JP3764396B2 - テンションマスク用鋼板およびその製造方法、テンションマスク、陰極線管、ならびにテンションマスク用鋼板の磁気特性を向上させる方法 - Google Patents

テンションマスク用鋼板およびその製造方法、テンションマスク、陰極線管、ならびにテンションマスク用鋼板の磁気特性を向上させる方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、カラーテレビ、カラーディスプレイ等の陰極線管の架張式の色選別電極に使用されるテンションマスク用鋼板およびその製造方法、テンションマスク、陰極線管、ならびにテンションマスク用鋼板の磁気特性を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビ、カラーディスプレイ等の陰極線管には色選別機構としてアパーチャグリル等の架張式の色選別電極(以下、テンションマスクと称する。)が使用されている。このテンションマスクは、例えば、低炭素、極低炭素アルミキルド鋼を熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍、二次冷間圧延し、必要に応じて残留応力を除去するために焼鈍を行った後、フォトエッチング法により穿孔し、フレームに例えば200〜400N/mmの張力で一方向あるいは二方向に架張し、黒化処理を施して製造される。この黒化処理はテンションマスクを例えば450〜500℃に加熱し、表面にマグネタイトの酸化膜を形成する処理であり、錆の防止や熱輻射の低減等の目的をもっている。この熱処理時にテンションマスクがクリープして張力が低下すると、マスクの孔位置がずれたり、スピーカー音によって共振しやすくなったり、電子ビームが蛍光面の所定の位置に着弾せずに「色ズレ」が生じたりする場合がある。
【0003】
耐高温クリープ性向上を目的とした従来技術として、特開昭62−249339号公報、特開平5−311327号公報、特開平5−311330号公報、特開平5−311331号公報、特開平5−311332号公報、特開平6−73503号公報、特開平8−27541号公報、特開平9−296255号公報、特開平11−222628号公報には、鋼板成分としてMn,Cr,Mo等の元素を添加する、または/および、多量のNを鋼中に固溶させることで転位の上昇運動を抑制する、という技術が開示されている。
【0004】
また、近年、テレビやコンピュータディスプレイの大型化、高精細化、フラット化にともなって、上述したテンションマスクのクリープによる「色ズレ」の他に、地磁気等の外部磁界の影響による電子ビームの軌道のズレも「色ズレ」の原因として改善が望まれている。
【0005】
電子ビームの軌道のズレによる「色ズレ」対策すなわち磁気シールド性向上を目的として、特開昭63−145744号公報、特開平8−269569号公報、特開平9−256061号公報では、鋼板にSiを添加する技術が開示され、特開平10−219396号公報では鋼板にCuを添加する技術が開示され、特開平10−219401号公報では鋼板にNiを添加する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−249339号公報、特開平5−311327号公報、特開平5−311330号公報、特開平5−311331号公報、特開平5−311332号公報、特開平6−73503号公報、特開平8−27541号公報、特開平9−296255号公報、特開平11−222628号公報に記載の技術では、磁気シールド性の向上について配慮されていない。
【0007】
また、特開昭63−145744号公報、特開平8−269569号公報、特開平9−256061号公報、特開平10−219396号公報に記載の技術では、磁気特性は向上するものの、SiあるいはCuを含有させるため鋼板の熱間圧延や再結晶焼鈍時に表面欠陥が発生しやすく、厳しい表面性状を要求されるテンションマスク用鋼板には適用できない。
【0008】
さらに、特開平10−219401号公報に記載された技術ではNiの添加によりコストが増加し、かつエッチング性が劣化するため好ましくない。
【0009】
以上のように、従来技術では表面性状やエッチング性等の他の特性を満足しつつ、優れた磁気シールド性を有するものはなく、特に優れた磁気シールド性および優れた耐高温クリープ性を兼備したものは得られていない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、表面性状やエッチング性等を劣化させることなく、優れた耐高温クリープ性と優れた磁気シールド性とを兼備したテンションマスク用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、色ズレを改善したテンションマスクおよびそれを用いた陰極線管を提供することを目的とする。さらにまた、テンションマスク用鋼板の磁気特性を高める方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般的に磁気シールド性はその材料の透磁率で評価される。透磁率はMn,Mo,Cr,N等の元素を低減することで向上されるが、耐高温クリープ性が劣化することになる。つまり透磁率向上と耐高温クリープ性向上とは相反する傾向にある。そこで、本発明者らは陰極線管の磁気シールド性に現実に寄与している因子について再検討した。
