて、前記液体出口管路に接続されて前記熱機関出口の液体が導入される入口通路と、前記冷却器側の液体管路に接続される冷却側通路と、前記バイパス管路に接続されるバイパス通路と、前記液体の温度により前記入口通路と冷却側通路またはバイパス通路とを連通あるいは遮断するエレメントとを備え、前記エレメントは前記入口通路側に臨んで環状に複数個配設され、前記液体が前記入口通路から前記複数個のエレメントを並流して前記冷却側通路またはバイパス通路に流出するように構成されてなることを特徴とするサーモスタットの構造。
- 前記複数個のエレメントは、その中心を前記入口通路の中心軸に対して円形状に配置してなり、該入口通路の周壁面は前記複数個のエレメントの外周縁に沿った円形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のサーモスタットの構造。
- 前記入口通路と前記冷却側通路及びバイパス通路とは前記複数個のエレメントが収納されるケース内に隔壁を隔てて形成されるとともに、前記冷却側通路が前記ケースの中央部側に前記バイパス通路が該冷却側通路の外側に略同心に夫々形成され、前記隔壁には前記複数個のエレメントの夫々に連通される複数のエレメント穴が開設され、前記入口通路内の液体が前記複数のエレメント穴及びエレメントを経て前記ケース中央部側の前記冷却側通路あるいはケース外周側の前記バイパス通路に流動するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のサーモスタットの構造。
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