【0012】
TV,ディスプレイは電源投入時等に消磁コイルに電流を流し、陰極線管内の材料を消磁する機構を有している。ところが、この消磁は外部磁界中、例えば地磁気中で行われるため、テンションマスクは完全に消磁された状態とはならず、内部に残留磁化を生じた状態となる。この残留磁化を外部磁界で除した値が非履歴透磁率と呼ばれている。テンションマスクの非履歴透磁率が高いほど、外部磁場、例えば地磁気の磁束をテンションマスク内に通しやすく、電子銃とテンションマスクとの間の磁気シールド性は良好となる。
【0013】
そこで、本発明者らはテンションマスクとして好適な鋼板について、鋼板の色ズレ発生との関係を中心に検討した結果、「重量%で、C:0.1%未満、Si:0.05%以下、Mn:0.4〜2%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.010%以上、残部が実質的にFeからなる鋼を熱間圧延し、引き続いて冷間圧延、焼鈍し、次いで、得られた鋼板に圧延率35%以上の二次冷間圧延を施すことを特徴とする耐高温クリープ性と磁気シールド性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法、および、この方法により製造された、直流バイアス磁界27.9A/m(0.35Oe)における非履歴透磁率が3400以上である耐高温クリープ性と磁気シールド性に優れたテンションマスク用鋼板」を要旨とする発明をなし、先に出願した(特願平11−360697号)。
【0014】
本発明者らは、この発明にさらに検討を加えた結果、
▲1▼ 最終冷間圧延後の鋼板を再結晶温度以下で焼鈍すると、黒化処理後の状態での直流バイアス磁界27.9A/m(0.35Oe)における非履歴透磁率が向上すること
▲2▼ ▲1▼の知見に加え、黒化処理後の状態での、直流バイアス磁界27.9A/m(0.35Oe)における非履歴透磁率をさらに向上させるためには、N含有量を0.01%未満とすることが好ましいこと
▲3▼ N含有量を0.01%未満とするとN量が0.01%以上の場合に比べて耐高温クリープ性が劣化する傾向にあるものの、N量を0.006%以上とし、かつ、Mn量を0.6%超とすれば磁気シールド性を劣化させることなく良好な耐高温クリープ性が得られること
▲4▼ ▲3▼に記載の成分系において、再結晶温度以下の温度域にて焼鈍すれば、良好な耐高温クリープ性を確保することができ、同時に優れた磁気シールド性が得られること
を見出した。
【0022】
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(9)を提供する。
) 重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、非履歴透磁率が5000以上である地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
【0023】
) ()において、非履歴透磁率が5200以上であることを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
【0024】
) ()において、非履歴透磁率が6000以上であることを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
【0025】
) 重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を得る工程と、前記鋼片に熱間圧延を施す工程と、熱間圧延後の鋼板に対し中間焼鈍を経ずにもしくは中間焼鈍をはさんで、1回あるいは2回以上の冷間圧延を施して所定の板厚の鋼板にする工程と、その後、再結晶温度以下の温度域にて焼鈍して非履歴透磁率を上昇させる工程とを具備することを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
【0026】
) ()において、前記焼鈍工程は、再結晶温度以下510℃以上の温度域にて行うことを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
【0027】
) ()において、前記焼鈍工程は、再結晶温度以下560℃以上の温度域にて行うことを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
【0029】
) (1)から(3)のいずれかに記載の鋼板で構成されていることを特徴とするテンションマスク。
【0030】
) ()に記載のテンションマスクを具備することを特徴とする陰極線管。
【0031】
重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる冷間圧延鋼板を準備する工程と、この冷間圧延鋼板に対して再結晶温度以下の温度域にて焼鈍することにより非履歴透磁率を上昇させる工程とを有することを特徴とするテンションマスク用鋼板の磁気特性を向上させる方法。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施形態に係るテンションマスク用鋼板は、重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.4〜2%、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.003〜0.02%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、非履歴透磁率が5000以上である。これにより表面性状やエッチング性等の他の特性を劣化させることなく、優れた磁気シールド性を有するテンションマスク用鋼板が実現される。
【0033】
以下、このように規定した理由について説明する。
C:Cは、耐高温クリープ性を向上させる元素であるが、0.1%以上添加すると粗大なセメンタイトが析出し、エッチング性を劣化させるため0.1%未満とする。好ましくは0.06%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。
【0034】
Si:Siは、非金属介在物を形成してエッチング性を劣化させるため0.2%未満とした。好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。
【0035】
Mn:Mnは、後述のNとともに耐高温クリープ性を向上させる元素である。その効果は0.4%以上で有効に発揮され、2%を超えて添加しても効果が飽和してコスト増加を招き、また、過度のMn添加は中央偏析を招いてエッチング不良の原因となるおそれがある。したがって、Mn量は0.4〜2%とする。好ましくは0.4〜1.4%である。
【0036】
P:Pは、強度に寄与するが偏析に起因するエッチングむらを発生しやすい元素であるため、0.1%以下とする。エッチングむらを一層抑制する観点からは0.03%以下が好ましい。さらに好ましくは0.02%以下である。
【0037】
S:Sは、不可避的に鋼中に含有される元素であり、0.03%を超えて含有された場合には熱間脆性の原因となるとともに、Sの偏析に起因するエッチングむらが発生することから、0.03%以下が好ましい。さらに好ましくは0.02%以下である。
【0038】
N:Nは、0.02%を超えて含有すると磁気特性が極度に劣化する。一方、Nは、固溶Nとして鋼中に存在させることにより耐高温クリープ性を向上させる元素であるが、0.003%未満ではそのような効果が有効に発揮されない。このため、N含有量を0.003〜0.02%とする。N量を0.01%未満にすると磁気特性がより優れたものとなるため、好ましくは0.003%以上0.01%未満である。
【0039】
sol.Al:sol.Alは、固溶NをAlNとして固定するため、sol.Alが多いと耐高温クリープ性に効果を発揮する固溶Nが減少する。したがって、sol.Alは少ない方がよく、0.01%以下とした。
【0040】
その他、耐高温クリープ性を改善する元素として知られているCr,Mo,W等を必要に応じて添加してもよい。その場合には、エッチング性および磁気特性の観点から、含有量の合計を1%以下とすることが好ましい。
【0041】
非履歴透磁率を5000以上としたのは、この範囲において良好な磁気シールド性が得られるからである。より良好な磁気シールド性を得る観点からは5200以上が好ましく、6000以上が一層好ましい。非履歴透磁率は、後述するように、冷間圧延後に再結晶温度以下の温度で焼鈍することにより、5000以上とすることができ、これに加えて鋼の不純物レベルを低下させることにより6000以上とすることが可能となる。
【0042】
本発明の第2の実施形態に係るテンションマスク用鋼板は、重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、非履歴透磁率が5000以上である。これにより、優れた磁気シールド性と優れた耐高温クリープ性とを兼備したテンションマスク用鋼板が実現される。
【0043】
以下、このように規定した理由について説明する。
Si:Siは、第1の実施形態と同様に、エッチング性を劣化させるため0.2%未満とした。好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。
【0044】
N:Nは、上述したようにその含有量を0.01%未満にすることにより優れた磁気特性が得られる。また、上述したように、Nは、固溶Nとして鋼中に存在させることにより耐高温クリープ性を向上させる元素であり、0.006%以上とすることにより特に優れた耐高温クリープ性を得ることができる。そして、N量を0.006%以上0.01%未満として後述するMn量を0.6%超2%以下とすることにより、優れた磁気シールド性と優れた耐高温クリープ性とを両立することができる。したがって、本実施形態ではN量を0.006%以上0.01%未満とした。耐高温クリープ性と磁気特性とのバランスの観点から、0.0070%以上0.0100%未満とすることがより好ましく、0.0080%以上0.0100%未満がさらに一層好ましい。
【0045】
Mn:Mnは、前述のNとともに耐高温クリープ性を向上させる元素である。前述のようにN量を0.006%以上0.01%未満とした場合、Mn量を0.6%超とすることにより、優れた耐高温クリープ性と優れた磁気シールド性とを両立することができる。一方、2%を超えて添加しても効果が飽和してコスト増加を招き、また、過度のMn添加は中央偏析を招いてエッチング不良の原因となるおそれがある。したがって、Mn量を0.6%超2%以下とした。より好ましくは0.6%超1.4%以下である。Mnを0.7%以上添加すると耐高温クリープ性が著しく向上するため0.7%〜2.0%がより好ましく、さらに好ましくは0.7%〜1.4%である。
【0046】
sol.Al:sol.Alは、固溶NをAlNとして固定するため、sol.Alが多いと耐高温クリープ性に効果を発揮する固溶Nが減少する。したがって、優れた磁気シールド性と優れた耐高温クリープ性とを兼備した鋼板を得るためには、sol.Alは少ない方がよく、0.01%以下とした。
【0047】
なお、C:0.1%未満、P:0.1%以下、S:0.03%以下とした理由については第1の実施形態と同様である。また、第1の実施形態と同様、Cr,Mo,W等の耐高温クリープ性を改善する元素と知られている元素を必要に応じて添加してもよく、添加する場合には含有量の合計を1%以下とすることが好ましい。非履歴透磁率を5000以上とした理由も第1の実施形態と同様である。
【0048】
次に、第1および第2の実施形態に係るテンションマスク用鋼板の製造方法について説明する。
まず、上記成分組成を有する鋼を、常法に従って、溶製、鋳造、熱間圧延、酸洗の後、冷間圧延により所定板厚の鋼板を得る。冷間圧延は1回のみでもよく、また、中間焼鈍をはさんだ複数回の冷間圧延を施してもよい。中間焼鈍として再結晶焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延を施す場合には、テンションマスクとして必要な鋼板強度を確保する観点から、最終冷間圧延は25%以上であることが好ましい。さらに好ましくは35%以上、さらに一層好ましくは40%以上とする。また、過度の冷圧率増大は圧延ミル負荷が増すため、冷圧率は80%を上限とすることが好ましい。より好ましくは70%を上限とする。なお、ここで最終冷間圧延の冷圧率とは、後述のスキンパス圧延を実施する場合には、その直前の冷間圧延の冷圧率を指すものとする。
【0049】
最終冷間圧延後に鋼板形状矯正の目的でスキンパス圧延を実施したり、テンションレベラやローラレベラ等の形状矯正ラインを通過させてもよい。
【0050】
次に、冷間圧延により得られた鋼板、または、冷間圧延後さらに形状矯正された鋼板に、再結晶化しない温度域で焼鈍することにより、磁気特性を改善する。従来技術では鋼板内部の残留応力低減を目的として冷間圧延後に焼鈍を実施することもあったが、本発明においては、内部応力の有無に関わらず、磁気特性向上の目的で冷間圧延後の焼鈍を実施する。この焼鈍は再結晶温度以下の温度域で行うが、焼鈍温度としては、450℃未満では磁気特性改善の効果が得難いため、450℃以上が好ましく、より大きな磁気特性改善効果を得るためには480℃以上が好ましい。特に焼鈍温度を510℃以上とすることにより非履歴透磁率を安定して5000以上とすることができ、560℃以上とすることにより非履歴透磁率を5200以上とすることができるので、焼鈍温度を510℃以上、さらには560℃とすることが一層好ましい。ただし、焼鈍温度が600℃超では鋼板内部で再結晶が始まって耐高温クリープ性が急激に劣化する可能性があるため、600℃以下とすることが好ましい。また、耐高温クリープ性の急激な劣化を防ぐ上で製造安定性確保の観点から、焼鈍温度は590℃以下、さらには580℃以下とすることが好ましい。
【0051】
以上説明した第1および第2の実施形態に係るテンションマスク用鋼板を、エッチングにより穿孔し、フレームに架張し、黒化処理することにより、テンションマスクを得ることができる。このようなテンションマスクは、素材鋼板が、他の特性を劣化させることなく優れた磁気シールド性を有しているか、または、優れた磁気シールド性と優れた耐高温クリープ性とを兼備しているので、「色ズレ」が生じ難い。したがって、このようなテンションマスクが適用された陰極線管は「色ズレ」が少ない高性能なものとなる。
【0052】
図1は、このようなテンションマスクを有する陰極線管を示す断面図である。図1に示すように、陰極線管10は、画像が表示されるパネル部2と、ファンネル部3とを備えている。これらは溶着されており、陰極線管10の内部は高真空に維持されている。パネル部2の内面には赤、緑、青の3色の蛍光体が塗布された蛍光面4が設けられ、この蛍光面4と対応するようにテンションマスク1が配されている。このテンションマスク1はフレーム5により張着され、これらテンションマスク1とフレーム5とで色選別電極を構成している。フレーム5の背面側には内部磁気シールド6が設けられている。なお、参照符号7は電子銃、参照符号8はヒートシュリンクバンドをそれぞれ示す。
【0053】
【実施例】
(実施例1)
表1の鋼A〜Jの成分を有する供試鋼を溶製後、熱間圧延し、酸洗した後、冷間圧延を行い、次いで再結晶焼鈍後、冷圧率60%で二次冷間圧延を施し、板厚0.1mmの鋼板を得た。この板厚0.1mmの鋼板に510〜580℃、50秒の焼鈍を施して表2に示すNo.2〜4,6〜15の供試材を得た。また、二次冷間圧延後の鋼板に焼鈍を施さずにNo.1,5の供試材を得た。
【0054】
【表1】
Figure 0003764396
【0055】
以上のようにして得られたNo.1〜15の供試材について、エッチング性を評価した。エッチング性は、実際にアパーチャグリルの簾状にエッチングして、エッチングの状況(欠陥の有無)を目視で評価した。
【0056】
エッチング特性が良好であったNo.1〜14の供試材について、耐高温クリープ性を評価し、No.9を除いて磁気特性を測定した。
【0057】
耐高温クリープ性は、上述のようにして製造した鋼板に対して、300N/mmの張力を付与した状態で、450℃で20分間保持し、クリープ伸び量を測定することにより評価した。
【0058】
磁気特性としては、450℃で20分間の黒化処理相当の熱処理を施した材料から外径45mm、内径33mmのリング試験片を採取し、励磁コイル、検出コイルおよび直流バイアス磁界用のコイルを巻いて、非履歴透磁率を測定した。
【0059】
以下、非履歴透磁率の測定方法について詳細に説明する。
i)励磁コイルに減衰する交流電流を流して試験片を完全消磁する。
ii)直流バイアス磁界用コイルに直流電流を流して27.9A/m(0.35Oe)の直流バイアス磁界を発生させた状態で、再度励磁コイルに減衰する交流電流を流して試験片を消磁する。
iii)励磁コイルに直流電流を流して試験片を励磁し、発生した磁束を検出コイルで検出してB−H曲線を測定する。
iv)B−H曲線より非履歴透磁率を算出する。
【0060】
No.1〜15の供試材の焼鈍温度、ならびにエッチング性、耐高温クリープ性の評価結果および磁気特性の測定結果を表2に示す。
【0061】
なお、エッチング性の評価基準は、目視で欠陥のない場合を良好、欠陥がある場合を不良とし、表2にはそれぞれ○および×として示した。また、クリープ性の評価基準は、クリープ伸び量が0.30%以下の場合に耐高温クリープ性が特に良好、0.30%を超えて0.50%以下の場合に使用に耐え得るレベル、0.50%を超える場合に使用に耐えない材料とし、表2中にそれぞれ◎、○、×で示した。なお、この評価では、圧延方向および圧延直角方向の両方向について試験を実施し、その平均値で評価を行った。
【0062】
【表2】
Figure 0003764396
【0063】
表2に示すように、組成が第1の実施形態の範囲内であり、最終冷間圧延後に再結晶温度以下で焼鈍を行ったNo.2〜4,6〜8,10,11,13,14の供試材においては、エッチング性が良好であり、非履歴透磁率が5000以上と高いため磁気シールド性に優れていることが確認された。また、耐高温クリープ性もクリープ伸び量が0.50%以下と比較的良好であった。
【0064】
また、これらの中でも、特に、Mn:0.6%超2%以下かつN:0.006%以上0.01未満と第2の実施形態を満たすNo.4,6〜8,10,11,13,14の供試材においては、クリープ伸び量が0.30%以下と極めて良好になり、また非履歴透磁率もより高い値となっており、優れた耐高温クリープ性および優れた地磁気シールド性が高位に両立されていた。
【0065】
これに対してNo.1,5の供試材は最終冷間圧延後の焼鈍を行わなかったので非履歴透磁率が5000未満となった。No.9の供試材においては焼鈍温度が高かったため耐高温クリープ性が劣っていた。また、No.12の供試材はN量が多いため非履歴透磁率が低かった。No.15の供試材においてはC量が高いためにエッチング性が不良であった。
【0066】
(実施例2)
表3の鋼K〜Qの成分を有する供試鋼を溶製後、熱間圧延し、酸洗した後、冷間圧延を行い、次いで再結晶焼鈍後、冷圧率60%で二次冷間圧延を施し、板厚0.1mmの鋼板を得た。この板厚0.1mmの鋼板に510〜580℃、50秒の焼鈍を施して表4に示すNo.21,22,24〜27,29〜35の供試材を得た。また、二次冷間圧延後の鋼板に焼鈍を施さずにNo.23,28の供試材を得た。なお、これら鋼K〜Qは溶製時に不純物レベルが実施例1の鋼A〜Jよりも低くなるようにした。
【0067】
【表3】
Figure 0003764396
【0068】
以上のようにして得られたNo.21〜35の供試材について、エッチング性を評価した。エッチング性は、実施例1と同様の評価方法および評価基準で評価した。その結果、いずれも良好なエッチング性を示した。
【0069】
これらNo.21〜35の供試材について、耐高温クリープ性を評価し、No.32を除いて磁気特性を測定した。
【0070】
耐高温クリープ性は、実施例1と同じ評価方法および評価基準で評価し、磁気特性としては、実施例1と同じ試験片を用い、同じ方法で非履歴透磁率を測定した。
【0071】
No.21〜35の供試材の焼鈍温度、ならびにエッチング性、耐高温クリープ性の評価結果および磁気特性の測定結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
Figure 0003764396
【0073】
表4に示すように、組成が第1の実施形態の範囲内であり、最終冷間圧延後に再結晶温度以下で焼鈍を行ったNo.21,22,24〜27,29〜31,33〜35の供試材においては、エッチング性が良好であり、非履歴透磁率が高いため磁気シールド性に優れていることが確認された。また、耐高温クリープ性もクリープ伸び量が0.50%以下と比較的良好であった。これらNo.21,22,24〜27,29〜31,33〜35の非履歴透磁率の値は、実施例1よりも高く6000以上の値を示した。
【0074】
また、これらの中でも、特に、Mn:0.6%超2%以下かつN:0.006%以上0.01未満と第2の実施形態を満たすNo.24〜27,29〜31,33,34の供試材においては、クリープ伸び量が0.30%以下と極めて良好になり、また非履歴透磁率もより高い値となっており、優れた耐高温クリープ性および優れた地磁気シールド性が高位に両立されていた。
【0075】
これに対してNo.23,28の供試材は最終冷間圧延後の焼鈍を行わなかったので非履歴透磁率が5000未満となった。No.32の供試材においては焼鈍温度が高かったため耐高温クリープ性が劣っていた。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、表面性状やエッチング性等の他の特性を劣化させることなく、優れた磁気シールド性および優れた耐高温クリープ性を兼備したテンションマスク用鋼板を得ることができる。さらに、本発明によれば、低コストで色ズレ等が改善されたテンションマスク、および、そのようなテンションマスクを具備した陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンションマスクを有する陰極線管を示す断面図。
【符号の簡単な説明】
1;テンションマスク
2;パネル部
3;ファンネル部
4;蛍光面
5;フレーム
6;内部磁気シールド
7;電子銃
8;ヒートシュリンクバンド
10;陰極線管

Claims (9)

  1. 重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、非履歴透磁率が5000以上である地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
  2. 非履歴透磁率が5200以上であることを特徴とする請求項に記載の地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
  3. 非履歴透磁率が6000以上であることを特徴とする請求項に記載の地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板。
  4. 重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を得る工程と、
    前記鋼片に熱間圧延を施す工程と、
    熱間圧延後の鋼板に対し中間焼鈍を経ずにもしくは中間焼鈍をはさんで、1回あるいは2回以上の冷間圧延を施して所定の板厚の鋼板にする工程と、
    その後、再結晶温度以下の温度域にて焼鈍して非履歴透磁率を上昇させる工程と
    を具備することを特徴とする地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
  5. 前記焼鈍工程は、再結晶温度以下510℃以上の温度域にて行うことを特徴とする請求項に記載の地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
  6. 前記焼鈍工程は、再結晶温度以下560℃以上の温度域にて行うことを特徴とする請求項に記載の地磁気シールド性および耐高温クリープ性に優れたテンションマスク用鋼板の製造方法。
  7. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の鋼板で構成されていることを特徴とするテンションマスク。
  8. 請求項に記載のテンションマスクを具備することを特徴とする陰極線管。
  9. 重量%で、C:0.1%未満、Si:0.2%未満、Mn:0.6%超2%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.01%以下、N:0.006%以上0.01%未満を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる冷間圧延鋼板を準備する工程と、この冷間圧延鋼板に対して再結晶温度以下の温度域にて焼鈍することにより非履歴透磁率を上昇させる工程とを有することを特徴とするテンションマスク用鋼板の磁気特性を向上させる方法。
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